●今回予告●
名前も知らない男だった。
夜の街で出遭ったその男は、あることから君と意気投合し、一緒に飲んだ。
気持ちのいい酒だった。
朝まで飲んだが、お互いに名乗らなかった。
それでも、その男と気持ちが通じている気がした。
今、その男が危機に陥っている。
それを知った君は、我慢が出来なくなった。
君は進んで戦いに身を投じた。
名も知らぬ友人を救うために。
これは、そういう物語である。
Beast Bind New Testament
『THE LONG GOOD-BYE』
汝、別離に涙するなかれ。
オープニング ミドル クライマックス エンディング
■プレセッション■
GM(R−3):さて、これで全員集合ですな。準備がよければ、早速始めていこうと思いますが。
一同:OKです。よろしくお願いします。
GM:PC間絆はシグムント→木場→法眼→ユーリィ→シグムントで。この順番で自己紹介もお願いします。
●PC1(定員1名) 推奨:オヤジ系PC
君はその男と意気投合した。飲み屋で暴れた酔漢を一緒に止めたのかもしれないし、君がその男のちょっとした親切に助けられたか、その逆か。
とにかく、君はその男と飲み明かした。実に気持ちのいい酒で、実に気持ちのいい男だった。
結局、お互いに名乗ることは無かったが、君は彼を今でも友人だと思っている。
シナリオ絆:名も知らぬ男 (関係:友情、救済など)
▼シグムント・シュライネン/狂戦士 プレイヤー:電波王
【フルメタル/ビースト】 年齢:外見二十代後半(実年齢不明)/性別:男/カヴァー:特務軍人(JABF情報部)
第二次大戦中、魔術機関『アーネンエルベ』により、北欧の遺跡から発掘された古代の生物兵器。
大戦時にナチスの一員として活動し、敵味方の双方から『狂戦士』として怖れられた。
終戦後、派遣されたロシアにて組織を脱走。いかなる経緯か、現在はJABFに籍をおいている。
身長2m強・体重120s以上の大男で、常時軍服を愛用。戦争を憎む、無骨だが気の優しい男。
……ちなみに、T−レックスの婚約者がいる。(*exリプレイ第9話参照)
所持HA:《フルファイア》、《マルチリカバリー》、《獣の生命》
●PC2(定員1名) 推奨:退魔師、ハンターなど。
ある魔物が製薬会社を襲った。データを破壊して、その魔物は逃げ出した。
賞金のかけられたその魔物を追うのが、今回の君の仕事だ。
シナリオエゴ:賞金首 (関係:捕縛、闘争など)
▼木場 大輔/Σ プレイヤー:れおそ
【エトランゼ/ビースト】 年齢:26歳/性別:男/カヴァー:SCGエージェント
元は宇宙を股にかけた傭兵。事故で宇宙船が大破し、脱出ポッドで地球に流れ着いた。
現在は宇宙船を買う金を貯めるべく、SCG(*エトランゼの互助組織)のエージェントとして働いている。
…が、莫大な費用がかかるため常に赤貧生活。任務の報酬だけでは足りないのでフリーの仕事も請け負う。
人の姿の時は黒服にサングラスをかけた目つきの悪い男だが、本来の姿はプレ●ター(笑)。
SCG本部から電送される武装ヴィークルを駆り、敵を轢き潰す戦法を得意とする。
所持HA:《彼方への門》、《無限の法則》、《獣の生命》
●PC3(定員1名) 推奨:オヤジ系PC
君は鎖に繋がれている。白衣の男たちは君に注射を何本も打ち、その経過を見ていた。
今度の仕事は暴走した魔物を捕まえるだけ、だったはずだ。
仕事を持ってきたのは蛟神門堂(こうがみ・もんどう)。フリーランスの魔狩人、と聞いた。
だが、魔物を待ち構えていた君達のチームを襲ったのはMMMのゴーレム部隊。
虚を突かれた君たちは、為す術もなくこの施設に担ぎ込まれた。魔物を使った、何らかの研究施設。
君の仲間は、一寸刻み・五分試しの目に遭い、一人、また一人…と消えていった。
実験台にされ、熱病に浮かされたようになっている君の前で、蛟神が笑っている。
君は、自分がこの男にはめられたことを確信した。
シナリオエゴ:蛟神 門堂 (関係:憎悪、仇敵など)
▼鬼来 法眼/鬼法師 プレイヤー:麻那
【イレギュラー/ビースト】 年齢:33歳/性別:男/カヴァー:法力僧
先祖返りで『鬼』の血脈に目醒めた流浪の法力僧。飄々としているように見えて、芯は熱い性格。
身長2mを超す巨漢でボサボサ髪に無精髭、顔も身体も傷だらけ。僧衣と下駄履きが基本スタイル。
鬼の血がもたらす忌まわしい食人衝動を堪えながら、人に仇なす魔物を調伏している。
実のところ『法力僧』としては二流以下だが、鬼の能力と実戦で鍛えた戦闘技術により『退魔師』としては一流。
昔、恋人を喰い殺しかけたトラウマから、自分と自分に流れる『鬼の血脈』を忌むべきものとして憎んでいる。
所持HA:《歩く影法師》、《律の破壊者》、《獣の生命》
●PC4(定員1名) *ユーリィ用ハンドアウト
君の前に、一人の男が倒れている。全身に夥しい傷を負ったその男が人狼であることに、君は気がついた。
トラブルの匂いを感じ、捨て置こうか…とも思ったが、やめた。
かつて失った一族の血とでもいうものが、君にそれをさせなかった。
それに、彼からは君が忘れた“父親”のような匂いを感じたからだ。
シナリオ絆:マグナス・アーチャー (関係:救済、共感など)
▼ユーリィ/銀狼 プレイヤー:nik
【ビースト/ビースト】 年齢:17歳/性別:女/カヴァー:高校生兼ハンター
古き人狼の一族『エレイシア家』の末裔。本名はリューリエ・システィール・エレイシア。
人間との混血だったために一族内で迫害され、故郷を離れて生きてきた。
しかし別の魔物が故郷を襲い、一族は滅亡。皮肉にも、彼女が最後の生き残りとなった。
普段は銀髪に紫の目をした美少女。戦う時は狼の耳と尻尾が生え、鋭い爪で敵を切り裂く。
迫害の経験から、人を信じることを怖れている。根は優しいが、それを素直に表現できない損な性格。
所持HA:《神獣撃》、《獣の盾》、《雷光のごとく》
GM:では、絆の取得をお願いします。
シグ:シグ→木場は、絆:共感で。
木場:では、木場→法眼の絆は好奇心です。
法眼:法眼→ユーリィへは絆:庇護で。
ユーリィ:ユーリィ→シグは、絆:信頼で。
GM:それでは、ハウスルールの説明です。絆/エゴはシーンに一回、好きに結んでもらって構いません。登場判定も、宣言頂ければGMが不許可としない限り、好きに登場して下さって結構です。
一同:了解しました。
GM:では、準備も整いましたことですし、本編に入りましょう。
■オープニングフェイズ■
●シーン1 『名も知らぬ友』 シーンプレイヤー:シグムント・シュライネン
○繁華街(夜)
GM:では、シグムントさん。あなたからです。
シグ:はい。どんな状況でしょう?
GM:シグムントさんが夜の街を歩いていると、酔漢が若者に絡まれている場面に出くわします。
シグ:無言で後ろから近づき、絡んでいる若者の肩を軽く掴みましょう。
GM/若者:「ああ? なんだ、おっさん?」
シグ:「……少し、酔いすぎているようだな。どこかで、休んだ方が良い」
GM/若者:「なんだ、おっさん…引っ込んでた方が身のためだぜ?」五人ほどの若者があなたを囲みます。
シグ:「……やめておけ。私はプロだ」軍帽をキッと直します。
法眼:…てか、シグって常時軍服姿なのか(笑)。
シグ:ですです。隠密の必要が無い時は、プライベートでも軍服(笑)。
ユーリィ:渋い(笑)。
法眼:ちゅーか、目立つ。俺も人のことは言えんが(笑)。
木場:法眼も常時僧服じゃないか(笑)。
GM:彼らは数に勝っているので、嵩に懸かって襲い掛かってきますね。
シグ:では、殺さないようにだけ気をつけて、殴り倒します。…骨の1〜2本は逝くかも?
GM:そうして何人か倒した時です。後方の一人が特殊警棒を抜いて襲い掛かろうとしたところ、そこに割り込むようにして現れた男が、その若者を殴りつけます。
シグ:「……助力に、感謝する」軽く会釈しつつも、戦闘の手は緩めません。
GM/男:「…余計なお世話だったかな…」こちらも、背中合わせに若者と戦います。そうして、しばらくすると若者たちは全員地面に伸びてしまいますね。「いい腕だな。どこかの軍人か?」
シグ:「……この国の防衛に、務めている者だ」敢えて、相手側の素性は問いません。
GM/男:「そうか。いや、こんな世の中でも、他人のためにケンカするような男がいたんだな…と思ってな」
シグ:「……それはお互い様、だな。……貴君に、何か礼をしたい。……酒は、呑めるか?」(グラスを傾ける仕草)
GM/男:「酒か…いいな。あんたみたいなのとは一杯、やりたいね」男は屈託の無い笑顔を浮かべると、シグムントに手を差し出す。
シグ:無言でフッ……と微笑むと、固く手を握り返します。
GM/男:「じゃ、行こうか。いい店を知っている」
――――その後は二人で朝まで飲み明かし、名乗らないまま別れた。……久しぶりに、楽しい酒だった。
GM:では[SA:いつか、もう一度酒を酌み交わす]と『シナリオ絆:名も知らぬ男』をどうぞ。
▼絆/エゴの変化
シグ:名も知らぬ男に絆/友情を取得。
●シーン2 『復讐鬼』 シーンプレイヤー:鬼来法眼
○研究施設内
――――酷い頭痛で目が醒めた。腕を動かすと、鎖がジャラリと鳴る。……拘束具か?
