「大人」の伝説が、始まる――――。
…といっても別に“あだると”なゲームではありません、念のため(笑)。
主人公の名はソード。
かつては《不敗の聖騎士マスター・オブ・ソード》と呼ばれた、ラインメタル騎士団の生きた伝説だった男。
しかし十年前の大戦終結時に《味方殺し》の汚名を浴び除隊されてからは、しがない
時に、神歴4095年。
エウロペア大陸の南に位置する辺境の古い王国オルドバは、発掘された謎の古代兵器“機神”を操り、
周辺諸国への侵略を開始、瞬く間に大陸全土を掌握し神祖連邦オルドバを名乗っていた。
最後まで抵抗を続けていた北方の島国、ラインメタル連合共和王国もいよいよ陥落かと思われたある日、
ラインメタル王国の砂浜に一人の少女が流れ着いた。
連邦に追われていたその少女フュリスをソードが救った事から、彼の運命は再び動き出した。
闘うことの意味を見失っていた男の、再起の物語が今、始まる――――。
タイトル | バウンティ・ソード | バウンティソード・ファースト |
制作 | パイオニアLDC株式会社 | パイオニアLDC株式会社 |
対応機種 | スーパーファミコン(バッテリーバックアップ) | プレイステーション(メモリーカード:1〜6ブロック) |
標準価格 | \7980(絶版) | \5800/廉価版:¥1500 |
ジャンル | シミュレーションRPG | シミュレーションRPG |
『バウンティソード・ファースト(以下、ファースト)』は『バウンティ・ソード』をPSソフトとしてリメイクしたものです。
相違点はシナリオ数や分岐の増加、仲間キャラの追加と戦闘システムの修正など。
戦闘はSFC版よりもPS版の方が難しくなっています。
具体的には広範囲の技が味方を巻き込むようになったり、戦闘で斃れた仲間が本当に死んだりなど。
音楽の変更はなし…とはいえ元々の出来が破格に良かったので、決して他のPSソフトに引けは取っていません。
グラフィックは通常部分は良くなったんですが、必殺技などのエフェクトはSFC版よりパワーダウン(苦笑)。
某大作シリーズのような派手な演出を好む人には物足りないかもしれません。
…とはいえ、この作品の魅力はそんな事とは全く別の所にあるんですが。
ちなみに価格ですが、現在は中古でなら\1000前後で買えるようです(廉価版より安いじゃん)。
ただし、発売されてから長いので見つけること自体がまず困難(笑)。発見したら即買いましょうね(^_^;)。
このゲーム最大の売りは何と言っても『アクティブリアルタイムバトル』でしょう。
戦闘MAP上のユニットが全て自分(AI)の判断で自動的に行動するという代物で、ターン制とは全く異なります。
プレイヤーは本物の指揮官よろしく、リアルタイムで展開する戦場を逐一把握し、仲間たちに指示を飛ばさねばなりません。
これ、やってみると非常にハマリます。
味方が敵よりも圧倒的に強ければ、指示しなくとも勝手に戦闘が終わるんですが(笑)、
大概は敵の方が圧倒的に数が多かったり、MAPが入り組んでいてまともに移動できないので、
ちゃんと指示してやらないと負けます(このゲームは、戦闘で斃れたキャラは本当に死んでしまいます)。
全体の戦況を見渡す冷静さと瞬間的な判断力が要求される、他に類を見ない戦闘システムとなっています。
肝心なのはプレイヤーの集中力!知的興奮を楽しんでください。
こう書くと何だか大変そうですが、プレイヤーが動かすユニットは主人公を含めて五人まで(仲間はもっと多いです)。
全味方ユニットの状態を表示するウインドウもあるので、慣れてしまえば難しいシステムではありません。
戦闘自体は長くてもせいぜい10分以内に終わるようになっているので、時間がない人にもピッタリです(笑)。
システム以上に魅力的なのは、やはり登場人物です。
主人公を初めとして、他のゲームではちょっと見られない曲者ぞろいなのですな、これが(笑)。
物語中メインとして登場する仲間や敵を、ここに一挙公開!(この他にも色々いますよ)
本編の主人公で、なんと31歳(笑)。剣の達人で《
