第25話
こぶとりじいさん

●今回予告●

好きな子に告白する勇気もない。
馬鹿にされても拳を上げる勇気すらない。
大切な事柄も、怖くて決断できない。

よろしいよろしい、大いに結構。私はそんな諸兄を待っていた。
私がここにいるのは、諸君らのその勇気を補ってやるためだ。
言い遅れたが、私は魔法使い。
それもオズの魔法使いのようなインチキではなく、君に、勇気をあげるために来たんだ。

…え? 信じられない、と?
よろしい。では、君に魔法をかけて進ぜよう。
明日から、君はきっと生まれ変わるぞ…。


Beast Bind New Testament
『こぶとりじいさん』

汝、勇気を欲するか。



オープニング ミドル クライマックス エンディング

■プレセッション■


GM(R−3):それでは、まずはルール変更について説明します。登場判定は行いません。宣言いただければ、特に指定がない限り登場は可とします。絆等の取得、書き換えは、シーン中自由に行って構いません。
一同:判りました。
GM:自己紹介、絆の取得はハンドアウトの番号順にお願いします。
愛理:はーい。


●PC1(定員1名) 推奨:学生のキャラ

 君の友人、富士原三平は気弱な男で、言いたいこともはっきりと言えず、割ばかり食っていた。
 しかし、彼はある日を境に変わった。積極的になり、強気になった。今までにない成功を手に入れた。
 頬に、小さな腫れ物ができた、その日から。
 …それから数日後。彼の性格は大きく変わった。自己中心的になり、自分のためなら、どんなことでも行う男に。
 彼の頬の腫れ物は、既に瘤(こぶ)のようになっていた。
 君は、これが魔物の仕業ではないか、と考え始めていた。

 シナリオ絆:富士原 三平 ふじわら さんぺい (関係:友情など好意的なもの)


巫薙 愛理みなぎ あいりアイゼン  プレイヤー:麻那
 【アーティファクト/セレスチャル】 年齢:17歳/性別:女/カヴァー:高校生
「あ、あのぅ……私、どうしてこんな所にいるんでしょうか?」
 地味で内気な眼鏡っ娘、巫薙愛理はアンノウンマン
(*魔物の存在を知らない人間)である。
 しかしある日、『愛染明王』に媒体(やど)として選ばれたのが運の尽き。
 事件が起きた時、彼女は「ラ・ガラサ!」の呪文と共に『愛の狩人アイゼン』へと変身するのだ。
 変身後は派手な衣装で決めた、色香漂うオネーサマ。しかし愛理に戻ると変身中の記憶は残っていない。
 そんな不幸に見舞われた、彼女の明日は…どっちだろう?
 所持HA:《剣魂一擲》、《電光石火》、《アドベント》


●PC2(定員1名) 
推奨:退魔師、ハンターなど。

 ビッグウェイン・アーバライトという男がいる。
 古くはミスカトニック大学のアーミテジ教授に学び、退魔の法を修めた老齢の退魔師…君の師匠だ。
 退魔師として一人立ちした君の下に、死霊課からの依頼が来る。
 ビッグウェインらしき男に、アンノウンマンが連続して襲われたというのだ。
 被害者は、一様に「頬のこぶを奪われた」という。
 死霊課からの依頼を受けた君は、師匠に会い、その真意を質すことにした。

 シナリオエゴ:ビッグウェイン・アーバライト (関係:適当なのを何でも)


篠崎 勇司しのさき ゆうじ朧夜の刃(陰魄)  プレイヤー:夜叉丸
 【イレギュラー/マジシャン】 年齢:23歳/性別:男/カヴァー:魔法使い(!)
「俺は、この世全ての知識を欲する。―――それの何が悪い?」
 自ら魔力回路(=神経)を焼き切ってみたり、吸血鬼の下僕になってみたりと変遷著しい元・魔術師。
 最近、不死の肉体を活かして自分自身を解体&新たに造った魔力回路を移植する大手術を敢行。
 気の狂うような苦痛の果てに魔力を取り戻し、再び……のんべんだらりと魔狩人を続けている(ぁ
 結構な性格破綻者だが、女性全般には甘い。最近は自ら『魔法使い』を名乗るのがお気に入り。
 所持HA:《歩く影法師》、《リセット》、《ヴォイド》


●PC3(定員1名) 推奨:そこそこ長生きなキャラ

 かつて、君の住んでいた街に現れた男がいた。名をヨラン・ウッドマン。
 素性は知れないが、悩める者たちの声を聞き、それを救うことで、街の人間の中に溶け込んでいった。
 しかし、この男の正体は、街に“悪”をばら撒きに来た魔物であった。
 君の友人は、この男に人生を狂わされ、罪を犯し、挙句に死んだ。
 その後、姿を眩ましていたヨランが、今この街にいる。瘤を付けた人間が増えてきたことで、君にも理解できた。
 あれはヨランが悩める者たちにばら撒いた、“悪”そのものだからだ。
 ―――今度は、逃がさない。

 シナリオエゴ:ヨラン・ウッドマン (関係:憎悪、仇敵など)

三村 アンリみむら      リドム・パッシュ  プレイヤー:久川カズホ
 【アーティファクト/デーモン】 年齢:子供(実年齢1000歳以上)/性別:女/カヴァー:放浪者
「――――美形ってサイコー!!」
 地獄の最下層で鍛えられ、魔性を帯びた氷の魔剣。別名、『刀剣総統』。
 喜怒哀楽が激しく、殆ど脊髄反射で行動してるんじゃないか? と思わせる性格。
 姿形は自由に変えられるが、大抵はツインテールの少女か黒猫の姿で現れるのを好む。
 無類の美形好きで、代々のマスターは『顔(の美醜)』を基準に選んでいるらしい。
 所持HA:《電光石火》、《万物の王》、《歪曲する真実》



愛理:勇司への絆は好奇心で。
勇司:アンリに絆は友情で。
アンリ:愛理への絆は…好奇心にします。アイゼンへの絆なら好敵手とか連帯感でもいいかも(笑)。
愛理:あはは、出自とかもライバルっぽいしね(笑)。
アンリ:両方とも『出自:悪名高き』だし(笑)。
愛理:「あなたを倒すのはこのあたしよっ!」とか?(笑)
GM:はい、ありがとうございました(笑)。それでは、始めます。


 

■オープニングフェイズ■


●シーン1 『悪を撒く男』  シーンプレイヤー:三村アンリ

○アンリの回想


 ―――目の前に、銃を握り締めて倒れている一人の男。彼は、警官に撃たれた犯罪者。
 そんなことは有り得ないはずだった。彼は自分の友人で…殺されるような罪を犯すなど、考えられない。
 しかし現実に、彼は警官との銃撃戦で撃たれ、血塗れで横たわっていた。


アンリ:いい人でした…きっと。彼の名前決めないと…。「士郎…、なんで、こんなの…」ぽろぽろと涙を零し。
愛理:きっと美形だったに違いない、こぶが出来る前は(ぉ
アンリ:よく意味も無く目を瞑ったり、「フッ…」とか言ってました(ぇ
愛理:素で「美しい…」とか呟いていそうな(笑)。
GM:あなたの腕の中で、見る影もない面相になった彼は…死ぬ間際に言います。「…ヨラン・ウッドマン…あいつを…止めろ…あいつが、ばら撒く『悪』を…」
アンリ:「そんなのどうだっていいから、病院行かないと!!」
GM:士郎の言葉に出てきたヨランという男は、この街にふらりと現れ、巧みに人の心を掴んで、住民たちの悩みや相談を聞いたりしていた男でした。
アンリ:善人っぽいですねぇ。
愛理:善人は『巧みに人心を掴む』ようなことはしないと思う(笑)。
アンリ:いや、一般人には巧みさを上手く隠すのです(笑)。
GM:彼が来てから、街の様子は徐々におかしくなりました。相談を受けた人間は、暴力的になったり、犯罪に走ったり…その性格は顕著に変化していきました。この青年も、そうです。
アンリ:「…わかった、ヨランっていうの、倒してくるから待ってて!! 死なないでね!!」と言って走り出す(笑)。
GM/士郎:「頼む…すまない…アンリ」その背を見つめながら、彼は、静かに目を閉じます。
アンリ:「待ってて!! 死んだら、許さないから!!」と言う(笑)。で帰ってきたら死んでる(ぉ