まだ朦朧とする意識をはっきりさせようと首を振った視界に、見覚えのある男が映った。
GM/蛟神:「目は覚めたか?」
法眼:(ぼんやりとした目つきで)「…ここは…?」
GM/蛟神:「とある施設の中、と言っておこうか。お前らは、これから俺たちの役に立ってもらう」
法眼:「……あいつら(仲間)は…どうなった…?」
GM/蛟神:「ああ、ガラスの向こうをよく見てみな」
法眼:霞む目を凝らして、窓の向こうを見る。
GM:ガラスの向こうには、白衣の男たちが並んでいます。ベッドに寝かされた“人間のようなもの”にメスを振るっています。
法眼:「…!? 止めろ…!」もがくが、拘束具のせいで身動き取れないわけだな。
GM/蛟神:「お前とは、違う形で役に立ってもらっているところだ」
法眼:薬物の影響で力の出ない四肢を、必死に動かす。
GM/蛟神:「おっと、あまり動かずに安静にしていた方がいいぜ。お前の体には熱病の病原体が打ち込まれているからな」
法眼:「止めろ、蛟神…何が狙いだ…?」
GM/蛟神:「魔物を、有用に活用してやるのさ。人間の役に立つように…MMMの名くらい、聞いたことがあるだろう?」
法眼:「うるせェ…今すぐ止めろ、止めないと…」蛟神の言葉は殆ど耳に入っていない。何とかして仲間を救おうともがき続ける。
GM/蛟神:「お前には、その熱病に打ち勝ってもらうぜ。そうして抗体を作り、その熱病のウィルスは細菌兵器にでもして売り飛ばすさ」
法眼:「…貴様…!」歯を食いしばり、鎖を千切ろうと力をこめる。拘束具と四肢の皮膚がこすれて血が流れる。
GM/蛟神:「まさか、貴種の鬼が手に入るとは思わなかったんでな、せいぜいそうして死なんように頑張ってくれ」にやり、と笑うと、蛟神は出て行きます。
法眼:「待ち…やがれ…」薄れいく意識の中、必死で仲間に手を伸ばす。
GM/少年:「法眼、さん…」床に倒れていた、まだ少年と呼べる年齢の仲間が声を上げます。
法眼:「…坊主、待ってろ、今…助ける…」拘束具から強引に腕を引きはがそうとする。
GM/少年:「ぼくは…もう、ダメです…。法眼さんと同じ、毒が…体に…僕には耐えられなさそうです…」
法眼:「グゥッ…ウォオオッ!!」ぼぎん。ぶちっ、ぶちぶちぶち…と音を立てて身体が拘束具から離れる。自ら片腕をもぎ取り、強引に拘束を解いた。
GM/少年:「法眼さん…生きて、ください…みんなの仇を…」
法眼:「やめろ坊主、死ぬな…ここから出さえすれば…」膝をつき、残った片腕で少年を抱きかかえる。
GM/少年:「法眼さん…ぼくも、あなたみたいに、なりたかっ…」そこまで言って、事切れます。
法眼:「…坊主? ……嘘だろ、おい…?」完全に命尽きたのを確かめて、呆然と立ち上がる。「…そうだ…せめてあいつらだけでも…」さっき見えた窓の方へ行くが。
GM:みな、もうダメです。パーツにされて、カプセルに入れられてしまっています。
法眼:「……ッ!?」(表情が消える)
GM/声:「お前の、仲間か…」後方から声がします。
法眼:「……」声は聞こえていない。…誰だ?
GM:灰色の毛の人狼です。「…ここを、離れろ。ここは戦場になる」
法眼:「……」無表情に見返す。
GM/男:「跡形もなく、消し飛ばす」
法眼:「…………ぅるせェ……テメェこそ、さっさと失せろ。今の俺は、何をするか判らねぇ…」焦点の合わない瞳で、殺気…否、鬼気が高まっていく。
GM/男:「…生きろよ」人狼は、離れていきます。
法眼:「グッ…グルルゥ…グオォォォォォォォオオッ!!!!」演出で《血の封印》。赤銅色の肌が黒く染まり、全身に鮮赤の紋様が浮き出る。更に《恐怖の咆哮》と《終末を告げるもの》を演出で使用。
鬼の咆吼が、全てを微塵に打ち砕く。
施設内にいた研究員も、命尽きた仲間たちの亡骸も…次々に全身を破裂させ、肉片と血煙に変わる。
柱や壁も、衝撃波と振動で内部から破砕され、自重に耐えきれず崩れ出す。
施設の壁を透過した衝撃波は周囲の木々を薙ぎ倒し、岩を砕いて崖崩れを起こした。
瓦礫の山と化した研究施設……実に、その周辺1q四方は、不毛の荒野に姿を変えていた。
そして、爆心中央から這い上がる、一匹のバケモノ――――鬼。
「……許さねぇ…」
GM:では、シーンは研究所が崩れ去ったところで切りますが。よろしいですか?
法眼:うむ。やりたいことは終えた。少しばかり派手に演出させてもらった。
木場:ご苦労様です。かっこよかったです。
ユーリィ:お疲れ様です〜。
法眼:この演出のためだけに《終末を告げるもの》を取得してみた(一同爆笑)。
木場:このためだけか!(笑)
法眼:実戦で使う予定のない、ネタアーツだ(笑)。
まぁ、PL的には『ジェノサイバー/虚界の魔獣』(←誰か知ってるのか?)ってOVAの大破壊シーンを再現したかっただけだったり。
法眼:…あぁGM、言い忘れたが。今の大破壊は、法眼的には無意識。朧気な記憶は残ってるが、具体的に何やったかは認識してないのでよろしく。
GM:判りました。では[SA:復讐を果たす]と『シナリオエゴ:蛟神門堂』をどうぞ。
▼絆/エゴの変化
法眼:蛟神にエゴ/仇敵を取得。
●シーン3 『宇宙の狩人』 シーンプレイヤー:木場大輔
○バウンティハンター協会
GM:次は木場さん。法眼さんのシーンから数日後のことです。
木場:はいな。
GM:バウンティーハンター協会を訪ねた時、一人の男と接触します。男の名は蛟神門堂。今回の依頼人です。
木場:「ん、なんか用かい?」
GM/蛟神:「木場大輔…結構な腕のようだな? 仕事の話があるんだ」
木場:「ちっと違うな。とんでもない凄腕だ」石川賢の漫画のような獰猛な笑みを浮かべます。
GM/蛟神:「そうか。なら、この二人を見つけ出すくらい簡単だな?」二枚の写真を取り出します。
法眼:一枚は人狼、一枚は俺かな?
木場:その写真を手に取ります。
GM/蛟神:「一人はマグナス=アーチャー。人狼だ。もう一人は鬼来法眼。とある製薬会社の研究施設を破壊した魔物だ」
ユーリィ:敵側にっ!?
法眼:うむ、予想通り(笑)。
シグ:おぉっ、大変な事に。
GM/蛟神:「強力な魔物だが…見つけ出せような」
木場:「なるほど、法眼か…確かに、コイツを殺れるのは俺くらいだな」肉食獣のような笑みを浮かべる。
GM/蛟神:「期待しているぞ」同じく、石川賢笑い。
木場:「で、何でコイツに破壊されるようなことになったんだ?」
GM/蛟神:「そいつは俺の依頼人に口止めされていてな。必要か?」聞くな、という目で。
木場:「法眼は無闇やたらと破壊活動やるようなヤツじゃなかったが…」(探るような目つき)
GM/蛟神:「誰でも堕落するってことさ」
木場:「まあいいさ、強いヤツと戦えて金がもらえるなら俺に文句はねえ」
GM/蛟神:「そういう答えを待っていた。じゃあ、頼むぜ」と、言って蛟神は去っていきます。
木場:「いいだろう、吉報を待ってな」
GM:それでは[SA:賞金首を捕らえる]と『シナリオエゴ:賞金首』で。
木場:了解です。あと、法眼への絆を好敵手に変更します。
ユーリィ:賞金がっ。
シグ:そういや、賞金いくらくらいだったんでしょうね?
木場:そういえば聞いてなかったな、貧乏なのに(笑)。
法眼:相場が判らんが、5万ドルくらいふっかけてもいいんじゃないか?(笑)
GM:その辺はこのゲームでは関係ないんで、考えないでくださいな(笑)。
シグ:法眼さんと殺し合って¥500万強だと、むしろ安いかも(笑)。
木場:安いね(笑)。
法眼:安いのか(笑)。
木場:ところで…DEADorALIVE?(笑)
GM:どちらでも(笑)。
木場:よし(笑)。 (\m\)ノ ビガーン!
