第49話
怪人目夜博士

●今回予告●

江戸時代…鎖国されていた日本に、南蛮船に乗り、渡航してきた悪魔がいた。

彼の魔力は強力なものだった。
そして、彼は邪悪であった。

彼の存在を危険視した日本の妖怪たちは、彼の魔力を封じ、これを討った。
だが、それでも、滅ぼすことは叶わなかった。

彼らは悪魔の体を幾つかの部分に分けると、日本中にバラバラに封印した。
少なくともこれで、かの悪魔は蘇ってこれまい。

…そのはずだった。


Beast Bind New Testament
『怪人目夜博士』

汝、己の本質と向き合わん。



オープニング ミドル クライマックス エンディング

■プレセッション■


GM(R−3):では、ハウスルールの説明に移ります。このシナリオ中、絆/エゴの取得、内容変更は基本的に自由に行って頂いて構いません。登場に関してもGM権限で止めない限り、判定せずに登場していただいてOKです。
ミルカ:えーと、絆チェック不要、って意味でしょうか。
GM:そうですね。適当なロールプレイはしてもらいますが、基本的には絆チェックは行いません。
ミルカ:わかりました。
GM:ご理解いただけましたら、自己紹介をお願いします。レイア→ミルカ→冥の順になります。PC間絆もこの順番で。


●PC1(定員1名) 推奨:特になし。

 夏休みも終わりに近づいた頃、錦山遥が君の元に持ってきたのは一枚のチケットだった。
 ある“大型家電量販店”の客寄せイベントで、“サーカス”がやってくるというのだ。
 駐車場に作られた特設会場に人が集まり、演目が始まる。
 スポットライトを浴びて現れたのは、一人の老人だった。
 彼は自分のことを『目夜博士』と名乗ると、催眠術を見せると言って、遥を壇上に上げた。
 壇上の遥は彼の言う通りの行動をし、彼の催眠術は、人々を大いに沸かせた。

 その晩からだろうか。
 遥は、夢――見たこともない人物が現れて、自分に幾つもの質問をする――を見るようになったのだという。
 遥自身にも判らぬ何かを質問されるが、夢の中の自分はその答えが判っており、すらすらと答えるのだと。
 その質問の内容が、段々と核心に迫っていくのを感じ、本能的な恐怖を感じているのだそうだ。

 シナリオ絆:錦山 遥にしきやま はるか (関係:肯定的なもの)


レイア・ライドール“嘘吐き”人形  プレイヤー:Nオレンヂ
 【デーモン/アーティファクト】 年齢:10歳(*人鞘の年齢)/性別:女/カヴァー:小学生
「―――私は“嘘吐き人形”…不幸を与えるのが、私の業ですわ」
 一見、小綺麗なアンティークドール。その正体は持ち主を操り、近寄る者に災いを与える呪いの人形。
 しかし、今度の持ち主『片城 心診かたしろ こころみ』は、レイアが何もしない内から両親を事故で亡くしてしまった。
 今まで“持ち主自身を不幸にする”ことがなかった人形の矜持はいたく傷つき、持ち主を護ることを密かに誓う。
 以降、レイアは心診が不幸になりそうと見るや、力ずくで原因を取り除く。「護るわけじゃない」と言い訳しながら。
 …ちなみに自力では動けないため、周囲の人間(主に心診)の身体を操って行動する。
 所持HA:《死に至る病》、《歪曲する真実》、《電光石火》


●PC2(定員1〜2名) 
推奨:ハンター、もしくは探偵などが望ましい。

 死霊課の刑事、長沢遼が持ち込んだのは、ある人間…というより半魔の殺人事件だった。
 京都の山の中で発見されたのは、人界に紛れ込んでいた半魔の死体。
 切り落とされた首が、木の枝の上から吊されていたという。
 切られた首の下には、一枚の短冊がぶら下げられていた。
『我、三百年の眠りより覚め、復讐を果たさん』
 まるで奇怪な“風鈴”のようなその死体を見て、君は思った。
 何かの悪意を持った魔物が動いている、と。

 シナリオ絆:長沢 遼ながさわ りょう (関係:任意)


ミルカ・ヘンシェル獣の数字  プレイヤー:蒼野
 【アーティファクト/フルメタル】 年齢:19歳/性別:女/カヴァー:探偵
「今宵は殺しには良い夜ね―――初めまして、そしてさようなら」
 黒コートを身に着け、布で包んだ大剣を持ち歩く美女。正体は、科学と魔術によって造られた戦闘人間。
 殺戮の欲望と『人間として生きたい』という、相反した気持ちを抱えている。
 今では日常生活を営める程度に落ち着いているものの、タガが外れたらどうなるか判らない…らしい。
 現在は小さな事務所を開いて、探偵の真似事をしている。でも情報収集は不得意。
 戦闘では全長2mの魔剣“トーテンタンツ”を所構わず振り回す過激なレディ。
 所持HA:《剣魂一擲》、《電光石火》、《真理のe》


●PC3(定員1名) 推奨:特になし。

 君の元に、ある事件で知り合った友人の河童、川太郎がやってくる。
 都会が見たい、と言って、“きゅうり”などの夏野菜を土産に山ほど抱えて遊びに来たのだ。
 思い出話に花を咲かせていると、川太郎の里から急報が来る。
 川太郎が不在の間に、何者かが里を襲い、封印されていた秘宝を奪ったのだという。
 君は、川太郎を手伝い、奪われた秘宝を取り戻すことにした。

 シナリオ絆:川太郎 (関係:任意)

六倶呂 冥 むくろ めい屍人形しかばねにんぎょう  プレイヤー:麻那
 【イモータル/デーモン】 年齢:不詳/性別:不明/カヴァー:ハンター
「ボクには元から『命』がないんだ―――屍体だからね♪」
 亡者の屍肉をこね合わせて作ったヒトガタに、邪法で魂を吹き込み生まれた魔物。
 生まれた時の記憶がなく、自分が何者かも知らないまま数百年間さまよい生きてきた。
 今では興味を惹かれれば何にでも首を突っ込む、享楽的で刹那的な魔狩人。
 どんな人間の姿にも変身できるが、普段は20歳前後の中性的な容貌に黒スーツ着用を好む。
 妖艶な仕草と思わせぶりな台詞で、他人をからかい翻弄するのが趣味。
 所持HA:《永劫より》、《滅びの霧》、《悪の華》


ミルカ:冥への絆は、まあ好奇心辺りで。
冥:レイアへの絆は連帯感。人を不幸にする魔物と弄ぶ魔物って、似た者同士だよね(笑)。…そーいえば、レイアからミルカへの絆は?
レイア:どういう態度で接するか確認してから取ろうと思ってまして。追記、レイアはたまにGMのダイス目を呪います(マテ
GM:もうその呪いは脱却した…と思いたい(笑)。それでは、本編に入ります。今回は皆さんから頂いた五題「大型家電量販店」「相撲」「サーカス」「風鈴」「名探偵」「きゅうり」を使用した話になっています。
冥:…六題あるけど?
GM:友人に「お題を集めてくれ」と言ったら、その場のノリで六題にして返してきやがりました。後でそいつには説教しておきます(笑)。
冥:あっはっはっは♪(その御題を決めた内の一人がボクだなんて、言えないなぁ(笑))


 

