第26話

●今回予告●

山間にある古い村。地主の家で、それは起こった。

屋根の上を走り、不気味な声で鳴く怪物。
その怪物が現れてから、当主の老人が病に倒れた。
当主の病を怪物の仕業と見た家人は、霊能者たちを雇って退治を試み。
……悉く、返り討ちにされた。

夜な夜な現れる怪物の正体は、一体何者か。
怪物は、今夜も災禍の雄叫びをあげる…。

Beast Bind New Testament
『鵺』

汝、復讐を是とするか。



オープニング ミドル クライマックス エンディング

■プレセッション■


GM(R−3):登場判定は特に指定のない場合、自由に登場してもらって構いません。絆、エゴの取得、書き換えも宣言していただければ自由に行っていただいて構いません。判定も不要です。
一同:了解です。
GM:では自己紹介を、ハンドアウト順にお願いします。絆の取得もこの順です。
法眼:では、俺から。


●PC1(定員1名) 推奨:退魔系、もしくはそれに準ずる職業についているキャラ

 君の同業者、飯塚剛が助けを求めてきた。何度か一緒に仕事をしてきた仲だが、なにやら厄介な仕事らしい。
 聞いてみると、ある村の地主が怪物に憑かれ、病に臥しているという。
 飯塚は雇われはしたものの、それ以前に来た三人の霊能者は全てその怪物に敗れたのだという。
 飯塚の話に興味を引かれた君は、その村に向かうことにした。

 シナリオ絆:飯塚 剛いいづか ごう (関係:連帯感など好意的なもの)


鬼来 法眼 きらい ほうげん鬼法師  プレイヤー:麻那
 【イレギュラー/ビースト】 年齢:33歳/性別:男/カヴァー:法力僧
「この身に流るるは鬼の血…されど宿るは人の魂。仏の力を借りて魔性を討つ、人呼んで―――鬼法師」
 先祖返りで『鬼』の血脈に目醒めた流浪の法力僧。飄々としているように見えて、芯は熱い性格。
 身長2mを超す巨漢でボサボサ髪に無精髭、顔も身体も傷だらけ。僧衣と下駄履きが基本スタイル。
 鬼の血がもたらす忌まわしい食人衝動を堪えながら、人に仇なす魔物を調伏している。
 実のところ『法力僧』としては二流以下だが、鬼の能力と実戦で鍛えた戦闘技術により『退魔師』としては一流。
 昔、恋人を喰い殺しかけたトラウマから、自分と自分に流れる『鬼の血脈』を忌むべきものとして憎んでいる。
 所持HA:《歩く影法師》、《歩く影法師》、《獣の生命》


●PC2(定員1名) 
推奨:修行等を行う必然性のあるキャラ

 君が山篭りをしていた時のことだ。
 ちょっとした不注意から怪我をした君は、謎の老人に介抱された。
 老人の名は、山岡鉄斎。彼は君の怪我が治るまで、小屋で好きに休んでいるように言う。
 立ち居振る舞いから、この老人が只者ではないのが判る。
 君は、一人で山に住むこの老人に興味が湧いてきた。

 シナリオエゴ:山岡 鉄斎やまおか てっさい (関係:適当なのを何でも)


荒木 明仁 あらき あきひと荒雷鬼アラキ  プレイヤー:れおそ
 【フルメタル/レジェンド】 年齢:17歳/性別:男/カヴァー:高校生
「俺の名は『荒雷鬼』―――絶望の闇を切り裂くいかづちだ!」
 魔物から人間を守るための組織に属する、正義の『鬼』(某特撮ヒーロー風)。
 ごく普通の家庭に生まれるも、魔物に両親と姉を殺され天涯孤独に。
 その事件で命を救ってくれた『鬼』に弟子入りし、自分も『鬼』となった。武器はギター型の剣『音撃弦・吼雷』。
 師匠も謎の魔物に殺されるなど重い過去を背負っているが、基本的には陽気で軽めのナイスガイ。
 最近はもっぱら『鬼』としての役目が忙しく、学校にろくすっぽ行けないのが悩みの種。
 所持HA:《ブーストアップ》、《フルファイア》、《スーパーアクション》


●PC3(定員1名) 推奨:特になし

 この村は、君が昔、過ごした集落の近くにある。しかし、そこは今ではダムの底だ。
 この辺りに強い力を持つ地主の大咲是清が、かなり強引な手を使って土地から人々を追い出し、地元の建設会社と共に建てたのが、このダムだった。
 あの時に、行方不明になった友人がいる。
 頑として反対し続けた彼は、ダム建設問題の渦中で家族と共に姿を消し……結局、反対派は結束を失って負けた。
 君は、友人である山岡仙太郎が消えたのは、大咲是清の仕業だと思っている。
 友人も、その家族も、もはやこの世にはいないだろう。だが、このまま済ませていいはずがない。
 真実を暴いて、友人の霊に報いねばならないのだ。

 シナリオエゴ:大咲 是清おおさき これきよ (関係:憎悪、仇敵など)

ユーリィ銀狼  プレイヤー:nik
 【ビースト/ビースト】 年齢:17歳/性別:女/カヴァー:高校生兼ハンター
「……魔物は嫌い。―――だけど、独りになるのはもっと嫌い…」
 古き人狼の一族『エレイシア家』の末裔。本名はリューリエ・システィール・エレイシア。
 人間との混血だったために一族内で迫害され、故郷を離れて生きてきた。
 しかし別の魔物が故郷を襲い、一族は滅亡。皮肉にも、彼女が最後の生き残りとなった。
 普段は銀髪に紫の目をした美少女。戦う時は狼の耳と尻尾が生え、鋭い爪で敵を切り裂く。
 迫害の経験から、他者を信じることを怖れている。根は優しいが、それを素直に表現できない損な性格。
 所持HA:《獣の生命》、《獣の盾》、《神獣撃》



法眼:荒木への絆は信頼で。
アラキ:ユーリィへの絆は忘却で。昔会ったことがあるかもしれない、くらいです。
ユーリィ:ホウゲンさんへの絆は信頼で。色々お世話になっていたという辺りで。よろしくお願いします〜。
アラキ:よろしく〜。
法眼:うぃ。俺はセッション中はPL発言もキャラ口調になるので、その辺よろしくお願いします。
ユーリィ:了解です〜。
法眼:法眼はまず丁寧語なんて使わないので、荒っぽい口調になるかと思いますが(笑)。
GM:はい、ありがとうございます。それでは始めましょう。


 

■オープニングフェイズ■


●シーン1 『闇狩り鬼』  シーンプレイヤー:鬼来法眼

○法眼の塒


GM:あなたの元に、電話がかかってきます。着信名は飯塚剛という男で、何度か一緒に仕事をしたことのある拝み屋です。「もしもし? 法眼さんですか?」
法眼:「…飯塚じゃないか。どうした?」
GM/飯塚:「ああ、お元気そうで何よりです。ところで…法眼さんは今、何か携わっている仕事はありますか?」
法眼:「いや、今のところは暇だが……また何か厄介ごとか?」
GM/飯塚:「ええ、まあそんなところです。今、私はとある山間の村に来ていまして。そこの地主からの依頼なんですが…なんとも、私の手に負えるかどうか判りませんので、法眼さんのお力をお借りできれば…と思いまして」
法眼:「ほぉ。電話口で良ければ、詳しい話を聞こうか」
GM/飯塚:「ええ、簡単にお話しますと…その地主の屋敷に、毎夜化け物が出るそうで。その影響か、家の当主が病に臥せっているそうなんです。私の前にも三人の霊能者が呼ばれて、その化け物を祓おうとしたようですが…いずれも返り討ちにあったそうなんですよ」
法眼:「ふぅん? …時に、その返り討ちにあった連中の名前は、判るか?」あ、本当に名前を言う必要はありませんので(笑)。
GM:飯塚がその三人の名を上げます。いずれも『本物』ですね。
法眼:いや、人格的にどんな連中か…信用できる依頼か否か、裏を取りたいだけです(笑)。報酬目当てに汚れ仕事も受ける連中ばかりだったりしたら、焦臭い依頼って疑いが強くなるので。
GM:ああ、そういうのも一人か二人いますね。腕だけで考えれば、確かな連中です。
法眼:「…なるほどな。詳しい話は、そっちに行ってから聞くとしよう」
GM/飯塚:「お願いします。どうも、荒事になりそうなんで…私では、ちょっと自信がないいもので。待っています」
法眼:「あぁ、判った。無理はするなよ」電話を切って、出かけようか。
GM:と、そんな会話をして、[SA:事件の真相について調べる]と、絆:飯塚剛を。
法眼:もらっとく。飯塚への絆は連帯感で。
ユーリィ:腕は確か……ところで、三人の中に私の名前はっ?(笑)
法眼:ないと思うよー(笑)。
ユーリィ:いつの日か有名に…(笑)。
法眼:ていうか、ハンドアウトから考えて、この依頼人…キミの友人の仇だぞ(一同笑)。
ユーリィ:でしょうね(笑)。

▼絆/エゴの変化
法眼:飯塚に絆/連帯感を取得。



●シーン2 『鬼の霍乱』  シーンプレイヤー:荒木明仁

ユーリィ:ここは特訓のOPだっ。
法眼:(ナレーション風に)鬼の変身能力を保つため、荒木は日夜厳しい訓練を積んでいるのだ…(笑)。
アラキ:坂の上から落ちてくる岩を跳ね返したり(笑)。
ユーリィ:ヒーローも大変ですねぇ…(笑)。

