●今回予告●
一度きりの人生。
後悔なんてしたくない。後悔なんてさせたくない。
その人生が、中身のない空っぽの人生だとしたら。
人は、後悔せずにいられるだろうか。
それでも後悔だけは、したくない。後悔だけは、させたくない。
愛と狂気が歯車となって、今、惨劇の幕が上がる。
Beast Bind New Testament
『空っぽの人生』
汝、命の価値を問わん。
オープニング ミドル クライマックス エンディング
■プレセッション■
GM(ラゼル):では揃いましたので、始めましょうか。
一同:よろしくお願いします。
GM:こちらこそ、よろしくお願いします。まずは、ルールの確認等を。登場判定ですが、こちらから特に指定がない場合は、7を目標値に判定してください。登場判定・絆判定も、ルールブック通りにお願いします。シーン登場回数は、実際の登場回数如何に関わらず、経験点計算上は9として扱う事にします。
一同:了解。
GM:まだ不慣れなもので、何かと不明瞭だったり、間違いあるかもしれませんが、よろしくお願いします。では、はじめましょう!
●PC1(定員1名) 推奨:自由。強いて上げれば探偵。
ネット上で知り合った女性から引き受けた、人探しの依頼。
依頼主である相良芳江は長期入院中のため、直接会った事はない。
これまで文字のやり取りだけの付き合いだったが、彼女は優しく、知的な印象を与える女性だった。
「自分はもう、長くない。だが最後に、もう一度会いたい人がいる」
彼女はそう告げた。
無味乾燥なはずの文字の羅列が、静かに、深く胸に染み入ったのを、君は感じた。
シナリオ絆:相良 芳江 (関係:友情など好意的なもの)
▼轟 響/偉大なる神々の運命 プレイヤー:chatchit
【マジシャン/イレギュラー】 年齢:外見22歳(実年齢300歳)/性別:男/カヴァー:大学生(*データ上はハンター)
「己が武器に抗いの想いを、己の身に存在の意思を込めろ! さあ、悪魔狩りの時間だ!!」
池袋のアレナを活動拠点とするアウトロー集団、“獣の血脈”(Bloody Beast。通称“BB”)のリーダー。
父親が遺した『未完成年代記』と黄金の魔剣、そして『ニーベルンゲンの指輪』を受け継いでいる。
しかし普段は、そんな事情を微塵も感じさせない軽薄な軟派男。リーダーの威厳も何処へやら。
得意は白兵戦のはずだが、実は《オリジナルスペル》&《結界魔法》コンボを利用した玉虫色戦術がメイン。
所持HA:《魔法の国よ》、《歩く影法師》、《ヴォイド》
●PC2(定員1名) 推奨:自由。社会人である事が望ましい。
友人の保坂登は、優秀な内科医だ。
勤勉で誠実、患者の為に苦労を惜しまない、医者という職業に理想を抱いたまま仕事をし続ける男だった。
月に一度は飲みにいく関係が続いて、もう暫くになる。
だが先月は連絡がつかなかった。そして、今月も。
几帳面な性格から、どれだけ忙しくても必ず連絡を欠かさない男にしては、珍しい話だ。
以前貰った名刺を確認し、訪ねた時―――初めて彼が、失踪していた事を聞いたのだ。
シナリオ絆:保坂 登 (関係:友情など)
▼鬼来 法眼/鬼法師 プレイヤー:麻那
【イレギュラー/ビースト】 年齢:33歳/性別:男/カヴァー:法力僧
「この身に流るるは鬼の血…されど宿るは人の魂。仏の力を借りて魔性を討つ、人呼んで―――鬼法師」
先祖返りで『鬼』の血脈に目醒めた流浪の法力僧。飄々としているように見えて、芯は熱い性格。
身長2mを超す巨漢でボサボサ髪に無精髭、顔も身体も傷だらけ。僧衣と下駄履きが基本スタイル。
鬼の血がもたらす忌まわしい食人衝動を堪えながら、人に仇なす魔物を調伏している。
実のところ『法力僧』としては二流以下だが、鬼の能力と実戦で鍛えた戦闘技術により『退魔師』としては一流。
昔、恋人を喰い殺しかけたトラウマから、自分と自分に流れる『鬼の血脈』を忌むべきものとして憎んでいる。
所持HA:《歩く影法師》、《歩く影法師》、《獣の生命》
●PC3(定員1名) 推奨:警察・退魔師など。
連続猟奇殺人犯、リパー。
鋭利な刃物で被害者を襲い、内臓の一部を持ち帰る。
極めて変質的で残虐なこの事件の現場からは、微かにだが魔の匂いがした。
この凄惨な事件を、二度と繰り返してはならない。
シナリオエゴ:切り裂き魔 (関係:闘争、他敵対的なもの)
▼八神 十夜/デュアル プレイヤー:Patriot
【マジシャン/マジシャン】 年齢:23歳/性別:男/カヴァー:聖職者
「これが、私の贖罪です―――容赦はしません」
街外れの教会に住み込みで働いている、世話好きで物腰穏やかな見習い神父。
退魔を生業とする魔術師の家系に生まれたが、本人は武器錬成以外の能力が欠落している落ちこぼれ。
家に伝わる禁忌の術に手を出した挙げ句、暴走。親友を半身不随にし、一族からも破門された。
以後、表向きは聖職者、裏では魔物事件専門のハンターとして贖罪の日々を送る。
肉体的にはただの人間であるにも関わらず、瞬間的な攻撃能力では強大な魔物達さえ凌駕する。
所持HA:《並列思考》、《魔法の国よ》、《リセット》
響:PC間の絆は法眼に好奇心。
法眼:十夜への感情は絆/信頼。
十夜:PC間絆は響に知己。
GM:では、開始いたします。
■オープニングフェイズ■
●シーン1 『あの人に逢いたい』 シーンプレイヤー:轟響
○響の自室
魔物といえど、発達した情報文化に取り残されるものばかりではない。
轟響もまた、その一人である。池袋に居を構える現役大学生にしてみれば、それは当然なのかもしれないが――。
今チャットで会話している女性、相良芳江も、そうしたやりとりで知り合った知人だ。
芳江は入院生活が長く、自分の話をするよりは聞き手に回る事が多い。
会話が一区切りしたとき、彼女がこう切り出した。
※以降は『チャット内の会話』という設定のため、敢えて未編集状態でお送りします。読みにくいと思われますが、御容赦下さい。
GM/芳江:「――響さん。実は、折り入ってお願いがあるのですが…」
響:「どうかしたのかい? 折り入ってなんて、また改まっちゃって」φ(。_ 。)
GM/芳江:「私がずっと、入院しているという事は、もうお話いたしましたよね」
GM/芳江:「本来なら自分で動くべきなんでしょうが、なにぶん外に出るのも思うままにはならない身でして…」
響:「うん、それは知ってる」φ(。_ 。)
響:「それでお願いってなに?」φ(。_ 。)
GM/芳江:「実は、ある人を探してほしいんです」
響:「夜這い? 違うよな〜(σ゜д゜)σ」
GM/芳江:「いえ…。その人の名前は、保坂登。私の主治医の先生です。2ヶ月前に失踪したまま、音信不通でして…」
響:「探し人か、誰? 彼氏?」φ(。_ 。)
響:「はぁ? なんだそりゃ? 医者が患者を診ないってなんですかそれ? ヽ(`Д´)ノ 」φ(。_ 。)
GM/芳江:「いえ、違います!」>彼氏 (文字だけ見るとそっけないが、返信までには相当な間が空いている)
GM/芳江:「…はい。登さんは、そんな事をする人じゃないんです。だから、きっと何かあったんじゃないかと思って…」
GM/芳江:「最近は、連続通り魔事件とかで、物騒ですし…それに」
響:「そもそも普通、そういうのは病院が管理してることじゃないの?(σ゜д゜)σ」φ(。_ 。)
GM/芳江:「病院でも、全く所在が掴めないみたいなんです」
GM/芳江:「それに…私はもう、あまり長くはないんです」
GM/芳江:「でも…。いえ、だからこそ…もう一度。もう一度だけ、あの人に会いたいんです」
響:「はぁ、居場所がわからないですか」φ(。_ 。)
GM/芳江:「…ええ。難しいお願いだとは思うんですが…」
響:「なに? あの窓の外の葉っぱが全部落ちる頃、私は死ぬのってやつですか? ( ゜Д゜)ポカーン」φ(。_ 。)