■オープニングフェイズ■


●シーン1 『世紀の大サーカス団』  シーンプレイヤー:レイア・ライドール

○キノオサーカス/テント内


GM:レイア…と言うより心診は、学校の友人、錦山遥と共にサーカスを見に来ました。近くの家電量販店が夏休み向けの客寄せイベントで駐車場に特設会場を作り、サーカスを呼んだのです。
レイア/心診:「…すごい…人……多い…」
GM/遥:「だって、サーカスを近くで見る機会なんて、そうそうないからね。あ、始まるよ」
レイア/心診:「………」(コクン、と頷く)
GM:程なく、暗いテントの中に明かりがついて、道化師のコミックだの、空中ブランコだの、動物芸だのが繰り広げられ、間近でサーカスを見る興奮に、観衆が沸きあがります。
レイア:『(やっぱり、心診はまだ人混みに抵抗があるみたいですわね。それでも、こうして来るくらいになったようですけど)』
GM/遥:「…大丈夫? やっぱり、見に来るのは嫌だった?」心配そうに聞いてきますが
レイア/心診:「………(ポケー)」視線を釘付けにされながら。「………ううん。…すごい…驚いた…」
GM/遥:「うん、ほんと。サーカスってすごいねえ…」
レイア:『(こういうものは、いつの時代も根底は一緒ですわね)』
GM:と、そんな時です。リングの真ん中に一人の老人が現れ、観客に一礼します。「本日は、我がサーカス団の芸を見ていただきまして、恐悦至極に存じます。私はこのサーカス団の団長。かのエリクソンに催眠術を習った、人呼んで目夜博士と申します。私の芸は催眠術。これより、お客様にご足労いただき、少しばかりの芸を披露させていただきます。では…」
レイア:『(催眠術師…そんな出し物もありましたわねー)』とノンビリ観戦モード。
GM/目夜:さ、と手を上げると、スポットライトが遥に当たります。「そこの可愛らしいお嬢様、どうぞ、こちらへお越しください!」
レイア/心診:「(ビクッ!)」いきなり近くに光が当てられたので驚いて固まる。
GM:遥はきょとん、とした後に「わ、わたし…? …何だか、行かなきゃ駄目みたい。ちょっと行ってくるね」と言って、目夜の方に向かいます。
レイア:『(サクラじゃない…とすると、本物なのかしら?)』言いつつ、まだ危機感ないので観戦モード。
GM:さて、そこからの流れは少し端折りますが、目夜という人物は、サーカス芸人らしい催眠術を披露して、観客を大いに沸かせます。レイアには判りますが、それこそ信じられないほどに腕のいい催眠術師のようですね。
レイア:『(こういう方も、たまにいるものですわね。まあ、昔は本物の魔術師が出てくることもありましたけど)』(ノホホン)
GM:さて…その日はそうして、楽しくサーカスを見て終わるのですが。その週末に、心診の家に遥がやってきます。


○片城家

GM/遥:「心診ちゃん」夏休みの宿題などしながら話しかけてきます。
レイア/心診:「………?」コクンと首を傾げる。
GM/遥:「毎晩、同じ内容なんだけど、違う質問をされる夢を見るの。…これって、なにかおかしいのかな?」少し不安げな顔で相談されます。
レイア/心診:「…夢………怖いの?」
GM/遥:「うーん…怖い…とは少し違うんだけど。鷲鼻で、目つきの鋭い男の人が出てきて、私に質問するだけの夢。でも、私はその内容を知らないはずなのに、ちゃんと答えることができるの」
レイア/心診:「………」よく判らなそうに、かすかに眉を顰める。
GM/遥:「…でね、少しずつだけど、その人の知りたい何かに答えが近づいていっている気がするんだけど、心の中で別な私が『答えちゃ駄目だ』って言っているの。…もし答えたら、どうなるかわからないけど、すごく不安な気持ちで目が覚めるのよ」
レイア:『(…心診じゃ、埒があきませんわね。念のために、詳しく聞いておきましょうかしら)』と、意識乗っ取り。
GM/遥:「…もう一週間くらいになるかな。毎日続いているの」
レイア:『…一週間? その人って、どんな人…?』
GM/遥:「見たことがない人…。鷲鼻で目つきが鋭い、背の高い男の人。外国人みたいに見えたけど、話していたのは日本語…だと思う」
レイア:『(…夢だけじゃ、はっきりしませんけど、一週間前ならあれですわね)………でも、怖い夢はよく見るけど、こうやってギュッてすれば…ちょっとだけ、安心できる…』レイアの身体を抱きしめて。
GM/遥:「…うん」
レイア:『(まあ、念のために、身辺は気を配っておいた方が良いですわね)』
GM:では、絆:錦山遥と[SA:遥の不安を拭い去る]を渡しておきます。
レイア:受領しました。
GM:では、夢について調べるのは次のシーンで。

▼絆/エゴの変化
レイア:
錦山遥に絆/庇護を取得。




●シーン2 『生首風鈴』  シーンプレイヤー:ミルカ・ヘンシェル

○ミルカの事務所


GM/長沢:「時間をとってもらってすまないな。ちょっと見てもらいたいものがあって」と言って、一枚の封筒を取り出します。
ミルカ:「これは?」
GM/長沢:「京都で起きた殺人事件…と言うより、半魔殺しの事件の資料だ」中身は何枚かの写真ですね。木の枝からぶら下げられた生首…という、あまり気持ちのいいものではありません。首から下の部分には短冊がぶら下げられて、奇怪な風鈴のようにも見えますね。
ミルカ:「……いい趣味してるわね」若干顔をしかめて呟いた。
GM/長沢:「…まったくだ。『病院坂の首くくりの家』だな。まるで」
ミルカ:「びょ……なんですって?」残念ながら探偵小説は嗜まれないようです。
GM/長沢:「横溝正史…金田一耕助最後の事件ってやつ。被害者の殺し方が似ていたってだけで深い意味はないが、正直、名探偵にでも解決を依頼したい気分だったんでな。近くに探偵がいたのを思いだした。ぶら下げられた短冊には、こう書いてあった――『我、三百年の眠りより覚め、復讐を果たさん』――どうも、俺たち専門の仕事らしい」
ミルカ:「まあ」口元に浮かぶ笑みを隠そうともしません。
GM/長沢:「そういう笑み、知らない人が見たら引くぞ」慣れたものなのか、そんな様子に顔色ひとつ変えず「まあ、いい。依頼したいのは、この件の調査なんだが…引き受けてもらえるか?」
ミルカ:「断る理由が無いわね」
GM/長沢:「言うと思った。規定の調査量と、実費は払うので、よろしく頼む」そう言うと、長沢は事務所を出て行きます。
ミルカ:「期待しといてちょうだい」
GM:では、絆:長沢遼と、[SA:事件の解決]をプレゼント。
ミルカ:はい、頂きました。絆は……連帯感あたりですかね。
GM:では、調査は次のシーンでお願いします。

▼絆/エゴの変化
ミルカ:
長沢遼に絆/連帯感を取得。



冥:…しかし、本当に往年の怪奇小説っぽい展開だね。この場合、ミルカちゃんが名探偵役かな?(笑)
ミルカ:私が探偵役?(笑)
レイア:探偵役は、ボサボサ頭を掻き毟らないと!(笑)



●シーン3 『消えた秘宝』  シーンプレイヤー:六倶呂冥

○冥の自室


GM:あなたの元に、河童の川太郎が人間に化けてやってきます。
冥:「フンフン♪」ヘッドホンを耳に当てて、何か聞いてる。
GM/川太郎:「よう、久しいな」夏野菜をごっそり詰めた風呂敷包みを持って、田舎もの丸出しでやってきます。
冥:「♪〜一万年と二千年経っても愛して…っと」ヘッドホンを外して振り返る。「川太郎くんじゃないか。狭いところだけど、まぁ上がりなよ」
GM/川太郎:「おう、こいつは里の土産だ、美味いぞ」
冥:土産を受け取りつつ「久しぶりだねぇ。で、今日は何かな?」
GM/川太郎:「なにか、じゃねえよ。都会を案内してくれるっちゅうから、こうして田舎から出てきたんじゃないか」
冥:「あぁ、そうだっけねぇ。何処へ行こうか? ちょっと暑いけど、健全に昼の街を案内しようか? それとも涼しくなってから不健全な遊びに繰り出すかい?」
GM/川太郎:「やっぱし両国国技館じゃろうのう。わしら、里でも相撲の中継だけは欠かさんで見ているからな。本物拝んで帰って、里の奴らに自慢せにゃ」
冥:「なぁるほど。それじゃあ一つ、知り合いからチケットを調達しようか」
GM/川太郎:「待った」(声を落として)「その後は、ぜひ不健全のも…」
冥:「男の子だねぇ、キミも」ころころと鈴を転がすような声で笑う。
GM:と、そんな話をしていた時です。近くの川から「おうい、おうい」と声がする。
冥:「うん? 誰だろう?」
GM/川太郎:「ありゃ、里の甚吉だな。なんぞ急用じゃろうか」見ると、ひょっこり顔だけ出した別の河童が、川太郎に手を振ってますね。
冥:「彼も遊びに来た…ってわけじゃなさそうだねぇ」
GM/甚吉:「大変でよう。急いで来たで、聞いてくんろ」
冥:川縁まで行ってみますか。
GM:行ってみると、甚吉も川べりに近づいてきます。「里の秘宝が盗まれよった。今、全国の仲間に伝えて探してもらっとる最中だに、川太郎も探すのを手伝うだ」 「里の秘宝じゃと?」
冥:「…里の秘宝? 何だいそれ?」
GM/川太郎:「わしも噂しか聞いとらんから深くは知らんが…なんだか『日本中の妖怪たちが河童を信頼して預けたもんだから大事にせい』と族長が言うとった代物じゃて」
冥:「ふぅん。河童の秘宝なら『雨乞いの宝珠』とか『無限の酒壺』かなと思ったけど」
GM/甚吉:「なんでも、人間界に持ち出されたとか言うちょるから、話を聞いてくれる奴らに片っ端から声をかけとるところよ」
冥:「ずいぶん大がかりに探してるんだねぇ。…見つからないと、何か大変なことになるとか?」
GM/川太郎:「まあ、何にせよ、わしだけゆっくりしとるわけにもいかんのう。わしも探すことにするわい。会ったばかりで悪いがよう、そういうわけじゃて、わしも行くわい」
冥:「…行くのはいいけどさ。キミ、この街の地理に詳しかったっけ?」
GM:川太郎が歩き出そうとして、ぴたりと足を止めて「…そういや、わしもこの街初めてじゃった」
冥:「いいよ、ボクも暇だし。秘宝ってのにも興味あるから」さっさと川太郎の横に付きます。
GM/川太郎:「おう、そいつは助かるわい。じゃあ、頼むわ」
冥:「…もし秘宝が“見つからなかったらどうなるのか”、にも興味あるしね…」クスリ、と笑う。
GM:というところで絆:川太郎と[SA:川太郎を助ける]を渡します。