○見知らぬ屋敷

GM:さて、あなたは古い木造家屋の中で、布団に寝かされているところです。
アラキ:「う、ここは……?」
GM:特訓中、滝壺に落ちるというちょっとした事故を味わって、気を失ったのは覚えていますね。
法眼:滝壺で溺れかかって、ようやく浮上したところに…トドメとばかりに流木が墜ちてきたんだ、きっと(一同爆笑)。
GM:不幸な(笑)。それはともかく、傍にいた老人が声をかけます。「…起きたか、若いの」
アラキ:「あなたが……助けてくれたんですか?」身を起こしながら。
GM/老人:「うむ…まあな。お前さん、鬼か?」
アラキ:「え? ……ええ、まあ……」
GM/老人:「珍しいものよ。昔はこの辺りの山で修行する鬼も多かったが、ここ最近はなかなかこんな所に来る者などおらなんだからな」
アラキ:「この頃、魔物の事件も多いですからね……」
GM/老人:「…魔物の事件、か…」眉間に皺を寄せて、苦虫を噛み潰すような顔をする。
アラキ:「…あの、あなたは一体……?」
GM/老人:「わしは、山岡鉄斎っちゅうもんだ。ここで暮らしておる、ただの隠居じじいよ」
ユーリィ:名前からして、渋そうだ(笑)。
アラキ:剣豪のようだ(笑)。「ただのじじいが、なぜ鬼のことを知っているんですか?」悪戯っぽく聞いてみる。
GM/鉄斎:「…昔、ちょっとばかり鬼に関わっていたことがあるから、な」
アラキ:「そりゃまた……」一体何者だ、じじい?(笑)
法眼:確かに只者ではないな、この爺さん(笑)。
GM/鉄斎:「まあ、何でも良かろう。怪我が治るまで、ゆっくり休むがいい」
アラキ:「ありがとうございます。んじゃ遠慮なく」
GM:さて、ここで[SA:老人の正体を知る]と、シナリオエゴ:山岡鉄斎を。
ユーリィ:正体、確かに気になる(笑)。
アラキ:敵として関わったという線も捨てきれない(笑)。
法眼:『正体』はハンドアウトで判ってるんだが…問題はシナリオとの関わりだなぁ(笑)。

▼絆/エゴの変化
アラキ:
鉄斎にエゴ/好奇心を取得。



●シーン3 『復讐の銀狼』  シーンプレイヤー:ユーリィ

○とある山村

GM:今、あなたは以前に住んでいた集落の、近くにある村に来ています。
ユーリィ:おお、では身軽な服装で。山奥ですか?
GM:はい。もっとも、その集落は今ではダムの底ですが。あなたはその集落に住んでいた頃、歳の離れた友人がいました。名は、山岡仙太郎。
ユーリィ:ふむふむ。年上かな。
GM:彼は、大地主である大咲家当主『大咲是清』が地元の建設会社と進めていたダム建設工事に反対していましたが、その運動の最中に家族もろとも姿を消します。反対運動のリーダーであった仙太郎が消えたことで、反対派は急速に力を失い……結局、大咲是清の望んだ通り、この山間にダムは建設されてしまいました。
ユーリィ:なるほどっ。「(あれからもう、何年経つのかな…)」とか考えながら村跡の近くに。
GM:さて、あなたは仙太郎とその家族の行方不明事件に、大咲是清が深く関わっていると確信しています。それが、あなたが追い詰めるべき相手の名です。
ユーリィ:確かに怪しい(笑)。「大咲是清…。必ず、無念は晴らす…」村を見ながら、ぎゅっと手を握って。
GM:はい。そこで[SA:事件の真相を暴く]と、シナリオエゴ:大咲是清を。
ユーリィ:了解です〜。エゴは…報復かな。
法眼:…具体的に、どうやって「無念を晴らす」のだろう?(笑)
ユーリィ:秘密っ(笑)。
アラキ:魔物騒動で脅かして、雇った霊能者を返り討ち(笑)。
法眼:お前が黒幕かー!?(一同爆笑)
GM:おお、それでも繋がる(笑)。
ユーリィ:繋がるのですかっ(笑)。
アラキ:それは……アラキが繋がらない気が(笑)。
法眼:うむ、それじゃ荒木の出番がないから(笑)。

▼絆/エゴの変化
ユーリィ:
是清にエゴ/報復を取得。


 

■ミドルフェイズ■


●シーン4 『薄暮の館』  シーンプレイヤー:鬼来法眼  登場難易度:自由

○大咲家/夕刻


GM:大地主こと大咲家の前で、飯塚が待っています。
法眼:「よぉ。遅くなったか?」片手を挙げて、挨拶。
GM/飯塚:「いえいえ。わざわざご足労いただき、申し訳ありません」
法眼:「構わんさ。ところで、他の連中は? 依頼人や、他の『霊能者』はいるのか?」というか、返り討ちにあった連中は死んだんだろうか?
GM/飯塚:「まずは、当主の是清氏に会っていただきましょう。他の連中ですが…返り討ちにあった連中は、病院送りですね」
法眼:「なるほど、殺されてはいないわけか…そいつは幸いだ」
GM/飯塚:「素行はどうあれ、実力のある人間がそろっていましたからね。命を取り留めたのも、そのお陰でしょう」
法眼:「(あるいは。もともと殺す気がなかった…のかも、な)」では、飯塚についてって当主に会うとしよう。
GM:そうして、当主のいる部屋に通されます。
ユーリィ:当主がどういう人間なのか、舞台裏からじっくりと吟味を。…いい人だったら、どうしよう(笑)。
法眼:絶対にろくな奴じゃないと思うけどな(笑)。
GM:病床にある当主の大咲是清は、すっかり弱った骨と皮のような体ですが、目にはぎらぎらとした精気がこもっています。「…来たか。新しい拝み屋、だな」
法眼:どっかりと畳に腰を下ろして、挨拶をしよう。「俺は鬼来法眼という。見ての通りの法力僧だ。よろしく頼む」
GM/是清:「…素性など、どうでもいい。とにかく、あの忌々しい化け物を退治してくれれば、それでいい…」
法眼:「ふぅん。時に当主殿、誰か…或いは『何か』に恨まれるような覚えはあるのかい?」
GM/是清:「…知らん。…いや、わからん。恨みなど、買いすぎるほどに買っておるからな」
法眼:「…心当たりは、売るほどあるってか。そりゃ、難儀なことで」
ユーリィ:弱っているのか…よし、初期キャラでも不意をつけばっ(笑)。
アラキ:不意をつかなくても殺れると思うが(笑)。今のところ、ただの人間っぽい。
ユーリィ:確かに。
法眼:そのためには、まず当主が黒だという動かぬ証拠を掴んでもらわないと。俺がガード役に回るから(笑)。
GM:と、ここで一度、〈知覚〉で振ってもらえますか?
法眼:(ころころ)12。今ひとつだなー。
GM:では、この屋敷に入って感じるのは、この屋敷が強力な結界で守られていること。そのお陰で、是清はまだ死なずにいることが判ります。そして、この結界に何か禍々しいものも感じます。
法眼:「(……以前に雇った霊能者の仕業か? しかし…)」結界って、そこらの霊能者に可能なレベルなのか? それとも、もっと古いもの?
GM:そこらの霊能者には、無理です。かなりの実力者が作ったと思えますね。「…今は、下がれ。今夜もおそらく、化け物は現れよう。それまで、待機していろ」
法眼:「ふむ。まぁ、仕事はちゃんとするさ。また後でな、当主殿」立ち上がって部屋を出よう。「(…もっとも、俺はまだ『雇われた』つもりはないんだが、ね…)」部屋を出て、内心舌を出す(笑)。
GM/飯塚:「…どう思いますか、法眼さん? 焦臭いものを感じてしまうんですがね」
法眼:「そうさなぁ。…取りあえず、屋敷周辺を色々と調べさせてもらうか。気になることも、少しあるしな」
GM:はい。では、その前に〈情報:噂話/裏社会〉で振っていただけますか? 飯塚の予備調査の報告ということで。
法眼:情報屋込みで(ころころ)おぉ、かなりいい線行くかも。達成値16。

・大咲家について
達成値5:山間のひなびた村にある旧家で、そこを治めていると言っても過言ではない権力を持つ地主の家。
達成値8:当主の大咲是清と息子の忠清が主な家人であり、退魔師を集めているのは息子の忠清。
達成値10:本来、大咲家には繋がりの深い退魔師がいるのだが、今は出払っていて連絡が取れないのだという。


GM:と、いうところです。
法眼:その退魔師の名前や評判は、判らないか?
GM:では、〈情報:魔物〉で。
法眼:(ころころ)13だな。

・大咲家のお抱え方士
達成値5:方士 獣兵衛。20代ほどの若さに見えるが、年齢は不詳。腕は確かな方士(=術士)。
達成値8:地鎮など、建築関連の儀式・術をよく行うことで知られている。
達成値10:建築関連の儀式で『生贄』や『人柱』等の呪法を用い、その手の後ろ暗い術に関しては無類の腕前を発揮する。そのため、『贄士』の名で呼ばれることもある。


GM:と、いう感じです。
法眼:屋敷の結界も、そいつの仕業…みたいだな。
アラキ:人柱が気になる。
GM/飯塚:「どうも、我々はその男の代打に選ばれたようですね」
法眼:「…正直、あんまり会いたくもねぇ相手だな。今いないってのは幸いと言っていいもんかどうか…」
GM:さて、そんなところで一度引きますが…よろしいですか?
法眼:OKだ。