○現在

GM:そんなことがあってから…暫し時が流れ。アンリがヨランを追った時には、彼は既に街から姿を消していました。
アンリ:あらら…。
GM:今、この街であなたはヨランの気配を感じています。それは、士郎に付けられたのと同じ醜悪な瘤を付けている人間たちを、この街でも目撃したからです。
アンリ:「また同じことを繰り返せると思ってるの? ヨラン…」と黒猫に化けて電柱の上で呟く。「今すぐ行って…殺してあげるから!」で、ぴょいと街の中へ。
GM:はい。シナリオエゴ:ヨラン・ウッドマンと、[SA:仇敵を倒す]を渡しておきます。
アンリ:貰いましたー。ヨランへのエゴは…仇敵にしよう。
GM:それでは、とりあえずこのシーンはここまでです。

▼絆/エゴの変化
アンリ:ヨランにエゴ/仇敵を取得。



●シーン2 『こぶとりじいさん』  シーンプレイヤー:篠崎勇司

○死霊課


GM:あなたの元に、死霊課からの依頼が来るところです。
勇司:「ふぅん、俺に仕事ね。切羽詰まってんな、マジで」
GM/刑事:「お前に繋がりのある人物の捜索だからな、今度の依頼は。…ビッグウェイン・アーバライトという男を知っているだろう?」
勇司:「おう、俺の師匠だけど?」
GM/刑事:「実は、その男が日本に入ってきたようでな。あろうことか、連続して、人を襲っている」
勇司:「はぁ!? 師匠が!? そんなアホな」
GM/刑事:「相手が魔術師だから、我々の出番になったのだが…神出鬼没すぎて足取りが掴めん。そこで、ビッグウェインを知るお前さんに、奴を見つけ出して欲しいんだ」
勇司:「OK、わかったよ。さすがに出るしかないな」
GM:一応、師匠がどんな人物か説明しておきます。
勇司:あいさ。

▼ビッグウェイン・アーバライト
 ミスカトニック大学教授。古くはミスカトニック大学のアーミテジ教授に学び、退魔の法を収めた老齢の退魔師。
 カーナッキ式電気五芒星改良型、タツト・クロダ作風水演算ソフト『シム・フースイ』などのガジェットを駆使する。
 ぼろぼろのコートに鍔広の帽子、顔の下半分を覆う白い髭を持つ、一見ホームレスのような服装。
 頭の先から尻尾までを真っ二つにされた半身の雄鶏を使い魔として持つ。
 ヘルシング教授やアーミテジ教授、カーナッキのように、知恵と意志で魔物に立ち向かうタイプ。


GM:と、こんな感じです。
勇司:怪しすぎる。知恵って悪知恵じゃないの?(ぉ
GM:どうでしょう(笑)。
勇司:「まぁ、師匠の連絡先わからんし。しゃ〜ない、まずは情報屋にネタを流すか…」
GM/刑事:「そうそう。一応事件についても、少し話しておこう。この被害者たちも、少しおかしくてな…。みんな、『こぶを取られた』んだと。この爺さんに」
勇司:「ほほう」ボイスレコーダーを出して録音中〜。
GM/刑事:「…なんでも、『勇気が詰まった袋』だとか何とか…言っていることの意味が解らんのだ」
勇司:「まぁ、魔術師に意味を求めるのが間違ってるし」
GM/刑事:「だな。まあ、こちらで判ったことがあれば伝える。頼むぞ」
勇司:「オーライOK」
GM:では、シナリオエゴ:ビッグウェインと[SA:師匠の真意を質す]を。
勇司:了解さ。
愛理:勇司は師匠を信頼してるのですね。
アンリ:珍し…くもないかな、優一とかも信頼してるし。
愛理:うん、優一とかも信頼はしてるだろうけど。
勇司:すごい言われようだな。
愛理:勇司の態度からはこう…ある意味『父親』に対するような絶対的信頼を感じる。まぁ、勇司の場合は実の父親がろくでもないんだけど(笑)。
(*篠崎勇司の両親に関しては、リプレイ第6話を参照)
アンリ:負ける可能性をあまり疑ってないですものね(笑)。
愛理:ビッグウェインって昔ながらの頑固爺みたいな感じかな。良くも悪くも意志が強そう(笑)。

▼絆/エゴの変化
勇司:
ビッグウェインにエゴ/追求を取得。



●シーン3 『強くなった弱虫』  シーンプレイヤー:巫薙愛理

GM:さて、あなたのクラスメートには、富士原三平という少年がいます。

▼富士原三平
 明るく剽軽な「うっかり八平衛」のような性格。しかし半面、気弱なところがある。
 積極性にも乏しくて、ケンカが出来る性格でもなく、重要な決断ができないこともしばしば。
 そんな自分に、コンプレックスを抱いている。


GM:と、こんな感じの人物です。
愛理:愛理と似たような性格なので、共感を覚えてます(笑)。
GM:その少年が、少しずつ積極性を見せ始めたのが、事件の発端でした。
愛理:アイゼンとしては、最初の内は「いい傾向じゃない♥」とか思っているんですが…そうも言ってられなくなるんですね。
GM:好ましい方向に積極的になってきたのはいいことだったのですが、段々とそうではなくなってきました。自分の意思を通すために強引なことを行ったり、喧嘩っ早くなったりしてきたのです。

○学校/放課後

GM:事件は、その日の放課後に起きました。愛理が帰ろうとしていた時、廊下で物凄い騒ぎが起きます。
愛理:何の騒ぎか、見に行きます。
GM:そうすると廊下では、常日頃から三平に絡んでいた不良生徒が、頭から血を流して倒れています。
愛理:「これ、いったいどうしたの!?」駆け寄りますが。
GM:その傍らでは、三平が肩で息をしています。手には椅子が握られていますね。どうやら、これで殴りつけたようです。
愛理:「大変…早く保健室に連れて行かないと。富士原くんも手伝って!」
GM:三平は声をかけられて振り向きますね。鬼の形相です。
愛理:「富士原くん……どうしたの?」泣きそうな表情で見上げます。
GM:愛理がそう言うと、一瞬、三平の顔の険が取れます。そうして自分が何をしたか、理解したようですね。「…お、俺…俺が…やったんだ…?」
愛理:「何があったのか知らないけど…お願い。この人を保健室へ連れて行かなきゃ。富士原くん、手伝って」強い眼差しで見つめます。
GM/三平:「…ダメだ…そいつは、そうなって当然なんだ。何かというと、俺に…いや、いや! 違う! 保健室に…」そう言って三平は一度、手伝おうとしますが…また、その顔に鬼が宿ります。
愛理:「……富士原、くん…」じっと見つめる。
GM:それに自分で気がついたのか顔を覆うと、彼は生徒を突き飛ばして、廊下を走って逃げていきます。
愛理:「あ、待って!? ……富士原くん……どうしちゃったの…?」と、ここで鋭い目つきになる。「…やれやれ。これじゃ、まるで『憑鬼』憑きじゃない」
GM:その時に気がついたのは、積極的になった頃にできた頬の腫れ物が、今ではすっかり瘤のようになっていたこと。それが今、成長したように見えたことです。
愛理→アイゼン:「ふぅん。…管轄外、とも言ってられないか。調べてみた方がいいかもね…」取りあえず、足下の少年を保健室に運びます。愛理、保険委員にしとこうっと(ぉ
アンリ:保険委員ですか(笑)。
アイゼン:アイゼンはともかく、愛理の性格なら似合うかなぁと(笑)。
アンリ:図書委員かと思った(笑)。
アイゼン:愛理はどっちにしろ文化系のイメージですね。部活は弓道部だけど(笑)。
GM:と、ここで絆:富士原三平と[SA:富士原三平の変化の原因を探る]を。
アイゼン:富士原くんへの絆は庇護で。アイゼン視点だから。
アンリ:なんだか富士原くんって、ペルソナのゴーグル付けた彼みたい(ぉ
GM:うっかり八兵衛か、漫画「WORST」の富永寅之助のような男です。
アイゼン:後者は知らないけど、うっかり八兵衛は判ります(笑)。

▼絆/エゴの変化
アイゼン:
三平に絆/庇護を取得。


 

■ミドルフェイズ■


●シーン4 『仇敵はどこに』  シーンプレイヤー:三村アンリ  登場難易度:自由

○街中/昼


GM:あなたはヨラン・ウッドマンを捜しているわけですが…何か調べたいことがあれば、前もって聞いておきます。
アンリ:こぶについて調べるか、ヨランについて調べるか…うーん…、こぶのついた人間を捕らえて話を聞き出す、とかは私、まだしてないですよね?
GM:そうですね。そこから行きますか?
アンリ:ん…、いや、先にヨランについて調べて動機から探りたいです。
GM:はい。では、ヨランですね。〈情報:魔物〉で。
アンリ:(ころころ)…11。情報は苦手(苦笑)。
GM:ほうほう。上手い具合に一番上の情報が隠れました(笑)。
アンリ:うわ!? …バッドエンド?(ぇ

