第29話
家路

●今回予告●

人は誰しも、帰るべき場所がある。
どんなに遠く離れ、忘れ去っても、いつかはそこに辿りつく。

だが己の在り方が、かつてのそれと全く変わってしまったら。
人は、どこに帰ればいいのだろうか。

Beast Bind New Testament
『家路』

汝、裂かれし絆を救えるか。



オープニング ミドル クライマックス エンディング

■プレセッション■


GM(ラゼル):では、まず確認事項を。登場判定・絆チェックは、ルール通りに判定してください。実際の登場回数に関わらず、経験点算出の際の登場回数は9回とします。…あとぶっちゃけ話ですが、なにぶん突発ゆえ、ただでさえ怪しい諸所の事柄が、尚更怪しくなります。御了承ください(苦笑)。
一同:了解です(笑)。
GM:PC間絆をPC1→2→3→1の順で取得の上、PC1から順にキャラクター紹介をお願いします。
法眼:では、俺から。


●PC1(定員1名) 推奨:自由。

 ある雨の日、裏路地の粗大ゴミのようなその男を拾ったのも、何かの縁だったのだろう。
 何者かに追われながら、追撃側とは対照的に第三者を巻き込むまいと、銃弾で重くなった体で必死に逃げていた。
 つぎはぎだらけの体、死人のような顔色…見るからに人造の魔物であった。
 成り行きで助けた結果、どうやら追撃側には仲間と思われたらしい。
 銃弾混じりの雨の中、怪物と二人で逃げる羽目になった。

 シナリオ絆:ゴグマ (関係:信頼他、友好的なもの)


鬼来 法眼 きらい ほうげん鬼法師  プレイヤー:麻那
 【イレギュラー/ビースト】 年齢:33歳/性別:男/カヴァー:法力僧
「この身に流るるは鬼の血…されど宿るは人の魂。仏の力を借りて魔性を討つ、人呼んで―――鬼法師」
 先祖返りで『鬼』の血脈に目醒めた流浪の法力僧。飄々としているように見えて、芯は熱い性格。
 身長2mを超す巨漢でボサボサ髪に無精髭、顔も身体も傷だらけ。僧衣と下駄履きが基本スタイル。
 鬼の血がもたらす忌まわしい食人衝動を堪えながら、人に仇なす魔物を調伏している。
 実のところ『法力僧』としては二流以下だが、鬼の能力と実戦で鍛えた戦闘技術により『退魔師』としては一流。
 昔、恋人を喰い殺しかけたトラウマから、自分と自分に流れる『鬼の血脈』を忌むべきものとして憎んでいる。
 所持HA:《歩く影法師》、《歩く影法師》、《獣の生命》


●PC2(定員1名) 
推奨:自由。

 近所に住む少女、中沢早紀は父思いの優しい少女だ。
 だが数ヶ月前に父親が失踪し、以来彼女から笑顔が消えてしまった。
 何か、彼女の助けになってやりたい。

 シナリオ絆:中沢 早紀なかざわ さき  16歳/女 (関係:友好的なもの)


轟 響とどろき ひびき未完成年代記Endless Chronicle  プレイヤー:chatchit
 【イレギュラー/アーティファクト】 年齢:外見17歳(実年齢300歳)/性別:男/カヴァー:高校生兼司書
「―――やあ、また何か事件かい? 魔物の常とは言え、よくもまぁ飽きないものだね」
 池袋のアレナを活動拠点とするアウトロー集団、“獣の血脈”(Bloody Beast。通称“BB”)のリーダー。
 しかし普段は、そんな事情を微塵も感じさせない軽薄な軟派男。リーダーの威厳も何処へやら。
 その正体は『未完成年代記』を核に魔力で編まれた魔造生命で、異界から地球に送り込まれた事象観測者。
 記憶の混乱から『自分は人間だ』と思いこんでいたが、つい最近になって本来の記憶を取り戻した。
 半魔の生き方が気に入ったのか、生活パターンは昔のまま。ただ、外見は少し若返ることにしたらしい。
 所持HA:《歩く影法師》、《歩く影法師》、《電光石火》


●PC3(定員1名) 推奨:魔狩人・退魔師など。

 メルキゼデクジャパンの研究者、神崎正臣からの依頼は、逃走した魔物の捕獲依頼だった。
 魔物は戦闘用のため、いつ暴れ出すか知れず、非常に危険だという。
 魔物の名前は―――ゴグマ。
 捕獲が困難な場合は、破壊してもよい。それが依頼の内容だった。

 シナリオエゴ:神崎 正臣かんざき まさおみ 50歳/男 (関係:疑惑)

石動 宗一郎いするぎ そういちろう ブラックドッグ  プレイヤー:サブマリン
 【ビースト/イモータル】 年齢:32歳/性別:男/カヴァー:無認可保育園園長兼探偵
「―――俺は、あの子供達のためなら…どんな事にだって耐えられる」
 親友だったはずの同僚に裏切られて致命傷を負い、人狼の血脈に覚醒して逆に相手を殺害した元・刑事。
 罪の意識から辞職し荒れた生活を送るも、『ひまわり保育園』を経営していた老婆に拾われて立ち直った。
 その後、死んだ老婆に保育園を託され園長となった。子供達の笑顔は、今や彼の生き甲斐でもある。
 悪人に対しては容赦ないが、根本的にお人好しで詰めの甘い性格。
 常に経営難の無認可保育園を維持するため、探偵を兼業。それでも足りず死霊課の下請けなども引き受ける。
 所持HA:《獣の生命》、《獣の盾》、《死者の微笑み》


法眼:響への絆は無難に『知己』で。
響:PC間絆は宗一郎に『憧憬』。人間社会に上手く溶け込んでいることから。
宗一郎:PC間絆は法眼に信頼で。以前あった事件で、何らかの関係で共に戦ったことがあるといった感じで。その時に、この男は信用できると。
GM:では、BBNT『家路』――――開始いたします。


 

■オープニングフェイズ■


●シーン1 『鉛の雨』  シーンプレイヤー:鬼来法眼

○雨の路地裏/夜


 ある雨の日。人通りのない、夜の路地裏で出会ったその場面は、中々にシュールなものだった。
 巨体をボロボロのトレンチコートに包んだ男が、武装した集団に追われている。
 武装集団は、的確に人員を配置し、銃撃を加える。
 路地で寝転んでいた浮浪者を意に介する事無く、銃弾を浴びせはじめる。


法眼:「…女に赤ん坊の次は大男か。バラエティ豊かと言えばそうだが…厄介事なのは変わらんなぁ」ぼやきつつ、間に飛び込んで武装集団を叩きのめす。
GM/巨漢:「…助かった。礼を言おう」武装集団は法眼の乱入に陣を乱し、数人を倒された時点で撤退した。
法眼:「…やれやれ。こいつは何の騒ぎだ?」
GM/巨漢:「う…む…。それは、だな…」巨漢は事情をどう説明したものか悩んだのか、口ごもる。巨漢のコートは銃弾で破れ、その中に見える体はつぎはぎだらけ…それも死人のような肌の色だ。「助けてもらったのには礼を言うが…」
法眼:「まぁ、いいさ。それより、ここにいつまでもいるのはヤバい。その辺の飲み屋にでも、しけ込むとしよう」言って、男を誘うぞ。
GM/巨漢:「…これ以上面倒はかけられ…と…おい、お前! 厄介事だとは、見て分かろう。首を突っ込めば、お前も巻き込まれるぞ」
法眼:「あぁ、一目見て判った。“いつも通りの厄介事”だな。いいから、これ以上面倒臭いことにならねぇうちに、さっさと来やがれ」強引に引っ張っていく。
GM:巨漢は嘆息をつき、大人しくついていく。
法眼:知り合いの吸血鬼がやってるバーに連れて行こう(笑)。
GM/巨漢:「俺は…ゴグマという。改めて礼を…いや。礼は止そう。代わりに、一杯奢らせてくれ」


○BAR『フルムーン・ナイト』

GM/ゴグマ:「見たところ、腕が立つようだ。…ぶしつけだが、君は“まっとうな人間”か?」暫くの会話の後、探るような口調で切り出す。
法眼:「…“元”人間、だな。今は法力僧なんぞをやってる。物騒な厄介事はお手の物だ」あっけらかんと答えよう。
GM/ゴグマ:「…そうか。ならば君に、厄介ついでに頼みたい事がある」
法眼:「…高いぞ?」にやりと口端をつり上げる。
GM/ゴグマ:「構わんさ。逃げ出す時に持ち出したデータを流せば、金は幾らか宛がある。…私は…私も、“元”人間だ。私は、私をこの姿に変えた男の凶行を…止めたいんだ」
法眼:「ふん…詳しい話を聞こうか」
GM/ゴグマ:「私はメルキゼデクの社員だった男だ。だが組織で行われる人間、魔物への非道な行いに…耐えられなかった」
法眼:メルキゼデク、と聞いてピクリと眉を動かす。
GM/ゴグマ:「メルキゼデクは、トップまでが魔物憎しで凝り固まった組織だ。…私も例外ではなかった。だがあの男は…神崎のやり方は、あまりにも酷すぎた。私は彼を止めようとし…見抜かれ、この姿に変えられた。つまり君には…MMMの研究者、神崎正臣潰しを、手伝ってもらいたい」
法眼:数秒間、熟考してから答える。「MMMを敵に回す…か。やれやれ、よほど奴らとは縁があるのかねぇ…」うんざり、と言った調子で溜息を吐く。「よかろう、引き受けた。奴らがまたぞろ余計な真似を始めたとなれば、放ってもおけん」
GM/ゴグマ:「…二度、助けられる事になるな。…では、乾杯だ」では[SA:ゴグマの手助けをする]進呈。ゴグマの絆を取得してください。
法眼:了解。ゴグマへの絆は共感で取っておく。
GM:では、シーン終了で。

▼絆/エゴの変化
法眼:ゴグマに絆/共感を取得。



●シーン2 『蔭る笑顔』  シーンプレイヤー:轟響

○放課後の校舎


 近所に住む少女、中沢早紀は、母親を早くに失くしているが、父思いの優しい少女だ。
 近所の無認可保育所の子供の面倒を見てあげたり、父親の為に朝早くから弁当を作っているのだという。
 時折顔を会わせては会話する仲だが、どうも最近は様子がおかしい。
 彼女の父、中沢光泰が、この数週間、音信不通のまま帰っていないのだという。
 今、目の前で事情を話す早紀の表情は、常に比べ浮かないものだった。