●シーン5 『嘆きの鵺』  シーンプレイヤー:荒木明仁  登場難易度:自由

○山岡の屋敷/深夜


GM:時間的に前後しますが、これは法眼が大咲家に到着する前の晩の話です。深夜、鉄斎が小屋を出て行く音に、荒木は目を覚まします。
アラキ:「(どこへ行くんだ? こんな夜中に)」そっと起きて、後をつけてみます。
GM:鉄斎が小屋の裏手に歩いていくと、そこには一匹の獣がいます。顔は猿、体は犬か猫のような四足獣、尾は蛇です。
アラキ:「(あれは……鵺!?)」隠れながら。
法眼:鉄斎自身が鵺かと予想してたが…違うのか。
GM/鉄斎:「やはり、あの結界は越えられんか。…お前のせいでは、ないわ。やり方を考えねばならんな…。せめて、是清の体の一部…爪でも毛でも手に入れば…」その獣は傷ついており、鉄斎の方に申し訳無さそうに項垂れています。
ユーリィ:むぅ、色々な思惑が。
法眼:動機と事件への関わりに関しては予想通りだが…どうしたものか。
GM/鉄斎:「…仙太郎。お前の無念…また、晴らしてやれなんだわ…」
ユーリィ:お爺さん、仙太郎サイドかっ。
アラキ:「じいさん、あんた一体……?」姿を現して尋ねます。
GM/鉄斎:「…お前か…見ておったのか」
アラキ:「ああ……あんたには恩がある。けど、話によっちゃ見逃すワケには行かないぜ、『鬼』としてな」鉄斎の目をじっと見つめる。
法眼:(いきなり鉄斎の口調で)「そうか…見たからには生かしておけぬ」(一同爆笑)
アラキ:それはそれで!(笑)
GM/鉄斎:「…鬼か。そうだな。わしは、裁かれるべきことをしておる。だが、これも…こうしなければ、裁けぬ奴がおるからだ」
アラキ:「裁き? 復讐じゃなくてか?」
GM/鉄斎:「わしは、後戻りなどできん。する気もない。自分の息子も救えなんだ放蕩者の、せめてものケジメ……暫し、時間をくれぬか。全てが済めば、わしは世の法を犯した者として、お前に倒されよう」
アラキ:「話を聞かせてくれないか、一体何があったのか……」
GM/鉄斎:「…わしの息子は、お前と同じ『鬼』であった。わしにはない、己が『正しいと思えるもの』のために生きられる男であったよ…。その息子は、今はダムの底に沈んでいる村に住んでおった。妻と、生まれてくるはずの我が子と、な。息子は、ダムを作ることに反対だった。村人もだ。ダム建設を推進する大咲家の雇った術士が打った呪詛も、鬼である息子が全て打ち砕いていた」
アラキ:「鬼……だって?」
GM/鉄斎:「うむ。しかし…妻を人質に取られて、あえなく最期を遂げた。…あとは、全て大咲の思うがままよ」鵺を指差して「当時、旅に出ていたわしに、その事実を教えてくれたのがこいつ…息子の家に飼われていた犬よ。今は、随分と違った姿になっておるが」
法眼:飼い犬だったのか(笑)。
アラキ:「いや、変わりすぎだろ!」思わず突っ込み(笑)。「なんで、飼い犬が鵺になるんだよ」
ユーリィ:突っ込んだー!(笑)
法眼:鍛えて鵺になったんだな、うん(笑)。「わぅん!(訳:鍛えてますから。シュッ!)」とか(笑)。
アラキ:まあ、人が鍛えて鬼になれるなら、犬が鍛えて鵺になるのも有り得ないとは言い切れない(笑)。
GM/鉄斎:「蟲毒…そういう呪法でな。いくつかの獣と共食いさせて、こういう姿になった。主人の仇を討つために、な」
アラキ:「…あんたが、やったのか?」感情を押し殺したような声で。
GM/鉄斎:「…そうだ。そして、こいつも、それを望んだ」
アラキ:「やっぱりダメだ、じいさん。俺はアンタが闇に堕ちる所は見たくないし、この手で討ちたくもない。…俺に、時間をくれないか」
GM/鉄斎:「…と、言うと?」
アラキ:「同じ鬼がやられている。俺が『鬼』の……いや、俺のやり方で決着をつける。だから、アンタはこれ以上、息子を悲しませるようなことはしないでくれ」
GM/鉄斎:「……」
アラキ:「鬼ならば、親が闇に堕ちることは、絶対に望まない!」
GM/鉄斎:「…ここでお前と…鬼と出遭ったのも、仙太郎が引き合わせた縁かも知れん……わかった」
アラキ:「(ホッ……)」内心ため息をつき、緊張を緩めます。
法眼:しかしアラキ、格好いい台詞が堂に入ってるなぁ。さすがヒーローだ(笑)。
アラキ:うむ、首の横のスイッチを押せばぺらりぺらりと(一同笑)。
GM:と、まあそんなところですが…何かやっておくことがあれば、今のうちにやっておきますし、なければ次のシーンへ行きます。
アラキ:特にやることないので、次どうぞ〜。
法眼:さて、こっちとしてはどう動くかなー。心情的には爺さんに味方したいが。

▼絆/エゴの変化
アラキ:鉄斎へのエゴを絆/救済に変更。仙太郎に絆/継承を取得。




●シーン6 『贄士』  シーンプレイヤー:ユーリィ  登場難易度:自由

○村の中/夕刻


GM:さて…あなたは村を歩いて、大咲是清が事件に関与したという証拠、証言を集めているところです。
ユーリィ:情報収集ですね。「何か、知りませんか?」とか、色々と当時のことを聞き回ってみよう。
GM:では、〈情報:噂話〉で。

 しかし、振ったダイスは1ゾロ(笑)。

ユーリィ:…う、聞き込みは下手のようです(笑)。
法眼:ファンブルかっ(笑)。
GM:ああ…いいところでファンブルしましたね(笑)。
ユーリィ:人と話すのが苦手なんですよ、きっと(笑)。
アラキ:不審人物と思われた(笑)。
法眼:えーと、今は村の中なんだよな? 登場してもいいのかな。
GM:予想外にファンブルをして頂いたので、イベントが起きます。登場判定は15以上。クリティカルありで判定してください(笑)。
法眼:難易度15!? 無理だ(笑)。
ユーリィ:12分の1の確率か(笑)。
法眼:36分の1だよ(笑)。
ユーリィ:おお、そうでした(笑)。
アラキ:こっちは11振らなきゃダメだ(笑)。
法眼:登場判定、念のためにしておくか(笑)。
アラキ:では、一応。

 ダイスを振る鬼二人。しかし、出目はまたもや…。

法眼:ファンぶったー!!(一同爆笑)
ユーリィ:ホウゲンさーん!? Σ( ̄□ ̄;)
法眼:よりによって、逆方向に36分の1が入った(笑)。
アラキ:こっちは達成値14。1足りない! (><)
GM:では、聞き込みをしていると、後ろから声をかけられます。
ユーリィ:「…えっと」あたふたと聞き込みをしているところに。
法眼:ユーリィが捕まるっ?(笑)
GM/男:「…お前か。大咲家を嗅ぎ回っているのは」
ユーリィ:「っ…、誰!」後ろを振り向いてみる。
GM:和装の男です。見覚えがありますね。仙太郎が反対運動をしていた頃、大咲家の人間の中で見た顔です。
ユーリィ:「……」ぷいっと横を向いて黙秘権を。
法眼:…って、獣兵衛登場か!?
GM:確か、名前は『方士 獣兵衛』。仙太郎の件に最も関わっていそうな男です。
ユーリィ:しまった、奴が(笑)。
アラキ:《あざやかな登場》を取っておけばよかった。
法眼:普段は使わないアーツだからなぁ(笑)。
アラキ:登場のためだけにコスト3は痛すぎる(笑)。
GM/獣兵衛:「…ふん、誰かと思えば…あの鬼の近くにいた小娘だな。まだ、あの件を嗅ぎ回っているのか」
ユーリィ:くっ、正体もばればれかっ(笑)。「…忘れたとは言わせない」
GM/獣兵衛:「忘れたとは言わんさ。ちょうどいい、大咲の家へ行く手土産だ。…覚悟はいいな、小娘」
ユーリィ:「あの時とは、私だって違う…!」周りを見回して、距離を取って構えを。でも多分負けるっ(笑)。
法眼:負けるってあーた。否定できないけど(笑)。
GM/獣兵衛:「…あの鬼、少しは手こずらせてくれたな。お前も、奴くらいには楽しませてくれるか…?」
ユーリィ:「っ! 軽々しくあの人のことを言わないで!」で、飛び掛って回し蹴りでもっ。どうなるかな。
アラキ:この場面だと[SA:老人の正体を知る]も使用できないしなあ。がんばれ〜。
法眼:[SA:事件の真相を調べる]は使えるかなぁ? …まぁ、すぐ殺されることもないだろうし、静観するか。
GM:さて、こちらはユーリィを捕らえようとします。〈運動〉でも構いませんので、達成値15以上出して頂ければ、逃げることも出来ます。
ユーリィ:ダイス様のお導きに全てを任せよう(笑)。とぉー!(ころころ)

 ―――ダイスの神様は冗談が好きだった。

ユーリィ:か、確率的には可能性あったはずなのに!!(一同大爆笑)
GM:捕まってしまいました(笑)。
アラキ:信心が足りなかったようだ(笑)。
法眼:惜しいなぁ。確率的には五分五分ちょい有利、だったんだが(笑)。まぁ、これで俺と合流は出来るか。その先、どうやって助けるかが問題だけどな(笑)。
ユーリィ:「く…!」捕まったっ。あれから成長して強くなったのに(笑)。
GM/獣兵衛:「無駄だ!」蹴りに来た足を掴んで、鳩尾に一撃!
ユーリィ:「っ!(声にならない)」がくっと膝から崩れ落ちよう。「……仙太郎…さ…」最後に一声言って、悔い無しっ。
GM/獣兵衛:「ふん、他愛もない。…む? この小娘、もしや…ふふ、こいつはとんだ拾い物かも知れん」そのまま、ユーリィを抱えて退場します。
アラキ:「もしや…」って何だろう?
法眼:人狼ってことに気づかれたんだろ。鵺対策に、蟲毒の材料にでもするんじゃないか?
ユーリィ:先にアラキさんを見つけて、二人で行けば未来は変わっていたかもしれない(笑)。
アラキ:いや、ファンブル振った時は、はぐれて一人になってしまうに違いない(笑)。
法眼:蟲毒じゃなく、首を切って狗神にでもされたりしてな…(ぼそり)。
アラキ:獣兵衛の得意分野からすると、そっちの可能性が高いかも。
ユーリィ:後は任せましたっ(笑)。
法眼:世紀の対決、『鵺vs狗神』!!(笑)
アラキ:前に見た『恐竜vs黒龍』(*リプレイ第9話を参照)の方が凄かったかも(笑)。
法眼:…それと比べてはイケナイ(笑)。