▼ヨラン・ウッドマン
達成値5:カウンセラーを名乗って活動中。
達成値8:彼が歩んできた町や村では、「勇気を与えられる施術」を受けたものが多くいる。
達成値10:しかし、その後は治安が乱れ、その町は“悪”の蹂躙する地になる、と言われている。そのように荒廃した場所が、彼の足跡には多くある。


GM:と、こんなところですか。
アンリ:ふむ…勇気が悪に変化する…? まぁ、よく判らないので、後は次のシーンで(笑)。
愛理:…というか、勇気と偽って『別の何か』を植え付けてるんじゃないかな。『傲慢』とか。
アンリ:蛮勇とか?
愛理:もしくは本人のエゴを肥大化させてるとか…まぁ、詳しいことは合流してから調べましょ(笑)。
GM:もう一度、今度は〈情報:噂話〉で振って頂けますか?
アンリ:はーい、(ころころ)技能なしで9。

達成値5:弱気な人間が強気になった、という噂は最近多い。
達成値8:いずれの噂にも、「勇気をあげる」という外国人カウンセラーが出てくる。その人物が、勇気が無くて困っているという人間に、『かつて成し得なかったことが出来る勇気』を与えるのだという。


GM:ということが判りました。
アンリ:…というか、こぶが生えて病院へ行かないのか(笑)。
愛理:たぶん、本人は『気にならないようにされてる』んじゃない?
アンリ:ああ…富士原くんも、「お前、それ何?」「何って?」「こぶ」「は?」なんて続いて喧嘩になったのかも(笑)。
愛理:…あり得るかも(笑)。
アンリ:どういうことにしろ、ヨランが噂の中心というのは間違いがないようですね。後は『勇気を与えられる施術』なども今後調べよっと。…こんなところで?
GM:そうですね。この辺で良ければ、次のシーンに向かいますので。

▼絆/エゴの変化
アンリ:
士郎に絆/哀悼を取得。



●シーン5 『師匠はいずこ』  シーンプレイヤー:篠崎勇司  登場難易度:自由

○街中


GM:さて、先ほど情報屋に、と話が出ていましたが。その線で、師匠を捜しますか?
勇司:YES。まずは経歴から洗って足取りを調べます。
GM:では、ふさわしい情報で振ってみてください。〈情報:魔物/社交界/警察〉以外なら、大丈夫でしょう。
勇司:では〈情報:噂話〉で(ころころ)ぐは、低っ!? 11だ。
愛理:ファンブルでないだけ、マシね(笑)。
GM:まあ、それでも判ることはあります(笑)。ビッグウェインは、駅のガード下や公園など、ホームレスが徘徊する辺りに潜んでいるとの噂です。本人の風貌が風貌なので(笑)。
勇司:ふむふむ。ではホームレスに写真をみせて聞き込むか。
GM:また、同じく外国人と夜の街で争っているところも一度目撃されていたようです。
勇司:ふむふむ、後は地図で行動範囲を調べてプロファイリング、ついでに警察で浮浪者情報を集めてみたり。
GM:まあ、そうして情報を集めていけば、師匠が好みそうな隠れ場所がいくつかピックアップできますね。
勇司:おおう。では隠れ場所を一つ一つ襲撃していく(ぇ
GM:うい(笑)。では、それは以降のシーンで。



●シーン6 『彼らに何が起こったか』  シーンプレイヤー:巫薙愛理  登場難易度:自由

○学校/放課後


GM:さて、保健室に怪我人を連れて行った後ですが…とりあえず、どういった行動に出ます?
愛理:富士原くんが心配なので、『何故彼が変わってしまったのか』を他の生徒から聞こう…と努力します、愛理が(笑)。
GM:はい(笑)。では、まずは〈情報:噂話〉をどうぞ。
勇司:頑張れ眼鏡っ子(笑)。
愛理:情報屋込みで(ころころ)13、ダイス目低いなぁ。「あ、あのぅ…富士原くんのことで、少し聞きたいことがあるんだけど…」おどおど(ぉ
GM:では、愛理がおどおどしつつ勇気を出した結果、以下のことが判ります(笑)。

▼強気になった人間について
達成値5:三平だけではなく弱気な人間が強気になった、という噂は最近多い。
達成値8:いずれの噂にも、「勇気をあげる」という外国人カウンセラーが出てくる。その人物が、勇気が無くて困っているという人間に、『かつて成し得なかったことが出来る勇気』を与えるのだという。


愛理:「…外国人のカウンセラーさん? 私も勇気は欲しいけど…でも、少し違う気がする…」
GM:とりあえず、ここまではアンリと同じ情報です。
愛理:その先があるんですね?
GM:ここで一度〈情報:魔物〉でチェックしてみてください。その先はこの判定次第です(笑)。
愛理→アイゼン:愛理には無理ね、アイゼンになって判定するわ。情報屋付きで(ころころ)達成値15。

▼「勇気をあげる」者
達成値5:ヨラン・ウッドマン。外国人のカウンセラーで、夜回りして、人の悩みを聞くボランティアを行っている。
達成値8:「勇気をあげる」際に、彼は『勇気の袋』という物を相談者につけるという。
達成値10:それが例の『瘤』ではないかと思われる。
達成値12:先ほど見た時に推測できたのは、この『瘤』は、それ自体が魔物か、その一部である、ということである。


アイゼン:アーティファクトみたいなものかしら?
GM:そこまでは、現物を詳しく見ないと何とも言えないところです。
アイゼン:「…ふぅん。ま、参考になったわ。ありがと」JABFのコネと電話で話しつつ(笑)。
GM:さて、一応、ここで拾える情報は、これだけですか。
アンリ:JABFのコネはスルーなのですね?(笑) まぁ、シナリオに関係ないですけど。
アイゼン:この段階で入る情報は、全部? だったら、次は街に出てヨランとやらを探してみましょう。
GM:おお、一応、ヨランについても調べることは不可能ではありません。
アイゼン:ん、調べる技能は何?
GM:〈情報:魔物〉です。結果はアンリと被りますが(笑)。
アイゼン:(ころころ)んー、出目がイマイチね。達成値は16。
GM:む…16出ましたな。では、アンリの情報にプラスして…。

達成値15:ヨラン・ウッドマンは、ある太古の邪神を奉ずる一族の出で、その祭司である。奉ずる邪神の名は『イゴーロナク』というらしい。

GM:という情報が出ます。
アイゼン:オリジナル設定? それとも何か由来あり?
GM:由来はあります。ただし、このシナリオ用にいじってありますが。
アイゼン:「な〜るほど…判ったわ。貴方達が動かないで済むようにやってみるから。じゃね、酒天
GM/酒天:「…無理はするな」出ちゃった(笑)。(*)
アンリ:やっぱり酒天(笑)。
アイゼン:ほほほ(笑)。
GM:とまあ、ヨランが怪しくなってきたところで。街に捜しに行く、でいいでしょうか?
アイゼン:そうね、こんなとこかな。

 (*)酒天は今回のGMの持ちキャラで、アイゼンとは微妙な関係にあります。詳細はリプレイ第22話を参照(笑)。

▼絆/エゴの変化
アイゼン:ヨランにエゴ/敵意を取得。



●シーン7 『天使の棲む店』  シーンプレイヤー:三村アンリ  登場難易度:自由

GM:先ほどの情報に従って行動することになりますが、どうしますか?
アンリ:んー…、そろそろ1回集まりたいかも。まだ早いかな?
愛理:んー。名前そのままみたいだし、調べてるうちに合流できてもいいんじゃない?
勇司:ん〜とりあえず、おいらは師匠の隠れ家候補を襲撃中かなぁと。
GM:マスターとしては、どのようにして頂いても(笑)。目標が同じ分、愛理とはそろそろ会えるかと思っておりますが。
愛理:問題が一つ…愛理はアンリを知らない(笑)。
GM:あ!(笑)
アンリ:え? アイゼンとアンリは旧知の仲ですよ?(ぉぃ
愛理:アイゼンは、ね(笑)。
アンリ:では、喫茶店エンジェルハートで、ヨランのカウンセラーについて情報収集を。

