●今回予告●
―――20XX年、初夏。
高校一年生の君たちは、二泊三日の宿泊研修で東北岩手、H市に来ていた。
稲作農家にて農作業を体験、H市の地理を見て回るオリエンテーリングなどがその内容である。
電車を降りて、君たちは驚いた。
ヤマセ…闇風とも呼ばれる闇の塊のような風が吹き、暗雲が暗く立ち込めるその様子に。
ヤマセがもたらす冷害は三年続き、稲作農家もほとほと困り果てていた。
今年は、農作物以外の雑草すら日照不足で枯れていく始末だという。
ただの自然現象か、それとも…。
君たちには、ヤマセが凝り固まった邪気にすら見えた。
一方、その頃。
超常のモノも、この事態を憂いていた。
山形―――出羽三山の一つ、羽黒山に集まった奥州の妖怪たち。
彼らもまた、大天狗を筆頭に事態を打開すべく、冷害の原因を探っていた。
東北だけではなく…陽光を遮る厚い黒雲は、既に北海道から関東までもを覆いつつあった。
人間の住めぬ地には、妖怪も住めない。
「もう、夏は来ぬかも知れぬ…」
大天狗は、重々しい口調で、そう洩らした。
Beast Bind New Testament
『闇風』
汝、人と妖魅の架け橋とならん。
オープニング ミドル クライマックス エンディング
■プレセッション■
GM(R−3):さて、全員揃いましたので、まずはルールの変更等から。絆・エゴの取得、書き換えは自由に行っていただいて構いません。登場判定については、こちらで特に指定しない限り、自由に登場していただいて構わないとします。
一同:了解です。
GM:では、ハンドアウト順に自己紹介、絆の取得をお願いします。
●PC1(定員1名) 花樫陽火人専用ハンドアウト
君がH市を訪れてから、何者かが、君を見ている。
それに気がついた君は、大嶽丸にも、自分を見張る何者かの存在を訪ねてみた。
『…ふん、蝦夷の妖怪どもであろう。奴らとは、色々あったからな』
そう言った時だ。
君は山伏装束の鴉頭人身のものに囲まれた。
手に手に六尺棒を握った彼らは、問答無用で君に打ちかかってくる。
「大嶽丸、覚悟!」
この地を訪れたばかりであるはずなのに、彼らの敵意は異常なものであった。
シナリオエゴ:妖怪たち (関係:疎外感など)
▼花樫 陽火人/大嶽丸 プレイヤー:サブマリン
【イレギュラー/エトランゼ】 年齢:16歳/性別:男/カヴァー:高校生
「――――こ、こらっ…お前は出しゃばるなよ、大嶽丸ッ!?」
普段は素直で生真面目、人が良すぎて気弱な印象を与える、眼鏡をかけた少年。
その実は、かつて最強と謳われ封印された鬼の一人、『大嶽丸』を身体に宿している。
陽火人自身は闘いを好まないが、大嶽丸とその宝剣を狙う輩は多く、否応なしに巻き込まれる。
傍若無人な大嶽丸に振り回されて迷惑している…ものの、何だかんだで互いに嫌ではないらしい。
ちなみに本文中、大嶽丸の台詞は『この色』で表記される。
所持HA:《歩く影法師》、《歩く影法師》、《無限の法則》
●PC2(定員1名) 日向晶専用ハンドアウト
農作業実習の途中、用水路から声がした。
「もし、もし…助けてくれんかのう」
頭に藁傘を被った獣が、鼻面を水面に出して言う。
「このままじゃと、この地が死んでしまうでよう。わしの声が聞ける、お前さんなら答えてくれようがよう」
髭をひくひく動かしながら訴える、妙な愛嬌のあるこの妖怪に興味が湧き、話を聞いてみることにした。
その妖怪…『かわうそ』は、このH市を冷害から救いたいのだという。
なにやら、自分を助けてくれた農家の老人に、どうしても恩返しがしたいらしい。
シナリオ絆:かわうそ (関係:肯定的な感情)
▼日向 晶/ソロモンの鍵 プレイヤー:麻那
【マジシャン/アーティファクト】 年齢:16歳/性別:女/カヴァー:高校生
「ワガママでもいい…決めたんだ。ボクの前では、もう誰も死なせない!」
魔神に選ばれ『ソロモンの指輪』を正式に継承した、魔神召喚士にして女子高校生。
底なしの魔力を有するが、底抜けのお人好し&ドジっぷりも健在。篠崎勇司とは微妙な師弟関係。
性格は明朗快活でボーイッシュ。嘘が苦手で、『誰かの命を奪うこと』が何よりも嫌い。
いつも連れてる馬のぬいぐるみは魔神オロバスの化身。主に晶へのツッコミ&毒舌担当。
実は初恋の相手(=晶に指輪を託した魔神)が、目の前で消滅したというトラウマ有り。
所持HA:《リセット》、《電光石火》、《ヴォイド》
●PC3(定員1名) リリティア・ローレンツィウム専用ハンドアウト
農作業実習の途中のこと。
農場の持ち主たる老人、一原嘉門と、作業着の男たちが言い争っているのが聞こえてくる。
なんでも、土地を売るように、話をしているようだ。
老人は、その話を怒気混じりに断っていたが、ふと集まった人々の中に、奇妙な人物を見た。
国家の秘密プロジェクトたる『遷都計画』に携わっている古瀬重治という男だ。
しかし…あのプロジェクトは、まだ具体的に土地を買い上げるほどには進展していないはずだ。
何かの陰謀の臭いがしてくるのを、君は感じていた。
シナリオエゴ:古瀬 重治 (関係:任意)
▼リリティア・ローレンツィウム/“記憶者”リリス プレイヤー:電波王
【イモータル/エトランゼ】 年齢:外見は15歳(実年齢は∞)/性別:女/カヴァー:高校生
「―――ふふっ、やはり……そうなりましたか…」
時空を超越し『世界の全て』を記録することを使命とする、永世者『メトセラ』の一人。
創世から終焉までを何度となく経験するが、可能性は常に分岐し続けるため、彼女の使命は決して終わらない。
退屈しのぎからか大の陰謀マニアでもあり、歴史の節々で情報操作などの干渉を行っているらしい。
得意技は、殆ど“全知”に近いほどの情報収集能力……及び『思わせぶりな言動』&『悪役笑い』。
戦闘では、万能工具(機械剣相当)をドリルやドライバーに変型させての白兵攻撃を行う。
所持HA:《永劫より》、《滅びの霧》、《星の刻印》
陽火人:PC間絆は、日向晶に憧れで。陽火人に普通に接してくれる数少ない女の子といった感じで。女の子に対して免疫ゼロなもので(一同笑)。
晶:PC間絆はリリスちゃんに『友情』で。
リリス:PC間の絆は、陽火人に「好奇心」で。
陽火人:リリスの武器ってドリルか……男のロマン……(笑)。
リリス:リリスがドリル使いなのは、髪が縦ロールなのと懸けたシャレだったりします(笑)。
陽火人:なるほど(笑)。
晶:そんな理由だったんだ(笑)。
リリス:後は、作った当時の深夜にGGGファイナルやってたからってのもある(笑)。
陽火人:縦ロールの髪の毛は、実はファンネルということはあったりするんですかね?(ドキドキ)
リリス:残念ながら、まだ本体から分離して飛んだ事は無いですね〜。穴を掘ったり触手になって物をキャッチしたりはしてましたが(笑)。
陽火人:ああ、そうですか…って、えーー!?(笑)
GM:では、本編に入らせていただきます(笑)。
■オープニングフェイズ■
●シーン1 『昏き風』 シーンプレイヤー:花樫陽火人
○岩手県・H市
GM:君たちは一年生の学校行事、宿泊研修で、岩手県H市にやって来ました。二泊三日で農業実習や、オリエンテーリングなどでH市内を回る予定です。
陽火人:「良い空気だな〜。心が洗われるようだよ」
GM:ところがどっこい。いい空気どころか、まとわりつくような闇が出迎えてくれます。
陽火人:あれ?(笑)
晶:トレーラー(今回予告)にも、そんな感じの描写があったじゃない(笑)。
GM:初夏だというのに、空気も冷たい。ここ三年、連続して冷害に襲われているH市ですが…原因はこの闇、ヤマセですね。ちなみに、ヤマセは実際にある自然現象ですが…この闇に、何とも言えない厭な感じを受けます。
陽火人:「なんだか、寒いな。まだ秋なのに……それに何だろう。このざらついた感じは……?」って、ちょっと強化人間くさいセリフだな(笑)。
GM:さて、そんな気象に出迎えられるのですが。トイレに向かい、一人になった時です。…殺気のようなものを感じますね。
陽火人:「……殺気? 大嶽丸、判るかい?」『…ふん、蝦夷の妖怪どもであろう。奴らとは、色々あったからな』
GM:そう大嶽丸が言った瞬間、いきなり君を取り囲むように、鴉頭人身の山伏装束が現れます。手には六角棒を持っていますね。
陽火人:「うわっ! びっくりしたぁ〜」
GM/鴉天狗たち:「…よもや、大嶽丸が現れようとはな」殺気に満ちた視線を向けています。「雲外鏡の話が当たったわけか」「…ここで大嶽丸が死ねば、今回の件も解決というわけだな」
晶:これは、大嶽丸が事件の元凶だと勘違いされてるっぽいかな?
陽火人:「大嶽丸、昔この人たちと一体何があったんだよ。なんか、物凄い目で睨まれてるぞ?」『ふん、話せば長くなるし、面倒じゃわい』
GM/鴉天狗:「さて…覚悟を決めてもらうぞ、大嶽丸!」六角棒で打ちかかってきますな。
陽火人:「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。僕達は、いや、大嶽丸は何も悪いことなんかしちゃいないよ。それに訳も話さず打ちかかって来るなんて、あんまりだ!」と、六角棒をかわしながら。
GM/鴉天狗:「問答無用よ。『瘴気を吐く鬼、西より来たる。此、冷害の元凶なり』…貴様のことに相違あるまい!」
陽火人:「ちょっと、待って! 僕ら以外にも鬼が来ているかもしれないじゃないか。それに、占いなんか当たることもあれば、外れることもあるんだし……」
GM/鴉天狗:「釈明ならば、出羽山金光坊様の前でせよ。…もっとも、我らは貴様の言い分なぞ、信じる気もないがな」
陽火人/大嶽丸:『人よ、面倒だ。わしに代われ。こんな分からず屋どもは頭から食い殺してくれるわ』「こら、誤解を招くようなことを言うな! わかりました、あなた方についていきます。その出羽山金光坊様に会わせて下さい」
GM/鴉天狗:「…我らについてくる、と?」
陽火人:「はい、身の潔白を晴らすためにもあなた方についていきます。だから、僕達の話しも聞いてください」
GM/鴉天狗:「…この者に縄を打て」「…おう」
陽火人/大嶽丸:『やれやれ、こいつらがそんなに物分りの良い連中かのう……。相変わらず、お前は人が良すぎる』抵抗せずに素直に縛られます。
GM/鴉天狗:「では…貴様の裁可、親父様に任せるが…それにより、助かる機会があるなどと思うな」そう言うと、陽火人の体を抱え、飛び立ちます。
陽火人:うぃ。では、一緒に飛んでいきます(笑)。「大丈夫。話せばきっと判ってくれるさ。僕らは、何も疚しいことはしていないんだからさ」
GM:さて、そういうわけでこのシーンは終了。シナリオエゴとSAは次のシーンで。
陽火人:了解です。
リリス:『うしおととら』とかの、伝奇妖怪ものっぽい感じでワクワクしますね。
晶:そうですねー。もしかしてこの人(?)たち、弥太郎さんの仲間?