▼絆/エゴの変化
ユーリィ:獣兵衛にエゴ/憎悪を取得。



●シーン7 『呪詛使い』  シーンプレイヤー:鬼来法眼  登場難易度:自由

○大咲家/夜

GM:大咲是清の息子、忠清が全員を広間に集めます。その横には見慣れない男がいますね。
法眼:和装の男か?
GM/忠清:そうです。「皆に集まってもらったのは、他でもない。紹介しておきたい男がいるのでな」
法眼:取りあえず、黙って話を聞いていよう。
GM:「方士 獣兵衛…以後、お見知りおきを」そして忠清が「…これからは、協力をして、父を守ってもらう。いいな?」と。
法眼:「(ふむ…奴が、か)……あぁ。まぁ、よろしく頼む」表面上は、あくまで礼儀正しく。
GM/獣兵衛:「…私が来た以上、もはや相手の好きにはさせぬ。…こちらから打って出ることにするぞ」
法眼:「ほぉ。相手の正体に、心当たりでも?」
GM/獣兵衛:「まあ、な。…これだけの術を使う者なら、心当たりがある」
法眼:「ふむ。じゃあ、一つお手並み拝見させてもらおうかな」首をコキコキ鳴らしつつ。
GM/獣兵衛:「では、そうさせて貰おう」獣兵衛は立ち上がって、部屋を出ます。
法眼:「(…どうやら、本当に何か知ってそうだな。探りを入れてみるか…?)」
GM/忠清:「…ま、まあ、そういうわけなので、お前たちは父の警護を頼むぞ」
法眼:「あー、判った、判った。その辺は任せるさ…(…他の奴らにな)」
アラキ:じいさんピーンチ。
法眼:頑張れ、ヒーロー(笑)。
ユーリィ:どうなるのかっ(笑)。
GM:では、そういうことで、とりあえずお開きになります。
法眼:うむ。このシーンはこれで終わり?
GM:今のうちに調べておくことなどあれば、判定も出来ます。
法眼:うーん、調べる項目がなぁ(笑)。
GM:まあ、大体はPLには判るように、既に開示されてますが(笑)。
法眼:獣兵衛の言ってた『心当たり』に関して、調べられるか? キャラ的に判らないと、身動き取れなくなりそうで(笑)。
GM:では、〈情報:噂話〉で。
法眼:飯塚が調べてたってことにして、情報屋込みで判定。(ころころ)達成値10…低い(笑)。

・大咲是清と、事件
達成値5:大咲家の当主。かなり強引な性格で、自分に利するものがあるなら、貪欲に掴みにいくタイプの人間。そのため、恨まれる謂われは多い。
達成値8:近隣の村々では、「ダム工事に関わる事件が原因ではないか」と言われている。反対派だった山岡仙太郎と、その家族が行方不明になった事件が、それである。
達成値10:村の古老曰く、「山岡の家は、代々方士の出。生き残りの何者かが、呪詛でもかけているのだろう」と。


GM:と、飯塚が歩き回って調べました。
法眼:おぉ、どうにかそこまで掴めたなら、調べに行っても良さそうだ。「その山岡家の生き残りについて、詳しく判らないか?」
GM:では、〈情報:魔物〉で。
法眼:(ころころ)今度は15。

・山岡鉄斎
達成値5:代々方士の家系である山岡家の人間で、高名な術士。
達成値8:数年前に表舞台から姿を消し、今現在は隠居中。


GM:どうもこれが、山岡家の血族のようです。
法眼:飯塚がそこまで知ってるのは不自然な気がするから、妖洞寺のコネに電話して聞いたことにしとこう。居場所までは、さすがに判らないよな?
GM:達成値15まで出ているのなら、この近隣の山に潜んでいることまで判ってもいいでしょう。
法眼:ふむ。後は……ユーリィとどうやって合流するかだなぁ(笑)。

▼絆/エゴの変化
法眼:獣兵衛にエゴ/警戒を取得。



●シーン8 『黒狼』  シーンプレイヤー:ユーリィ  登場難易度:自由

○座敷牢/深夜


GM:ちょっとイベントが起きてしまったので、変則的ではありますが、ユーリィのシーンです。
ユーリィ:は〜い。
GM/獣兵衛:「…起きろ」
ユーリィ:「う…」装備とかは…って、大した物は持ってないか(笑)。
GM/獣兵衛:「目が覚めたようだな」
ユーリィ:獣兵衛をキッと睨もう。
GM/獣兵衛:「そう睨むな。これでも、数少ない“仲間”なのだからな」
ユーリィ:「え…?」と、驚いた顔で。「…仲間?」
法眼:ん? 獣兵衛も人狼か何かか?
アラキ:ビースト/マジシャンかな。
GM/獣兵衛:「…今でこそ、獣兵衛などと名乗っているが、俺の本名は“黒狼”ミハイル=ガラティノフ=エレイシア―――お前の同族だ」
法眼:なんと!? マジで血縁者か!
アラキ:同姓だ(笑)。
ユーリィ:「…!!」呆然と。心が折れるっ。
GM/獣兵衛:「…まさか、こんなところで滅びたはずの同族に出くわすとはな…」
法眼:これは予想外…(笑)。
アラキ:西洋人なのに和装なのか(笑)。
ユーリィ:海外の人が着ても、割と似合うのかな(笑)。
法眼:黒狼ってくらいだから髪の毛は黒いんだろうが……顔立ちも日本系か?(笑)
GM:そんな感じです。
ユーリィ:「な、何でこんなことを…!!」牢の中から詰め寄って、隙間から手を伸ばして掴もうと。
GM/獣兵衛:「狩人に滅ぼされ、逃げているうちに…俺は思い至ったのだ。俺たちは狩られる立場であったから滅んだのだ、と。俺たちは人間よりも強かったはずだ。ならば……俺たちが狩る側に回ればいいのだ、とな」
ユーリィ:「…仙太郎さんを狩ったのも、貴方…?」
GM/獣兵衛:「そうだ。大咲に雇われていたのもある。だが…それでなくても俺は、あいつを殺していただろう。人間の側に立ち、魔を殺して正義を語る、そんな鬼が…俺には許せなかったからだ」
法眼:(ナレーション口調)故人への友情と、思いがけず出逢ってしまった同族への情……今、ユーリィの乙女心が激しく揺れるっ!?(笑)
ユーリィ:「く! この……!!」牢から出て掴みかかろうと…出れないかっ。「そうやって、私も殺す!? この恥知らず! 誇りさえないの!?」
GM/獣兵衛:「…お前を殺したりはしない」
法眼:敵は同族の情に訴えてくる気配だっ(笑)。
ユーリィ:ヘルプっ(笑)。
GM/獣兵衛:「図らずも、エレイシアの血が残っていたのだ…お前と俺がいれば、エレイシア一族は、もう一度再興する」
法眼:しかもプロポーズだっ!(笑)
アラキ:さてはロリコン(笑)。
GM:ひでえ言われようだ(笑)。
ユーリィ:確かに(笑)。
アラキ:というか、シチュエーションがかなりエロい(笑)。
法眼:座敷牢はエロいのか(笑)。
ユーリィ:「だ、誰が貴方なんかと!! 貴方みたいなヤツと!!!」激昂して睨みつける。「そんな話、私が頷くとでも思っているの…!」
GM/獣兵衛:「…そこで頭を冷やして考えろ。お前も俺も、もう一度失ったものを手に入れることが出来るのだ。今まで望んでも手に入れることの出来なんだ、『家族』を…お前とて、焦がれたことがあるだろう? もう一度…エレイシアの一族を、この世に作り出すのだ」
ユーリィ:「う…っ」
GM/獣兵衛:「…では、俺は行く。戻って来た時に返事を聞こう」
ユーリィ:黙ってぺたっと座り込んで、項垂れたまま。「(せっかく、同族に会えたのに…。何で、こんな…)」
法眼:うーん。こいつを斃すとなると、ユーリィの血縁を殺すことになるなぁ…困った。(ふと気が付き)……ていうか、話の内容が意外すぎて登場するのを忘れてた。どうしよう(一同笑)。
ユーリィ:は!(笑)
法眼:今更のこのこ出てくのも、みっともないしなぁ(笑)。
アラキ:さすがにここには荒木は出れん(笑)。



●シーン9 『荒ぶる鬼』  シーンプレイヤー:荒木明仁  登場難易度:自由

GM:さて、荒木の行動方針について聞いておきます。
ユーリィ:今おじいさんの味方なのはアラキさんだけです(笑)。
法眼:下手打つと、アラキが留守の間に爺さんが直接襲われるか?(笑)
GM:かもしれませんね(笑)。
法眼:既に大体の居場所を知ってるか、或いは突き止める手段を持ってそうだからなー。
アラキ:どうしよう?
GM:とりあえず、爺さんに事情のほぼ全ては聞いていますから、一番情報を持っているはずです(笑)。後は行動でしょうか。どう解決したいか、ですね。
法眼:俺は焦臭いと感じて色々探ってはいるが、持ってる情報自体は一番少ないぞ(笑)。
ユーリィ:ここは私と同じく、情報収集をして捕まってみるとか(笑)。
アラキ:情報収集はあまり必要ないので(笑)。
法眼:アラキが捕まったら、その場で抹殺されそうだ(笑)。
アラキ:当初は大咲家に直接訪問しようかとも思っていたが……入れ違いになると嫌だから、まずは大咲家を見張ってみよう。