響:「まあ、良いでしょう。芳江ちゃんの頼みとあれば聞いておくのも悪くないですなー」φ(。_ 。)
GM/芳江:「…勝手なお願いをして、申し訳ありません。よろしくお願いします」
響:「その代わり、あんまり期待するんじゃないぞ」φ(。_ 。)
GM/芳江:「はい。ありがとうございます、響さん」
響:「まず、聞いておきたいんだけど、芳江ちゃんって、どこの病院で入院してるのさ」
GM/芳江:「それはですね…」病院の所在を教えてもらえます。
GM:では[SA:保坂を探す]を進呈いたします。特になければ、シーン終了で。
十夜:ふむ…アウトロー集団と聞いて想像してた性格とはちょっと…いや、かなり違うようだ(笑)。
法眼:PLとして何度か一緒したが……大体いつもこんなもんだぞ?(笑)
十夜:なるほど、アウトローと聞いて初めエゴを取ろうかとも考えたんですが…止めておいて良かった(笑)。
響:アウトローでもあるが…自己紹介にも書いてある通り、基本的には 軟 派 集 団 ですから。
十夜:…逆の意味でエゴにしておいた方が良かった?(笑)
響:いやぁ、照れるなぁ(違
法眼:……どうでもいいが。ネットでも本名教えあってるのな、彼ら(笑)。
GM:別名考えるの、面倒くさくって(笑)。
法眼:世間知らずの純なお嬢様なのだな、きっと(笑)。
十夜:…まあ、ネットの知り合いに人探しを頼むくらいですから(笑)。
響:あっ、ごめん、今までの「」内の芳江と響はラゼルとchatchitで変換ということで!(まて
▼絆/エゴの変化
響:相良芳江に絆/尽力を取得。
●シーン2 『無力な男』 シーンプレイヤー:鬼来法眼
○とあるバー/2ヶ月前
今月もまた、鬼来法眼は高校時代の同級生、保坂登と酒を飲んでいた。
法眼が魔物と知ってなお、その態度を改める事のなかった友人。
自分の事より患者の事を優先する、医者の鑑と言える男。
口からついて出る言葉も、仕事の事ばかり―――のはずなのだが、最近は少し様子が違ってきていた。
GM/保坂:「…で、だ。その患者がな。相良芳江さんって言うんだが…。彼女はずっと入院生活なんだが、これが驚くほど賢い女性なんだ。普通ベッドに縛り付けられてたら、勉強なんぞしないもんだが…。それに、とても優しくてね。同じ入院仲間の人たちを励ましたり…院内で迷子になった子供をあやしたり…」
法眼:「…重病なのか?」
GM/保坂:「…ああ。正直…医者としての無力感を、禁じえないね…。ああ…なんでだろうなぁ。なんでよりによって…彼女のような人が、あんな事に…」
法眼:「酷なようだが…特定の患者に思い入れし過ぎない方がいい。辛くなるぞ」
GM/保坂:「わかってるよ! …わかってるんだ。………わかっているんだよ。それでも…俺は………」
法眼:…といっても、無理だろうな。既にホの字っぽい。
GM/保坂:「なぁ、法眼。お前、女に本気で惚れた事はあるか? 自分でもどうしようもないぐらい、惚れて惚れてどうにもならないって経験…お前にはわかるか?」
法眼:「…ない、とは言わんさ。だが……それでもどうしようもないことってのは、あるもんだ」昔を思い出し、遠い目をする。
GM/保坂:「…そうかもな。…くそ。お互い、バカな惚れ方をしちまったらしいな…。惚れた腫れたで、こんな苦しむ日がくるとは、な…」そう言って、保坂は笑った。自嘲の笑みを浮かべ、酔い潰れていた。
○現在
GM:あれから、2ヶ月。保坂からの連絡は、先月も、今月もない。実家、友人関係…つてを頼って連絡をとった。勤務先の病院ですら、彼の所在は掴めていないという。
法眼:お互い、仕事で忙しいから気にも留めなかったが…さすがに心配だな。
GM:折りしも、街は『連続通り魔・リパー事件』で緊張が高まっている。周囲の人々も、心配を隠せない様子だった。
法眼:「…ちっ。こんな時に……厭な予感がしやがる」
GM:[SA:保坂を探す]を進呈します。特になければ、シーン終了で。
法眼:了解。情報判定はミドルですな。
GM:はい、ミドルフェイズで行います。
法眼:では、次へどうぞ。
▼絆/エゴの変化
法眼:保坂登に絆/友情を取得。
●シーン3 『許せぬ咎人』 シーンプレイヤー:八神十夜
○『リパー事件』殺害現場
連続殺人犯、リパー。警視庁死霊課、長沢遼の依頼で追跡を始めた犯罪者。
奴は、今日もまた獲物を捕え、凄惨な宴を催したようだった。
GM/長沢:「これだ。…ひでえな。今回は…胃か。毎回毎回、奴は内臓を持っていく」目の前に転がっているのは、若い女性の死体。臓物を抉り出され、苦悶のうちに死んでいる。一緒に調査に来ていた若い警官が、堪えきれず嘔吐する声が、背後から聞こえてくる。
十夜:「…なるほど、毎回毎回酷いですね」遺体を観察中。
GM/長沢:「ただのアーティスト…変質者なのかもしれないが、俺はそうじゃないと見ている」
十夜:「わたし達に近い者だ、と」
GM/長沢:「ああ。恐らくな。今回は偶然だが、奴を包囲できたんだ。だが…」見れば物陰にはカバーをかけられた遺体…数人の警官が、銃を手に持ったまま、全身を鋭利な刃物で切り裂かれた姿で横たわっている。「趣味的な…性的倒錯者やら、快楽殺人症やら、そんな奴がピストル持った警官4人を殺れるなら、日本はとっくに滅んでいる。リパーは…そんな奴じゃない。恐らく、“こっち側”の件だろう」
十夜:「…なるほど、そこでわたしの出番ですか…」そう言いながら遺体の傍に跪いて十字を切る。
GM/長沢:「リパーが魔物、という確証が得られたわけではないが…この様子では、それも視野に入れる必要があるからな。悪いがこの件、お前に受けて貰いたい。…頼めるか?」
十夜:「わかりました、全力で当たりましょう。ところで、犯人は毎回同じ部位を?」
GM/長沢:「いや。毎回毎回、違う部位…内臓ばかりを抉り出している。それも、驚くほどの手際の良さでな。…資料はこれだ」長沢が、紙束を放り投げて寄越す。内容は、シーン終了時に伝えます。
十夜:「何か目的があると考えた方が良いですね」資料をパラパラめくった後で懐にしまい。「被害者の共通点は?」
GM/長沢:「現段階で判っていることは、資料に書いてある。こっちはこっちで大忙しでな、もう俺は行かなきゃならん。悪いが、その資料に目を通しておいてくれ。なんでもDr.オルガーとかいう、とんでもない外道の魔術士が西洋から渡って来て、この街に潜伏しているらしくてな。…全く、寝る暇もないよ」長沢は手を振りながら去っていく。
十夜:「わかりました、それでは。お仕事頑張ってください」と言って殉死した警官達に黙祷を捧げてから立ち去る。
資料に書いてあったのは、リパー事件についての詳細。
リパーと呼ばれる、オペラマスクを被った変質者。鋭利な刃物で若い女性ばかりを狙い、内臓を持ち去る。
警察でも詳細を調査しきれておらず、対魔物班たる死霊課が乗り出してきた。
そしてその事件の時には、現場近くである男の姿が複数回目撃されている。
男の名は――――保坂登、といった。
GM:[SA:リパー事件を解決する]を進呈します。特になければシーン終了で。
十夜:「まず、この保坂登という人を当たって見ましょうか」資料をめくりながら。
法眼:Dr.オルガー? ハンドアウトにはなかった名前だな。
十夜:ですねぃ…気になります。
法眼:いちおう、記憶に留めておこう。ひょっとしたら黒幕かもしれん。
響:どこまで絡んでくるかだな。これで次回のセッションの敵とかいうのならアレですが(笑)。
法眼:それはあんまりってもんだ(笑)。
十夜:一方その頃話だったらアレですな(笑)。
GM:はっはっは、流石にそれは…(笑)。
▼絆/エゴの変化
十夜:リパーにエゴ/不寛容を取得。
■ミドルフェイズ■
●シーン4 『探る者たち』 PC全員登場
響:合流シーンはなし?
