第48話
海亀のスープ

●今回予告●

(あるレストランでの、食通のインタビュー)

世界で一番美味いものを挙げるとすれば、私は海亀のスープを挙げるだろうね。
これには、私が命を落としそうになった時に、助けてもらった経験があるのだよ。
あの時の味は、今でも忘れない。
どうしても、私はもう一度、このスープを味わってみたかった。
こうして時が経った今、ようやくあの時の味がもう一度、味わえるというものだ。

(暫しの間)

…君、本当にこれが海亀のスープなのかね?


Beast Bind New Testament
『海亀のスープ』

汝、己の欲と向き合わん。



オープニング ミドル クライマックス エンディング

■プレセッション■


GM(R−3):よろしくお願いします。ブランクあるんで、お手柔らかに(笑)。さて、まずはいつものルール変更から。絆、エゴの取得、変更は自由に行っていただいて結構です。登場も、こちらで却下しない限り、自由に行っていただいて結構です。いつものやつですね(笑)。では、ハンドアウト順に自己紹介をお願いします。
未琴:えーと、わたしからでしょうか?
GM:はい。
未琴:PC間絆は、陽火人さんにですか?
GM:ああ、はい。そうなります。
陽火人:ということは、ぼくが美宙さんに取ればいいんですね?
美宙:で、私が大輔さんに、と。
GM:はい。美宙が木場に。
木場:木場が未琴ですね。


●PC1(定員1名) 推奨:人の好いキャラ。

 君は浜辺に倒れていた美しい少女を助けた。
 その少女は、人ではなかった。尾が二股に分かれた貴種の人魚、『ツインテール』。
 話を聞いてみると、力の源である鱗を失ってしまったのだという。
 そのため、自分の住む水底に帰ることが出来なくなってしまったのだ。
 君は、困っている少女を救ってやろうと思った。

 シナリオ絆:“ツインテール” (関係:肯定的なもの)


夏霧 未琴かぎり みことLimit  プレイヤー:麻那
 【フルメタル/スピリット】 年齢:外見14歳/性別:女/カヴァー:家事手伝い
「―――“学校”って楽しそう…いつか、わたしも行きたいな♪」
 とある技術者に、死んだ愛娘『夏霧真琴』の身代わりとして造られた自動人形。
 特殊な調製をされた心魂機関により、“精霊の声”を聴く能力がある。
 外見こそ中学生並だが、実際には製造後半年。そのため、非常に純真で騙されやすい。
 普段は郊外にある小さな工房で、病気がちの父親(=製作者)の世話や手伝いをしている。
 学校に行けず友人も少ないが、そんな寂しさを微塵も感じさせないほど明るく振る舞う。
 所持HA:《フルファイア》、《世界霊魂》、《ヴォイド》


●PC2(定員1〜2名) 
推奨:学生キャラ。

 君の友人、上川誠が最近、学校に出てこない。
 心配になった君は、上川誠の家に伺う。
 一人降らしの部屋には鍵が掛かっていた。大家に頼んで開けてもらうと、部屋の中から酷く生臭い臭いがする。
 部屋にあがった君の前には、ベッドに横たわった人間と魚を合わせたような化け物が…。
 ――――かつて、上川誠だったものがいた。

 シナリオ絆:上川 誠かみかわ まこと (関係:肯定的なもの)


花樫 陽火人はながし ひびと  大嶽丸  プレイヤー:サブマリン
 【イレギュラー/エトランゼ】 年齢:16歳/性別:男/カヴァー:高校生
「――――こ、こらっ…お前は出しゃばるなよ、大嶽丸ッ!?」
 普段は素直で生真面目、人が良すぎて気弱な印象を与える、眼鏡をかけた少年。
 その実は、かつて最強と謳われ封印された鬼の一人、『大嶽丸』を身体に宿している。
 陽火人自身は闘いを好まないが、大嶽丸とその宝剣を狙う輩は多く、否応なしに巻き込まれる。
 傍若無人な大嶽丸に振り回されて迷惑している…ものの、何だかんだで互いに嫌ではないらしい。
 ちなみに本文中、大嶽丸の台詞は『この色』で表記される。
 所持HA:《歩く影法師》、《歩く影法師》、《無限の法則》

暁野 美宙あけの みそら耐久走査プローヴ“モルゲンシュテルン”  プレイヤー:早坂ノヴユキ
 【フルメタル/エトランゼ】 年齢:外見は16歳(実年齢不明)/性別:女/カヴァー:高校生
「―――明けの明星は見えた?」
 滅亡の危機に瀕した未来の地球ドミニオンから、現代に送り込まれた“探査針”。
 しかし故障で使命を失念、仕方ないので人間としての生活を謳歌している。ちなみに陸上部所属。
 表情に乏しく、独特の間延びした喋り方をするが、実は結構友達思い。
 特技は飛行形態に変形しての高速体当たり、及び電子機器を乗っ取っての情報収集など。
 所持HA:《ブーストアップ》、《マルチリカバリー》、《無限の法則》


●PC3(定員1名) 推奨:ハンター、もしくは探偵などが望ましい。

 君は、君崎紀夫という老富豪に呼び出された。
 差し出された一枚の写真。
 そこには海面に出た少女の上半身と、その下に続く魚を思わせる半身が、小さく写っていた。
 二股の尾を持つ貴種の人魚、ツインテール。
 老人は君に、その人魚を見つけ出してほしい、と言った。
 何でも、戦時中に人魚に助けられたことがあり、ツインテールこそがその人魚ではないか、というのだ。
 怪しげな精気すら漂わせるこの怪老人…果たして信じるか否か。

 シナリオエゴ:君崎 紀夫きみさき のりお (関係:疑惑)

木場 大輔 きば だいすけΣシグマ  プレイヤー:れおそ
 【エトランゼ/ビースト】 年齢:26歳/性別:男/カヴァー:SCGエージェント
「―――報酬は充分、これで血沸き肉踊る戦いが出来りゃ最高だな」
 元は宇宙を股にかけた傭兵。事故で宇宙船が大破し、脱出ポッドで地球に流れ着いた。
 現在は宇宙船を買う金を貯めるべく、SCG(*エトランゼの互助組織)のエージェントとして働いている。
 …が、莫大な費用がかかるため常に赤貧生活。任務の報酬だけでは足りないのでフリーの仕事も請け負う。
 人の姿の時は黒服にサングラスをかけた目つきの悪い男だが、本来の姿はプレ●ター(笑)。
 SCG本部から電送される武装ヴィークルを駆り、敵を轢き潰す戦法を得意とする。
 所持HA:《彼方への門》、《無限の法則》、《獣の生命》


未琴:陽火人さんへは絆/信頼で。何となくお人好しなのを見抜いています(ぉ
陽火人:PC間絆は、美宙さんに好奇心で。どこか普通の女の子とは違う感じが(笑)。
美宙:PC間絆は大輔に好奇心で。だって宇宙デスヨ宇宙!?
木場:未琴へのPC間絆は忌避です。一緒にいると調子が狂って苦手です。
GM:美宙…宇宙デスカ(笑)。
美宙:宇宙ですよスペースですよ! しかもプレデター。ぜひ謎のピラミッド内部でエイリアンと対決していただきたい。
GM:冥王星も消えてしまい、ロマンが一つ減っても、スペースは素敵デス(笑)。
未琴:冥王星は昨日のニュースでやってましたね。矮惑星とかの代表…になるんだったかな?
木場:プラ○ットマンが困るな(笑)。
美宙:トッ○をねらえ!が微妙に困る。
陽火人:水金地火木土天海冥で憶えていたので、冥が抜けると微妙に違和感を感じてしまいますね(笑)。
GM:はい、それでは本編へと入ります(笑)。


 

■オープニングフェイズ■


●シーン1 『人魚ふたたび』  シーンプレイヤー:夏霧未琴

○海岸沿いの道


GM:あなたは、お父さんからお使いを頼まれましたが…迷ってしまって、今は見知らぬ場所におります。潮風が心地よい、海沿いの道ですね。
未琴:「あれ…あれれ? 確か、こっちの道だったと思ったんですけど……」買い物袋を下げて、うろうろ。

(舞台裏)
美宙:はじめてのおつかい見てるみたいだ…。
陽火人:確かに(笑)。
未琴:外見は14歳。あくまで外見は(笑)。
陽火人:実際はまだ、1歳になっていないんですね(笑)。


GM:そんな時、浜に誰かが倒れているのが見えますね。髪が長いのと、体格から女性のようです。
未琴:「…? あれ、あの人どうしたんでしょう?」てくてく、とそちらに歩いていきます。
GM:近づいてみると、彼女は上半身は人間ですが…下半身は魚類のソレです。人魚と呼ばれるものが頭に浮かびますね。怪我をしているようで、気を失っています。
未琴:「あれれぇ? また人魚さんです…もしもし、大丈夫ですかぁ? もしもーし?」
GM/人魚:「う…」うっすらと目を開けます。
未琴:「この前みたいに、水かけてみたら治るかなぁ? …あ、大丈夫ですかぁ?」
GM/人魚:「誰…?」人魚はところどころ鱗が剥げ落ちて、弱っているようにも見えますが、あなたの声に反応します。
未琴:「大丈夫ですか、苦しくありません? 水が欲しいならあげられますけど…」
美宙:また集中豪雨降らすんじゃあるまいな、みこみこ(笑)。
GM/人魚:「…人間…?」
未琴:「あ、わたし、未琴って言います。あなたの名前はなんですか?」にこにこ。
陽火人:おお、学習してる(笑)。
未琴:「水が欲しい」と言ったらもちろん雨降らせるつもりでいますが(笑)。
GM/人魚:「…ううん、大丈夫…私の名前はアネスカ…あなたが言った通り、『ツインテール』と呼ばれる人魚です。…あなたは、あまり驚かないの? 人魚を見て」
未琴:「アネスカさんですか。あ、わたし少し前にも人魚さんに遭って、お友達になったことがあるんですよ」(満面の笑顔)

 この辺の詳細は、リプレイ第45話『幾億の夜を越えて』参照です。

美宙/偽未琴:「わたしは人魚じゃなくて人形ですからー。あ、ここ笑うとこですよー」
未琴:先に言われちゃったら、もうネタとして使えないじゃないですかぁ(笑)。
美宙:使うつもりだったのかっ(笑)。

GM/アネスカ:「そう。『人間は恐ろしいから、近寄ってはいけない』と言われていたけど…あなたはどうも違うみたいね」
未琴:「うーん。…難しいことは、よく分かんないです(てへv)」
GM/アネスカ:「…ところで、この辺に、綺麗な色の鱗は落ちていなかった?」
未琴:「…鱗、ですか?」(キョロキョロと辺りを見回す)「…いいえ、見てませんけど」
GM/アネスカ:「…そう…やっぱり、あのとき落としてしまったのかしら…」
未琴:「…もしかして、大切なものだったんですか?」
GM/アネスカ:「ええ…私たちが海で生きるために、どうしても必要なものなの。あれがなければ、私は海に戻れないの…」
未琴:「そんなに……判りました!」すっく、と立ち上がる。
GM/アネスカ:「?」
未琴:「わたし、探すのお手伝いします!」ぐぐっ、と両の拳を握りしめる。
GM/アネスカ:「…本当?」
未琴:「はい!」力強く頷く。…根拠も心当たりも全然ないけど(ぁ
陽火人:ええ娘や、未琴(笑)。
GM/アネスカ:「それは助かるわ。私は人間の世界のことは全く判らないし…。でも、こうして初めて会った人間があなたみたいな人ですもの、きっと、人間と言うのは親切な方が多いのね」一人で納得します(笑)。
未琴:「はい、わたしの知ってる人はいい人ばっかりですよ♪」にこにこ。
GM/アネスカ:「では、よろしくお願いします」アネスカは頭を下げて、人間の姿になります。
未琴:「はい、それじゃあ…どの辺から探しましょうか?」と言いつつ、浜辺を離れます。……そして、ぽつねんと置いて行かれる買い物袋が一つ(ぉ
GM:と、そんなところで(笑)。アネスカの絆を渡しておきます。[SA:ツインテールを助ける]も。
未琴:はい。絆/救済で取りますねー。
GM:それ以降、どこへ行くかはこの後の情報判定等で指針を決めてください。
未琴:はーい♪
GM:では、次のシーンへ。