○大咲家近辺/昼前

GM:大咲家を見張っていると、屋敷から和装の男が出てきます。
アラキ:どっちへ行こうとしていますか?
GM:山の方です。つまり、荒木が来た道を行こうとしてますね。
アラキ:「あの方向、まさか……」
GM:〈情報:魔物〉で振っておきましょうか。
アラキ:情報屋込みで(ころころ)14です。
GM:では、この男が『方士 獣兵衛』という、大咲家お抱えの術士だと判ります。
アラキ:「あいつが、獣兵衛か」う〜む、これをやり過ごして屋敷に行く理由はあまりないしなあ。獣兵衛の前に立ち塞がります。「待ちな、方士・獣兵衛」
GM/獣兵衛:「なんだ、お前は」
アラキ:「鬼だよ」(ニヤリ)
GM/獣兵衛:「ほう…」
ユーリィ:おお、アラキさんが仇討ちを。やれー、やっちゃえー(笑)。
法眼:これって、屋敷の近くですか? それとも村の外?
GM:屋敷の近くだと思われます。
法眼:ふむ。じゃあ、登場できるか。…どっちの味方をするかなー(ぇ
アラキ:ところで、仙太郎の鬼の名前は決まってますか?
法眼:仙太郎だから、せん……『閃鬼』なんて、どうだろう?
GM:うむ。ではそれで(笑)。
ユーリィ:名前、今決まった?(笑)
法眼:たぶん、考えてないんだろうと思ったから。姓と名前の頭文字が違うし(笑)。
GM:考えていたら、鬼の名で呼んでいたでしょう(笑)。
アラキ:きっと婿養子なんだ(笑)。旧姓が千藤(せんどう)とか(笑)。
法眼:かもしれぬ(笑)。

 *仮面ライ●ー響鬼ネタ。作中で『鬼』になる登場人物は、何故か『鬼の名』と本当の姓・名の頭文字が全部同じなのです(笑)。

アラキ:「どこへ行く気だ?」
GM/獣兵衛:「…さて、心当たりがあるのではないか? 鬼よ」
アラキ:「なるほど、なら行かせるわけにはいかんな」
GM/獣兵衛:「…ふふ。あの『閃鬼』とか言うの、少々てこずったが…今でも我らの役に立ってくれておる。山岡鉄斎にも見せてやりたいわ。己が呪詛が、息子の人柱で止められておるのだからな」
アラキ:「なんだと!」驚愕の事実(笑)。
法眼:…なるほど。屋敷のどこかに、閃鬼の死体が埋まっているのかな。
GM/獣兵衛:「俺は『贄士』よ。こういう術が得手でな。貴様も同じ場所に葬ってやろう。鬼同士だ…寂しくもあるまい」
アラキ:「そいつはゴメンだ。俺は男と同衾する趣味はないんでな」内心は怒りで燃えながら。「外法士となれば…なおさら貴様を見逃すわけにはいかない」
法眼:演出戦闘かな? それともガチ戦闘かなー?
ユーリィ:一回、何かで判定してそれで決めるとか?
アラキ:どうなるんだろ〜?
GM:さて、そうして対峙している時ですが…二人の間に割って入るように、獣が飛び込んできます。
法眼:お、鵺が邪魔しに来たか。
GM/獣兵衛:「ぬう!」
アラキ:「なに!?」
GM/獣兵衛:「…ほう…これが、鉄斎の…」鵺が爪を振るうのを飛び退って避け、獣兵衛が構えます。「ふむ…これはなかなか…一筋縄ではいかんようだな」
アラキ:「よせ!」鵺に呼びかけます。
GM/鵺:「グルルルル…」唸りながらも、荒木の命令に従います。
アラキ:「落ち着けよ、リラックスしていこうぜ?」
法眼:さて、登場しても構わないかな?
GM:どうぞ。
法眼:「―――騒々しいと思って来てみたが……手助けは、いるかい?」獣兵衛の後ろから、法眼登場。
ユーリィ:味方がっ(笑)。
GM/獣兵衛:「…おう、天の助け、かな?」
法眼:「(余計なことは言うな)」アラキにだけ見えるように口パク。これで俺の名前を呼んだりしたら、殴る(笑)。
アラキ:「外道の仲間か?」
法眼:「外道ねぇ…随分な言われようだな、おい?」皮肉に笑いながら、近づく。「…で。何者なんだ、こいつらは?」
GM/獣兵衛:「呪詛を打っている者の仲間と、その呪詛本体というところだ」
アラキ:「デクノボウが一人増えたくらいで、勝てると思わないほうがいいぜ」(笑)
法眼:「それはそれは……わざわざ来てくれたんだ、歓迎しなきゃならんな」指をバキボキ鳴らしつつ。
アラキ:「やる気かい、おっさん?」剣を肩にトントンしながら。
GM/獣兵衛:「…では、ここは任せるぞ。俺は、行く」
アラキ:「行かせるか!」
法眼:「ふっ、若造が…大人を舐めるなよ!」いきなり不動縛呪! 《恐怖の咆哮》を演出で。
アラキ:「ぐう!」足止めを喰らう(笑)。
法眼:「獣兵衛、あんたは何処へ行く?」
GM:「…山だ。そこに、敵がいる」
法眼:「ふむ。…じゃあ、俺はこいつの相手をしていよう」黙って見送る。
アラキ:「待ちやがれ!」追おうとするが法眼に塞がれる。
法眼:「すまんな、これも仕事だ」と立ち塞がる(笑)。
GM:では、鵺は獣兵衛を追いかけて退場します。
アラキ:「……こら、おっさん。何しやがる」
法眼:「…ふぅ。で、お前さんはこんな所に何の用だ、アラキ?」
アラキ:「こっちのセリフだ。邪魔しやがって」事情を簡単に説明します。「ということで、すぐに追うぜ!」
法眼:「…やれやれ。熱意は買うが、『闘うのは相手の力量を見極めてからにしろ』って師匠によく言われなかったか?」
アラキ:「アイツが強いのは判るけどな、そこで引き下がってちゃあ鬼は務まらないだろうが」
法眼:「ふむ。それも道理だが、だからといって猪突猛進では命がいくつあっても足りんぞ」
アラキ:というか、行かないとじじいが死ぬ(笑)。
法眼:ま、それもそうなんだけどな(笑)。
GM/鉄斎:「…わしが、どうかしたか」
アラキ:「のわ!?」
ユーリィ:じいさーん!?(笑)
法眼:「…あんたが問題の爺さんか。何でここにいる?」さすがに驚いた(笑)。
アラキ:「なぜ、ここに?」
法眼:「…さっきの鵺は、囮か?」
GM/鉄斎:「…獣兵衛が村に入ったのは耳にしていたからな。じっとしておったらすぐに攻めてくる。あいつにはもう少し、鵺と追いかけっこしてもらうわい」
アラキ:「はあ、そりゃいいや」
ユーリィ:やり手な人だ(笑)。
法眼:「ははっ、やるもんだ。アラキ、プロってのはこういう風に闘うもんだぞ?」笑いながらアラキの肩を叩く(笑)。
アラキ:「心配して損したぜ……」
GM/鉄斎:「さて…お主が大咲是清に雇われた拝み屋か?」
法眼:「雇われた…って言えば、まぁそうだな。少なくとも、“向こうは”そのつもりだろうさ。俺としては、まだ様子見のつもりだったがね」
GM/鉄斎:「…そうか。では、この件から手を引いてはくれんか」
法眼:「手を引く? どうして?」とぼけた表情で。
アラキ:「いやむしろ、もっと関わってくれ」ニヤニヤして。
GM/鉄斎:「…うむ?」
アラキ:「あっちに雇われていないなら、こっちが雇ってしまえばいい」
GM/鉄斎:「…払うものなど、ないわ」
法眼:「この屋敷の主にしろ獣兵衛にしろ、叩けばいくらでも埃が出そうだしな。内側からつついてやろうかと思ってたところだ」
GM/鉄斎:「…その言葉、信じていいのか?」
アラキ:「ま、報酬ならウチの組織からも出るしな」
法眼:「あぁ。特に、あの屋敷に張られてる結界とやら…どうも気に喰わねぇ。血と怨嗟の匂いがプンプンしやがる」
GM/鉄斎:「うむ…あれが、破れれば…」
法眼:「取りあえずは、結界を支えてる『核』を捜し出してぶっ壊そうと思ってるんだが」
アラキ:「ああ、そいつは……」チラリと鉄斎を見て、なんとなく言葉を濁す。
GM/鉄斎:「…わかっておるわ。人柱じゃろうて。わしの息子を使った、な」
法眼:「…息子、ね…」
アラキ:「気付いていたのか……」
GM/鉄斎:「わしも、この世界で飯を食っておるからな…判ってはいた」
法眼:「……で、結界を破る方法は?」敢えて聞こうか。
GM/鉄斎:「人柱の…粉砕じゃ」
法眼:「…やっぱり、それしかないか」肩をすくめる。
アラキ:「人柱は屋敷内か?」苦い顔をしながら。
GM/鉄斎:「だろうな」
アラキ:「なら、外からは無理か……」
法眼:「そっちは俺が捜してみよう。アラキと爺さんは、ここに長居しちゃ拙いだろう?」
アラキ:「確かに。法眼に任せるしかないな」
GM/鉄斎:「うむ。では、任せた」
法眼:「…あぁ、ところで爺さん…山岡鉄斎だったか。人柱になったって息子の名前を聞いていいかい?」
GM/鉄斎:「…仙太郎、じゃ」
法眼:「山岡、仙太郎……『閃鬼』か。…懐かしい、名前だな…」一瞬、遠い目をする。
アラキ:「知り合いなのか?」
法眼:「お前の師匠と俺は古いダチなのさ
(*)…当然、閃鬼ともな。…それじゃあな、上手く隠れてろよ」背を向けて、屋敷へと立ち去る。
アラキ:「ところで法眼。奴らに信用されるには、手土産があったほうが良くないか?」自分を親指で指す。
法眼:「…腕の一本も、もがれる覚悟はあるのか?」苦笑しつつ振り向く。「すぐに殺されたくなけりゃ、やめとけ」
アラキ:「ヤツの趣味なら、俺を生かしといた方が都合いいだろ」
法眼:「それは…どうだろうな。爺さん、あんたはどう思う?」
GM/鉄斎:「ふむ…わしは、荒木に任せた身だ。好きにするがいい」
アラキ:プレイヤー的には、爺さんの傍で待ってるのはつまらん(笑)。後、ユーリィと合流しやすいかなあと。
法眼:ユーリィはこれから屋敷内を探して合流するつもりなんだけどな(笑)。敵に捕まった状態になる方が、身動き取りにくくならないか?
アラキ:外にいると、結界が破れるまでやることないから同じでは?
法眼:(少し思案して)「……自分の面倒は、自分で見ろよ。俺は知らんぞ?」というわけで、同行を認めた(笑)。
GM:では、次のシーンに行きましょう。

