第12話
真夜中のCinderella

●今回予告●

君は真夜中のCinderella
一夜だけの魔法のPrincess
朝陽が0時の鐘の代わり
ガラスの靴だけ 残してBye−Bye

Beast Bind New Testament
『真夜中のCinderella』

汝、一夜の夢に酔わん。



オープニング ミドル クライマックス エンディング

■プレセッション■


GM(ゆづる):二人とも用意はいいですか? では、恒例の自己紹介を〜。カロン→法眼の順番で。

●PC1(定員1名) 推奨:男性オンリー。我と思う人。

 夜の街の繁華街。特に何かするわけでもなくぶらぶら歩いていると。
 君に声をかけてくる1人の少女。
 彼女の名は『春原ほのか』…ちょっとした君の知り合い。

 シナリオ絆:春原ほのか (関係:好奇心、友情、献身など)


カロン妖剣ゲシュペンスト  プレイヤー:CEF
 【アーティファクト/イレギュラー】 年齢:外見17歳(実年齢不明)/性別:男/カヴァー:高校生
 自分の過去に関わる、全ての記憶を失った青年。軽い調子の中にも、どこか謎めいた雰囲気を漂わせる。
 目覚めた時には、ただ傍らに『ゲシュペンスト』と銘の彫られた剣だけがあったという。
 仲間を守るため、そして自分の記憶を取り戻すため、彼は妖剣ゲシュペンストを手に闘い続ける。
 ちなみに現在は、とある半魔の経営するBAR『フルムーン・ナイト』で社会勉強を兼ねて働いている。
 所持HA:《剣魂一擲》、《電光石火》、《歩く影法師》


●PC2(定員1名) 
推奨:特になし。年長者の方がよいかも。

 ある夜のこと。懐の携帯が鳴る。
 かけてきたのは『春原みやび』…魔であるあなたを知る、旧い友人。
 頼みごとは、いなくなった1人娘の捜索。

 シナリオ絆:春原みやび (関係:同情、共感、救済など)


鬼来 法眼きらい ほうげん鬼法師  プレイヤー:麻那
 【イレギュラー/ビースト】 年齢:33歳/性別:男/カヴァー:法力僧
 先祖返りで『鬼』の血脈に目醒めた流浪の法力僧。飄々としているように見えて、芯は熱い性格。
 身長2mを超す巨漢でボサボサ髪に無精髭、顔も身体も傷だらけ。僧衣と下駄履きが基本スタイル。
 鬼の血がもたらす忌まわしい食人衝動を堪えながら、人に仇なす魔物を調伏している。
 実のところ『法力僧』としては二流以下だが、鬼の能力と実戦で鍛えた戦闘技術により『退魔師』としては一流。
 所持HA:《歩く影法師》、《律の破壊者》、《獣の生命》


GM:ありがとうございました。では、今回はPL2人なので相互に絆/エゴを取得してください。
法眼:カロンにエゴ/興味で。ストーリー次第でひっくり返すかどうか決めます。
カロン:法眼には絆/信頼で…。


GM:ハウスルールは、こういうのを採用しています。

・[登場判定]は不要です。シーンへの登場は任意とします。ただし、GMの許可が必要です。
・シーン終了時の[絆判定]は不要です。1シーンに任意にエゴ/絆を取得できます。1度に複数の絆を取得できますが、取得できるエゴ/絆の数の上限は通常通り7つです。エゴ/絆の取得とは別に自分のエゴ/絆の種類・内容を変更することができます。1シーンにつきいくつでも変更ができます。また、シナリオ進行に伴い、GMよりエゴ/絆の内容の変更を指示する場合があります。
・登場シーン数は経験点計算の際は、実際の登場シーン数に関わらず「9」(シーン登場による経験点5点)として計算します。

GM:では、準備と心構えと覚悟が整ったらセッション開始します。
一同:了解です。



 