▼絆/エゴの変化
未琴:
アネスカに絆/救済を取得。



美宙:いかん、このお人好しが人間全部のサンプルにされてしまったぞ!(笑)
陽火人:え? そんなに困ることなんですか?(笑)
木場:そもそも人間じゃない(笑)。
美宙:しかし、未琴は人魚に縁があるなぁ。
陽火人:前は普通に人魚。今日は希少種の人魚(笑)。
木場:それで「また」なのか。
GM:奇しくも、俺とサブマリンが同時に考えたのが人魚ネタだったのですよ…(笑)。
木場:なるほど(笑)。
陽火人:でも、そこへ至る過程は全然違うという(笑)。俺の場合、安直に冷凍マグロ→半魚人→人魚といきました(笑)。
GM:俺は…言うとアレなんで、最後に(笑)。



●シーン2 『変貌』  シーンプレイヤー:花樫陽火人&暁野美宙

○高校の教室


GM:君たちと同じクラスの上川誠が、最近学校に出てきません。
美宙:何日くらい来てませんかね?
GM:もう一週間になります。バイトなどで休んだりすることはあっても、無断で長期に渡って休んだことはない男です。
陽火人:「上川くん…どうしたんだろう。今まで、こんなことなかったのに…」
美宙:「……ヒビト、少し様子を見に行ってみる?」
陽火人:「うん。帰りにちょっと寄ってみようと思うんだ」
GM:まあ、そんなことがあったので、君たちは様子を見に行くことにしました。いい友達ですね(笑)。
美宙:(´ー`)v まかせてよ
陽火人:じゃあ、途中でお花と果物を買っていきます(笑)。


○上川のアパート

GM:彼はアパートに一人暮らしをしています。部屋には鍵がかかっていますね。
陽火人:ピンポーン!
美宙:インターホンを鳴らしますが……出ませんか?
GM:出てきません。そこに、おばさんが一人やってきます。
陽火人:「あ、ちょっと、すいません」おばさんを呼び止めます。
GM/おばさん:「おや、あなたたちは上川さんの友達かい?」
陽火人:「はい。最近、学校に来ていないので心配で訊ねてきたんですけど…」
美宙:「……上川君はご在宅ですか? ……呼び鈴押しても返事が無くて」
GM/おばさん:「そうなの。実は、私も、上川さんの親御さんに連絡が取れないって心配されていてね。…あ、私、大家なんだけど」
美宙:「……なるほど。……でももし留守だったら、勝手に入るのも気が引けますが……
陽火人:「もしかしたら、何かあったのかな? 部屋の中で倒れていたりしたら…大家さん! 部屋の中は確認してみましたか!」ガックンガックン揺さぶりながら(笑)。
美宙:よし、電気のメーターが動いてるかどうか、見てみましょう。
GM/大家:「いや、ね。中には誰かいるみたいなのよ。物音を聞いた人もいるし」電気のメーターは動いています。
陽火人:「あ、そうなんですか…よかった…」
美宙:「……おちついて、ヒビト。……では大家さん、私達も上川君の安否確認にお付き合いしてもよろしいですか?」
陽火人:「う、うん。ごめん」少し落ち着きを取り戻して(笑)。
GM/大家:「ああ、いいよ。合鍵も持ってきたしね」
陽火人:「お願いします」
GM:そう言って、大家は鍵を開けます。すると、中からは何とも生臭いニオイがしてきますね。
美宙:「……何、このニオイ」
陽火人:「ん? 何だろうこの臭い…」
GM:魚の臭いのように感じます。
陽火人:「魚…?」
美宙:とにかく上がってみましょう。「……上川君、いる? ……お邪魔します」
陽火人:「お邪魔します」と、こちらも一言断って中に入ります。
GM:部屋に入ると…簡素なベッドの上に、粗悪なホラー映画から出てきたような、半魚人が横たわっています。
GM/大家:「…な、なに!?」
美宙:「……わ。……大変なことに」って、大家さんも目撃してるじゃーん!?
陽火人:急いで大家さんに当て身(笑)。
GM/大家:「う…」コサキン的にぱた(笑)。
美宙:「……ナイスヒット」
陽火人:「ごめんなさい、大家さん」と、申し訳なさそうに両手を合わせて倒れた大家さんに謝る(笑)。

(舞台裏)
木場:手馴れてる(笑)。
未琴:記憶消せないから、後で誤魔化す方法を考えなきゃいけませんねー(笑)。
木場:木場が記憶除去装置持ってますよ〜。
未琴:あ、そうなんですか。一安心(笑)。
木場:|_・)v MIBの基本装備
美宙:MIB御用達の、ピカッと光るヤツで!
GM:「家族と西海岸へでも遊びに行きたまえ」ピカ
陽火人:貸してください木場さん(笑)。
木場:(¥m¥)y−〜 条件次第だな
未琴:…陽火人さんも美宙さんも、びんぼーさんですよ?(笑)
陽火人:涙目でブタの貯金箱持ってきますよ(笑)。
美宙:たぶんカツカツになるほどの貧乏状態は、たまにしかならないはずですさ(笑)。
木場:……世の中、ままならねえモンだな……。


GM/半魚人:「う…ヒビト…ミソラ…?」
美宙:「……? ……サカナに知り合いはいないんだけど……あなた、誰?」
陽火人:「上川君…なの?」
GM/半魚人:「お、俺だ…。上川、だよ…」
陽火人:「やっぱり、上川君なんだ…どうしてそんな姿に…いったい、何があったの?」
GM/上川:「…俺にも、わからない…あの、鱗が張り付いてから…海が…呼んでる…」
美宙:「……ウロコ? ……それが上川君をこんな姿に……」
陽火人:「うろこ…鱗? ちょっと見せてもらっていいかな?」
GM/上川:(半ば錯乱した様子で)「…いや、違う…俺は、人間だ。上川誠だ! …頼む、助けてくれ…」
陽火人:「うん。大丈夫。絶対元に戻してあげるよ。だから、落ち着いて。ね?」
美宙:「……もしかしたら、私達が力になれるかもしれない。……そのウロコとやらが張り付いた経緯から教えて」
GM:腕の辺りに、一枚だけ“てかてか”と光る綺麗な鱗があります。
未琴:これで「ツインテール」「てかてか」はクリア。残り「冷凍マグロ」は、どこに出るんでしょう?(笑)
GM/上川:「それだ…バイト先のスーパーで、解凍中の“冷凍マグロ”が咥えていたんだ…それが、腕に張り付いて…」
未琴:出た(笑)。
木場:なぜ冷凍マグロが咥えてるんだ?(笑)
陽火人:「これが、そうなのかな? ちょっと、見せてね」と、見てみます。何か判ります?
GM:うむ。魔物の力を感じるね。それ以上は判定してみないと判らない。
陽火人:了解です。
GM:では、ここで上川誠の絆を。[SA:友人を助ける]も渡しておきます。
陽火人:絆/救済で。
美宙:同じく上川君に絆/救済を。SAも拝領しまーす。

▼絆/エゴの変化
陽火人:
上川誠に絆/救済を取得。
美宙:上川誠に絆/救済を取得。



木場:くっ、汚れた大人が一人だけ。
GM:大人は汚れたぶんだけ輝くのですよ…(笑)。
木場:(¥皿¥) ビガーン
未琴:…輝きの理由が、何か違う気がしますぅ(笑)。
木場:汚れた輝き(笑)。
GM:金粉を体に塗りたくったプレデターを想像した…(笑)。
木場:そんな金はない!
GM:お笑いウルトラクイズに出るのです。無料で全身に金粉を塗ってくれますよ。その後マラソンが待っていますが(笑)。
木場:「賞金目指してえんやこら〜」マラソン中
美宙:金は無理でも、DG細胞に感染すれば銀ピカになれるぜ!
陽火人:ワーイ(笑)。
木場:しかも食費が要らない!



●シーン3 『或る富豪の望み』  シーンプレイヤー:木場大輔

○君崎邸


GM:木場は、君崎紀夫という老富豪の元に呼ばれました。「ようこそ、木場くんだったかね?」
木場:「ええ、ここではフリーの木場大輔です」
GM/君崎:「腕は確かだと聞いているよ。君は、普通の人間には探しえないものを見つけ出してくれる、とも」
木場:「まあ、探すものにもよりますが」(ニヤリ)「それで、依頼と言うのは?」
GM/君崎:「見つけてほしいのは、人魚だ…そう言ったら、君は笑うかな?」

 差し出された一枚の写真。
 そこには海面に出た少女の上半身と、その下に続く魚を思わせる半身が、小さく写っていた。
 二股の尾を持つ貴種の人魚、ツインテール。


GM/君崎:「そのツインテールを見つけてほしいのだ」
木場:「人魚? なるほど、確かに人魚ですな(水棲型人類ってとこか)」顔とかは判りますか?
GM:顔は何とか判ります。

(舞台裏)
美宙:何つーか、老富豪ってだけで胡散臭いな(笑)。
陽火人:そんなことはありませんよ。「昔の御礼が言いたい」なんて良い人じゃないですか(笑)。
未琴:パッと見は悪役だけど…そう見せかけて、実は善人orただの変な人という可能性も(笑)。
美宙:いや! 老富豪なんて、どいつもこいつも黒幕属性で、政界を引退した後も日本を裏から牛耳ってるんだ!(笑)
未琴:そんな、どこぞの竜神四兄弟が出てきそうな…(笑)。
陽火人:老富豪に何か嫌な思い出でもあるのでしょうか?(笑)


GM/君崎:「実は昔、この人魚に助けられたことがあってね…一度でいいから、間近で見てみたいと思ったのだよ。もしかしたら、私を助けてくれた本人かも知れんしな」
木場:「昔と言いますと、どの程度?」
GM/君崎:「もう、戦争中の話だな。…人魚が人間と同じように年を取るとは限らんのでね。本人かも、と言ったのはそういうことだ」
木場:「ああ、確かに。ところで、この写真はいつ、どこで撮ったものでしょう?」
GM/君崎:「これは最近、日本近海で撮られたものだ。ある漁師が撮ったものだよ。網にかかったものの逃げられてしまったらしく、証拠にと急いで撮ったものらしいが、なかなかに良く撮れている。奇跡的だな」
木場:「なるほど、ではその付近を重点的に捜してみましょう」
GM/君崎:「よろしく頼む。報酬は…」指を一本立てて「これでどうかね」
木場:「悪くありませんな」(¥m¥)
GM/君崎:「では、君に任せた」にやり、と笑います。
木場:「お任せを」(ニヤリ)
GM:しかし、長年の勘ですが…素直に信じきることの出来ない『何か』を抱えた人物のように感じます。
木場:「(激しく胡散臭いが………ま、いつものことか)」
GM:君崎紀夫へのエゴ/疑惑を渡しましょう。[SA:老人の真意を探る]も。
木場:いただきます。
GM:では、とりあえず次のシーンへ。

▼絆/エゴの変化
木場:
君崎紀夫にエゴ/疑惑を取得。



木場:さて、木場は人魚伝説を知ってるのだろうか?
未琴:…「網にかかった」とか言ってる辺りが既に悪役チックなんですけど(笑)。
美宙:きっとコイツも鷲巣みたいなジジィに違いない!(言いがかり
GM:外見は鷲巣(笑)。
美宙:イーピン! イーピン〜〜〜!!!
陽火人:やっぱり、悪い人だったか(笑)。


 

■ミドルフェイズ■


●シーン4 『探し求めて』  シーンプレイヤー:夏霧未琴  登場難易度:任意

GM:まずはツインテールについて、〈情報:魔物〉で判定をお願いします。
未琴:〈情報:魔物〉…ない(笑)。技能なしで(ころころ)達成値12です。
GM:素で高い(笑)。
陽火人:出目高っ!