○喫茶店『エンジェルハート』

アンリ:「で、天衣ー。何か知らないー?」ミルクを両手で飲みつつ。
GM:それはすぐに判ります。駅前の大通りの辺りに、ほぼ毎晩現れては若者たちと話して帰っていくようですね。若者たちの様子が、教祖でも崇めるような熱狂的な雰囲気があるので、かなり目立つとのことです。
アンリ:大胆な(笑)。
GM:ここにアンリがいるとは知らないのでしょう(笑)。
愛理:「歩いてたら喉が渇いちゃった。…あら? こんな所に喫茶店があったかしら…」からんからん、とドアを開けて愛理登場(笑)。「すみません、アイスティーを一杯頂けますか?」
GM/天衣:「はい。あら…アンリ、お友達よ?」
アンリ:「…お友達って?」見た目が地味なので判らない(笑)。「あ、お姉ちゃんってアイゼンにちょっと似てるねー?」
愛理:「え? …あのぅ、どこかでお会いしましたっけ?」
勇司:「あ〜疲れた。さてと茶でもしばくか…お〜い、アイコくれや」
GM/天衣:「今日は賑やかね。はい」勇司の前にもアイスコーヒーを。
アンリ:「あ、勇司!!」隣の席へ移動(笑)。
勇司:「よ、アンリ」
愛理:こくこくとお茶を飲みつつ。「…あのぅ、この辺でヨランさんと仰る外国人のカウンセラーさんをご存じないでしょうか?」天衣さんに。
アンリ:「アタシ、知ってるよ?」椅子に乗って、聞かれてもいないのにさっきの情報を話す。
勇司:「ヨラン? ああカウンセラーのか?」
愛理:「え、本当ですか!? ご存じでしたら、一度会わせて頂きたいんですけど…」…って、勇司はヨランの情報知ってるの?(笑)
勇司:(手をひらひらさせて)「名前だけな〜」判定値が8だから基本だけは知ってる(笑)。
愛理:ファンブルの可能性もあるでしょうが(笑)。
勇司:おおう(笑)。
アンリ:「じゃあ、○○時に◆◆駅に集合ね!! アタシも探してるし、ヨラン!!」
GM/天衣:「あら、勇司もヨランを追っているの? 偶然ね…少し前に、ビッグウェインもヨランの情報を聞きに来たわ」
勇司:なにぃ、師匠が!? 師匠が今、どこにいるかって判らない?」
GM/天衣:「ええ。二日くらい前に来たけど…確か、公園に寝泊りしてるって言っていたわ」
勇司:「どこの公園!?」
GM:「駅前の大きな公園よ。大抵はそこにいるから、何か判れば伝えて欲しいって」
勇司:「うし、見つけられそうだな」
アンリ:「夜になるまで時間あるし、アタシもそれまで勇司についてこっかな。いい、勇司ー?」
勇司:「おう、かまやしねぇぜ」
愛理:「…じゃあ、私はヨランさんの所に行ってみますね。紅茶のお代、ここに置きますから…」で、退場ー。
アンリ:「あー、大丈夫かなー…、士郎ー…」不安げに見つつ。

▼絆/エゴの変化
愛理:(アイゼンが)アンリに絆/好敵手を取得。
勇司:愛理に絆/好奇心を取得。
アンリ:勇司に絆/友情を取得。




●シーン8 『師匠は偉大なり』  シーンプレイヤー:篠崎勇司  登場難易度:自由

○公園/夕刻


勇司:師匠〜いやすか〜?(英語) いるなら返事しろ〜師匠〜(ドイツ語) ていうか答えろゴラぁ!(中国語)」
アンリ:「ナニ言ってんの?」隣で。
GM:見回していると、片足でケンケンしながら近づいてくる生物がいますね。半分にされた雄鶏です。鶏用の衣装でびしっと正装していますが。
勇司:「師匠〜いらっしゃったらお返事してください…って」
GM/雄鶏:「おや、篠崎様ではありませんか?」
勇司:「よぉ、師匠のファミリアじゃねぇか」
GM/雄鶏:「お久しぶりです。その後お変わりないようで」と、雄鶏が一礼。
勇司:「まぁな、ダンセイニも変わりなくて安心したよ」(まて
アンリ:「うー…、キモチ悪いー…」勇司の後ろに隠れる。
GM/雄鶏:「気持ち悪いとは失敬な! このダンセイニ、最初に風見鶏になった祖先を持つ、由緒正しき出の…!」
勇司:「アンリも慣れろ。悪い奴じゃないから」
アンリ:しぶしぶ握手する(笑)。
GM/ダンセイニ:「よろしい。初対面で礼儀は大切ですぞ、レディ?」
勇司:「ああ、ダンセイニ。安心しろ。普通は気持ち悪いから」(まて
GM/ダンセイニ:では、何だか判らない叫びを上げた後(笑)、「…と、ご主人様から案内を仰せ付かっていたのでした。皆様、どうぞこちらへ」
勇司:「おう」慣れた様子でついて行く。
アンリ:「魔術師キライー…」うなだれた様子でついて行く。
GM:そうして案内された木陰で、ポケットビンを呷る老人の姿が見えます。鋭い目つきで二人を一瞥しますね。「…来たか、勇司」
勇司:お辞儀をして。「参りました、ビックウェイン師父」
アンリ:釣られて目を見たままお辞儀。
GM/ビッグウェイン:「うむ…久しいな」
勇司:「ええ、師匠も息災みたいで何よりです」
GM/ビッグウェイン:「して…この爺を捜していたようだが、いったい何用だ?」単刀直入です。
勇司:「師匠、いつから人を襲うのが趣味になったんですか?」真顔で。「前から言っているように、生きてる人は襲わない方がいいと」(まて
GM/ビッグウェイン:「ぬかせ。そんな趣味があるか、お前ではあるまいに」真顔で。
勇司:「師匠。俺は女性を合意の上で襲うのが好きなので、無差別ではないです」
愛理:ううぅ、出たいけどキャラ的に出られない〜(笑)。
アンリ:アイゼンなら出られますけどね(笑)。
愛理:あははー、いくら何でもここで登場は都合良すぎて(笑)。
勇司:「まぁ、それはさておき。師匠が人を襲ってるから接触してどうにかして欲しいと依頼が来たんで、詳しい話を聞きたいだけです」
GM/ビッグウェイン:「ふん…わしが集めていたのは、これだ」袋を取り出します。
アンリ:「何これ?」ちょこちょこと近付き。
勇司:「これは?」覗き込んで。
GM:袋がぐにぐに動きます。
アンリ:「って生きてるし!!」慌てて魔剣で峰打ち(ぉ
勇司:「師匠、麻酔ぐらいかけましょうよ。ああ、アンリも打たない打たない」
GM/ビッグウェイン:「こいつは邪神イゴーロナクの体の一部よ」
アンリ:「だって、イゴーロナクの身体って!!」袋がぐったりしたら剣をしまい。
勇司:「また、悪趣味なものを集めてますね」
GM/ビッグウェイン:「うむ、太古の邪神の一柱じゃな。これに効く麻酔があれば、とうに使っておる。こいつをばら撒いている奴がいるのでな…研究室で隠居しとりたいが、そうもいかなくなった」
勇司:「連絡を下さればいいのに」苦笑しつつ。「猫じゃないんですから…恩は忘れませんよ、私は」
GM/ビッグウェイン:「今更、独り立ちした弟子を頼れるものか。…と、イゴーロナクについて、説明は必要か?」
勇司:「一応お願いします、確認のためにも」
アンリ:「ちょっと聞いてみたいかも。人間から見たイゴーロナクって」

▼イゴーロナク
 古代の地球に君臨し、その後は封じられた邪神の一柱。
 人間に“悪”を為させ、それを力に変える神。これに接触した者は、心の奥底に潜む“悪”を解放されるという。
 イゴーロナクの『瘤』は、その体の一部であり、取り付いた者の身の内から悪を引きずり出し、大きくなる。
 これはイゴーロナクの力となり、憑かれた者はこの瘤が肥大していくと共に善なる心を失い、悪に染まったイゴーロナクの信者となる。