宗一郎:ええ、娘や(ほろり)。
←無認可保育所の園長
法眼:なるほど、こうして宗一郎に絡めるのだな(笑)。
宗一郎:もう、何も言われなくても自分から必要以上に絡みに行きそうだ(笑)。
響:「まあ、片親で、さらに父親が失踪してしまったとなれば、そうなるのも当然か…」
GM/早紀:「…ということでして…父さん、今まで研究が忙しい時も、必ず電話はくれてたのに…」
響:「研究って、親父さん、どこに勤めていたんだい?」
GM/早紀:「会社に電話しても、その日は定時に帰ったそうで…。あ、メルキゼデクジャパンっていう会社です」
響:「ああ、あの…(悪)名高きメルキゼデクの日本支社ね…」
GM/早紀:「…ええ。父さん、最近何か悩んでいるようだったから、余計に心配で…」
響:「なるほど、なにか悩んでいたと…」メモを取りながら。
法眼:一般人から見れば、メルキゼデクは優良企業なんだろうなぁ(笑)。
GM:きっとソニーみたいなイメージなんだろうなぁ、と(笑)。
宗一郎:まあ、普通の人間は魔物の存在なんか知らないしね(笑)。
響:「あそこってほら、アメリカの本社のトップが数年前…ええっと確か1999年の年末に入れ替わって以来、だいぶドタバタと…いや、前からか…まあ、いろいろあるみたいだしね。疲れが溜まってたのかもな」
GM/早紀:「あの、響さん。もし父さんを見かけたら、連絡してくれませんか? 警察の方にも頼んでますが、手掛かりもまだ見つかっていないそうで…」
響:「いいぜ、失せ人探しは警察より街を徘徊する悪いやつらの方が得意だからな」
GM/早紀:「お願いします」深々と頭を下げる。「…あっ、い、いえ、別に響さんを悪い人だなんて思っているわけじゃ、ないですよ!?」
響:「いや、事実だから、気にしちゃいないさ。それに、いつもの生活に勝るものはないが、たまにはこういうのも悪くない」
GM:[SA:中沢光泰を探す]進呈。早紀への絆を取得してください。
響:『持ち込まれる厄介事』へのエゴに対して絆チェックを行います。(ころころ)絆/興味へ変わりました。早紀へは絆/好奇心。
GM:では、シーン終了で。

▼絆/エゴの変化
響:
『持ち込まれる厄介事』へのエゴを絆/興味に変更。中沢早紀に絆/好奇心を取得。



●シーン3 『時はカフェなり?』  シーンプレイヤー:石動宗一郎

○喫茶店

 メルキゼデク・ジャパン…いや。同社の対魔物組織MMMの研究者、神崎正臣。
 彼からの依頼を聞く為、宗一郎は喫茶店で神崎と面会していた。


GM/神崎:「いや〜、名高き石動元刑事に依頼できるとは、光栄ですよ。…あ、コーヒーお代わりいります?」
宗一郎:「いえ、結構です。それよりも、そろそろ本題に入りませんか? 今回の依頼内容を私はまだ聞いていません」
GM/神崎:「ああ、そうそう。急がなければ、ね。タイム・イズ・マネーだ。せっかくのコーヒーも冷めてしまう」神崎はズズ、と音を立ててコーヒーを啜った後、切り出す。「実は、ある魔物を捕獲…最悪、破壊していただきたいんですよ。恥ずかしながら我が研究所の研究対象だったのですが…逃走しまして。これがまた凶暴なんですよ!」さも面白そうに、大声で神崎は捲し立てる。周囲の客も、何事かと振り返るが、『ああ…きっと春が近いから…』という顔をした後、自分たちの世界に戻る。「いやぁ、参った参った。もともとアレは、人前に出せる代物ではなかったもので。暴れ出す前に捕獲するか、どうにも手をつけられないなら、破壊していただきたいのです」
宗一郎:「……なるほど。しかし、その割にはそれほど深刻そうに見えないのは、私の気のせいですか?」
GM/神崎:「おや、疲れ目ですか? 私はとても悩んでいる…持病の痔が悪化するほどに、ね。いや、全く…せっかくのコーヒーも、じっくり味わえないほどです。コーヒーを、ですよ!? これは人生における重大な損失ですよ! あ、料金は、これぐらいで如何です?」手元のメモ用紙に書かれた金額は、十分すぎるほどの金額だった。
宗一郎:「なるほど、結構な額ですね。まだ受けると決めたわけではありませんが、その脱走した魔物について…あなたが知る限りのことを教えていただきたいのですが?」
GM/神崎:「ああ、そうそう。完璧に忘れてました。いやぁ、美味しすぎるコーヒーというのは、また罪なものですな! 逃走した魔物の名はゴグマ。戦闘用の対魔物兵器として開発したもので…時折、暴走するんですよ、これが。もう手がつけられないほどね。逃走したのは3週間ほど前。なかなか知恵が回るようで、我々も何度か姿を目撃しましたが、逃げられてしまいまして。こんな所ですが…他に何かあります?」
宗一郎:「(この男…喰えない男だ。とぼけた性格は地の部分もあるのかもしれんが……いったいどこまでが素なのか読みきれない)」
法眼:…実は全部、地のままのエキストラ、だったら笑うなぁ(笑)。
GM:ソレイイネ!(笑)
宗一郎:それは、きついな(笑)。
GM/神崎:「いやぁ、彼は学術的探求の途中だったので、逃走されて非常に残念です。できれば生かして捕獲をしてもらいたいですが…まぁ、きっと暴れるでしょうねぇ。その時は、さくっと殺しちゃってください」神崎は、またコーヒーを大きな音を立てて啜ると、立ち上がる。「それではアディオス! お願いしますよ、石動元刑事。“狼”は鼻が利くでしょうから、きっと捜査もはかどるでしょう!」大声で別れを告げて、店を立ち去る。
宗一郎:「…わかりました。この依頼、引き受けましょう」って、もう出て行っちゃったのか!(笑)
GM:返事を受け、背中越しに手を振って店を去っていった(笑)。[SA:ゴグマを探す]進呈。神埼へのエゴを取得してください。
宗一郎:では、推奨の通りエゴ/疑惑で。

▼絆/エゴの変化
宗一郎:
神崎正臣にエゴ/疑惑を取得。


 

■ミドルフェイズ■


●シーン4 『裏を読み、敵を知れ』  PC全員登場

GM:情報収集のため、ロールプレイなしで判定のみの情報技能判定を行います。合流等はその後で、ということでお願いします。
一同:了解です。
GM:調査項目は以下の通り。

《ゴグマ》…〈情報:魔物/裏社会〉
《中沢光泰》…〈情報:噂話/企業〉
《神崎正臣 又は MMM》…〈情報:魔物/企業/裏社会〉


GM:ということで、PC1の法眼から順番にどうぞ。
法眼:俺はゴグマと神崎について、だな。まずはゴグマから。〈情報:魔物〉と情報屋で(ころころ)低! 達成値10だ。
GM:一人何回までか言い忘れてた…2回までで(笑)。
法眼:次、神崎について。(ころころ)今度は17。

・ゴグマ
達成値0:凄腕MMMが開発中の生体兵器。現在逃亡中であり、鬼来法眼という男と行動している。
達成値9:MMMはゴグマを捕えんと動いているが、ゴグマは非常に凶暴であり、破壊もやむなしと考えている。


GM:まだ明らかになっていない情報があります。
法眼:いきなり素性ばれてる!?(笑)
GM:まぁ…素性ばれたほうが、合流早いんで(笑)。
法眼:むぅ、了解(笑)。
宗一郎:さすが有名人(笑)。
法眼:…まぁ、以前MMMの研究施設を二つほど全壊させたし(笑)。
(*法眼とMMMの因縁については第16話参照)

・神崎正臣
達成値0:MMMの研究者。魔物の存在を超常のものではなく『未だ解明されない生態系の一つ』と捉え、「研究によりその力のメカニズムを解明できる」と豪語している。
達成値7:魔物の兵器利用が目的。その為に無数の魔物、人間が犠牲になっている。
達成値9:ゴグマという魔物を開発したものの逃がしてしまい、処理の為に奔走している。
達成値11:神崎は、これまでの研究から魔物の力を封じる装置を開発したらしい。
達成値13:神崎の研究所の場所を得る。


GM:法眼の集めた情報は、以上で全てです。では次、響どうぞ。
響:ではMMMを〈情報:企業〉、中沢光泰を〈情報:噂話〉で。(ころころ)達成値13と14。

・中沢光泰
達成値0:メルキゼデクジャパンの研究者で、現在失踪中。中沢早紀という娘がいる。
達成値7:同社でもMMMに所属していたが、研究の為に非道な手段を用いる組織の方針に憤りを感じていたようだ。
達成値9:神崎正臣の部下だったが、彼の方針に反対し、内部告発を目論んでいた。だが事前に察知され、消された。
達成値11:神崎の手でゴグマという名の魔物に変えられ、逃走中。神埼への復讐を誓っている。

・MMM
達成値0:MMMの研究者、神崎正臣という男が魔物の研究を進めている。魔物の存在を超常のものではなく『未だ解明されない生態系の一つ』と捉え、「研究によりその力のメカニズムを解明できる」と豪語している。
達成値7:魔物の兵器利用が目的。その為に無数の魔物、人間が犠牲になっている。
達成値9:ゴグマという魔物を開発したものの逃がしてしまい、処理の為に奔走している。
達成値11:神崎は、これまでの研究から魔物の力を封じる装置を開発したらしい。
達成値13:神崎の研究所の場所を得る。


GM:極論すれば、神崎=MMMです。単語が出るかどうか、というだけでMMMを用意したので。両方の項目とも、以上で全てです。では、宗一郎どうぞ。
宗一郎:ゴグマについて〈情報:魔物〉で調べます。怪しい奴ではあるけど、いきなり依頼人を疑うのも何なんで(笑)。(ころころ)達成値14。
GM:依頼人の素性は大事だぞぅ(笑)。
法眼:依頼の裏を取るのはセオリーだと思うぞ(笑)。
響:仕事の裏を取るのは基本だぞう。
法眼:…まぁ、合流してから情報交換すれば良いというのはあるけど(笑)。
響:裏切られても、それは調べてない奴の責任だからなっ。

・ゴグマ
達成値0:MMMが開発中の生体兵器。現在逃亡中であり、鬼来法眼という男と行動している。
達成値9:MMMはゴグマを捕えんと動いているが、ゴグマは非常に凶暴であり、破壊もやむなしと考えている。
達成値11:人間と魔物の合成体であり、生きた人間が材料に使われた。
達成値13:材料とされた男の名は、中沢光泰。MMMの研究者だった男。彼は逃走しつつ、復讐の機会を窺っている。