>ツインテール 〈情報:魔物〉
達成値5:
人魚の一種で二股に分かれた尾が特徴。その姿を確認した例は非常に少なく、それゆえ貴種と呼ばれている。
達成値8:最近、日本の漁師が「網に掛かった人魚に逃げられた」などと話しており、証言によると「尾が二股に分かれていた」との話をしていた。人魚は網を破って逃げ出したが、その姿を写真に収めたという。一時期は小さな話題になったが、すぐにそんな話も消えてしまった。
達成値10:ツインテールは一枚だけ、他のものとは違う“テカテカ”と鮮やかに光る鱗を持ち、その鱗にはツインテールの力の全てが集約されているという。それを手にした者は、水を自在に操れるようになる。


GM:と、こんな感じですね。
未琴:じゃあ、ウェンディさん(前に遭った人魚)から聞いたってことにします(笑)。
GM:はい。今度は〈情報:裏社会〉でひとつ。
未琴:…ないですー(笑)。調べる項目は何なんでしょう?
GM:〈情報:噂話〉でもいいですよ。人間界におけるツインテール関連の動きみたいなものです。
未琴:あ、それなら技能で振ります。情報屋込みで(ころころ)達成値11。
GM:では。最近、ツインテールを探している人間がいると聞きます。名前は君崎紀夫。彼はツインテールに何らかの恩義を感じており、ツインテールを捜しています。金持ちで、「見つけた人間には賞金を出す」とまで言っているので、よほどのことがあるのでしょう。
未琴:…情報通のお婆さんに聞いたことにしましょう。実は裏家業の人だけど、未琴は知らない(笑)。
美宙:上川の治療手段を調べるとして、この辺の未琴が調べた内容も関わってくるかな。
GM/お婆さん:一言こう付け加えられます。「気をつけなよ。君崎という男は、信じすぎてはいけない。利用するならしてもいいだろうが、お前さんには荷が勝ちすぎる」
未琴:「えっと…」(首を傾げ)「…その人に相談したら、鱗を探すの手伝ってくれないでしょうか?」
GM/お婆さん:「探してくれるかもしれないし、そうでないかもしれん。本当にツインテールを助けようとしているなら、手伝ってくれる。…お前には、解らないだろうね。…誰か、裏の事情に詳しい人間をお探し。相手は、きっと、すぐにお前たちを見つけ出す。その時までに、相手が信じられるかどうか、しっかりと見極めるんだよ」
未琴:うーん。ともかく、アネスカさんのところまで戻ります。「お婆さん、ありがとうございましたー」(ぺこり)

(舞台裏)
美宙:おばあさん! きっと未琴には半分も伝わってないよ!(笑)
GM:それも判っているんだろうけどね(笑)。
美宙:きっとこのお婆さん、みこパパの知り合いか何かに違いない。
GM:知り合いなのでしょう(笑)。


未琴:『裏の事情に詳しい人を探せ』辺りは憶えてるので、頼れそうな人を探してみます(笑)。
GM/アネスカ:「なにか、わかりました?」
未琴:「はい。とあるお金持ちのお爺さんが、ツインテール人魚さんを探してるみたいです。それと、その人に会う前に“裏の事情に詳しい人”を探した方がいい、って知り合いのお婆さんが教えてくれました」
GM/アネスカ:「そうですか。私が鱗を失った時に、人間の船に捕まりそうになりました。きっと、あの船の網の中に鱗はあると思うのですが…その人に頼めば見つけられるでしょうか?」
未琴:「うーん。網って事は、漁船か何かだったんですよね? だったら、たぶん港だと思いますけど…」

木場:その漁船に冷凍マグロが積まれてたんですね。
未琴:でしょうね(笑)。
美宙:うまいことマグロ漁船が引っかかるかのう。

GM:では先ほど調べた、人魚を捕まえ損なった漁船の名前を思い出します。『佐治丸』という船で、マグロ漁船ですね。この辺に停泊していると聞きます。
未琴:それじゃ、そこに行ってみます。
GM:はい。では、その辺で一端シーンを切りますね。絆等、あれば聞いておきます。
未琴:まだ他の人に会えてないので、今回はなしです(笑)。



●シーン5 『失われゆくもの』  シーンプレイヤー:暁野美宙  登場難易度:任意

GM:では、学生さんのシーン。〈情報:魔物〉か〈知識〉で振ってみてください。上川誠の症状について。
陽火人:では〈情報:魔物〉で、(ころころ)12です。
美宙:こちらも〈情報:魔物〉でいってみましょう。情報屋込み(ころころ)20!
GM:おお、高い。

>上川誠の症状 〈情報:魔物〉、〈知識〉
達成値5:
全身を鱗が覆い、いわゆる半魚人のような姿になっている。
達成値8:魔物の力によるものである可能性が高い。
達成値10:丹念に調べてみると、一枚だけ、色の違う鱗がある。変身の原因はこれにあるようだ。
達成値12:ツインテールと呼ばれる人魚の貴種が持つ鱗である。外すためには、ツインテール自身の力が要るが、外した後で元の人間に戻すためには、その人間が失ったもの(鱗が付着した人間が声を出せなくなったなら声を、生命力がなくなったなら寿命の一部を)を、鱗を外した人魚が渡さなければならない。


GM:と、なっておるのですが…達成値20まで出たので。

 このツインテールが払う『代償』というのは、誰かが肩代わりできる。

GM:ということも判ります。…まあ、問題は、上川誠が何を失おうとしているのか、ですが…。
木場:失うもの…「出席日数」とか(笑)。
陽火人:「(…どうしよう。これじゃあ、本当の意味で上川君を助けられない。…他に方法ないんだろうか…)」
美宙:「……上川君、姿が変わってしまった以外に、何か体の不調とかは無い? ……目が霞むとかだるいとか」
GM/上川:「…いや…逆に、すこぶる体調がいいんだ。ともすれば、ずっとこのままいたくなるようで…」
美宙:「……このままで、ってのはダメ。……とにかく、このウロコの持ち主である『ツインテール』って人魚を探す必要があるみたい」
GM/上川:「だが…このままだと俺は、人間でいられなくなる…姿形とかじゃなくて…もっと本質的に…」
陽火人:「(美宙さん、ひょっとして上川君は人の心をなくしかけているんじゃ…)」と、上川君に聞こえないように小声で。
美宙:「(……そうみたい。……ウロコの力か、それとも境遇の変化に心が折れそうなのか)」小声で返します。
陽火人:「(急ぎましょう。手遅れになる前に)」

(舞台裏)
未琴:失ってるとしたら「人間らしさ」ですかねー。
GM:近いですね。
木場:ルール的に言うと“人間性”?
GM:人間性の源、って何でしょう?
未琴:絆?
木場:かな?
GM:人間としての絆…人間として生きてきた全て…このゲームで『絆』という形で表されていますね。まあ…そうなったら人間としての全てを失う、とでも表現しましょう。


美宙:「……上川君。……引き返せる可能性がある内は、引き返さないとダメ。……私達が何とかするから、諦めないで」
陽火人:「うん。待っていて。すぐにそのツインテールさんを捜してきて元に戻してくれるように頼んでみるから!」と、元気づけるように。
GM/上川:「やめろ…! 俺は、このままで…いや、違う。助けてくれ…」
美宙:とにかく上川君にくっついたウロコの持ち主が水揚げ(笑)されてないか、調べてみましょう。
陽火人:そうですね(笑)。
GM:では、ツインテールについて〈情報:魔物〉で。
陽火人:(ころころ)達成値10…。頼みました美宙さん(笑)。
美宙:うーむ…ここは確実を期して《ネットジャック》だ! 人間性20に。(ころころ)達成値26!
GM:高いなあ…。
美宙:│_☆) 見えた! 水のひとしずく!
陽火人:明鏡止水(笑)。
木場:ネットなのか、それは?(笑)
美宙:まぁ気分の問題で(笑)
未琴:きっと電子のひとしずくが見えたんですよ(笑)。(どんなだ
GM:先ほどのツインテールの情報、それを探す君崎紀夫の存在、そして佐治丸…包み隠さず判ってしまいます(笑)。まあ、未琴と同じ情報を全て手に入れたと思っていただければ。
陽火人:では、佐治丸に行きましょう。
美宙:「……待ってて、上川君。……必ずウロコの持ち主を連れてきて、取ってもらうから」
GM/上川:「ああ…」

▼絆/エゴの変化
美宙:
陽火人に絆/連帯感を取得。



●シーン6 『美食と人魚』  シーンプレイヤー:木場大輔  登場難易度:任意

○街中


木場:「さて、何にしろ裏を取らなきゃな。タダ働きの挙句に東京湾に浮かびかねねえ」
GM:木場は手持ちの情報として、佐治丸のことは知っています。写真の出所ですので。
木場:では、君崎について調べましょう。
GM:君崎について調べるなら、〈情報:裏社会/噂話〉、もしくは〈情報:魔物〉というものもあります。得られる情報はそれぞれ違いますから、そのつもりで。

(舞台裏)
美宙:〈情報:魔物〉で調べられるのか、君崎…胡散臭さが加速した(笑)。
GM:調べられますよ…鷲巣は魔物です(笑)。
未琴:単に魔物の世界に片足を突っ込んでる可能性も…と思ったけど、魔物ですか(笑)。
陽火人:既に魔物でしたか(笑)。
美宙:確かにアニメの鷲巣は人類とは思えんかった(笑)。


木場:では〈情報:魔物〉で[出自特徴:地球外知識]込み、(ころころ)達成値11。

>君崎規夫 〈情報:魔物〉
達成値5:
戦後の復興期から様々な事業を手がけて一代で財を築いた人物。既に九十を超える年齢のはずだが、それを微塵も感じさせない。大変な美食家で、その筋でも有名。
達成値8:戦中は海軍に所属。裏社会にも顔が利き、かなりの影響力もある。彼らとの繋がりで狩猟禁止の食材等を手に入れて、食に対する探究心を満たしているらしい。
達成値10:彼は十年ほど前に、末期の癌に侵されたが、何が起きたのか、完治して復活。それ以降はまるで若返ったかのようになり、それ以降は歳もとっているようには見えない、という。


GM:一番上の情報が隠れました(笑)。
木場:残念。一応〈情報:裏社会〉でも振ります。技能なしで(ころころ)達成値8。
GM:では。

>君崎紀夫 〈情報:裏社会/噂話〉
達成値5:
戦後の復興期から様々な事業を手がけ、一代で財を築いた人物。既に九十を超える年齢のはずだが、それを微塵も感じさせない。大変な美食家で、その筋でも有名。
達成値8:戦中は海軍に所属。裏社会にも顔が利き、かなりの影響力もある。彼らとの繋がりで狩猟禁止の食材等を手に入れて、食に対する探究心を満たしているらしい。彼がそれほどまでに食に拘る理由は、戦時中の『ある経験』に基づくとの噂だが、はっきりとしたことは判らない。


GM:ということですね。
木場:〈情報:噂話〉も別情報ですか?
GM:〈情報:噂話〉でも同じですよ。事件の内容ははっきりしませんが、同じ部隊にいた人間で、ただ一人生き残っている佐々木という名の老人がいることが判りました。彼は入院中です。
木場:了解です。一応ツインテールについても振っておきます。
GM:はい、〈情報:魔物〉でどうぞ。
木場:〈情報:魔物〉+地球外知識込み(ころころ)達成値9…目が悪い(><)

>ツインテール 〈情報:魔物〉
達成値5:
人魚の一種で二股に分かれた尾が特徴。その姿を確認した例は非常に少なく、それゆえ貴種と呼ばれている。
達成値8:最近、日本の漁師が「網に掛かった人魚に逃げられた」などと話しており、証言によると「尾が二股に分かれていた」との話をしていた。人魚は網を破って逃げ出したが、その姿を写真に収めたという。一時期は小さな話題になったが、すぐにそんな話も消えてしまった。


GM:これが知りえる全てです。
木場:了解です。「人魚に美食か、確か人魚を食うと不老不死になるという話があったな……」さて、港に行くか佐々木に会いに行くか。
未琴:次のシーンで、そろそろ合流かな。
美宙:港に行けば合流っぽいですね。
木場:佐々木に会いに行くと合流できなくなりそうなので、港に行きます。
陽火人:おっ、全員揃いそうですね。
GM:では、次のシーンに移りますが…絆等はないですよね。
木場:ないです。



美宙:そう言えばシナリオタイトルの『海亀のスープ』って、聞いた事があるような。推理クイズか何かでしたっけ?
未琴:さあ…? シナリオにどう絡むんだろうと、さっきから首を捻ってるんですが(笑)。
GM:『海亀のスープ』は確かに推理クイズだそうですね。俺は、天本○世と○かりや長介が『世にも○妙な物語』でやっていたのを見たんですが。
木場:むう、「ツインテール」と「冷凍マグロ」ならきっと怪獣が出てくると思っていたが、ハズレっぽいな(笑)。
GM:最初はそう考えたんですよ、俺も(笑)。ツインテールは怪獣しかない、と(笑)。
美宙:エビの味がするあれですか。
GM:エビの味がするのですよ。
陽火人:うーん、わからない(笑)。
木場:『帰ってきたウルトラマン』です。怪獣ツインテールは怪獣グドンのエサ。
陽火人:うーん、見ていた気はしますが憶えていないな(笑)。



●シーン7 『漁港にて』  シーンプレイヤー:夏霧未琴  登場難易度:任意

○漁港


GM:佐治丸が港に停泊しています。船長らしき人物が漁の後片付けをしていますね。
未琴:「あ、すいませーん! この船の船長さんですかー?」大きく手を振って呼びかけます。
GM/船長:「ん、なんだい、嬢ちゃん?」
未琴:「あのですね、このくらいの」(手で形を作る)「キラキラした綺麗な鱗、網に引っかかってませんでしたか?」

(舞台裏)
陽火人:そろそろ登場してもいいかな?
木場:ところで、アネスカはどこにいるんでしょう?
未琴:一緒に来てるつもりですよ(笑)。
木場:足は?
美宙:電車か…(笑)。