法眼:というか、「捜し出す」が依頼じゃないのか? 退治?(笑)
GM:面白ければどちらにも転がっていきます(笑)。
▼絆/エゴの変化
木場:賞金首にエゴ/捕縛を取得。法眼への絆/好奇心を絆/好敵手に変更。
●シーン4 『追われる狼』 シーンプレイヤー:ユーリィ
○路地裏
GM:ある夜のことです。ユーリィさんが自宅の周辺を歩いていると、一人の男が倒れているのに出くわします。
ユーリィ:「…ん?」そちらの方に視線を。
GM:男は傷だらけで、古い傷も新しい傷もありますが、新しいものはかなり酷いようです。
ユーリィ:「(怪我人…?)」近寄ってみよう、警戒しながら。
GM:男は人狼の姿から、人間の姿に変わっている途中です。
法眼:……まさか、この人狼の怪我って俺のせいじゃないよな?(笑)
ユーリィ:「(…人狼。こんな所で同族に会うなんて)」声をかけてみよう。「あの…」
GM:「う、うう…」と小さな呻きしか返ってきません。
ユーリィ:「…く」付近の様子を見て、一回通り過ぎようとしてから…また戻ってきて(笑)。「(放っておけばいいのに…私の馬鹿)」黙って肩を貸して立ち上がらせます。
GM:周囲から数人の人間が足早に走る音が聞こえてきます。もしかすると、追われているのかもしれませんね。
ユーリィ:「(追われている…?)」足音を何とか避けながら家の方に。
…その人を抱えた時、ふっと懐かしい匂いを感じた。血と硝煙の臭いに混じる…狼の、匂い。
「お父さん、か…」思わず口をついた言葉に、慌てて頭を振る。「(…ただの、気まぐれよ)」
信じる気も、心許す気もない。わざわざ自分の家へ匿おうとしているのは…ただ、同族のよしみで。
「もう少し、だから…」呟いて、自分より二回りも大きな身体を抱え直す。
GM:そうして家に向かうところで、このシーンは終了です。[SA:同族の力になる]と『シナリオ絆:マグナス・アーチャー』を…まだ名乗ってないけど(笑)。
▼絆/エゴの変化
ユーリィ:マグナスに絆/救済を取得。
■ミドルフェイズ■
●シーン5 『新たな任務』 シーンプレイヤー:シグムント・シュライネン 登場難易度:自由
○JABF基地内
GM:まずはシグムントさんです。あなたはJABFのリーダーたる百鬼一馬(なきり・かずま)に呼ばれます。
シグ:はいはい。
GM/百鬼:「シグムント。新しい任務だ」
シグ:「…………」無言で敬礼する。
GM/百鬼:「メルキゼデクの息のかかった研究施設が壊滅した。表向きは事故となっているが、どうやら魔物が引き金になって起きた事件らしい」
シグ:「……(壊滅? 実験体が暴走でもしたか……)」無言のまま聞いています。
GM/百鬼:「詳細は判らん。だが、強力な魔物と推測できる。我々が動く前に、情報部の方でその確認を取ってほしい」
シグ:「……はっ。了解いたしました」もう一度、敬礼します。
GM/百鬼:「では、頼むぞ」
シグ:「……では、失礼します」今後の方針を胸中で検討しつつ、退室します。
GM:はい、では情報部に立ち寄った時、部下が少し調べた内容を報告してくれます。
シグ:「……陸士長、報告を」
GM/陸士長:「は、研究施設で不穏な動きをしていた魔物は二人。うち一体は人狼とのことです」
シグ:「……詳細は?」
GM:「もう一体は確認できておりません。その人狼、バウンティーハンター協会のリストに載っておりました。マグナス=アーチャーという男で、一部情報でMMMに追われているとのことです」陸士長が出した写真には、共に酒を酌み交わした、あの男が写っています。
シグ:「(この男は……いや)……MMMの追跡は、“事故”以前からか?」
GM/陸士長:「…はい。それ以前に『とある事件』を起こしており…何故か、それにMMMが絡んできているようです」
シグ:「……報告は正確に、陸士長。とある事件、とはどのようなものだ?」
GM/陸士長:「産婦人科の医者を、一人殺しています。…が、それがMMMとどう繋がるかは調査中です。今のところは、以上です」
木場:変なキーワードが出てきたな…産婦人科の医者って何だ?
法眼:普通に考えるとMMM絡みだろうが…まだ情報不足だな。
シグ:産婦人科って事は、子供がヤバいものだったのかも知れませんね。
GM:まあ、調べてみれば判ってくることです。
シグ:「……そうか。では、私は現場に出る。お前達は、調査を続行せよ」脇に抱えた軍帽を被りながら。
GM/陸士長:「は」
シグ:「(……あの男、殺戮を楽しむようには見えなかったが、な……)」無言のまま、部屋を出て行きます。
GM:では、シグムントさんのシーンはここまでです。
法眼:さて…どうやってミドルに登場しよう? 下手打つとPC2人を敵に回す(笑)。
シグ:こっちは調査だし、まだ大丈夫ですよ〜。
木場:ひょっとすると木場が3人を敵に回す展開もありえる(笑)。
▼絆/エゴの変化
シグ:MMMへのエゴ/警戒心を取得。
●シーン6 『命知らず』 シーンプレイヤー:鬼来法眼 登場難易度:自由
○闇医院
GM:では、法眼さん。
法眼:あぁ。現在の状況を知りたい。
GM:今は…知り合いの闇医者の所にでもいることにしましょう。
法眼:了解。
GM/闇医者:「酷い怪我だったが、何とかなりそうだ。相変わらずタフだな」
法眼:「……まぁな。鬼の血、ってやつだろうさ…」どこか投げやりに。
GM/闇医者:「…どうした、いったい。そいつに抗って生きる…そう決めたんだろうに」
法眼:「…MMMって、聞いたことはあるか?」
GM/闇医者:「メルキゼデク・モンスター・マイナー。怪物利用機関、そんな名前だったな」
法眼:「そこの、蛟神って男に用がある」
GM/闇医者:「蛟神?」
法眼:「…知らないならいいさ。邪魔したな…」ふらり、と立ち上がって入り口に向かう。
GM/闇医者:「…そういや、MMM絡みってんなら、研究施設を破壊した魔物に賞金がかけられたって話だぜ」
法眼:「…なるほどな。じゃあ“その魔物が名乗りを上げたら”狩り出しに来ると思うか?」
GM/闇医者:「法眼……何があったか知らんが、今日のお前は少しおかしいぞ。…命を捨てるようなマネはやめておけ。どんな理由があっても、な」
法眼:「許せねぇんだよ…裏切りやがった蛟神も、護りきれなかった俺自身も……殺してやりたいくらいさ…」昏い笑みを浮かべる。そのまま、繋がったばかりの腕をひらひらと振って部屋を出る。
GM/闇医者:「…お前の仲間は、お前をそんなにしたかったのか…? あの小僧、お前と一緒に行けるって、嬉しそうにしていた。あいつの憧れていたのは、そんなお前だったのかよ…」と、これは独り言に(笑)。
法眼:〈訓練:知覚〉上げたから聞こえるかもしれんが、今は答えない(笑)。
▼絆/エゴの変化
法眼:自分自身にエゴ/憎悪を取得。
●シーン7 『独りが、二人』 シーンプレイヤー:ユーリィ 登場難易度:自由
○ユーリィの自室
GM:変則的ですが、ユーリィさん。
ユーリィ:おおっと。はーい。
GM:あなたの部屋です。倒れていた男が目を覚まします。
ユーリィ:「気がついた?」傍で。
GM/男:「ここは…?」
ユーリィ:「私の家。傷だらけで貴方が倒れていたから」
GM/男:「君は…?」
ユーリィ:「私は…ユーリィ。いちおう同族よ」
GM/男:「そうか…ありがとう。オレの名は、マグナス=アーチャー。言うまでも無いようだが、人狼だ」
ユーリィ:「別に。ただの気まぐれだから」ぷいっと顔を逸らして。「…で。何であんなところで怪我を?」(視線だけ向ける)
GM/男:「…追われていたんだよ」
ユーリィ:「……」窓から外を見て、誰か怪しい人がいるかどうかを確認。「誰に?」
GM/マグナス:「…聞かない方がいいぞ。恩人を巻き込んじゃ、寝覚めが悪い」
ユーリィ:「(頑固なところもそっくり、か)」少し懐かしく思う。
シグ:…今、窓の外にシグとか木場が居たら、って思いました(笑)。
GM:それも面白いですが(笑)。
木場:それはディーナの時じゃないか(笑)。←exリプレイ第9話参照
シグ:はっ! い、言われてみれば(笑)。
ユーリィ:どうします?(笑)
シグ:いえいえ、ネタなので私は居ません。
法眼:こんな所で登場したらギャグになってしまふ(笑)。
木場:ユーリィがラブコメ演出をやりだしたら考えよう(笑)。
ユーリィ:「…しばらく動けないでしょ。助けた時点でもう巻き込まれてるわよ」
GM/マグナス:「君は…ここで一人で暮らしているのか?」
ユーリィ:「…ええ」振り向いて。「ずっと、一人で生きてきたから。少しの間くらいなら匿えるわよ」
GM/マグナス:「群れを作れない狼は、さびしいなあ…」自虐も含みつつ。
ユーリィ:「…皆、死んじゃったもの」小声でぼそりと。「…貴方も?」
GM/マグナス:「作ろうとしたんだ…ダメだった」
ユーリィ:「…駄目、だった?」
GM/マグナス:「オレを選んでくれた女も、俺の子も、死んだんだ…」
ユーリィ:「(同じ、か)…そう。ごめんなさい、変なことを聞いちゃって」視線を逸らす。
GM/マグナス:「いや、いいんだ。…おかしなことを言ったな、忘れてくれ。傷の具合がよくなったら、出て行くよ。少し、迷惑をかける」
ユーリィ:「…ええ。それまでは安静にね……」
そう…傷が治るまで。その後は、また他人に…いつも通りに。
そうすれば、悲しむこともないから……。
法眼:…女と子供の死因は何だろうな? 産婦人科がMMMと繋がってた?