GM:以上で全てです。
宗一郎:「…やはり、あの男。しかし、まさかここまでとはな」
GM:他、何か調べます?
宗一郎:では、先に中沢光泰について調べます。〈情報:企業〉で(ころころ)14。
GM:情報は先ほどと同じなので、割愛します。では、シーン終了で。



●シーン5 『帰らぬ理由』  シーンプレイヤー:鬼来法眼  登場難易度:7

○繁華街


GM:ゴグマを連れて酒場で一杯やった後。ゴグマが「どこか、身を隠す宛はあるか?」と聞いてきますが。
法眼:さっきの情報収集の演出で、俺が囮になって追っ手を誘い出し、逆に捕まえて締め上げて情報を得た、というのはどうだろう?(笑)
GM:ああ、ではそれで(笑)。
法眼:「―――さて、これで神崎の居場所は割れたわけだ。…どうする?」
GM/ゴグマ:「…すぐにも向かいたいところだが…今の格好では、その前に騒ぎになりかねんでな。お前の服を貸してもらえれば、ありがたい」ゴグマの格好はボロボロのコート一枚で、気を抜けばつぎはぎだらけの死人のような肌が見え隠れしてしまう。
法眼:「……この僧衣、実は俺の一張羅なんだが。古着屋にでも寄るか」溜息(笑)。
GM/ゴグマ:「…すまんな。この格好、さすがに人目を引く」巨漢の僧侶とボロボロコートの二人組は、確かに目を引いている。
法眼:しかし目立とうとも僧衣を脱がない俺(笑)。その辺の古着屋で、彼にサイズが合うようなスーツを見繕ったということで。
GM/ゴグマ:「法眼、一つ教えてくれ。お前は何故俺を助けた? お前もMMMに因縁があるようだが、俺を助けた時点ではその理由はなかったはずだ」
法眼:「街中で銃ぶっ放す連中と、追われてるらしき男が一人。お前なら、どっちを助けるんだ?」さも当然、という風に答えるぞ。
GM/ゴグマ:「…普通の人間は、そこで『係わり合いにならない』と応えるんだが、な」ゴグマは苦笑しつつ、買った古着を受け取る。
響:登場します。(ころころ)成功、古着屋から出てきたところを捕まえるということで。「…中沢光泰」言い合いをしている背後から声をかける。
GM:ゴグマはその声に反射的に振り向き、次いで身構える。「…誰だ? 君は」
法眼:「…響か。奇遇、かな?」目的不明なので鋭く見据える。
響:「読み通りです。お迎えに上がりました」
法眼:「こっちはMMMに追われて逃避行の最中なんだが。巻き込まれる覚悟はあるのか?」響に警告を発してみる。
GM/ゴグマ:「…君は…中沢光泰を探しにきたという事かね?」
響:「失せ人探しは警察より企業より、そこを寝倉にしている我々が優れている。中沢早紀さんより伝言です」
GM:ゴグマは構えを解くが、警戒は解かずに言葉を待っている。
響:「『さっさと帰って来い』とのことです。まあ、拡大解釈している節は認めますが。メルキゼデクに追われていることも知ってますが、こちらも可愛い後輩の頼みなのでね」
法眼:「…中沢早紀ってのは、誰なんだ?」
響:「彼女のことなら彼(中沢光泰)の方が良く知っているでしょう」
GM/ゴグマ:「…中沢早紀と君が知り合いなら、彼女に伝えてほしい」法眼の言葉に応えず、響に向かって話す。「…『君の父は職務上の悩みからノイローゼになり、自殺した』と。…君が、彼女に伝えて欲しい」
響:「その言葉に対する返答はこうです。『そんな事、自分で答えろ。やなこった』」
法眼:「ふぅむ…」無精髭の生えた顎を掻きつつ、二人の話から事情を類推。
宗一郎:(ころころ)こっちも登場判定成功。「おい」と声をかけて、振り向かせたゴグマをいきなり殴る(笑)。
GM:どうぞ(笑)。
宗一郎:「いきなりで悪いな、中沢光泰! いや、今はゴグマか」
法眼:悪いが、宗一郎の拳は遮ろう(笑)。「…確かに、いきなりだな。どうした、石動?」
GM/ゴグマ:「お前は?」
宗一郎:「お前みたいな腑抜け野郎に、名乗る名はない。あんた、本当に良いのか? 自分の娘に2度と会わないつもりか? それが、あんたの娘にとってどれだけ残酷なことか、判って言っているのか?」
GM:ゴグマはその言葉に暫し沈黙する。そして、無言で袖をまくり、自分の腕を露わにする。その腕は大きな手術痕を境に、別人のものと思われる肘と腕が繋がり…そして組織が壊死しているのか、ぼろぼろに崩れかけている。「…わかっているさ」それだけ言い、袖を元に戻す。
法眼:「会いに行けないってのはそういう事か。…長くは保たないのか?」
GM/ゴグマ:「…これでも、逃げ始めた頃はマシだった…だが、日を追うにつれ、この様だ。…どの面下げて会う? 私は君のように、人らしい姿すらしていない。まして…君の言う通りの状態だ」
響:「だからどうした? こっちも子供の使いじゃねぇんだ。帰れと言われて帰るわけにはいかねぇんだぜ?」
GM/ゴグマ:「…ならば、やむを得ん」ゴグマは再び構えを取る。
響:「そもそもお前は俺のなんなんだ?」
GM:…恋人?
響:うへぇ! 尻だせ! 尻!!(ぇ
GM:(妙にシリアス口調で)「魔物に生まれ変わって、私は知ったのだ…今までと違う世界というものがある、と」……よそう。帰って来れなくなりそうだ(笑)。
響:「こちとら可愛い後輩の頼みを引き受けたんだが、お前と俺の関係は赤の他人なんだぜ? お前、何様のつもりよ?」
法眼:「…そういうお前こそ、こいつにとって赤の他人だろうに」呆れかえる(笑)。
GM/ゴグマ:「頼みを聞き入れられない君は気の毒だが…その頼み自体が、私の与り知るところではないな」
響:「そりゃそうだ。俺はアンタの意見は聞いちゃいない。俺の仕事はアンタを中沢早紀の前に引きずってでも連れて行くことであって、アンタがそっからどうしようが俺の預かり知らぬことだ。俺は赤の他人ではない中沢早紀の依頼を引き受けた。だが、赤の他人のアンタの言うことを聞く気は全くないね」
法眼:「待った。娘に会いに行くか否かはともかく、その前に片付けなきゃならん事があるんだが」響を止めよう。
響:「メルキゼデクの神崎正臣という男のことか?」
GM/ゴグマ:「…して、そちらの君は、何なのだね?」宗一郎を見て。
宗一郎:「なあ、あんたは自分一人で納得しているが、早紀ちゃんはどうだ? 父親は自殺したと聞かされただけで納得できるか? 早紀ちゃんにとって、あんたは唯一の肉親だ。確かにあんたの判断は大人だよ。娘のことを思う父親として当然かもしれない。だが、本当にそれだけか?」
法眼:「そう言う石動は誰に頼まれた? その娘さんが、響とお前の二人に頼んだのか?」この辺で情報交換しないと、PCが訳判らなくなりそうだ(笑)。
宗一郎:「俺は、そのメルキゼデクの神埼と言う男にゴグマを捕獲、あるいは破壊してくれという依頼を受けた。…おっと、早まるなよ。依頼人の依頼内容を喋ったことからも判るように、この依頼は破棄する。こんな外道なマネをするような奴の仕事を受ける気はない」
法眼:「ふむ。では…」かくかくしかじかで神崎をどうにかしないと早紀の身にも危険が及びかねない、と説明しよう。「…だから、今すぐに帰る事は、いずれにしても出来んという事だ」一息吐いて。「むしろ俺は、その娘さんに神崎の手が伸びていないか、の方が気になるね…」
宗一郎:「わかった。確かにここで長々と話していては危ない。あの神崎という奴、油断のならない男だ。いったん、彼女をどこか安全な場所に移そう」
響:「その意見には賛成だね。会わせた結果、彼女の身に何か起きるようでは、女性に優しい俺の面目丸潰れだからな」
GM/ゴグマ:「…まぁ、いいだろう」ゴグマは不信感を隠そうともせず、不承不承といった様子で頷く。
法眼:「俺の素性は既に知られてるらしいからな。手頃な隠れ場所が欲しいところだ」心当たりはないか、と二人に聞いたという事で。
宗一郎:「俺には、そういった心当たりはないな。響はどうだ?」
響:「いや、ここは攻勢に出よう。そろそろ相手も痺れを切らして彼女をマークする頃だ。その前に撃って出たい」
GM:では、一旦シーンを切りますか。
宗一郎:どうぞ。
法眼:OK。…相談と結論は、次のシーンでどうぞ(笑)。
響:シーン切りOKっス。
GM:ではシーン終了。絆関係の操作あれば、どうぞ。
法眼:宗一郎に絆チェック。(ころころ)成功。信頼の絆を取った。
宗一郎:では、ゴグマに絆チェック(ころころ)成功。では、救済で。
響:中沢光泰に絆チェックです。(ころころ)25で成功。絆/尽力。
GM:んー…GMからの指定。響は、さっきのシーンで絆ってのはちと無理があると思うなぁ。申し訳ないが、難易度を30にして、再判定してください。
法眼:どう見てもエゴみたいだったしな(笑)。
響:(ころころ)21で失敗。では、エゴ/軽蔑。
GM:では次のシーンへ。

▼絆/エゴの変化
法眼:宗一郎に絆/信頼を取得。
響:中沢光泰にエゴ/軽蔑を取得。
宗一郎:ゴグマに絆/救済を取得。




●シーン6 『すぐ傍にある危機』  PC全員登場

GM:では、任意の場所にて(笑)。
法眼:適当なアレナの中ってのはどうだ? もし襲撃されても最小限の被害で済む。
宗一郎:ふむ。特に思いつく場所もないので、任せます(笑)。
法眼:響はアレナの場所とか、それなりに詳しいだろ。
響:そこで賭け試合に出ることで生計立ててますからね。