GM:と、そんな感じで。
勇司:ふむふむ。
GM/ビッグウェイン:「…ヨラン・ウッドマンという男、この邪神を奉ずる一族の出で、この邪神の復活を図っている。そのために力を蓄えようと、な。手段がこれじゃ」瘤の入った袋を指差して。
アンリ:「どっかで最近そんなこと聞いたなー…、あ、ヨラン!!」遊んでいたダンセイニを放り投げ。
GM/ダンセイニ:「うおお! 近頃の幼子は乱暴でございます…」
勇司:「はぁ、頭が痛い。師匠ももう少し穏便に瘤を取ってくださいよ」
GM/ビッグウェイン:「穏便にやってもいられぬほど、奴は力をつけてしまったのだ」
アンリ:「そっか、ヨランってイゴーロナクの使い魔みたいなものじゃん!!」慌てて公園飛び出して退場〜。
愛理:アンリ、肝心な部分を聞き逃したまま飛び出してません?(笑)
アンリ:うん(笑)。まぁ、そこは後で勇司にカッコ良く説明して登場してもらおうかと(笑)。
GM/ビッグウェイン:「…さて、わしも行かねばな。奴は、今夜も犠牲者から力を搾り取る気だ」
勇司:「やれやれ、お手伝いしますよ。ご老体が無理をするのは見てられませんからね」
GM/ビッグウェイン:「…いいだろう。お前がどの程度、腕を上げているか、見るのも一興よ」
勇司:「驚いて腰を抜かさないでくださいね。師匠」
GM/ビッグウェイン:「楽しみにしとる」年輪を刻んだような顔の口角を持ち上げて。
勇司:にやりと笑う。
愛理:さて、次のシーンで愛理はピンチかなぁ?(笑)
アンリ:ヒロインの面目躍如(笑)。
愛理:出来るといいなぁ(笑)。
アンリ:ってPC1なのに(ぉ

▼絆/エゴの変化
勇司:ビッグウェインへのエゴを絆/信頼に変更。ダンセイニに絆/友情を取得。

アンリ:……ダンセイニに、友 情 ?(笑)
GM/ダンセイニ:
「篠崎様、応援してますぞ!」ノシ(笑)



●シーン9 『勇気ある者』  シーンプレイヤー:巫薙愛理  登場難易度:自由

○街中/夜


GM:さて、愛理ですが。夜の街、人だかりの中に、ヨランとその信者がいます。
愛理:「…あの人が、ヨランさん…」人だかりに混じって様子を窺ってます。
GM:みな、ヨランの話に聞き入りその後をついて行き……そうして、深夜のビル建設現場の中へと入って行きます。
愛理:「行かなくちゃ…何が起きてるのか、確かめないと」決意の表情でついて行きます。でも足は震えてたり(笑)。


○ビル建設現場/深夜

GM:さて、では建設現場の中です。
愛理:こっそりと忍び込んでいる…つもり(笑)。

 壇上では、噂のヨランという男性が、集まった人たちに語りかけていた。

「みなさん…みなさんは勇気を手にしました。
 それは、我らが神からの賜りもの。
 あなた方がそう強く信じることで、あなた方の力は、どんどん強くなるでしょう…」


愛理:中に、富士原くんの姿はありますか?
GM:いますね。
愛理:近くに行きます。こっそりと(笑)。

 語る声は高く…ある時は低く。独特のアクセントと抑揚が、どこか演説と言うより不思議な呪文を思わせる。

「…あなた方が讃えることで、我らが神は更に強く、あなた方を祝福するでしょう。
 そして、我らが神は地上に蘇り、かつてのように地上に君臨するのです…!」


 演説は佳境になってきたのか、ヨランさんの口調が熱を帯びる。
 それと共に、周囲の人たちからも狂おしいほどの熱気を感じて……少し、怖い。


愛理:「(…様子が、変…カウンセリングなんかじゃないみたい…)」あぁ、『クトゥルフの呼び声』に一般人キャラで参加してる気分(笑)。
アンリ:愛理は何だかんだ言って正気度が高そう(笑)。私のところだと、PCは三平の役でした。絶対死ぬ(笑)。
愛理:個別導入のクトゥルフも面白いかもですね(笑)。
勇司:勇司は最初から狂ってそうだなぁ。
愛理:…まぁ、魔術師だし(ぉ
アンリ:ていうかNPCかも(笑)。
GM:では、愛理が三平に近づいた時です。「ヨランさん!」と、三平が立ち上がりました。

「…何かね、富士原君」
「俺は、俺は、どうなってしまったんですか? …俺は、一体…」

 不安げに壇上を窺う富士原くんの姿は、とても頼もしいとは言えないけれど。
 でも私は、壇上で優しそうに微笑むヨランさんより……以前と変わらない富士原くんの方に安堵を覚えた。

「ああ、富士原君……君にはまだ悩みがあるのだね。
 そうか…富士原君。君は、まだこちらに来る勇気がないのだね?
 では、君にはもっと大きな勇気をあげよう…そんな小さな悩みなど感じぬように…」


 優しげな表情の中、照明を浴びた瞳がやけにぎらついて見える。怖い……怖い、けど。


愛理:「…それは、違うと思います。あなたの言ってるのは…『勇気』なんかじゃない!」思わず立ち上がりました(笑)。
GM/ヨラン:「…誰かね?」
愛理:「わ、私は富士原くんの友達、です…」震える声で。
アンリ:愛理、ヒロインっぽいなぁ(笑)。
GM/ヨラン:「ほう…」にやり、と嗤って。

「…なるほど…君も、富士原君と同じか。
 好きな子に告白する勇気もない。馬鹿にされても拳を上げる勇気すらない。大切な事柄も、怖くて決断できない。
 よろしいよろしい、大いに結構。私はそんな諸兄を待っていた。
 私がここにいるのは、諸君らのその勇気を補ってやるためだ。
 なに、怖がることはない……すぐに済む」


 ヨランさんがゆっくりと上着の前ボタンを開ける……そこには無数の『瘤』が、醜く蠢いていた。
 後退ろうとした私を、ぎらつく瞳が射竦める。…怖い……動けない…。


愛理:「…それは、違います。確かに、私も勇気は欲しいけど…」思いっきり怯えつつも、目は逸らさない。
GM/ヨラン:「…違う?」
愛理:「勇気って、誰かを思いやる気持ちから湧いてくるんだと思います。誰かに与えてもらうものじゃないし、まして悩みや色んなことを忘れるためのものじゃ、ないもの!」と言いつつも、怖くて涙が滲んでたりするわけですが(笑)。
GM/三平:「巫薙…」
愛理:「誰かを護るための力、それが勇気なんだと…私は思います…。あなたのくれる勇気なんて…私、いりません!
GM/ヨラン:「ふふ…はははは! 君は全く面白いな…だが、ここにいる人間が、果たしてその言葉を聞くかな?」
愛理:凄く怖いけど、周囲を見回そう(笑)。
GM:と、その時、三平が愛理の手を掴んで出口に走り出します。「巫薙! 走れっ!」
アンリ:えっ!? 三平が…。
愛理:「ふ、富士原くん?!」釣られて走り出します。
GM/三平:「…そうだよな、こんなのは、違うんだ! 誰かにそう言われなきゃ判らないなんてよ…馬鹿だよなあ」
愛理:「富士原くん…」安堵でまた涙が浮かびます。
勇司:おおう、ヒーローだ。
アンリ:ヒーローだけど、すごい死にそう(ぇ
愛理:うん(ぉ
アンリ:ビルの入り口辺りで「この私から逃れられる、そんな儚い希望を抱いたのかね?」とか言って(笑)。
GM:先読みされたっ!(笑)
アンリ:はいっ?!
GM/ヨラン:「―――この私から逃れられる、そんな儚い希望を抱いたのかね?」(一同爆笑)
アンリ:まんまですかっ(笑)。
愛理:まぁ、お約束で(笑)。
GM:次にお前は「この私から逃れられる、そんな儚い希望を抱いたのかね?」と言う…(笑)。
アンリ:「このわ…ハッ!?」(笑)