木場:その辺でしょうね。
シグ:胎児が実験にでも使われたのでしょうか?
法眼:個人病院ではなく、メルキゼデク配下の病院で人狼だとばれて…って所だろうか。
●シーン8 『狩人と軍人』 シーンプレイヤー:木場大輔 登場難易度:自由
○街中
GM:お待たせしました、木場さんです。どこから調べてみますかね?
木場:探索能力は低いからなあ(笑)。
GM:なるほど。では、まず〈情報:魔物〉で振ってください。
木場:了解。(ころころ)達成値13。
【マグナス=アーチャー】
達成値5:“灰色の狼”マグナス。ベトナム戦争を始め、世界の紛争地域を歩いてきた傭兵。人狼であり、どんな危険なミッションも、確実にこなす男と言われていた。
達成値8:数年前に結婚し、血腥い世界から足を洗う。その後の消息は不明。MMMの息のかかった研究施設の襲撃、産婦人科医殺し、が最近引き起こしたと思われる事件。
GM:というのが基本的な情報です。
木場:「ふむ、どちらにしろMMM絡みか…」
シグ:では、その辺りで木場さんの携帯に電話を入れますね。
木場:了解、携帯をとります。
シグ:「……シュライネンだ。久しぶりだな」
木場:「よう、シグか。久しぶりだな。可愛い奥さん元気か?」
シグ:「……お陰さまでな。……それより、仕事の話があるんだが、良いか?」
木場:「ああ、構わねえぜ。どっかで会うかい?」
シグ:「……そうだな。どこで待つ?」
木場:「じゃあ、いつもの店で」とオープニングの店を指定。
シグ:「……判った。あそこなら、都合が良い」
GM:では、移動して次のシーンということで。
木場:了解です。
GM:まあ、次もお二人のシーンなので、切らなくていいと言えばいいのですが(笑)。
●シーン9 『軍人と狩人』 シーンプレイヤー:シグムント・シュライネン 登場難易度:自由
○繁華街のバー
GM:では、例の店です。
木場:「で、話ってのは何だ?」
シグ:「……人を……いや、魔を一人、探してほしい」
木場:「へえ、名前は?」
シグ:「……マグナス=アーチャー。ハンターズブラッドが追跡していた筈だ」
木場:「そいつは都合がいいな。俺も同じヤツを探してる」2枚の写真を取り出します。
シグ:「……そうか」ここでバーテンに手で仕草して、木場に一杯奢ります。
木場:「お、悪いね」酒を受け取る。「ハンターズブラッドを通じて依頼を受けた。依頼人は蛟神という男だ」
シグ:「……蛟神……何者だ?」
木場:「さあな、本人は『代理人』と言っていたが…」
GM:じゃあ、お二人は〈情報:魔物〉で判定をどうぞ。
木場:(ころころ)達成値10。
シグ:裏社会と警察しかない……(涙)。
GM:〈情報:裏社会〉でもいいですよ。
シグ:おお。では、裏社会で(ころころ)…ファンブル(笑)。
木場:ほあ!(笑)
GM:木場さんが10出しているので情報は入ります(笑)。
【蛟神 門堂】
MMMの戦闘部隊を率いる魔物。冷酷、かつ残忍。MMMに雇われているのも、自分の嗜虐性を存分に満たすことが出来るからである。ちなみに、事件のあった研究所を任されていたのも蛟神である。
木場:「MMMか、ますます胡散臭くなってきやがった。法眼のヤツが無闇に破壊活動するとは思えねえしな…いったい何の研究をしてたのやら…」GM、研究所について調べてみたいのですが?
GM:どうぞ。〈情報:魔物〉で出来ます。
木場:では(ころころ)…9。低い(泣)。
達成値5:メルキゼデク系の製薬会社の研究施設である。
達成値8:狩り集められた魔物たちを使い、人に有用な新薬の開発を目指す…日本のMMMの一機関。
GM:産婦人科医殺しの方は〈情報:裏社会〉で振れますが、シグさん振ってみますか?
シグ:「……法眼が、関わっているのか?」こちらを先に追求しておきます。シグは、アーチャーの事しか知らなかったので。
木場:「ああ、依頼されたのは2人でな。法眼がその研究施設を破壊したらしい」
シグ:「……そうか。連絡を取ってみる必要があるな」
木場:「施設の目的は『狩り集めた魔物を使っての新薬開発』らしいが…何をやっていたのやら」
シグ:さて。ここで法眼に電話してみますが、通じますか?
GM:法眼さん次第です。
法眼:以前の携帯は既にぶっ壊れてて使えない(一同爆笑)。←法眼のOP参照…まぁ、普通の装備は壊れますな(笑)
GM:確かに(笑)。
シグ:「……通じないようだな…(法眼……姿を隠しているのか?)」
木場:「まあ、無理もねぇか…」
GM:さて、問題の法眼さんの方へ一度シーンを動かしますか?
シグ:ですかね。こっちでできる事は、大体やりましたし。
木場:その前にシグの情報判定(研究所と産婦人科について)が残っているのでは?
GM:やっておきます?
シグ:このゲームって、舞台裏で情報判定できないんでしたっけ?
法眼:舞台裏の処理は、(ルールブックをめくる)…FP回復しか書いてないな(笑)。
GM:出来てもいいことにしましょう。
シグ:では、今やるとかっこ悪いんで、舞台裏で(笑)。
GM:はい(笑)。では、シーンを動かしましょうか。
▼絆/エゴの変化
シグ:法眼に絆/救済を取得。
木場:シグに絆/連帯感、蛟神にエゴ/不審を取得。
●シーン10 『まずは敵を知れ』 シーンプレイヤー:鬼来法眼 登場難易度:自由
○街中
GM:法眼さんです。
法眼:公衆電話から馴染みの情報屋に電話して、調査してみる。
GM:はい。では、何から行きます?
法眼:まずは、蛟神の素性。
GM:では、〈情報:魔物/裏社会〉で。
法眼:〈情報:魔物〉に情報屋も使う。(ころころ)達成値14だ。全部判るかな?
MMMの戦闘部隊を率いる魔物。冷酷、かつ残忍。MMMに雇われているのも、自分の嗜虐性を存分に満たすことが出来るからである。ちなみに、事件のあった研究所を任されていたのも、蛟神である。
GM:という、先ほどと同じことが判ります。
法眼:で、奴が今生きていることも判るわけだな。追加の情報はなし?
GM:はい。現在の行動では、人狼の捕獲に的を絞っているようです。
法眼:「人狼……あの時現れた奴か。そいつの素性は判るか?」
GM:では、判定をどうぞ。
法眼:(ころころ)11か、今度は低いな。
達成値5:灰毛の人狼。かなりの腕。研究施設を襲撃した。
達成値8:他に同じ人狼に襲われたと思われるのは、一人。産婦人科の医者。
達成値10:マグナス=アーチャーという傭兵崩れの男が件の人狼ではないか、と目される。
GM:追加でマグナスの情報も出しましょう。
“灰色の狼”マグナス。ベトナム戦争を始め、世界の紛争地域を歩いてきた傭兵。
その正体は人狼であり、どんな危険なミッションも確実にこなす男と言われていた。
数年前に結婚し、血なまぐさい世界から足を洗う。その後の消息は不明。
MMMの息のかかった研究施設の襲撃、産婦人科医殺し、が最近引き起こしたと思われる事件。
彼を知る者は言う。「マグナスは群れを率いる狼だ。だから、自分の仲間を失った時は、自分の家族を失った時のように悲しみ、必ずその仇を討った。あいつが本気になるのは、そういう時だ」と。
GM:こんなところです。
法眼:殺された産婦人科ってのがミスマッチで少し気になる。調べてみようか。技能は?
GM:〈情報:裏社会〉でどうぞ。
法眼:(ころころ)低いッ!? 8だ。
達成値5:殺されたのは、とある総合病院の産婦人科医。
達成値8:病院の出資者に、メルキゼデク系の会社の名前がある。
GM:…です。
法眼:「…まぁ、出資者の辺りで見当はつくが…あとは本人に聞くしかないな」次は俺が捕まってた研究所について。(ころころ)達成値13。
達成値5:メルキゼデク系の製薬会社の研究施設である。
達成値8:狩り集められた魔物たちを使い、人に有用な新薬の開発を目指す…日本のMMMの一機関。
達成値10:MMM部隊を率いるのは蛟神門堂。ちなみに、メルキゼデク系の、例の病院から“納品”されたものに、『魔物の胎児』という記述がある。それらの絵を描いていたのも、蛟神である。
GM:と、こんなところですか。
法眼:絵? サンプルの絵を描いてたのか? それとも『計画プラン』の比喩表現?