GM/船長:「網? 網の中身はみんな出荷しちまったぞ。でかいマグロが取れて、いい金になったがな…人魚を取り逃がしたのは残念だった」
未琴:「人魚さんですか…連れてきてたら大騒ぎになってたでしょうねー」
GM/船長:「おう。俺も、証拠だけは、と思って、写真に撮っておいたんだがな。どっかの物好きな金持ちがネガごと買っていったよ。ん…そっちの娘…はて、どっかで見た気が…?」アネスカを見ながら。
木場:アネスカは人間に化けれるのか(笑)。
未琴:「じゃあ、網には何も残ってないんですよね?」くいくい、と袖を引っ張って船長さんの注意をこっちに向けます。
GM/船長:「おう、もう何にも残っちゃいねえよ」
陽火人:登場します。「すいませーん! 佐治丸の船長さんはいますかー?」
未琴:「そうですか…あれ、陽火人さん?」下を振り向き。
陽火人:「あれ、未琴ちゃん? どうしてここに?」
美宙:一緒に登場。
木場:じゃあ、こちらも登場します。
GM:はい。皆様どうぞ。
未琴:アネスカさんと一緒に船から降ります。
陽火人:「あの船長さんが写真に取った人魚さんのことで、お話を聞きたかったんですが…」
木場:「アンタが佐治丸の船長だな。この写真について話が聞きたい」
未琴:「あ、木場さんも…」
木場:「げ、お前はアイツのところの間抜けロボ……」
GM/船長:「あん? 今日はみんな同じことを聞くんだな。この人魚には逃げられちまったよ」
美宙:「……まずい、ヒビト。……このままだと人魚を追う線が切れる」未琴はお互いPC間絆も無いが…知り合いの方が楽かな?
未琴:絆取るなら『共鳴』辺りにするつもりでしたが。知り合いかどうかは好きに決めていいですよ。今から知り合ってもいいし。
美宙:生後半年なら、まだお知り合いじゃなくても良いかな。
陽火人:「うん。何か船長さんから手がかりを引き出さないと…。その人魚さんはそれ以来見ていないんですか? ぼくはどうしてもその人魚さんに会わなければならないんです! そうしないと、上川君は…」
GM/船長:アネスカを指して。「そこの嬢ちゃんによく似た感じの人魚だったが…まさか、人魚ってことはあるめえな」
未琴:「え? えーっとぉ…」アネスカを見て、少し困った顔をする。
GM/アネスカ:「あ、はい。それ、私です」小さく手を上げて「わあ、人間の世界って面白いものがあるんですね」写真を見ながら。
美宙:バラしてるーっ!? お人好しをサンプルにしたから警戒心0になってるーっ!(笑)
陽火人:「よかった! 君が人魚さんだったんだね! これで、上川君を助けることが出来る!」
木場:「ふむ、なるほど……おい、船長」船長の肩を叩く。
GM/船長:「あ?」
木場:振り向いたところに記憶除去装置使用(笑)。
GM:船長は記憶除去装置を使われて、放心状態になった(笑)。
木場:「お前は、何も見ていない。網には魚しかかからなかった。いいな」
GM/船長:「ハイ。アミニハサカナシカカカリマセンデシタ」

未琴:「…それで、この人の大事な鱗が無くなったので、探しに来たんですけど。ご存じないなら仕方ないですよね…」アネスカの手を引いて立ち去ろうとします(笑)。
美宙:「……ウロコ?」がばっと振り返り。
陽火人:「ああ、未琴ちゃん待って! その鱗を何とかして欲しいんだ!」
未琴:「…え?」きょとんと振り返り。
美宙:「……そちらの彼女、ツインテールという人魚さん? ……当方、ウロコを預かってるので回収をお願いしたいのだけど」
陽火人:「上川君という僕と美宙さんの友達が、その鱗を身につけて大変なことになっているんだ。お願いだよ。上川君を助けてあげて欲しいんだ!」
木場:「待て、そこの人魚。お前には俺と共に来てもらおうか」
未琴:「え、えっとぉ…どうなってるんでしょう?」困った顔でアネスカを見上げる。
GM/アネスカ:「えっと…状況がよく判らないのですが」人間関係が入り組んだ瞬間(笑)。
木場:「もっともな話だ。俺もよく判らん」
陽火人:「ダメです! それは断固ぼくが反対します!」アネスカの前に立って、両手を広げて立ちふさがります(笑)。
美宙:「……ダイスケ、ちょっと待って。……こっちは急を要するの。……私達の友人は、ウロコの力に引きずられて危険な状態にある」
陽火人:「一刻を争うんです! 急がないと上川君が人ではなくなってしまうんです! ツインテールさんの鱗の為に!」
美宙:「……ウロコは持ち主の人魚にしか剥がせない。……一刻も早く、彼女にウロコを回収してもらわないと」
未琴:「えっと…とにかく、陽火人さんたちが急いでるのは判りました。木場さん、そちらから先に行っていいですか?」
木場:「まあ、一刻を争うわけじゃないから構わんが」漁船からパクった魚を囓りつつ。
陽火人:「お願いします。ええっと…」
未琴:「あ、こちらは人魚のアネスカさんです」
GM/アネスカ:「初めまして」
美宙:「……それであなたは?」ちっこい方に(笑)。
未琴:「で、わたしは夏霧未琴って言います。初めまして」(ぺこり)
美宙:「……初めまして。……暁野美宙です」(ぺこり)何だこの空気(笑)。
陽火人:「アネスカさん…いい名前ですね。あ、どうも初めまして。花樫陽火人っていいます。じゃなくて、急がないと!」
未琴:「事情はよく判りませんけど、わたし達はアネスカさんの落とした鱗を探してるところだったんです。早く見つかりそうで良かったです」のほほん♪
GM/アネスカ:「…で、私の鱗が見つかった、ということですが…人間の手に渡ってしまったのですね…」
美宙:「……ええ。……事情は道々説明するけど、とにかく来てもらえれば分かると思うから」
陽火人:「そうです。急ぎましょう」なんか今回血管が切れそうな勢いだな(笑)。
未琴:では、ついて行きまーす。
GM/アネスカ:「わかりました…」何かの覚悟を決めた顔でついてきます。
未琴:「…?」その横顔を見上げて首を傾げます。
木場:「なるべく早くしてくれよ。明日になると電気も水道も止められそうなんだ」
GM:では、そんなところで一端シーンを動かします。絆等の取得があれば。
未琴:美宙さんに絆/共鳴を。
陽火人:未琴に絆/共感を。
美宙:未琴に絆/興味で。何か面白そうな子だ(笑)。
木場:アネスカにエゴ/換金(笑)。

▼絆/エゴの変化
未琴:
美宙に絆/共鳴を取得。
陽火人:未琴に絆/共感を取得。
美宙:未琴に絆/興味を取得。
木場:アネスカにエゴ/換金を取得。



●シーン8 『治癒の代償』  シーンプレイヤー:花樫陽火人  登場難易度:任意

○上川のアパート


GM:学生二人のシーンですが、ついてきている方は?
未琴&木場:ついてきてます。
GM:では、全員ですね。ベッドの上には、上川誠がいます。
陽火人:「上川君! 治してくれる人を連れてきたよ!」
GM:アネスカはその様子を見ています。
美宙:「……このウロコで間違い無い?」上川君の腕を取って、ウロコをアネスカに見せましょう。
陽火人:「アネスカさんお願いします」
GM/アネスカ:「はい。間違いありません。この人は、もうすぐ、海の底に住まうものになります」
美宙:「……それは困る。……何とかならないの?」
木場:「ほう、これはこれは。なかなかウマそうな友人だな」
陽火人:「むっ! 何てこと言うんですか!」
美宙:「……食べちゃダメ」
木場:「安心しろ。知的生命体は食わない契約になってる」
GM/大嶽丸:「酒のつまみくらいにはなりそうだな」
陽火人:「そ、そうなんですか? って、大嶽丸! どさくさにまぎれて何てこと言うんだ!」
木場:「ほう、面白そうなのを飼ってるな」獰猛な笑みを浮かべる。
陽火人:「(うう、ぼくちょっとこの人苦手かも)」臆病モノゆえに(笑)。

木場:大嶽丸とは気が合いそうだ。ほっとくと楽しそうに戦い出す(笑)。
陽火人:ええ、めちゃくちゃ気が合いそうですね(笑)。
未琴:強い相手とは嬉々として闘う性格でしたっけ、二人とも(笑)。
陽火人:そうですね。そして、自分が最強だと疑わない。少なくとも大嶽丸は(笑)。
木場:闘争へのエゴ/修羅、「水が乾いた喉を潤すように、戦いがあなたを癒す」ルルブより(笑)。

未琴:「…この人も、人魚さんなんですか?」
陽火人:「違うよ、上川君は人間だよ。何とかなりそうですか、アネスカさん?」
GM/アネスカ:「私の力で、治すことが出来る…と思います。でも…そうするには、彼の失うものを私が肩代わりしなければいけません」
美宙:「……代償が必要だという調べはついている。……すると彼はもう、何かを失ってしまったというの?」
陽火人:「そんな…間に合わなかったんですか?」
未琴:「失うもの…何を失うんでしょう?」
GM/アネスカ:「彼は、このままだと“人間であること”を失います。私たちが他者と一緒にいることで保つことの出来る全てを、です。私が彼のためにそれを提供することは、私という存在もまた…我々が『半魔』と呼ぶ存在ではいられなくなる、ということを示しています」
未琴:「えっとえっと…アネスカさんが人間になるって事ですか?」PLは“完全な魔物”になるって事だと思ったけど(笑)。
GM:アネスカが絆を失って、悪くすればドミネーターになるということです。完全な魔物になる、ということになります。

 ルール的には『奈落堕ち』を意味します。実は、絆を失ってドミネーターになるならまだマシな方。
 大半の魔物は奈落に呑まれて消滅するか、自我を持たない『異形』に転化してしまいます。


美宙:「……そんな。……あなたには何の落ち度も無いのに、そんな事を強制なんてできない」
陽火人:「そんな…他に何か…何か方法はないんですか!? 一人を救うためにまた一人が犠牲になるなんて間違ってます!」
木場:「そいつは困るな。依頼人のところに連れて行けねえ」
GM/アネスカ:「…あなた方は、この人が大切ですか?」
陽火人:「…うん。大事な友達だよ」
美宙:「……もちろん。……私達みたいな存在にとって、友達は何にも代え難い」
未琴:「わたしは…会ったばかりですけど。助かるなら助かって欲しいなって思います」
美宙:「……こちらの調査では、その代償はウロコの持ち主以外も肩代わりできるとなっていたわ。……あなたの負担を、私達で請け負う事はできないの?」
陽火人:「そんな方法が…」
未琴:他の人が肩代わりできる…ということは。複数の人が少しずつ肩代わりすることも出来る、って考えていいのかな?
美宙:そう考えてみたのですが……どうだろう? 一応、「私達」ってのは美宙と陽火人までですので(笑)。上川は美宙と陽火人の友人だから、他人に負担を強制はできない。
未琴:まぁ、今遭ったばかりの未琴と木場さんじゃ無理がありますよね(笑)。
陽火人:ですね。
GM:他の人間が請け負う場合…この場合、それぞれがみんな、自分の持つ絆を一つ選んで、それを強制的にひとつ消去します。その上で、その絆を使って、絆判定を行ってみてください。普通に20以上で成功ですが、失敗すると、現在の絆が全てエゴに変換されます。また、陽火人。
陽火人:うぃ。何でしょうか?
GM:ここで失敗すると、このシナリオ中、君の人格はずっと大嶽丸が主体になる故、そのつもりで。人間の部分が弱体化すると、君の場合、即座に大嶽丸が乗っ取りにかかる。
陽火人:うおっ!? キツイな。了解です!
GM:また、一人が成功すれば、儀式そのものは成功ですが。失敗者がいた場合、その人にエゴがひとつ追加されます。ここで手に入るエゴは自由に絆に出来ませんので、そのつもりで。
未琴:かなりキツイ…とは言え、二人とも人間性は高いから確率的には大丈夫なはずですが(笑)。
美宙:ぬおお、初期絆を除けば助ける対象とPCにしか絆が無いっ。消すのは抵抗あるが…やむをえんか。
未琴:あと、消去する絆は固定してから消すんでしょうか? それと、消去した場合は普通にAGP2点貰えるの?
GM:AGPはプールしていただいて構いませんよ。
美宙:では固定→消去の流れでOK、と。
未琴:判りましたー、二人とも頑張って(笑)。未琴は初期値のままなので、このチェックだと足手纏いにしかなりません(笑)。
GM:ちなみに…判定にはアネスカも参加しますので。彼女の人間性は13です。
陽火人:聞いておきたいんですが、人間性が既に20超えているので、ファンブルを振らない限り失敗しないんですが。普通に判定するんでしょうか?
GM:判定自体は普通にしてくれて構わんのだが…大嶽丸は常に隙を狙っているので、ファンブルにプラス2の修正をあげようじゃないか。ダイス目4以下でファンブルする、と。
陽火人:了解です。では、美宙とは共通の友人のために動いているので、未琴の絆を使って判定します。(ころころ)ダイス目5で28! あ、あぶねぇ(笑)。
GM:ち(笑)。
陽火人:でも、ちょっと残念?(笑)
木場:残念だ(笑)。
陽火人:どうやって、大嶽丸の人格でこのまま事件に絡むか考えていたので(笑)。
美宙:私も悪いけど、未琴の絆でいきましょう。さっき会ったばかりの子だし。ゴメン。(ころころ)33で成功。せめて消去前に、固定したAGPは未琴にどうぞ。
GM:では、アネスカです。ここで失敗すれば元の木阿弥です…(ころころ)。