(*)「お前の師匠と俺は〜」
 この設定は、セッション中にでっち上げた物です。依頼人の是清が悪人でも『単なる人間』であること&獣兵衛がユーリィの血縁者だったことで、法眼に『契約を破棄してまで彼らと戦う動機』が乏しいと考えたPL。そこで急遽『アラキの師匠と友人だった』という設定を作り、アラキとの関係を深める&鉄斎側に協力する理由付けの一挙両得を狙ったのでした(笑)。


▼絆/エゴの変化
法眼:閃鬼に絆/想い出を取得。
アラキ:法眼に絆/信頼を取得。



●シーン10 『再会』  シーンプレイヤー:ユーリィ  登場難易度:自由

○座敷牢/午後


GM/声:「……お嬢さん、お嬢さん」誰かが小声で話しかけてきます。
ユーリィ:「…え?」そちらの方を見てみる。泣いてたことは、ばれないようにしよう。
GM:スーツ姿の男です。PL的には飯塚だと。
ユーリィ:おおうっ(笑)。
法眼:なるほど。……死ぬなよ、飯塚(ぉ
アラキ:アラキと入れ替わりか(笑)。
GM/飯塚:「…しっ。静かに。こんな所で、一体どうしたんですか?」
ユーリィ:「……えっと」警戒して、顔を見る。
GM/飯塚:「私は飯塚といって、この屋敷に新しく雇われた者です。…そんなに警戒しないで。今、開けますから」
ユーリィ:まさか、のこのこ捕まったとは言えない…(笑)。仙太郎さんらの件を話そう。で、途中で聞き込みをしていたら獣兵衛に捕まってしまったと。
GM/飯塚:「…なるほど。事件の全容が見えた気がします」言いながら、牢の錠前を外しました。
ユーリィ:「…? 雇われているのに…そんなことしていいの?」と、言いつつ開けたらすぐにでも飛び出る構えで。
GM/飯塚:「…まだ、契約書にはサインしていないんですよ。それに」
法眼:契約書…こいつもかっ(笑)。
ユーリィ:「それに?」
GM/飯塚:「女の子を座敷牢に閉じ込めとくような人間と、契約は出来ません」
ユーリィ:いい人だっ。
アラキ:大咲家、ザルだ(笑)。
法眼:これなら飯塚への絆は友情でも良かったな。何となく頼りなさそうだったんで連帯感にしたんだが(笑)。
ユーリィ:「ねえ、何か知らない? ここの人のこと。大咲家のこととか…」周囲を警戒しながら牢屋から出よう。
GM/飯塚:「…と、獣兵衛と話したなら、彼はどこかで『人柱』の話をしていませんでしたか? この結界、破りたいのですが」事情を説明して。
ユーリィ:「人柱…? ううん、してないけど」
法眼:……少し詳しく、事情を知りすぎてないか? 俺とはまだ合流してないだろ?
GM:結界が張られていることには、最初のシーンで法眼も気がついたように、飯塚も気がついていておかしくないでしょう。舞台裏等でも独自の調査をしていた、と考えてもいいと思いまして。
法眼:あぁ、そうなのか。一瞬、別の目的で入り込んだ真の敵かと思ってしまった(笑)。
ユーリィ:「人…柱?」結界、気づいてもいいのかな。
GM:今更隠しても仕方がないので(笑)。気がついていいですよ。
ユーリィ:「…何、この空気。これが、結界?」さっきは激情して気づかなかったに違いない(笑)。
GM/飯塚:「おそらく、鵺が大咲家を攻めあぐねているのは、その結界が原因だと思うのですよ」
ユーリィ:「(鵺…。他にも動いている連中が…?)…その、人柱を何とかすれば、結界が解けるのね?」
GM/飯塚:「おそらくは」
アラキ:ふと思ったんだが、何のための結界なんだろう?
法眼:当主を色んな恨み辛みから護るため…だろう、基本的には。
アラキ:獣兵衛にとって、大咲家はあまり重要じゃない気がするんだが……。
法眼:ふむ。単に仕事として護ってるだけだと思ってるんだが。
GM:仮想敵である山岡鉄斎から、大咲家を守るためです。雇い主に死なれても困る、というのと、鉄斎が戻ってきて反撃してくることは容易に想像できたためです。
法眼:たまたま得意とする術系がアレだっただけで、特に深い理由はないのかな。
アラキ:なるほど、実はもっと重要なものが有るかとも思ったが、とりあえず雇い主を守るだけのものなのか。
法眼:たぶん。『実は飯塚が真の悪役でした』とか言うよりは、よほど信憑性がある(笑)。
ユーリィ:「ん、分かった。今は…」ジュウベエの気配は無いかな。無いなら、鬼の居ぬ間になんとやらっ。
GM:では、〈知覚〉で。
ユーリィ:そろそろ、いい目が出るに違いない。(ころころ)…8。鈍い(笑)。
GM:…いない。多分いないよ、うん(笑)。
ユーリィ:自分を信じるしかあるまい!(笑)「彼が帰ってくる前に、探して何とかしないと。大体の見当とかついていないの?」
GM/飯塚:「それが、とんと…柱というからには、地下に打ち立てられているのでしょうが…」
ユーリィ:「地下…」座敷牢は一階付近ですかね。武器がいらない人狼は、こういう時に装備を取り返す必要が無いから楽だ(笑)。
法眼:さて、そろそろ合流していいんだろうか? それとももう少し先?
GM:自由でいいですよ。
法眼:「―――飯塚ー? おい、飯塚…いないのか?」呼び声が聞こえる(笑)。
GM/飯塚:「ああ、法眼さん。ここです」
ユーリィ:「この声…?」そちらの方を。
アラキ:「ったく、他のヤツを騙すためとはいえ、思いっきり殴りやがって」ぶつぶつ文句を言いながら。
法眼:「おぉ、こっちにいたのか」ひょいっと顔出して「…ユーリィ? おいおい、何でお前さんまでここに…」呆れた声で。
ユーリィ:「べ、別に…」ぷいっと。
アラキ:「うん……君は……?(どこかで見たような…?)」
ユーリィ:絆/忘却が(笑)。
法眼:飯塚の顔を見て、事情説明を求める(笑)。
GM/飯塚:「はあ、実は…」と、今までの経緯を。
法眼:では、こちらもかくかくしかじかで。「―――というわけで。ここの結界、ぶっ壊すぞ」
GM/飯塚:「異論はありませんね」
ユーリィ:「人柱の場所、分かるの?」
法眼:「これから探すさ」気楽に言う(笑)。
GM:では、とりあえずシーンを移しますが。
一同:了解です〜。
アラキ:アラキ、どこでユーリィを見たんだろう?(笑) 小さい頃に魔物から助けられたことにしようか。
法眼:だけど、二人とも年齢は同じだぞ?
アラキ:アラキは小さい頃は無力な子供だけど、ユーリィは小さくても人狼だから。
ユーリィ:子供でも人狼なら、そこそこは戦えたのかも(笑)。
法眼:なるほど。…実は幼馴染み?(笑)
アラキ:多分、その時にチラッと会っただけかと(笑)。ユーリィはあちこち放浪してたらしいから。