GM:つまり、病院から魔物の胎児など、そういったMMMに利用価値のあるものが流れてくるようにしたのが蛟神ということです。
法眼:「……なるほど、奴が今回の首謀者と考えて間違いなさそうだ。ありがとよ」
GM/情報屋:「法眼。実は一つ、気になることがあってよ」
法眼:「…なんだ?」
GM/情報屋:「そのMMMな。お前さんが…なんだったっけ、可愛がっていた嬢ちゃんがいただろう。ユーリィだっけか? その嬢ちゃんの住処の近くで、よく目撃されてるぜ」
法眼:「……あの娘が狙われてるのか?」
GM/情報屋:「いや、そうは言ってねぇ。だが、奴らのやり口だとな…関係なくても魔物と判れば、どうなるか…」
法眼:「(あの娘を巻き込みたくはないが…いざとなったら、俺が囮になれるかもな)…判った。いつも悪いな」
GM/情報屋:「気をつけろよ」
法眼:「……」それには答えず、電話を切る。で、ユーリィの住処に向かうぞ。
GM:はい。では、ここでシーンを切りますが、よろしいですか?
シグ:ではシーンの合間で、私もちょっと病院について振っておきますね。
GM:はい。
シグ:(ころころ)11です。
達成値10:殺されたのは、マグナスの妻を診ていた医者だった。子供は死産、と記録されている。魔物と判断された胎児を利用価値あり、としてMMMに流していた節がある。
GM:と、こんなところです。
シグ:ありがとうございました。
●シーン11 『襲撃』 シーンプレイヤー:ユーリィ 登場難易度:自由
○ユーリィの自室
GM:では、ユーリィさん。
ユーリィ:はーい。
GM:部屋の外が騒がしいですね。
ユーリィ:「……ん」窓からちらっと外を見てみる。
GM:外を怪しげな男たちがうろついてます。
ユーリィ:服装とかに特徴はあるでしょうか。
GM:窓の外から、こちらを見上げています。一様に、作り物のような印象を受けますね。
ユーリィ:「(彼の知り合い…? そんなわけは無いか)」アーチャーに目を向けます。
GM/マグナス:「来た、ようだな…」
ユーリィ:「動ける?」
GM/マグナス:「もう、大丈夫だ」そう言って立ち上がる。
ユーリィ:「(どうしよう…)他に当てとか、ある?」
GM/マグナス:「…何とかなるさ、大丈夫」
ユーリィ:「…一人で行くの?」
GM/マグナス:無言で、ユーリィの頭に手を置く。
ユーリィ:「むっ。子ども扱いしないでよっ」頭に置かれた手をどけようと…。
GM/マグナス:「なあ、ユーリィ」
ユーリィ:「え?」
GM/マグナス:「オレの子供は、生まれてこなかった。もしも…」
ユーリィ:「ちょっと、何を…」
GM/マグナス:「…もしも、生まれていたら…君みたいな、いい子に育っていたかな」
ユーリィ:「……いいから準備して。ここから離れよう(…父親、か…私の父親も、生きていたら…貴方くらいだったかもしれない)」後半は小声で呟くだけ。
GM/マグナス:「…君も行くのか?」
ユーリィ:「…いいから、早く準備して(…放って置けるわけ、ないじゃない…)」顔は見せないようにして、自分も準備をする。
GM/マグナス:「…ユーリィ、君はこの件には関係ないんだぞ。わざわざ危険なことなんて…」
ユーリィ:「お互い、独りなんでしょ…だったら」(少し間を置く)「だったら…放って置けるわけ、ないじゃない」
GM/マグナス:「…すまん」
ユーリィ:「…行くわよ。ここから離れて…知り合いに頼れる人がいるから。そこに行こう」
GM:そう言うと同時に、男の…というより、もう機械化した本性をさらけ出した化け物が、窓を破ってくる。
ユーリィ:「っ! 裏口があるから…そこから!」
GM/マグナス:「MMMのゴーレム…!」
シグ:えと。化け物の頭を後ろから掴んで登場、とかダメでしょうか?
GM:どうぞ。
シグ:「……間に合ったか」化け物の頭を掴んだまま、空いた手で背中に銃を乱射します。
GM:化け物はそれで爆散しますね。
ユーリィ:「……うっ。…え?」銃声を聞いて驚く。
GM/マグナス:「あんたは…!」シグムントを、驚きの表情で見る。
木場:「どおおらあああああ!!」表では凶悪なバイクに乗った黒服の男がゴーレムを轢き潰しています。
GM:それも驚きの表情で見る(笑)。
シグ:では、こちらも驚きで微かに目を見開きます。ただし、注意して見ないと判らないレベル(笑)。
法眼:「オン・キリキリ・オン・キリキリ・オン・キリウン・キャクウン…不動、緊縛」 裏口に回っていたゴーレム集団の動きを止めた。
GM/マグナス:「…研究所にいた、鬼、か…」
シグ:「……状況完了。常駐戦術思考、殲滅から索敵に移行」空薬莢カラカラと落としながら。
木場:「ぐはははは、手応えがないぜ! もっと強ぇヤツ連れてきやがれ!」
法眼:止まっていたゴーレムたちを1体だけ残して潰す。
ユーリィ:「…シグムントさんに法眼さん…? 何でここに…」
シグ:「……尋ねたい事があった……が、手間が省けたようだ」法眼とマグナスを見回して。
木場:「そういうことだな」
GM/マグナス:「…そういう仕事の人間だったとは、思わなかったよ」
ユーリィ:「……」黙って様子を見てよう。ちょっと不安げに。
法眼:「…ユーリィの周りにMMMが来てると聞いて駆けつけたが…巻き込まれたのは、こういう事か」マグナスを見る。
GM/マグナス:「巻き込んだのは、オレの責任だ。オレは、この子の前から姿を消す」
ユーリィ:「ちょ、ちょっと…」
法眼:「それには異論はない。だが、その後どうする?」
GM/マグナス:「…蛟神を、倒す」
法眼:「……ならば、目的は俺と同じだな」
ユーリィ:「(蛟神…?)」
法眼:「集めた情報から、あんたの戦う理由も判ってるつもりだ」
シグ:「……状況に関し、説明を要求したい。回答は如何に?」
木場:「なんなら、連れて行ってやろうか。なんせあんたら二人を連れてくるように蛟神に依頼されてるんでな。…もっとも、その前に事情を聞きたいんだが」獰猛に笑う。
GM/マグナス:「そうか。…だが、そっちの二人には、話しておいたほうが良さそうだ。オレの事情でよければ、話すよ」
シグ:「(蛟神……例の医者絡み……いや。本人に聞くべきか)」
法眼:「その前に、場所を変えよう。そのゴーレム、どうせ盗聴器でも仕掛けてあるんだろう?」
GM/マグナス:「ああ。長居は無用だ」
法眼:「…聞いた通りだ、蛟神。首を洗って、待ってやがれ」最後に残したゴーレムを叩き潰す。
▼絆/エゴの変化
シグ:ユーリィに絆/庇護を取得。
法眼:マグナスに絆/共感を取得。
ユーリィ:法眼に絆/信頼を取得。
●シーン12 『狼の過去』 シーンプレイヤー:シグムント・シュライネン PC全員登場
GM:では、場所に関しては特定せずに、安全な場所ということで。
シグ:最初の店とかどうでしょう?(笑)
GM:そうしますか。
木場:異存なしです。
法眼:飲み屋か? ユーリィは未成年だぞ?(笑)←保護者モードに入った
ユーリィ:ソフトドリンクで(笑)。
シグ:古今東西、軍人は酒とタバコにはいい加減なものなんです(笑)。
○バー店内
GM:マグナスは、自分の事情をぽつぽつと話し始めます。
ユーリィ:「……」座って聞いてよう。
「…オレには妻がいた。優しく、美しかった。オレのような男には勿体ないような女だった…。
オレは戦争しか知らない男で、とても女を幸せにできるような男じゃあなかった。だがアイツはそれでも、そんなオレがいいと言ってくれた。
それからオレと妻に子供ができた。妊娠した、と聞いた時には実感が湧かなかった。
オレは殺すことしか出来ない男だった。そんな奴が生命を作るなんて考えもしなかった。
妻の腹が大きくなったとき、オレの震える手を妻が自分の腹に持っていった。…どうなったと思う? 妻の腹の中で赤ん坊が動いたんだ。
オレは泣いたよ。初めて自分が人間と共に生きられる存在であることを確認できた。
妻も泣いていた。そして2人して泣きながら笑ったんだ。幸せだった、何もかもが…」
シグ:「…………」無言で、じっと話を聞いている。あるいは何処か、かつての自分と重ねているのかも知れない。
「……暫く経って、妻には『流産の可能性がある』と産婦人科の医者に言われた。妻は入院することになった。
結果は…ダメだった。結局、我が子は太陽を拝むことができなかった。妻にはそれが相当堪えたらしい。
ある日、家に帰ってみると部屋中がベビー用品で溢れていた。部屋の中にはおくるみを抱いて、肘かけに座った妻がいて…オレに言うんだ。
『お帰りなさい、あなた。坊やはいい子で寝ているわ…』だが、その中には何にもいやしねぇんだ。
そのすぐ後だ。妻は手首を切って…自殺した。オレは完全に腑抜けになっちまっていた。何も手につかねぇし、何をする気もおきねぇ。毎日酒に溺れて、ただ生きていた」
ユーリィ:「……」俯く。
「その頃、おかしな噂を聞いたんだ。
『画期的な新薬が生産されていて、その材料には魔物が使われている』…魔物の胎児も、だ。
オレはその話が妙に気にかかった。あらゆる手を使って調査した結果、判ったことがある。
妻が通っていた病院ではな…流産している胎児の割合が他より高いんだ。今までそんな素振りも見せていなかった妊婦が流産しちまうって看護婦が言っていた。
オレは医者を締め上げた。真相を聞き出すためだ。そうしたら洗いざらいぶちまけたよ。MMM絡みの製薬会社の材料集めに、その医者は一役買っていたんだそうだ。オレの子供も…売ったらしい」
法眼:「…俺の集めた情報とも、一致するな」
シグ:「……復讐、か?」
GM/マグナス:「あんた達はオレの首に懸かった賞金が欲しいんだろう? …奴を倒したらオレの首はくれてやる。だから…少しだけ待ってくれ」(シグと木場を見据える)
ユーリィ:「マグナスさん…」
法眼:「……」(無言でシグと木場の様子を見ている)
GM:「妻の魂のために、生まれてこなかった子供のために…少しでいい、オレに時間をくれ!」
ユーリィ:「……皆さん、は…」見渡して。
シグ:「……誤解が、あるようだな」
木場:「賞金ねえ……法眼、あんたの事情も教えてくれないか?」
法眼:「…大したことじゃあない。間抜けな鬼が罠に掛かって、その研究所に捕まった。護るべき仲間をむざむざ目の前で殺されて、我慢ならなくなっちまった。それだけさ」淡々と。
木場:「なるほど、それでか…」
シグ:「……MMMの研究所崩壊に関する調査。それが自分の受けた任務だ。お前達の殺害命令は受けていない」
GM/マグナス:「それじゃあ…!」
シグ:「……危害は加えない。事後に簡潔な聴取はさせてもらうが……それだけだ」法眼とマグナスに向け、微かに頷く。
GM/マグナス:「…すまんな」
シグ:「…………」軍帽で目元を隠しているため、表情が読めない。
木場:GM、ハンターズブラッドの中村七尾に連絡したいんですが、よろしいでしょうか?