■オープニングフェイズ■


●シーン1 『真夜中のシンデレラ』 シーンプレイヤー:カロン

○夜の繁華街


GM:では、オープニングスタート。時間は夜。曜日は金曜日。繁華街は人だかりで賑やかですが…特にあてもなく、ぶらぶらしておりました(笑)。
カロン:「……(特に目的もなく街をぶらぶら)」
GM/??:「あれ? カロンくん?」と、女の子の声がします。
カロン:「ん?(声のほうを向く)」
GM/??:「カロンくんだよね? 久しぶり」声の主は『春原ほのか』…以前、バイト先で一緒だった女の子です。今は高校3年生。
カロン:「ほのか…久しぶり。元気そうだね」
GM/ほのか:「キミこそ。私がバイトやめてからだから…2ヶ月ぶりくらいかな?」
カロン:「もうそんなになるか…。ほのかの顔を見ると最近のことのように思えるよ」
GM/ほのか:「カロンくんは、まだあそこのバイト続けてるの?」
カロン:「あー、あそこはちょっとね…。今はバーで働いてる」
GM/ほのか:「バー…ええ〜、似合わない〜(笑)」
カロン:「そう? 店の僕を見たら惚れるよ?(笑顔で返す)」
GM/ほのか:「やっぱり、こういうの(手でシェイカーを振るしぐさ)するの?」
カロン:「うん、簡単なのならネ」
GM:ところで…以前の彼女は、メガネをかけた真面目そうな女の子でしたが。今は、コンタクトなのか、メガネを外し、お洒落をして、ちょっと見には華やかな別人という感じで。
法眼:ふむ、シンデレラか。真っ当な方法で綺麗になったんだといいがな。
カロン/いきなり作業着のおっちゃん:「よいしょっと(ほのかをプレス機に)」
GM:プレス機に入れないように(笑)。
カロン/作業着のおっちゃん:「いっちょう上がりっと」プレス機から綺麗なほのかが出てくる(笑)。
GM/ほのか:「じゃあ…一度見てみたいなぁ…未成年はやっぱり駄目かな?」
カロン:「そうだな。でも高校卒業したら個人的に振ってあげるよ」そう言って、ほのかの頭をぽんぽんと軽く叩く。
GM/ほのか:「んー……。そうだ、カロンくん、今夜は…暇?」
カロン:「あぁ。今日は仕事もないし…。どうしたの?」
法眼:高校卒業の話題をあからさまに逸らしましたね、今(笑)。
GM/ほのか:「一晩、つきあってくれない?」
カロン:「……。ほのか…。いいよ……付き合うよ」
GM/ほのか:「…何か勘違いしてない?(笑)」じーっと、顔を近づけて、悪戯っぽく笑いながら。
カロン:「だったら用件を言ってよ。じゃないと勘違いしちゃうよ?(悪戯っぽく笑いで返す)」
GM/ほのか:「一晩、ALL NIGHTで遊びまくろう、て言ってるだけだからね(笑)」
カロン:「わかったよ。じゃあどこ行く?」軽い感じのお兄ちゃんロールに挑戦中…。
法眼:うむ、軟派青年っぽく見えます(笑)。
カロン:なら目的どおりだ(笑)。
GM/ほのか:「楽しそうなとこなら、どこでも…こうゆう時はちゃんとエスコートするもんだぞ?(笑)」というわけで、ほのかは手を引っ張って、繁華街をどんどん歩いていきます。
カロン:「ふーん。じゃとりあえず何か食べにいこっか。それからゆっくり考えよ?」
GM/ほのか:「賛成〜!」というわけで、オープニングはこの辺で。
カロン:ういっす。
GM:シナリオ絆:春原ほのか、をどうぞー。推奨は好奇心。他でも可です。
カロン:献身の絆を。
GM:[SA:ほのかと一晩一緒に過ごす]を。
カロン:OK、どきどきだー。
法眼:達成が難しいということでしょうか?
カロン:ほのかは物凄く足が速いとか…(笑)。