▼絆/エゴの変化
法眼:
ユーリィに絆/庇護を取得。
ユーリィ:飯塚に絆/信頼を取得。




●シーン11 『人柱』  PC全員登場

○地下の祠/夕刻


GM:途中の判定は省略します。多分、誰かは成功するので。土に半分埋まった、棺のようなものを地下で発見しました。どうも、これが人柱のようですね。
アラキ:「これか……」
GM/飯塚:「どうも、これのようですね…」
ユーリィ:「棺…?(一体、誰の…)」
法眼:「……閃鬼、か。これを壊せば結界が解けるのか?」
GM/飯塚:「おそらくは…」
アラキ:「開けてみるか……」棺を開けようとします。
法眼:開けるのか……ミイラが出てきそうだが。
アラキ:開けないと、盛り上がらないかなあと(笑)。
法眼:棺ごと、《神の雷》で粉砕してやろうかと思ってた俺(笑)。
アラキ:それだと、ユーリィが気付かないので(笑)。
ユーリィ:おおう。多謝です(笑)。
GM:開けてみると、白骨化した死体が収まっていますね。装備も着けたままなので、鬼だということが判ります。そしてユーリィには、それが仙太郎の持ち物だとも。
ユーリィ:「……!」ざわっと。「仙太郎…さん?」
法眼:「……」ギリッと奥歯を噛む。
アラキ:黙って手を合わせる。
GM/飯塚:「…色々と見てはきましたが…いい気分のしないものですね…」
法眼:「呪詛の礎ともなれば、尚更な……」
GM/声:「貴様ら、そこで何をしている!」大咲忠清と、獣兵衛ですね。
ユーリィ:「! 見つかった…!」はっと振り向いて。
法眼:「よぉ、お早いお帰りで」
アラキ:「追いかけっこは疲れたかい?」
GM/獣兵衛:「…ふん…まんまとしてやられたわ。まさか、屋敷の中に裏切り者が二人もおったのではな」
ユーリィ:「貴方達……!」キッと睨みつける。
法眼:「裏切り者とは人聞きが悪いな。俺も飯塚も、まだ『雇われる』とは言っちゃいないぜ? それに…」
GM/獣兵衛:「…それに?」
法眼:「ここに埋まってる『鬼』は俺の古い友人なんでね。供養してやろうと思ったまでさ―――ついでに目障りな結界もぶっ壊してやろうか、ってな!」獰猛な笑みを浮かべる。
GM/獣兵衛:「させようものか。我が結界、破られるは方士 獣兵衛にとって、末代までの恥よ」ここでユーリィに目を向ける。「…ユーリィ…貴様が選んだのは、けっきょくそちらか…」
ユーリィ:「一族の面汚し! 誰が貴方なんかと!!」
アラキ:「一族……?」
ユーリィ:「…同族、なのよ。私と彼」ちらっと視線をそらして。
GM/獣兵衛:「…ユーリィ、考え直せ。お前と俺は、残った唯二人なのだぞ」
ユーリィ:「何も、言うことは無い…! 誇りを失った獣なんかと!」
GM/獣兵衛:「…そうか…では、もう何も言わん。同族のよしみで生かしておくつもりだったが…さらばだ」
法眼:「そういや、あんたにはまだ名乗ってなかったな。俺は鬼来法眼、またの名を…『鬼法師』だ!」…まー、鬼いうても荒雷鬼や閃鬼とは方向性がまるで逆だが(笑)。
アラキ:「獣兵衛、偉大なる先達『閃鬼』の志を受け継ぎ、俺が貴様を討つ。同じ『鬼』として! 我が名は『荒雷鬼』! 貴様のような人に仇なす外道を焼き尽くす、荒ぶる雷(いかづち)だ!!
GM/獣兵衛:「ふん…鬼というものは、どうやら俺の人生にどこまでも付きまとってくるようだな。…ここで、その因縁も終わりだ!」獣兵衛が獣化していきます。人狼の姿になりますね。
法眼:「いいだろう。この家の歴史共々、その悪しき因縁終わらせてやるさ!」同じく鬼の姿に変じる。
ユーリィ:負けじと人狼の姿へ。
アラキ:「人狼……? そうか、彼女はあの時の…」
GM:そういうわけで、[SA:結界の破壊]をどうぞ。クライマックスへ行きます。

▼絆/エゴの変化
法眼:
獣兵衛へのエゴを絆/執行に変更。
アラキ:ユーリィへの絆内容を感謝に変更。獣兵衛にエゴ/討伐を取得。
ユーリィ:アラキに絆/忘却を取得。



 

■クライマックスフェイズ■


●シーン12 『怨嗟の檻』  PC全員登場

▼ラウンド1

GM:エンゲージですが、今回は最初から敵に隣接することが出来ます。地下はそう広くないので。
一同:了解です。
GM:そういうわけで、味方も一塊という扱いになります。意図的に壁際に下がったりしない限りは。
法眼:飯塚と忠清は、エキストラ?
GM:シーンにはいないものと扱います。お互いに面倒なんで。
法眼:うぃ、了解(笑)。
GM:では、エンゲージの宣言を。あえて離れる人はいますか?
法眼&アラキ:同じエンゲージで。
ユーリィ:元より接近戦しか出来ないゆえにっ。
GM:はい。ではセットアップ、こちら《絶対先制》。
アラキ:こいや〜。《コスチューム》で鬼に変身。
GM:マイナーで《符術》《呪文》《ハンティングスタイル》、メジャーで《ダークネスフレア》。HA《魔法の国よ》でシーン攻撃に。《高等魔術理論》《魔術血統:ダークネスフレア》と《呪文》の効果でCrt値9。(ころころ)クリティカルしました…。

 そして全員、回避失敗。

GM:では、HA《万色の魔術》にAGP3点。更にオートで《獣の気》を使用。
法眼:うわ、いきなり大ダメージで来るか(笑)。
アラキ:いきなりきた〜。
GM:(ざらざらざらーっ)80点の〈魔〉属性ダメージと出ました。
法眼:ぐお!?
アラキ:死ぬわ(笑)。
ユーリィ:HPが0にっ。魔獣化かな。
GM/獣兵衛:「ここは俺の結界の中…貴様らに、万に一つも勝ち目があるものか!」
法眼:えぇい、《俊敏なる盾》でユーリィを庇うぞ!
ユーリィ:おお。しかしそれではホウゲンさんがっ。
法眼:倍ダメージ喰らって、魔獣化だ。どっちにしろ魔獣化するから同じ(笑)。
ユーリィ:なるほどっ。
アラキ:待って、こっちが庇う。昔の借りを返したい。
法眼:俺はユーリィの保護者なんだよ(笑)。
アラキ:え〜? まあ、先に宣言されたのなら仕方ないか。
法眼:うーん、じゃあ今回は譲ろうか? 俺は自力復活あるから、もう一度庇えるし。
GM:二人の男がユーリィを取り合って…モテモテですな(一同笑)。
ユーリィ:大丈夫ですよー!(笑) 《獣の生命》もありますし。庇われてばかりでは終わらせませんっ(笑)。
法眼:うぃ、期待している(笑)。というわけで荒雷鬼、任せた。
アラキ:了解。《黒鉄の機神》!
法眼:魔獣化だ。全身の皮膚が赤く染まり、黒い紋様が浮かぶ。
アラキ:《クリフハンガー》を使ってから魔獣化します。「あの時は、君に助けられた。だから、今度は俺が守る番だ」
ユーリィ:「──え?」はっと。「(…あの時の子?)」記憶がうっすらと。
アラキ:で、ユーリィへの絆を感謝から守護へ変更します。
GM:おお、荒木がヒロイックに(笑)。
ユーリィ:今ではすっかりアラキさんの方が強く…。
法眼:…俺は娘を取られる父親の気分だ(笑)。
ユーリィ:お父さんっ!(笑)
アラキ:ユーリィの保護者はマグナスというイメージが(笑)。
ユーリィ:懐かしい(笑)。
(*マグナスについてはリプレイ第16話参照)
法眼:それはそうだが、今回はいないだろ(笑)。
GM:では、通常のイニシアティブ(笑)。こちらの行動値は12。
法眼:まだそっちが早いな。
GM:では…法眼に行きましょう。同じ手で(ころころ)27です。
法眼:オートで《獣化》して(ころころ)26。駄目だ、届かん…って、待った。今のは特殊攻撃? クリティカルもしてないんだっけか?
GM:《ダークネスフレア》なので、特殊攻撃ですね。
法眼:だったら法衣の修正で+2がつく。28だからギリギリ回避成功だ(笑)。
GM:おお!
法眼:あまり使わないから、忘れるところだった(苦笑)。
GM/獣兵衛:「ち、呪物に弾かれたか!」こっちの行動、終わりです。
法眼:「あいにくと、俺の一張羅は特別製でな!」
ユーリィ:では私かな。マイナーで《切り裂くもの》、人間性は12から8へ。メジャーで懐に潜り込んで、真下から蹴り上げてみよう。《切り裂くもの》でキックなら、足の爪で攻撃になるのかな(笑)。
アラキ:靴が爪でズタボロに(笑)。
ユーリィ:…出費がかさむ…(笑)。「ここで──!」(ころころ)達成値は16!
GM:(ころころ)18。避けてしまいました…。
ユーリィ:掠めたっ。「(くっ、向こうの方が速い!)」
GM/獣兵衛:「く…ユーリィ…本気のようだな!」
ユーリィ:「さっきのようには…行かない!」
法眼:「…今度は、俺の番だな!」マイナーで《切り裂くもの》、メジャーで《恐怖の咆哮》! (ころころ)達成値は23だ。
GM:(ころころ)だめか!
法眼:「オン・キリキリ・オン・キリキリ・オン・キリウン・キャクウン…不動金縛り法、喝ァァッ!!」 26点〈斬〉ダメージとBS[重圧]だ。
GM:イテ!
法眼:で、バッドステータスは効くかな?
GM:効きますね。
法眼:よしよし、狙い通り。後は…「荒雷鬼、頼むぞ!」荒雷鬼と閃鬼への絆を固定して愛2点渡す。
アラキ:了解。《こんなこともあろうかと》で特殊強化服を装備。

「…閃鬼さん、一緒に戦いましょう」
 荒雷鬼が腕輪の弦を奏でると、その身体が緑色の電光を纏った。
 更に、閃鬼の遺したディスクアニマル達と荒雷鬼のそれが集まり……若き『鬼』を包む武者鎧となる。

『―――荒雷鬼・大・雷・皇!!』

アラキ:魔獣化しているのでBGMが鳴り、上の文字が画面に現れる(笑)。
法眼:文字までっ(笑)。
ユーリィ:確かにキャラシートに書いてある(笑)。
アラキ:マイナーで《戦闘形態》、メジャーで攻撃(ころころ)21で。
GM:(ころころ)…出目が同じかよ(笑)。命中した。
アラキ:「はあああああ!」48点の〈光〉です。
法眼:さすがに魔獣化だろ。
GM:それは流石に…防ぎようもなく魔獣化。HA《超魔の命》、AGP10点使用で蘇る。
法眼:…たぶん、《獣の生命》は持ってるんじゃないかと思うんだけどな(笑)。
ユーリィ:何と(笑)。
法眼:この前もそうだったし、ビースト持ちだし(笑)。
アラキ:《超魔の命》に10点では少ないですからね。
法眼:…普通ならそれ、少なくはないんだけどな(笑)。
GM:あれ? 皆様、敵の復活を期待しておられる?(笑)
法眼:いや、ないならそれで大いに結構なんだが(笑)。