GM:いいですよ。
木場:では電話します。
GM/七尾:「もしもし?」
木場:「ああ、七尾ちゃん。今回の蛟神って男の依頼なんだけど、(かくかくしかじか)…なんでキャンセルしてもいいかい?」
GM/七尾:「…そう。事情は判ったわ。その二人のこと、賞金首から外しておくわ。そういう事情じゃね」
木場:「あぁ、それから。蛟神とMMMの始末を依頼してくれると助かるんだけど…俺の財布が」(笑)
法眼:「…その報酬なら、俺が払ってやってもいいぜ?」
GM/七尾:「いいわ。それが事実なら、払ってくれるところも有りそうだしね」
木場:「オーケイ。依頼成立だ」携帯を閉じます。
GM/マグナス:「本当に…世話になる」
ユーリィ:「何で、赤の他人のために戦うんですか…何で…?!」
シグ:「……他人ではない。戦友だ」表情を隠したまま、決然と。
ユーリィ:「……っ」目を逸らす。素直になれなかった(笑)。
木場:「そういうこと、それに蛟神ってヤツも気に食わないんでね」肉食獣のような笑みを浮かべる。
GM:それを聞いたマグナスは顔を俯ける。「名前も知らない、飲み友達にしてくれるには…大きすぎるぞ」肩が小さく震えている。
シグ:「(……それは、お互い様だ、マグナス。お前も、初めて出遭ったあの時に同じ事をした)」
法眼:「…俺は、単に自分のためだしな」瞳に凍えた光を宿して。
シグ:「では……行こうか」
GM:それでは、蛟神を追い詰めに行くということで…いいですか?
一同:了解です。
GM:では、皆様に[SA:事件の解決]を差し上げます。
法眼:木場には3つ目のSAを渡した方が良いのでは?
木場:今のシーンで捕まえましたよ(笑)。
法眼:それでいいのか(笑)。
シグ:その解釈が、一番無難そうです。
GM:そうですね。一応[SA:マグナスに協力する]を用意してはいたんですが。それでいいなら、そうしましょう。
シグ:てか、捕らえなきゃいけないのはマグナスじゃなくて賞金首なんで、蛟神でも良さそうですよ。
木場:さっきので蛟神が賞金首になったんだ(笑)。
ユーリィ:変わったのですね(笑)。
GM:確かに(笑)。
法眼:いいのかよ(笑)。
木場:SAには『賞金首』としか書いてないし(笑)。
GM:まあ、それで行きましょう(笑)。
シグ:さて、何気にシグは割と弱いので、戦闘では皆さん頑張って下さい(ぉ)。
法眼:何を言う。最前線に立ってもらおうじゃないか、PC1(笑)。
ユーリィ:ファイトっ(笑)。
木場:実はシグはこの中で唯一の射撃系だから(笑)。
シグ:そそ。実は、恐竜の花嫁が来るシナリオでも、サッパリ戦力外でした(苦笑)。
法眼:あれはー…ボスのデータが特殊だったから(笑)。←詳しくはex第9話参照…って、こればっかりだな(笑)
▼絆/エゴの変化
木場:マグナスへのエゴ/捕縛を絆/共感、蛟神へのエゴ/不審をエゴ/賞金に変更。ユーリィに絆/庇護を取得。
法眼:木場に絆/好敵手を取得。
ユーリィ:木場に絆/信頼を取得。
■クライマックスフェイズ■
●シーン13 『獣たちの戦い』 全員登場
○MMM研究施設
GM:では、皆様は蛟神がいるMMMの施設にやって来ました。
ユーリィ:「ここ、ね」
法眼:俺がオープニングで壊した研究所とは別?
GM:別所です。
シグ:「……ここだ。間違いない」
GM/マグナス:「…オレがまず囮になる。オレがやるのが適当だろう」
ユーリィ:「…ちゃんと帰ってきてよ」ぼそっと。
GM/マグナス:「…ああ」
法眼:「任せる。…あの時とは立場が逆になるが…死ぬなよ」
GM/マグナス:「…なあ、法眼」
法眼:「何だ?」
GM/マグナス:「あの時は言えなかったが、今のうちに伝えておくよ」
法眼:「…?」
GM/マグナス:「オレたちが助けられるものなんて…守れるものなんて、そう多くは無い。だが、こうして戦っていれば、きっと…あの時守れなかったものとは違う、別の誰かは救えるんじゃないか、そう思って…な。…オレたちが、強い身体と、永い寿命を持っているのは…そのためじゃないかな、ってさ」
法眼:「…かもな。そうでなけりゃあ、俺が生きている意味がない」小さく頷く。
シグ:「…………」無言で、マグナスの言葉に頷きます。
ユーリィ:「……」黙って聞いている。
GM/マグナス:「…オレは、会えなかった我が子に、きっと会えたんだよ」
ユーリィ:「………あ」思わずマグナスを見つめる。
GM/マグナス:「それでいい…そう、思えたんだ」ユーリィを見ながら。「上手くは言えんが…法眼。オレも、お前には死んで欲しくない。……じゃあな、また会おう」
ユーリィ:「……(今度は、ちゃんと帰ってきてよ…。あの時のようにならないで…)」少し願うように、黙って見送る。
法眼:「…俺は、誰かを護るためだけに生きてきた。それはこの先も、きっと変わらねぇ…」昏いままだった瞳に、僅かな光が差す。
シグ:「……それが、俺たちのような男の、生き方だ」一語一語、区切るように。
ユーリィ:「……不器用、ね」小声で。
GM:では、マグナスが消えた後、銃声が聞こえてきます。今なら、簡単に進入できます。
法眼:「……行くぞ」侵入する。
ユーリィ:「……ん」後に続く。
シグ:無言で、銃を構えつつ突入します。
木場:「へ、湿っぽいのは嫌いだ。派手に行こうぜ」後に続きます。
○研究施設最奥
GM:さて、施設内を進み、ゴーレムを倒していくと…その奥で指揮をする男が見えます。蛟神ですね。
法眼:「…よぉ、この前は世話んなったな。借りを返しに来てやったぜ」
GM/蛟神:「ほう…侵入者が誰かと思えば…」
ユーリィ:「(あいつが…)」睨み付ける。
GM/蛟神:「戻ってきてくれたとは、な。法眼、鬼は貴種だといったはずだ。勝手に出て行かれては困るな」
法眼:「…あぁ、今度はこの研究所もろとも叩き潰してやるよ」獰猛に笑う。「鬼を本気で怒らせるとどうなるか、見せてやる」
ユーリィ:「……!!」構える。
シグ:「……(この男か。無用心だな)」静かに、銃口を蛟神に向けます。
GM/蛟神:「…やれるものなら、やってみるがいい。しかし、木場に、そっちはJABFのシュライネンか。よく集まったものだな」
木場:「俺に依頼したのは間違いだったな」
ユーリィ:「(大丈夫。やれる…。必ず帰る…)」ぐっと手に力を入れて。
GM/蛟神:「人狼もいるな…いいサンプルだ」
ユーリィ:「…こいつっ」ぞくっと寒気が。
シグ:「……この状況、言葉は既に不要だ。殲滅する」
木場:「貴様のように無抵抗な相手を切り刻むようなヤツは大嫌いでね」(肉食獣の笑み)
GM/蛟神:「ふふ…判りやすいな。来い」蛟神は爬虫類のような姿へと変じます。戦闘開始でよろしいですか?
一同:OKです。
GM:エンゲージは…5メートルほど離れております。接敵にはマイナーで移動が必要ですね。
法眼:PC同士はエンゲージしてるのかな?