▼絆/エゴの変化
カロン:ほのかに絆/献身を取得。



●シーン2 『鬼の塒で』 シーンプレイヤー:鬼来法眼

○法眼の塒


GM:では、続いて法眼さんのオープニング。時間は夜…携帯が着信音をあげます。
法眼:着信相手を確認して、電話を取る。
GM:着信相手は『春原みやび』さんです。「…もしもし」
法眼:「みやびか……久しいな」
GM/みやび:「ええ…ご無沙汰しています。…鬼来さん、今、お暇でしょうか」ちょっと震える声で。
法眼:「ん? まぁ暇だが…どうした? 声が震えてるぞ」
GM/みやび:「…ぶしつけで、失礼だとは思うのですが…娘のほのかを、探してもらえませんか…?」
法眼:「ほのか嬢ちゃんか。何があった?」
GM/みやび:「お恥ずかしい話ですが…ちょっと喧嘩をしてしまいまして」
法眼:ほのかと面識あっていいでしょうか?
GM:はい、かまいません。現在高校3年生、真面目で大人しい感じの少女です。
法眼:「親子喧嘩か? あの大人しい子が家出でもしたってのかい」
GM/みやび:「…それで、家を飛び出していったっきり、連絡がなくて…こんなこと初めてで、どうしたらいいのか。ちょっと、進路のことで…お恥ずかしい話です」消え入りそうな声で。
法眼:「…まぁ、一応こっちでも探してみよう。門外漢だから何処まで役に立てるか判らんが」
GM/みやび:「…いえ……そんなことは」
法眼:「警察や探偵にも知り合いがいるしな。任せておけ」
GM/みやび:「もし、見つけたら…家に帰ってくるように、言ってもらえませんか。もう、怒ってないから、と」
法眼:「あぁ、出来るだけ穏やかに話してみるさ……お前さんは大丈夫なのか?」
GM/みやび:「…はい、私は大丈夫ですから…すみません。こんなことをお願いできる筋合いじゃないのは、わかってるんですが……」
法眼:「気にするな。美人の頼みは断らない主義なんだ」軽く笑う。
GM:その言葉にちょっと、くすっと笑い声が。
法眼:「やっと笑ったな? まぁ、安心して待っててくれ」
GM/みやび:「連絡は、携帯の方にお願いします……よろしくお願いします」というわけで、電話は切れました。
法眼:「さて、どうやって探したもんかなぁ…」とにかく心当たりを探す。
GM:じゃあ、オープニングはこの辺で。シナリオ絆:春原みやび。推奨は友情ですが、他でも構いません。
法眼:友情で取っておきます。旦那がいそうだし(笑)。
GM:旦那さんは、魔物絡みの事件で死んだのですよ(笑)。
法眼:あ、そうなの?
GM:まあ、それがきっかけで知り合った…と。どうでもいい話ですが(笑)。
法眼:(少し考えた)…でもまぁ、友情で(笑)。
GM:[SA:ほのかを見つける]をさしあげます。
法眼:頂きました。
カロン:法眼と未亡人、これはこれでいいカップリングかも…。法眼、実はカロンのライバル?(+w+)きらーん
法眼:大人の男女の微妙な友人関係を演出してみたつもり(笑)。

▼絆/エゴの変化
法眼:みやびに絆/友情を取得。



 

■ミドルフェイズ■


●シーン3 『食事しよっか?』 シーンプレイヤー:カロン  登場難易度:自由

○繁華街


GM/ほのか:「ね、せっかくだし、何かおいしいものとか食べたいな♪」腕を組んで、興味津々という感じでカロンを見てます(笑)。
カロン:「じゃあそうだなぁ…あそこでいっか」
GM:どういう店がいいです?(笑)
カロン:うーん……ここはあえて、小奇麗な個室のある和食の店で。
法眼:おぅ、渋いセレクトを。
GM:了解(笑)。…では、法眼さん。
法眼:はい?
GM:知り合いを当たったりしながら、ほのかを探していると。見知った顔と、ほのかっぽい女の子の2人連れがそのようなお店に入っていくのを目撃するわけですが。
法眼:「ふむ。…まぁ、連れ込み宿でないだけまともか」しばらく様子を見ます(笑)。
GM:では、様子を見る、と(笑)。
法眼:入り口を見張れる別の店に入って、自分も食事〜。
カロン:「ほのか、ここでいい? 味は保証するよ」
GM/ほのか:「いいよ。こういうとこで食事するの、初めてだなぁ…彼女との行きつけの店とかー?」物珍しげに、店の中を見て回ってます。
カロン:「あー、お店の知り合いとたまに来るんだ。大衆向けのバーじゃないから知り合いにもお金持ちが多くなってね」
GM/ほのか:「へぇ…お財布大丈夫?」
カロン:「それは任せといて。…やぁ、お久しぶり。個室空いてる?」と店の人に。
GM/店員:「いらっしゃいませ。ええ、空いております、どうぞ」と、個室に案内されます。
法眼:その頃の行動。「(メニューを聞きに来た店員に向かって)あぁ、メニューのここから…(上から下までざっと指さして)この辺り、全部頼む」
GM/店員:え!? は…はい、かしこまりました…」
法眼:二人が出てくるまで、注文したメニューを平らげる(笑)。ちなみに払いは全て現金。退魔業で稼いだ大金の殆どがエンゲル係数となって消えていく法眼の日常(笑)。
カロン:退魔でエンゲル係数高いって…どれだけ食べるんだろう(笑)。
GM:では、料理が来るまでの待ち時間…ほのかが尋ねてきます。「それで、さ…どこに行く?」
カロン:「そうだなぁ…。こんな時間じゃ行けるところも限られちゃうし…」
GM/ほのか:「映画とか見たいなぁ…カラオケとかも楽しそうだし、ん…あ、でもカロンだったらもっとこう、素敵なとこ知ってる?」
カロン:「ボーリングやビリヤードならオールナイトでやってるけど…。うーん」
GM/ほのか:「あ、そういうのもいいな♪ …色んなとこに、行こうよ…朝まで、たっぷり時間あるし」
カロン:「じゃあそうしよっか」ぶっちゃけ、夜通し遊ぶ方法なんて小生知りません(笑)。
GM:|_・) まあ、ビリヤードとかボーリングとかゲーセンとかカラオケとか……_| ̄|○ 低俗だな、知識が(笑)。映画見るという手もあるのかな(笑)。
カロン:雰囲気のいいところで微睡むのもいいが、「知り合いの女子高生」とすることじゃないし朝まで保たん(笑)。
GM:ですね(笑)。それくらいだと思う(笑)。
カロン:漫画喫茶のカップル席…(笑)。
GM:そういうところで料理が出てきます(笑)。一旦、シーン切りますね〜。
カロン:はーい。