かつて、常勝不敗を謳われたラインメタル第17独立騎士団を率いた伝説の聖騎士だったが、
十年前の大戦末期における作戦で《味方殺し》の汚名を浴び除隊。以後、しがない賞金稼ぎとなる。
無目的な毎日を送り、仕事中さえ飲んだくれてはいるものの、剣の腕前はいまだ健在。
騎士だった頃は指揮官もやっていたので、仲間たちへの指示もお手の物。
左頬に走る刀傷と無精髭が特徴のハンサムvゲーム中にたびたび挿入されるモノローグの渋い事渋い事…(悦)。
ドラマCD『鋼鉄の龍』で彼を演じたのは石塚運昇氏でしたvvv
身長22センチの自称“可愛い妖精さん”。騎士時代のソードに命を救われて以来、行動を共にしている。
戦闘時はカーソル…もとい(笑)、ソードと仲間たちの伝令や敵の偵察を行う。
フュリスとは犬猿の仲(?)で、しょっちゅう喧嘩ばかりしている。
ドラマCD『鋼鉄の龍』では三石琴乃嬢が声を担当。可愛かったですvv
ソードを冒険に誘う謎の少女。本編のヒロイン的存在で12歳(爆笑)。
言動は強気でしたたか。意外に狡猾というか、人使いが上手い(そして荒い)。
序盤の印象は“クソ生意気な小娘”だが、彼女の事情を知るにつけ気にならなくなる。
というかこの娘、実は凄く魅力的な少女だと思う。人間的に深いというか…私的に大好きなキャラ。
中盤以降はもう生意気な所さえ愛しいvv ビバ、ソード×フュリス!!(←犯罪やて)
ドラマCD『鋼鉄の龍』では鈴木真仁嬢が好演しておられました。もう彼女以外考えられません(末期)vv
《老練なる銀狼》の異名を持つ、現役58歳の賞金稼ぎ。ソードとは古くからの顔なじみ。
同業者の中では最長老だが、剣の腕はまだまだ健在。
ゲーム上では騎士系か忍者系クラスに転職可能で、筆者はもっぱら素早い忍者系でお世話になった。
ヘンメリーとの掛け合いがイイ感じv 実はSFC版では死亡するのだが、『ファースト』では最後まで生き残る。
CVは小林清志氏を超希望!
《ブラッドシスター》という凄い異名を持つ26歳の賞金稼ぎ。ソード、コルツとは顔なじみ。
元々は良家の子女で修道院のシスターをやっていたが、脱走して賞金稼ぎになった(笑)。
僧侶系クラスだが、成長すると魔術師系にも転職できるようになる。私は回復役で使ったけどさ(笑)。
口が悪けりゃ手も早い、男勝りな性格。コルツと同じく『ファースト』で死亡を免れたキャラ。
CVは松本梨香嬢が似合いそうv
フュリスの御付きその1(笑)。元はオルドバの兵士だったが、祖国の圧政を正すため反乱軍となる。
19歳の熱血青年で剣の腕はまだ未熟。《若き炎の剣士》という異名があるらしいが、誰が呼んだかは謎(笑)。
ソードに助けられて以来、彼に尊敬と思慕の念を抱く(…いや、説明書にもそう書いてあったし)。
成長後は騎士系と侍系に転職可能。ちなみに筆者は毎回ダークナイトにしている(大笑)。
ドラマCD『鋼鉄の龍』登場時は三木眞一郎氏が担当。結構ハマってました、熱血ぶりが。
フュリスの御付きその2(笑)。《辺境の聖女》の二つ名を持つ、心優しいお姉さん。
ロジャーの幼馴染で17歳との事だが、精神年齢はどう見ても彼女の方が上(笑)。
ゲーム上は性格を反映してか僧侶系のみ。ヘンメリーより精神力が高い回復の要(他に能がないと言ってはいけない)。
ロジャーとはお互い憎からず想っているらしい。しばしば他のメンバーを無視してノロケる事あり。
ドラマCD『鋼鉄の龍』登場時は篠原恵美嬢が“落ち着いたお姉さん”ぶりを好演。
《極黒(くろ)の魔導士》と呼ばれる、強力無比な暗黒魔導の使い手。300年以上生きているらしい。
自分の魔力が戦争に利用されるのを恐れ、吟遊詩人を装っていた…との事だが、どこら辺が吟遊詩人だったのやら。
運命論者で平和主義。仲間にするためには大枚払ったあげく難しい質問に答えなければならない厄介なお方。
魔術師系だけでなく僧侶系にも転職できるが、わざわざやる人もいないだろう。
高い魔力から繰り出す呪文は強力だが、このゲームの範囲魔法は味方にも当たるので要注意(笑)。
ドラマCD『鋼鉄の龍』では石井康嗣氏が好演。シュタイアをからかう歪みっぷりに愛!