○アレナ内

響:ではアレナの一つ、ビルの階と階の間にある謎の空間に。階段の数を増やすことで、階の間に1フロア作っているのを誤魔化している。「まぁ、言うなれば3.5階と言うことだけどな」
法眼:「ふむ。妖怪の隠れ里をスケールダウンしたようなものか」物珍しく見回す。
響:「アレナなんてそんなもんだよ。ビルの死角に囲まれた裏路地とか…使用目的が単純だからな。あまりスケールを大きくする必要がない」
宗一郎:「妖怪の隠れ里がどういった所かは知らないが、俺にとってはこんな場所は他に知らないな」とこちらも珍しそうに見回す。
法眼:「場所に関しては良いとして…これからどうするかな。神崎の居場所は判ってるんだから、さっさと行って片付けたいものだが」
響:「そんでもって俺の意見だが、ここからは攻勢に出る時期だと主張しよう。このまま守勢に回ってもジリ貧だし、彼女に危害が及ぶ」
宗一郎:「そうだな。早いところ片をつけた方がいい。あんな良い娘を危険な目に遭わせたくはないしな」
法眼:「…それと出来れば、光泰の身体を治す方法も見つけたいところだ。研究所に保存方法だけでもあるといいが…」
GM/ゴグマ:「…では、こちらから打って出る、と?」
法眼:(頷いて)「そうなるな。早い方がいいだろう」
響:「その通りだ。彼女にマークがつく前に打って出る」
宗一郎:「ああ、守っているだけではいずれはやられる。まして、相手は組織だ。相手に追い詰められる前に先手を打つ必要がある」
GM/ゴグマ:「しかし…信用できるのか?」法眼に向かって、響の方を顎で示す。
法眼:「あー…まぁ、女絡みなら信頼できると思っていい。ある意味心配でもあるが」
GM/ゴグマ:「…先ほどの様子では、いつ寝首をかかれるか判ったものではなさそうだが、な…」
法眼:「先刻の台詞を信じるなら、寝首をかかれる心配はなかろう。何しろそれをやれば、娘さんに嫌われる」
響:「気にするな。俺もアンタを認めていない。娘はあんなに良い子なのにな。親はヘタレだが、似なくて良かったよ」
GM/ゴグマ:「そうか。法眼、これで結論が出た。私は彼とは組めない。どうしても彼と行くなら、申し訳ないがここからは別行動としよう」
法眼:(溜息)「…だそうだ。俺は光泰氏に同行するが…お前らはどうする?」
響:「そもそもアンタの寝首をかく価値がないね。アンタを裏切って俺に何の得があるのか提示してもらおうか?」
GM/ゴグマ:「私が君を何一つ信用できない。ただそれだけの事だ。君の言葉を返すなら、示すだけの価値もあるまい。話はここまで、だ」
法眼:「…それから響。説得するつもりがあるなら、喧嘩腰の会話をしかけるのは止めた方がいい」(大きな溜息)
響:「信用していない。それはそれで結構。アンタをむざむざ死なせると中沢早紀が泣く。俺がアレナまで案内したのは彼女の為だ、アンタの為じゃない」
GM/ゴグマ:(響を無視して)「そこの君はどうするのだね?」
宗一郎:「俺はもちろん、あんたについて行く。早紀ちゃんの涙を見たくはないからな…」
GM:そこで、宗一郎の携帯が鳴る。
法眼:…アレナの中にも携帯の電波は届くんだな。便利だ(笑)。
響:隔絶された完全な異世界ってわけでもないでしょうしね。
宗一郎:「もしもし、石動です」
GM/神崎:「あ、石動さん? 捜査の方、どうなってます?」
宗一郎:「貴様か…神崎」ゴグマに視線を送る。
GM/神崎:「ええ。どうですか、調子の方は?」
宗一郎:「ああ、見つけたよ。捕獲にも成功した。引き渡したいんだが、どこに連れて行けば良い?」視線には、『俺に任せろ』といった感じで。
GM/神崎:「じゃあ、私の研究所の方に連れてきてください。ああ、それと……余計なお友達は、連れて来ないでいいですよ?」
法眼:「…(ばれてるみたいだけどな)」肩をすくめる。
宗一郎:「やっぱり、喰えない男だな貴様は…」呟く。「それで、場所は?」
GM/神崎:「そうですねぇ、あなたの保育園でどうですか?」
宗一郎:「…貴様! どういうつもりだ!?」
GM/神崎:「どういうも何も…石動さん。あなたこそどういうつもりです? そんなにぞろぞろと、お友達を連れて。あなたの隣にいる鬼来法眼という男…我が社の仇敵でして。ただでさえ物騒な相手だ。引渡しなら、彼等は必要ないでしょう? あなたがそーんな怪しい態度を取るから…こちらもそれなりの準備をしないと、狼に食い殺されちゃうじゃないですか? アハハハハハ!
宗一郎:「おまえは人間を何だと思っている? まして、自分の部下だった男を…」
GM/神崎:「非合法なのは認めますよ。だがあなたがたの存在そのものが、法の守護を受けているわけではないでしょう。そのあなたがたに、道理を説かれるとはねぇ…。そもそも、あなたは私の依頼を受けたのでしょう? それを途中で放棄する事の方が、よほど問題でしょう」
宗一郎:「いいか、俺は確かに俺はお前から依頼を受けた。だが、犬になったわけじゃない!」
GM/神崎:「では依頼は破棄する、ということですか?」
法眼:…石動。神崎ってのは千里眼の持ち主か? それともお前、盗聴器でも付けられてるのか?」いちおう小声で。
響:後を尾けられていたのかもしれん。有能だが、それに輪をかけて倫理感が高いようだからな」ぼそぼそと小声で。
宗一郎:「いいや、奴は最初からこうなることが判っていたんだろう。最悪のサド野郎だ。この状況を楽しんでいやがる!」
GM/神崎:「失礼だなぁ。私はただのコーヒー好きの、研究者ですよ」(数秒の間を置いて)「石動さん…ゴグマは引き渡してもらいます。保育園で、待ってますよ。ああ、そうそう。当たり前の話ですが、お仲間を連れてくれば、それなりの対応をさせてもらいますので、あしからず」電話が切れる。
宗一郎:「ただのコーヒー好きな研究者が、自分の部下を魔物に変えるか? 何の罪もない娘から父親を奪うようなマネをするのか? 俺は貴様みたいな奴は絶対に許さん! 貴様には地獄すら生温い!」と言って、携帯を握り潰す。
法眼:…ふむ。仕方ない、いったん別行動を取るか?」小声で。
響:「こちらのことは筒抜けみたいだな」
法眼:「どうやら石動の急所を掴まれたらしい。見捨てるわけにもいかんだろうし…ここは一度、約束通りに動いてみようか」盗聴器を警戒して、筆談のためのメモ帳と鉛筆を出す俺(笑)。
響:「どうせ、コイツ(中沢光泰)は俺とは行動を共に出来んと言っているのだろう? ちょうど良い」席を立つ。
法眼:『もちろん、近くに潜んで危なくなったら割って入るわけだが』と書いたメモを見せる。
宗一郎:「…すまない」と、頭を下げて。ゴグマに向き直り、額を地面にこすり付けて土下座する。「ゴグマ、勝手なことを言っていることは百も承知だ。俺と一緒に来て欲しい…。俺には子供達しかいない。子供達がいてくれたおかげで今の俺がある。俺は子供達のためなら、俺は、俺は…」
GM:石動に対して、ゴグマの絆チェック。(ころころ)26で成功。
宗一郎:たかっ!
GM/ゴグマ:「…止せ。頭を上げろ。神崎の仕業だというなら、俺にとっても他人事ではない」
宗一郎:「……すまない」
響:「俺は抜けさせてもらうよ。コイツが俺のことを信用できないと言うのであれば、俺も一緒にいる必要がない。俺は彼女の信用、信頼を裏切るつもりはない。だからアンタがわざわざ俺を信用する必要はない。アンタが信用するとしたら……知るか、自分で考えろ」席を立ち退場する。
法眼:…しかし響、絆に出来そうもないロールプレイばかりするなぁ(笑)。
響:うみゅ。
法眼:もしかして、わざとやってる?
響:どうせ保育園には一緒に行けないんだし、遠くから狙撃で援護させてもらいますわ。
法眼:まぁ、俺も同行は出来ないんで。適当なところで登場判定かSAで出るつもりなんだが。…問題は早紀と光泰をどうするかなんだよなぁ。早紀ってアンノウンマンなんだろ?
響:でしょうね。ノウンマンと決め付ける判断材料がないし。
法眼:せめて光泰が人間の姿に戻れれば再会は可能だが…どうも無理そうだから。このまま会わせたら早紀が発狂する怖れもある。それが解決できない限り、俺は会わせない方が良いと判断するぞ。
響:よく考えたら、ゴグマは常に魔獣化状態なのか? それとも仮の姿でも人じゃないことバレバレか?
法眼:あの外見描写から考えて、一目で「もう人間じゃない」と判る状態だと思ってたが。
GM:ゴグマは、コートの中を見られれば、一発で化物と判別できる状態です。
響:服を変えて露出しているところを隠せば何とかなるのなら、可能性はありだと思われ。
法眼:…無理だろうなぁ。会えない理由を今から考えておいた方が良いと思うぞ。
GM:ではシーン終了で。絆操作あれば、どうぞ。
法眼:話に出てる早紀ちゃんに絆チェック。(ころころ)成功。関係は救済で。
宗一郎:俺も早紀ちゃんに絆チェック。(ころころ)絆/慈愛で。
響:法眼に絆チェック。(ころころ)絆/信用。中沢早紀を泣かせないよう頼みますぜ、旦那。

▼絆/エゴの変化
法眼:中沢早紀に絆/救済を取得。
響:法眼に絆/信用を取得。
宗一郎:中沢早紀に絆/慈愛を取得。



●シーン7 『狼の咆吼』  シーンプレイヤー:石動宗一郎  登場難易度:7

○無認可保育園『ひまわり園』

 夜の保育園は人気がない…本来なら。
 だがそこにはいるはずのない完全武装の兵士の一団が待ちかまえていた。
 そして屋内には子供たちがいるのだろう、煌々と明りがついている。