●シーン4 『電話の向こうは』 シーンプレイヤー:鬼来法眼

○繁華街


GM:では、続いて、法眼さんのシーン…一応(笑)。向かいの店で一通りの食事を終えたところ…店から知った顔とほのからしい女の子が、ちょうど出てきたところです。
法眼:「ふむ、追うか…腹八分目と言うしな」こっそりと二人を尾行します。但し、尾行経路は屋根伝いだったり電柱から電柱へと飛び移ったりで、少し非常識(笑)。
GM:では、ほのかの方が手を引っ張って、「あ、ゲームしてみたい!」てな感じにゲームセンターに入っていくようです。見た目にはカップルのような感じですね。
法眼:では、路地裏に着地して何食わぬ顔で通りから店に入る。
カロン:「……(誰か、尾けてる?)」警戒して、ほのかを庇える姿勢に。
GM/ほのか:「…ああ、また駄目! 悔しい! あのぬいぐるみ、もうちょっとで取れそうなのに!」ほのかは気づいてないようです。
法眼:では、その後ろでレーシングゲームでも(笑)。
GM/ほのか:「ね、カロンはこういうの得意だったりしない?」
カロン:「やったことないけど……。やってみるか……」
GM/ほのか:「あ、あれ。あのウサギのぬいぐるみ…取れないかな?」
カロン:「…やってみる……(物凄い真剣な眼差しでウサギを見つめる)」要判定ですか?
GM:いえ、取れたでいいです(笑)。
カロン:「……。いける…いける…。よしっ!」ウサギGET〜。
GM/ほのか:「やったぁ!」隣で大はしゃぎしてます
カロン:「はい。ほのか」人形劇のように動かした後、手渡す。
GM/ほのか:「ありがとうー♪」ところで、法眼さん…このままずっと尾行?(笑)
法眼:デートを邪魔する理由がないですし(笑)。ほのかに危険が迫ったりすれば強制的に連れ戻すことも考えますけど。
GM:んー、そうか。了解。では、法眼さん。そうやって2人の様子を窺っていると携帯電話が鳴ります。
法眼:ハンドル片手にマナーモードで取ります。「…もしもし?」
GM:「鬼来さん…」電話の主は、みやびです。
法眼:「あぁ、嬢ちゃんなら見つけたぜ?」
GM/みやび:「鬼来さん…私……どうしたらいいか……」取り乱したように、涙声です。
法眼:「おい、落ち着けよ。どうした?」真剣に聞きます。ゲーム画面では運転放り出された車が盛大に事故る(笑)。
GM/みやび:「…ほのかが……ほのかが交通事故で……今、病院で……」
法眼:「……なんだって?」思わずほのかを振り返る。
GM:彼女は、カロンと一緒に楽しそうにゲームしてます。今は、ダンス中。ちなみにへたくそ(笑)。
法眼:「…おい、冗談だろ? お嬢ちゃんはずっと俺の目の前にいたんだぞ?」
GM/みやび:「…今、警察の方が来て、死体を確認してくれって…病院で……」
法眼:「…わかった。わかったから落ち着け。俺も今、そっちに行くから」出来るだけ穏やかに声をかける。
GM:では、一旦シーンを切りますね。

▼絆/エゴの変化
法眼:ほのかに絆/庇護を取得。



●シーン5 『初めての……』 シーンプレイヤー:カロン

○シグの自室前


GM:では、カロンさんのシーンです。
カロン:はい。
GM/ほのか:「次は、何がいいかな? カロンは何がいい?」彼女は、さっき取ってもらったウサギのぬいぐるみを嬉しそうに持ってにこにこと歩いてます。ゲームセンターは出てきました。「ボーリングとかビリヤードってのもやってみたいなぁ…カラオケとかも楽しそうかも」
カロン:「そうだな…。ビリヤードなんかどう? 割と熱くなれるよ?」
GM/ほのか:「ほんと? やり方教えて。やったことないんだ」
カロン:「ああ。教えてやるよ。手取り足取りね」
GM/ほのか:「…あ、なんだか、その言い方、えっちぃ(笑)」
カロン:「そう? えっちだからそう思えちゃうんじゃないの? はははっ」
GM/ほのか:「ええ〜!?」大げさに驚いた風を見せつつ(笑)。というわけで、ビリヤードの店…何て言うんだろ?(笑) とにかくそういう店に(笑)。
法眼:プールハウスとか言いますね。
GM:どうしてもボーリングとかゲーセンが一緒になった場所のイメージしかなくて(笑)。
法眼:まぁ、そんなようなものです。大抵(笑)。
カロン:「じゃあ、ナインボールの簡単なルールを…って、メンタルなスポーツだから静かにね?」
GM/ほのか:
…はぁい(小声)」