GM:とりあえず、一塊です。
現在のエンゲージ:(蛟神) (PC一同)
▼ラウンド1
GM:セットアップがあればどうぞ。
木場:オートで《獣化》
ユーリィ:私も《獣化》しておこうっ。
GM:では、こちら。《絶対先制》。
シグ:お約束の奴が来ましたっ(><)
法眼:まぁ、いつものことだ。俺もオートで《獣化》しておく。
GM:オートで《獣化》しつつ、マイナーで移動。メジャーで《悪魔の爪》&《爪爪牙尻尾》(*)行きます。
(*)これ、実はルールミス。どちらもメジャーアクションのアーツなので、同時に使うことは出来ません。
……が、セッション中は最後まで誰も気づかなかったなぁ(笑)。
GM:(ころころ)高っ! 達成値28。〈運動〉で回避でございます。
ユーリィ:回避〜っ(ころころ)…失敗。
木場:オートで《瞬間武装》、召喚したバイクに飛び乗る。(ころころ)回避は失敗。
シグ:(ころころ)命中です。
法眼:(ころころ)避けられん。
GM:《闘争本能》と《闇の血筋》の修正が入って、(ころころ)〈闇〉の29点です。
シグ:「……ッ!!」まだ立ってます。
法眼:ぐっ、闇か…防御力が効かない。残りFP27。
木場:魔獣化します。
ユーリィ:「嘘!? 速──!」同じく魔獣化。
木場:「ぐうっ! やるじゃねえか」
GM/蛟神:「流石は、鬼に狂戦士か…」ちなみに、こちらの行動値は13です。
法眼:俺は今回、行動値が最後だ。速い人からどうぞ。
木場:では。「蛟神ィ、貴様にはSCGからも抹殺指令が出てるんだぜ」きっと、犠牲者に宇宙人もいたんだ(一同笑)。
GM:いそうですねえ(笑)。
法眼:本当かよ(笑)。
木場:「喰らいやがれ! ひき逃げアタック!」マイナーで《ハンティングスタイル》、メジャーでバイクアタック! (ころころ)達成値23。
GM:(ころころ)出目低っ! 命中です。
木場:ではオートで《リインフォース》。(ころころ)34点、〈光〉ダメージです。
GM:いってー! 光は防げぬ。しかし、もうちょっと残ってます。では、こちらの番。シグムントに攻撃。
シグ:はい。カモーン。
GM:マイナーで《ハンティングスタイル》、メジャーで《悪魔の爪》。(ころころ)…ファンブル!(一同爆笑)
ユーリィ:「シグムントさん、気をつけて…!」ついでに掛け声をっ(笑)。
GM:なんだか毎回クライマックスでファンブル出してる…(笑)。
シグ:「……問題ない」HA使わないなら、続けて行動しますが。
GM:はい、どうぞ…(泣)。
シグ:では、《加速装置》で〈再生薬〉使用、(ころころ)FP8点回復。更に《戦闘形態》から素手攻撃へと。(ころころ)げ。出目が悪い、達成値17。〈運動〉で回避をどうぞ。
GM:これは避けられそう(笑)。
法眼:「シグ、狙いが甘いぞ!」AGP渡す。
シグ:サンクス。でも振りなおさずAGPは取っておきます。このターンは《ハンティングスタイル》が乗ってなくてダメージ小さいので。
GM:では、(ころころ)18で回避しました。次はユーリィさんですか。
ユーリィ:はーい。マイナーで《隠れしもの》、メジャーで《影より迫るもの》。「この…!」死角からとおっ! (ころころ)達成値22!
GM:高っ!? (ころころ…と振って、またもや1ゾロ!)
シグ:またファンブル?!
ユーリィ:ファンブル二回目がっ。
GM:あ〜、ダメだ。天は悪を許さないらしい(一同爆笑)。
シグ:じ、GM……南無(笑)。
ユーリィ:「(動きが鈍った。今なら…!)」爪…はまだ出してないのでダメージ低いですが。(ころころ)14点の〈殴〉ですか。
GM:その一撃で魔獣化します。HA《超魔の命》にAGP10点。
ユーリィ:おおう、死んだ(笑)。
木場:ぱんちで死んだ(笑)。
シグ:逆に爪よりカッコ良いのかも知れない(笑)。
法眼:では、俺の行動。マイナー《切り裂くもの》、メジャーで《守護者》。「ナウマク・サマンダ・バザラダン・カン…不動尊よ、出でませいッ!」
木場:法眼の守護者、初めて見た。
法眼:続けて、行動値10で守護者『不動明王』が動く。《神の雷》! (ころころ)…ファンブル。蛟神のエゴを固定して振り直す(笑)。
木場:ファンブル飛び交うなあ(笑)。
シグ:今日は、ファンブルの嵐ですねえ。
法眼:(ころころ)達成値26だ。防御判定は〈意志〉。
GM:〈意志〉か…(ころころ)無理ですな。
法眼:(ころころ)59点の〈雷〉属性!
GM:い、いたたた!
木場:守護者強ぇ!
シグ:では、法眼にAGP3点ほど送ります。
法眼:感謝、もらっとく。
GM/蛟神:「ぐはっ!? …守護者使いか!」
法眼:「仏の加護って奴さ!」実は、守護者を攻撃で使うのはこれが初めてだが(一同笑)。
GM/蛟神:「鬼が仏かよ…笑わせるな!」
現在のエンゲージ:(蛟神・シグ・木場・法眼・ユーリィ・不動明王)
▼ラウンド2
GM:セットアップ。こちらは《殺戮の宴》。
ユーリィ:《ナワバリ》を使っておきます。回避のために。
GM:では、木場さんから。
木場:「貴様の最期だ、蛟神ィ! いくぜガイガン(バイク)! 必殺、八つ裂き後輪!」後輪から出た刃で、バック転しながら切り裂きます。
シグ:AGP要ります?
木場:ください。
シグ:では、残った二つの絆を固定して、木場さんにAGP2点。
法眼:俺からも渡そう。木場の絆を固定で1点。
ユーリィ:では私からも、同じく木場さんの絆を固定で1点。
木場:闘争と蛟神へのエゴを固定してAGP2点、計6点でHA《無限の法則》を使用します。(ころころ)26で命中。HA使わない限り、防御は自動的にファンブルです。
GM:ど、どうぞ…。
木場:オートで《リインフォース》。(ころころ)62点〈光〉ダメージ。
シグ:さっきより大分固定値が低いけど、《リインフォース》乗ってます?
木場:《ハンティングスタイル》宣言し忘れました(笑)。そしてダイス目が低い!(><)
GM/蛟神:「ぬううあああああ!」後輪で切り裂かれながら、絶叫!
シグ:「……やったか?」
ユーリィ:「……」警戒して様子見。
GM/蛟神:「まだだ…」後輪を無理やり押さえつけながら、立ち上がってくる。
シグ:「……ならば……」マイナー《加速装置》で〈再生薬〉&《ハンティングスタイル》使用、対戦車拳銃で攻撃。(ころころ)FP6点回復、命中判定は…(ころころ)ぐふ、出目3!? AGPで振りなおします。(ころころ)今度は21。
GM:(ころころ)…20。命中してしまいました。
シグ:では、エゴ二つ固定して、自分にAGP2点追加します。
木場:「決めちまえ、シグ!」AGP4点。
ユーリィ:「(名前も知らなかった、あの人のために…!)」私からもAGP2点。
法眼:いちおう復活系HAを警戒して、AGP温存しておく。
シグ:では更に、闘争欲求への絆を消去して、AGP2点自分に追加。AGP10点でHA《フルファイア》を使用します。
GM:どうぞ。
シグ:(ざららーっ)116点の〈魔〉ダメージ!
GM:それは、死にます。
法眼:おや、終わったか? HA使ってないみたいだが。
GM:…ですが、HA《獣の生命》を使って、復活させて頂きます!
法眼:やっぱりか!
木場:うぎゃあ!?
法眼:誰か《ヴォイド》ないか?
木場:ない(笑)。
シグ:ヴォイドは無い〜……てか、FP200に逆戻り?!
法眼:いや、初期の最大FP+200まで復活(笑)。
GM:その一撃を喰らいながら、前に出てきます。シグに一撃!
シグ:「……むぅッ!」
GM:マイナーで《ハンティングスタイル》、メジャーで《悪魔の爪》。(ころころ)達成値23。
シグ:(ころころ)命中です、ダメージどうぞ。
法眼:大丈夫か?
シグ:まだ魔獣化してないから何とか……。
GM:アーツはさっきと同じで、(ころころ)42点の〈闇〉です。
シグ:げふ、何て出目だ。それは流石に魔獣化します。
GM/蛟神:「残念だったなあ…俺には命が二つあるんだぜ…!」シグの腹を貫きながら。
シグ:「……ぬかった、か……」獣とも無機物とも付かない姿になり、ゆらりと立ち上がります。
GM:では、次。ユーリィ。
ユーリィ:マイナーで《隠れしもの》、更にHA《神獣撃》を使って、メジャーで《影より迫るもの》。爪を出している暇はなさそうだっ。
GM:では、来なさい!
法眼:ユーリィと弱きものへの絆を固定。AGP2点渡す。
木場:AGP最後の1点。
ユーリィ:当たれっ! 死角に回り込んで蹴りを。(ころころ)…低い〜、13です。
GM:AGP使いますか?