▼絆/エゴの変化
冥:
川太郎に絆/友情を取得。



 

■ミドルフェイズ■


●シーン4 『封印の一族』  シーンプレイヤー:レイア・ライドール  登場難易度:任意

GM:では、遥の現状について、今まで見た感じで判ることがあるかどうか、振ってみてください。〈知識〉がいいかな。
レイア:(ころころ)13です。

>錦山遥の状態 〈知識〉
達成値5:
普段はまったく問題ない…が、眠ると同時に、思考に何らかの影響を与える暗示がかかっている。
達成値8:夢の中での質問で覚えているもの。「心臓はどこにあるのか」「それはどのような状態か」
達成値10:この暗示は、超自然的な力が作用しているものではない。極端に腕のいい催眠術師がかけた最高の暗示である。闇雲にキーワードなどを設定しているのではなく、無防備に内面の欲求が現れる夢に作用して、本人の幸福感を刺激して、暗示をかけるゆえに、解くのは不可能に近い。
達成値12:錦山遥がそれでもなお、その暗示に無意識的に抗しているのは、奇跡に近い。
達成値13:錦山遥は、本人すら知らないが半魔である。かつて強力な悪魔…名前をべリアルという…を封じた一族の末裔―――それが、錦山遥の正体である。


GM:と、ここまでは判ります。
レイア:『(催眠術…まあ、時期的に考えて、奴にほぼ間違いないですわね)』ベリアルって…4人の皇帝の内1体か!? まあ、PLとしては一回会ったことあるけど(笑)。
GM:目夜について調べますか?
レイア:『(目的は、まあ遥様の出自を考えると、ある程度は…確かめておいた方がいいですわね)』ということで、調べますです。
GM:はい。では、〈噂話〉で。
レイア:(ころころ)また13。

>目夜博士 〈情報:噂話〉
達成値5:
催眠術師。キノオサーカス団の団長。
達成値8:経歴などは詳しく知られていないが、腕のいい催眠術師で、日本全国を回りながら公演している。
達成値10:彼はいわゆるオカルト関係にも造詣が深く、各地を回りながら、その土地の伝承などを調べていると聞く。彼が追い求めているのは、ある悪魔の伝説だという。


GM:という経歴ですね。
レイア:『(むう…“ある悪魔”…やはりそうなのかしら。そうならば、放っておくわけには行きませんわね。奴を消せば、術が解けるのなら良いのですけど…。ですが、どちらにせよ私一人では難がありますわね。調べ物をするのにも、不自由する身体ですし…)』ところで、サーカスはまだこの町にいるのですか?
GM:いいえ。ですが、近くの町で公演するスケジュールになっています。子供でも、行けないほど遠くではありません。
レイア:なら、スケジュールを確認して、近くまで行ってみるとしましょう。そこから先は、その時考える(エー
GM:では、そのように。次のシーンへ移りますが、絆等あれば。
レイア:このシーンでは無しですね。



●シーン5 『死者は語れり』  シーンプレイヤー:ミルカ・ヘンシェル  登場難易度:任意

冥:…今の場所はどこだろう?(笑)
GM:ああ、場所はミルカの事務所でしょう。資料から事件の概要を読み取るシーンです。
冥:じゃあ、捜し物の手伝いを頼むという名目で来訪しようかなー。

○ミルカの事務所

GM:事件の資料等から知り得た事実がどの程度あるか、〈情報:警察/魔物〉で判定してみてください。
ミルカ:どちらも無いですね。
GM:では、【社会】ボーナスにダイス目を足してください。
ミルカ:2d6+3…(ころころ)達成値8です。

>京都の死体 〈情報:警察/魔物〉
達成値5:
岩尾喜重郎。人間の顔は新聞記者。京都の地方紙の記者だった。正体は鴉天狗であり、死霊課にも何度か協力した経歴がある。
達成値8:山には小さな社があり、喜重郎はその社を守る役目も帯びていた。社は破壊されており、その中に何があったのか窺い知ることはできない。


GM:達成値8でしたので、一番上の情報が隠れました。今わかるのは、これだけです。
ミルカ:「(期待しといて、なんて言ったものの、さてどうしたものか……)」
冥:では、そこにチャイムを鳴らして登場しよう。ぴんぽーん♪「ルカ? ミルカくん、いないのかな? おーい」
ミルカ:「はい」と玄関のドアを開けます。
冥:「やあ♪」何故か満面の笑顔でそこにいるボク。
ミルカ:「……あら、何? 今はあんまり暇じゃないんだけど」
冥:「おや、そうかい? ちょっとした仕事を頼もうかと思ったんだけどね…」と言いつつ、遠慮なく事務所に上がり込みます(笑)。「さ、川太郎くんもおいでよ」後ろからは変装用の雨合羽を着込んだ彼が(ぉ
ミルカ:呆れたような諦めたような感じで冥を見送りますが、流石にその後の雨合羽には驚きました。
冥:「ふぅ、暑いねぇ…うん? これが今調べてる事件かな?」と机のファイルに手を伸ばし。
GM/川太郎:「お、なんだい、ここは。天井にファン。机に椅子…わかった、探偵事務所とか言うやつだな。松田なんとかがパンツ一丁でうろうろしながら、コーヒー噴出すやつ」
ミルカ:「あー……どなた?」
冥:「当たらずとも遠からずだねー。あ、こちらは河童の川太郎くん。由緒正しい日本の妖怪だよ」
GM/川太郎:「河童の川太郎っちゅうもんじゃ。よろしく頼むわ」
冥:勝手にファイル読みつつ「…へぇ、死霊課ということは“ボクたち好みの事件”か」
GM/川太郎:(勝手に)「…なんじゃい。殺されよったのは魔王尊さんとこの鴉の一人かい」
ミルカ:「……何か知ってるの? えーと、川太郎さん」
GM/川太郎:「うん? 直接知っているわけではないがな。京都一帯を仕切っている天狗の下っ端よ。酷い死に方しよったのう」
冥:「生首の風鈴かぁ…見立ての一種かね、これは? なかなか風情があってイイ趣味じゃないか」
ミルカ:「あなたが言うと洒落になんないわ、それ」
冥:「…よほど、誰かに恨みでも買ったのかな?」情報収集判定やっていいですかね?
GM:まあ、川太郎から詳しい話を引き出せたかどうか、もう一度判定してもらえますか。〈情報:魔物〉でいいです。
冥:〈情報:魔物〉&情報屋で(ころころ)達成値14。
GM:おお。では、先ほど隠れていた情報を。

達成値10:喜重郎は最近、ある人物を追っていた。キノオサーカス団の目夜博士。事件の影のない目夜を追っていた理由は不明だが、かなり真剣な様子だったと聞く。

GM:と、もう一度〈情報:魔物〉で振っていただけますかね。
冥:(ころころ)今度は13。

>岩尾喜重郎の役目 〈情報:魔物〉
達成値5:
岩尾喜重郎の祖先は、日本の妖怪たちが死力を尽くして戦った悪魔に最後の一太刀を浴びせた鴉天狗である。
達成値8:喜重郎の祖先は、共に戦った人間の魔術師から悪魔の左腕を受け取り、子々孫々それを守る使命を帯びることとなった。破壊された社に、その腕が安置されていたという。