 ――――そして、1プレイ後。

GM/ほのか:「…難しいなぁ…。なんで、カロンみたいに、まっすぐ勢いよく球が転がらないかなぁ?」初めてと言うだけあって、ほのかは下手くそです(笑)。
カロン:「初めはクッションなんて考えないでさ。まっすぐ狙って…」ほのかを背後から包むように構えを指導します。
GM/ほのか:「…でも、楽しいね。…私、小さな頃にお父さんが亡くなって、お母さんと2人きりで。ずっと…いい子にしてなきゃいけないって、思ってたの。だから、こういうとこで…こうやって夜通し遊ぶなんて、初めて」
カロン:「そっか。まぁ、今日は目いっぱい遊んでさ。明日お母さんに謝ろっか。たまには息抜きも大事だよ」
GM:カロンの教えた通りにやろうと、ぎこちなくキューを突くと…白球が勢いよく転がっていき、球を弾いて、ポケットに落とします。「…あ、やった! 見た見た?」
カロン:「おめでとう、ほのか(拍手)」
GM:ほのかはカロンの言葉には何も答えずに、にっこりと笑顔を返す。というところで、一旦シーンを切りますね。
カロン:うい。



●シーン6 『真実は残酷で…』 シーンプレイヤー:鬼来法眼

○病院


GM:場所は、深夜になった病院。そこには泣きはらして目を真っ赤にしたみやびさんがいます。
法眼:「…嬢ちゃんは?」
GM/みやび:「鬼来さん……!」霊安室、と書かれた部屋…そこに、白い布をかけて寝かされた少女がいます。それは確かに、法眼さんがさっきまで見てた、ほのかその人です。
法眼:「……」死後、どのくらい?
GM:交通事故にあったのが今日の夕方くらい、だと思ってください。即死だそうでした。
法眼:「……なんてこった…」俯く。
GM:みやびさんは、声もなく、呆然としています。
法眼:ちらりとみやびの顔を見て、自分の手首を見つめる。
GM/みやび:「…私が…あの子を叱ったりしなければ……私は……」
法眼:「(…まだ手は…あるかもしれん。だが……いいのか、本当に…?)」
GM/みやび:「…私は、あの子に幸せになってほしいから…しっかり勉強して、大学に進学しろって…でも、あの子は…働きたいって…どうしてそんなことをって…」
法眼:「おそらく…みやびのためを思ったんだろうさ、この娘も。お前が娘に幸せでいて欲しかったのと同じように…」
GM/みやび:「……ええ……でも、あの子は……もう……!」唇を噛み締める。
法眼:ここ、携帯は使えますかね?
GM/みやび:「…鬼来さん……わざわざ、ありがとう、ございました」携帯は使えます。
法眼:「いや……」カロンの携帯に電話をかける。
GM:では、カロンさんの携帯が鳴りますね。時間的にはビリヤード中(笑)。
カロン:「はい。カロンです」
法眼:「あぁ、鬼来だ。すまんが、今から会えないか?」カロンとみやびを合流させようと目論んでます。ほのかのことは内緒で。
カロン:「なに? 仕事?」
法眼:「いや、私用だが…会って欲しい人がいるんだ。場所と時間を待ち合わせて、会えないか? 出来れば公園か何処かでも」
カロン:「うーん。…ねぇ、ほのか。ちょっと仕事仲間から呼び出し食らっちゃってさ…」
GM/ほのか:「…だめ」
法眼:「あぁ、お嬢ちゃんも一緒で構わんぞ?」
カロン:「うんと、ね。長身の逞しいお兄さんがほのかに会いたいって」
GM/ほのか:「…? …かまわない、けど…?」
カロン:「OK♪ 法眼、会っていいって」
法眼:「まぁ、時間はさほど取らせんさ。場所は近くの公園、時間は…」待ち合わせを決めて、電話を切る。
カロン:「じゃ、これを決めたら行こっか♪」3番ボールを9番に当ててポケットに沈める。
法眼:「…みやび、今から○○公園へ行ってくれないか?」
GM/みやび:「…え…?」
法眼:「理由はまだ言えんが、悪いようにはしないつもりだ。約束する」頭を下げる。
GM/みやび:「…わかりました…」
法眼:「俺も後で追いつくから、先に行っててくれ」みやびを送り出してから、ベッドに横たわったほのかを見下ろす。「……これで助かるかどうかは判らん。だが……」手首を切って、溢れだした自分の血をほのかの唇へ注ぎ込む。食人衝動とカロンへのエゴを固定、HA《獣の生命》をほのかに使います。…有効かどうかは判りませんが(笑)。
GM:では、結論だけ言います。ほのかは…起き上がってきません。
法眼:「……」踵を返し、みやびの後を追います。
GM:では、一旦シーンを切りましょう。