ユーリィ:AGPで振りなおします。もらった分が3点あるので。(ころころ)……出目3で12(笑)。
GM:(ころころ)16で避けました(笑)。
ユーリィ:次の人にっ(笑)。
法眼:では、メジャーで攻撃。(ころころ)達成値26。
GM:(ころころ)命中してしまいますな。
法眼:HA《律の破壊者》。AGPくれる人はいるかな?
木場:もうない。
シグ:私も無理。
ユーリィ:法眼さんに最後の2点。
法眼:了解。では、シグからもらってた分と合計5点で。(ざらざらーっ)104点〈魔〉属性だが…まだ半分程度か?
シグ:ですね。もう1回攻撃されそうです。
GM/蛟神:「どうした…まだ、この程度か!」
法眼:「オン・バザラ・ダトバン…砕ッ!!」 続けて《神の雷》!
GM:うお、それもあったんだ!
シグ:ああ、守護者健在でしたか。
法眼:更に、さっき木場が使ったHA《無限の法則》をコピーして使う。守護者は本体の一部だから、有効(*)だよな?
GM:(少し考えた)…でしょうね。
(*)後でルールを確認したら、どうも無理っぽいです。この時は『確かEVAリプレイで使ってたはず…』と思ってたんですが、あっちは《剣魂一擲》だった(笑)。というわけで、これは完全に筆者の勘違いでした。GM、ごめん(平伏)。
法眼:(ころころ)命中判定は成功。
GM:で、こちらがファンブルになる、と。
法眼:食人衝動と自分への憎悪、二つのエゴを絆に変換して固定、即消去する。これでAGP4点。誰か、固定分のAGP2点使いそうな人はいるか?
シグ:私は、余らすくらいなら貰う……って程度です。《マルチリカバリー》と《獣の生命》なんで。
木場:《彼方への門》と《獣の生命》(笑)。
ユーリィ:《雷光のごとく》と《獣の盾》かな、私に残っているのは。
法眼:むぅ。じゃあ、シグに。
シグ:了解、頂いておきます。
GM:では、《神の雷》のダメージをどうぞ。
法眼:「喰らえッ!!」(ざららーっ)98点の〈雷〉。
シグ:落ちたかな?
法眼:いや、まだ足りない。
木場:まだもうちょいかと。
GM:…あと一撃に追い詰められたかな?
シグ:では、次のターンですね。
現在のエンゲージ:(蛟神・シグ・木場・法眼・ユーリィ・不動明王)
▼ラウンド3
GM:セットアップは…全員なし? では、木場さんから。
木場:技のネタが切れた(一同笑)。「くらえ! スパイラルひき逃げクラッシャー!!」マイナー《ハンティングスタイル》、メジャーでバイク攻撃! (ころころ)23。
GM:(ころころ)当たってしまった。
木場:オートで《リインフォース》、(ころころ)38点、〈光〉です。
GM:それは…死にました。
一同:よし!
シグ:倒した〜。
GM/蛟神:「…く…焼きが回った、ぜ…」
木場:前面の巨大丸ノコでギュリギュリと(一同笑)。
ユーリィ:「(やった…)」…って、木場さん酷い(笑)。
法眼:「命を弄んだ報いだ……奈落へ堕ちるがいい」
GM:では、このシーンは蛟神の死亡で幕引きになります。
■エンディングフェイズ■
●シーン14 『狩人の報酬』 木場大輔ED
○バウンティハンター協会
GM/七尾:「ご苦労様。これ、今回の賞金だけど…」分厚い封筒を差し出します。
木場:賞金の受け取りですな。(\m\)
GM/七尾:「現金指定なんて、今どき流行らないわよ?」
木場:「いいんだよ」封筒を受け取って数枚の札を抜きます。「これが飲み屋のツケで、こっちが家賃で…」
GM/七尾:「…せせこましいわねえ」
木場:「あとは受け取れねえ」残りを返します。
GM/七尾:「珍しい…どうしたの?」
木場:「今回の事件の遺族にでもやってくれ。…さすがに今回はこの金で豪遊する気にもなれん(苦笑)」
GM/七尾:「…わかったわ。匿名の人からの寄付ってことで処理しとく」
木場:「頼む」
GM/七尾:「…いいとこ、あるじゃない」
木場:「誇りを忘れちゃ、星の海へ帰っても戦士として生きられないんでな」
GM/七尾:「で、他の仕事もあるんだけど、どうする?」
木場:「もちろん受ける!(即答)」 (\m\)ノびかーん!
GM/七尾:「そ、言うと思ったわ」七尾が広げた書類を見据えながら、木場さんは日常に帰ります。
●シーン15 『狼たちの別離』 ユーリィED
○ユーリィの自室
GM:事件後、マグナスが一度、訪ねてきます。
ユーリィ:「……」黙って扉を開ける。
GM/マグナス:「…元気か?」
ユーリィ:「…うん」小声で。
GM/マグナス:「今日は、別れを告げに来たんだ」
ユーリィ:「……っ」(少し間を置いて)「…行くの…?」
GM/マグナス:「国に、帰ることになってね…。この国で果たすべきことは、果たしたからな…」
ユーリィ:「……そう」(僅かに視線を逸らして)「いつ、発つの?」
GM/マグナス:「明日の予定だ」
ユーリィ:「……そう」(また少し間を空けて)「ねぇ、最後に…」
GM/マグナス:「…なんだい?」
ユーリィ:「(少しだけなら…)最後に……、その」(だんだん小声になり)「……『お父さん』って呼んでも、いい?」(掠れそうな声で囁く)
GM/マグナス:「ああ」
ユーリィ:俯いたまま、黙って近寄って。胸に顔を埋めて抱きつく。「…うっ。ひっくっ……、お父…さん…!」
GM/マグナス:「…君は、君の群れを見つけるんだ。絶対に、オレみたいになるんじゃないぞ…」頭を優しく撫でながら。
ユーリィ:しばらく泣きじゃくってから、パッと身体を離す。「…うん。……ありがとう」俯いたまま顔を見せず、小声で。
GM/マグナス:「じゃあ、お別れだ」
ユーリィ:「……うん。…さよう…なら」顔を逸らして、最後にもう一度だけ顔を向ける。
GM:その言葉を最後に、マグナスはあなたの元から去っていきます。背中を向けたまま、手を振って。
ユーリィ:「さようなら…」背中を見送る。
●シーン16 『生きてゆく意味』 鬼来法眼ED
○研究所跡
GM:刻み付けられた破壊の痕跡を見ながら、法眼さんは研究所の跡地にいます。
法眼:「……これをやったのか? 俺が…」荒れ果てた大地を見ながら。
GM:法眼さんが眺める瓦礫の山の中を、蛍火のような、小さな光が飛んでいます。それは、集まったり離れたりしながら、あなたの周りを飛び回ります。
法眼:「……? 何だ?」光に目を凝らす。
GM/声:「…ありがとう…」「あんたが、開放してくれたんだ」「やっと、逝けるよ…」
法眼:「……俺は、救えたのか? 僅かでも……」光を呆然と見送る。
その光は様々な声を伴いながら、天へと昇っていく。
ほんの一瞬、その中に見覚えのあるガキの顔を見たような気がした。
GM/少年:「…だからさ、僕は、法眼さんみたいになりたかったんだ」微笑むと、少年の姿はかき消すように消えていきます。
法眼:「…手の届く限り…この命が続く限り。護ってやるさ、何度でもな…」僅かに眼を細め、判らないくらいに微かな笑みを浮かべる。「…それが、俺の生きる意味であり…証だ」
…血の呪いが消えたわけじゃない。おぞましい“人喰い”の衝動は、今もこの身体に根付いたままだ。
――――それでも。何かを救えるというのなら…俺が生きていることにも、きっと意味はあるのだろう。
踵を返し、研究所から立ち去る。独りよがりの悲劇に酔うのは、もう十分だ。
●シーン17 『乾杯』 シグムント・シュライネンED
○成田空港内のバー(夜)
シグ:「……故郷に帰るらしいな」静かに、グラスを傾けつつ。
GM/マグナス:「…ああ」
シグ:「……向こうに、待つ者は居るのか?」
GM/マグナス:「いいや。誰も、いないさ」
シグ:「……そうか、ならば……」“あの娘の許に残る気は無いか?”……その言葉を、寸前で飲み込む。
GM/マグナス:「…オレはな、あの子に嘘をついたんだ」その様子を汲んで。
シグ:「……嘘?」
GM/マグナス:「オレは、MMMを残して楽隠居する気はないってことさ。故郷へは戻るが、それは、もう一度自分を鍛えなおすためだよ」
シグ:「……そうか。まだ、続けるのだな」
GM/マグナス:「あの子を見ているとな、オレには一体、何が出来るのか…考えちまったのさ。オレみたいな思いは、させたくないんだ。あの子だけじゃない、誰にも」
シグ:「……不器用だな」優しく微笑む。
……自分も、他人の事は言えないわけだが。それは口に出さず、似たもの同士の友人を見やった。
GM/マグナス:「オレは、この国に来て、良かったよ。生まれてこなかった子に会えた。そして、何より…最高の友に会えた」
シグ:「……また、会えるさ。俺とも……あの子とも」
GM/マグナス:「…また、な。長いお別れになるかもしれないが…もう一度、必ずこうして飲もう」
シグ:「……ああ。では、その日が近い事を祈って」グラスを掲げる。
GM/マグナス:「祈って」グラスを掲げる。
……そう、これは別れの乾杯ではない。必ず再会する……友との約束だ。
カランと、グラスの氷が乾いた音を立てた――――。
THE END
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