リリス:おお。そう考えると想像力の翼が羽ばたきます。ぱたぱた。
GM:トレーラーに書いた通り、出羽の大天狗の手下なので、弥太郎の身内です。
晶:…ということは、変身後の外見も似たり寄ったり?(笑)
GM:もっと鴉っぽい感じです。
晶:弥太郎先輩ほど特撮ヒーローっぽくはないのか。ちょっと残念(笑)。
●シーン2 『枯れた大地』 シーンプレイヤー:日向晶
○岩手県・H市
GM:さて、生徒が一人、何処かに消えてしまいましたが(笑)。なぜか宿泊研修は恙なく進み、農業実習となります。
晶:あ、OP1とは時間軸が違うんだ(笑)。
GM:その後、ですね。日付は同じですが。
陽火人:酷いや先生…はっ、生徒からだけでなく先生からもイジメられてるのけ? おれは……(笑)。
晶:まだ数時間だから、騒ぎになるほどじゃないんでしょうね(笑)。「…ここのところ、陽火人クンの姿を見ないけど……お腹でも壊してるのかな?」首を傾げてます。
陽火人:ああ、僕がいないことに気づいてくれた人が約一名(感涙)。
晶:トイレに行ってるものと勘違いしてるけどね(笑)。
陽火人:ああん(笑)。
リリス:うう、不憫な陽火人くん(ほろり)。
GM:班分けされて、それぞれの実習先の農家に向かうことになります。晶が行くのは、稲作農家を営む一原嘉門という老人の家ですね。
○一原家
晶:「初めまして、日向晶です。今日はよろしくお願いしまーす!」元気よく頭を下げます。
GM/嘉門:「おお、来てくれたかね。…しかし、今年も、ずいぶんと稲の方が悪くてのう。…あまり勉強になることはさせてあげられないかも知れん」水田の周りを見ると、雑草が枯れていますね。どうやら日照不足のようです。稲の方も、同じく酷いものですね。
晶:「…なんか、木も草も元気がないみたい…どうしたんですか?」嘉門さんに聞いてみます。
GM/嘉門:「…三年連続の冷害のせいじゃよ。あのヤマセが、止んでくれさえすればな…。わしらには、死活問題でな…」
晶:「……やませ? 自然現象なんですか?」
GM/嘉門:「…うむ。冷害を運ぶ、疫風じゃよ…。昔から、この地域の農民は、あれに苦しめられておったよ。…じゃが、な…今回はわしらを救ってくれるグスコーブドリはおらんようじゃ」
晶:何だかPLも知らない単語が色々と。〈知識〉判定で判るかな?
GM:どうぞ。
晶:〈知識〉と助手(知識の魔神)で(ころころ)達成値は14。出目は今ひとつだけど、何か判るでしょうか。
GM:宮沢賢治の童話『グスコーブドリの伝記』のことを言っているようです。宮沢賢治は岩手出身ですので、老人は引き合いに出したようですが。グスコーブドリとは、冷害から村を救うために火山に身投げして、火山を噴火させ、冷害を食い止めた人物ですね。
晶:悲しい話ですね。晶だと「誰も死なせずに助ける方法はなかったのかなぁ?」と思いそう。
※実は、リプレイ編集時にGMから訂正が入りました。童話の正確な概要は、以下の通り。
『グスコーブドリの伝記』より
主人公のグスコーブドリは、イーハトーブ市の火山局に勤める人間。
彼は来るべき大冷害を止めるべく、火山を噴火させて大気中に炭酸ガスを排出し、地球の気温を上げる計画を立てた。
その人工噴火装置を設置するために、彼は火山に一人残り、身を犠牲にして計画を成し遂げた…という物語。
セッション内では『人身御供になって闇風を祓った』と解釈したけど、実際は『結果として犠牲になった』わけですね。
GM/嘉門:「さて…この話はここまでにして、そろそろ実習に入ってもらうとしようかな。簡単な仕事をしてもらうよ」
晶:「あ、はい。判りました!」
GM:そうして、草刈など簡単な仕事から行うことになったのですが…その時です。用水路の中から鼻先だけ出している、謎の生物が手招きしています。
晶:「うーん…ずっとこの姿勢だと腰が痛いなぁ……あれ?」生き物に気がついて、近寄ります。
GM/獣:「おうい、おうい」
晶:「…キミ、誰?」しゃがみ込んで、よく見てみる。
GM/獣:「よいしょ」用水路から出てきた獣は、頭に編み笠、腰に魚篭をぶら下げた珍奇な生き物です。「わし、かわうそ。人間と話すのも、久しぶりじゃ。わしの声を聞いて、姿も見えるものに会うのは、もっと久しぶりじゃ」
晶:「かわうそクンかぁ…ボクなんて、見るのも初めてだよ」興味津々で見つめています(笑)。
GM/かわうそ:「む…あまり見られると照れるぞ」尻尾の後ろに隠れるように。「と、お前さん、どうやら只者じゃないようじゃ、ちと、わしの頼みを聞いてくれんか。わしの声を聞ける、お前さんなら、きっと何とかしてくれようが」
晶:「…えーと。話の内容にもよるかな? 今授業中だから、サボるわけにもいかないし…」取りあえず、話は聞く姿勢で。
GM/かわうそ:「…このヤマセを止める方法を見つけてはくれんか。何とか言う、人間の偉い物書きは、冷害を止めた男の話を書いたんじゃろ? わしに、それを教えてくれんか」
晶:「…ヤマセって、この冷害だっけ? 止めた方法って言っても、あれは童話だから本当の事かどうか…」それでなくても内容が『人身御供』だったことを思い出して逡巡します。
GM/かわうそ:「わし、あの爺さんに罠に掛かったところを助けてもらったことがある。冷害が続くと、あの爺さんがこの土地で生きていけなくなる。わし、まだ命の借りを返してはおらんから…今こそ、恩返しの時なんじゃ」
晶:「お爺さん…嘉門さんのことかな。うーん…(考え込んだ)…よし! …助けたいんだったら、ボクが力になるよ。何が出来るかは、まだ判らないけど」
GM/かわうそ:「本当か! ありがとう」尻尾を振りながら、何度も頭を下げます。
晶:「うん、だから詳しい話を教えてね。最近、この辺りで変わったこととか…」というわけで、色々聞いてみます。情報収集判定は、次のシーン以降かな?
GM:では、その続きはミドルフェイズで。絆:かわうそと、[SA:かわうその願いを聞く]を。
晶:人助けのエゴ/固執を絆/献身に変更。かわうそへの絆は共感で。
▼絆/エゴの変化
晶:『人助け』へのエゴを絆/献身に変更。かわうそに絆/共感を取得。
●シーン3 『赤い釘』 シーンプレイヤー:リリティア・ローレンツィウム
○一原家の農場
GM:では、同じく一原嘉門の農場です。晶とは同じ班ですが、今は離れた場所にいると思ってください。あなたは農場で…仕事してます?(笑)
リリス:鋭いですね(笑)。ティーセットを用意して、見学してます(一同笑)。
晶:こらー!(爆笑) ボクは真面目に仕事してるのに…(笑)。
陽火人:リリスさん、まだ休憩時間にはちょっと早いんじゃないかな……と思うんですけど?(笑)
リリス:特権階級ですから(ぇ
晶:ティーセットまで用意してる辺り、最初から見学する気満々だったんだね…この子はー(笑)。
リリス:ティーセットは、いつでも《瞬間武装》でどこからか出てきます(笑)。
陽火人:きっと仕事を終わった後、みんなでお茶を楽しもうと用意してくださったんデスヨ(笑)。
晶:本当かなぁ(笑)。
リリス:「こういう経験も悪くはありませんが……少々寒いのが玉に瑕、ですね」
GM:では、そうして優雅に過ごしていますと。少し離れた場所で一原老人と、作業着の一団が口論しています。
リリス:露骨にならない程度に耳を澄まして、口論に注意を向けます。
GM:どうも、土地を売れ、売らないの話をしているようですね。老人は憤慨しながら戻っていきますが、男たちの方はその場に残り、何かの作業をしているようです。
リリス:「(ふむ……確か、この辺りの土地は……しかし、少し時期が合いませんね)」
GM:その作業着姿の男たちのリーダーと思しき者には見覚えがあります。地相鑑定士を名乗る古瀬重治。極秘裏に進められている『遷都計画』に関わっていると知っています。
リリス:何も知らない学生の振りをして、その一団に近づいて行きます。
GM:彼らは、何か大きな釘のようなものを地面に打ち込んでいますね。
リリス:「こんにちは、皆さん。何をしておられるのですか?」
GM/古瀬:「…測量の最中ですよ。なに、それだけです」
リリス:杭とかじゃなくて、釘? 何だろう……。
晶:地脈を阻害する呪物か何かかも。〈知識〉で調べられないかな?