●シーン7 『母と娘』 シーンプレイヤー:カロン

○公園


GM/ほのか:「ね、カロン…私に会いたい人って、誰?」
カロン:「ん? うーん、ここに来るって言ってたんだけど…見たらすぐ判るよ」
GM:その時、ほのかの表情が凍りつきます。「…お母さん……」
法眼:「よぉ、久しぶりだなカロン。…ほのか嬢ちゃんも」
GM/みやび:「……ほのか……?」驚いて立ち竦むみやび。ほのかは背を向け、走って逃げようとします。
法眼:先回りします。
GM/ほのか:「…駄目、駄目なの…邪魔しないで!」
法眼:「…すまんな。残酷かもしれんとは思ったが…せめて、最後に仲直りくらいはして欲しくてな」
カロン:「法眼、これはどういうこと? 今日は二人で朝まで遊ぶつもりだったのに」
GM/ほのか:「………」
法眼:「…親子喧嘩の仲裁ってとこだな…」
GM/みやび:「鬼来さん…その子は…ほのかなんですか? ほのかは…交通事故で死んだのに…」
法眼:「あぁ。だから、この嬢ちゃんは彼女の“心”なんだろうさ」
カロン:「どういうことだよ…。お母さん、冗談がきつくない?」
GM/ほのか:「…違うの、カロン」
カロン:「え? ほのか…まさか……」
法眼:「…時間がないんだろう? みやびは後悔してる。嬢ちゃんに謝りたかったそうだ。だから連れてきた…お節介だとは思ったがね」
GM/みやび:「…もし、あなたがほのかなら、ね…ごめんなさい、て。あなたの気持ちも考えず、母さんの考えばっかり押し付けて…。どうして、もっとほのかのことを考えてやれなかったんだろう、て…本当に、ごめんね…」泣き崩れるみやびを、ほのかは複雑な表情で見つめている。
法眼:「ほのか嬢ちゃん…本当の気持ちを話すんだ。もう、これっきりかもしれないんだぞ」
GM/ほのか:「………。…今さら、そんなこと言わないで…よ…」
カロン:「ほのか…」
法眼:ほのかの肩を抱いて、そっとみやびの方へ押しやる。
カロン:うわぁ。軽いノリでいってた分だけ、カロンはそういう行動がとりにくいっ。
GM/ほのか:「……そんなこと、気にしたことなんてなかった。…わがまま言ったのは、私の方だもん…ごめんなさい……ごめん、なさい……」ぽろぽろと涙を流して俯いて…ふと、ふらっとほのかが、倒れます。
法眼:抱き留める。
GM/みやび:「…ほのか…!」
カロン:うわぁ。法眼に先を越された(笑)。
法眼:すまぬ。これでもカロンが動くのを10秒ほど待ったのだ(笑)。
GM/ほのか:「……朝まで保つかな、て思ったけど」
カロン:「ほのか……」
GM/ほのか:「…親不孝は私だもん…謝らないといけないのは、私だから……私…もう、死んじゃったんだから…」寂しげに微笑んで。
法眼:「お嬢ちゃんは、いい娘だよ…」
カロン:「誰もお前のこと、責めたりなんかしないよ。みんなお前が好きだから…愛してるから…ここにいるんだよ」
GM/ほのか:「…ん……最期にわがまま、言っていい?」
法眼:静かに見守る。
カロン:「ああ…。いいよ…」
GM/ほのか:「…今夜、楽しかったから……せめて、ここにいられるまで、最期まで……遊んでていいかな?」
カロン:「当たり前だろ…。」ほのかの頬を優しく撫でる。
GM/ほのか:「…お母さんも一緒に、ね(微笑)」
カロン:「…はは…。そうだね…」心の中で苦笑(笑)。
GM/ほのか:「…2人きりじゃないと、嫌?」
カロン:「ま、僕も男だからね。でもいいよ。ほのかはお母さん好きなんだろ? だったら目一杯甘えなよ」優しく微笑む。
法眼:「…それじゃあ、オジサンはここらで帰るか。カロン、嬢ちゃんは任せたぞ?」抱き止めていたほのかをカロンに預ける。
GM/みやび:「…ふふ…母さんは構わないから、そっちの人と一緒に遊んできなさい」と、お母さんもカロンに預けよう(笑)。
カロン:「ほのか、なんかお母さんに気ぃ使わせちゃった……えへっ」
GM/ほのか:「(くす)…そうだね」
法眼:さて、そろそろ退場しようかな?
GM/みやび:「…鬼来さん。…もし、時間があるなら、一緒に……あの子が最期に楽しく遊ぶ様子を、見ててもらえないでしょうか」
法眼:「あぁ…途中までなら、な」法眼は立ち去ってから、病院へ向かうつもりなので。
GM:では、一旦シーンを終了しますか…一応、クライマックスらしきものを次で(笑)。
法眼:どうぞ。
カロン:うい。
GM:法眼は…別行動になるのかな?
法眼:途中までは付き合いますので、そちらの演出次第ですね。
GM:うい。いちおう、追加で[SA:はるかの最期を看取ってやる]というのを差し上げますが。
法眼:ほのかでは?
GM:……ほのかだ。…なんではるかになったんだろう?(笑)
カロン:ははは(笑)。
法眼:ところで、遺体の方へ行ってもSA達成になりますかね?
GM:ん…いえ、その場合はならないでしょう。
法眼:そうか。まぁ、こっちのほのかが消えるまでは付き合いますよ。
GM:はいな。遺体の方は、エンディングででも。