 レジェンドのアーツ、《次にお前は●●と言う》を使ったギャグ。あまりに状況とハマリ過ぎてて一同大笑い(笑)。

GM/ヨラン:「逃がすな」ヨランが手を上げると、幽鬼のように周りの人間が立ち上がります。
愛理:「きゃ…!?」
GM/三平:「巫薙!?」
愛理:(間髪入れずに)「富士原くん、逃げてっ!!」
GM:三平はそう言われて、一瞬、躊躇しますが…「馬鹿言うな…俺はもう、弱い自分をここに捨てていくんだ! 見捨ててたまるか!」逃げられないですよねえ、そう言われて(笑)。
愛理:ごめんねー。PLは判ってるんだけど、愛理は心底から言ってるから(笑)。
GM:わかっております(笑)。
愛理:で、そろそろ気絶でもしてもらえると都合いいんですが(笑)。
勇司:「少年、よく言った」どっからともなく現れて。「それが勇気というものだ。というわけで寝とけ」延髄チョップ(笑)。
GM/三平:「…う!」ぱた(笑)。
愛理:わーい(笑)。やるとは思ったけど(ぉ
アンリ:酷っ!(笑)
GM/ビッグウェイン:「…うむ。上出来」
勇司:「というわけで、師匠回収よろしく」
GM/ビッグウェイン:「すぐさま、瘤の処置にかかろう。任せろ」
愛理:「あ、あなた達は、いったい…?」別の意味で怯えます(笑)。
アンリ:こっちも登場ー。「お姉ちゃんも危ないから寝たほうがいいと思うけどー?」黒猫が愛理の目を覗きこんで人語を(笑)。
愛理:「…きゃあっ!?」驚くけど気絶はしない(笑)。
勇司:「1、愉快な奇人変人。2、とっても危ない変人。3、浮浪者と愉快な変人+幼女。さぁ、どれがいい!
アンリ:「幼女って、今は猫だって!!」では、更に目の前で黒猫が幼女に化ける(笑)。
愛理:?!? ……うーん(バタッ)」さすがに倒れよう。でないと、話が進まないし(笑)。
アンリ:素敵っ(笑)。「お待たせ、ヨラン。士郎の仇討ちに来たから、死んでね?」体内からずるりと剣を引き出し。
GM/ヨラン:「…アンリ、か。まさか、ここまで追って来たか」
勇司:その後ろで復讐のBGMをハーモニカで吹いてる。
アンリ:「士郎との最後の約束だから、どこまでも追う!!」BGMをバックに(笑)。
GM/ヨラン:「ふん…士郎か。大して使えんうちに死んだ、あの小僧がそんなに大事かね? 悪に染まりきることも出来ずに死んだ、あんな意気地なしが、か?」
勇司:「あほか。変わらない、『不変』という名の勇気を知らないのか? 流れ行く世界に抗い、その場に留まる事を勇気と言わんのか?」
アンリ:「アンタが悪に染められなかったからって、士郎を馬鹿にすんな!!」と斬りかかろうとする。「アンタの神様より、士郎の方がずっと強かったんだから!!」
GM/ヨラン:「…ふふ…そうか、そうか。面白くなってきたではないか…。私を仇と追う者たちが、こうして一堂に会した。これも我らが神の導きに違いない。お前たちを奉げよ、という」
勇司:「無理なことは言わない方がいい。それに」師匠を指差して「こんな偏屈ジジイ喰っても腹壊すだけだぞ!(きっぱり)」
GM/ビッグウェイン:「…師匠に対する口の聞き方から再教育だ。減点1」
愛理:爺さん素敵っ(笑)。
勇司:「一応独立してるんだから、口の聞き方ぐらいいいでしょう!?」
GM/ビッグウェイン:「余所見をしている暇があれば、目の前の敵を排除する。一番最初に教えたことも忘れているな。減点2」
愛理:素敵だ爺様。惚れそう(爆笑)。
勇司:「あ〜、こう言えばああ言う爺だなぁ、もう。…まぁ、だから尊敬してるんだけど」霊符を取り出して構えつつ。ていうか爺さん強いな、最高(笑)。
アンリ:「これで3対1だけど、構わず行くからね、ヨラン?」
GM/ヨラン:「では、私も…我が神をこの身に降ろすとしよう。―――イゴーロナクよ、我が神よ…我を仮初めの肉体とし、現世に来られよ!
勇司:「わ、卑怯なヤツめ、大人しくボコられろよ!?」

 周囲の人間の『瘤』が身体を離れ、壇上のヨランに集まる。
 それは見る間に融合して不気味に膨れあがり―――白熱化した肌を持つ、首無き異形の巨人と化した。

「――――さあ、見せてくれるぞ……我が力を!!」

GM:というわけで、クライマックスフェイズに入ります。[SA:イゴーロナクの仮初めの体を粉砕する]をどうぞ。
一同:OKです。
GM:なんだか、予定よりも激しく早く終わりそうだ(笑)。PL3人は回りがいい…。
愛理:やっぱり人数が少ないとロールプレイ回りやすいですね(笑)。
アンリ:私もまだ続きがあるのかと、実は思ってたりしてます、時間的に(笑)。
勇司:うん(笑)。
GM:わははは、順調に行きすぎ…って、続き!?(笑)
アンリ:いや、戦闘が2回あるシナリオなのかと思いかけました(笑)。
愛理:まぁ、余裕がある分は戦闘とEDに使うとしましょう(笑)。

▼絆/エゴの変化
愛理:ヨランへのエゴを絆/憐憫に変更。ビッグウェインに絆/尊敬を取得。
勇司:三平に絆/尊敬を取得。
アンリ:ヨランへのエゴを絆/消滅に変更。アイゼンに絆/連帯感を取得。



 

■クライマックスフェイズ■


●シーン10 『神と魔と…そして人』  PC全員登場

○ビル建設現場/深夜

GM:それでは、エンゲージからです。こちらに白兵戦を仕掛けるためには、マイナーで移動が必要です。PCは今の段階で一塊、同エンゲージです。
愛理:シーンは変わったんですよね? 愛理は一時退場扱いでよろしいでしょうか?
GM:あ、そうですね。一時退場でOKですよ。注意が向いているのは勇司&アンリだけでしょうね、敵は。
愛理:了解ー。うふふ
アンリ:…何やる気だろう…?(汗)

 現在のエンゲージ:(イゴーロナク) (勇司・アンリ)   *愛理はシーン外


▼ラウンド1


勇司:「さてと、アンリ。お前は何だ?」手を差し出し。
アンリ:「アタシは……アタシは『剣』だから。…士郎の仇を取りたい」勇司の手を握り。
勇司:「ならば、お前の身を、復讐心を預けろ。それを持ってお前の復讐心を身を使い仇を取ろう。契約だ、『リドム・パッシュ』。お前の力を借り受ける。代価はお前の願いを叶えること!」
アンリ:「うん。士郎を殺したアイツを殺すなら、幾らでも力貸してあげる!!」
勇司:握られた手を引き、アンリの腰を抱き寄せ…その身体から魔剣リドム・パッシュを引き抜く!
アンリ:ってセットアップ…いいのですか?(ここまでやっておいて何を
愛理:ルール上はOKのような。長い演出だったけど(笑)。
勇司:時間があるからね(笑)。
GM:はい、いいですよ。こちらも《絶対先制》行きますが。
勇司:む、かもん。
アンリ:「“朧夜の刃”用の特定形態を構築…」《盟約》を勇司に使用、人間性13→11に。で、剣が勇司の使いやすい形に変わる。終わり(笑)。
GM/ヨラン:「…行くぞ…受けるがいい!」マイナーで《魔震》、メジャー《古代神》で攻撃します。《誘惑者》でCrt値−1、当たれば《神格:破壊》《闇の血筋》《爵位》《属性強化:闇》で楽しいダメージが(笑)。
愛理:うわ、なんか強烈!?
GM:(ころころ)…だ、ダイス目が3……達成値24で。orz
アンリ:でも高っ!?
勇司:回避は〈意志〉かな?
GM:なんだ、このダイス目は…。はい、〈意志〉です。
勇司:(ころころ)24。「あぶねぇ!?」ぎりぎりの見切りで回避。
アンリ:(ころころ)当たり〜(涙)。
愛理:こんな数値、避けられるのって勇司くらいよね(笑)。
勇司:勇司でもきついわ(笑)。
GM:命中は高いです、このボス。他は…(笑)。では(ころころ)38点の〈闇〉です。
アンリ:魔獣化!!(笑) 刀身から冷気が漂い、ピキピキと辺りを凍りつかせていく。「これで、終わり?」ヨランの周囲に冷気が漂い。
GM/ヨラン:「どうだ…アンリ…いや、リドム・パッシュ! 士郎の下へ送ってやるぞ!」
アンリ:「アンタが士郎の名前を呼ぶなっての!!」
勇司:「契約者がそうお望みだ。口を閉じるんだな、下郎」
GM:では、通常のイニシアティブです。こちらは行動値12。
アンリ:《盟約》中なので行動はないです。
勇司:ではこっちから。マイナーで《符術》、《高速詠唱》&《血の封印》、移動!「いくぜ!」大量の符をばら撒き、瞬時に空間を歪め半歩で接近しながら、口早に呪文を唱える。そしてメジャーで斬撃、(ころころ)達成値31。
GM/ヨラン:「我が神イゴーロナクの名において…因果応報奉らん!」その攻撃に対して《因果応報》を発動します。(ころころ)……失敗。orz
愛理:出目が…(笑)。
GM:何かに祟られてる…。
愛理:おまけにそのアーツ、使ったら行動済みよ?(笑)
GM:はい、わかっとります(ほろり)。
勇司:可哀想に(涙)。ではオートで《怒髪天》。(ころころ)まぁ78点の〈氷〉でもくらっとけ(笑)。
GM:それは流石に魔獣化しますな。
勇司:「相変わらずいい切れ味だな、アンリ」玉散るような日本刀を構えなおし。
アンリ:「士郎への想いがこもってるし!!」
GM/ヨラン:「…やってくれたな…!」HA《超魔の命》にAGP10点使用して戻ってきます。
勇司:「やるしかないだろ?」
アンリ:「やるつもりだっての!!」
GM:さて…では、アイゼンの行動ですか。
愛理:了解♪ まずは登場演出から…。