GM/神崎:「いーするーぎさーん? まーだでーすかー? 早く来ないと、順番に殺っちゃいまーすよー?」庭から神崎の声が響く。
宗一郎:「慌てるな! ここにいる!」
GM/神崎:「いやぁ、来てくれましたか! せっかくのコーヒー、冷めてしまうところでしたよ! で、ゴグマは? 私の、愛しのゴグマちゃんはどこですか?」
宗一郎:「すぐそこにいる。子供達を放してくれ」
GM/神崎:「依頼を果たしたら、でしょう? お仕事には手続きというものがある、そうでしょう? 警察なんて、書類がないと何もしてくれない組織の代名詞ですしね。…ああ、ですが一応無事を証明しないと話になりませんね。ほら、連れといで!」神崎の声に応え、4人ほどの子供と、職員が二人、兵士に連れられてくる。銃口を頭につけた状態だ。
宗一郎:「みんな、怖かっただろう? 大丈夫だから、もうちょっと我慢してくれ!」
GM/子供:「せ…せんせぇ…!」
宗一郎:「こら健史、泣く奴があるか。お前は男の子だろう? もう少しの辛抱だ」
GM/神崎:「ほぉ〜らほらほら、早くゴグマを下さいよ。ああ、それとまさか、お友達は連れてきてませんよね?」
宗一郎:「わかっている。……ゴグマ、出てきてくれ…」
GM:ゴグマは無言で出てくる。そして、神崎の元へ向かう。「いや〜、素晴らしい! 本当に捕えていたんですね! てっきり嘘だと思ってましたよ。ごめんなさい、石動さん」
宗一郎:「さあ、約束だ。子供達を解放してくれ」
GM/神崎:「よし、搬送しろ。麻酔を忘れるなよ。…よし、そうそう。…では、行っていいよ、君たち」ゴグマが拘束されたのを確認してから、子供たちと職員を解放する。
宗一郎:「みんな、ごめんな。怖かっただろう…もう大丈夫だ。何も怖いことはないからな」と、抱きしめて慰める。
GM/神崎:「いやぁ、助かりました石動さん。ああ、これはお礼です」札束を投げ捨てる。「…アディオス! 石動さん、あなたは職業倫理に多大な問題はあったが…嫌いではなかったですよ!」
法眼:やな奴だなぁ、神崎(笑)。
宗一郎:「貴様……人をどこまでコケにすれば気が済むんだ!?」
GM/神崎:「おや、いらない? …まぁ、同じか。さ、処分しなさい」神崎が指を鳴らすと、兵士たちがマシンガンを構える。
宗一郎:「神崎……俺は人を、人間をこれほど憎いと感じたことはない!」髪がざわめきだす。そして、「子供達をつれて、安全な場所に避難してくれ!」と、保育士たちに有無を言わせない迫力で言う。
法眼:登場判定だ。(ころころ)成功。
響:(ころころ)同じく登場。
法眼:「おっと、そこまでだ!」《天駆けるもの》で空中から舞い降りる(笑)。兵士たちがエキストラなら、そのまま突っ込んでまとめて殴り倒すが。
GM:降下と同時に、兵士たちは機関銃にて宗一郎・子供たちのエンゲージに射撃します。
響:えーっと、兵士ってトループ扱い?
GM:クラードですたい。行動値順に処理しませんが。
法眼:《俊敏なる盾》、もしくは《駆け抜けるもの》は間に合うか?
宗一郎:間に合わなければ、HA《獣の盾》を使用しますが。
GM:アーツは間に合わない、とします。
法眼:…? えーと、そうすると子供たちは蜂の巣?
響:つまり“ハイパーアーツ”なら間に合う!
GM:そうです。宗一郎がHA《獣の盾》を取っている時点で、こう使わせようと心に決めていた(笑)。
宗一郎:ありがとう(笑)。では、神崎のエゴを固定。AGP1点を使って、子供達への攻撃を全て受ける!
響:法眼と石動の絆を固定して、二人に愛1点ずつ渡す!
GM:兵士たちの放った銃弾は、狙いを外さず石動と子供たちを蜂の巣にする…はずだった。だが石動の一瞬の動きで銃弾は子供たちから逸れ、石動の体に吸い込まれる!(ころころ)16点〈殴〉ダメージ×5です。
宗一郎:魔獣化しますた。
法眼:しないしない(笑)。《獣の盾》を使ったなら1回分のダメージだ(笑)。
宗一郎:あ、そうなんですか? まだ、ルールに疎くて(笑)。
GM:ああ、そうなんですか? 『あなた一人が』=『あなた一人が、他の人の分全てを』だと思ってたので。

 ここら辺、ややこしいので解説。普通のカバーリングだと、庇う側は庇われた相手のダメージも引き受けるので、2倍ダメージになります。
 しかしHA《獣の盾》は、範囲やシーンへの攻撃を[対象:単体]とした上で対象を自分に変更するので、1回分のダメージで済むのです。


法眼:厳密には、庇えるのは「1回のダメージロール」に対してなんだが、この場合GMは範囲攻撃の扱いにしてるみたいだから。…でないと、庇いきれなくて子供らが死ぬ(笑)。
GM:機関銃の説明は範囲攻撃となっているので、範囲攻撃です。で、HAは『ダメージロールの対象変更』なので、1発分ですね。
宗一郎:では〈耐性〉で3点引けるので、13点通し。
GM/兵士:「バカな! 銃弾を体で受けるだと!?」兵士はマシンガンの銃弾を受けてなお立っている石動を見て、完全に動転しています。
宗一郎:「見ろ、欲に踊らされし人間ども! 今宵は満月。人狼が不死身だという伝説、その眼でとくと拝むが良い!」
法眼:攻撃しても良いですかな?
GM:クラードと言った以上、判定を。攻撃どうぞ。
法眼:「オン・キリキリ・オン・キリキリ・オン・キリウン・キャクウン…不動金縛り法、喝ァァッ!!」 《恐怖の咆哮》で(ころころ)達成値19。ちなみに範囲攻撃。
GM:(ころころ)命中です。
法眼:33点の〈斬〉ダメージ&[重圧]。
GM:全滅しました。
法眼:「ま、ざっとこんなもんだ」ぎろり、と神崎を睨む。…それから宗一郎。子供らの目がある事を忘れるな(笑)。
宗一郎:うぃ、だからまだ獣の姿にはなっていません(笑)。それになったとしても、特撮の撮影だといえば……無理か(笑)。
響:魔獣化する前なら誤魔化せそうだが、魔獣化は完全に気配から異質ですからね〜。
宗一郎:ええ、魔獣化したらしたで美味しいとは思うのですが、いきなり最大のアイデンティティがなくなってしまう(笑)。
GM:『いきなり最終回』のノリだ(笑)。
宗一郎:まったくだ(笑)。
法眼:だから俺も変身せずに術で撃退したんだ。傍目には真言を唱えた途端に兵士が倒れたように見える(笑)。
GM:ところで、神崎は今の騒動の間に逃走したのか、姿が見えません。HA《異端の生命》で退場します。
法眼:「…ちっ、逃げ足の速い野郎だ」
GM:ゴグマもまた、連れ去られています。
法眼:「追うぞ。このまま奴の好きにはさせねぇ!」近くに駐車してあったジープに乗って研究所へ向かう。
宗一郎:では、俺もそれに乗り込ませてもらおう。
GM:移動により、シーンエンド。[SA:神崎を倒す/ゴグマを助ける]から選択どうぞ。
法眼:ゴグマを助けるだな、成り行き上。
響:依頼内容からすればゴグマを選択。
宗一郎:ゴグマを助ける。そう行動しなければ、これまたキャラのアイデンティティに関わる(笑)。
GM:では絆操作をどうぞ。
法眼:あ、神崎に絆チェック。(ころころ)…ファンブった!? エゴだ(笑)。
宗一郎:おお! 図ったかのように(笑)。
法眼:神崎にエゴ/嫌悪を取った。
響:神崎に絆チェック。(ころころ)絆/敵意。
宗一郎:エゴの内容を変える場合は、どうやるんでしたっけ?
法眼:絆チェックで失敗すれば、かなぁ。
GM:絆チェック、人間性最大値+ダイス≧20となれば、エゴを絆に変えられる。エゴをエゴに変更かな?
法眼:ロールプレイで難易度を上下させる事も可能。エゴのままにしたいなら、それなりの演技をして難易度を上げるがよろし(笑)。
宗一郎:そう。エゴをエゴに変更したい。つまり、エゴの内容を変更したい。
GM:例えば、何を何にでしょう? このシーンの内容から加減できれば、それで済ますので。
宗一郎:神崎へのエゴを、疑惑から憎悪にしたいのですが。
GM:絶対値4を加減して、判定してください。
宗一郎:(ころころ)よし失敗! では、疑惑から憎悪に変更しました。
GM:ではシーン終了。

▼絆/エゴの変化
法眼:
神崎正臣にエゴ/嫌悪を取得。
響:神崎正臣に絆/敵意を取得。
宗一郎:神崎正臣へのエゴ内容を憎悪に変更。



 

■クライマックスフェイズ■


●シーン8 『狂える鋼の使徒』  PC全員登場

○MMM、神崎の研究所

 厳重な警備体制の敷かれた研究所は、警備の目をかいくぐるのも至難の技だ。
 その研究所の奥の一室で、神崎はゴグマを手術台に乗せ、医療機械を操作していた。

「うーん、体組織の崩壊が酷いなぁ。いや、これは凄い。
 …よく生きてるねぇ、君。これじゃもう、コーヒーも飲めないだろう?」

 ゴグマは麻酔で眠らされているのか、応えはない。


GM/神崎:「さて、十分なデータも取ったし、愛しい君ともおさらばだ。残念だよ、中沢君。君は優秀な助手だった…」神崎はトレイから注射を手に取り、ゴグマの腕を取る。
法眼:[SA:ゴグマを助ける]で登場する。「水を差すようで悪いが、そうはさせんぞ!」
GM/神崎:「いや、研究成果に自らの手で引導を渡す事になるとはねぇ…ん?」手を止め、振り返る。
法眼:ダッシュで近づいて注射器を叩き落とし…たいなぁ(笑)。
GM:どうぞ(笑)。
法眼:では、注射器もろとも鉄拳で神崎をぶっ飛ばした(笑)。
宗一郎:[SA:ゴグマを助ける]を使って登場。「借りを返しにきた。無事だな、ゴグマ!?」
GM/神崎:「チィ! …乱暴はいけないな、鬼来法眼君。それに石動君もか…」
響:[SA:ゴグマを助ける]を使用して登場。「俺は二人と違って、アンタにゃ恨みはないがね」
GM/神崎:「おやおや、結局お友達を連れてきてしまったのか、石動君。こんな大勢で見学とはね…そうだ。君たち、コーヒーでも飲むかい?」
宗一郎:「そして、もちろん。お前にも借りを返しに来たぞ、神崎!」
GM/神崎:「そうか、そうか。何ならクリープもつけよう。森永のクリープだぞ? あれは絶品だが…」
響:「すまない。俺は紅茶党でね。あんなカフェインばかりで胃が荒れる飲み物を好き好んで飲むとは、君はMか?」