 そしてダイス目は6。狙ったように1足らず失敗(ぁ

美宙:ぎゃあーっ!?
未琴:わ!? アネスカさんの絆を固定して、AGP1点渡します。
GM:では、振りなおしましょう。(ころころ)…18!(爆笑)
陽火人:ぎゃー!!?
未琴:…仕方ない、《時計仕掛けの魔法》使います。「アネスカさん、頑張ってください! Acsess,Chrono element…
木場:というか、R−3さんに絆チェックを振らせちゃいけない(笑)。
陽火人:じゃあ、未琴に(笑)。
未琴:わたしもダイス目の悪さは似たようなものです(笑)。
GM:ふ…ひどい言われようだ(笑)。じゃ、誰か振ります?
美宙:ふ…振りましょうか? 私も大概だけど(汗)。
陽火人:GM3度目の正直だ、いい目出しんさいよ(笑)。
GM:いや、俺は悪い目が出ても困らんので(笑)。では、振らせていただきますが…(ころころ)お、22!
一同:やったー!!(拍手喝采)
陽火人:3度目の正直って、本当にあったんですね(笑)。
未琴:2度あることは3度ある、にならなくて良かったね(笑)。
陽火人:まったくです(笑)。
美宙:恐ろしいことを…(笑)。

GM:では、上川から鱗が剥がれ落ちます。
陽火人:「剥がれた!」
美宙:「……や、やった」
GM:それがアネスカの体に張り付くと、怪我をしていた箇所も見る見る良くなっていきます。
陽火人:上川君の姿に変化は?
GM/アネスカ:「…戻った?」
未琴:「…ほっ、良かった…」
GM:上川も、徐々に元の姿に戻っていきます。
美宙:「……上川君、良かった。……アネスカ、ミコト、ありがとう」
陽火人:「…よかった。本当に、よかったよ…」涙を流しながら。「アネスカさん、本当にありがとうございました」
GM/アネスカ:「…いいえ…これで、私も帰れます…」

木場:上川に記憶除去装置使います?
陽火人:まだノビているであろう大家さんにも(笑)。
美宙:上川と大家さんに使っていただきたいです(笑)。

未琴:「……ところで、木場さんの用事って何だったんですか?」
陽火人:「…そういえば、そうですね」
木場:「ああ、その件についてだが、とりあえずこっちが先だ」上川と大家さんに記憶除去装置。
GM:では上川と大家さんは記憶を消された(笑)。
美宙:「……ありがとう、ダイスケ。……元に戻れたのなら、この事は憶えている必要は無いものね」
陽火人:「…うん。知らないで済むんならそれに越したことはないよ…ちょっと、寂しくて気が咎めるけど…」
GM/アネスカ:「人間って、羨ましいですね…。ちゃんと、生きていれば、周りにはこうして助けてくれる人がいるんですから」
木場:「あんまり人間を盲信しないほうがいいぜ。人間ほど恐ろしくて醜い生き物はないからな」(ニヤリ)
未琴:「…そうなんですか?」少し困った表情で見上げる。
陽火人:「そんなことないです。確かに人の心の中には醜い心もありますけど、それだけが人間の心じゃないはずです!」ちょっとビクつきながら(笑)。
木場:「フッ……」陽火人を面白そうに見る。
陽火人:「(あっ、この人意外と優しい顔するんだ…悪い人ではないのかもな。何だかんだ言って、僕たちに合わせてくれたんだし)」と、印象を微妙に修正(笑)。
美宙:「……それ、ひとつの側面しか語ってない。……分かってて言うのは意地悪、ダイスケ」
木場:「さて、次はこちらの用件だが……」美宙の言葉は無視して。
GM/アネスカ:「キバさん、でしたか。ここまで連れてきて頂いた以上、私もあなたの用事に付き合うことにします」未琴の方を向いて「未琴、ありがとう。私は海の世界に帰るけど…ひとつ、仕事をして帰るね」

美宙:さて、こちらは木場の用事に付き合う必要は無いんですが……どうしよう(笑)。
GM:木場が何の用で来たのかを調べてないですからね。
美宙:木場の依頼主は「人魚に礼が言いたいだけ」という話だし、それだとわざわざくっついてくには理由が無い。

陽火人:「そうでした。僕たちの為に待っていてくれたんですよね。それで、木場さんのアネスカさんへの用事って何なんですか?」
木場:「君崎紀夫という老人がアネスカに会いたがっている」
未琴:「あ、その話ならわたしも聞きました。以前に人魚さんから恩を受けたって…」
美宙:「……こちらも調査の過程で、その話は聞き及んでる。……ダイスケの依頼主って、君崎氏だったのね」
木場:「戦争中、60年位前か、人魚に助けられたらしいが、心当たりはあるか?」
GM/アネスカ:「いいえ…人間を間近で見たのは今日が初めてです」
木場:「そうか、やはりどうにも怪しいジジイだな。ま、俺は依頼料がもらえればそれでいいが」
未琴:「その人に会う前に、“裏の事情に詳しい人を探せ”って言われたんですけど…木場さん、その人のこと詳しいんですか?」
木場:君崎に関する情報は話します。かくかくしかじか〜。
陽火人:「60年前のお礼を言いたいなんて、律儀な人ですよね。ほら、人にはこうして何年経とうとも変わらない心があるんですよ!」
GM/大嶽丸:「人よ…本当にそう思うか? 60年思い続けるなど、尋常ではないぞ。律儀というより、普通は妄執というのだ」
陽火人:「こら、お前はどうしてそう人を疑ってばかりなんだ? この人は純粋にお礼を言いたくて捜していたんだよ。きっと人一倍情に厚い人なんだよ」底無しのお人よし(笑)。
未琴:「うーん。入院してる佐々木さんって、そのお爺さんのお友達なんでしょうか…?」
美宙:「……待って。……それなら君崎氏の裏取り、あと少しだけ私にやらせてもらえる?」
木場:君崎が魔物だというのは判ってるんでしょうか?
GM:魔物絡みで拾える情報があった、というだけで、確証はありません。噂話などは出きっていますので、後は魔物です。
木場:「裏取りはこちらからも頼みたいな。この坊やのように素直に信用できん」
陽火人:「ぼくもその人に会ってみたいな…お邪魔でなければ、僕もついて行っていいですか、木場さん?」
木場:「構わんさ。それも面白そうだ」(ニヤリ)
陽火人:「やった! いったい、どんな人なんだろう? 楽しみだな…きっと、義理堅くてとても優しい人なんだろうな…」
GM/大嶽丸:「…人…もう、いい。何も言わん」
陽火人:大嶽丸の声も聞こえていないのか、ご機嫌な表情(笑)。
木場:「大変そうだな、お前も」大嶽丸に(笑)。
美宙:「……了解。……なら情報の方は手っ取り早く片付ける」《ネットジャック》じゃー! 裏取りはここでやっちゃって良いですか? それとも次のシーンで?
GM:ここでやっていいですよ。
美宙:では人間性17に。(ころころ)達成値24!
GM:では、〈情報:魔物〉の情報。

達成値12:君崎は、人魚に執心しており、一時期は冗談めかして「人魚の肉を食べた」などと言っていた。
 今も、その熱は冷めてはおらず、今はツインテールという名の人魚を探しているらしい。
 故に、君崎は魔物の力を得ているのではないか、と言われている。
 君崎の過去に関わる人物で佐々木と言う人物もいるが、こちらは寄る年波に勝てず、入院中。


未琴:イモータルなのかもしれないですねー。
美宙:その線はありそうですね。
陽火人:ポイですね。
木場:なるほど。
未琴:佐々木さんを助けようとしているのか、それとも当時の生き証人で、君崎氏に都合の悪い事実を知っているのか…。
陽火人:まあ、そこら辺は会って話を聞けば、はっきりしますね。
美宙:先に佐々木さんですな。
陽火人:ですね。
未琴:わたしの知ってる『人魚の肉』だったら、「食べた時点から不老不死になる」だけで若返るわけじゃないから…うっかり食べさせると悲惨なことに(笑)。
陽火人:病気持ちで老人の体のまま不老不死(笑)。拷問以外の何者でもないな(笑)。
未琴:しかも、食べた人間は十中八九化け物になるし(笑)。
美宙:『人魚の森』か…懐かしい。
陽火人:さて、陽火人は浮かれているので誰か病院に行くように言ってくだされ(笑)。

美宙:「……大戦中に同じ部隊にいたという佐々木という人なら、君崎氏の事をよく知ってるかもね」接続を切りつつケータイをパチンと閉じる。
木場:「やはり魔物か……その佐々木ってジジイにも会っておくべきだな」
未琴:「君崎さんの所へ行く前に、会いに行ってみましょうか。もしかしたら、お友達かもしれません」
陽火人:「うーん、でも冗談かもしれないし…もやもやを抱えたままでいるよりも、その佐々木さんに会って話を聞いた方がいいのかな…」ついていきます(笑)。
GM:佐々木に会うことでよろしいでしょうか?
一同:OKです。
GM:では、絆等の処理があれば。
美宙:アネスカに絆/献身で。
未琴:木場さんに絆/尊敬を。きっと深い考えのある人なんだろうと思ってます(笑)。
陽火人:では、木場に絆/好奇心で。自分とは正反対の人ゆえに興味がある(笑)。
木場:陽火人に絆/修羅。なかなか骨がありそうだ(▽m▽) …見事に気持ちがすれ違っている(笑)。
陽火人:本当だ(笑)。大嶽丸ならがっちり噛み合ってそうだけど(笑)。
GM:今回は大嶽丸が喋らんので、俺が喋る(笑)。
陽火人:ありがとう(笑)。

▼絆/エゴの変化
未琴:
木場に絆/尊敬を取得。
陽火人:木場に絆/好奇心を取得。
美宙:アネスカに絆/献身を取得。
木場:陽火人に絆/修羅を取得。




●シーン9 『60年越しの嘘』  シーンプレイヤー:夏霧未琴  登場難易度:任意

○病院


GM:では、病院です。佐々木老人の病室の前ですね。
美宙:「……失礼します。……佐々木さん、よろしい?」ノックしましょう。
GM/佐々木:「あいとるよ…」弱々しい声が聞こえます。
美宙:では失礼して、入らせていただきましょう。
未琴:「こんにちは、初めましてー」がちゃり。
木場:扉を開けて入ります。
陽火人:「失礼します」と皆の後に入っていきます。
GM/佐々木:「…珍しい客じゃな…」
木場:「君崎紀夫という男について教えてほしい。大戦中、ヤツに何があった?」
GM/佐々木:「…誰から、そんな話を聞いた?」
木場:「蛇の道は蛇、ってヤツさ」(ニヤリ)
GM/佐々木:「…わしは、もうすぐ死ぬ…この秘密は墓場まで持っていこうかとも思ったが、どうも閻魔様はそうさせてはくれんようだな」ため息混じりに。
未琴:「…君崎さんとは、お友達なんですか?」
GM/佐々木:「友達、か…そう、だった…」
未琴:「……“だった”?」
陽火人:「…だった? 今は違うんですか?」
木場:「ほう……」
GM/佐々木:「あいつがおかしくなったのは、わしが原因だからよ…そんなやつは友と呼べるかな…」
未琴:「…佐々木さんが君崎さんを友達と思えないって事ですか? それとも、逆?」
陽火人:「…あなたが原因って一体、何があったんですか?」
GM/佐々木:「…これも、わしの罪を死ぬ前に明かしていけ、ということやも知れん…。いや、わしが、本当は誰かに話しておきたかったのかも知れんな」
陽火人:「あなたは自分のせいで、君崎さんがおかしくなったと思っている。だから、友と呼べなくなったんですね?」
GM/佐々木:「君崎は、何も知らんのさ。わしは、60年来、ずっとやつを騙してきた…」まあ、話を要約しますと。