 ――――その時、どこからともなく声が響いた。

「やれやれ、醜いわねぇ……ヨラン、あんたの生き方には『愛』がないわ」
「…誰だ!」
 首なしの醜い巨人が怒声を上げた。

「ふふふっ…天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ…」
 その場にいた全員が、声のする方を見上げる。そこには―――月光を背にして佇む、少女のシルエット。

「この世に悪のある限り……正義の祈りが
を呼ぶッ!」
 不敵に微笑む少女は、片手を天に差し上げ高らかに叫んだ。
ラ・ガラサッ!
 少女から放たれた閃光が、広間全体を眩く照らし出す。

「―――愛の狩人・アイゼンッ! 
祈りに応えて、今参上よ

 肌も露わな衣装を纏い、真紅の弓を携えた女神は……しなを作って派手にキッスを投げた。



アンリ:(一連の演出に暫し呆然となるPL)…うわー…(笑)。連帯感でいいのか自分(ぉ
勇司:素敵だなアイゼン(笑)。「シャッターチャンス!」パシャパシャとデジカメ激写だ(笑)。
アイゼン:ではマイナーで《神性介入》使用、メジャーで攻撃(笑)。
GM:どうぞ(笑)。
アイゼン:(ころころ)クリティカルー!(爆笑)
勇司:すご!?
アンリ:「アイゼン、腕“も”変わってないじゃん!!」
GM:(ころころ)やはり、ダイス目がふるわんのう…(ほろり)。
アイゼン:で、HAとかあります?
GM:いえ、とりあえず素通し。
アイゼン:はい、ではHA《剣魂一擲》! さぁ、みんなの愛をあたしに(笑)。
アンリ:4点あげましょう(笑)。士郎、ヨラン、愛理、アイゼンの絆固定ー。
勇司:3点ほどどうぞ。
アイゼン:ありがと。絆6つ固定して、勇司とアンリに3点ずつお返しするわね♥
アンリ:ありがと(笑)。
アイゼン:「―――あたしの愛で、逝かせてあげる…」合計7AGP使用して、(ざらざらーっ)かなり出目が走ったわね。119点〈魔〉属性!(笑)
GM:いたたたたた!?
アンリ:ごりっと(笑)。

 現在のエンゲージ:(イゴーロナク・勇司・アンリ)   (アイゼン)


▼ラウンド2


GM:セットアップ宣言、こちらは《絶対先制》。接近してきた勇司にメジャー《古代神》で攻撃。(ころころ)28で。
アンリ:あれ、《魔震》は使わないの? …って何、自分から死を招くことを聞いてるんだ(汗)。
GM:あぁ…忘れてました(笑)。
勇司:ふ、《魔法相殺》!
GM:おお!
勇司:(ころころ)28で打ち消し!「ははは、魔術師に魔法をかけるにゃ百年早いぜ、小僧!」右手で練り上げたスペルイーターの術式を解き放つ!
GM:では、HA《死に至る病》を使用。「その術式…破った!」
勇司:アンリ、HA《電光石火》お願いします(ぉ
アンリ:はい(笑)。《電光石火》!
勇司:「寝言は寝て言え」AGPをこちらから1点差し上げます。
GM:HA《ヴォイド》します。
アンリ:あら。通し〜。
勇司:仕方ない、喰らうか。
GM:(ころころ)41点〈闇〉ですね。
勇司:ふ、1点残った。
GM:流石に固い…。
勇司:いや、素通しだよ? 単に…(くわっと目を開く)FPが42点あるだけだ!
GM:ああ、固いんじゃなくてタフいんですね(笑)。
アンリ:タフい(笑)。
勇司:「いちちち、セシルに毎回砕かれてる俺の丈夫さを舐めるな!」
アイゼン:ギリギリ皮一枚残ったわね(笑)。
勇司:いや、最悪《高速再生》あるし。
アイゼン:《高速再生》はダメージ受けた後じゃないと使えないから、魔獣化したら意味ないでしょ(笑)。
勇司:おおう、そうだ。《シールド》だった(ぉ
GM:では、そちらですね。
勇司:んでは(ころころ)達成値37で攻撃〜。これ、ダメージじゃないよ?(笑)
GM:それは喰らえないなあ…とりあえず判定。(ころころ)失敗なのでHA《勝利への賛歌》を使用、クリティカルにして回避。
勇司:「ちっ、悪足掻きしやがって」
アンリ:通し〜、というかHAがもう無いも同じ(笑)。「アイゼンに殺してもらおっと」
勇司:さぁアイゼン、Go!
アイゼン:あ、そっか。行動値が上がったの忘れてた(笑)。マイナーで《魔撃》宣言、メジャーで攻撃。(ころころ)6ゾロ! またもクリティカル!!(爆笑)
アンリ:目が走ってる(笑)。
GM:ぬう…では、まず《因果応報》で判定。(ころころ)届かないか、もう一発HA《勝利への賛歌》を発動して、クリティカル。
アイゼン:うふ。《電光石火》! ヨランの絆を消去するわ。
GM:ぐ…消せませぬ…!
アイゼン:「あたしの愛は、熱いわよ
」(ころころ)31点〈光〉ダメージ!
GM:ま、まだ生きてるが…勇司の射程圏内に入ってしまった感が。

 *過去のリプレイを読んでた人はお判りでしょうが、アイゼンはHA《電光石火》の運用タイミングを間違えてます。しかし当時は(以下略)

 現在のエンゲージ:(イゴーロナク・勇司・アンリ)   (アイゼン)


▼ラウンド3


GM:セットアップ、こちらは《絶対先制》。今度は《魔震》有りの《古代神》をエンゲージしている二人に。
アンリ:シヌシヌ!?
勇司:あ〜待って。前のクリンナップで《怒髪天》のダメージ(ころころ)、次に《再生能力》とオートで《高速再生》して(ころころ)合計でFP15点回復。かもん!
GM:(ころころ)クリティカルです。
勇司:《念動防御》! (ころころ)げ…しくった。
アンリ:回避〜!!(ころころ)…ムリ(汗)。
GM:HA、何か来ますか?
アンリ:私は特に無しです…。残ってるのは…《万物の王》(涙)。
アイゼン:あたしからはHA《アドベント》しかできないけど、勇司は何かする?
勇司:(計算しつつ)こっちはダメージ出してから《シールド》と……あ。HA《歩く影法師》があった。エゴ固定して《電光石火》をコピーする。
GM:うい。了解しました。
アイゼン:あたしから愛3点飛ばしてるのをお忘れなく(笑)。
アンリ:あ、《電光石火》は私に使ってくれると嬉しいかも。《略奪》が打てるし(笑)。
勇司:おう、ではおいらがそれで《略奪》と。盟約中は俺がアンリのアーツを使えるぜ!
アンリ:おお(笑)。じゃあ、任せました(笑)。
アイゼン:お得ね(笑)。
勇司:で、殴っていいんだよね?
GM:…どうぞ。何だかサクッと死にそうな予感がしてきました。
勇司:(ころころ)命中は34。
GM:(ころころ)…神は降りて来ませんでしたようで。ダメージどうぞ。
勇司:オートで《魔眼》重ねる。「脆いのはそこか!」(ころころ)88点の〈氷〉!
GM:それは…死んだ!
アンリ:刀身が身体に吸いこまれ、白熱化した肌を凍らせていく!
GM/ヨラン:「…なんと…この私の体が…崩れ去る!?」
アイゼン:「愛を持たない神なんて、脆いものね…」
勇司:「アンリ、契約どおり仇は取ったぜ。凍りつかせろ…俺の魔力を根こそぎ貸してやる」
アンリ:「ありがと、勇司。…じゃあ、殺してあげるから!!
GM/ヨラン:「く…イゴーロナクを…再誕させるはずが…こんなことがっ!」
アイゼン:あたしからも。ヨランへの絆を消去したAGPでトドメの矢を放つわ。
勇司:放たれた矢が撃ち込まれると同時に言う。「ははは、なんでこんな事になったか教えてやろうか? それは、お前に『勇気』がなかったからだよ」
アイゼン:「勇気は無限の愛から生まれるものよ。それを知らないあなたは、最初から負ける運命にあったってこと…」
アンリ:「また復活できるかもなんて、期待しないでね?」矢が撃ち込まれると同時に全身を凍りつかせ、砕く!!
GM/ヨラン:「ぐぁああああ…っ!」矢で貫かれ、氷の刃で斬られ、その存在が消えていきます。