 ……えー、いちおう彼らの代理として筆者が謝っておきます。紅茶党の人もコーヒー党の人も、ごめんなさい(陳謝)。

GM/神崎:「そうか……残念だな。紅茶党とは…では君は私とは生涯の敵、という事か…」
響:「同感だ。君とは一生分かり合えることはないらしい。まことに残念だよ。まあ、ここまでだが」
GM/神崎:「…さて。コーヒーを飲みに来たのではないとしたら…一体君たちは、ここに何をしに来たのだね?」
宗一郎:「どこまでもふざけた奴だ。貴様の戯言に付き合うのは、もうウンザリだ。お前とはここでケリをつける!」
GM/神崎:「…ふぅ。やれやれ、これだから魔物というものは…。コーヒーを理解しないとは、やはり文化的な生物とは言い難いな」
響:「紅茶の繊細な味を理解できないとは粗野にも程がある。未開の地でウホウホ吠えながら生活したまえ、野蛮人め」
法眼:「…研究者としての神崎雅臣に一つ訊く。中沢光泰の延命は可能か?」
GM/神崎:「さぁねぇ。興味がないからな。もうあらかたデータは取ったし、延命を図るより処分した方がコストが安いよ」
法眼:「コストなぞ知らんし、処分は問題外だ。可能かどうか、それだけを訊いている」
GM/神崎:「ハハハ、ここの資料を持って、どこかにスポンサーでも見つけることだね! まぁ、いいさ。君等はここで、排除するしかなさそうだ。勝手に研究成果を持っていかれては敵わないから、ね」
法眼:「…なるほど。では、貴様程度の技術者では無理と解釈して良いのかな?」
GM/神崎:「好きに解釈したまえ。まぁ、仮に可能な者がいたとして、その金とその後のゴグマの生活がどうなるかは、想像にお任せするよ」
法眼:「そうか。ならば……ここを貴様もろとも葬り去るまでだ!」身構える。
GM/神崎:「さぁ始めよう。魔物の存在など、科学で解明し…そして打ち勝つ事ができると、教えてあげよう」
響:「そうかい、お前ごときの浅慮な脳みそでは、解明できぬことなど海の広さ、星の数ほどあると証明して見せよう」


GM:これより戦闘を開始します。神崎の行動値は8です。エンゲージは、神崎までは1移動分の距離があります。PC同士のエンゲージは、自由に選択してください。
法眼:エンゲージはばらけてるって事で。
響:では一番後ろに陣取っていましょう。
宗一郎:そうですね。ばらけます。
法眼:さて、「魔物の力を封じる研究」ってのが気になるんだが…パワーソースでも使ってくるかな?
GM:では、戦闘開始前に説明を。初めて使うルールなので、もしかしたら間違っているかもしれませんが。ええと、ここはドミニオンとして扱います。PS《レルム:地域/MMM研究所》となります。その他使用するPSは、《世界律:封印/イレギュラー》《世界律:法則/魔力》《世界律:破滅》Lv1です。イレギュラーのブラッドを所持しているPCは、クリティカル+3、ファンブル+3の修正。〈魔力〉技能の達成値−3、Crt値+2。判定にファンブルした場合、減少不可のダメージ2D6が入ります。
法眼:やっぱり来たか!
GM:いや…だって、法眼と響、強いんだもん(笑)。
響:そうか? 現状使用経験点0点ですが?(笑)
GM:響の場合、クリティカル特化の組み方が(笑)。
法眼:ははは(笑)。達成値でなんとか頑張ろう(笑)。
宗一郎:がんばれー(笑)。
GM:つか、クリティカル8以下で判定するキャラには、何らかの対策とらないとバランスが取れないんで。
響:むう、しまった! 俺、Crt値が高いと魔力の判定値が3という問題外PCになれるよ!(笑)
法眼:(響のデータを見て)…極端な組み方してるからなぁ。逆境に弱いんだ(笑)。
響:というか、現状〈魔力〉の判定だと
2d6+0!(笑)
GM:すげえ、素敵な判定値だ(笑)。
響:判定値はもうちょっと経験点貯めてから稼ごうと思ってたからね〜(笑)。
法眼:守護者を出して、ようやくとんとんか?(笑)
響:いや、守護者も〈魔力〉のCrt値に特化してるから。出したところで判定値は上がらないし、《盟約》使ってやっとクリティカルのペナルティと相殺(ゆんゆん
法眼:HA《電光石火》と《歩く影法師》で何とかフォローするしかないな(笑)。
響:おう、だから愛を合計3点ほどプリーズ!(笑)
法眼:あげましょう(笑)。
宗一郎:了解(笑)。
GM:では、以上の条件で戦闘を開始します。

 現在のエンゲージ:(神崎) (法眼)(宗一郎)   (響)


▼ラウンド1

法眼:「さぁて、油断せずに行こうぜ!」絆を4つ固定して、宗一郎と響に2点ずつAGP渡しておく。
響:こちらも誇り、持ち込まれる厄介事、中沢早紀、神崎の絆を固定して2点ずつ法眼と石動に渡す。
GM:他にセットアップある方は…いませんね? では神崎のセットアップを。

「コーヒーを飲む時間が惜しい…手っ取り早く済ませよう!」

 そう叫ぶと神崎は胸元からリモコンを取り出し、ボタンを押す。
 次の瞬間、壁を突き破って巨大な機械の塊…見ようによってはロボットにも見える物体が現われた。

「――――合体!!」

GM:《絶対先制》で《戦友》を使用します。神崎はロボットに乗り込み、行動終了(笑)。これメジャーアクションなの(笑)。
法眼:巨大ロボット乗りか!? レアな代物を!(笑)
響:《リモートコントロール》略してリモコンか! TVのチャンネル争いは負けませんわよ!

GM/神崎:「フゥハハハハハァァ! 
MMMのォォォォ! 
科学力はァァァァァ! 世界一ィィィィィィィィ!!」…以上、終了です。行動どうぞ(一同爆笑)。

宗一郎:ああ、久しぶりにまたジョジョが読みたくなった(笑)。
GM:俺、もうこの一言言えたから満足だ。もうセッション終了でもいいや(笑)。
法眼:「少し本気で…遊んでやるぜっ!!」オートで《獣化》、マイナーで接敵してぶん殴る! (ころころ)達成値は24。
GM:《氷の精神》で(ころころ)達成値25、攻撃を無効化します。
法眼:うお!?
GM/神崎:「角度26度から、初速度348kmでの打撃…読めているのだよ! コーヒーに入れるクリープより甘いな、鬼来法眼君!」
法眼:毎ラウンド1回は妨害されるな。これはキツイかも。
GM:では次、響の番です。
響:リモコン合体なら物理属性攻撃の効果は激しく薄いだろうしのう…。経験点使って、《属性具現化》取得してもOKですか?
GM:どうぞ。
響:《属性具現化》取得。属性は〈闇〉で。メジャー《魔弾》で射撃攻撃。(ころころ)出目は10で、達成値14。
GM:〈運動〉は低いので…(ころころ)出目も悪い、9で命中です。
響:(ころころ)17点の〈闇〉ダメージ。
法眼:ところで、神崎のブラッドはフルメタルと何だろう?
響:調べてないからPC視点じゃ分かんないような…。
法眼:あぁ、敵もイレギュラーなら《世界律:封印》の効果を受けるかな、と。そこまで間抜けじゃないだろうが(笑)。
GM:行動値が同じ場合、PCが優先でしたっけ? では宗一郎の番です。
宗一郎:オートで《獣化》、マイナーで《ビーストヘジーク》、メジャーで《血脈付与》を使用します。両手で胸をクロスして掻きむしる。以上です。
法眼:…それ(=血脈付与)、また使うの忘れてたのな(笑)。
宗一郎:ふふ。……反省しろ俺(笑)。
(*第28話クライマックスを参照)
GM:では神崎の行動。マイナーで《加速装置》《ピアシング5Lv》《エネルギーチャージ5Lv》、オートで《精密制御》使用。対象は法眼に(ころころ)6ゾロ、クリティカルかいな(笑)。
法眼:(ころころ)無理だ(笑)。
GM:35点、〈雷〉です。
法眼:「オン・サラサラ・バザラ・ハラキャラ・ウン・ハッタ…金剛墻ッ!」 《念動壁》使用、(ころころ)13点防いで22点通った、残り40点。
響:アーツのレベルが5…なんかトゥルーみたいですな。
GM:フルメタルのトゥルーです。ではラウンド終了。

 現在のエンゲージ:(神崎ロボ・法眼) (宗一郎)   (響)


▼ラウンド2

GM:セットアップ、神崎はなし。PC側もなしなら行動値10のお二人、どうぞ。
響:ではこちらから行きます。メジャー《魔弾》で射撃(ころころ)達成値12。
GM:〈運動〉で回避、(ころころ)こちらも12。
響:くっ、レベルの低い争いだ!(笑)
GM:ふふふ、馬鹿にできんな、この達成値(笑)。
法眼:俺はいったん待機する。
GM:では行動値8で、宗一郎。
宗一郎:では、マイナーで《切り裂くもの》、メジャーで血塗れの手刀で攻撃。(ころころ)…ダイス目が3で達成値15(笑)。ふふ、この役立たず(笑)。
法眼:まぁ、ファンブルじゃないから当たるかも(笑)。
GM:(ころころ)14…惜しい、1足りなかった。ダメージどうぞ。
法眼:って、本当に当たったー!(笑)
宗一郎:当たったぁ!(笑) なら、(ころころ)43点の〈闇〉ダメージ!!
GM:それで魔獣化。HA《超魔の命》により、FP240回復します。
宗一郎:「そんなガラクタで何ができる? 命が惜しいのならば、研究資料をこちらによこせ。そしてゴグマ、いや、中沢を元に戻すのを手伝ってもらう!」
GM/神崎:ぐぅああああ!? 私の、私の顔に傷を! ママにも…
ママにも打たれたことがなかった、私の顔をォ!!
宗一郎:ア、アムロ?(笑) アムロは親父だけど(笑)。
響:「パパには打たれた事あったのか」
GM:神崎はロボの腕を器用に動かし、机の上のコーヒーカップを手に取ると、コクピット内に収納。ずず、と啜りこむ音が聞こえてくる。「っはぁ〜…失礼。私とした事が、少々取り乱してしまったようだ。見苦しい姿を見せてしまったね」
法眼:「…まさか、コーヒーが動力源なんじゃないだろうな、このガラクタ」呆れてぼやく。
響:「ロジャー! ロジャー! ここにガラクタがいるぞ! 私はどうしたら良い!?」
GM/神崎:「さて石動君。君には…お礼が必要だな!」先ほどと同じ攻撃を宗一郎に。(ころころ)達成値29。
宗一郎:かわせるかいな!(笑)