GM:ミドルフェイズではロールプレイなしで、全員に各2回ずつ情報収集判定を行っていただきます。合流等、物語の進行は、その後で行います。
法眼:なるほど、この前のセッション(*筆者は不参加)でやってた手法か。
十夜:了解、特殊ですな。
GM:合流前に、一旦調査をしてからの方が話が早いかな…と思いまして。仮の手法ですが。まず、各PCに可能な『情報収集項目』と『各情報項目に使用できる技能』をこちらから提示します。
・情報項目
轟響:《保坂登》《相良芳江》《リパー》
鬼来法眼:《保坂登》《相良芳江》《リパー》
八神十夜:《保坂登》《リパー》《Dr.オルガー》
・各情報項目に使用できる技能
《保坂 登》 情報/噂話、警察、社交界
《相良 芳江》 情報/噂話、警察、社交界
《リパー》 情報/噂話、警察、魔物、裏社会
《Dr.オルガー》 情報/魔物、社交界
響:まあOPの流れ的に、俺は《保坂登》と《相良芳江》かなぁ。噂話も警察も社交界も技能持ってないがな!(笑)
GM:ないとは思いながら設定してます(笑)。それを見越して目標値設定してますので。
十夜:わたしは《リパー》と《Dr.オルガー》ですね…前のシーンでああ言っておいて何ですが(笑)。
法眼:…しかし拙いぞ。このメンバー、情報収集得意な奴がいない(笑)。
十夜:優一(*『佐伯優一』、情報収集特化キャラ。十夜PLの別PC)を使い慣れると…何だね(笑)。
法眼:情報屋の種類を増やして、多少は情報系にも強くなったが…幸見ほどじゃないんだよなぁ(笑)。
十夜:頑張って全部取るんだ(笑)。
法眼:無理いうな。設定的に取れそうなのは全部取ったわい(笑)。
GM:そこで社交界デビューを!(一同爆笑)
十夜:優雅に踊る法眼(笑)。
法眼:にあわねぇー!(爆笑)
響:俺を脳死させるつもりか!(爆笑)
十夜:…まあ、キャラに合わないものは取らないほうが良いです(笑)。
法眼:まぁ〈運動〉は高いから、スピード感溢れるダンスなら踊ってやるがね(笑)。
十夜:タップとか…ブレイクとか?(笑)
GM:では響から順番に2回ずつ、項目と技能指定の上で、判定どうぞ。
響:では《保坂登》《相良芳江》で判定します。両方とも噂話で(ころころころ)達成値11と14です。
・《保坂 登》
達成値0:A病院に勤める医師。内科担当で、優秀で人柄も良く、欠勤も決してなかった。だが、ここ2ヶ月の間失踪している。高校の同級生、鬼来法眼と親しく付き合っていた。
達成値5:《相良芳江》という女性の主治医であった。彼女の病状は重く、現代医学では手の施しようがなかったという。保坂は医者として、そしてそれ以上に一個人として強い苦悩を抱いていた。
達成値7:《リパー》の事件現場付近で複数回目撃されており、警察では重要参考人として追っている。
GM:まだ判明していない情報が残っています。次回判定時には、+2のボーナスがつきます。次、《相良芳江》です。
・《相良 芳江》
達成値0:資産家の娘で、事故に遭い、幼少時から病院暮らし。現在もA病院で入院しており、主治医は《保坂登》という男性。
達成値7:保坂とは患者と主治医という関係を超えた感情を互いに抱いていたが、病からの遠慮か、特に深い関係には至っていない。保坂は現在失踪中であり、身元を案じている。その捜索を、轟響という男に依頼した。
達成値9:彼女は幼少時の事故により、内臓が使い物にならぬほどの損傷を受けた。彼女の両親は彼女を救うため、闇医者の《Dr.オルガー》という男を招聘し、人工臓器手術を施した。
達成値11:オルガーの手術により内臓全てを人工臓器に置き換えたが、それももう長くは持たないという。彼女は己の死を受け入れ、最後の瞬間を静かに待っている。できるなら、その瞬間を結ばれる事のなかった想い人と、共に過ごす事を夢見ながら。
GM:以上で全てです。次、法眼の情報収集をどうぞ。
法眼:《保坂 登》と《リパー》を両方とも噂話&情報屋で。(ころころ)両方とも16だな。
GM:まず《保坂 登》の情報です。達成値10以下の情報は、先程と同じなので省略いたします。
・《保坂 登》
達成値11:最近、相良芳江に関する事で、《Dr.オルガー》なる人物に接触をとったらしい。
達成値13:郊外の廃病院に出入りする姿が目撃されている。その病院の住所を得る。
・《リパー》
達成値0:連続猟奇殺人事件の犯人。オペラマスクを被り、内臓を抉って持ち帰る変質性の強い犯人。詳細は、警察でも全く掴めていない。犯行は2ヶ月前から始まった。
達成値7:襲われるのは女性ばかり。警視庁でも魔物対策班として知られる死霊課が動いており、リパーは魔物ではないか、という声もある。
達成値9:現場付近で、《保坂登》という男性が複数回目撃されており、警察は彼を重要参考人として追っているが、まだ捕まっていない。
達成値11:リパーは、同じ内臓を持ち去る事はない。またその切開技術は、本職の医者のように鮮やかで、正確な知識と技術に基づいたものだ。
達成値13:また、郊外の病院跡地近くでも目撃情報がある。
GM:両方とも情報は以上で全てです。では次、八神十夜の情報収集判定をどうぞ。
十夜:では、《リパー》と《Dr.オルガー》を。両方とも魔物で(ころころ)14と15です。
法眼:おぉ、高いなー。
十夜:何故か、ダイス目が良かった(笑)。
法眼:情報屋、要らなかったみたいだな(笑)。
十夜:ちょっと…どころか凄まじくドキドキ(笑)。一人だけ知らないで出て行くのも何ですし…。
GM:《リパー》については、先程で全て情報が出ているので、省略します。
・《Dr.オルガー》
達成値0:半ば伝説と化している狂気の魔術師にして、医師。永遠の生命を研究しており、その目的の為なら平然と非道な行いをする。
達成値7:2ヶ月ほど前、《保坂 登》という医師と接触を持った。《相良 芳江》という女性に関わる問題だったという。
達成値9:オルガーは不死術研究の一環として、心霊医術の権威としても知られている。殺した人間の器官を魔術的に加工し、既存の肉体と入れ替える事で数百年生き伸びている。
達成値11:20年ほど前、彼は莫大な報酬と引き換えに、相良芳江に人工臓器を移植し、その命を助けた。その人工臓器が、もう間もなく限界を迎える。その様子を見に(無論、親切心ではない)、この街に現われたようだ。
達成値13:オルガーの潜伏場所は、郊外にある廃墟となった元病院。病院の住所を得る。
GM:以上で全てです。では、シーンを終了します。
一同:了解です。
●シーン5 『切り裂き魔』 シーンプレイヤー:なし 登場難易度:7
○池袋/深夜
それぞれが、それぞれの調査を終えて、今は夜。
東京の夜は、暗い。
渋谷、新宿、銀座…大きな街は特別だ。池袋自体が比較的新しい街だ、という事もある。
池袋そのものはともかく…その近郊は、まだ昔ながらの街並みを残し…そして、リパー事件で騒がれる昨今は、夜ともなれば人気も少ない。
だが仕事が遅くなれば夜道を歩かざるを得ないし、そもそも夜に働く者もいる。
それが女となれば、“そういう仕事”も多々あるのが、東京という街だ。
息を潜めて静まり返る住宅街。
車の行き交う音だけが響く中、微かに、その声は響いた。
―――女の、悲鳴が。
響:(ころころ)登場判定は成功。病院で保坂登と相良芳江の情報を得て、その帰りということで登場します。「女の悲鳴?」悲鳴に向かって駆け出します
法眼:(ころころ)こっちも成功。保坂を捜して歩き回ってるところで悲鳴を聞きつけた。
十夜:(ころころ)あぶね、ギリギリ(笑)。
GM:全員登場ですね。3人の男が駆けつけた先には、血塗れの女。そして見知った顔(PC同士)が、同じように駆けつけてくる。
法眼:ジャンプして現場までひとっ飛びだ。
十夜:廃屋とやらに向かう途中で悲鳴を聞きダッシュ中。
GM/女:「ひっ…い、やぁ…!」むせ返るような血臭。痙攣する女。目は苦痛と恐怖と絶望に見開かれている。
響:「おいっ、大丈夫か!?」女に駆け寄る。
法眼:天から降りたって「…っ、こいつは…!」
GM:その前に蹲り、両手を激しく動かしているオペラマスクをつけた男。唖然とするほどの手際で、女の臓物を切り分けている。女の目は次第に焦点を失い、そして…ほどなくして完全に白目を剥いた。
法眼:「やめろっ!」演出で《恐怖の咆哮》使いたいが。
十夜:「リパー!」と怒鳴りながら、演出で《武器練成》して突撃。
響:白木の棒を取り出して、オペラマスクを牽制。
GM/マスクの男:「…れで…これで、彼女は…彼女の……は……助かるんだ……これで、これ…で…」マスクの男――リパーに攻撃が当たる、という寸前、瞬時に振り返り身をかわす。
法眼:「…お前はッ!?」うわーぃ、予想通りだ(泣)。
響:「わかんねぇこと言ってんじゃねえぞ!」マスクに一撃を入れる! 判定必要っすか?
GM:命中判定どうぞ。響のみで。
響:白木の鞘から《魔剣》を抜いてメジャーで斬りつける。常時アーツでコストはゼロ、8以下でクリティカル。(ころころ)クリティカルで命中。
GM/リパー:「………ッ!?」
十夜:出た、クリット特化(笑)。
響:伊達に雑魚戦用にコスト0アタックは持ってない(笑)。
十夜:良いなぁ…十夜、コストでか過ぎて雑魚戦は出来ない…。
法眼:俺も何かとコストでかいからなぁ。雑魚相手に本気は出せんぞ。
響:その代わり、ボス戦はコスト高いのが何個も組み合わされるので。人間性24もあるけど、プラスで終わることはほぼない!(笑)
GM:魔物の力を活かした突撃が功を奏し、リパーのマスクが弾け飛ぶ。
響:マスクを弾ければ御の字!(笑)
法眼:「お前……保坂…か?」
GM:その下から現われた顔は、間違いない。響は相良芳江から受け取った画像データで、十夜は警察の資料で。法眼は、見間違えるはずもない。…保坂登の、顔だった。
法眼:「登、お前ッ!!」掴みかかろうとする。
響:「てめえ……芳江ほっといて、こんな所で何してやがる」
GM/リパー→保坂:「…法眼…? なぜ、なぜ俺の邪魔をするんだ…?」心底不思議そうな顔をして問いかける。
法眼:「馬鹿言ってんじゃねぇよ! お前、自分が何やってるか判ってねぇのか!?」
十夜:「あなたは…保坂さんです…ね!」攻撃を外した体制から振り向きざまに攻撃。躊躇する理由が無いので。
GM:保坂は呆然と立ち、十夜の攻撃に気付きつつも反応が遅れています。当てるつもりなら、判定どうぞ。演出でもどちらでも、こちらは構いません。
法眼:すまん、それはカバーリングするわ。
十夜:じゃあカバーリングされます。「法眼さん!? 何故?」
GM/保坂:「…法眼。俺は…俺は…。ひ、ひつよ、うなんだよ。これが…内臓が。どうしても、どうしても必要なんだ」
響:「……さっきから、なに言ってやがんだ? こいつ…」警戒する。
GM:いつも優しい光を宿していた保坂の目は狂気に濁り、微笑みを絶やさなかった口元は、恐怖、焦燥、絶望…溢れ出す負の感情で戦慄いている。
法眼:「お前…糞ッ!」保坂を拳骨で殴り倒す。
GM/保坂:「ガッ!」法眼の拳で、吹き飛ばされる。保坂の懐から、臓腑が零れ落ちる。…目の前の女性から切除したばかりの、臓腑が。
法眼:「正気に戻れ、登! お前の目指してた『医者』ってのは、そんなもんじゃねぇだろうが!」
GM/保坂:「あ…ああ…。なんだ、そんな事か…?」正気とは思えぬ、ひきつった笑みを浮かべる。「医者なんて、無力だよ法眼。何も…何もできやしない。俺では芳江さんに…何もしてやれないんだ」
法眼:…説得しようにも彼女の病状を詳しく知らないから、これ以上は無理だな…。
響:女性はもう死んでる?