 海軍に所属していた頃。
 艦を沈められた君崎と佐々木は、数人の仲間と共に植物すら殆どない、岩の塊のような無人島に漂着した。
 魚も捕れず、岩に生した苔さえも食べ尽くした彼らは、次々と倒れていった。
 君崎も、衰弱しきってただ海を眺めながら、死を待っていた。「人魚がいる」などと譫言を言いながら。
 そんな友の姿を、佐々木は見ていられなくなった。
 この島にある、唯一つの食材を使って生き延びよう、そう決心した。

「海亀を捕まえた。スープが出来たぞ」

 その海亀のスープは、彼らの命を繋ぎとめた。
 彼らは、終戦とほぼ同時に救出された。
 佐々木はその後、君崎と会う機会を逸していた。


美宙:何か予想外の展開が…。
未琴:ただ一つの食材……この場合…“人”の肉?
陽火人:でしょうね…。
GM:そういうことです。

 二十年ほど経って、君崎はひょっこり佐々木の前に現れた。
 見違えるように立派になった君崎は、戦後に大きな財を成したらしい。
 君崎は佐々木に言う。

「ある料理屋で、海亀のスープを食べた。だが、自分が食べたあの思い出の味とは程遠い何かだった。
 私は世界中のありとあらゆるものを食べたが、未だにあの味に出会っていない。では、あれは何だったのか」

 佐々木は答えられなかった。
 あれが、自分たちの…死んだ仲間の肉だったとは。
 君崎は『ある考え』に行き着いたのだ、と続けた。
 あれは、自分が見た人魚の肉ではなかったのか…と。
 答えに窮した佐々木は「そうだ」と答えてしまった。
 あの秘密を、明かすことは出来なかったのだ。

 その後、もう一度、君崎から手紙が届いた。
 人魚を捕らえて食した、というのだ。
 だが、これも味が違うので、もっと別な人魚を探している、と。
 この時、君崎は大病を患っていたと聞く。ただの妄言だと思って聞き流していた。
 佐々木は、全てを忘れようと心に決めた。


GM/佐々木:「あいつが、人魚などに執心する理由がこれだよ」
木場:「既にヤツは自らのエゴに飲まれたワケか……」
美宙:「……ちょっと待って。……じゃあ本当は君崎氏は、人魚に会ってもいなければ人魚の肉など食べてもいないというの?」
未琴:「…途中で、本当に人魚の肉を食べたのかも。だけど、それとは“味が違った”から…」
木場:「今度はこの嬢ちゃんか……」
陽火人:「そんな…そんなことって…じゃあ、君崎さんはアネスカさんを食べようとしているってことですか!?」
美宙:「……それも、まったくの勘違いからね」
陽火人/大嶽丸:「だから、わしが言っておっただろう。ヒトよ、お前は人の心をもっと疑うことを覚えろ」
GM/佐々木:「…わしは、あの時あいつに本当のことを言うべきだったかどうか、今でも悩むよ…。わしは、正しかったのか、そうでないのか…」
未琴:「…お二人にはお気の毒だった、としか言いようがありません。だけど…」
GM/佐々木:「…だけど?」
陽火人:「……」
未琴:「…そろそろ、君崎さんも真実を知るべきだと思います。お二人のためにも、アネスカさんのためにも。そして……あなた達に“命を託した仲間の人たち”のためにも。このまま嘘を通し続けても…きっと、誰も救われないから」
GM/佐々木:「…そうだな。その通りじゃ。ずっと、そんなことは解っていたのになあ…。君らはこれから、君崎のところに行くのかね?」
未琴:「そう…ですよね?」他の人たちを見上げて。
木場:「まあな」
美宙:「……辛いお話を思い出させてごめんなさい、佐々木さん。……私達、これから君崎氏のところへ行くわ」
陽火人:「…そうだね。真実を知れば、君崎さんもアネスカさんのことを諦めてくれるかもしれない」
陽火人/大嶽丸:「…まだ、そんな甘いことを。今のうちに言っておくぞ、ヒトよ。その君崎という男は、そんなことを知っても今さら引き返すようなマネはせんぞ」
陽火人:「…それでも、俺は…信じたい」
GM/佐々木:「本当は、わしが行かねばならん。だが、この体では、もう無理じゃ…。一言でいい…あいつに、佐々木が謝っていた、と伝えてくれんか…」
美宙:「……承るわ、佐々木さん。……必ず伝えるから」
陽火人:「うん。君崎さんにきっと伝えます」
GM:佐々木はゆっくりと頷くと、全ての力を使い尽くしたように、虚脱状態になります。
美宙:「……行こう」
木場:「これが人間の恐ろしさと醜さだ。どうだ?」アネスカに向けて。
GM/アネスカ:「人間は、醜い…そうでしょうか。わたしは、このお爺さんを見ていると、そうは思えません。みんなはあの青年を助けようとしました。この人は、精一杯、昔の過ちを清算しようとしています…。そういう人間が、醜いですか…?」
木場:「自分が食われようってのに、面白いお嬢ちゃんだ」苦笑する。
陽火人/大嶽丸:「やれやれヒトもそうだが、このお嬢ちゃんも大甘だのう」
木場:「ま、だからこそ、人間は面白い」
GM:では、これから君崎のところに行く、ということで。絆等、あればどうぞ。
美宙:枠一杯なのでスルーで。
未琴:君崎老人に絆/憐憫を取ります。
陽火人:同じく君崎に絆/憐憫を。
木場:アネスカのエゴ/換金を絆/興味に変更。美宙に絆/好奇心。
GM:では…次のシーンへ行きましょうか。

▼絆/エゴの変化
未琴:
君崎紀夫に絆/憐憫を取得。
陽火人:君崎紀夫に絆/憐憫を取得。
木場:アネスカへのエゴを絆/興味に変更。美宙に絆/好奇心を取得。




●シーン10 『人魚のスープ』  シーンプレイヤー:木場大輔  登場難易度:任意

○君崎邸


GM:君崎が広い応接間で、君たちを出迎えてくれますね。
木場:「約束の人魚を連れてきたぜ」
GM/君崎:「やあ、木場さん…噂に違わず仕事が速い。で、後ろの方々は?」
木場:「ま、今回の協力者ってとこかな」
未琴:「…こんにちは」(ぺこり)
美宙:会釈をば。
GM:「ええ…感謝していますよ。こちらに届けるまでにツインテールを完全な姿にしてくれたようで…」
木場:「これで、契約成立ってわけだ」手を出す(¥m¥)
GM/君崎:「では、報酬の方はご用意いたしております…」
木場:「ありがてえ」受け取ります。
未琴:「それで…アネスカさんに、どんなご用件でしょうか?」いつになく硬い表情で。
GM/君崎:「ふふ…私はずっと焦がれてきたのだよ。ツインテールに会い、あの日私が知ったこの世で最高のものを…もう一度、この手に掴むことが出来るのだから」
美宙:「……それは彼女を食べるということ? ……君崎紀夫さん」
GM/君崎:「私は、あの日…ツインテールに命を救われた。忘れたことはない…。もう一度…私はあの海亀の…いや、『人魚のスープ』を味わうことが出来るのだよ」鬼気迫る表情になります。
陽火人:「そ、そそんなことは間違っています! あ、あなたが、あなたが今も捜している昔食べたものは、人魚ではなかったんです! だから、もう、もうこんなことはやめてください!」
GM/君崎:「何を言う! 私が焦がれて来たあの味こそ、人魚のものだったに違いないのだ! 感謝しようではないか! 私を生かしてくれたものに! 食を楽しむことを与えられた人間らしい方法で!」
未琴:「…佐々木さんのことは、憶えていらっしゃいますよね? 『海亀のスープ』を作ってくれた…」
美宙:「……あのスープは、海亀でも人魚でもない。……あなた達の戦友の肉で作ったスープだったの」
GM/君崎:「…なんだと?」
陽火人:「…だから、もうこんなことはお願いですからやめてください…」泣きそうな表情で。
木場:「アンタはいい客だったぜ」金を確認しながら。「だから忠告しといてやる。やめとけ。これ以上は、ただ闇に呑まれるだけだ」
GM/君崎:「…あれが、人魚のスープではないというのか…?」
未琴:(ぽつりと)「本当に…気付いてませんでした?」
美宙:「……佐々木さん、ずっと苦しんでいた。……60年以上もあなたを騙し続けていたって。……佐々木さんからの伝言はひとつだけ。……『すまなかった』、と」
GM/君崎:「…馬鹿な…いや! 信じはせん! よしんば、あれが戦友たちの肉であったとして、それが何だと言うのだ? 私は、あれからこのためだけに生きていた。あの時のスープが海亀の…いや、人魚のスープではなかったとしたら、それが何だ? ならば……ならば、それを確かめるだけだ。今までそうしてきたように!」
陽火人/大嶽丸:「だから言ったであろうヒトよ! 甘いお前にはこいつとは戦えん。今回は貸しにしておいてやるわい、恩に着ろよ。さあ、さっさとわしと変われ!」
陽火人:「嫌だ! なら、俺は人として人のままで戦う!」
陽火人/大嶽丸:「馬鹿な! お前が死ねばわしも終わるんだぞ!」
陽火人:「そんな恋愛映画のようなセリフ、お前に言われたくない!」
GM/君崎:「さ、こちらに渡すんだ。その娘を…」ゆらり、と立ち上がります。
美宙:「……ダメ。……今のあなたには、誰であろうと渡せない」
木場:「俺の仕事は会わせるまでだ。アンタの趣味に付き合う理由はないな」
陽火人:「…させない。そんなこと絶対に…」
未琴:「わたし、生き延びるために死んだ仲間の人たちを食べたこと、悪いとは思えません。それは、生き物の本能だから。佐々木さんの過ちは、君崎さんを騙し続けたこと。そして、あなたの間違いは……必要もないのに、膨れた欲望だけで他の人を犠牲にしようとしていること」淡々と話す中、溢れんばかりの涙が瞳いっぱいに溜まる。「あなたの願い、叶えさせるわけには、いきません」
GM/君崎:「諸君らは私をただの老人と思っているのだな…だがな…私は、人魚を食らった。それゆえに…この体にはその活力が漲っている…止められると思うな」全員に[SA:君崎を止める]を。最後に絆等、あれば。
陽火人:いっぱいです(笑)。
未琴:特に変更なしで。エゴ/想い出は、この展開だと絆にしようがないし(笑)。
木場:君崎へのエゴ/疑惑をエゴ/闘争に変更。
GM:では…クライマックスに移行します。

▼絆/エゴの変化
木場:
君崎紀夫へのエゴ内容を闘争に変更。



 

■クライマックスフェイズ■


●シーン11 『妄執の果てに』  PC全員登場

○君崎邸

▼ラウンド1


GM:では、まずはエンゲージ。

 現在のエンゲージ:(君崎) (PC)