▼ラウンド2

GM:では、次のターン。セットアップ…は全員なしですな。獣兵衛と荒雷鬼が行動値12なので、荒雷鬼の方から。
法眼:「荒雷鬼、景気よく行こうぜ!」弱きものと獣兵衛への絆固定、AGP2点を荒雷鬼に。さっきの分とで合計4点渡した。
アラキ:マイナーで《加速装置》《エネルギーチャージ》マジックリング使用、メジャーで攻撃。(ころころ)26で。
GM:(ころころ)だめ。
アラキ:オートで《超逆境》、更にHA《フルファイア》! 弱者と獣兵衛のエゴを固定して、計6点使用。「神雷・激烈震!」(ざらざらざらーっ)144点〈魔〉ダメージ!
GM:では、HA《復讐の爪》。144点そのままお返しします。
アラキ:「なに!」
法眼:まずい! カバーリングは出来ないよな、それ?
ユーリィ:アラキさんがー!! …いやっ、HA《獣の盾》が使えるかな。大丈夫ですか?
アラキ:へるぷ(笑)。
ユーリィ:らじゃ(笑)。
法眼:《ヴォイド》はないが…《獣の盾》なら庇えるな。
GM:《獣の盾》、OKです。
法眼:「ユーリィ!」彼女の絆固定、愛1点渡す。
ユーリィ:む、多謝です。ではその1点を使って《獣の盾》。「──!」すんでのところで間に入り、代わりにダメージを。
アラキ:「ユーリィ!」
GM/獣兵衛:「!」
ユーリィ:「…油断しないのっ! 今はアイツを!」魔獣化して復活で。変異は髪が伸びて目が紅く…割と普通だ(笑)。
アラキ:「すまん! ちぇっ、また借りができたな」
GM/獣兵衛:「ユーリィ、貴様!」目の前に出てきたユーリィを攻撃。(ころころ)23。
ユーリィ:起き上がったところに攻撃がっ!? (ころころ)駄目ー。「あ…くっ!」
法眼:「危ねぇっ!」すかさず《俊敏なる盾》!
ユーリィ:おお、多謝です。カバー合戦に(笑)。
GM/獣兵衛:「どうしても、俺と歩めぬというなら…なにっ!」ダメージは46点で(笑)。
法眼:「こいつは、俺にとっちゃ妹みたいなもんでね…ぐはっ」真の死。
アラキ:「法眼!」法眼に愛2点。法眼と閃鬼の絆を固定です。
GM/獣兵衛:「…貴様も終わりだ…まずは、一人!」油断中(笑)。
アラキ:「そうかな、このおっさんしぶといぜ」
法眼:うむ、HA《獣の生命》で完全復活!「…だから、死なせねぇっ!!」起きあがりざまに《怒髪天》。マイナーで《ハンティングスタイル》、メジャーで攻撃! (ころころ)クリティカル!!
GM/獣兵衛:「…なんだと、そんな馬鹿な! 確かに、殺したはず!」(ころころ)ダメか。
ユーリィ:「法眼さん!」
法眼:ダメージは68点だ!
GM/獣兵衛:68点か…ジャストで死んだ。「…ぐ…は…終わり、か…」
ユーリィ:「終わり、よ…」
法眼:「…すまんが、友の仇は討たせてもらうぞ」大きく息を吐き出す。
GM/獣兵衛:「…強く、誰にも負けないほど、強く…今度は狩る側に回ったってのに…なんて、ザマだ…」膝から崩れ落ちます。
ユーリィ:「馬鹿…」とさっと受け止めて。
法眼:「…力を求めるものは、より強い力の前に敗れ去る。それだけのことだ…」黙祷しながら。
アラキ:「強さを求めて、力に溺れた時点で…弱くなってたのさ、お前は」


 

■エンディングフェイズ■


●シーン13 『黄昏に沈む』  共通ED


GM:人間性は全員大丈夫でしたね。戦闘が終わり、人柱の前です。
法眼:「――――さて、いつまで眺めてても仕方ない。壊すぞ…」
アラキ:「そうだな」
ユーリィ:「……んっ」
法眼:「ナウマク・サマンダ・バザラダン・カン、オン・バザラ・ダトバン…砕ッ!!」 《神の雷》で木っ端微塵だ。
GM:そうして、結界を破壊すると、禍々しさが一気に消えます。
ユーリィ:「これで、あの人たちの無念も…」
GM:しかし…暫くすると、別の禍々しさが近づいてきます。それを感じた直後に、屋敷が大きく揺れます。
法眼:「…何だっ!?」鵺の仕業か?
アラキ:「なんだ!? この揺れは!」
ユーリィ:「!」
GM:そうでしょうね。天からは鵺の咆哮が響きます。
法眼:「崩れそうだな…おい、急いで外に出るぞ!」ユーリィを抱え上げて表に出よう(笑)。
ユーリィ:「っ、ちょ、ちょっと…」ホウゲンさんの方が重症では(笑)。
アラキ:「おう! …って、ずるいぞおっさん!
法眼:「早いもん勝ちだ!」(笑)
GM:あなた方が走り出した後、地下階が崩れだします。座り込んだまま動かなかった忠清は、そのまま生き埋めになってしまったことと思います。
ユーリィ:悪党の末路が…。
アラキ:飯塚は?(笑)
法眼:一緒に逃げてる…と思う(笑)。
GM:飯塚は上手く逃げて、あなた方に付いて来てます(笑)。そして、地上の階でも崩壊は始まり…逃げていく先の廊下で、一度是清の姿を見たような気がしますが、これも崩れてきた天井の向こうに消えます。
法眼:「因果は巡る…か。無理かもしれんが、悪く思うなよ」一瞬だけ目をやり、走り抜ける。


○大咲家正面/夕刻

GM:崩れ去った屋敷の前には、鵺と鉄斎がいます。
アラキ:「じいさん……」
法眼:変わった様子はない?
GM/鉄斎:「…戻ってきたようだな」顔色がよくないですね。鵺の方も、その存在が希薄になってきています。
法眼:「そっちは…あまり大丈夫じゃなさそうだが」
ユーリィ:「…誰?」
アラキ:「仙太郎さんの親父さん」
ユーリィ:「っ!」
アラキ:「大丈夫なのか……?」
法眼:「…呪詛に、命数を使いすぎたんじゃないのか?」
GM/鉄斎:「…人を呪わば、なんとやら…よ。随分と、力を使ってしまったからのう」
アラキ:「じいさん……あんた……」
ユーリィ:「仙太郎さんは、無事に逝ったわ…」
法眼:「……閃鬼は、いや仙太郎は…こんな結末を望んでいたと、思うかい?」静かに問う。
GM/鉄斎:「…さて、な。生き残っちまったわしらは、結局…これ以外の手なんて、思いつかなんだのよ…」
法眼:「―――ならば、今は死ぬな。あんたには、まだ生きて出来ることがある」獣兵衛の絆を消去、HA《歩く影法師》を《獣の生命》にして使う。
アラキ:こっちから愛2点出るよ。
法眼:いや、この際『獣兵衛への拘り』を捨ててしまおうという演出だ(笑)。
GM/鉄斎:「…わしを、生かすのか…」
法眼:「…正直、俺も人のことを言えた義理じゃないがね。それでも今、あんたに死んで欲しくはねぇんだよ」
アラキ:「そうだな、閃鬼さんもそう望んでいるはずだ」
GM/鉄斎:「…最初から、最後まで。この巡り合わせは仙太郎のもたらしてくれた縁かもしれんわい…。わしに、生きろ、か…」地に臥して、さめざめと泣きます。
ユーリィ:「村は沈んだけど、生きている人がいるから…命、大事にしないと」
アラキ:「それに、こいつもな」鵺に向き直ります。「ユーリィ。力を貸してくれ」ユーリィに愛2点渡します。
ユーリィ:「…ん。分かった」鵺に近寄って。「いい子ね」頭を撫でてHA《獣の生命》…いいのかな。
アラキ:清めの音で鵺の『魔の部分』だけを消すので、犬を復活させてやって。
法眼:いいのか? 『鵺』として復活しそうな気がするんだが(笑)。
GM:まあ、いいでしょう。このくらいは(笑)。徐々にですが、鵺の体が小さくなり、いくつもの動物に分裂していきます。
アラキ:「音撃斬・輪廻転生」
GM:そうして残ったのは、一匹の犬です。犬は一同を見回して、今までのことをちゃんと理解していたように、頭を垂れます。
アラキ:「よかったな」頭を撫でる。
法眼:「これにて一件落着、か?」村を見回して頭を掻く。「…こっちは酷い有様だがなぁ」
GM:そうして、犬は一度、仙太郎のいた大咲屋敷の方を向き、送るように天に向けて喉を伸ばすと、長い遠吠えをあげます。
ユーリィ:「鉄斎、さん…これから、どうします?」
GM/鉄斎:「…また、山にでもこもるさ。ここには死んだ人間が多すぎる。供養でもして暮らすよ。皆には、世話になった」
ユーリィ:「ん…そうですか」同じく村の方を見て。
アラキ:「そうか、また修行に寄らせてもらうよ」
法眼:「まぁ、好きにするさ。穏やかに生きられれば、それが一番だ…」空を見上げる。
アラキ:「それが、俺たちの“守るべきもの”だな」

 ―――紅い夕映えが、遠くの水面に揺れて輝く。
 人々の想いと…友の無念が沈む、あのダムは。事件のことなど知らぬげに、ただ穏やかにそこに在る。
 死者は冥府に赴き、遺された者たちは……明日からも、また生きていく。

「……仙太郎。お前も、それを望むか…」

 星の出始めた遙か天上に、旧友の笑顔が見えた気がした―――。




THE END


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