GM:死んでます。
十夜:「……何かわけ有りなようですが、その男。とりあえず死霊科に引き渡したいと思いますが」武器を収めながら。
響:「保坂登、お前を殺人の現行犯で逮捕する」白木の棒を油断なく構えて。
GM/保坂:「ヒッ…ヒヒ…だ、めだ…。俺は、俺はまだ捕まれない。これを、この内臓を待っている人がいるんだ…!」落とした臓腑に縋りつき、懐に収める。
響:「うるさい、それがどうして連続殺人に発展する!?」
GM/保坂:「クク…もうすぐだ。もうすぐ、元に戻る。空っぽの彼女の身体を、満たしてやる事ができる…!」
響:「待てっ!」
法眼:「……逃がさねぇ!」捕まえようとする。
GM:保坂の姿は、影に吸い込まれるように消えます。
響:「なにっ!? 『業』だとっ!?」
法眼:「…っ?! これは…そんな、馬鹿な…」呆然と立ちつくす俺。「あいつは…ただの人間、だったはずだ。なんで、こんな…」
響:「ちょっとまて、あいつ、普通の人間だったのか!?」
十夜:「逃がしてしまったのはしょうがないです…行く先の見当は付いていますので、歩きながら情報交換しましょうか」電話で警察に連絡取りましょう。
法眼:「あぁ…詳しい話を聞かせてくれ。…糞ッ! 何がどうなってやがる!?」ブロック塀に拳を叩きつける。そしてガラガラと崩れる塀(ぉ
十夜:「彼は狂っています…呆然としてる時間はありませんよ」女性の傍に跪いて十字を切り。「人間の内臓を人工臓器に変換する人が居るんですよ。その人に頼って、その芳江さんという方を助ける気なのでしょう…」
響:「内臓を人工臓器に変換する? そんな奴がいるのか? それと相良芳江にどういう関係があるんだ?」
GM:では、一旦シーン終了しようと思いますが、宜しいですか?
一同:OKです。
響:では十夜に絆チェック。(ころころ)成功、内容は尽力で。
法眼:食人衝動のエゴを絆に書き換え(ころころ)、次は響に絆取得(ころころ)両方成功。食人衝動は抑制、響へは知己で。
十夜:法眼に絆チェック(ころころ)絆/信頼で取ります。
GM:前シーンで絆判定について言及しておらず、判定機会を逸してしまったので、このタイミングで前シーン分の絆操作を行ってください。
響:あっ、シーン中にリパーに絆チェックするの忘れた!(笑)
GM:書き換えも、今行ってもらって構いません。
響:ではOPの分で人間、相良芳江とロールプレイしたのでその分で。エゴ:人間に対して絆チェック(ころころ)エゴ/支配から絆/共存へ。
十夜:ではリパーこと保坂に絆チェック(ころころ)6ゾロ。いらねぇ所で…。
法眼:出目がいいな(笑)。
十夜:ってことで絆/救済を取っておきます。今のままだと「救済=死ね」ですが(マテ
法眼:残り枠は2つ。芳江さんとオルガーの分かな。
GM:では、シーン終了。とりあえずこの時点で、一旦休憩と致します。再開は23:40からとします。
法眼:了解。クライマックスまで残り1〜2シーンくらいかな?
GM:そんな感じです。前回のセッションが時間超過したので、今回は短めを意識しましたが…少し早すぎたかもしれませんね。
十夜:とりあえず、今回皆さんは説得派ですか? それとも戦闘派?
法眼:俺の方針としては説得だけど、戦闘もありだと思ってるよ。
十夜:なるほど…わたしは今回戦闘かな…説得聞かないみたいだし…。
響:魔物を通り越して悪魔化してそうなイキオイですからね〜。エゴオンリー? 基本的に悪魔になるとエゴの塊だから我侭が多いし。
十夜:でもまぁ不気味なのはDr.オルガーとやらなわけで…。
法眼:魔物化した原因が《人鞘》とかオルガーの術か何かによってなら、そっちを斃すのもありだが…。新約だと、普通の人間も何かの弾みで魔物になりうるからなぁ(溜息)。
十夜:そこまで都合が良いのは…あまり期待は出来ませんな。OPの印象からだと、人鞘外れたら自殺しそうだし。
法眼:あぁ。今回、ハッピーエンドはあまり期待してない。努力はするがね。
GM:一応確認しとくと、これから十夜が警察に連絡入れて、廃病院へ向かうって事でいいんでしたっけ?
法眼:そうなるかな?
十夜:良いと思います、道中カクシカで色々話して。
GM:了解です。では時間になったので、再開しましょうか。
▼絆/エゴの変化
響:人間へのエゴを絆/共存に変更。十夜に絆/尽力を取得。
法眼:食人衝動へのエゴを絆/抑制に変更。響に絆/知己を取得。
十夜:リパーへのエゴを保坂への絆/救済に変更。法眼に絆/信頼を取得。
●シーン6 『急行』 PC全員登場
○池袋/深夜
GM:リパーが消えた後。長沢遼が、十夜からの電話に出る。「何か、わかったのか?」
十夜:「犠牲者です、場所は○○です」現在の場所を教えます。
GM/長沢:「…そうか。わかった。リパーはどうなった?」
十夜:「リパーと接触、現場に居合わせた半魔によって素顔を確認しました…保坂です」
GM:『電話だと一人しか話せない』というアホな事に、言ってから気がつきました。お二人には申し訳ない…。
法眼:まぁ、今は長沢と話したくない気分なので(笑)。←別の事件で長沢とは知り合い。
GM/長沢:「………そうか。やはり、というべきか…」
十夜:「接触後逃走、わたしは今から郊外にある現廃墟の元病院に行ってみようと思います」
GM/長沢:「…ん? ちょっと待ってくれ」一旦電話が保留され、メロディーが暫く流れる。
十夜:「…(何故、『森の熊さん』?)」メロディー聴きつつ(ぇ
GM/長沢:「…今から、病院へ向かうんだな?」保留解除後に聞き、念を押す。
十夜:「はい、現在廃墟のようですが。そちらでは何か情報は?」
法眼:…電話保留の間、死霊課で何か動きがあったっぽいのが気になるんだが。
GM/長沢:「保坂が臭い、廃病院をアジトにしている…という事ぐらいか。お前らより情報は遅いようだ。頼んだ甲斐があったな」
十夜:「本人に接触しましたからね…今の保留はその件ですか?」
GM/長沢:「先程報告があってな。奴が勤めていた病院に、俺が追っていたDr.オルガーらしき人物が現われた、という報告があった。現地の部下が、殺られたようだ。俺はそちらに向かう…奴の目的が何かは知らんがな。保坂と絡んでいるような話もあったが…その件かもしれん」
十夜:「…わかりました、新しい情報ですね。何分ほど前に?」
GM/長沢:「つい先程だ。5分も経っていない」
十夜:「他の情報は入ってないんですね? …わかりました、お気を付けて」
GM:ということで、電話は切れる。
十夜:「さて…どう動くべきか…」呟きながら携帯をしまい。
法眼:「…その病院の件、芳江ってお嬢さんが攫われたのかもな」
十夜:「かもしれません、どちらに向かいますか?」
法眼:「廃病院へ急ごう。どちらにせよ、動きがあるならそこだ」
十夜:「そうですね、攫われたとしたら行き場はそこでしょうし」
響:「困ったな、芳江が危ないのなら助けに行きたいが…長沢っていう刑事は信用できるしな…」
法眼:「助けに行くにしても、今から攫われた病院に行くんじゃ擦れ違う可能性が高い」
十夜:「では、急ぎましょうか。狂気が実践される前に」と言うと走り出す。
法眼:「廃病院の場所は知ってる。行くぞ」ごつい軍用のジープで向かおう。
十夜:「って、車持ってるんですか…」ジープに飛び乗り。
響:「車か、こういうとき便利だな」
法眼:このジープ、実は装備として持ってるわけじゃないが…公式リプレイ見る限り、演出だけなら何でもありみたいだからな(笑)。
十夜:なる(笑)。
GM:では特になければシーン終了で。
▼絆/エゴの変化
響:保坂に絆/追求を取得。
法眼:相良芳江に絆/救済を取得。
十夜:相良芳江に絆/救済を取得。
●シーン7 『刑事の意地』 マスターシーン PC登場不可
○豊島区池袋―――A病院
深夜の病院は静まり返り、ただ一つの靴音だけが、高く響き渡る。
靴音は『相良芳江』と書かれた病室の前で止まり――扉を開く。
「やぁ。警視庁死霊課の長沢遼君。会いたかったよ」
「…その女性を離したまえ」
白衣の老人、Dr.オルガーは微笑みを崩さず、しかしその場から動こうとしない。
十夜:…ぬぅ、長沢ピンチ(笑)。
法眼:…ま、まぁ大丈夫だろ(笑)。
「いい眼力だ。それに今練っている法力も、相当な修行を積んだようだね。実に素晴らしい」
長沢は無言で術を放つが――Dr.オルガーの手前で障壁に阻まれる。
「いい術だ。だが私を相手するには、もう700と34年早かったね、長沢遼君」
オルガーがすっと手を掲げると、凄まじい閃光が迸る。
光が晴れたその部屋に残っていたのは、血塗れで倒れる長沢遼、ただ一人であった。
GM:シーン終了。
響:長沢ってルルブの長沢遼だよな。あやつ、普通の人間だが?