GM:こんな状態。接近するにはマイナーで踏み込んでください。では、セットアップ。
美宙:《瞬間武装》+《融合》でレイガン、ミサイルパーツ、セカンドサイト、特殊強化服準備! 人間性14。
木場:《瞬間武装》+《獣化》。ハイパーヴィークル、セカンドサイト、サブマシンガン準備。
GM:こちらはお約束のごとく、《絶対先制》が火を噴きます。
未琴:わー、やっぱり(笑)。
美宙:ぎにゃー!
GM:オートで《獣化》しつつ、マイナーで《人外魔境》、メジャー《吹き散らすもの:闇》で攻撃。範囲なので全員に行きます。(ころころ)達成値25と出ました。〈運動〉で回避お願いします。
美宙:ぎゃー! すげぇニンゲン捨てっぷりだー!
GM:結構強いですよ。執念は人を変えます。
美宙:(ころころ)27で回避ー!
木場:(ころころ)達成値25で喰らっ…違う、同値で回避。
陽火人:(ころころ)ふっ、見得を切っていきなり魔獣化。
未琴:技能なくて回避できません。《黒鉄の機神》で陽火人さんをカバーリングします。
陽火人:…って、ありがとう未琴ちゃん(笑)。
GM:では、木場にHA《死界の主》。回避させません。更に《獣の気》《闘争本能》でダメージ増加。(ころころ)44点の〈闇〉です。
木場:通しで魔獣化です。
未琴:きゃー!「Elemental ride,fulldrive…」魔獣化。髪と肌がガラス状になり内部構造が透けます。
陽火人:「未琴ちゃん!? …ごめん、ありがとう」
木場:「へっ、こうでなくっちゃな」口が顎まで割れ、獣の笑いになる。
美宙:「……正直、これほどとは思わなかった」
GM/君崎:「…執念、妄執…何とでも言うがいい。だが、これが私を支えるものだ」
陽火人/大嶽丸:「ほら見ろ言わんこっちゃない。ヒトよお前では無理だ。早くわしに変われ!」
陽火人:「ダメだ。僕がやるんだ!」
GM:こちらの行動は10です。一番早いのは、木場かな。
木場:では、動きます。君崎へのエゴを固定して、HA《彼方への門》を使用。君崎と同エンゲージに移動します。
GM:来い!
木場:「仕事も果たしたし、忠告もした。ここからは俺の趣味で動かせてもらうぜ!」マイナー《ハンティングスタイル》、メジャーでバイクアタック。(ころころ)達成値29。
GM:(ころころ)避けられませんな。
木場:《リインフォース》使用して人間性3、(ころころ)39点〈光〉です。
GM/君崎:「なるほど…腕はいいな。惜しむらくは逆らう相手を間違えたことだ」まだ魔獣化せず。次は、美宙ですね。
木場:「ちいっ、しぶとい野郎だ!」
美宙:マイナー《戦闘形態》、人間性10。メジャーでレイガン発射ぁー! (ころころ)クリティコー!
未琴:おぉー。
GM:クリティカルか。(ころころ)命中しよりましたね。
美宙:「……間違いなんか、誰も犯してない。……これは、不幸な行き違いが重なっただけ。……終わりにしよう。……あなたと、佐々木さんと、アネスカのために」《リインフォース》! 人間性8。(ころころ)27点〈光〉!
GM:では、食らいます。そのまま、指先を美宙に向けて…。
美宙:HAがきそうな気配がギュンギュンします!
未琴:《復讐の爪》が来そうですねー。
GM/君崎:「目障りだ…こいつは貴様に返してやろう」指先から、今さっきのレイガンをそのまま撃ち返してきます。HA《復讐の爪》! 27点をそっくりそのまま返します。
美宙:無理! 魔獣化で凌ぎます! FP9。
GM:そのまま、かりそめの死を迎えますが…HA《滅びの霧》を発動。目の前の木場に攻撃を仕掛けます。
木場:げ!?
GM:組み合わせは先ほどと同じですが、クリティカル扱いですね。
美宙:木場はどう凌ぎます? 《獣の生命》ならAGP出しますサー。
陽火人:俺も出しますよー。
木場:(ころころ)無理、命中。
GM:では…(ころころ)50点の〈魔〉です。
木場:HA《獣の生命》、闘争のエゴ固定。あと1点ください。
未琴:「木場さん!」木場さんの絆を固定、AGP1点渡します。
GM/君崎:「…大人しく、報酬だけをもらって帰れば良かったのだ」HA《永劫より》で戻ってきます。(ころころ)現在FPは22。
木場:FP17で復活。「やるじゃねえか、だが、まだまだだ!」
美宙:《永劫より》で戻ってきたってことは、まだ魔獣化はしてないってことかー。
未琴:ありゃ、《超魔の命》は後回しですか。
GM:後回しです。
美宙:未琴の一発ネタは、魔獣化後にとっておくべきでしょうな。
未琴:うん。人間性を無駄にしたくない(笑)。未琴は待機します。
木場:後は《世界霊魂》がどれだけ持つか……。

 現在のエンゲージ:(君崎・木場) (未琴・陽火人・美宙)

陽火人:では、僕ですね?
GM:いいえ、まだ君崎の本来の行動が残っています。ここでHA《雷光のごとく》を宣言します!
陽火人:ぎゃー! 誰か《ヴォイド》を(笑)。
美宙:《ヴォイド》は未琴だけか…この雷光を潰します?
未琴:潰してもいいけど…どうしましょ?
美宙:雷光は相当ヤバい、潰してもいいかも。
未琴:木場さんが同エンゲージなら、一度全滅してから《世界霊魂》する手もあったけど…。では、AGPくださーい。
美宙:上川の絆固定、未琴にAGP1!
木場:未琴の絆を固定してAGP1点、未琴に。
陽火人:初期絆と君崎の絆を固定して、2点渡します。
未琴:…Element eraser…」HA《ヴォイド》!
GM:では、消されました。
未琴:けど、1回分は攻撃が来るのよね(笑)。
美宙:消えたのはHAだけだからなぁ(笑)。
GM/君崎:「…何だ、これは…やってくれたな、小娘!」後方のPCたちにブレス!(ころころ)あ、目が良かった。達成値28。
美宙:かか、回避ー!(ころころ)達成値31、ひらり。
陽火人:(ころころ)7、無理(笑)。
GM:美宙が避けまくるのう…(笑)。
未琴:未琴はクリティカルしないので回避無理です(笑)。
GM:(ころころ)43点の〈闇〉ですな。
陽火人:「ぐああ!」
未琴:《黒鉄の機神》で陽火人さんをカバーリング!
GM:おお!
未琴:……System down.」外装と骨格に亀裂が走り、瞳からは意志の光が消え…力なく頽れる華奢な身体。86点ダメージで真の死です。
陽火人:「未琴ちゃん…僕の為に…う、うおぉぉぉぉ!
GM/君崎:「哀れなものだな…」ふと考えるようにして「あの時、この娘が泣いていた理由でも聞いておくべきだったか…機械人形が泣く、とは」
陽火人:「未琴ちゃんは、…ただの機械人形なんかじゃない!」
未琴:…そして。「Elemental ride,overload―――Counterblast」心魂機関の停止によって制御を失った精霊力が暴走。純粋な破壊エネルギーとなって攻撃者に跳ね返る。《ノイズメーカー》! 43点お返しします!
美宙:ものすげぇ隠し球がっ!
木場:おお。
GM:ぐは! 今の一撃で、君崎は倒れますね。「…な、に…?」魔獣化宣言。HA《超魔の命》に12点。

「…だが、しかし、この程度で…う!?」
 突然、君崎の体が弾けるように膨れ上がった。体中を何か…奇怪な腫瑠のようなものが覆い尽くしていく。
なんだ…これは…?

木場:「魔力の暴走か!?」
GM:体中を覆っているのは魔物の体組織と、癌細胞が融合したものです。
美宙:「……そうか、君崎紀夫はガンを患っていた。……それが魔物の力に中てられて……」
GM:人魚の肉は、彼に不死身の肉体を与えましたが…ミドルで話していた通り“その時点から不死身になる”ので。実際には癌が治っていたのではなく、そう思っていただけでした。魔獣化の影響で抑えきれなくなった魔物の部分が暴走して、彼を癌細胞で出来た化け物に変えてしまった、というわけです。
木場:「ガン細胞そのものは生きていたわけか」
GM/君崎:グアアアアア!? イ…イタイ! クルシイ! ナンダ、コレハ…!
美宙:「……君崎紀夫、今のあなたはその癌細胞と同じ。……魔を覗いた者が自分を御する事ができなければ、その欲望は際限なく増え続ける。……もう残された手段は、外科手術だけ」
GM/君崎:トメテクレ…! タノム…!
陽火人:「あなたは可哀想な人間かもしれない。…だけどあなたを助けるには、僕にはこうするより他にない」鬼骨剣を取り出し構える。
陽火人/大嶽丸:「いい加減に意地を張るのはよせ、ヒトよ! 気が小さく臆病なお前に何が出来るというのだ?」
陽火人:「確かに僕は臆病者だ。今も膝が笑ってまともに立っていられない。だけど卑怯者にだけはなりたくないんだ! 僕は今まで、魔物を殺してきたのを大嶽丸のせいにしていた。魔物を殺したのは僕じゃないって。僕が罪悪感を持つ必要は無いんだって」
陽火人/大嶽丸:「罪悪感? それは気持ちがいいのか?」
陽火人:「違う。逆だよ。とても辛くて苦しいんだよ…。お前は人の心をもっと疑えって言ったよな?」
陽火人/大嶽丸:「そうだ。人間はお前が思うような綺麗な心など持ち合わせてなどおらん」
陽火人:「確かに人の心には醜さはある。ぼくだってそうだ。さっき言ったように魔物を殺したのを、お前のせいにしていた。でも、これだけは信じて欲しいんだ。その醜さを認めて受け入れることで人は強く、美しい心も持つことだって出来るって言うことを!」
GM:おお、主人公な台詞を。
陽火人:ここは、外したくないので《無限の法則》を使用します。AGPくださーい(笑)。
未琴:えーと、真の死になってても愛って渡せるんでしょうか? 想い出とかで(笑)。
GM:構いませんよ(笑)。
木場:陽火人とアネスカの絆を固定。AGP2点を陽火人に。
美宙:陽火人とアネスカの絆固定、AGP2点を陽火人に!
未琴:陽火人と美宙の絆固定、2点を。
陽火人:では、初期エゴを固定。更に君崎の絆を消して3点。合計9点使います!
GM:むう…来い!
陽火人:マイナーで接敵、メジャー《マルチウェポン》込みで、HA《無限の法則》!(ころころ)ファンブルはせず。(ざらざらーっ)138点の〈光〉ダメージ!
GM/君崎:グアアアアア!」おお、痛てえ!

 現在のエンゲージ:(君崎・木場・陽火人) (美宙・未琴)


▼ラウンド2

GM:それでは、セットアップは全員なしで? なければ美宙の行動です。
未琴:んー、復活して攻撃すべきかどうか。様子見してていいかな?
陽火人:うぃ。お任せします。
美宙:とりあえず私が一発《無限の法則》いきましょう。
陽火人:美宙に美宙と上川の絆を固定して、AGP2点渡します。
木場:美宙と現世利益の絆を固定。AGP2点。
美宙:マイナー《加速装置》+《ロックオン》+《スーパーブロウ》、メジャーでレイガン発射、オートで《必殺技》!! 人間性マイナス10!
GM:来い!
美宙:そしてHA《無限の法則》!! AGP6点使用!(ころころ)クリティカルはしないが、そちらファンブル!
GM:避けられません。
美宙:(ざらららーっ)101点〈光〉ダメージ! リフレクター射出、レイガン発射! 乱反射するレーザーが全て死角から突き刺さる! 動きの止まった標的に、腕部レーザーバレル全解放による限界出力のレーザー照射!
GM:むう…もう一歩!
美宙:Zerstreute Reflexion乱 反 射】……明けの明星は見えた?
GM/君崎:オオオオアアアッ!?」体中を焼かれて、悲鳴を上げます。
木場:「コレでトドメだ!」
未琴:父親と君崎の絆を固定。AGP2点を木場さんに。
美宙:「……ダイスケ、最後の詰めを」木場の絆と初期絆固定、AGP2点を木場に!
木場:HA《無限の法則》AGP4点、(ころころ)ダイス目が3…危ない(笑)。
未琴:…ファンブル寸前(笑)。
美宙:危ねぇー!(笑)
GM:避けられません(笑)。
木場:《リインフォース》も使用します。「スパイラル轢き逃げクラッシャー!」(ざらざらーっ)66点〈光〉です。
GM:それは…死んだ! 轢き逃げされてお亡くなりになりました。
美宙:ちょ、身も蓋も無い必殺技!?
陽火人:ジェット○ンガローンを思い出すのう…(笑)。
GM:八つ裂き後輪というのもあります(笑)。