GM:と、いうことが判ります。
冥:「…そのサーカス団の博士とやらが、殺された悪魔に関係あるということかな?」
GM/川太郎:「そこまでは判らんわい。わしらも秘宝の件があるしの。…おう、秘宝と言えば、その悪魔の話に、わしらの秘宝も少しばかり関係しているらしいな」
ミルカ:「というか、その悪魔とやらは復活を果たした、ってことなのかしら」
冥:「困ったねぇ……盗まれた河童の秘宝探しより、こっちの事件の方が面白そうだ」割と真剣な顔で。
GM/川太郎:「わしらの秘宝とて、一大事じゃわい」
ミルカ:「あ、そうだ。そもそもあなた達、何の用だったの?」
冥:「秘宝探し、だよ。…ところで川太郎くん。さっき聞き捨てならないことを言わなかったかい?」
GM/川太郎:「おう、秘宝と悪魔の話か?」
冥:「河童の秘宝が、件の悪魔にどう関わってるって?」
GM/川太郎:「うむ、実はな…」ここで、お二人に情報判定。〈情報:魔物〉+情報屋でお願いします。達成値によって、川太郎が話す内容が変わると思ってください。
冥:〈情報:魔物〉&情報屋で(ころころ)達成値12。うぅ、段々ダイス目が低くなる…(笑)。
ミルカ:情報屋なんて持ってないし。(ころころ)達成値11。
GM:ああ、じゃあ、川太郎は正しく伝えてくれます。

>河童の里の秘宝 〈情報:魔物〉
達成値5:
河童の里に伝わる秘宝。瀬戸物の玉であり、里の門外不出品。
達成値8:傷つけることも壊すこともできない不思議な玉であり、中には強力な力を持つ何かが封じられているらしい。
達成値10:中に入っているのは、強力な魔物の心臓らしい。人間と妖怪が協力して倒した大悪魔の体の一部だという。


GM:と、そんなところです。
冥:瀬戸物の玉ねぇ。遥の夢から考えて、中身は心臓かな。
GM/川太郎:「おそらく、社にあったのが左手で、そいつは取り戻されたのじゃろうて」
冥:「…わざわざ分割して封じたということは。全部揃えたら復活するかもね」
GM/川太郎:「だから、わしらもそれぞれの一族が守っておったのよ。あの玉には厳重に封印がかかっておるゆえに、簡単には破れぬと思うが…」
ミルカ:「問題は、復活の具合ね。まさかまだ心臓と左手しか揃ってないなんてことはないでしょうし」
冥:「ミルカは死霊課の依頼で動いてるんだよねぇ? 長沢くんに頼んで、他にも同じような半魔殺し事件が発生してるか調べて貰えるかな? その間に、ボクたちはその妖しげなサーカスへ出向いてみるって事で」口調は冷静ながら、ワクワクとした表情で。
ミルカ:自分もそっちがいいとでも言いたげな目で見るが、仕方ないとばかりに溜息をつく。
GM:では、方針はミルカが殺人事件の調査、冥がサーカスで?
ミルカ:ええ。
冥:え? 長沢の調査は技能判定で済ませて、ボクとミルカでサーカスへ行くと言ったつもりだったんだけど。頼むだけなら電話で充分だし(笑)。
GM:ああ、そういうことですか(笑)。こちらはどっちでも良いのですが…ミルカはどうします?
ミルカ:ああ、ああ。ちょっと取り違えてました。そっちの方がいいです(笑)。
冥:言い回しが紛らわしくて申し訳ない(笑)。
ミルカ:じゃあ、技能判定でしょうか。〈情報:警察〉は無いけど。
冥:技能判定は警察? 魔物?
GM:この場合はどちらでも結構です。
ミルカ:(ころころ)達成値9。振るわないなあ……。
冥:では、〈情報:魔物〉で。(ころころ)達成値13。
GM:では、長沢から連絡が入ります。「例の殺人事件だが、他に殺された半魔はまだいない。あの被害者の死体は左腕以外の胴体が見つからず、捜索中だ。今後も何か判れば連絡する」
冥:「…うん? その鴉天狗、“首と左腕”しか見つかってないのかい? 悪魔の方が、じゃなくて?」
GM/長沢:「ああ。首と左腕だけだ」長沢からの情報はこれだけです。
冥:「…ミルカくん、どう思う?」
ミルカ:「……とりあえず、今はまだ考えても仕方ないんじゃないかしら。一度サーカスに行ってみましょ」
冥:「そうだね。そっちの方がハッキリするか」では、移動しましょうか。
GM:うい。サーカスに移動でよろしいですか?
冥:あ、移動する前に《血脈付与》を使っておきます(笑)。赤い舌で爪を舐め上げると、それぞれ血の色に染まっていく。
GM:はい(笑)。では、絆等の取得があればどうぞ。
冥:絆はミルカに連帯感で。
ミルカ:川太郎には……んー、できなさそう。
GM:では、とりあえず次のシーンへ。

▼絆/エゴの変化
冥:
ミルカに絆/連帯感を取得。



●シーン6 『脅威の催眠術師』  シーンプレイヤー:レイア・ライドール  登場難易度:任意

○キノオサーカス


GM:キノオサーカス団のテント前です。今日も大盛況ですね。
レイア:『さて…こうして来たのはいいのですけど…まず、問題は私のお小遣では入れないという、根源的な問題…』
冥:このシーンは様子見してようかな。FP回復したいし。
GM:どうしたものか悩んでいると、不意に後ろから声をかけられますね。「どうしたのかね、お嬢さん」
レイア:『……私のことですの?』振り向いて、相手を確認。
GM/目夜:「どうも、お嬢さん。本日は来場ありがとうございます。親御さんは一緒ではないのかな?」後ろにいたのは目夜博士本人ですね。
レイア:『…んと…サーカスしてるって聞いたから…来てみたの…。…でも、お小遣い足りなくって…入れなくって…』(コロッ)
GM/目夜:「ははあ、なるほど。では…これは私からのプレゼントだ」チケットをくれますね。「君にこれを進呈しよう。お友達にも、我がサーカス団の素晴らしさを宣伝していただければ、この程度は安いものだ」
レイア:『ありがとう、おじちゃん…』
GM/目夜:「では、楽しんでいってくれたまえよ」言って、テントの中に消えていきますね。
レイア:『(…まずは、あの方が今回も同じ事をするか。今回は、気をつけて見ておかないといけませんわね)』


GM:普通に見るなら演目は前回とさして変わりません。目夜博士の催眠術が今夜も冴え渡っておりますが、それ自体は超常的なものではないようです。
レイア:『(まあ、毎回の演目であれば、そうそうおかしいことばかりではないということですわね。私に抗する手段がないのは変わりありませんけど…)』
GM/目夜:「さて、本日はご来場の方にお手伝い願って、わが最高の芸を披露いたしましょう」スポットライトが…今回は心診にあたります。
レイア:『(………可能性はありましたけど、気付いていたのか、それとも…ここは、受け流すべきかしら? ひとまず断ってみて、それでもと言うなら………心診を危険な目に遭わせたくなかったのですけど…)』ということで、一応断ってみますが?
GM/目夜:「おや、これは恥ずかしがり屋のお嬢さんだ。しかし、何も怖いことなどありませんぞ。さ、皆様拍手でお出迎えを」観客が拍手しますね。
レイア:『(仕方ありませんわね。ですが、ここは確かめるチャンスと思うことにしましょう)』ということで、舞台に上がります。
GM/目夜:「さ、どうぞ。こちらへ」案内して心診に一本のペンを持たせます。「さあ、このペンをお持ちください。右手に」
レイア:とりあえず、今のところは言われるがままにしています。
GM/目夜:「さて…まずはお名前をお聞かせ願えますかな」目夜も同じようなペンを右手に持ちます。
レイア:『………片城………心診…』
GM/目夜:「心診ちゃん。いいお名前だ」言いながら、細かくペンを横に振ります。しばらく、当たり障りのない質問が続きますが…。「…あなたは、今、幸せですか?」急に、質問の内容を変えて、ぴたり、とペンを止めます。
レイア:『…おじいちゃんも…おばあちゃんもいるから…寂しくないよ…』
GM/目夜:「そうですか。しかし、あなたは“その娘”と一緒だから幸せだ。違いますか?」