GM:設定に『法力が使える』って書いてあったんで、そう演出しました。
法眼:法術と格闘をたしなむだけの、ノウンマンだな。演出だし、このくらいはありだろう。
十夜:…ってか、魔かどうかは心の持ちようだけらしいから(笑)。
響:エゴが奈落と直結し、結果アーツを使えるようになった存在が魔物〜。あと、魔物はかりそめの死から復活できる。というより、人間は肉体があまりにも脆弱なので、かりそめの死からすら復活できず、そのまま真の死を迎える。
響の蘊蓄は旧版・魔獣の絆の世界観に基づいた物です。
しかし新約になってから『生粋の人間が、何らかの切っ掛けで魔物と同じ能力を得る』ことも起こり得るようになりました。
ですので……あまり旧約の記述に縛られるのも何だなぁ、と個人的には思います。
●シーン8 『狂気の愛』 PC全員登場
○廃病院/深夜
打ち捨てられた廃病院。
人気もなく、静まりかえったそこは、連続殺人犯と、魔術士のアジトとしては相応しい佇まいだった。
来る者を拒む瘴気に包まれたそこは、何人の侵入をも阻むだろう。オルガーと、保坂以外の人間は…。
GM:SA使用で、内部に侵入可能です。
法眼:2つめのSA、もらったっけか?
GM:失礼、忘れていました。不慣れがモロに出ますね、この辺は…(苦笑)。SA、ドミニオン、絆辺りがどうにも扱いきれないなぁ。
法眼:どんまい♪
響:まあ、最初のうちはそんなもんだと思うよ。BBNTって結構特殊だし。
法眼:はっはっは、この前オフでGMやった時、中盤まで絆チェックの存在を忘れてたさ(爽)。
GM:先程のGMシーン終了時点で、[SA:芳江を救う/Dr.オルガーを倒す]から選択してください。[SA:保坂を探す]でも侵入可能です。
法眼:ふむ、では[SA:保坂を捜す]で登場しようか。2つめのSAは[芳江を救う]をもらおう。
十夜:[SA:Dr.オルガーを倒す]を貰って使用、登場します。
響:[SA:芳江を救う]を選択します。
GM:病院内部は静まり返り、闇に包まれている。だが一部屋だけ――かつては手術室だったであろう、その部屋だけは明りがついている。
響:明かりの向こうへと向かう。どうせ、やつらは結界張ってたんだし、罠はないだろうという判断だ。
GM:部屋の中には、保坂登がいる。今からオペを始めるかの如く、手術用の白衣を着て、機器を並べている。今はまだ、室内にDr.オルガー、芳江の姿は見えない。保坂一人だけだ。
響:扉を開け放つ。
法眼:「―――よぉ、登。邪魔するぜ?」
GM/保坂:「…法眼か。それに、後の二人は見た事がないが…もうすぐオペが始まる。部外者は立ち入り禁止だ。…出て行ってもらえないか?」
響:「そういうわけにはいかない。お前にこれ以上罪を重ねさせるわけにはいかないからな」
GM/保坂:「ああ、そうだな。これ以上の罪は重ねないさ。もう間もなく、先生が芳江さんを連れてくる。そうすれば…オペができる。彼女を救えるんだ。救えるんだよ…!」
十夜:「…出ては行きません。貴方を止めます、力ずくでもね」袖口に呪符を用意しつつ。
法眼:「…話は聞いた。芳江さんを助ける、そのためなんだってな?」
GM/保坂:「…ああ。他に手段がなかった。彼女の臓器はとっくに失われていて、今日まで生きている事の方が奇跡だった」
響:「馬鹿なことを考えるんじゃない。Dr.オルガーの指示か?」
GM/保坂:「だが、先生なら…。Dr.オルガーなら彼女を救えると、そう聞いた。オルガーの作る人工臓器は、とても現代医学では追いつけないものだ…」
十夜:「それが本当の救いになるなら…ですがね」呟きつつ、今は会話に入るべきでないと判断、壁際に下がります。
法眼:「…登。お前から芳江さんについてはさんざん聞いた。救いたい気持ちは痛いほど解る。だけどな…」
GM/保坂:「先生しか! オルガーにしか作れないんだよ! 彼女はオルガーの作る臓器がなければ死んでしまう! 他に方法がないんだぞ!?」
響:「それならDr.オルガーの手による前回の結果を忘れたのか? 20年持てば良い方だったんだろう!?」
GM/保坂:「このまま、このまま黙って見ていろというのか? 死んでいく彼女を! 僅か4歳から、ずっと病院から離れられない彼女を! 見捨てろと!」
響:「そして20年後、また彼女の為と言いながら、また他人を殺して。罪を犯して、そうやってまた罪に塗れた臓器を彼女に与えるのか!?」
法眼:「……芳江さんは、多くの人間を犠牲にして命を救われても、喜んではくれないだろう?」
GM/保坂:「…ああ、そうさ。だが…こうは考えられないか? 知らせなければいいじゃないか。そうすれば、罪に塗れるのは俺だけで済むんだから…!」
響:「それは、ただの弱虫の言い訳だ」
法眼:「知らないままで、すむと思うのか? ずっと秘密に出来るとでも?」
GM/保坂:「秘密にしておけばいい。悲しくても苦しくても間違っていても、彼女はそれを悔いる時間すらないんだ」
十夜:「…エゴに染まった挙句に自己陶酔ですか…」後ろでボソリと。
響:「罪に塗れるのは俺だけ? そうか? だけど彼女は知っている。自分の身体は長くないと」
法眼:「彼女は自分の死期を悟ってる。助かったとしても、怪しむのは時間の問題だ。…誤魔化し続けるなんて、できっこない」静かに首を振る。
響:「今回、その手術によって助かっても、彼女は疑問に思うだろう。お前は彼女の疑問に答えられるか?」
法眼:「登……お前は、残された時間で彼女を精一杯見守るべきだった。それが、どれほど辛いことでも…愛しているのならば」
十夜:2人とも熱いなぁ…(笑)。
法眼:まぁ、このくらいは言わないとな。友人として(笑)。
十夜:見習いたいところです、乗り遅れた(笑)。
GM/保坂:「法眼…それがお前の、女の愛し方…か。長い付き合いだったが…どうやら、この一点だけは平行線になっちまったなぁ」
法眼:「……戻る気は、ないのか?」
響:「彼女は聡いぞ? お前の嘘に一度でも疑問を持てば、彼女は自分ひとりでも自分の身体の謎を解こうとするだろう。もう一度言う。お前は彼女に嘘をつき続けられるか? いずれ彼女も罪を自ら知る時がくるのを知りながら!」
GM/保坂:「だろうなぁ。無理だろうなぁ。それでも…俺は駄目なんだよ。俺はお前たちほど、強くはなれねぇや…」諦めたような笑みを浮かべる。
法眼:「―――ならば、俺はお前を止める。友としてな。芳江さんも…そう望むだろう」淡々と。
響:「俺は、お前が二ヶ月間見捨て続けた彼女の友人として言わせてもらう。『お前の狂気はここで止める』と」
GM:そして保坂は、法眼に向かって飛び掛っていく。処置はご自由にどうぞ。敢えて今まで言いませんでしたが、保坂はエキストラです。
法眼:鳩尾に一撃。気絶させる。
十夜:「わたしは強くは無い…ですが、貴方のようにはなりたくない」静かに呟き。
GM/保坂:「ハハ…情け、ねぇ…なぁ…俺は、…結局…」気絶します。
法眼:「…どれほど変わり果てようとも…理想を無くそうとも。お前は俺の友人だ。それだけは、絶対に変わらない…」気絶した保坂を抱き止める。
▼絆/エゴの変化
響:保坂への絆内容を軽蔑に変更。Dr.オルガーに絆/敵意を取得。
法眼:Dr.オルガーに絆/執行を取得。
十夜:Dr.オルガーに絆/不寛容を取得。
■クライマックスフェイズ■
●シーン9 『命の価値は』 PC全員登場
GM:保坂が気絶した直後。廃病院に、靴音が響く。靴音は次第に手術室に近づき、扉が開かれる。入ってきたのは、白衣の老人。そして肩に抱えられた、相良芳江。
法眼:「――――やっと戻ってきたか。藪医者」
響:白木の棒を構え、振り向く。「Dr.オルガーかい?」
十夜:「こんばんは、Dr.オルガー」微笑み挨拶。でも目は笑ってない。
GM/Dr.オルガー:「いかにも。君たちは…ああ。保坂君のご友人かな?」オルガーは室内に進み、芳江を手術台に寝かせた上で振り返る。
法眼:「俺はな。こいつらは…付き添いだ」
響:「どっちかというと、お前の抱えている人の友人だ」
十夜:「わたしは友人ではありません。ところで物は相談なんですが、その女性をこちらに返して頂けませんか?」
GM/Dr.オルガー:「ああ、そうか。悪いがこれから、彼女の…相良芳江君のオペを始めるところでね。悪いが退室してくれないかな?」
法眼:「そのオペはキャンセルだ。あんたこそ、さっさとお家に帰りな」
GM/Dr.オルガー:「私は保坂君から、彼女のオペを依頼されている。流石に患者を放って帰るわけには、いかんだろう」オルガーは愉快そうに笑う。「彼女にはあまり時間がなくてね。悪いが、お喋りの時間も惜しいんだ。お帰り願えないのかな?」