GM/古瀬:「さ、ここはもう終わりだ。他へ行こう」
リリス:「お仕事、ご苦労様です」彼らが去るのを待ってから、釘を調べてみましょう。
GM:調べるのは現物を掘り返してみれば、可能ですよ。
晶:さぁ、縦ロールの出番だ(何
陽火人:ドリルヘアー!(笑)
GM:では、釘を見てみますとですね。とにかく大きな釘で、真っ赤に塗られています。そして、その側面に『地下大将軍』と書かれています
晶:うわ、露骨に怪しげ(笑)。
GM:詳しく知りたいなら、〈知識〉で。
リリス:「……これは、魔除けの杭? なぜ、測量でこんなものを……」(ころころ)出目は4ですが、達成値28です。
GM:流石に高い…(笑)。
晶:基準値が24っていったい…(笑)。
陽火人:すご(笑)。
リリス:【知性】の判定基準値が15、〈知識〉が6レベル、修正が+3ありますから(笑)。
・赤い釘
達成値5:赤く塗られた釘。釘の側面には『地下大将軍』と書かれている。
達成値8:チャンスンと呼ばれる風水釘で、打ち込むことによって邪気を断つが、方角を違えれば大地の気の流れを断ち、その土地を枯らすことになる。
GM:と、そんなところです。この土地を枯らすために打ち込まれたと見て、間違いありませんね。
リリス:「おやおや。これは大変ですね。直しておきましょう。えぇと、北がこちらで、山がここにありますから……」勝手に、向きを変えておきます。
GM:はい(笑)。
リリス:「それにしても、運のない方々です。私の前でこんな事をするなんて……まあ、少し楽しませてもらいましょうか」ニヤリと笑います。
GM:とまあ、何かの陰謀の臭いがしてきたところで、一度シーンを切ります。エゴ:古瀬重治と、[SA:陰謀を暴く]を。
リリス:はーい。エゴ:古瀬は、『嗜虐』で取得します。
GM:苛められる?(笑)
リリス:機会を見ては(笑)。
晶:佐渡(さど)だ、佐渡娘がここにいるっ(笑)。
陽火人:リリスさん、ちょっと怖いです(笑)。
リリス:リリスはサディストでエゴイスト♪(笑)
晶:ボク、何で彼女に友情結んでるんだろう…(笑)。
リリス:性格が正反対だからこそ、上手く行く部分もきっとあるんですよ(笑)。
陽火人:そ、そんなもんなんですか?(笑)
晶:どうなんだろう? 騙されてる気がしないでもない(笑)。
リリス:んー、否定できませんね。リリスは人間全てを友達と思ってる分、友達いぢめが趣味みたいなところがありますし(笑)。
GM:それでは、次のシーンへ(笑)。
▼絆/エゴの変化
リリス:古瀬重治にエゴ/嗜虐を取得。
■ミドルフェイズ■
●シーン4 『陽火人の誓い』 シーンプレイヤー:花樫陽火人 登場難易度:自由
○山形県・羽黒山
GM:あれから超高速で、山形県は出羽三山の羽黒山まで連れて来られます。空中はさぞかし寒かったことでしょう(笑)。
陽火人:「飛行機に乗ったのも初めてなら、生身のまま空を飛ぶのも初体験だな……それにしても、さ、寒い〜」
GM:さて、羽黒山には天狗経に書かれている四十八天狗が一人、『羽黒山金光坊』がいます。この山の大天狗ですな。「久しいな、大嶽丸…」巌のような声で。
陽火人/大嶽丸:『おおう、久しぶりじゃのう。まだ、くたばっておらんかったようじゃのう、金光坊』「こら、なんて口の聞き方をするんだ! す、すいません」
GM/大天狗:「貴様こそ、よもや生きておったとは、な。俊宗も鈴鹿御前も、詰めが甘いわ」
陽火人/大嶽丸:『わしは不死身よ。何度死んでも生き返ってくるわい』
GM/大天狗:「…貴様が誇りある鬼の戦士であったころが懐かしいわ。血に狂い、妖怪たちにも、同族の酒天童子にも、悪路王にさえ見放された貴様が、今度はこの地で何を企む?」
陽火人:「羽黒山金光坊様、聞いてください! 今回の一件、誓って言います。大嶽丸は無実です。大嶽丸は常に僕と共にあります。その僕が言うんです、間違いありません! お願いです。どうか、大嶽丸を信じてやってください!」
GM/大天狗:「…人の子よ。我らとて、この地に住むもの。人間の住めぬ土地には、我らも住めぬ。この冷害を止めねば、奥州も、蝦夷も…いや、この国の全てが駄目になる」
陽火人/大嶽丸:『ふん…こんなしけた村々に、何でわしが厄災を起こさねばならんのじゃ。そんなことをしても、面白くも何ともないわい。第一、忌々しいことに…わしの力を揮うには、こやつの意思が必要なんじゃい』
GM/大天狗:「我らは雲外鏡に問い、今回の冷害の原因を求めた。『瘴気を吐く鬼、西より来たる。其は冷害の原因なり…』と。それでもお前は、この件が大嶽丸が元ではないと?」
陽火人:「はい。こいつは乱暴者だし、自分勝手で気まぐれですが、それでも大嶽丸は僕の半身なんです。僕は、こいつがいなければ死んでいました。それに大嶽丸は、いつも僕や人間達に力を貸してくれました。だから、今度は人間である僕が、こいつを助けてやりたいんです」『……人』
GM/大天狗:「では、人よ…お前は、大嶽丸の身の潔白、自身の力で、その証を立てられようか?」
陽火人:「はい、お願いします。僕に大嶽丸の身の潔白を証明するチャンスをください!」と、深く頭を下げる。
GM/大天狗:「…明後日まで、時間をやろう。人よ、では、その言葉、真実にしてみせよ」
陽火人:「はい、ありがとうございます!」
○岩手県・H市
GM:そう答えた陽火人が顔を上げると、いつの間にかH市の駅まで戻されています。
陽火人:「あれ……ここは?」と辺りを見渡します。
GM/鴉天狗:「…我らは、貴様の行動を見させてもらう。逃げることは出来ぬぞ」そう言って、鴉天狗たちは姿を消します。
陽火人:「逃げるつもりなんかありません。必ず、真犯人を見つけてみせます」
GM:そこでエゴ:妖怪たちと、[SA:大嶽丸の身の証を立てる]を。
陽火人:では、推奨通りに妖怪たちにエゴ/疎外感を。
GM:ほい。では、このシーンは終了。
▼絆/エゴの変化
陽火人:妖怪たちにエゴ/疎外感を取得。
晶:この手の『複数の人格を演じるキャラ』は、ロールプレイが難しいだろうに…よく出来るなぁと見てて感心。
リリス:大変ですよね……蒼紫で失敗してるから、この手のキャラの難しさはよく判ります(苦笑)。
晶:私はPLやってるとPCに入り込むから、急に別キャラ演じようとしても上手くいかなくて。だから、オロバスは無口な設定にしたんだけど(苦笑)。
リリス:私は、GMやっててもそうなんですが、一人で複数キャラの掛け合いやってると、どこで切るかで悩みます。
晶:私がGMの時は、一歩引いた視点で演じられるから、まだしも楽なんですけどねー。
リリス:てか、それ抜きにしても、陽火人の自然な善人っぷりは上手いなと思うわけですけど。演技臭くないと言うか。
晶:確かに。ナチュラルに『普通のちょっとお人好しな青年』っぽさが出てますね。…PLの性格上、晶よりも幸見の方が演じるのが楽になってきた今日この頃です(苦笑)。
リリス:普段から、他人の演技の上手い下手は結構気になります。麻那さんは、法眼と晶という全然タイプの違う2キャラが両方上手くて凄いな、と思ってますし。
晶:両極端ですからねー。逆に『似通っているけど違う個性』を表現する方が難しいと思いますよ?
リリス:あー、それは何となく判るかも。私はむしろ『口調だけ似てて性格が全然違う』キャラの演じ分けが一番苦手ですけどね。
GM:最近、どのキャラも似てきてしまったので、ちょっと困っております(笑)。
晶:口調が似てるキャラを演じ分けるには、実際の行動で示すしかないですねー。
●シーン5 『黄色の厄災』 シーンプレイヤー:日向晶 登場難易度:自由
○一原家の農場
GM:情報収集です。かわうそからどの程度話を聞き出せたか、というところで。ヤマセ、冷害については〈知識〉か〈情報:魔物〉でしょうか。
晶:…えーと。念のため、難易度なんか聞いちゃっていいですか? 場合によっては人間性使うので(笑)。
GM:それほど高くありません。10までです。
晶:それなら、普通に〈知識〉と助手で。(ころころ)17です。
・ヤマセ、冷害
達成値5:ヤマセとはオホーツク高気圧の出現によって、冷たい海霧や下層雲を伴った北東気流が、北海道や東北地方の太平洋沿岸に吹き付ける現象である。このヤマセは古くから岩手県の太平洋沿岸地帯の冷害の元凶で、「ケガジ(飢饉)は海から来る」とそこに住む人たちに伝えられてきた。ヤマセはもともと冷たい風で気温の上昇を妨げる。これが、7月〜8月に連続して現れる年があって、このような年には南方原産の稲に大きな被害をもたらす。
達成値8:ヤマセがもたらした冷害は今年で三年目。冷害がもたらす長雨は、北海道から関東までを覆い、東京でも家屋にカビが発生する事件が起きている。
達成値10:風水のような地相占術の観点で見ても、H市は冷害に弱い地形となっており、H市に腰を据えたヤマセは、本来大地の持つエネルギーを喰らい尽くし、さらに強大な邪気となっている。更に最近では、雑草さえ日照不足で枯れ始め、稲には謎の黄色いカビがつくようになってしまっている。
GM:以上で。
晶/オロバス:『単なる自然現象ならば、我らの出る幕ではなかろう。自然界のバランスを悪戯に乱すのは薦められん』と、ぬいぐるみが耳元で囁くのに応えて。「…うん。だけど、みんな困ってるもん。放っておけないよ…」
陽火人:黄色いカビ……確かにそんなカビは水田で見たことはないな(笑)。
晶:そのカビが何なのか、判りますか?
GM:では、もう一度、〈知識〉か〈情報:魔物〉で振ってくださいな。
晶:技能はさっきと同じで(ころころ)19です、出目がいい。
・黄色いカビ
達成値5:新種のカビのようだ。少なくとも、在来のカビに同じものは見つけられない。
達成値8:魔物の体の一部か、或いは魔物そのもの、の可能性がある。
達成値10:ヤマセのもたらす邪気がこのカビの活動を活性化させているようだ。
GM:と、こんなところです。
晶/オロバス:『ふむ。ヤマセが発生したためにカビが繁殖したのか、カビを繁殖させるために何者かがヤマセを呼び寄せているのか……微妙なところではあるな』
晶:「……誰かがやってるのなら、その人を見つけて止めれば、どうにか出来るよね?」幾ばくかの希望をこめて。
晶/オロバス:『あまり期待はせぬ方が良いだろうが…まぁ、主の命とあらば助力はしよう』馬のぬいぐるみが偉そうに胸を張る。
いきなり口数が増える魔神オロバス。…どうやら、陽火人と大嶽丸にPLが対抗意識を燃やしたらしい(笑)。
GM/かわうそ:「…このままじゃ、この土地は誰も住めなくなる。人間だけじゃない、わしらにとっても、問題なんじゃ…」
晶:「今のうちに何とかしないとね。頑張るよ」
GM/かわうそ:「ここら一帯の妖怪たちも、羽黒山に話し合いに行って原因を探っておるが、まだ何もわからんでな。…お前さん方が頼りじゃ…すまんのう」
晶:「…そういえば。他にも2人ほど、力になってくれそうな人が一緒に来てるんだ。その人たちにも、相談してみていいかな?」
GM/かわうそ:「うん、うん、二人で考えるよりは、その方がいいじゃろう」
晶:「だね、それじゃ早速…」携帯を取りだして、陽火人クンとリリスちゃんに連絡を取るというところで、このシーンは終わりかな?
GM:はい。絆等、あれば。
晶:陽火人クンに、友情を取ります。
▼絆/エゴの変化
晶:陽火人に絆/友情を取得。
●シーン6 『遷都計画』 シーンプレイヤー:リリティア・ローレンツィウム 登場難易度:自由
○一原家の農場
GM:では、リリスのシーンです。
リリス:はいはーい。どんな状況でしょ?
GM:まずは、リリスがどれだけの情報を握っていることにするか、情報判定を。
・作業着の男たち 〈情報:魔物/裏社会/噂話〉
・遷都計画 〈情報:裏社会/企業〉
・古瀬重治 (情報:魔物/裏社会/噂話)
GM:最初は、この辺りでしょうか。
リリス:三種類、全部判定しても良いのでしょうか?
GM:どうぞ。
リリス:では、判りやすいように全部〈情報:裏社会〉で。順に判定して行きますね。(ころころころ)20、21、25。こんなん出ました〜。クリティカルはしてません。
GM:はい。もう隠しておく情報なんて無いくらいの達成値ですな(笑)。
・作業着の男たち
達成値5:地相鑑定士を名乗る古瀬重治と、その部下。
達成値8:調査現場には、赤く塗られた巨大な釘が打ち込まれていた。
達成値10:調査の名目で、H市の農地周辺を動き回っている姿が目撃されている。また、冷害の打撃で痩せてしまった土地を、農家から安く買い上げているとの話も聞く。
・遷都計画
達成値10:2030年を目処に計画されている国家プロジェクト。候補地にH市も挙げられている。
達成値12:プロジェクトに相応しい遷都の地を捜す卜占を、地相鑑定士である古瀬重治が受けたという。
・古瀬重治
達成値5:地相鑑定士。
達成値8:ノウンマン。チベット密教に傾倒しており、H市を日本のチベットに見立てて、聖地化しようとしている。
GM:と、以上です。
リリス:なるほど。地価を下げるために、土地を痩せさせてる……って予想は短絡的すぎかな?