冥:レイアの正体ばれてるー!?(笑)
ミルカ:まあ、向こうから接触してきた時点で危なげでしたけどね。

GM:さて…一度、〈意志〉で抵抗してください。こちらは目夜のオリジナル技能、〈催眠術〉で判定します。
レイア:それは特殊攻撃扱いですか?
GM:いいえ、攻撃ではありません。ダメージもありませんし。あくまで人間としての技能を使った行動です。
レイア:なら《祭器》は利かないな…。(ころころ)達成値13。
冥:魔力無関係な単なる技能だから、純粋に〈意志〉との対決になるのですね。
GM:目夜の判定は…(ころころ)出目4、あぶな(笑)。合計16でこちらの勝ちです。
冥:失敗するとどうなるのだろう…?
レイア:〈交渉〉なら負けないのに(笑)。
GM/目夜:「その娘が幸せなのは、その娘の周りにいる人間が幸せだからです。そうであれば、あなたは幸せです。おじいちゃんもそうでしょう。おばあちゃんもそうでしょう。…そして、友達も。…錦山遥は、あなたの大切な者の友人ですね?」
レイア:失敗の影響が判らないと、答えにくいですー。べらべら喋ってしまうのかどうなのか(笑)。
GM:質問には素直に答えていただければ。かかってしまった以上は、喋るでしょう。
レイア:了解です。“嘘吐き”だから、普段は『素直に』なんて答えないからねぇ、レイア(苦笑)。
冥:確かに(笑)。
レイア:『はい。…あの方は、私の大切な…大切な心診の友達ですわ』(ホワワーン)
GM/目夜:「彼女はとても不安がっています。彼女が不安がれば、当然、あなたの大切なものも幸福ではなくなります。そうなると、あなたは幸せですか?」
冥:催眠術で深層心理を探って、相手を自分の都合いいように誘導する手口かな。
レイア:『…遥様が不幸なら、心診は不幸ですわ。心診が不幸なら、私は不幸ですわ。だって、心診は私の物で、私は心診の物ですもの』(ホワワーン)
GM/目夜:「では、救っておあげなさい。流れに身を委ねれば全てが終わります。彼女の不安が消えて、また平穏が訪れます。あなたがただ、彼女に一言、『素直に答えなさい』そう言えばいいのです。わかりましたか?」
レイア:『ええ、わかりましたわ。私の大切な心診のために。私の大切な心診の友達のために。私は全てを流れに任せますわ』(ホワワーン)
GM/目夜:「よろしい。あなたは幸せです。そのことを忘れずに」ぱちん、と指を鳴らすと、正気に戻ります。
レイア:どうやら大したことない相手だった、と記憶が改竄されました(笑)。
GM/目夜:「ご協力ありがとうございました。では、このお嬢さんに大きな拍手を!」目夜がそう言うと、何だか判らないうちに拍手に包まれて客席に戻されます。
レイア:『(…思い違いだったようですわね。ただの夢、それだけのことでしたわ)』
GM:では…それ以上は何もせずに帰りますか?
レイア:疑える状態じゃなさそうですからねぇ。帰りましょう。
GM:はい。では…絆があれば聞いておきます。
レイア:目夜に後援者(笑)。
GM:はい(笑)。
レイア:さて、どこかでひっくり返さんと(笑)。キャラ的にはエゴが二つあるとAGPの面で便利(笑)。
冥:ボクもあまりAGP使わないけど…ミルカがダメージディーラーだから、彼女に愛あげるために絆取らないと(笑)。
レイア:これ固定したら大事だよ! 絆なのに人間性減りそうだよ!(一同笑)
GM:確かにね(笑)。
冥:AGPが欲しいなら消去すればいいじゃな〜い(マリー
レイア:気分の問題ですから(笑)
冥:まぁね(笑)。ひとまずFP回復〜。(いっころ)ぐ、1点しか回復しなかった…(笑)。

▼絆/エゴの変化
レイア:
目夜博士に絆/後援者を取得。



レイア:後が楽しみ。正気に戻ったら、確実に『殺スリスト』の最上位に載るだろうからなぁ(笑)。
冥:さて。…どうやったら正気に戻れるんだろう? レイアが遥に“最後の一押し”をしてしまうのは確定っぽいけど(笑)。
レイア:それってSA失敗ィィィィィィッ!? いや、不安は消える、OKOK(マテ
冥:「助ける」じゃなく「不安を拭い去る」だから達成は出来るのか(笑)。



●シーン7 『惑わす者、誑かす者』  シーンプレイヤー:六倶呂冥  登場難易度:任意

○キノオサーカス


ミルカ:んと、時間としてはいつ頃になってるんでしょうか。
GM:そろそろサーカスが終わる頃でしょうか。観客がテントから出てくるくらいですね。
冥:「ショーには間に合わなかったみたいだねぇ。ちょっと残念かな」
ミルカ:「さて、しかし目夜博士を調べるにしても、どうしたものかな……いくら臭いからって、いきなり乗り込むわけにもいかないでしょうしね」
冥:「直接、博士を訪問するのはリスクが大きいかな。とは言え…他の団員に聞いて有効な情報が得られるかどうか。…取りあえず、どうしようかねぇ?」
レイア:一方、テントから出る観客の中に、幸福感に包まれた心診の姿が。『ルララ〜♪』とスキップでもしそうな(笑)。スルーするなら、そのまま退場します(マテ
冥:気付くかどうか【知力】で判定を(笑)。(ころころ)お、13。結構高いな。気付いて声をかけましょう(笑)。「…おや、心診ちゃんじゃないか。キミもサーカスを見に来たのかい?」
レイア:『ル〜ララ〜♪ ハンハハンハン………は?』
ミルカ:「あら、知り合い?」
冥:「まぁね。将来“美味しくなりそう”な子だろう?」笑顔で(笑)。
レイア:『冥様? お久しぶりですわね(はぁと)』
冥:「久しぶりだねぇ。相変わらず“食べたくなるくらい”可愛いなぁ、キミは♪」
レイア:『まあ、冥様ってば♪』
ミルカ:「……ま、いいわ。にしても……なんか、おめでたそうな娘ね」
冥:「…そう言えば。前に遭った時は、もっと大人しい子だったんだけど」
レイア:気付いてー! タスケテー! タ、タスケテー!(笑)
ミルカ:普段を知らないから、これ以上突っ込みようが無い(笑)。
冥:「……キミ、心診ちゃんだよね? レイアは元気?」
レイア:『レイアは私ですわ。今の私は心診ではなくレイアなのですわ♪』
冥:「……ますます変だ。ボクの知ってるレイアは、絶対にこんな陽気な性格じゃないよ。どうしたの? 『不幸の人形』から『幸運の使者』に宗旨替えした?」

GM:幸運の使者か…そうなると今日はGMがクリティカルを連発するだろう…。
ミルカ:あー……目夜博士について情報判定してればよかったのかな。
GM:そうですね。本人に関する情報は二人とも持ってませんね。
冥:それはレイアと情報交換してからやろうかと思って(笑)。ベリアルに関しても調べられるだろうし。
ミルカ:僕もそう思ってたけど、こうなるとちょっともどかしい(笑)。
冥:そうだねぇ。

レイア:『そんなことございませんわ! 私は今、幸せいっぱいなのですわ! ああ、この幸福を分けてさしあげたいですわ! ラヴ&ピース♪』……(ふと我に返り)…待った、私はどこまでやっていいのでしょうか? というか、やりすぎてませんか、今? 落ち着こう。PLまで正気を失ってどうする(深呼吸)。
GM:いや…普通に振舞ってくれても良かったんですが、それだと他のPCに伝わらないんで止めませんでした(笑)。
冥:同じく(笑)。GM、《遠い記憶》使っていいですか? このどう見てもまともじゃないレイアを元に戻す方法が、あるなら知りたい(笑)。
GM:これは、何かのアーツの効果ではありません。『エリクソン式』と呼ばれる幸福感でマインドコントロールをする技術です。普通のマインドコントロールは、宗教的破滅、地獄など死や何かに対する不安でかけるため、非常にかかりやすい反面、解けるのが早いのですが(不安の対象を取り除けば良いので)、エリクソン式は幸福感を引き金にしているので、かかりづらい分、解けにくいのが普通です。通常はそう簡単にかけられませんが、それを短時間で行えるのが目夜博士の腕です。
冥:「“悪魔”をマインドコントロールするとはね…例の博士とやら、大した食わせ者だよ?」楽しそうに話す。
ミルカ:「へぇ……。何か知ってるの?」
冥:で、解除の方法はあるんでしょうか?(笑)
GM:解くのは通常、他の催眠術と方法は変わりません。その対象を取り除くことです。この場合は、『遥が質問に答える→レイアが幸せになる』という命題を否定してしまうことも有効です。
冥:ふむ。とは言え、レイアがどんな条件付けの催眠をかけられたのかボクは知らない(笑)。
GM:それを行っても、レイアは幸せにならない…もしくは、遥の不安は取り除けない、ということを本人に納得させれば良いのです。まあ、催眠の解除法はそんなところで。
冥:うん、方法は了解しました。さて、どーやって言いくるめるか、それが問題だ(笑)。
レイア:言いくるめられる方も問題ですよ。どこまでやればいいのか(笑)。
冥:「催眠をかけたのが博士だとして…レイアを選んだ目的は何だろうね。レイア、キミはこれからどうするんだい?」
レイア:『幸福になりに行くんですの。流れに乗れば、私も、心診も、遥様も幸福になるのですわ♪』
冥:「ふぅん…ひとまず、最寄りの喫茶店にでも移動しようか。ここは目立つ」移動してよろしい? それともシーン切ります?
GM:ああ、いいですよ。登場するのは同じキャラだから、このまま行きましょう。
レイア:『いけませんわ! 私は遥様に伝えねばなりませんの! あ〜れ〜』ズルズル(何
冥:心診の体力じゃ、逆らえないもんなぁ(笑)。