法眼:「彼女は、あんたみたいな藪医者に用はないとさ」睨み据える。
GM/Dr.オルガー:「………? そこの君。君は、芳江君のご友人ではなかったかね?」響を杖で指す。
十夜:「本人の了承無しに手術してはダメだと思いますよ」
GM/Dr.オルガー:「そう言われてもなぁ。緊急手術に本人の意思確認の暇はないし、彼女はオペをしなければ死んでしまうよ?」
響:「本気で彼女を生かすことが出来ると思っているのか?」
GM/Dr.オルガー:「事実、20年前に彼女に手術をしたのは私であり…この手術は、私にしかできない。いや、まさか友人から彼女を殺せと言われるとは、思ってなかったが…どうしても、邪魔をすると?」
法眼:「オペの材料はもうない。依頼人もこのザマだ。あんたが手術を続ける理由はないと思うが?」
響:「彼女を太陽の当たる日の世界から無理矢理、暗い夜の世界に連れてくるのは感心しない」
GM/Dr.オルガー:「うーん…私には理解できないなぁ。生は、そうあるだけで素晴らしいものだが…」
響:「生は、そうあるだけで素晴らしい。それは俺も同感だよ。だからって他人の生を無理矢理奪う理由には到底ならない。20年前も彼女を手術したと言ったな? その時の材料はどうやって調達したんだ。そしてどれだけの人間を殺した?」
GM/Dr.オルガー:「材料か。…新鮮な臓器だよ。彼女のご両親から、私に依頼があったのでね。…殺した数か。沢山いるからなぁ…。なにせ、およそ700年分だ。覚えていないな」頭を掻き、照れ笑いを浮かべる。
響:「700年分? そんなに何に使った?」
GM/Dr.オルガー:「不老不死の研究だ。研究成果を実験がてら、時にこうして分け与える事もある」
十夜:「人に生を与えるという、貴方の行動理念は素晴らしいとは思います。…ですが、方法が我々とは徹底的に相容れない」
法眼:「彼女の人格は知っているつもりだ。他者の命を摘み取って永らえることを、彼女は断じて良しとしない」
GM/Dr.オルガー:「どうでもいいじゃないか、他人の命なんて。まぁ…君たちの主観に口出ししようとは思わないが。で、要するに君たちは……私を倒し、彼女を見殺すと、そういう事だね?」
十夜:「そうです、貴方の邪魔をし。彼女を見殺しにします」
法眼:「少し違うな。彼女の心を救うために、必要とあらばあんたをぶちのめす、それだけだ」
響:「お前を倒し、彼女の人間としての尊厳を護る。そういう事だ」
GM/Dr.オルガー:「ハハハ、君たちは可愛いなぁ。本当に奇麗な心をお持ちのようだ。…未来はきっと、辛くもあるが素晴らしい事もあろうにね。一時の誇りの為に、命を捨てるとは…いやはや。私もお喋りが過ぎたな」
十夜:「彼女のためとは言いません…そうですね、わたしは貴方が気に喰わない」袖口から呪符を引き抜き。
GM/Dr.オルガー:「さて。始めようか。私も忙しい。できるだけ手早く済ませようか!」オルガーは両手を広げ、杖を構える。
響:「そうだな、芳江の時間が俺も惜しい。できるだけ手早く済ませよう」白木の棒を地面に突いて。
GM:では、戦闘を開始します。まずエンゲージについてですが、各自自由に決めてください。オルガーは現在、別エンゲージとなります。PC同士固まるか否か、ですね。
十夜:入り口の壁際に居ますが…どうだろ?
響:オルガーの目の前あたりだろうから、エンゲージぎりぎりかな。
法眼:無造作に近づいてるから、たぶんオルガーの目の前。PC同士はバラバラでいいや。
GM:わかりました。では、オルガーの行動値は18です。
一同:速ぇ!(笑)
GM:先に謝っときます。…戦闘バランス悪かったら、ごめんね(笑)。
法眼:勇司並みの行動値だな、驚いた(笑)。
十夜:…まあ戦闘バランス取りにくいキャラ使ってますし(笑)。
法眼:俺は…壁役だな、このメンツだと(笑)。
十夜:キツイ(笑)。
響:いや、二人とも存分に殴りにいってもらいますぞ〜。
法眼:あぁ、殴るのは殴るよ、もちろん。ただ、十夜は2撃目喰らうと死ねるからカバーリングしないと(笑)。
十夜:そうそう、攻撃力の上に回避力付けたら面白くないだろ…と(笑)。
現在のエンゲージ:(オルガー) (響)(法眼)(十夜)
▼ラウンド1
GM:セットアップ、オルガーはあります。他、ある方はいらっしゃいますか?
響:セットアップ《内なる獣:封印解除》コスト6。全判定のCrt値−1。「お前はぎったぎたに叩きのめす!」
GM:ではオルガーのセットアップ。《絶対先制》使用。対象は法眼で《シャイニングレイ》その他諸々を組合わせます。Crt値8で(ころころ)達成値24。〈運動〉で回避可能です。
十夜:…今、結構本気で死の危機が(笑)。Crt8キター。
法眼:オートで《獣化》する。法衣で+2修正が付いて(ころころ)31で回避だ。
GM/Dr.オルガー:「…凄いな。これを避けるか」
法眼:「…いい度胸だ。“鬼”を怒らせるとどうなるか―――見せてやる」
GM/Dr.オルガー:「小手調べの余裕はなさそうだ。…全力でいかせてもらおうか」オルガーの行動値18、処理します。HA《魔法の国よ》&《万色の魔術》AGP3点使用。先ほどの《シャイニングレイ》を、シーン全体に使用します。
響:さてどうするね? とりあえず全員回避してみようか? それとも《ヴォイド》? お勧めは回避だと思われ。
法眼:《ヴォイド》はひとまず温存してくれ。
GM:(ころころ)クリティカルで全員に攻撃です。
法眼:(ころころ)さすがに無理だな。
十夜:(ころころ)回避、ムリ(笑)。
響:(ころころ)ぎりぎりクリティカル回避! 使ってて良かった《封印解除》!(笑)
法眼:俺と十夜は当たりだ。ダメージどうぞ。
GM:(ざらざらーっ)〈魔〉属性62点です。
十夜:魔獣化です。吹っ飛んでから体を捻って着地。髪が黒く目が赤く染まります。
法眼:ぴったり魔獣化だ。オートで《超獣変身》使用。「―――変生、紅蓮ッ!!」全身の皮膚が赤く染まり、黒い紋様が浮かぶ。
GM/Dr.オルガー:「…素晴らしい生命力だな」思わず感嘆の声を洩らすオルガー。行動終了です。
十夜:「仮にとはいえ…魔物ですから」
響:「離れるのは不利だ! 間合いを詰めろ、野郎ども!」響の行動は待機。
十夜:ではマイナーで《呪符》《武器練成》、戦闘移動して接敵、メジャーで通常攻撃。呪符を武器へと変じて斬りつけます。(ころころ)達成値24。十夜の問題点は…相手の回避がCrt型だった場合に対処法が無い事かな…。
GM:《霧変身》で回避を試みて(ころころ)20、命中です。
十夜:(ころころ)51点の〈斬〉です。
GM:魔獣化。HA《超魔の命》、AGP5点使用します。
十夜:「少しは効きましたか?」剣を振りぬいて微笑みながら。現在の人間性15。
法眼:マイナーで接敵、オートで《怒髪天》、メジャーで殴る。(ころころ)達成値26。
GM:《霧変身》で(ころころ)18、命中です。
法眼:まだ《切り裂くもの》使ってないから…(ころころ)26の〈殴〉。今回は低いな。
響:待機していた自分の行動。「己が武器に抗いの想いを、己の身に存在の意思を込めろ! さあ、悪魔狩りの時間だ!!」
法眼:…今回は何のコンボが来るんだ?
十夜:何だろ?
響:マイナー《符術》でマイナー回数を増加、《結界魔法》でマジシャンアーツのLv+2、《召喚術》で使い魔を召喚。コスト15。《オリジナルスペル》のLvが上がり、取得するのは《OS:霞の外套》《OS:彼の出番だ》。コンボ名『Eternal Raid(果てしない襲撃)』! メジャー《OS:彼の出番だ》を《呪圏拡大》してコスト6。Dr.オルガーにエンゲージしている二人を[未行動]状態に変更。一気に人間性がマイナス3までいったー!(笑)
法眼:召喚術は、カバーリングのためかな?
十夜:彼のか(笑)。
響:召喚術は《不幸者》で敵のCrt値を上げて《霞の外套》で防御する為です。そしてそれで防ぎきれない場合カバーリングに入る(ゆんゆん
現在のエンゲージ:(オルガー・法眼・十夜) (響・使い魔)
十夜:この場合行動順は?
響:元の行動順番と同じ。
十夜:らじゃ…って事は先ですな。
GM:では行動どうぞ。
十夜:「応援されてしまいましたね(苦笑)…では、わたしの全力をお見せしましょう」懐から呪符を取り出し。誰か愛1点くれませんか?
法眼:やろう。十夜の絆固定。
十夜:ありがとう。え〜、では償いのエゴを固定して合計2点使用。マイナーで《呪符》《武器練成》《エネルギーチャージ》、メジャーHA《並列思考》で《マルチウェポン》三連発。人間性総計マイナス5。…止めます?