 

■クライマックスフェイズ■


●シーン8 『夜明けのシンデレラ』 全員登場

 ほのかは、カロンを色々な場所に引っ張り回しながら楽しそうにはしゃいでいた。
 そうして…そろそろ夜が明けそうな頃――――。

GM/ほのか:「…カロン」
カロン:「どうしたの? ほのか…」
GM/ほのか:「…どこかで…朝日を見たいなぁ…」今までの楽しそうな笑顔から、ちょっと寂しそうな顔をして呟いた。
カロン:「朝日か……。わかった…最高の場所で見せてあげるよ」
GM/ほのか:「ほんと? どこ?」
カロン:「そのかわり、ちょっと目をつぶって♪」
GM/ほのか:「?」目を閉じます。
カロン:GM、ほのか抱えてサンシャインを駆け上がるというのはありでしょうか…?(笑)
法眼:加速度がー(笑)。
GM:|_・) 許可(笑)。
カロン:許可された。
GM:|_・) まあ、その場合……法眼さんにもみやびさんを抱えて同じことを(ずきゅーん) =■●_ どさっ(倒)
法眼:…できますけどね(笑)。
GM:いや、普通に上ってきてくれて、いいですよ(笑)。後ろの方で見ててください。
カロン:「ほのか…。目を開けていいよ?」
GM/ほのか:「…?」
カロン:サンシャインの屋上にほのかを連れて行きます。
GM/ほのか:「……わぁ」
カロン:「ここなら池袋一、最高の朝日が見えそうだろ?」ほのかを抱きかかえながら。
GM/ほのか:「…うん…」抱えたほのかは…奇妙な感じに、存在感というか…手触りが希薄な感じがします。
カロン:「ほのか…」
GM/ほのか:「……もうそろそろ……かなぁ…」
法眼:屋上の少し離れた位置に立って、煙草に火を付ける。
GM:法眼の隣で、みやびさんはじっと、ほのかの様子を…見ています。
カロン:「またいつか会えるよ。…だから今はゆっくりお休み…」
GM/ほのか:「今日は楽しかった…よ」
カロン:「僕もだよ。ほのか…」
GM/ほのか:「ねぇ…カロン」カロンの方を見ずに、呟く。
カロン:「なに?」
GM/ほのか:「……死にたくない……もう、死んじゃったけど……でも……死ぬのは…やだよ」
カロン:「ほのか……。僕もできることなら一緒にいたいよ…」きつく抱きしめる。
GM:そこに、太陽が…昇ってきます。ほのかは振り返ると、「ありがとう…カロン」ちょっと背伸びして、唇を軽く重ねて。「これは、お礼。……バイバイ」
カロン:「…ありがと。今日のほのかは…いつも以上に綺麗だったよ…」
GM/ほのか:「……お世辞だと、思っておくから」
カロン:「ほのかが笑顔になるなら何だっていいよ。またいつかね」
GM:ちょっと涙に濡れた目で微笑んで…彼女はそのまま消えていきます。うさぎのぬいぐるみだけ、カロンの手に残って…。
カロン:「いっちゃったな…」
法眼:「…ちっ、久しぶりすぎて煙が目にしみやがる…」目尻の光るものを隠すように顔を背ける。
GM/みやび:「………鬼来さん」後ろで見ていたみやびさんが、額をそっと貴方の背中に押し当てる。「…ごめんなさい…付き合わせて…1人でいるのが辛くて…ごめんなさい…」声にならない嗚咽をあげながら。
法眼:「……気にすんな。好きで、勝手にやったことだからよ…」振り向かず、背中で嗚咽を受け止める。
GM:では、エンディングに移ります。