晶:ハンドアウト見て、てっきりそうだと思ってたけど。
陽火人:それもあるでしょうけど…農家って意外と自分の土地に愛着と言うか執着と言うか…そういうのがあって、自分が現役で働けるならよっぽど苦しくないかぎり、土地を手放したくはないんですよ。まぁ、人によるかもしれませんが(笑)。
リリス:いや、農民は土地を離れたがらないってのは天羅でGMとして使ったネタなんで、凄くよく判ります(笑)。
晶:だから嘉門さんも反対してるんでしょう。けど、本当に『人の住めない土地』にされつつあるんで押し切られそうになってる、と。周囲の人たちにも、自分の生活があるし。
陽火人:そうですね。
GM:まあ少なくとも、土地を痩せさせて買い上げているのは、確かでしょう。
リリス:「ふむ……人払いにしては少々乱暴ですね。台密と半島系の術のハイブリッドというのは面白い手段ですが……」単なる地上げのための手段なら良いんですが、地上げが表向きの理由で、裏にもっと悪どい理由があると怖いですね。
晶:地上げ自体、良くないことだと思います(笑)。
陽火人:確かに(笑)。
リリス:もっともですな(笑)。
晶:H市をチベットに見立てて…ってのが気になるけど。あの黄色いカビが何か関係あるのかな?
陽火人:うーむ、どうなんでしょう。確かに何か関係があるのかもしれませんが、今のところは判断するには情報が乏しいかな。
GM:あ、追加で一つ。
リリス:はいはい。もらえる情報は何でも貰います(笑)。
GM:営利目的ならば、そのために土地を買い上げる段階としては、今は時期尚早です。今はまだ“遷都の候補地の一つ”に過ぎないこのH市に古瀬が固執しているのは、明らかにおかしい…と、関係者も口にしています。
リリス:なるほど。金を掛けておいて、他の都市に決まってしまったら大損ですものね。
GM:そういうことを言う関係者から、古瀬が何か重要なもの…この地を聖地とできる決定的なものを手に入れたのではないか、という噂がまことしやかに伝えられています。それから、先ほど古瀬について調べた時に、古瀬のこちら側の事務所の住所等も手に入れることが出来ましたので。と、まあ、情報はそんなところで。
リリス:「……この場所と、この時期……確か……ふむ、厄介ですね」ブツブツと呟いてます。周りで他の生徒が働いてるのを尻目に(笑)。
GM:でも、誰も何も言わないんでしょうなあ(笑)。
リリス:言われると、わざとらしく咳き込んだり、貧血で倒れて見せたりしますよ(笑)。
GM:なるほど(笑)。
陽火人:聖地にできる決定的なもの……いったい何だろう?
晶:まだ判りませんねぇ。次のシーン以降でしょうか。
GM:さて、登場される方、います?
晶:うーん。陽火人クンのシーンで合流しましょうか?
GM:では、シーンを移動します?
陽火人:そうしますか? さすがにここに戻ってくると先生に叱られそうだし(笑)。
リリス:ですね。リリス一人だと、思わせぶりな事を言うばかりで行動しませんし(笑)。
晶:それじゃ、ボクは使い魔置いて抜け出します(笑)。で、携帯でリリス呼び出して彼女が仮病で脱走、と(笑)。
陽火人:「ああ、大丈夫ですか? リリスさん、今、先生を呼んできますから!」(笑)
リリス:「いえ……大丈夫です……少し休んでいれば良くなりますから……ああっ」ふらり(よろける真似)。
陽火人:「ああ、全然大丈夫じゃないじゃないですか! 後は、僕がやりますから休んでいてください」周りの男子生徒は、チャンスだとばかりにリリスに親切にしてポイントを上げようとしますから、パツイチですね(笑)。
リリス:「(そう言えば……この旅行には、あの二人も来ていましたね。少し手伝ってもらい……いえ、手伝ってあげましょう)」クスクスと、楽しそうに。
GM:では、ここでシーンの変更を。絆等、あれば。
リリス:今の台詞で、晶に『友情』の絆を結びます(笑)。
晶:…友情なのですか、それは(笑)。
リリス:きっとお人よしの晶なら、自分より先に事件に首を突っ込んでるに違いない、と思ってるので。信頼でも有りでしたね(笑)。
▼絆/エゴの変化
リリス:晶に絆/友情を取得。
●シーン7 『西から来たるオニ』 シーンプレイヤー:花樫陽火人 登場難易度:自由
○H市・駅前
GM:では、駅からとぼとぼと歩いている陽火人ですが…とりあえずどこへ向かうかな?
陽火人:(他PLに)さあ、いつでも登場してください(笑)。
晶:駅前にいる陽火人クンの携帯が、突然鳴り出します。「もしもし、陽火人クン? 今どこにいるの?」
陽火人:「あ、晶さん。えと、あのそのごめんなさい。しばらく、そっちの方には戻れそうにないんです」かなり焦っているのか、少しどもりながら(笑)。「あの…先生、やっぱり怒ってますか?」
晶:「力を貸して欲しいんだ、今すぐ! さっきから探してるんだけど、クラスのみんな『知らない』って言うから…今、どこにいるの?」
陽火人:「H市の駅前です。力を貸して欲しいって、何かあったんですか? 実は僕も、晶さんに頼みたいことがあるんですが……」
晶:(最後まで話を聞かずに)「駅前だね? 判った、すぐ行くから! Seere-親切な太守-よ、転移の門を開いて…」移送魔法で、陽火人クンの頭上に瞬間移動しました(笑)。
陽火人:「はい、待ってます…って、うわ!」いきなり晶が現れてびっくり(笑)。
晶:「…わったったぁ!?」陽火人クンを下敷きにして、落っこちます(笑)。
リリス:おお、素晴らしいラブコメ(笑)。
GM:わかりやすい(笑)。
晶:「いたたた…陽火人クン、大丈夫?」上からどきつつ。
陽火人:「…いたた。あ、ご、ごめんなさい!!」と正座のまま高速移動で離れた後に、地面に何度も頭をこすり付けて謝る(笑)。悪くはないけど、なぜか悪いことをしてしまった気がする陽火人(笑)。
晶:「…いや、落ちてきたのはボクの方だから、そんなに謝らなくても……あ」周囲で目を丸くしてる人々に気づく。「とにかく、場所を変えよう? ここ、目立ってるし…」そそくさとその場を離れよう(笑)。
陽火人:「あ、はい。そうですね」とついていく(笑)。
リリス:では、その辺りで晶の携帯を鳴らしましょう。
晶:「ん? …はい、もしもし日向ですけど?」携帯を取りました。
リリス:「やあ、こんにちは日向さん。何か、困っている事はありませんか?」いきなりそう切り出します(笑)。
GM:まるで、悪役の登場シーンのようだ(笑)。
陽火人:ほんとだ(笑)。
晶:「リリスちゃん…ボクが、というより他に困ってる人がいるんだけど…何か知ってるの?」彼女のこういう物言いはいつものことなので、今更驚きません(笑)。
リリス:「さぁ? 心当たりならありますが、それが正しいかどうかは話を聞かなければ判りませんね」
晶:「それじゃ、今から集まる? 駅前近くの(周囲を見回して)…慧喜之屋って喫茶店で待ってるから」
リリス:「ああ、あそこですか。では、今から向かいます……そうそう、あそこはチーズケーキがお勧めですよ」
晶:「そうなんだ、ありがと」電話を切って。「リリスちゃんも来るって。それじゃ、あそこで待ってよう?」陽火人クンと一緒に喫茶店へ。
陽火人:「そうですか、じゃあ、行きましょう」
晶:次はリリスが喫茶店に現れるシーンかな?
GM:では、その喫茶店に向かうわけですが…シーンは変えた方がいいですか?
リリス:一旦シーン切ります? 何もしないで待ってるなら、即登場しますが。
晶:合流するだけだから、どちらでもいいと言えばいいんだけどね(笑)。
GM:では、このまま行きますか。
○喫茶店『慧喜之屋』
陽火人:リリスを待っている間、陽火人は途端に無口になる。と言うか、ボーとしている感じで、砂糖が溢れているほど入れているのにも気づいていない。
リリス:では登場。判る人にだけ判る表現をすると、Fateのイリヤみたいな服装で寒そうに店に入ってきます。手にはマフまで装備して。
陽火人:「(あれ、おかしいな? 急に心臓が早く動き出したぞ? 何を緊張しているんだ、僕は……はっ、そういえば喫茶店で女の子と二人きりなんて生まれて初めてだった! ど、どうしよう、急に落ち着かなくなってきたぞ)」
リリス:うぉ。登場、少し遅らせれば良かった。せっかくの素晴らしいラブコメが(一同笑)。
リリスのPLは、バカップルで有名(?)な神楽蒼紫のPLでもあります。…つくづく好きだねぇ(笑)。
晶:「あ、来た来た。リリスちゃん、こっちだよー!」奥のテーブルから手を振る。
陽火人:「ほっ…リリスさん、よく来てくれました!」
リリス:「お待たせしましたね、お二人とも。……ところで花樫さん、紅茶がゲル状になってますよ?」
陽火人:「はっ! あ、すいません。ちょっと、ぼーっとしてました」
晶:「ともかく、相談なんだけど……そう言えば、陽火人クンの話って何?」リリスが来るまで固まってて全然事情を聞けなかったので、話題を振る(笑)。
陽火人:「実は……」便利な日本語カクカクシカジカで話す(笑)。
リリス:「ほぅ……それはそれは……災難でしたね、花樫さん」
晶:「濡れ衣を晴らさないといけないんだね、大変だ。ボクの方は…」同じく、かくかくしかじか。
陽火人:「そうだったんですか、農家の人たちのためにも、この土地に住む妖怪さんたちのためにも、何とかして原因を突き止めないといけませんね」
晶:「ボクも陽火人クンも、ヤマセのことを解決したいのは同じなんだ。で、リリスちゃんは“今度も”何か知ってるの?」
陽火人:「今度も?」
リリス:「そうですね。少なくとも『ヤマセ』についてなら」かくかくしかじか(笑)。
晶:「…陽火人クンが聞いた『西から来た鬼』と、リリスちゃんの見た『古瀬』って人、何か繋がりがあるのかな?」
リリス:「『鬼』の方は、少し思い出すのに時間がかかりそうです。ただ、少なくとも古瀬は人間だったはずですが」
陽火人:「繋がりがあるかどうかは判らないけど。その古瀬さんという人はこの一件に深く関わっていそうですね」
晶:「そっか。…そう言えば、作業してた田んぼで変な『黄色いカビ』を見たんだ。オロバスに聞いたら『魔物の身体の一部だろう』って。これも、事件に関係あるのか判らないけど…」
陽火人:「大嶽丸、さっきから黙ってるけど、どうしたんだ? 今、晶さんが言った『黄色いカビ』について、何か知らないか?」と、大嶽丸に聞いてみる。《託宣》を使って。
GM:いいでしょう。ではまず、古瀬の計画から説明しなければならないね。
・聖地化計画
達成値5:H市を聖地化するに当たり、古瀬重治は着々と準備を進めてきた。
達成値8:一つに、チャンスンを打ち込み、地力を減退させた土地を安く農民から買い上げる。遷都後の『内裏』となる場所を手中に収めるためである。
達成値10:二つに『内裏』となる場所に真正の仏舎利を埋めることで、新たな都を聖別することである。
達成値12:古瀬重治の手に入れた仏舎利は、黄色いカビのようなものに覆われていたという。
GM:と、まずはどこから手に入れた情報か判らぬものを(笑)。
・仏舎利
達成値5:古瀬重治が見つけ出した本物の仏舎利。
達成値8:旧日本軍が中国経由でチベットから持ち出した品だという。
達成値10:しかし、この仏舎利は、時のダライ・ラマが作り上げた偽物であると同時に、これを持ち出した国を滅ぼす呪詛がかけられた代物である。黄色いカビは、やがて全てを埋め尽くし、人間の住めない不毛の地を作り出すだろう。
達成値12:当初は古瀬重治の行いと、この偽仏舎利が大地の力を殺し、ヤマセを跳梁させることになった。だが今では、成長し邪気と化したヤマセがカビに力を与え…ほぼ不死身と言えるほどの生命力を与えている。
GM:と、こんなところです。
晶:「…古瀬って人は、その仏舎利が呪いのかかった偽物だって知らないのかな?」
陽火人:「なんて、恐ろしいことをしたんだ……」
リリス:GM、『西から来た鬼』について、何か情報判定は出来ますか?