GM:打ち消しなしです。
十夜:了解。(ころころころ)23、23、28です。
GM:(ころころころ)全部命中です。ダメージどうぞ。
十夜:(ころころころ)一発目76点、二発目77点、ラスト79点、〈雷〉属性で。
GM:信じ難いダメージだな、本当(笑)。
法眼:十夜はそういうキャラだ(笑)。
十夜:いや、まぁ。コレだけがネタなキャラですし(笑)。「わたしの本気は…効きましたか?」微笑み。
GM/Dr.オルガー:「ガッ…! アアアアア!」真の死を迎えます。その上で、HA《永劫より》使用。FP18点まで回復します。
響:それを《ヴォイド》とか言ったら怒る?(笑)
GM:いいですよ?
響:誰か俺に愛をプリーズ!
法眼:次は俺の行動。マイナーで《切り裂くもの》、メジャーで殴る。
響:《ヴォイド》キャンセル入りました〜。
法眼:要らん、これで潰せる。
十夜:確かに。続きがあると困るしね。
法眼:《超獣変身》の効果で振れるダイスは3つ。(ころころころ)4と5を取ってクリティカル。
GM:(ころころ)回避失敗、真の死です。HA《永劫より》使用。
法眼:ダメージ出してないが…連続で復活来たか、やはり(笑)。
GM:はい、実はダメージは単なる見落としですが…結果は同じかな、と(笑)。
響:これは《ヴォイド》しておきたいのですが。どうする? FP全快じゃないから通しとく?
法眼:どっちでも。温存してもいいぞ?
響:じゃ、使用しない。
十夜:あ〜、次の先制二連攻撃が怖いけど…。
GM/Dr.オルガー:「ガアアッ! …ふぅ。全く、死ぬかと思ったよ?」(ころころ)FP18で復活します。
十夜:「持久戦ですか…」
響:うちの使い魔ちゃんがマイナーでエンゲージしてメジャーで攻撃(笑)。(ころころ)達成値8。
GM:(ころころ)18で回避です。
響/使い魔:「みゅ〜」
法眼:クリンナップで《怒髪天》の3ダメージもらっとく。
十夜:「何故そこまで生に執着しますか? 他人の生を喰らってまで」
GM/Dr.オルガー:「世界には素晴らしいものが沢山ある。それを全て見るまでは、死ねないねぇ」
響:「ほざけっ! てめえはこれ以上他人様に迷惑かける前に奈落へ還元されちまえ!」
現在のエンゲージ:(オルガー・法眼・十夜・使い魔) (響)
▼ラウンド2
GM:セットアップ、一応確認しますがある方はいますか? オルガーは、以後はなしです。
一同:無いです。
GM:では、行動値18でオルガーの行動。
法眼:「…遅ぇよ」《疾く駆けるもの》で割り込んでやる。マイナーなし。メジャーで攻撃、(ころころ)達成値26。
GM:(ころころ)命中です。
法眼:(ころころ)57点の〈斬〉。
GM:真の死です。HA《永劫より》を使用します。
法眼:…何個《永劫より》持ってるんだ(笑)。
GM:さて?(笑)
十夜:凄いな(笑)。
GM:《ヴォイド》なければ、処理進めます。(ころころ)FP17で復活。
法眼:ドミネーターなのは確定だな。残り何発あるやら(笑)。
響:「だが、その無限に等しい生命力もそろそろ尽きるだろ?」
GM/Dr.オルガー:「いやいや。伊達に長く生きているわけではない。…だが並のドミネーターなら、一瞬で消し炭だな。君等の攻撃は…」
十夜:「人を喰らってまで生き延びてる貴方は非常に醜いですね…その貴方が、素晴らしい物を…ですか」剣を構え。
GM/Dr.オルガー:「私が醜くても、世界は美しいさ。ならば醜い私でも、美しさを体感する事はできる。…これから死ぬ、君等とは違ってね!」オルガーの行動、いきます。HA《魔法の国よ》使用。これまでと同じ《シャイニングレイ》コンボにて、シーン全体を攻撃します。
響:Dr.オルガーのメジャーアクションに、使い魔から《不幸者》を飛ばす。Crt値+2。
GM:はい。それでは、命中判定いきます。
十夜:《魔法の国よ》を消したほうが早いんじゃ…?
GM:どうします?
法眼:そうだな。響にAGP2点やろう。響とオルガーの絆固定。
響:うーむ、とりあえず《ヴォイド》で《魔法の国よ》を打ち消す。法眼と保坂の絆を固定して法眼へAGP2点譲渡。
GM:《ヴォイド》でその《ヴォイド》を打ち消します。
十夜:何でも持ってるな(笑)。
GM:ええ、この超強力なPCを相手どるのにどうすればいいか、ない知恵を必死に絞ったので…(笑)。では、判定いきます。(ころころ)24で命中です。
十夜:(ころころ)失敗。回避考えてないキャラだから…。
法眼:《俊敏なる盾》で十夜をカバーリングだ。
響:《霞の外套》で攻撃打ち消し! Crt値7で(ころころ)
しかし、出目はピンゾロ。…お約束か?(笑)
響:うおっ! 誰かAGPをくれ!(笑)
法眼:…ファンブルかよ(笑)。
十夜:…振りなおす?(笑)
GM:こんな事もあるもんだなぁ(笑)。
響:振りなおす〜。
法眼:「まったく。しっかりしろ!」芳江の絆を固定してAGP渡す。
十夜:轟の絆固定して愛をプレゼント。
響:2点ゲット〜、1点使用して振りなおします。(ころころ)成功!
GM:HA《死界の主》でファンブルに。
法眼:本当に何でも持ってやがるな(笑)。
響:もう1点だけ誰か俺にAGPを!
十夜:しつこいな(笑)。
GM:しつこいぞー!(笑)
法眼:何を使いたいんだ?
響:いや、いいや! HA《歩く影法師》で《死界の主》をコピー、Dr.オルガーの攻撃をファンブルさせる!
GM:では、それは流石に通しです。
実のところ、この適用は間違い。ファンブル系HAを使うなら、相手の命中判定直後…つまり『防御側が判定する前』に使う必要があります。
当時はクリティカル/ファンブル操作系HAに関する解釈が曖昧だったので、色々と間違えてることが多い…(苦笑)。
響:「―――“運命”はお前を拒絶する!」
GM/Dr.オルガー:「チィ! …後ろから、チョロチョロと…小僧がァ!」
響:「はんっ! 手術と違い、魔法合戦じゃ俺の方が一枚上手らしいな!」
十夜:「素晴らしいものを踏み躙っておいて、それを見たいと言う貴方を放っては置けませんね…」マイナー無し、メジャー攻撃で(ころころ)達成値23。
GM:(ころころ)命中です。
十夜:(ころころ)49点の〈斬〉です。
GM:既にHA《永劫より》は尽きているので…。
法眼:終わったか?
GM/Dr.オルガー:「くぁっ! …凄まじい力だ! だが…私は死ぬわけにはいかんのだ!」HA《異端の生命》で復活、退場して逃走を試みます。
十夜:「…しつこいですね…逃げますか…」振り切った姿勢で呟く。
法眼:「―――“人喰い”よ。てめえは逃がさねぇ!!」HA《歩く影法師》で《ヴォイド》!
響:誇りと人間と十夜の絆を固定! AGP3点を法眼へ。
十夜:法眼の絆を固定、余分かも知れないがあげよう。
GM:通しです。打ち消された…。
法眼:「俺が何の準備もなしにノコノコ来たと思うか? この病院は、もう俺の結界の中なんだよ…」ズイ、と詰め寄る。
GM/Dr.オルガー:「ま…待ちたまえ! と、取引をしようじゃないか。私の技術は有用だぞ? 不老不死が手に入る!」
法眼:「…ついでに言うと、俺は『不死の命』なんぞに興味はねぇ。―――消えな」爪を振り下ろす。
響:「他人の命を不必要なまでに喰らって得る不老不死なんざ、お断りだ」
GM/Dr.オルガー:「ば、馬鹿な! 未練がないのか、生への執着はないのか!? 何でも、何でも可能になる! 時間を超越できる、定命の定めを超え…!」
十夜:「生はね、終わりがあるから素晴らしいんですよ…まあ、大っぴらには言えませんが」肩をすくめ。
GM:法眼の爪で、オルガーは真っ二つに引き裂かれます。戦闘終了で。
十夜:「終りましたね…いや、これからという意見もありますが…」溜息ついて武器を呪符に戻し、しまう。
響:「無限の生と時は、全てのことを成功に導くだけの力をくれるだろう。だけど、ありとあらゆることに成功を約束された無限の生って、それは無限の死と同義だとは思わないか?」
法眼:「…少なくとも、そんな人生が退屈なだけだってのは確かだな」
響:「何をやっても成功する。それはあまりに退屈な生だよ。そんな生き方は死んだも同然だ」
十夜:「有限の生で結果を出せない者は、結局無限の生を得ても結果は出せないものです。700年生きて…結局、何も解らなかったのですね…」呟き、保坂に近づいておく。
法眼:さて、芳江の容態を見たいんだが?
GM:芳江は無事です。ただ、元々の病状でしょう。非常に衰弱しています。
法眼:だろうな…《獣の生命》は有効か?