アイゼン:ところで……ビッグウェイン先生は見てただけ?(笑)
GM/ビッグウェイン:「…終わった、か…」周囲の人間の処置に追われてました(笑)。
アイゼン:なるほどね。それも大事な役目だわ(笑)。
アンリ:「…士郎」ぽつりと呟き。HA《歪曲する真実》で『イゴーロナクの伝承は嘘だった』ことにして、自然消滅させ…られたらいいなぁ(笑)。それとも被害者に使った方がいいかな?
GM:うむ、いいですよ。だから『クトゥルフの呼び声』の新版にはイゴーロナクは載っていない、と(笑)。
アイゼン:被害者たちの記憶をどうにかしないと、まずいでしょ(笑)。
アンリ:嘘だから被害者も信じなくなる…とかは無し?(笑)
GM:そういう解釈でも構いませんよ。説明できるなら、一応ある程度は認めます。
アイゼン:HA《万物の王》で記憶除去装置を取得するという手もあるけど?(笑)
アンリ:あ。じゃあ、それで。ビッグウェイン先生が出したことに(笑)。
GM:いいでしょう(笑)。では、ここにいた人間たちも、何事もなかったように日常へ帰っていくことになります。
アンリ:記憶除去装置って強いなぁ…。
アイゼン:「さてと、あたしはこの子を家まで送りましょうか」三平の肩を担ぐ。「じゃあね、3人とも。…あなた達の闘い、なかなか美しかったわよ?」微笑む。
アンリ:「ありがと、アイゼン。…誉めてるんだよね?」(笑)
アイゼン:「もちろん。何より、『愛』があったしね
」と言って、窓から退場(笑)。
勇司:「さてと、師匠。一応…書類書くんで調書取らせてくださいよ」
アンリ:「アタシは士郎の街にいくねー。またね、勇司。今日はありがと」首に抱きついてから、振り払われて退場(ぉ
GM/ビッグウェイン:「さて…わしは行くぞ。面倒は任せる。それで減点は差し引きゼロだな」
勇司:「…はいはい、わかりましたよ」苦笑を浮かべて。
アイゼン:ちなみに、倒れてた地味な少女の姿はいつの間にか消えてる……けど、誰も気づいてないかも(笑)。


 

■エンディングフェイズ■


●シーン11 『繋がる想い』  三村アンリED


 ―――ここは、かつて士郎と過ごした街。訪れたのは、あれ以来。
 街を歩いていても、ふと彼の面影を探している自分に気付く。
 もちろん、いるわけがない。士郎は…………墓石の下で眠ってる。
「…終わったから、士郎。もう、アイツ殺したから…」
 呟きながらベンチに腰掛け、過去に想いを馳せる。
 ここは、懐かしい街。だけど好きだった人は……もういない。


GM/老人:「アンリ…アンリかい?」老人が近づいて来ますね。
アンリ:「おじいちゃん、だれー?」少し端に寄り。
GM:老人は、よく見てみると…士郎の父親ですね。「変わらんなあ…。今までどうしていたんだね」
アンリ:「え? 士郎の仇討ってきた!!」笑顔で。「これで士郎も安心して眠れるよね?」
GM/士郎父:「そうか。…そうだな。思えば全て、あの男が来てから始まったのだな…」
アンリ:「うん。でも、もうアイツいないから、全部終わり。これからどうしよっかな?」脚をぶらぶらさせて。
GM/士郎父:「アンリ……こいつを、持っていてくれんか」取り出したのは、鎖を通して首から下げた指輪です。
アンリ:「指輪? 誰の? あ、士郎のでしょ!! …って結婚してたっけ?」
GM/士郎父:「あの馬鹿の…士郎の持ち物だ。死んだ母親の形見でな……お前さんが来たら、ずっと渡そうと思っていたんだ」
アンリ:「そっか。…人から何かもらったのって初めてかも」首にかけて、きらきらした瞳で見つめる。
GM/士郎父:「お前さんが、それを持って士郎のことを忘れない限り…わしらの中でも、あの馬鹿息子が死なないで生きてくれているような気がするんだ…」父親は、掌で両目を覆うと肩を震わせます。「…これで…何もかも、終わったんじゃろうなあ…」
アンリ:「う…」(ごしごしと目元をこすり)「じゃあアタシ、いつまでも士郎のこと忘れないから、お父さんも元気だしてよ!!」と満面の笑みで笑って。
GM/士郎父:「…すまんな、アンリ。……ありがとう」
アンリ:「それに士郎の想いは、きっと誰かに繋がってるから!!」



●シーン12 『相変わらずの…』  篠崎勇司ED

○空港


GM/ビッグウェイン:「なんだかんだと、今回は世話になった。礼だけは言っておこう」
勇司:「一応、腐っても弟子だからね。恩義は果たすよ師匠」
GM/ビッグウェイン:「わしは、これからまた別な仕事に行かねばならん。酒ぐらいは飲んで帰りたいところだったが、そうも行かんのでな…許せ」
勇司:「まぁ、乾杯は次ということで。今度は美味い酒でも準備して待ってますよ」
GM/ビッグウェイン:「楽しみにしておこう。…そろそろ時間か。では、な」立ち上がって、背を向けます。
勇司:「ええ、またです」そして同じく背を向けて逆方向に歩いていく。
GM:去りかけていたビッグウェインが、ふと足を止めます。「―――勇司」
勇司:「何ですか、師匠?」
GM/ビッグウェイン:「大学の教授も、煩わしくなってきてな。いい加減、そっちの方は隠居したいところだ」
勇司:「お勧めの家も準備しておきますよ」
GM/ビッグウェイン:「…アーカムに来て、教鞭を執るつもりはないか?」
勇司:「……考えておきますよ。まだ俺にもシガラミがあるんでね」

 やはりな、と言うように老人が肩をすくめる。
「言うと思った。期待しないで待っていよう」
「そうしておいてください」

「では、な」
 老人は再び歩き出す。
「ええ、またです」
 軽い調子でひらひらと手を振りながら立ち去る弟子。互いに振り向くことのない会話。

「篠崎殿、それでは」
 半身の雄鶏が、片足で器用に主人の後を追う。
「…お前はこっちだ」
 老人が無造作に使い魔を掴み、バッグに押し込む。相変わらずの主従に、かつての弟子は小さく笑った。




●シーン13 『少しだけの変化』  巫薙愛理ED


GM:と…学校からにします? それとも、連れて帰った直後?
愛理:後日、学校での方がいいかと。

○学校

GM:では、学校です。あれから、少しの時間が経ちました。
愛理:普通に学校に通ってます。あの夜のことは、半分幻覚か夢と思ってる(笑)。
GM:事件のことなど、すっかり皆が忘れてしまっていますが…富士原三平は、今度こそ、本当に変わりました。
愛理:成長したんですね。ちゃんと、自分の意志で。
GM:そうですね。でも、何が原因だったのかは本人も忘れています。
愛理:「(何だか、よく解らないけど…でも、良かった)」平和な教室を眺めながら。
GM:そんな時です。三平が愛理に話しかけてきます。「……なあ、巫薙」
愛理:「うん、どうしたの富士原くん?」
GM/三平:「…俺、変なことを言うぞ。笑わないで、最後まで聞いてくれよ」
愛理:「笑わないけど……何かな?」小首を傾げて見上げる(笑)。
GM/三平:「あのさ、俺…お前に何だか礼を言わなきゃいけない気がするんだ。俺も、どうしてかは判らないけど……俺、重要なところで、お前に助けてもらった気がする。そのお陰で、今の自分がいるような気がするんだ。でも、何でそう思うのかが判らない」
愛理:「うん、私もよく解らない。でも良かった、富士原くんが元気になってくれて」柔らかく微笑む。
GM/三平:「…とにかく、だから…」照れたようにそっぽを向いた後で、意を決して。「…ありがとう」
愛理:「何かあったら相談してね。私たち…友達だから」にっこりと笑顔で。
GM/三平:「お…おう! とにかく、ありがとう!」と言って、自分の席に走って戻っていきます。

 駆け戻る富士原くんの背中を見ながら、ぼんやりと思う。
「(本当に……良かった、元気になって)」

 結局、何が何だか判らないけど。
 それでも彼が良い方向に変われたのなら、理由なんて…どうでもいいかな。

「(私も、頑張らなくちゃ…)」
 以前より明るく積極的になった富士原くんを少しだけ羨ましく思いつつ、私は授業のノートを開いた。




THE END


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