 そして振ったダイスは1ゾロだったり。

宗一郎:ファンボー!(大爆笑)
法眼:狙い澄ましたようなファンブル(笑)。
GM:この時点で、まず《世界律:破滅》分の2D6ダメージを。(ころころ)3点。更に攻撃分のダメージ、(ころころ)〈雷〉属性の33点。
宗一郎:では、魔獣化します。ミドルの13点ダメージがなければ生きていたのですが、残念!
法眼:それなら《俊敏なる盾》で庇おうか?
宗一郎:あ、お願いできますか?
法眼:了解。では、こっちに33点ダメージもらった。
宗一郎:「すまない、法眼!」
法眼:「…ッ、任せろ!」で、待機してたこっちの行動。
GM:どうぞ。
法眼:「鬼の力は封じられても…これはどうかな?」マイナーで《切り裂くもの》、メジャーで《守護者》。「ナウマク・サラバタタギャーテイビヤク・サラバボッケイビヤク・サラバタタラタ・センダマカロシャダ・ケン・ギャキ・ギャキ・サラバビギナン・ウン・タラタ・カン・マン…不動、火界咒ッ!」 更に、召喚された守護者『不動明王』が《千年王国》使用。これで味方の全判定達成値に+2、ダメージロール+1d6。
GM:では次ラウンド…の前に。HA《ブーストアップ》使用。メジャーアクションの《ロケットパンチ》をHA《魔法の国よ》で拡大。シーン全体に攻撃。
法眼:これは、《電光石火》の出番かな?
響:「それは通すつもりはない!」AGP1点使用してHA《電光石火》。防御をクリティカルにすると同時に、対決側の行動をファンブルにします。
GM:通しで。
響:そっちの《世界律:破滅》で(ころころ)地味に8点ほど軽減不可能なダメージでも受けといてくだされ。
GM:はい、喰らいました。では次ラウンド。

 現在のエンゲージ:(神崎ロボ・法眼&不動明王・宗一郎)   (響)


▼ラウンド3


GM:ではセットアップなければ、また行動値10の方々からどうぞ。
響:行動します。メジャー《魔弾》で(ころころ)達成値15。
GM:(ころころ)命中。ダメージをどうぞ。
響:《千年王国》でダイス1個増えて、(ころころ)17点闇ダメージっす。
GM:はい。では次へ。
法眼:爪で切り裂く。《守護者同調》と《千年王国》の効果で+5されて(ころころ)達成値30だ。
GM:《氷の精神》で妨害…(ころころ)25、届かない! ダメージどうぞ。
法眼:(ころころ)59点の〈斬〉ダメージ。
GM:喰らいます。HA《鏡の身体》使用、対象は響に。
響:それはもろにうけて魔獣化します。
法眼:
(恐る恐る)あのー、HA《鏡の身体》は[対象:シーン全体]なんだが…。
GM:「シーンにいる任意のキャラ」となってますが…? ああ、ありがとう! その一言で、ようやく気がついた!(笑) 「シーン内の任意の一人」だと思ってたが、よく見たら「対象:シーン」でしたね。いや、完璧に勘違いしてました。失礼!
法眼:…仕方ねぇ。HA《歩く影法師》で《獣の盾》をコピー! 俺がダメージ喰らって魔獣化だ。
GM/神崎:「攻撃ベクトルを乱反射させる技術だよ。自分の一撃を自分で味わう気分はどうかね?」
法眼:うぅ、敵のミスも訂正せずにおれない自分の律儀さが…憎いっ(笑)。
GM:ふふふ、助かりましたよ(笑)。では次、宗一郎の行動です。
宗一郎:「法眼! …くそ、このままじゃジリ貧だ。俺が血路を開く! 後を頼むぞ!」とっかーん!(笑) HA《死者の微笑み》を使用します。(ころころ)基本で33、更に+2されて達成値35です。
GM:(ころころ)15で命中です。
響:HAを使うならAGPを何点使うか宣言するのを忘れているぞ!
GM:本当は、命中判定前に消費AGPを宣言ですね。いずれにしろ命中ですので、今宣言で構いません。
宗一郎:ああ、ごめんなさい! えと、エゴ:補完を固定して、響からもらっている3点をプラスして4点。法眼からはありませんか? なければ、4点で。
法眼:最初に俺から渡した2点は?
宗一郎:あれ、すいません見落としてました(笑)。では、合計6点で。(ざらざらざらーっ)88点ダメージです!
GM:…宗一郎。君は俺を、PLの心の解らない、酷いGMだと罵ってくれて構わない。HA《真理のe》で今のダメージを0にする。
法眼:ぐぁ! 《ヴォイド》は…ない(がくり)。
宗一郎:しまった!
GM/神崎:「くくく…人生とはコーヒーのように苦いものだ。そう甘くはいかない。まして紅茶党の君たちには、ね」
響:「なに、俺は楽観主義者でね、君みたいにコーヒーのような悲観主義者に、この世界の素晴らしさは解らないことだろうが」
GM:では神崎の攻撃を、組み合わせは同じで宗一郎に。(ころころ)24。
宗一郎:(ころころ)…やはり、駄目か。
GM:(ころころ)29点の〈雷〉です。
法眼:ところで宗一郎、《ビーストヘジーク》は使ってないのか?
宗一郎:あ、使っているから回避できないんだった! 忘れてました。すいません、次からは気をつけます(汗)。
GM:お、そういえばそうでしたね。まぁ結果は変わらないので、とりあえずダメージの処理をお願いします。
宗一郎:なんとか、ギリで生きてます。FP1。
GM:…ちっ(舌打ち)。
法眼:《切り裂くもの》と《ビーストヘジーク》は両方ともマイナーアクションなので、同時には使えない事に注意(笑)。準備に時間がかかります(笑)。
宗一郎:なにーー!?(笑)
GM:うむ、詳しい人がいると楽でええのぅ…私がGMの仕事をしていないとも言うが(苦笑)。
宗一郎:でも、それは両方とも使用するには2ターン必要だということですよね? 効果時間が、使用停止とシーンになってますから。
法眼:そうです。但し、敵と距離が離れてるとマイナーで移動が必要になるから、更に時間がかかる(笑)。
宗一郎:うわっ(笑)。
←エンゲージ移動を忘れてた人
法眼:俺もビーストやってるから、準備時間の長さにいつも泣かされるんだ(笑)。

 現在のエンゲージ:(神崎・法眼&不動明王・宗一郎)   (響)


▼ラウンド4


GM:セットアップなければ、行動値10の方々から行動をどうぞ。
響:メジャー《魔弾》で(ころころ)達成値17。
GM:〈運動〉で回避。さすがにこれは厳しいか…?(ころころ)命中です。
響:(ころころ)ダメージ14点の〈闇〉。
GM:では次、法眼。
法眼:爪で切り裂く。(ころころ)29。
GM:《氷の精神》で妨害、(ころころ)6ゾロでクリティカル! 回避です!
法眼:「くそっ、またか!?」
GM/神崎:「言ったろう? 甘くない、と! コーヒーでも飲んで、落ち着いたらどうかね?」次、宗一郎。
宗一郎:爪で切り裂きます。(ころころ)23です。
GM:〈運動〉で(ころころ)命中です。ダメージをどうぞ。
宗一郎:「確かに人生苦いことだらけだ。だが、それで諦めてちゃ苦い思いをし続けるだけだ! それなら俺は、足掻いて足掻いて足掻きぬいてやるよ!」(ころころ)48点の〈闇〉ダメージ!
GM:HA《鏡の身体》使用。24点の実ダメージを、自分以外のシーン内の全員に。
法眼:またか! 響、魔獣化がまだなら《獣の盾》頼めないかな?
響:HA《歩く影法師》を《獣の盾》にして使用。これで魔獣化します。
宗一郎:早紀とゴグマの絆を固定。響にAGP2点。
GM/神崎:「もうそろそろ、後がなさそうだねぇ…! さぁ、これで…とどめだ!」神崎の行動、法眼に攻撃。組み合わせ、これが使用回数最後!(ころころ)達成値27!
法眼:(ころころ)29で回避した。
GM:ぐあ…これを避けるか。
法眼:「デカブツだけのことはあるな。遅すぎて欠伸が出るぜ!」
GM/神崎:「まだだ! まだまだ終わらん!」HA《ブーストアップ》《魔法の国よ》使用。メジャーアクション《ロケットパンチ》、マイナー・オートなし。対抗なければダメージ出しますが。
法眼:「残念、さっき避けた時に霊符を貼り付けといたんだよ!」HA《歩く影法師》で《電光石火》をコピー! 符から迸った霊力が、一瞬だけメカの機能を狂わせる。打ち消しがないなら、そっちの攻撃はキャンセルだ。
GM:打ち消しなしです。攻撃キャンセルで、次ラウンド。

 現在のエンゲージ:(神崎・法眼&不動明王・宗一郎)   (響)


▼ラウンド5


GM:セットアップなし。行動値10からどうぞ。
響:待機します。
法眼:爪で攻撃(ころころ)ぐお、低い…ダイス目が5。…って、これファンブルか? だったらAGPで振り直す。
GM:ファンブルですね。
宗一郎:では、残りの絆を固定して、法眼にAGPを2点渡します。
法眼:振り直して、(ころころ)今度は33だ。
GM:《氷の精神》で妨害…(ころころ)29で失敗、命中です。
法眼:(ころころ)58点の〈斬〉だ。
GM:多少防ぐものの、ほぼ食らいました。次の方、どうぞ。
宗一郎:爪で引き裂きます。(ころころ)20です。
GM:〈運動〉で(ころころ)13、命中です。
宗一郎:(ころころ)41点の〈闇〉ダメージ!
GM:では神崎の行動。響に《ロケットパンチ》で攻撃。(ころころ)また6ゾロ!? いやに素でクリティカルが出るなぁ…。
響:それは最後のHA《電光石火》。
GM/神崎:「チィ! 軌道を逸らされたか!」通しで、攻撃失敗。
響:「返すぜ!」メジャー《魔弾》で(ころころ)達成値13。
GM:〈運動〉で(ころころ)ギリギリ…命中!
響:(ころころ)15点〈闇〉ダメージ。
GM:では次ラウンドへ。

 現在のエンゲージ:(神崎・法眼&不動明王・宗一郎)   (響)


▼ラウンド6


GM:セットアップなし。行動値10からどうぞ。
響:もうHAも打ち止めだから、ガンガン攻撃させていただきます。メジャー《魔弾》、(ころころ)達成値14。
GM:〈運動〉で(ころころ)またもギリギリ命中。一進一退だよ、ほんと(笑)。
響:(ころころ)19点〈闇〉ダメージ。
GM:では次どうぞ。
法眼:爪で攻撃。(ころころ)ファンブル、AGPで振り直しー(笑)。(ころころ)今度は32で。
GM:《氷の精神》で(ころころ)31。さっきから、あと一歩で避けてたのに…(笑)。
法眼:(ころころ)61点の〈斬〉だ。
GM:その一撃が、神崎のいるコクピットを引き裂く!
法眼:「終わりだ…さっさと出てきな!」神崎を掴んで引きずり出す!
GM/神崎:「ヒ…ヒィ!」ロボはその一撃で動きを停止する。戦闘終了です。
宗一郎:決まったー(ほっ)。
法眼:すまん。守護者に攻撃させたらもう少し早く終わったかもしれんが、人間性がやばかったのだ(笑)。強力だけど、一撃で7も人間性が減るんだよ、守護者の攻撃(笑)。
宗一郎:いえいえ、みんな無事で良かった(笑)。