晶/オロバス:『仏と呼ばれる存在は、元はといえば鬼神や魔神を宗教に取り込んだものが多い。“西から来た鬼”とやらも、その手合いかもしれんな…』と、ぬいぐるみが話す(笑)。
陽火人:「ぬ、ぬいぐるみが喋った!?」
晶:「あ、この子はオロバス。こう見えても、れっきとした魔神の一人なんだよ」
陽火人:「へー、そんな怖そうには見えないけど……」ぬいぐるみだから当たり前(笑)。
晶/オロバス:『甚だ不本意な紹介のされ方だが…大まかに言えば間違ってはいないな』憮然とした様子で羊羹を食べるぬいぐるみ。
リリス:「……仏舎利……チベット……待って下さい。何か思い出せそうです」
GM:情報判定というより、今の情報に付記しておくと。『西から来た鬼』というのがそのカビの姿をした魔物のことです。増殖すれば本来の姿を取り戻し、鬼の姿となることでしょう。国家に仇なす敵を討つ際に使われる、マハーカーラの疑似存在を作り出す術によって生まれる魔物です。ちなみに、ヤマセがエネルギーを与える限り成長し続け、不死の存在であり続けます。具体的には、PS《資産:不死》を所持した状態にあります。
リリス:「…確か、大陸の術法に、大黒天を模した『穏』を作る術があった筈です。その素体が、確かカビに似た姿を取ったかと」
陽火人:「なんとか、今のうちにその魔物を倒す方法はないのかな? 復活してからじゃ、被害が大きくなるばかりだよ」
晶:「…だけど、今はカビとして市内に広がってる。どうすればいいんだろう…」考え込みます。
GM:では、〈知識〉所持の方。判定をどうぞ。
リリス:(ころころ)28です。
晶/オロバス:『ヤマセが無限に力を与え続けると言うことは、当然ヤマセを鎮めねば斃せぬわけだが…ふむ』(ころころ)15で。
GM:では…結局、呪詛で作られた存在がヤマセを呼んだわけですから、これを退ける術も存在しています。
晶:…人身御供、とか言わないでね?
リリス:「……さて、お二人とも。ヤマセを呼んだのが何だったのか、お忘れになりましたか?」
GM:その術とは―――深夜12時、鬼門が開く僅かな時間…十五分ほどの間に以下の条件を埋め、ヤマセを鬼門の彼方に追いやること。
・必要な条件
その一:H市を囲む早池峰、薬師岳、岩手山、南にある中尊寺金色堂にて、篝火を焚くこと。
その二:東北自動車道沿いの側道の信号を全て赤にすること。
その三:H市内の六階建て以上のビル十棟に、最強力のサーチライトを用意、ライト前面に赤のフィルムを張ること。
これらは全て、エネルギーの象徴色である赤を街中に配し、ヤマセに対抗、これを押し返すために必要な行為である。光量がヤマセに勝てなければ、全ては失敗に終わる。
その四:最後に、その作戦中に、邪気の中枢たる偽仏舎利についた魔物を駆逐すること。
以上を行うことで、H市ならびに北日本を覆う邪気を祓うことが可能になる。
GM:と…これが具体的な方法です。グスコーブドリの話で火山を爆発させたのも、冷害を祓うために、象徴色の赤を配したからかもしれません。
リリス:むむ。かなりの人手が必要になる条件ですね。
晶:「1は何とかなるとしても…2番目でいきなり蹴躓くんだけど。政治家さんの協力でもないと、無理じゃないかな…」
リリス:GM〜、《ネットジャック》で交通網を管理してるネットワークをハッキングできますか? 本来の使い方からは、だいぶ外れるんですが。
GM:ネットジャックですか。…今回はちょっと無理です。
リリス:了解。では、別の手段を考えましょう。
晶:「…古瀬さんって人、話せば判ってくれないかなぁ?」甘いことを言うけど、そうでもしないと解決できない予感が(笑)。
陽火人:信号は、さすがに国家権力の力が必要ですね。
晶:それに信号を変えるだけじゃ、他の条件は満たされないしね。
GM:今の状態では、この計画を動かすために、圧倒的に人が足りませんね。
リリス:「松明にしても、中尊寺に侵入して火を付けるのは当然、止められるでしょう」
晶:「篝火つけるだけなら、魔神や使い魔に頼めばどうにでもなるけど…他のことは無理だよねぇ」
陽火人:「……これだけのこと、僕たちだけじゃ、不可能ですね。だから、頼みましょう」
晶:「…うん。その古瀬って人に全部話して、協力して貰えるようにお願いするしかないと思うんだ」
リリス:「誰か、これだけの事が出来る人に心当たりが?」
GM/かわうそ:「…なんか、困っとるね」ちりりん、とカウベルを鳴らして入ってきます。深めに帽子を被ってコートを着た怪しい風体ですが、何とか人間に見えなくもありません。
晶:かわうそって、そんなに大きかったの? 小動物サイズだと思ってた(笑)。
GM:いや、人間の子供くらいですけど。
リリス:東北の民話に出てくる「かわうそ」は、河童っぽい感じで描かれたりもしますね。
晶:あ、それで思い出した。松明の方は、妖怪戦力に頼むのが美しいかも。
陽火人:「この地に住む全ての者達に頼みましょう。古瀬さんは勿論ですが、村の人たち、それにこの地に住まう妖怪たちにもです」
GM/かわうそ:「…なにか、いい方法でも見つかったかい?」
晶:「ヤマセを何とかする方法は判ったんだ。でも、今のままだと人手が足りなくて…」包み隠さずに事情を話します。「元はといえば人間が原因だから、良く思わないのは判ってる。でも今は、力を貸して欲しいんだ」
陽火人:「……お願いです。なんとか、この地に住まう妖怪たちを説得してくれませんか? この地に住まう全ての者たちに関わることなんです!」
リリス:「……このまま放置すれば、この島国全てが滅ぶ事になります」
GM/かわうそ:「…ふむ」ヒゲをひくひく動かして「それが本当なら、仲間に動いてもらえるかも知れんが…」と言って、視線が陽火人に向きます。「おおおおおお…大嶽丸!?」
晶:「…えーと。お知り合い?」かわうそと陽火人を見比べて。
GM:叫ぶと、かわうそは晶の後ろに隠れます。
晶:「ど、どうしたの?」大嶽丸のことはよく知らないので、戸惑うしかない(笑)。
GM/かわうそ:「知り合いなんてもんじゃねえ! お、お、恐ろしい! 食っても美味くないぞ…くわばらくわばら」ガクガクブルブル。
陽火人:「あ、驚かないでください。大嶽丸は僕の体の中にいますが、今は僕と共にこの地を救う方法を探しているんです」
リリス:「あぁ…どうせなら、ライトの設置も彼らに頼んでしまいましょう。機材をどうやって用意するかが問題ですが」
陽火人/大嶽丸:『ふん、かわうそなんぞ食っても旨くないわい。震えておらんで、さっさと人どもの言う通りにせんか!』
GM/かわうそ:「お前がいるなら話は別じゃ! この地の妖怪は、みなお前を敵じゃと思っとるぞ!? 協力を頼むなんて、無理じゃあ!」
晶:「陽火人クンは、誰も食べたりしないよ…だよね?」
陽火人:「も、もちろんですよ。大嶽丸にだって、僕といる限りそんなことは二度とさせません!」
リリス:「……くすくす。花樫さん、本当に災難ですね」心底、楽しそうに(笑)。
陽火人:「そんな、笑ってないで助けてくださいよ、リリスさん」と、情けない声で説得の援軍要請(笑)。
晶:「え、えーと…困ったな、それじゃどうしよう?」天狗は陽火人を監視してるんでしょ? そのツテでどうにかならない?(笑)
GM:まあ、協力を取り付けるなら、陽火人が自力でどうにかしなければならない、ということです。
リリス:「……そうですね。なら、もし手伝ってくれたなら、大獄丸をこの東北から追い払って差し上げましょう」嘘はついてないぞ。事件が解決すれば、陽火人と一緒に東京へ帰る筈ですから(笑)。
晶:「事件さえ終われば、ボクたちは東京に帰るから嘘にはならないけど……それじゃ陽火人クンと大嶽丸クンが可哀想だよ」晶にそんな腹芸が通じると思うな(笑)。
GM/かわうそ:「それにしても、わしでは決められんよ…。皆が大嶽丸が犯人と疑っておると聞いたぞ?」
リリス:「……まあ、そうなるでしょうね。かと言って、私が説明したところで天狗たちは納得しないでしょうし」言いながら、意味ありげに陽火人をチラリと見る。
陽火人:「かわうそさん、どうすれば僕を信じてくれるかな? 正直、僕は大嶽丸があなた方にどれだけ酷いことをしてきたのかを知らない。でも、大事なのは今の現状を何とかすることじゃないんですか? 恨みを忘れろとは言いません。だけど今はこの地を、この地に生きる全ての者達が力を合わさないと、取り返しが付かないところまで来てるんです。僕が信じられないと言うのであれば、僕を縛るなり監視をつけるなりしても構いません。だから、どうか力を貸してください!」
GM/かわうそ:「人よ…わしにだって、言いたいことはわかるよ…。どうしても、と言うなら、お前さんが自分の口で仲間を納得させなければならんよ…」
陽火人:「わかりました。それじゃ、皆さんを集めてください。皆さんが、納得してくれるかはわかりませんけど。僕、やってみます」と、決意のこもった瞳で。
GM:では、そこで山伏風の男が店内の四隅に現れる。
晶/オロバス:『…噂の天狗がお出ましのようだ』
リリス:「ふぅ。皆さんを集める必要は無さそうですよ」
GM/鴉天狗たち:「人よ…」「その方法で、この地は救われようか?」「太陽は戻ってこようか?」「夏がまた戻ってこようか?」
晶:ボクは黙っていよう。この説得は彼の見せ場だ(笑)。
陽火人:「わかりません。ですが……僕は、何もしないまま後悔なんかしたくない! そして、それは皆さんだって同じはずです!」
リリス:「弱気になる必要はありませんよ。この“方法は”間違っていません」私は……んむ。陽火人を挑発した方が楽しそうなので欲望に従います(笑)。
晶:人はそれを、『エゴ』と言う(笑)。
リリス:そうかも。でも、自分で場を引っ張るんじゃなくて、他人にちょっかい出すのがキャラの持ち味なんで。あえて反省はしない方向で行きます(苦笑)。
晶:や、別に責めてるわけじゃないから。ただまぁ、あまり人の見せ場を喰わない程度にね〜と(笑)。
リリス:うぃうぃ。てか、あんまり目立ちすぎないようには気をつけます(笑)。
GM:では、陽火人。妖怪へのエゴを絆判定で絆に変えてください。それで、彼らに愛を1点、渡せるかな?