未開の山奥から来た屈強の格闘家。フュリスの口車に乗せられて反乱軍に参加する(笑)。
《ドラゴン・バスター》の異名が示すとおり、素手でドラゴンを斃すとんでもない奴。
足は遅いし技も少ないが、秘孔を突いての麻痺攻撃は役に立つ。
『気は優しくて力持ち』を地でいく大男である。お約束だなあ(笑)。
CVには山口健氏を希望。
海を越えた向こうにある東洋の国ジャポネから来た謎の男。ソードに『気の流れ』が集まっている事を感じ仲間になる。
兵器や魔法に関して深い知識を持ち、東洋で発達した独自の術『風水』を使いこなす。別名《陰陽道士》。
『風水』は魔法と違って詠唱時間が要らないので結構便利。ただし、成長しても使える回数は増えないのが難点。
怪しげな風貌と戦闘時に飛び出す薀蓄から、CVは青野武氏を熱望する(笑)。
金のためならいかなる仕事も請け負うという、殺戮のプロフェッショナル。ソードに敗れ、反乱軍に雇われる。
冷酷なニンジャマスターで《静かなる殺戮者》の異名を持つ…が、喋ってると全然静かじゃない。むしろ騒がしい。
行動力が飛び抜けて高い上、技も使い勝手が良い。しかし、打たれ弱いので突っ込ませるとすぐ死ぬ(笑)。
CVは西村智博氏あたりに“イッてる”演技を期待したい所です(笑)。
オルドバ連邦に滅ぼされたロムルス王国の、元・機動投擲隊エース。《閃光のシュタイア》の異名を持つ。
発掘武器・『銃』を扱うガンマンで、祖国と殺された妹の仇を討つため反乱軍に参加する。
攻撃射程が長く威力も高いが、移動力が致命的に低い。技も強力ながら回数が少ないので使い所が肝心。
ドラマCD『鋼鉄の龍』では関智一氏が熱演。ロジャーよりよっぽど熱血だった(笑)。
ロムルス王国に仕えていたサムライで、シュタイアの親友。別名《寸断のリュウビ》。友に説得され反乱軍に参加。
この世界のサムライは独自の剣技と魔術師系魔法を使えるが、魔力が低いため魔法は当てにならない(笑)。
シュタイアとセットで戦闘に出すと、二人でラブラブ…もとい、息の合った会話を見せてくれる。
CVは小杉十郎太氏が似合うかと。
いかなる時も脳天気で危機感がない、キャピルン♪口調のコギャル(死語)。ソードに一目惚れして反乱軍に参加。
《魔法少女》の二つ名(自称?)で呼ばれ、その能力はかなりのもの。15歳との事だが、「昔、男に騙された」って…?
魔術師系と僧侶系のどちらにも転職可能なので、足りない方の補充にちょうど良い。
戦闘に出すと、気の抜けるような台詞をかましてくれる和み系。
経歴、正体、目的までも一切が不明な謎の美少年。無口で自分の意思も希薄なように思えるが…?