GM:“数日は”生き延びられるでしょう。だが天命…寿命そのものを延ばす事はできない、とします。
響:一時的な復活にしかならないか。
法眼:判った、それでもいい。最期に数日間、登と共に暮らせる時間をやりたい。オルガーの絆を消去、得たAGP2点使ってHA《獣の生命》だ。
GM:では、芳江の顔色に血の気が戻り、少し元気になった…ように思えます。
響:「起きろ、芳江。眠り姫のお目覚めの時間だよ」
十夜:「保坂さん、起きてくださいな」気絶してる保坂を揺すり起こす。
GM/保坂:「…く…あ、…こ、れは…?」戦闘でぐちゃぐちゃになった室内を、呆然と見回す。
十夜:「そんな事より、貴方は傍に居てあげるべき人が居るでしょう?」と言いつつ芳江を指差し。
法眼:「…登。お前たちに少しだけ、時間をやる。残り数日をどう過ごすかは、お前の自由だ。……叶えてやりな、彼女の『本当の願い』を」蘇生した芳江を顎で示す。
GM/保坂:「…法眼…。………すまん」
十夜:「ただ、後で自首してくださいな。法の下で裁かれてください」微笑んだまま。
響:「芳江、響だ。お前の望み通り、保坂登を連れてきた。残りの命、彼に思いっきり甘えると良い」相良芳江の絆を固定、愛を相良芳江に渡す。
法眼:「彼女の余命は、せいぜい1週間。…悪いな、俺の血をやってもそれが限度だ」
GM:保坂はゆっくりと芳江に歩み寄り、抱き起こす。瞳を閉じた芳江を抱き寄せる。室内には、いつまでも嗚咽が木霊していた…。
響:「お二人さん、お幸せに……」手を振って病室を去ろう。そして芳江への絆を昇華。AGP2点を得て、最後の別れだ。
十夜:「…まあ、聞いちゃ居ないでしょうね」肩を竦めてから外に出ます。
GM:では、休憩挟んだ後でEDに移ります。まずは人間性の回復をお願いします。
法眼:人間性は−1。オルガーの絆を消去しても確実に生還できる。
十夜:−5で絆6個ありますので確実に生還です。
GM:響はどんな感じでしょ?
響:人間性−5、絆6つに消去1つ、オール1でも帰還できます。…何ていうか、絆が消滅って言うより、昇華と言った方が通りは良さそうだな(笑)。
十夜:聞こえはいいですね(笑)。
法眼:しかし実質は『消滅』なんだぞ(笑)。
響:まあ、そうなんだけど!(笑)
GM:EDは、一応こちらで考えたものもありますが、PLからこうしたい、という希望あれば相談持ちかけてください。
■エンディングフェイズ■
●シーン10 『絆と業と』 八神十夜ED
○病院のロビー
―――リパー事件は終った。一人の変質者の犯行、という形で。
事が明るみに出る事はないだろう。そして明るみに出て、喜ぶ者もいないだろう。
そう、包帯に巻かれ、ミイラ男状態になった長沢遼は十夜に告げた。
GM/長沢:「…お疲れさん。結局、リパーもオルガーも、頼りっぱなしになってしまったな」
十夜:「………まあ、似合ってますよ」目をそらし気味で(ぇ
GM/長沢:「笑いたきゃ、笑え。…ったく、いくら修行積んだっていっても、俺は本来は交渉専門だしな。やっぱ無理はするもんじゃない…」苦笑しつつ、傷口を押さえる。
十夜:「いえいえ、わたし達の領分ですので。それにしても、よく生きてましたね」
GM/長沢:「悪運の良さには、自信があってな。…なんかお前、残念そうに言ってないか?」
十夜:「まさか。純粋に心配してるのですよ。…それにしても、保坂さんへの対処は?」
GM/長沢:「…良くて終身刑。だが十中八九は死刑だな。『情状酌量の余地はない』…そう言われているよ」
十夜:「なるほど、ご本人の様子は?」
GM/長沢:「…落ち着いたもんさ。全ての罪を認め…償うつもりだそうだ。どんな形でも、な。……なぁ、八神。お前、保坂のこと、どう思う?」
十夜:「わかりませんね、わたしは『狂ってる保坂さん』しか見ていないので」
GM/長沢:「仮定の話は馬鹿げている。でも、もしも…の話だ」
十夜:「何です?」
GM/長沢:「もしもお前の大切な人が死に瀕して…助ける手段があったとしたら。それが決して許されない手段だとしたら…お前はどうする?」
十夜:「…怖い問いですね…卑怯な答えですが、わかりません」
GM/長沢:「…そうか。いや、俺も馬鹿な事を訊いた。忘れてくれ」自嘲するように笑う。
十夜:「問いかけた気持ちはわかりますので」苦笑しつつ。「わたしなら…狂ってしまうかもしれないし、ただただ困惑するだけかもしれない…」
GM/長沢:「俺は正直、自信がないよ。俺も保坂の立場に立てば、同じ事をしないという保障は、全くないからな。人間ってのぁ、業が深い生き物だなぁ。…さて、俺も仕事に戻らにゃ…」大きく伸びをして、歩き出す。
十夜:「…そう、ですね。お仕事頑張ってください」軽く頷き。
GM/長沢:「…お前もな」長沢は去っていく。
十夜:「絆が時には業になる…ですね」手を振り。「………本当に、大切な人が失われそうになった時…わたしはどうなるのでしょうか…」呟いてから退場します。
●シーン11 『空席』 鬼来法眼ED
○とあるバー
約束の日。約束の店。約束の席。
毎月二人で訪れた、馴染みの店。だがその隣の席は、空白だ。
新しく入った客を、マスターは決してその席には案内しようとしない。
法眼:「(…最期の一週間。登……お前は、幸せだったか? それとも…)」手酌で酒を飲む俺。
GM/マスター:「…遅いですね」保坂の事だろう。グラスを磨きながら、法眼を見ずに呟く。
法眼:「…あぁ。しばらく、あいつは来ないよ。遠くに行ったからな…」
GM/マスター:「そうですか。…残念ですね。毎月、カウンター越しに貴方がたのお話を聞くのが、私の楽しみだったのですが」
法眼:「…それは、すまんな」苦笑して。
GM/マスター:何も言わずに飲物を作り、法眼の隣の席に置く。「…今はいない、あの方へ。再会を祈って」それだけ告げると、マスターは別の客の方へと去っていく。
法眼:「……乾杯」グラスを軽く持ち上げて、飲み干す。
GM:グラスの氷が揺れた。氷の中で、保坂が笑って「乾杯」と答えた。…そんな気がした。
法眼:「――――それでも…登。お前は、俺の『友』だったよ。…これからも…」
●シーン12 『空っぽの人生』 轟響ED
○相良芳江の病室
オルガーとの戦いから数日後。
響は芳江の病室を訪れていた。
そこにはもう、保坂の姿はない。
芳江もまた、法眼の力で体調を持ち直したが…。徐々に衰弱が進み、もう限界が訪れている。
響:「………………」もう無駄だと知りながら、用意した花束を肩に掲げて。
GM/芳江:「…響さん。こうして直接お会いするのは、初めてですね」弱々しいが、花のような微笑を浮かべる。
響:「ああ、そうだな。初めまして、轟響だ」
GM/芳江:「はい、初めまして。もう少し元気でいられたら、ちゃんとお出迎えできたんですけど…」
響:「いや、それは遠慮しておこう。堅っ苦しいのは苦手でね」肩をすくめておどける。
GM/芳江:「響さんにお願いして、本当に良かったです。…あの人と、もう一度、会えたから…」
響:「良かったな。そうだな、報酬と言っては何だが一つ聞きたい」
GM/芳江:「はい。何でしょうか?」
響:「お前は、自分の生に満足か?」
芳江は驚いた表情をした後、真剣な表情で考え込む。
暫しの逡巡。その後に―――。
芳江はしっかりと、頷いた。
GM/芳江:「すごく不便な体です。何もできないし、ベッドからもほとんど離れられない。私は、この病院以外の世界を知らない」
響:「……そうか」もし、罪に塗れた方法でも生きることが出来たのなら…という台詞を飲み込んで答える。
GM/芳江:「でも…でも。それでも、あの人がいてくれました。私の…空っぽの体でも、あの人がいてくれたから。いっぱいの想い出が詰まっています。…私、幸せ。あの人が一緒にいてくれて、響さんみたいなお友達もできて……ここから出られない人生だったけど、それでも…私は満たされています」そう言って、芳江は微笑んだ。
響:「…そうだな。それだけ聞ければ報酬としては満足だ」
GM/芳江:「あ、でも、このお金を…」と、机の上の封筒を取ろうとして、よろめく。
響:「それは遠慮させてもらおう。大したことをしたわけじゃないからな」よろめいた芳江を支えて。「夜中、ほっつき歩いていた馬鹿を叩きのめして、あんたの前に引っ張り込んだ。それだけだよ」
GM/芳江:響の言葉に、少し困った表情をした後。「じゃあ…友達に、これで一つ借りができた、って奴ですね?」芳江は悪戯っぽく笑って、そう言った。
響:「ああ、一つ貸しにしておこう」
GM/芳江:「…ごめんなさい。せっかく来てもらったのに…。私、眠くなってきちゃって…」芳江は体から力が抜けて、目蓋が重そうに下りてきている。
響:「そうか、なら俺はもうそろそろ帰るよ」
GM/芳江:「…ええ。本当にありがとうございました、響さん」
響:「ゆっくり休むと良い」芳江の身体をベットに横たえて。「礼はいらない。友達だろ?」
GM:芳江は幸せそうに微笑んで頷くと、ゆっくりと目蓋を閉じた。
響:「借りはいつの日にか返してくれたらそれで良い。―――じゃあな」
GM:最期まで、微笑みを絶やす事なく。相良芳江は、眠りについた。
響:「奈落へ、安らかなる永久の眠りを」
全てを捨てて、空っぽになっても女に尽くした男がいた。
空っぽの体で、全てを得られずとも、確かに満たされた女がいた。
だが彼等の歩んだ道が、空っぽだったのか。或いは、満たされていたのか。
その答えは、闇に消える。誰にも知られる事なく。
――――『空っぽの人生』――――
THE END
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