陽火人:「人は勝手で弱い存在です。自然の恩恵も忘れて、己が欲望に流されやすい。でも、それに気が付いたら何とかしようと思うのもまた人間なんです。大嶽丸も今は、人である僕と共に生きています。生きていくために、お互いを必要としているんです。だから、この地に住まう人と妖怪だって力を合わせれば、どんな困難も乗り越えていけるはずです!」
GM:では、判定を。AGPを使っての振り直しも認めます。
陽火人:「だから、お願いします! どうか皆さんの力を貸してください!」頭を下げます。(ころころ)絆チェックは成功です。人間性、上げておいてよかった(笑)。
GM:その絆を固定して、彼らに愛を1点、渡せるかね?
陽火人:では、エゴから絆/連帯感にして、妖怪たちの絆を固定。愛を1点渡します。
GM/鴉天狗:「元より、この地は我らのものでもある…人よ。お前を信じよう」
陽火人:「……ありがとうございます!」
晶:「みんなで、頑張ろうね」ボクも妖怪さんたちに絆を取得しておこうかな。救済で。
リリス:では、私も妖怪に絆を結びましょう。連帯感辺りで。
陽火人/大嶽丸:『ふん、仕方がないのう。わしの力、貸してやるわい』
GM/鴉天狗:「やるのは、いつだ?」
陽火人:「早ければ、早いほど良いと思います」
GM/鴉天狗:「出来れば、こちらは一日欲しい」
晶:「…まずは、古瀬って人にも話を通しておかなきゃいけないよね?」
陽火人:「そうですね。こちらも、村の人たちを説得したりする必要がありますから、決行は明日のほうが良いですね」
GM/鴉天狗:「では、任せよ」姿を消します。
陽火人:「はい、お願いします。それでいいですよね? 晶さん、リリスさん」
リリス:「私はあくまで、貴方がたを助けるだけですから。方針を決めるのは、そちらの仕事ですよ」
晶:「ボクも、それでいいよ」頷く。「あとは、古瀬さんだけど…」事務所を知ってるのはリリスだけなので、その辺よろしく。特権階級のコネとか使えない?(笑)
リリス:コネはデータの裏づけが無いから無理っぽいですが、交渉はやってみます。
晶:天狗たちの言う一日が、こちら的にもタイムリミットだと思うんだ。
リリス:「古瀬の事務所は、私が向かいましょう。勿論、着いて来てくれるのならば歓迎しますが」
陽火人:「はい、ありがとうございます。じゃあ、早速行きましょうか」
▼絆/エゴの変化
陽火人:妖怪たちへのエゴを絆/連帯感に変更。リリスに絆/連帯感を取得。
晶:妖怪たちに絆/救済を取得。
リリス:妖怪たちに絆/連帯感を取得。
●シーン8 『賢しき愚者』 シーンプレイヤー:リリティア・ローレンツィウム 登場難易度:自由
GM:では、古瀬の事務所にしますか。一応、リリスのシーンとしておきますが、同行します?
陽火人:うぃ、同行でお願いします。
晶:同行します。あまり力にはなれないと思うけど(笑)。
リリス:では、全員登場で行きましょう。
○古瀬重治事務所
GM:あまり大きくない事務所ですね。入ると、作業着の人間が何人かいますが…リリスがどうにかして古瀬に面会できるよう働きかけた結果、古瀬の部屋の中にいる状況です。
リリス:「お手間をかけさせてしまいましたね。少し、お話したい事があったものですから」何故か微妙に偉そう。
GM/古瀬:「…以前、一原さんのところでお見かけしましたな。さて、お話とは?」
リリス:「あなたが大陸から持ち込んだ物について……と言えば、お分かりではありませんか?」
GM/古瀬:「…ほう。お嬢さんがどのような経路でそんな話を聞いたかは図りかねますが…と、なると、私の目的もご存知で?」
リリス:「ええ。目的としては悪くありませんね。尤も……その方法では、逆効果ですが」ここで冷笑を浮かべます。
GM/古瀬:「逆効果? 異なことを言われますな。真正の仏舎利…これに勝る聖遺物など、他にありますまい」
リリス:えーと、リリスは単刀直入な物言いをしない上に、古瀬へのエゴが『嗜虐』なんで。協力要請のサポート、お願いします(笑)。
陽火人:う、うぃ。了解です。
晶/オロバス:『それが、真っ赤な偽物とも知らずに…浅はかなことだ』小声で。
陽火人:ああ、よかった。オロバスが援護にいってくれた(笑)。
リリス:「真正? アレが真正だと? ……無知とは、恐ろしいものですね」
GM/古瀬:「…偽物だとでも?」その眼に鋭い光が宿ります。
晶:「…それ、本当は偽物なんです。それを奪おうとする他の国に、災いをもたらすための」思わず、といった感じで後ろから口を挟む。
リリス:「ええ。貴方が用意した代物は、真っ赤な偽物。国を滅ぼす呪物ですよ。なんなら、資料を揃えてみせますが?」
GM/古瀬:「…いいでしょう。その資料とやらを見せていただきましょうか」
晶:「嘉門さんの田んぼで、妙な黄色いカビを見ませんでしたか? あれは、その偽物の仏舎利が原因なんです」
GM/古瀬:「…黄色い、カビ…?」
晶:「仏舎利に、黄色い染料みたいな物が付いてたでしょう? あれと同じ物です。このままだと、あれが日本全体に広がって…全ての植物を枯らしてしまうって」
陽火人:先ほど見せ場をいただいたので、ここは狸の置物と化しています(笑)。
GM/古瀬:「…確かに、仏舎利には、そういうものが付着していた…あれが、呪物だと?」
リリス:「おや、残念。もう少し苛めてあげようかと思ったのですが……まあ、時間も限られていますし、この辺りで答えを教えてあげるのも悪くないでしょう」
陽火人:ああ、Sの女王様だ(笑)。
GM:踏まれている(笑)。
リリス:「台密を学んだ貴方なら判るでしょう。あれは、ある種の式神を顕現させるための媒体ですよ」
GM/古瀬:「あれが、偽物だと…そんな馬鹿な。私が地脈の力を衰えさせたのも、仏舎利の力を使ってそれを復活させる手はずだったからだ。それでは…この地は呪われた、と言うのか…」
リリス:「そもそも、貴方ごときの力では、ここまで地脈を衰えさせる事など出来ませんよ。土地が呪われたのは、ヤマセによって活性化したカビのせいです」
陽火人:「その通りです。ですから、貴方に力を貸してもらいたい事があるんです!」狸の置物から脱出(笑)。
晶/オロバス:『なまじ地脈を衰えさせたが為に、大地を呪う鬼を蔓延らせてしまう結果になった。…つまらん真似をしたな、人間よ』いきなり口をきくぬいぐるみ(笑)。
陽火人/大嶽丸:『そうよ、おかげでこのわしがあらぬ罪を被せられたんじゃ』と、心底不愉快そうな声で。
GM:古瀬は相当なショックを受けたのか、ぶつぶつと何かを言っています。椅子にもたれて虚脱状態ですね。
リリス:「この土地の妖物は、貴方の所業に激しく怒りを覚えています。その分、少しばかり無理をしてもらいますよ?」ニヤリと嗤う。ここで、脅しの意味で自分が魔物だと明かすために、セカンドサイトを取り出して見せましょう。
晶:待って、古瀬はともかく、部下全員がノウンマンだとは限らないでしょ?
リリス:あれ? 古瀬以外の人間は、人払いされてるんじゃないのでしょうか。そのつもりで喋ってたのですが。
GM:そういう状態ですね。
晶:あ、人払いは済んでるのか。なら安心。護衛が何人か残ってると思ってた。
GM/古瀬:「…魔物、なのか…。この事態を、どうにかする方法が、あるのか…?」
晶:「どうにかするために、あなたにも協力して欲しいんだ。実は…」かくかくしかじか(笑)。
GM/古瀬:「…わ、私は何をすればいいんだ…?」
リリス:「それについては、彼女から説明して貰いましょう」と、晶に言わせます(笑)。
晶:信号機やビルに仕掛ける照明の件を話したと言うことで(笑)。
陽火人:「(なんか晶さん、便利に使われてるなぁ…)」
晶:「そうしたら、ヤマセが押し返されてる間に、ボクたちが仏舎利に憑いてる鬼を何とかするから」
GM/古瀬:「サーチライトは用意できる。東北自動車道の必要な区間で事故を起こせば、その区間の車も止められるだろう。あとは、手動ででも信号機を切り替えられれば…」
リリス:「幸運でしたね、古瀬さん。私たちが居なければ、貴方はこの国を滅ぼす所だったのですから……ねえ、日向さん、花樫さん?」
晶:「タイミングを、妖怪さんたちと上手く合わせて貰う必要があるけど…出来るよね?」嫌とは言わせない、と無自覚ながら強い瞳で見据える(笑)。
GM:すっかり弱気になった古瀬は、無言で頷きます(笑)。
陽火人:「今なら、まだ間に合います。だから頑張りましょう。妖怪たちだって、誠意を持って謝ればきっと許してくれるはずです」
GM:古瀬はもう、それ以上は答えずに力なく椅子に座っています。
陽火人:「よし、これで準備はOKですね。後は、先生に言い訳を考えておかなきゃ」
晶:「ボクは使い魔を身代わりに置いてきたけど…上手くやってくれてるかな?」
GM:使い魔は今頃、頑張って草刈をしていることでしょう(笑)。
陽火人:「ずるいな、怒られるのは僕だけなんですか?」と少し不満顔(笑)。
リリス:リリスも怒られますよ。全く気にしない上に、記録上は無かった事になるだけで(笑)。「ああ、いざとなれば……そうですね、お二人が駆け落ちでもした事にしましょうか?」ニヤニヤ(笑)。
晶:「…え? 何が?」リリスの言う『お二人』が自分たちのことだと気づいてません(笑)。
陽火人:じゃあ、陽火人は無言で真っ赤になっておきましょう。湯あたり起こしても、ここまで赤くならないぞと言うくらいに(笑)。
リリス:良いなあ。からかい甲斐があって、実にリリス好みの子だ、陽火人(笑)。
陽火人:基本的にいじられキャラですから(笑)。
リリス:…てか、自分で言うのも何ですが。このシーンのリリス、悪役以外の何者でもないですね(笑)。
晶:そういうロールをしたいんだから、本望でしょうに(笑)。
陽火人:ですね(笑)。
リリス:うん。むしろ、ここまでやらせてくれるGMさんやPLさんたちに感謝です(笑)。
GM:と、この辺でシーンを切りますか。絆等、あればどうぞ。
リリス:ここで古瀬へのエゴ/嗜虐を、絆/容赦へと変えておきます。
晶:こっちも古瀬に絆/容赦で。
陽火人:僕は、この地を守るということで、世界というか…この場合はH市でいいのかな? 救済で。
▼絆/エゴの変化
陽火人:H市に絆/救済を取得。
晶:古瀬重治に絆/容赦を取得。
リリス:古瀬重治へのエゴを絆/容赦に変更。
●シーン9 『赤い灯火』 PC全員登場
GM:さて、これから先ですが…青年団に掛け合って協力してもらう、などのシーンは欲しいですか?