○喫茶店

冥:「…さて。初めて聞く名前だけど、その『遥』ってのは何者かな?」
レイア:『遥様は心診の友達ですわ。今、遥様はとっても不安で不幸なのですわ。だから私は、遥様に『素直にお答えなさい』と伝えねばなりませんの』
冥:「伝えねばならない…そう仕向けたのは博士だよね。遥くんが『何に対して』素直に答えるのかな?」
GM:まあ、『隠せ』とは言っていないので、話しておきたいことは話しておいてくれて構いませんよ。
レイア:『遥様は、不安な夢で、不安に怯えてますのよ! ああ、可哀想な遥様! 今、その不安を取り去って差し上げますわ!』と夢の内容もベラベラと。…気のせいか、この状態のレイアの方が、情報交換がスムーズじゃないのかと思ってしまった(マテ
冥:気のせいではないです、多分(笑)。本来が『嘘吐き人形』だし(笑)。
GM:では、みなさん。レイアの話を聞いて、〈情報:魔物〉で判定していただきたいのですが。
ミルカ:(ころころ)達成値12。
冥:情報屋込みで(ころころ)達成値13。
GM:では…まず、あなた方が追っている大悪魔の話をしなければなりません。

>“悪魔” 〈情報:魔物〉
達成値5:
江戸時代に日本に流れ着き、ある人間と妖怪たちに打たれたという悪魔。名はべリアル。
達成値8:ベリアルは南蛮船に乗り日本に渡来したが、彼の存在に気づいた妖怪たちの攻撃で倒される。…が、どうしても滅ぼすことができず、その五体を引き裂き、最後に人間の力を借りて、それを封印した。
達成値10:ベリアルは今でもまだ生きており、その五体全てが揃ったとき、復活するといわれている。

>錦山遥の一族とベリアル 〈情報:魔物〉
達成値5:
悪魔ベリアルの力を根こそぎ奪い、その封印に成功させたのは、錦山遥の先祖である。
達成値8:彼は、分割した五体の全てをばらばらに封印。それぞれを共に戦った妖怪たちに託した。思考能力を有した頭はある山に塚を作って埋め、要石を置いてその働きを封じ、強烈な破壊の力を振るう左腕は京都の鴉天狗に、ドミネーターとしての全ての力を有した心臓は瀬戸の玉の中に封じて、水底に住む者の王に渡した。
達成値10:心臓には厳重な封印が施してあり、その術の破り方が外に漏れぬよう、自分の心から消し去り、それを己の血の中に封じ、ベリアルの復活は、不可能なものになった。
達成値12:しかし、時代が進んで頭部を埋めた山が開発工事で崩され、要石は崩れ去った。それが、ベリアル復活の原因だと思われる。


GM:と、ここまでは判ります。この情報はこれだけです。
冥:鴉天狗の頭と左腕だけ残したのは、単なる趣味…もとい、意趣返しかな?
GM:ふむ。では、ちょっと〈情報:魔物〉で振ってくれますか。
冥:〈情報:魔物〉&情報屋で(ころころ)達成値13。
ミルカ:平目で(ころころ)こちらも13。
冥:そっちは出目がいいなぁ(笑)。
ミルカ:逆の方がいいのに(笑)。
GM:では、判るのですが…他の場所の封印は破られていません。ベリアルの体の各部分は、妖怪たちが厳重に守っています。
冥:鴉天狗の身体を、間に合わせとして使ってるとか?
GM:そう考えられます。
冥:「…ほぼ、博士の正体は割れた感じだね」ミルカを見て。
ミルカ:「……よーするに、とっとと叩いた方がいいって話でしょ?」
冥:「まずは、御対面の前にレイアの洗脳を解くのが先決かな。少なくとも、今のレイアを遥くんに会わせるわけには行かないからねぇ」
GM:ただ、心臓が戻りさえすれば、他の身体が間に合わせでも大した問題ではなくなるでしょうね。
ミルカ:あ、そういえば心臓の所在が不明だったっけ。
冥:「所在というか、封印の解除方法を遥くんから聞きだそうとしてるんだと思うよ。そのためのダシにレイアを使おうってわけだ。回りくどいけど有効だよね…ボクたちが偶然会わなきゃどうなってたやら」楽しそうに笑う。
ミルカ:「サーカスに行こうって判断が功を奏したワケだ……」
レイア:『ルールールー♪ 幸せのー♪ あっおい鳥ー♪』
冥:「さて、レイア。これからボクらの言うことを聞いてくれるかな。これは遥くんのためでもあるんだけどね」
レイア:『…遥様の?』
冥:「遥くんに夢で質問してるのは、ほぼ間違いなく目夜博士…その実体は大悪魔ベリアルだ。彼は、遥くんから自分の封印を解く方法を聞き出そうとしている。遥くんは無意識の内に“危険を感じて”それに抗っているんだろうね。もしキミが『素直に答えなさい』と薦めて遥くんが従った場合、ベリアルは復活する。そうなったら…遥くんは良くて殺される、悪くすればもっと酷い目に遭うと思うよ。そうしたら……遥くんの友達である心診くんは、“酷く悲しむ”だろうね。レイアは、心診くんを“不幸にしたい”のかな?」

レイア:ところで、私は任意に説得されてよろしいのですか?
GM:ある程度揺さぶられたら、目夜博士の絆で判定してください。成功すれば、目夜博士の絆を任意の別なものに変えて、その呪縛を断ち切ることができます。
レイア:ふむ、了解。
冥:いっそ失敗してエゴに変えた方が説得されそうな気も(笑)。
GM:エゴに変わった場合は盲信とかに変えてもらいます。
レイア:人間性23だから、普通失敗しないんですよ、レイア。
冥:あ、そうなんだ? 13くらいだと思いこんでた(笑)。
GM:あ…本当だ。まあ、ファンブルしたらね。
レイア:アーツの効率悪いんで、マメに上げてたんです。

レイア:『それは…おかしいですわ…。私は幸福なのだから、心診も幸福なのですわ。心診が幸福なのだから、遥様も幸福になるのですわ…』
冥:「レイアが今幸福なのは、どうしてかな?」
レイア:『私は、幸福。…そう、言われたのですわ。…間違いなく、幸福だと…』
冥:「もし心診が不幸になっても…レイアは幸福?」このシナリオ、戦闘よりもレイアの説得がメインじゃないかという気がしてきた(笑)。
GM:まあ…目夜はそれほど強くはありません。設定上。
冥:「キミが“目夜の言う通りに”したら、遥は不幸になる。それを見て心診も不幸になる。その時キミは……幸福かな?」と駄目押しを(笑)。
レイア:『私が幸福なら、心診も幸福…違う、私の幸福は、心診が………心診が幸福でないなら…私は私は私は私私私私わたくしはああああぁァぁぁぁアァアあァァaaaaaa!!?
GM:では、そこで絆チェックを。
レイア:(ころころ)出目は11。高いな、また(笑)。34で成功です。
GM:まあ、問題ないですね。
レイア:無言で立ち上がる。
冥:にこにこと微笑みながら見ている。
GM:では、目夜博士の絆を、任意の別なものに変えてください。
レイア:レイアの本体をテーブルに叩きつける。二度三度繰り返すと、胸元に抱き寄せ、埃を払う。『………ぶっっっっっっっっっっ殺しますわ! あの腐れジジイ!!!』というわけで、執行に変更です。
GM:はい(笑)。
冥:「……“不幸の嘘吐き人形”に戻ったみたいだね。それでこそレイアだ」艶やかに笑む。
ミルカ:「うんうん、意気込み十分ね」何やらしきりに頷いている。
レイア:『………ックックック…いいえ、殺すなんて生やさしい…死より苦しい、不幸を与えて差し上げますわ…フッ…クックックッ…』怒りのあまり、どす黒いオーラが吹き出ています。
冥:「そうだねぇ、ただ死ぬだけなんて生温いよねぇ。この世にはもっともっと“楽しい不幸”が幾らでもあるのに」うんうん、と頷きつつ。
ミルカ:「陰険ねえ……。素直に殺してあげられないのかしら?」
GM:まあ、そんなわけでレイアは正気を取り戻したわけですが…これからどのように?
レイア:周りが止めない限り、レイアは速攻かちこむ気で満々です(笑)。
ミルカ:こいつが止めるはずが無いですね(笑)。
冥:ボクも止めない(笑)。目夜博士の居場所は判りますかね? うっかり逃げられて遥を人質にでもされると厄介だけど。
GM:そうですね…では、〈情報:裏社会〉で判定をば。
ミルカ:(ころころ)達成値12。
レイア:逃がさない! (ころころ)10です。
冥:技能なし、情報屋ありで(ころころ)達成値10。何か、どんどんダイス目が悪くなってるボク…(笑)。
ミルカ:戦闘ではファンブルの嵐かな。
GM:では、10の二人は『目夜は公演が終わると、まっすぐ自宅、もしくはホテルに戻る』と聞きます。12を出したミルカは、『しかし、この日は目夜が宿泊先に戻っていない』という情報を掴みます。
ミルカ:む……。
冥:遥の処に向かった可能性が高いとは思うけど…。
GM:「寄るところがある」と団員には告げていたそうですが、移動した先は不明です。錦山遥の住む町の方に車を走らせて行ったのは目撃されていますよ。
ミルカ:「決まりね」
冥:「そうだね、急ごうか」
レイア:『………クックックッ………』(何
GM:さて…シーンを移動させますが、絆等取得する方はどうぞ。
レイア:冥に借り。で、初期のPC間絆を容赦で取ります。
冥:心診に絆/庇護、目夜に絆/興味で。
ミルカ:レイアに、あー……連帯感で。