戦場にいる人間の姿や力をコピーするという、非常に特殊な能力を持っている。
コピー能力と引き換えに、素の能力は最低ランク。コピーにも時間制限があるので使い所が難しいキャラ。
CVのイメージは特になかったんですが、マロさんから『緒方恵美嬢が似合うのでは?』という御意見を戴きました。
『エヴァンゲリオンの碇シンジ君』のイメージだそうです…確かに似合うかも(^^)。
辺境の貧しい村でガーディアンを勤めていた女騎士。別名《シルバーナイト》。連邦に寝返った姉を討つため反乱軍入り。
生真面目で潔癖な性格。田舎物丸出しのマウザーやコギャルなエルマとの会話が面白い。
騎士系と弓兵系の職業に転職できる。力は弱めだが、総合的な性能は悪くない。
弓兵の方が使い勝手が良いらしいが、筆者はイメージ優先でセラフィムナイト(唯一の飛行可能な職業)にする。
CVは久川綾嬢を個人的に希望。
ラインメタル連合共和王国の軍務大臣。かつてはソードと同じ騎士団に所属し、共に闘う仲間だった。
賞金稼ぎとなった元同僚を友人として気にかけ、何かと仕事を世話してくれている。
仲間にはならないが、実は意外な所で重要な役割を果たす人物。
CVは沢木郁也氏が良いかなあ…?
オルドバ連邦四将軍の一人。《戦雲の女神》の異名を持つ。実はアテナの実姉。
貧しかった幼少時の記憶から、祖国を滅ぼした仇敵である筈の連邦に金と名誉を求めて入隊した。
知略を駆使した(陰険な)闘いを得意とする。使用武器は弓で、女ばかりの弓兵隊《女神部隊》を率いる。
CVは井上喜久子嬢を希望(判る人だけ笑ってください…)。
オルドバ連邦四将軍の一人。《爆熱の騎士》の異名を持つ、オルドバ最強の将軍。
常に深紅の甲冑を身に纏っており、その過去と素顔は謎に包まれている。
ソードに対して何故か異常なほどの闘志を燃やす。彼の過去に深い関わりがあるらしいが…?
…まあ、中盤まで来ればその正体に気づかない人はいないかと(笑)。
CVは屋良有作氏あたりに渋く決めて欲しいところ。
オルドバ連邦四将軍の一人。新参のダークロードに敵愾心を抱いているらしい。
根っからの軍人気質で他人の死には冷酷。残忍さで悪名高い特命部隊《ブラッドシールド》を率いる。
戦士としても有能で、2mを越える体躯から繰り出す剣技は凄まじい威力を誇る。
オルドバ連邦四将軍の一人。“機神”研究の第一人者。
高度な魔導技術を修得しており、強大な機神を従えて反乱軍の前に立ちはだかる。
かなりの老齢らしく戦闘では滅多に手を下さない反面、非道な実験にも平気で手を染める狂人。
神祖連邦オルドバの最高権力者。
古代神族が造り出した超兵器“機神”を発掘した事で欲望に取り憑かれ、エウロペア大陸の制覇を企む。
いろいろと異色な点の多いこの作品、マイナーですが一度はやって頂きたい一品です。
実はこれ、本来は三部作の予定だったんですが…第2作目の『バウンティソード・ダブルエッジ』が出た後、企画自体が潰れてしまいました(T_T)。既に設定まで作られていたらしいのですが…。
他のゲームとは一線を画した魅力のあるゲームだっただけに惜しいです。
まあ、見た目は地味だし宣伝も殆どされなかったようなので、マイナーなのも仕方ないんですけど。
シナリオ担当の山口宏氏は、『ガオガイガー』『エヴァンゲリオン』などの作品でも有名な実力派の人で、バウンティでも奥深い世界観を語られていたので、心から続編を切望する私なのでした。
機会があったら、バウンティ関係の二次創作をやってみたいと思います。