GM/君崎:…私の…負けか…」君崎の体が、徐々に人間のものに戻っていきます。
美宙:「……違う。……元々この戦いに勝ち負けなんて無かった」
陽火人:「……」無言で頷き。倒れている未琴を抱き起こす。
GM/君崎:「…本当は、私は知っていたのだ。だが…絶対に違うと、信じたかった。だからこそ…あの時、私が食べたのは…人魚のスープでなければならなかったのだ…」
未琴:あー、やっぱり。
美宙:「……それでも佐々木さんは、もう自分を誤魔化す事を止めたわ。……だからあなたも、もう自分を誤魔化さなくていい。……かつてのあなたの仲間だって、きっとあなたを責めたりしない」
陽火人:「…知っていたのなら、何故? …あなたがその事実を受け入れてさえいれば、未琴ちゃんは死なずに済んだのに…」涙を流しながら。
未琴:あのー、抱き上げたなら、そのまま君崎氏の傍まで連れてってもらえると嬉しいなぁ(笑)。
美宙:復活のタイミングですな、未琴(笑)。
GM/君崎:「認めたくはなかったのだ…私は…自分が今、何に生かされているのかを知る勇気がなかった…」
陽火人:「だったら、せめて。せめて、未琴ちゃんに一言詫びてあげてください」と未琴を君崎のところまで連れて行く。…こんな感じでよろしいでしょうか?(笑)
未琴:はい(笑)。
陽火人:「未琴ちゃん、僕が変な意地を張って、大嶽丸に変わらなかったばっかりに…ごめんよ」涙が未琴の頬に当たる。
未琴:君崎に近づいたところで、停止した心魂機関が微かな振動音を立てて動き始める。「Access,Chrono Element―――Time after time…」HA《世界霊魂》使用。時の精霊により局所的に事象がマクロ量子化され、“未琴と君崎が死ななかった可能性”を顕在化、観測と同時に確定します。
美宙:君崎にもかー!(笑)
木場:コレを狙ってたか(笑)。
未琴:え? 予定通りですよ?(笑)
GM/君崎:「私は…」生き返った(笑)。
未琴:ゆっくりと目を開ける。「…気付かないふりをしていたのは、怖かったから。知ってしまえば、罪の重さに押し潰されて、生きていけなくなってしまうから…だから自分の心さえ騙していた。そうでしょう…?」そう呟いて、君崎の頬に手を当てます。
木場:「ま、あの男の娘がそう簡単に壊れるわけはないよな」
陽火人:「…え? み…ことちゃん? 生きてる? それに君崎さんも…うう、よかった。よかったよー! わーーん!」今度は喜びで涙が滝のように流れる(笑)。
GM/君崎:「…………」君崎は、無言のまま、涙を流します。60年間の重荷を下ろした声なき号泣です。
未琴:「それを罪だと感じられるなら、償えますよ……今からでも、きっと…」そっと頭を撫で続ける。
GM:君崎は、小さく頷きます。
陽火人/大嶽丸:「これが…人の心か…」


GM:そんなところで…このシーンは終わりますが。何かやっておくことがある方は?
陽火人:以上で(笑)。
美宙:こちらも以上でー。
未琴:やりたいことはやれたので満足です(笑)。
木場:こちらは特になし。
GM:では、人間性がマイナスの方はいますか?
美宙:マイナス10で絆5個。チャレーンジ!
GM:おお! 剛毅な。
美宙:(ころころ)合計プラス10、復帰!(一同拍手)
未琴:良かった良かった。
美宙:やはり《必殺技》と《スーパーブロウ》重ねると重い…。
GM:他の人は無事なようなので、エンディングに行きたいと思います。エンディングは君崎&佐々木か、アネスカのどちらかになりますが。上川は記憶がないので、希望者がいれば。
美宙:記憶はなくなってるだろうけど、一応上川君にもフォローはしておきたいですね。
未琴:うーん、ハンドアウト的にはアネスカなんだけど…ドラマ的には君崎&佐々木の方が気になるかなぁ(笑)。
美宙:ていうか、どれも気になる(笑)。
木場:まあ、君崎でいいや。
未琴:じゃあ、わたしはアネスカさんに(笑)。
陽火人:上川君の家に置きっぱなしのお見舞い用の花と果物が非常に気になります(笑)。
GM:では、上川に学生2人、君崎と佐々木に木場、アネスカに未琴で。


 

■エンディングフェイズ■


●シーン12 『夢から覚めたら』  花樫陽火人&暁野美宙ED

○上川のアパート


GM:上川は事件のことは知らずに、ベッドで寝ています。ちなみに大家は床の上です(笑)。
陽火人:すっかり生臭くなったお部屋の換気と脱臭作業を行っておこう(笑)。
美宙:大家さんはー……玄関先まで連れてってから起こそうか(笑)。
陽火人:そうですね(笑)。
GM:そうしてバタバタやっていると、上川が目を覚ましますね。
美宙:「……あ。……お目覚め?」
陽火人:「あ、気がついたみたいだね」
GM/上川:「あれ…? みんな、どうしたんだ…?」
美宙:「……随分長いこと連絡も無しに休んでるから、様子を見に来たの。……連絡もできないほどにぶっ倒れてただなんて、そんなにキツいバイトでもしてた?」
陽火人:「うん。みんな心配していたよ」
GM/上川:「なんだか、長い夢でも見ていた気分だよ」
陽火人:「夢? どんな夢だったの?」
GM/上川:「そうか…あれ…? 俺、何だか悪い夢でも見てたのかな…確か魚が出てくるんだよ。そうして、黒い服の男が、よく判らない機械を見せてだな…」
美宙:「……MIB?」
陽火人:「それはバイトのしすぎだね。重傷だ。暫くバイトは休んで、ゆっくりした方がいいよ」と、心配そうに。
GM/上川:「そうかなあ? まあ、ちょっと休んでみるよ」
陽火人:「う、うん。そそ、そうした方がいいよ」(ホッ)
GM/上川:「心配かけたな」
美宙:「……でも、思ったより元気そうで良かった良かった」
陽火人:「うん。本当に」
GM/上川:「体調はすこぶるいいんだ。本当だぞ。なーんか憑き物でも落ちたみたいなんだよなあ…」
陽火人:「ま、まあ。元気なことはいいことだよ。明日からは学校に来るんでしょ? みんな上川君のこと待ってるよ」
GM/上川:「ああ、もちろんだ」
美宙:「……ん。……とりあえず起きれるようなら、食べたいものとかある? ……ヒビトが作ってくれるから」
陽火人:「あ、僕りんご買ってきたんだ。今、剥いてあげるね!」果物ナイフを器用に使って、一度も途切れることなく綺麗に皮を剥ききる(笑)。
GM:「…魚以外なら何でもいいぜ」上川が元気よく言う。クラスメートが元気を取り戻したこと。それが、君たちが日常を取り戻した証と言えましょう。誰一人、何が起こったのかは知りませんが、それでも君たちが戦って得られたものです。
陽火人:「はい。美宙さんの分」と、笑顔で渡す(笑)。
美宙:「……ん、ありがとう。……きっとヒビトは良い主夫になる」
陽火人:「照れるな…て、ぼくは主夫決定なの?」(笑)。
GM:と、そんな平和な光景で幕を閉じます。


木場:美宙は料理やらないの?(笑)
美宙:知識だけはあるんだ! 実践経験が無いだけで(笑)。
未琴:エトランゼ用の異次元料理が好物だから(笑)。
陽火人:異次元料理…食べたら味王様みたいなリアクションが出来るのだろうか?(笑)
木場:きっと、料理同士がボクシングを(笑)。
美宙:とりあえずショコラの料理は「見た目だけ」異次元でした。味は普通という、ある意味斬新な料理(笑)。



●シーン13 『アフターサービス』  木場大輔ED

○病院ロビー


 君崎を佐々木の元へ送り届けた木場は、ロビーで待っていた。
 依頼人が戦友の病室に行ってから、暫く経つ。
 やがてエレベータの扉が開き、中から佐々木の乗った車椅子を君崎が押してきた。
 佐々木は木場の姿を見て、静かに一礼する。


GM/佐々木:「あなた方は、約束を果たしてくれたようですな」
木場:「ま、結果的にはそうなったかな」
GM/佐々木:「あなた方に話して、良かった…今更ながらそう思います。私たちは、あのことを誤魔化してはならなかったし、忘れてもいけなかった。そんな簡単なことを、あなた方が思い出させてくれました」
GM/君崎:「今度こそ、あの人魚に礼を言わなくてはならないかもしれないな…それと、あの娘にも」
木場:「伝えておくよ」
GM/君崎:「木場さん…色々、お世話になりました」君崎が手を差し出します。
木場:「いや、こちらこそ。報酬も充分だったし、久しぶりに血沸き肉踊る戦いが出来た。あんたは最高の依頼人だった」手を差し出して握手。
美宙:バトルマニアめ(笑)。
未琴:実に木場さんらしい台詞です(笑)。
GM/君崎:「そう言ってもらうと、光栄に思っていいのか恥じ入るべきなのか…でも、あなたに会えて良かったと思いますよ」
木場:「それで、これは俺からのプレゼントだ」旧式のポラロイドカメラを取り出す。
GM/君崎:「なんです?」
木場:「お二人の仲直りの記念に写真を撮りましょう」
GM/君崎&佐々木:「「はあ…」」
陽火人:やる気かな?(笑)
木場:「ではこちらを見て……」カメラ(記憶除去装置内蔵)を構える(笑)。
未琴:えー? これで記憶消したら、ある意味救われないと思うなぁ。
木場:じゃあ、PCの記憶を抜いて、人魚の記憶を残す。心優しい人魚の説得で目覚めたというところで。
未琴:うん。罪の記憶は背負ったまま生きて欲しいと思う。
美宙:大事なのは、60年間ずっと目を背け続けた罪と向き合うことですからね。
未琴:これで消しちゃあ、食べられた仲間も報われない(笑)。
GM:では、それで。
木場:「はい、チーズ!」パシャリ、未琴の顔がアネスカに差し替えられる。
未琴:ところで…木場さん。未琴のエゴ、何だか知ってます?(笑)
美宙:忘れられたくない、ですな(笑)。
木場:おわ(笑)。
GM:自分の痕跡だけ消した方がスマートだったかも(笑)。
木場:じゃあ、自分の痕跡と他のPCが魔物だという記憶を消します。
美宙:まぁ、あまり都合良く改竄できると《歪曲する真実》の立場がありませんから(笑)。
GM:彼らは、半魔たちの戦いの一切を忘れた。だが、人魚…ツインテールと向き合うことで、60年抱えてきた罪と真正面から向き合う…記憶はすり替えられたが、彼らは自分の過去と戦って生きていく。その結果は残った。
木場:放心している君崎の胸ポケットに、出来た写真を入れる。「悪いな。あいつらの日常を脅かす要因は少ない方がいいんでな」
GM:では、彼らに背を向けた時には、彼らは木場のことを忘れています。
木場:「残りの人生に幸あれ」
GM:そうして、木場は歩き始めました…と、いうところで。



●シーン14 『こころ』  夏霧未琴ED

○海岸/夕刻


GM:では、最初の浜辺ですね。アネスカが未琴に頭を下げます。
未琴:「みんな、助かって良かったですねー」にこにこと満面の笑顔で。
GM/アネスカ:「ありがとう、未琴。あなたには、本当にお世話になったわね」
未琴:「えーっと…」(考え込んだ)「…気にしないで下さい。大したこと、何にも出来なかったし」(ぱたぱたと手を振り)未琴視点では、戦闘途中で気絶してたから(笑)。
陽火人:ごーめーんーよー!(笑)
GM/アネスカ:「…私、短い間だったけれども、人間の世界で忘れられないものをいっぱい見てきました。人間は、怖くて醜い存在かもしれない。でも、それ以上に、美しくて、愛おしくて、素敵な存在だと判ったから…あなたのお陰よ」
未琴:(にっこり微笑む)「…あの人たちは悪い人なんかじゃなかったです。弱さも強さも…心があるから。だから、わたしも…人間って素敵だなって、いつも思います」
GM/アネスカ:「ええ…だから、私は忘れない。それを、一番最初に信じさせてくれたあなたを」
未琴:「…わたしは…人間じゃありませんよ?」困った顔で見上げる。「お父さんが、本当の娘の…真琴さんの身代わりに作った…人形、だから」
GM/アネスカ:(首を横に振り)「人間とそうでない者を分けるものって何かしら? 君崎という人は、佐々木という人とのことを思い出したから人間に戻った。上川という人も、周りに支えてくれる人がいたから人間でいられた。じゃあ…絆に支えられたあなたは人? それとも、そうじゃない何か?」
未琴:「…どうなんでしょうか? わたしの身体も頭脳も、機械で出来た作り物ですけど…。わたしには…本当に“心”なんてあるんでしょうか…?」
GM/アネスカ:「だからね…私があなたのことを覚えている。誰かが絆を結んでその人を思っているだけで、体を作っていうものは人間と違っても、魔物は人と同じく生きていける…そう思ったの」
未琴:「…………難しくて、よく判らないです。だけど……」
GM/アネスカ:「だって、あの時…あなたは涙を流したもの。君崎さんのために」
未琴:「…………ありがとう」
美宙:心魂機関持ってて魂のある未琴は、まだマシじゃないか(笑)。
GM/アネスカ:「…じゃあ、そろそろ行くね」
未琴:「はい。…どうか、お元気で」
GM:アネスカはそう言いおいて、海に飛び込みます。
未琴:笑顔で見送ります。「…今はまだ解らないけど…解るように頑張ってみます」呟く。
GM:彼女は二、三度振り返って大きく手を振ると、そのまま海の中に消えていきました。


 人魚の姿が海に消え、夕日が沈んで暫く経っても、自動人形は手を振り続けた。

「頑張ってみます。いつか……お父さんに、本当の娘だと思って貰えるように……」

 作り物の顔に、どこか寂しい微笑みを浮かべて。




THE END


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