▼絆/エゴの変化
レイア:
冥に絆/借り、ミルカに絆/容赦を取得。
ミルカ:レイアに絆/連帯感を取得。
冥:片城心診に絆/庇護、目夜博士に絆/興味を取得。



●シーン8 『悪魔達、集う』  シーンプレイヤー:なし  登場難易度:判定不可

○錦山家/深夜


GM:では、錦山遥の家の近く。登場不可になりますので登場する方は、SAでどうぞ。
冥:…そういえば、二つ目のSAは後で?
GM:後で渡します。
ミルカ:[SA:事件の解決]で。
冥:[SA:川太郎を助ける]で良ければ、それで入ります。
レイア:[SA:遥の不安を拭い去る]使用。

 月も隠れた漆黒の夜―――錦山遥の家に、黒い影が忍び込んだ。
 手に瀬戸物の玉を握ったその人物は…怪人・目夜博士、その人だった。


GM/目夜:「さて…錦山遥。君の不安は解消されます。君は友人に会うのです。そこで、君は決定的な一言を聞く。それこそが、君を不安から解き放ってくれる。…いいですね?」
冥:…《偽りの仮面》で、実は遥と入れ替わっていた、なんてのは有りでしょうか?
GM:ああ…いいですよ(笑)。
冥/偽遥:「…はい…」むくりとベッドから起きあがり。
GM/目夜:「よろしい。君は幸せです」
冥/偽遥:「はい…私…今とっても幸せです…」フラフラと立ち上がって目夜に近づく。
GM/目夜:「…?」

冥:さて、二人とも登場します? それとも不意打ちでバッサリ行きます?(笑)
レイア:そちらの演出が終わってから、悠々と登場します(笑)。
ミルカ:同じく。

冥/偽遥:「…心診ちゃんが言ってました。『質問には素直に答えなさい』って。そうすれば幸せになれるんですよね…?」すぐ目の前に立って。
GM/目夜:「…その通りだ。予定より早いが、あの娘はここに来たようだね」
冥/偽遥:「…えぇ…」にこり、と微笑み。…不意打ちしてもいいかな?(笑)
GM:あー…演出以外でですか?
冥:あぁ、無理ならいいです(笑)。
GM:いや、別に問題ないと言えばないんですがね。どうぞ。
冥/偽遥:「…まだ気付かないかい? 大悪魔の割には巡りが悪いねぇ」ニヤリ、と人の悪い笑みを浮かべる。瘴氣を纏った爪で攻撃、(ころころ)達成値14で。
GM:では、不意打ちなので避けませんが。
冥:ダメージ出していいって事かな? (ころころ)20点〈闇〉ダメージ。ちょっと低いか(笑)。
ミルカ:やっぱり出目よくないですね(笑)。
GM:では、僅かに残った。
冥:実ダメージ入ったらBS[重圧/マヒ]です。すぐシーン変わるだろうから、あんまり意味ないけど(笑)。
GM/目夜:「…何者だ、貴様」飛び退るように一歩引く。
冥:「ボクかい? ボクは“屍人形”……キミの、同類さ」一瞬にして大人の姿に変わる。「悪いけど、遥くんは一足先に安全な場所へ移しておいたよ」さて、二人ともどうぞ(笑)。
GM/目夜:「半魔か…人の技のみを使い、存在を悟られぬようにしていたが…こうも易々と見つけられるとはな。だが、一人で来たのが運の尽きだな。今からでも取り戻せる失態だ」
レイア:『…人形は、とてもとても幸せでした』窓の方、闇夜をバックに。
GM/目夜:「ぬ…!」
レイア:『…自分が何を持って幸福であるか、教えてもらったから。…本当は知っていたそれを、確かに示されたから。…だから、人形は幸せと答えました。…ただ、その人形は、とてもとても嘘吐きだったのです。しばらくぶりでしたわね。あなたが踏みにじったもの、その報いを与えに参りましたわ』
GM/目夜:「…先ほどの、か…ふん…私は嘘をついたのでも、踏みにじったのでもないぞ。そう…ただ方法を示したのみだ」
レイア:『いいえ、踏みにじりましたわ。嘘吐きに真実を語らせるなど、最高に屈辱的ですもの』(クスリ)
GM/目夜:「…お前は、それで幸福だったのだ。わざわざ正気に…いや、自分で考える苦しみの中に戻る必要などはなかったのだ。お前の本体は器物。何も考えず、何もせず、使われる存在。それこそがお前の本質であるのに、な」
レイア:『ですから、あなたごと真実を消し潰しますわ。私は『“嘘吐き”人形』――あなたは本質を見誤っていたのですわ』
ミルカ:「今晩は、目夜博士。殺しには良い夜じゃなくて?」身の丈以上もある異形の魔剣を手に、おもむろに姿を現す。
レイア:さりげなく囲むのは基本だ!(笑)
冥:まるでこっちが悪役のようですな(笑)。
GM/目夜:「ち…もう一人か」ミルカの方を見やる。
ミルカ:「正直、単なる殺しの対象だとしか思ってなかったんだけど……あんたのその物言い、気に食わないわね。モノはモノでね、使われてばかりいるのもイヤなのよ」
GM/目夜:「ほう…気に食わぬか。己の過去が人形であったから、物であったが故の感情か。ふん、つまらぬな。使われてこその幸福というものをこの私が教えてくれようぞ」
ミルカ:「ほざきなさい。あんたは私に殺される、それだけの話よ」……で、私は2mの刃物を室内で振り回すつもりなんでしょーか。
冥:向こうもそれじゃ戦いにくいから、結界でも張るんではないでしょうか(笑)。
レイア:SA使ったくらいだから、既にドミニオン化してるかなとか思ってました。まあ、室内な事実に変わりはありませんが(マテ
GM:ま…深くは考えないでくれれば(笑)。
レイア:まあ、私はコントラバスケース背負って、アウトレイジを室内でぶん回したことありますが(笑)。
ミルカ:よし、じゃあ遠慮なくやりますか(笑)。

GM/目夜:「心の中に歪んだ幸せを抱えているようだな」ミルカを見て「殺すことが好きでたまらない。だが、その刃を振るう相手を選ばない。ならば、相手が私である必要もない。それでも大切な何かのために刃を振るう…そんな道具ではない何かだ、とお前は自分に言えるのか?」
ミルカ:「ええ、私は道具よ。道具として作られた。でも私は、私の自由意志で私を使う。それの何が悪いの?」
GM/目夜:今度は冥を見る。「お前はどうだ。執着した人間のために何かを為す。自分の意味無き生に意味を与えたいがために。お前たちが抱えているものに、私が意味と幸せを与えよう。それができるのは、この私だけだ」
冥:「目夜博士。キミ……一つ、とても大切なことを見落としてるよ」ぽつりと。
GM/目夜:「…?」
冥:「レイアもミルカくんも短気でねぇ……ぶっちゃけ、長話は嫌いなんだ」(きっぱり)
GM/目夜:「…なるほど。では、もう少しシンプルな方法で行くか」目夜の姿が老人から鷲鼻の背筋の伸びた男の姿になります。
冥:「ついでに言うなら、ボクの幸せはボク自身が決める。キミのお仕着せなんて要らないよ」にっこり。
GM/目夜:「では、望み通りにしてやろう」と、そんなところでクライマックスに移行しますが…よろしいですか。
冥:OKです。もう少し葛藤したかった人がいたら、敵の言い分ぶった切る形になってごめんね(笑)。
GM:[SA:ベリアルを倒す]をどうぞ。絆、エゴ等ある方はここで取得を。
ミルカ:あ、目夜にエゴ取ります。破壊で。
冥:もう枠一杯ですー。
レイア:ちときついけど…相手がいないのでパスで。
GM:では、クライマックスへ行きます。