 

■エンディングフェイズ■


●シーン9 『終わってしまうよりは』 鬼来法眼ED


○病院


GM:では、法眼さんのエンディングから。場所は…どこがいいでしょう? ほのかの遺体のあった場所?
法眼:時間はクライマックス直後? だったら霊安室へ向かいますが。
GM:ええ、直後です。
法眼:では、病院へ。
カロン:ほのか、助ける方法があるんだろうか…。
法眼:努力だけはしてみました。駄目元ですけど。
カロン:うん…。無力でした……。orz
GM:|_・) 駄目ということはないですが。
カロン:!?
GM:では、霊安室です。そこには――――ほのかが、いました。
法眼:…過去形? それとも起きあがってる?
GM:どちらでもなく…ほのかの死体と、もう1人、ほのかがいます。
法眼:「……まさか、迷ったのか?」近づく。
GM/ほのか:「…違うの……何かに、引き戻されて……」
法眼:「(複雑な表情)…何かに、か。もし成仏し損ねたんなら俺のせいだな。…すまん」頭を下げる。
GM/ほのか:「…ううん…お礼言わなきゃ」
法眼:「お礼、か?」
GM/ほのか:「だって、まだ、生きていられるから」にっこりと、微笑んで。「…あ、でも…死んでるのかな?やっぱり」
法眼:「あぁ…だが、いいのか? これで嬢ちゃんは普通の人間ではいられなくなったんだぞ?」
GM/ほのか:「うん…それよりも。大切な人と別れてしまうことが、自分の時間が終わってしまうことが…辛いから」
法眼:「…強くなったな、嬢ちゃん。いや、元から強かったのかな?」からかうように。
GM/ほのか:「…それが辛い、って教えてもらったから」呟いて。「それで、ね、法眼さん…一つ相談して、いいかな?」
法眼:「ん、何だい?」
GM/ほのか:「…あんなに感動的に別れたお母さんとカロンさんには、どの顔をして会えばいいかな?(真剣)」
法眼:「……まぁ、腰抜かさないといいけどな…(遠い目)」
GM:そこで、扉が開いて。みやびさんが驚いて腰を抜かしたりしてるのですが…(笑)。
法眼:「……やれやれ、やっぱりか」溜息ついて助け起こしに行く。口元を僅かに綻ばせながら。

 …まぁ、どういうことかというと。
 HA《獣の生命》は自分以外に使うと、遅れて作用するので。
 ほのかは既に魔(この場合、イモータル)になっていたのであって。
 それに対して《獣の生命》がかかったら…半魔のほのかが死なずにすんだわけで。
 PLとしては、敢えて遺体の方に使うことで『人間として』蘇生できればいいな、と思ったんですが……そうは問屋が卸さなかったわけで…(笑)



●シーン10 『魔法は解けた…それでも』 カロンED

○サンシャイン60通り


GM:では、続いてカロンさんのエンディング。ほのかが消えてから数日後、です。
カロン:「……」悲しそうな目でサンシャインの屋上を見つめ、ゆっくりと歩き出す。街の喧騒と悲しい思い出から逃げるために。
GM/??:「カロンくん…だよね?」不意に、後ろから声をかけられます。
カロン:「…?」呼ばれて振り返る。
GM/ほのか:「………やあ」気まずそうに、ほのかが手を振ります(笑)。
カロン:「ほのか……。お前…ごめん…。逝かせてあげられなかったんだね…」
GM/ほのか:「……ほら…約束。お店で働いてるカロンくんのこと、見せてもらう約束だったじゃない? ………いなくなってた方が、良かったのかな?」
カロン:「……そうだったね……」笑顔が戻る。「ほのか、お帰り…で、いいかな?」
GM/ほのか:「…うん、ただいま」
カロン:「……」ゆっくりと近づき、優しく包むように抱きしめる。


GM:――――では、エンディングはこんなものでよいでしょうか?
カロン:うい、ここまでしちゃうと情が移っちゃいますねぇ。
GM:まあ、今回は…アーツの《さまよう魂》見ながら思いついたネタでした。それと、ダイス振らないセッションも目指してましたが。
カロン:高校卒業したらと言ったけど…こりゃ中退じゃのう(笑)。いや…そのまま高校生?(笑)
法眼:しらばっくれて卒業まで居座る(笑)。個人的に気になったのは、ほのか(遺体)をあの後どうしたのか、と言うことだったり(笑)。
カロン:本体はコンクリで固めてどこかに…(マテ
法眼:せめて埋葬してあげようよ…(笑)。
GM:では、セッション終了、とします。ちと時間オーバーでごめん。お疲れさまでしたー。
一同:お疲れ様でしたー。





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