GM/神崎:「ハハ…ハ…。ど、どうだね。コーヒーでも飲んで、落ち着いて話し合わないか?」
響:「言ったろ? 俺は何党だ?」
GM/神崎:「紅茶…党、だったね。いや、紅茶は素晴らしい。イギリス人の文化の極みだよ」
法眼:「…お前にもう一度だけ訊いてやる。中沢を元に戻すか、延命の方法を教えろ。出来ないとか抜かしやがったら…判ってるな?」凄味のある笑顔で訊いてやろう。
GM/神崎:「ひゃ…ひゃいッ!」裏返った声で答える。
宗一郎:「さて、そんなおべっかを使うんだ。もちろん、教えてくれるな?」と、こちらも鋭い眼光で威圧する(笑)。
GM:…で、実際ゴグマはどうします? GMの好み的には助からない方が好きなんですが……皆さん的には助かった方がいいですよね?(笑)
法眼:PC的には助けたいが、無理ならこのまま娘とは会わせない方が良いだろう。当座の延命だけなら《獣の生命》でも使うんだけどな。
響:PL的にはどっちでも可。
GM:宗一郎は?
宗一郎:PC的には助ける方法を探すね。でも、PL的には確かに死んだ方が絵になると思いますね。
GM:見事割れたな。ではGMから助からないを一票入れ、その形で進めます。
一同:了解。


GM/神崎:「ぇえ、延命方法ですね!? それなら、あの3番の棚の資料に…!」
法眼:「響、見てくれ」神崎を捕まえたまま、調べてくれるよう頼む。
響:では3番の棚の資料を広げます。
GM:中にあった資料には、確かに延命手段が書いてあった。だがそれはどれも、当座凌ぎの手段にすぎない。
響:「確実な手段と呼べるものはないな」
法眼:「…そうか。なら…仕方ねぇやな」肩をすくめた。
GM/神崎:「あ、当たり前じゃないか! そんな試作品の一つ、研究価値の維持のため以上の延命なんて、誰も考えない!」
宗一郎:「くそ! おい、元に戻る方法はないのか!?」と、神崎の胸倉を掴む。
響:「火の消えそうな蝋燭に蝋燭を継ぎ足すのではなく、導火線ぐらいしか継ぎ足せない。まさにその場しのぎの技術だ」
GM/神崎:「くく…ハハハ! 上手い事言うね、君! ユーモアのセンスがあるよ! そもそも消費期限切れなんだよ! 投薬と接合の繰り返しで、あいつの身体はもうボロボロだ!」
宗一郎:「貴様という奴は…いったい、どこまで腐ってやがるんだ!」と殴りつける。マウントポジションで(笑)。
GM/神崎:「導火線、そうだな導火線だ! …ぷぎゃッ!」神崎は気絶する。
宗一郎:なんか、今回の宗一郎、えらく暴力的な気が…気のせいだな(笑)。
響:「神崎、君はもう口を開かないほうが良いぞ? 君の命が蝋燭じゃなく導火線だ」
法眼:「…もういい。中沢を外に連れ出そう」二人を促して、研究所の外に出る。神崎は殴って気絶させてから放置。
GM:神崎は気絶します。
宗一郎:「そうだな。こいつが駄目でも、まだ可能性がないわけじゃない。研究資料だけは持っていこう」
法眼:で、外に出たら《終末を告げるもの》を演出で使用。「―――この世から、消えて無くなれ」鬼の咆吼が研究所も神崎も全て薙ぎ払い、消滅させる。
GM:研究所は瓦礫の山と化し、神埼もまた己の研究の中に埋もれていった。


GM:ではEDに移行したいと思いますが、順番の希望とかあります? 法眼と響のどっち先にするかで、お互いに多少影響しあうような気もしますが。
法眼:ん、響の方が先でいいんじゃないか?
宗一郎:俺はないです。お任せします。
法眼:親子の再会は無理そうだから、響のEDを法眼と光泰が遠くから見ているような感じで。
GM:わかりました。


 

■エンディングフェイズ■


●シーン9 『傷を乗り越えて』  石動宗一郎ED

○無認可保育園『ひまわり園』


 MMMの武装集団に占拠されたそこは、未だ傷痕が残っていた。
 それは銃弾の痕であり、人質にされた子供たちの心の傷痕である。
 あの時の4人の子供たちにとって、人質にされ、目の前で人が倒れていく様はショックだったのだろう。
 家族の支えで元通りの生活に戻れる者もいたが、そう上手くいかない者もいるのだった。
 事件のショックからか、言葉を失ってしまった少年がいる。
 かつては明るい子供だったが…遊びの輪にも入らず、一人で塞ぎこんでいる事の方が多くなった。


GM/子供:「……」
宗一郎:「おっす、どうだ健史。今日は天気も良いし、先生と散歩に行かないか?」
GM/健史:「…? ……」(ふるふる、と首を横に振る)
宗一郎:「そうか。…なあ、健史。あの時、怖かっただろう? 俺も怖かったんだ」
GM/健史:「…?」(不思議そうな顔で見上げてくる)
宗一郎:「先生は、銃を持って襲って来られたことも怖かったけど、お前達に銃を向けられた時が一番怖かったんだ。なぜだか、わかるか?」
GM/健史:「……」(ふるふる、と首を横に振る)
宗一郎:「ここは、みんなのもう一つの家だ。先生はこの家が大好きだし、この家の家族である皆が大好きだ。もちろん、お前もその大切な家族の一人なんだよ、健史」
GM/健史:「………」(黙って聞いている)
宗一郎:「だから、俺は何があってもお前達を守る。何があってもだ。……なぁ、健史。お前はあれから泣いたかい? 涙を溜めておくとな、心が痛くなるんだ。お前は年長者だから、下の子達を不安にさせないために頑張ったんだろう? もう、あいつらはいないんだ。だからさ、もう泣いていいんだぞ。健史。…泣いていいんだ」と、言って優しく抱きしめる。
GM/健史:「………………」ずっと黙って聞いていた健史の目に、じわりと涙が浮かぶ。
宗一郎:「……」優しい眼差しで、頷く。
GM:健史はやがて、顔をくしゃくしゃに歪めると…泣き出した。「………ぅ…ぅぅ…あ…うああぁぁぁぁぁぁあ!
宗一郎:「がんばったな、健史…」と、落ち着くまで頭を撫で続ける。



●シーン10 『還らぬ人』  轟響ED

○中沢家前


GM/早紀:「…それで、その…父さんは…?」
響:「すまないな。生きている彼を連れてくることは出来なかった。帰宅途中に倒れて…そのまま亡くなったそうだ」
GM/早紀:「……そう、ですか…」最悪の状況を、何度も何度も考えていた答えの、一つだったのだろう。思いの外あっさりと、その答えを受け入れる。
GM/早紀:「…ありがとうございました。お手数おかけして…それに、こんな嫌な話に巻き込んで…ありがとうございました」
響:「いや、礼を言われるまでもない。俺がしたのは結局、大したことじゃなかったのだから」
GM/早紀:「いえ。本当に…ありがとうございました」最初に頼んできた時と同じように、深々と礼をする。
響:「早紀はこれからどうするつもりだ?」
GM/早紀:「私は…親戚を頼ろうと思います。でも、いつかまたこの街に戻ってきます。だって、この街は……父さんと、私の思い出が詰まった街だから。それに、響さんもいますし…」そう言って、弱々しくはあるが、微笑む。
響:「そうか、なら何も言うまい。…………いや、最後に一つだけ後学の為に聞いておこう。……君は父親の死を乗り越えられるか?」
GM/早紀:「…正直言うと、今は辛いです。でもいつか…いつかきっと、必ずもう一度、父の死と向き合って…またこの街に戻ってきます」
響:「そう言えるのなら、きっと乗り越えることが出来るのだろうね。次会える時を楽しみにしておこう」
GM/早紀:「…はい!」



●シーン11 『家路』  鬼来法眼ED

○中沢家近くの路地


GM/ゴグマ:「…」ゴグマは一言も口をきかず、中沢家玄関を見ている。
法眼:光泰と一緒に、物陰から響と早紀の様子を見ているわけだ。
GM:やがて二人は別れ、玄関の扉が閉まる。
法眼:「会いには…行かない、か。仕方ないとはいえ…辛いな」
GM/ゴグマ:「…中沢光泰という男は、心臓発作で倒れて死んだ。それがいい。それが…誰も傷つかない」ゴグマは表情を帽子のつばで隠し、そっと呟く。
法眼:「……」どうしようもない事だ、と理解しているので何も言わない。
GM/ゴグマ:「お前には、世話になった。このデータを売り捌けば、幾らかの金になろう」懐からDVDディスクを取り出す。
法眼:ディスクを受け取り、手の中で弄びつつ。「……あんたは、これからどうする?」
GM/ゴグマ:「人は人の、化物は化物の家に帰るだけ…さ。深くて暗い、化物の家にな。……さらばだ。お前と飲んだ酒は…最後の酒に相応しかった」
法眼:「くたばる時は、俺の所に来いよ。最期に経くらいはあげてやれる」
GM/ゴグマ:「…生憎だが、こう見えてもクリスチャンでね」皮肉気に笑う。
法眼:「…それは、知らなかったな」苦笑して、手の中のディスクをバキベキと握り潰す。
GM/ゴグマ:「それは報しゅ…! …いいのか?」
法眼:「こんなもんは…ない方がいい。アンタも、出来れば長生きしろよ」
GM/ゴグマ:「…ああ。そうだな。…長生きするさ、憎まれっ子世に憚る、と言うしな」そう言ってゴグマは、背を向けた。
法眼:「あぁ。いつか…また、遭おう」同じく背を向けて、歩き出す。


 人は誰しも、帰るべき場所がある。
 どんなに遠く離れ、忘れ去っても、いつかはそこに辿りつく。
 だが己の在り方が、かつてのそれと全く変わってしまったとしても。
 人は、帰るべき場所へ帰るしかない。
 それが望まぬ、家路だとしても。


 ――――『家路』――――



THE END


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