リリス:うーん、そう言うキャラじゃないんで、やるとしても他のお二人に任せます。
晶:んー、省略でもいいですよ。時間押してるでしょ。ただ、彼らが実際に活動するシーンは欲しいですが(笑)。
陽火人:ですね(笑)。
GM:うい(笑)。
○林の中
GM:では、あなた方は、古瀬が仏舎利を埋めた林の中にいます。黄色いカビが辺りを埋め尽くしていますね。かなり、蝕まれています。
晶:「そろそろだね…みんな、ちゃんとやってくれてるよね?」あまり心配してない口調で呟く。
リリス:万能工具を、スコップの形に変型させています。「もし失敗したら、その時は私たちが死ぬだけですよ」さらっと何事も無いかのように。
晶:「上手くやってくれてても、勝てる保証はないんだけどね。まぁ、頑張りますか!」
陽火人:「…大丈夫。きっとうまくいきますよ。大丈夫」と、まるで自分に言い聞かせるように。
GM:さて、教えられた場所に来てみると…その中心には、球状のカビの塊があります。
リリス:「既に完成しかけていますね。掘り出す必要すらありませんでしたか」
GM:その球体が、君たちが近づくと展開していきます。その中から、這いずるように、巨大な鬼が出てきます。
晶:「もう、出来上がってる!?」
陽火人:「……来た!」
GM:下半身を引きずっているところを見ると、まだ完全ではないようですね。
リリス:「いえ。これで8割、と言ったところです。ヤマセを祓うのは、上手くいったようですね」
晶:「…予定の時間だよ!」ここで腕時計を見る(笑)。
GM:では、指定された場所に松明の明かりが点ります。市街地の中には赤いサーチライトが見えます。岩手山から、透明ではあるものの、星明りに照らされた龍が地面を這いずるようにして、ヤマセに向かっていくのも見えますね。その龍がヤマセを突き破ろうと格闘している姿も。一進一退の攻防に見えますね。今のところ。
晶:鬼を斃せば、形勢が一気に傾くのかな?
リリス:では、クライマックスに入る前に、仏舎利に絆/憐憫を取りましょう。こんな事に利用されて可哀想に、と。
陽火人:では、こちらも仏舎利に絆/憐憫で。
▼絆/エゴの変化
陽火人:仏舎利に絆/憐憫を取得。
リリス:仏舎利に絆/憐憫を取得。
■クライマックスフェイズ■
●シーン10 『闇を討ち祓え!』 PC全員登場
GM:さて、とりあえず、ここからクライマックスフェイズに入ります。
晶:…取りあえず?
GM:気にしない気にしない(笑)。
晶:時間制限とかはデフォルトでありそうとは思ったけど…他にも何かあるかな?
GM:いや、ただの演出なんで(笑)。
リリス:なお、リリスはルルブのサンプルキャラに負けるくらい弱いんで、戦闘はお二人にお任せします(笑)。
晶:晶はそもそもダメージが低いので、任されても困ります(笑)。
陽火人:了解、男の子がんばります(笑)。
リリス:ファイト♪(笑)
▼ラウンド1
GM:さて、戦闘に入ります。エンゲージは(魔物)(PC)で、マイナーで移動して接近する必要があります。
現在のエンゲージ:(魔物) (PC一同)
GM:セットアップ、あればどうぞ。
リリス:オートで《瞬間武装》だけしておきます。
GM:では、こちらは《絶対先制》。マイナーで《魔震》、メジャーで《災厄者》。皆様に闇の塊を吐きつけます。更にPS《世界律:祝福(デーモン)》で+3ボーナスが付いて、(ころころ)達成値24です。回避は〈意志〉でどうぞ。
晶:《祭器》で回避。(ころころ)27で避けました。
リリス:技能が無くてクリティカルしないので、回避できません。
陽火人:一応振っておきますか。(ころころ)駄目でした(笑)。
GM:《闇の血筋》《爵位》《世界律:祝福》でダメージ増加。(ころころ)35点の〈闇〉で。1点でも通ればBS[重圧]がかかります。
晶:「Orobas−馬の太守−よ、ボクたちを護って!」 《シールド》《呪圏拡大》で(ころころ)12点ダメージ減少です。
陽火人:残り1点、ギリで生きてる(笑)。
リリス:軽減してもらっても魔獣化です。髪が伸び、地面にアンカーか木の根のように突き刺さります。
晶:…今データ見たら、リリスってFP少なかったんだね(笑)。
リリス:ええ。イモータルのくせして、やたら打たれ弱いですよ(笑)。
GM:では、こちらの行動値は13です。
晶:そっちが早いです(笑)。
GM:マイナーで移動して、《悪魔の爪》で陽火人を殴ります。(ころころ)達成値25。
陽火人:〈運動〉がなくてクリティカルしないので絶対に喰らいます。ダメージください。
GM:では、ダメージは5d6+22の〈闇〉で…(ころころ)
ここで振ったダイスは…何と、5つとも赤い日の丸を上にして止まった(笑)。
GM:すげ! 27点?!(笑)
晶:凄いダイス目!?
陽火人:でも、魔獣化。おお、初めて魔獣化したよ(笑)。
GM:初めて見た…オール1。
リリス:これだけの数ふって全部1なんて、あるんですね〜。
晶:もしも人間性回復で出たら、笑えないなぁ…。
GM:で、出るんだなあ、こういう目。
陽火人:いったい、何%の確率だろう?(笑)
リリス:1/7000以下ですよ、確率的には。ありえね〜〜(笑)。
GM:さて、そちらの番です。
リリス:では、マイナーで機械剣をレーザードリルに変化、メジャーで攻撃します(ころころ)18です。
GM:(ころころ)命中しよりました。
リリス:オートで《リインフォース》使用、(ころころ)32点〈光〉属性で。
GM:光は駄目ですね。FPがゼロになりました。それでは…。
陽火人:おお、一体何が始まるんだべ〜?
GM:今の一撃で切り裂かれた魔物は、そのダメージを端から回復していくように再生していきます。
晶:「…まだヤマセからの力が、途絶えてないの!?」
リリス:うぇ?! 演出ではなく、FP全快?!
晶:いや、ここはPCたちが焦るところに、思わぬ助けが入る場面でしょう(笑)。
GM:一進一退を続けていたヤマセと龍の格闘も、龍の方を押し返していきます。その時、街中の電気が一瞬にして消えます。
陽火人:「頼む、頑張ってくれ! 龍よ、僕達の…この地に住まう全ての者達の願いに応えてくれ!」
リリス:「少し、まずいですね……覚悟を決めねばなりませんか」
GM:すぐに回復し、またサーチライトの光がついた時です。H市を囲む山々が、篝火に包まれ、まるで噴火したかのように赤く輝きます。
リリス:「…………グスコーブドリ」
GM:闇の中に、たいまつに照らされた中尊寺も金色に輝き、東北自動車道沿いに鬼火が列を成しています。
陽火人/大嶽丸:『人よ……見よ、あの輝きを!』
晶:「…山のみんなが、力を貸してくれてる…二人とも、頑張ろう!」
陽火人:「はい!」
GM:それに押されるように、龍が息を吹き返します。今度は一進一退などというものではなく、その一挙一動がヤマセを引き裂いていきます。「待たせた! 遠野の連中を引っ張り出すのに手間取ってな。だが、間に合ったようだ!」と、空からは鴉天狗の声が。
陽火人:「みんな…来てくれたんですか。……ありがとう」と、思わず涙ぐむ。
晶/オロバス:『…ところでアキラ、何気に我々が勘定に入っておらぬようだが?』憮然とツッコミ(笑)。
陽火人/大嶽丸:『ふん、主役であるわしを忘れてもらっては困る』
晶:「…あ。ごめん、オロバスと大嶽丸クンも、だよね!」
リリス:「後は、私たちが決めるだけ…と言うわけですね。さあ、フィナーレまであと少しです」楽しげに、無邪気な子供のような笑顔を浮かべる。
陽火人:「誰が、主役だ。誰が…。でも、今日だけは許すよ。さあ、決めるぞ大嶽丸! 変形だ!!」
GM:魔物の傷がまた開き、作られかけていた下半身も、また崩れます。ドミネーターとしての資産を全て失った状態の魔物が、困惑の叫びを上げます。
晶:「じゃあみんな、……いっくよー!!」
陽火人/大嶽丸:『ここは地の国、この世は地獄! 汚濁の血の池で生まれ、呪詛と怨嗟も心地よく。骸の山で育ったこのわしに、付いた字が大嶽丸よ!』
GM:…と、そんなところでした(笑)。
リリス:『うしおととら』の最終決戦を思い出しました。こういうの、熱いですよね♪
晶:うん。そういう展開を、期待していました(笑)。
陽火人:さすがだ(笑)。
晶:ところで、鬼火って言うのは“本物”の鬼火?(笑)
GM:本物です(笑)。
リリス:R−3さん、こういうの盛り上げるの、本当に上手いよな〜。
晶:満足です(笑)。後は勝負に勝つだけだ(笑)。
リリス:ここまで盛り上げたからには、負けられませんね〜(笑)。
GM:というわけで、魔獣化します。HA《超魔の命》に8点。後は勝つだけです(笑)。
陽火人:うぃ、このままの勢いで勝ちましょう(笑)。
GM:では、次の方!
晶:「Buer−星の頭領−よ、光の矢を!」 マイナーで《魔撃》、メジャーで《元力:光》を使います。(ころころ)27!
GM:(ころころ)駄目でした。光属性なんで+1d6どうぞ。
晶:(ころころ)25点です。光属性、持ってて良かった(笑)。
GM:魔物の体をその一撃が削り取っていきます。光で浄化されていくようですね。
リリス:おお、光が弱点か。幸運にも今回は全員、光属性持ちですよ(笑)。
陽火人:よし。では、絆を全て固定して、AGPを晶に3点、リリスに2点渡します。
リリス:では、こちらは晶に1点、陽火人に3点AGPを渡しておきます。
晶:ボクからも、陽火人クンに4点を取りあえず。リリスはHAに使うAGPが少ないから、後回しでいいよね?
リリス:てか、エゴの1点で《永劫より》は使えるから、貰わなくても充分なくらいです(笑)。
陽火人:じゃあ、俺の番ですね。HA《無限の法則》を使用します。鬼骨剣二刀でAGP8点使用。
GM:来い…てか、こっちファンブルなんだ。命中したら、回避できんね(笑)。
リリス:もし命中判定ファンブルしたら、振りなおし用のAGP渡しますね(笑)。
陽火人:では、行きます。(ころころ)18で成功!
GM:避けられませぬ。
陽火人:(ざらざらざらーっ)138点の光ダメージ!
GM:おおお!? ごっそり削られた!!
陽火人/大嶽丸:『カカカ、どうじゃ? 真の鬼が持つ名刀の切れ味は?』
リリス:それで決まるかな?
GM:まだ、何とか生きていますね。他に無ければ、次のラウンドです。
現在のエンゲージ:(魔物・PC一同)
▼ラウンド2
GM:セットアップ…は、全員なしか。では行動値13で行動。マイナーで《魔震》、メジャーで《災厄者》を皆様に。(ころころ)6ゾロ、クリティカル(笑)。あの劇的な目の後だからか。
リリス:ははは。ダイス目に関わり無く命中ですとも。
陽火人:(ころころ)惜しい、もう少しで俺もクリットしたのに(笑)。
晶:クリティカルは…無理か。陽火人クンを庇います。
GM:では、ダメージ。(ころころ)26点の闇ですな。
晶:「陽火人クン、危ない!」ダメージ2倍食らって魔獣化、周囲に太陽・月・星を意匠化した光の魔法陣が描かれる。で、アーツ無しでカバーリングしたのでボクの行動は放棄です(笑)。
陽火人:「あ、晶さん!? くそ、うおおおお!」
リリス:では[真の死]から、エゴを固定してHA《滅びの霧》。地面に突き刺さっていた筈の髪が地中から飛び出し、鬼を襲います。その先端には、いつの間にか機械剣が。自動クリティカルで命中です。
GM:ふふ、消せるHAを持たせていないのですよ(笑)。とりあえず、回避振ります。(ころころ)駄目でした。
晶:しかも、魔属性ダメージになるんですね…この場合、あまり嬉しくないけど(笑)。
リリス:オートで《リインフォース》使用、(ころころ)40点の〈魔〉属性ダメージです。
陽火人:出目高っ!(笑)
GM:それは…砕け散りました。魔物はカビの体を光の粒子に変えて滅びます。
リリス:「……計算通り、と言うには少し無理をしすぎましたか……かはっ!」このままだとこっちも砕け散るんで、AGP1点下さい(笑)。
陽火人:えと、AGP残ってません(笑)。
晶:リリスには陽火人クンから2点行ってますよ? それがあるから、ボクは渡さなかったんだけど(笑)。
リリス:そうでした、失礼。ではHA《永劫より》で復活。
陽火人:「リリスさん! しっかりしてください、そんな、せっかくこの地を守れたのに……リリスさーーん!!」そうとは知らずに絶叫(笑)。
リリス:「大丈夫……ですよ。命までは失っていませんから」言葉通り立ってはいるが、なぜか縦ロール髪が抜けています(笑)。
陽火人:「あれ? 生きて……もう、びっくりさせないでくださいよ」と、空気が抜ける(笑)。
リリス:「何を言うのですか。乙女の髪は命よりも大切な物なのですよ。そもそもですね……」くどくど(笑)。
陽火人:「は、はあ…すいません」と、素直に正座して説教を聞いている(笑)。
晶:…えーと。戦闘、終わってるの?
GM:はい。終了しています。
晶:あら(笑)。
GM:意外と使い勝手の悪いHAばかりだったので、使う間もなく(笑)。
晶:一回復活くらいは、するかと思った(笑)。
GM:復活系HAの無いブラッドだったのです。
リリス:今回、戦闘はあっさり目だったんですね。おかげで時間内に終わりそうです(笑)。
GM:そうですね。意外と早く決着が(笑)。
リリス:話として盛り上がったので、戦闘は短くても大満足です(笑)。
晶:正直、ボクがHA一個も使わずに勝てたのは予想外でしたが(笑)。
GM:戦闘は、陽火人が妖怪を説得できなければ辛くなっていましたが、成功したんで(笑)。
晶:あぁ、難易度が下がってたんですね。道理で。
リリス:なるほど。ミドルのイベントで、難易度分岐があったんですね。
陽火人:あの再生の場面が、演出ではなくなっていたんですね?(笑)
GM:3つある項目をいくつ埋められるかで、強さが違っていたんです。
リリス:ほむほむ。参考までに、何が条件だったのでしょう?
晶:一つが妖怪、一つが人間…残りは何だろう?
GM:『妖怪の手を借りて篝火を炊くこと』、『人の手を借りてサーチライト等を用意すること』、『古瀬の力を借りて上手いこと道を塞いだりなんだりの準備をさせること』、です。サーチライトだけなら、村人の手を借りて何とかできましたが。それ以外をスムーズに働かせるには古瀬の力が必要だった、と。
リリス:二つ目と三つ目は古瀬を利用して、まとめてやっちゃった訳ですね。
GM:そうなります。敵対していたら、この条件が埋まらなかったわけです。
晶:話の判る相手で良かった(笑)。初めは黒幕かと思ってたから(笑)。
陽火人:うん、俺もそう思っていました(笑)。
リリス:なるほど。と、なると…陽火人と晶の素直な性格に、かなり救われてましたねえ(笑)。
GM:まあ、ことが悪い方向に進むと、困る人物でもありますんで。問答無用で戦いを挑んだり、懲らしめようとすると、協力しないことにはしていました。
晶:我欲のある人物だけど…目的がはっきりしてる分、交渉の余地はあるなぁと途中で思えたので。素直に交渉できるように運んでみました(笑)。
リリス:リリスは、脅したり言葉でいたぶったりはしても、懲らしめる気は最初からありませんでした(笑)。
GM:まあ、そういうわけで、敵の強さがああなっていたわけです。
陽火人:良かった。みんな素直な子ばかりで(笑)。
晶:……あ。でもそうすると、嘉門爺さんはノウンマンだったのか。かわうそクン、初めは小動物のイメージで想像してたから…嘉門さんは正体知らずに助けたんだと思ってた(笑)。出番無くしちゃって、悪いことしたなぁ…(苦笑)。
GM:さて、戦いを終えて振り返ると、各山々から一度、君たちを讃えるような歓声が上がります。そうして、一つ、また一つ、と鬼火が消え…街は何事もなかったかのように、元に戻ります。
陽火人:「ありがとう……みんな、ありがとう」
リリス:「(……ふふ。まさか『この事件』に自分が関わるとは思いませんでしたが……悪くない気分ですね)」
陽火人/大嶽丸:『何でわしらが礼を言うんじゃ? 礼を言うのは、この地の奴らの方じゃろうが』
GM/鴉天狗:「―――見事であった、人よ。お前は立派に身の証を立てた。数々の無礼、許されよ」
晶:「良かった…これで、一通り丸く収まるよね」
陽火人:「そんな、頭を上げてください。確かに疑われたことはちょっと辛かったけど、あなた方は僕達を信じてくれた。だから……ありがとう」
GM/鴉天狗:「…我らは、これでもう行く。それでは、な」背中を向けて「人間というのも、そう捨てたものではないか」飛び立ちます。
陽火人:「気をつけて、さようなら!」と、大きく手を振る。
晶:「さよなら、元気でね!」同じく手を振る。
陽火人:「なあ、大嶽丸。こういうのも悪くないもんだろう?」『ふん、尻が痒いだけだわい……』
リリス:「さて……これでお二人には貸し一つ、ですね。だって私は『人』ではありませんから」口許に手を当て、冗談めかして微笑む。
GM:と…こんなところでシーンを切ります。よろしいですか?
一同:OKです〜。
GM:では、人間性の回復をば。
晶:余りました(笑)。
陽火人:僕も(笑)。
リリス:プラスです。今回はミドルで人間性使わなかったので、余裕がありました。
GM:では、エンディングへ。
■エンディングフェイズ■
●シーン11 『闇の晴れた地で』 共通ED
○H市・駅前
GM:宿泊研修の最終日です。雲の切れ間から、初夏の眩しい太陽が覗いています。それこそが、あなた方が勝利した証と言えます。今いるのは駅のホーム。これから帰りの電車に乗るところですね。
晶:「色々あったけど…楽しかったね♪」友達と話しながら。
GM:この間と同じく、人間に化けた(つもりの)かわうそが見送りに来て、晶の袖をくいくい、と引きます。「世話になったのう」
晶:「ん? あ、わざわざ来てくれたの?」笑顔で。
GM/かわうそ:「妖怪は、義理がたいんじゃ」そう言って、何かの包みを渡します。
晶:「ありがとう。ちゃんと晴れて、良かったね…って。何これ?」
GM/かわうそ:「たいしたもんじゃないよ。川魚を干したものに山菜、そこらで取れたものばかりじゃ」
晶:「うわぁ、美味しそう…もらっていいの?」
GM/かわうそ:「うむ。また、来るといい。こんどは、もっと美味いものもいっぱい取れるようになっとる」
晶:「うん、楽しみにしてるね。それじゃ、また!」再会をまるで疑わずに、笑顔で応える。
GM:そう言って、編み笠を外して深々と一礼。
晶:…かわうそクンの姿、他の人には…見えないんだよね?
GM:その瞬間、回りの人間が、けったいな生物が二足歩行している様を見て「「(ざわっ)」」と。
晶:おーい(笑)。
リリス:な、何だってぇえー?!
晶:「あ、あはは、はは…」冷や汗たらり(笑)。
GM:かわうそは回りをきょろきょろすると「あれ…?」ようやく、何が起きたか理解したらしく。「じゃあ、わし、行くから…」ダッシュで何処かへ駆け抜けていきます(笑)。
リリス:「……め、珍しいものが見られましたね。これもまた、旅の醍醐味ですか」無理のある誤魔化しを口にします(笑)。
晶:「う、うん。さよなら…またね」小さく手を振る。
GM:さて、そこで電車が発車の合図をします。
晶:あ、乗りまーす。
リリス:やれやれ、と首を振り、苦笑しつつ列車へ。
陽火人:「うわー、乗り遅れちゃうよ。待って、待って! あ、かわうそさん? あ、1本落としちゃった! どうしよう、郷理君に怒られちゃうよ!」周りの友達に、いなくなっていた罰としてジュースを奢らされ、電車にギリギリ乗り込む陽火人の図(笑)。
発車寸前、ギリギリで乗ってきた陽火人の後ろでドアが閉まる。
そうして騒がしくも出発した一行を乗せた電車が、県境に差し掛かった時。
窓の外に、異形のものたちが…こちらを見送るように並んでいた。
さっきのかわうそと違い、今度は“普通の人間”には見えていないようだ。
晶:他の乗客に気づかれないように、こっそり窓の外に手を振ります。
陽火人:抱えていたジュースのことを忘れて元気に両手を振り、両手に抱えていたジュースを全て落っことす(笑)。
リリス:窓の外に顔を向け、満足げに頷きます。
GM:最後に山伏装束の一団と目が合います。彼らは、深々と一礼して、皆を送っていきます。彼らは何も言葉を発しませんでしたが…きっともう一度この地を訪れた時には、必ず温かく迎えてくれるでしょう。
THE END
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