▼絆/エゴの変化
ミルカ:
目夜博士にエゴ/破壊を取得。



 

■クライマックスフェイズ■


●シーン9 『愚者は闇に還る』  PC全員登場

▼ラウンド1


GM:では、まずはエンゲージ。

 現在のエンゲージ:(目夜) (PC)

GM:目夜に接近する場合はマイナーアクションでお願いします。では、セットアップの宣言を。
冥:「さぁて…楽しく殺し合おうか?」《殺戮の宴》使います。
GM:こちらは《絶対先制》を使います。マイナー《魔震》、メジャー《災厄者》で一塊のPCに攻撃。オート《悪魔の左手》《闇の血筋》《爵位》の組み合わせでダメージ増加。(ころころ)大したこと無いか…17。防御判定は〈意志〉でどうぞ。
レイア:《祭器》の魔力回避、(ころころ)達成値12。
冥:(ころころ)惜しい、16。[特徴:失われた過去]の効果で達成値+1します。これで回避(笑)。
ミルカ:(ころころ)達成値8、低ッ。
GM:では、(ころころ)二人に35点の〈闇〉を。
レイア:7点オーバー、魔獣化します。
ミルカ:丁度FPが0。で、魔獣化します。
GM/目夜:「…力は最大事の十分の一ほど…だが。割と効くだろう」
冥:「ふ…ん、その動き、何だか“懐かしい”気がするよ…」
GM:で、目夜の通常行動値は9。それ以上の方はどうぞ。
ミルカ:こちら10です。
レイア:同じく10。先行きますか?
ミルカ:では、マイナーで接近して、魔剣で攻撃します。(ころころ)うわ、低い……12。
GM:(ころころ)おお! …クリティカルで回避…なんだか俺じゃないようだ。ふ…不幸者の呪縛を振り払った! 俺は生まれ変わった! ばんざーい!!(笑) …と、何も無ければ次に行きますけど(おそるおそる)。
冥:振り直させても8以上で回避だからなぁ。ボクは通しで。
レイア:ち、《不幸者》使えばよかった(笑)。まあ、クリティカルしなくても回避ですが。
GM:では、レイアの行動ですな。
冥:さっきのダメージからして、当たれば即魔獣化しそうだね。
レイア:マイナー無し。メジャー《不和の芽》。『さあ、地獄があなたを呼んでいますわよ?』(ころころ)達成値22、回避は〈交渉〉です。
GM:(ころころ)達成値19、無理か。
レイア:交渉の方が高いのか…。まあ、こちらの固定値が高いから問題ないですが。(ころころ)29点の〈闇〉です。
冥:口車の上手いキャラでしたからねぇ。〈交渉〉は高いでしょう。

 人形の一睨みで、爆散する目夜博士の身体。
 その後から現れたのは―――角と翼を持つ、いわゆる悪魔らしい姿をした悪魔。
 しかし、全ての肉体を取り戻していないためか、頭部と左腕以外は薄ぼやけた『影』になっていた。


GM/目夜→ベリアル:「…ふん…ここまではよくやった、と褒めてやろう。だが、これ以上は好きにさせぬぞ」魔獣化、HA《超魔の命》に8点入れて復活します。
冥:「口の達者な奴は、力ずくで黙らせるに限るね」絆6つ固定、AGP6点を全部ミルカに渡す。で、次はボクの番と。マイナーで接近、メジャーでさっきと同じく爪攻撃。(ころころ)達成値16。
GM:うむ…では、その一撃をHA《死に至る病》でファンブルにしましょう。
冥:おっと、それは仕方ないね。通しで。
GM/ベリアル:「何も不幸者でなくとも、運命は操れるものだ…」(にやり)では、ベリアルの行動。近づいてきた二人に先ほどと同じ一撃を食らわせましょう。(ころころ)目が良いなあ…達成値22か。
冥:(ころころ)残念、当たり。ミルカ、《攻防一体》使う?
GM:何か使わないと…食らうと死ぬでしょうね。復活系HAはないし。
冥:ボクは魔獣化してないから平気だけど、行動したからカバーリングは出来ないんだ。
ミルカ:《攻防一体》でも死ぬんだな、これが。
レイア:《攻防一体》は勝利時に相手の攻撃を無効化するので、勝てば生き残れますよ。
冥:クリティカルしなかったら、HA《電光石火》があるでしょ。
ミルカ:あ、《電光石火》があったっけ。では《攻防一体》使います。(ころころ)…12。AGP1点消費してHA《電光石火》使います。
GM:では、喰らうはずだった一撃を、ミルカの一撃が押し返します。こちらは回避できません。
冥:それに《剣魂一擲》重ねますか? 相手は今、170点ほどFPあるはずなんで。
レイア:私からAGP2点渡します。
ミルカ:じゃあ、罪2点を足して、残り9点使います。(ざららーっ)107点の〈魔〉です。
GM:結構痛い。ベリアルの体のシルエットの部分が削り飛ばされていきますが、まだ立っていますね。

 現在のエンゲージ:(ベリアル・ミルカ・冥) (レイア)


▼ラウンド2

GM/ベリアル:「さて…半魔たちよ…最後の足掻きは終わったようだな」セットアップで《絶対先制》を発動します。
レイア:目夜の絆を消去。AGP2点取得。アーツは《封印解除》を宣言。
GM:メジャー《悪魔の爪》で、まだ元気な冥を攻撃。《悪魔の左手》《爵位》《闇の血筋》でダメージ増加。
冥:ほほー、どうぞ。
GM:(ころころ)達成値22で当たりかけです。
冥:(ころころ)無理か、命中。
GM:では、ダメージを(ころころ)44点の〈闇〉です。
冥:おっと、でかいなぁ。[かりそめの死]で欲望のエゴを固定。HA《滅びの霧》! 通す?
GM:通しますね。
冥:「アハハハはハハハハハハハぁァ!!」身体がバラバラに弾け飛び、千切れた四肢や臓物、あばら骨が凶器となって四方八方から襲いかかる! マイナーで《砕く爪》、メジャーで自動クリティカル攻撃!
GM:(ころころ)惜しい、クリティカルせず。
冥:(ころころ)40点〈魔〉属性で。
GM/ベリアル:「ぬう!?」ああ、大分花畑が見えてきた感じ。
冥:んで、バラバラ死体になってベリアルに絡みつく(笑)。
GM/ベリアル:「…厄介な技を…」で、次の人の行動で?
ミルカ:僕ですか。
レイア:ウチの火力じゃ、出目が良くないと倒せなさそうですな。
ミルカ:では、マイナーで《魔撃》使って、メジャーで攻撃。(ころころ)達成値16。
GM:(ころころ)達成値12。奇跡は起きなかったか…。
ミルカ:(ころころ)25点の〈闇〉で。
GM/ベリアル:「馬鹿な…私の計画は完璧だった…私の技術も、だ…何故、こうなる…?」25点…2点オーバー。ミルカの一撃で、ベリアルは頭から真っ二つにされます。
冥:「それに対するボクの答えは一つさ。……ただ単に運が悪かったんだよ、キミは」ぐちゅるぐちょべちょり、と素敵な音を立ててバラバラ死体が組み上がり、元の姿に戻る。「ボクたちが偶然サーカスでレイアと遭わなければ、君の計画とやらは露見しなかった。もっとも…“不幸をもたらす嘘吐き人形”に出遭った時点で、キミの運命は決まってたのかもしれないけどねぇ?」クスクスと哂う。
レイア:『完璧な計画、完璧な技術…先ほど言った通り、あなたは見誤っていたのですわ。そのような完璧さをもつ者は、そもそも封印などされませんもの。あなたには嘲弄を持って、地獄への送りとしますわ』三日月のように、嗤う。
GM/ベリアル:「…冗談ではない…この私が…」最後の方は聞き取れません。そのまま、消えていきます。後に残ったのは、瀬戸物の玉だけです。
冥:「…さて、この玉は回収させてもらうよ?」
ミルカ:「ええ、どうぞお好きに」
冥:「河童くんたちに元通り、厳重に保管してもらっとかないとね…」
GM:そんなこんなで、何も無ければシーンを切りますが…。
一同:どうぞー。


レイア:ところで、レイアは術にかかっていた時の記憶はあるのでしょうか?
GM:あると思いますよ。
レイア:…って、あった上でロールプレイしたじゃん、自分(笑)。世間的に、目夜博士の存在はどうなるんですかね?
GM:謎の失踪、とかになるのではないかと。
レイア:《歪曲する真実》で、存在の記憶消せます?
GM:警察に報告すれば、情報処理課が適当な事件にすり替えると思いますが…HAを使いたいなら、どうぞ。
レイア:まあ、シーン切るならできなくてもいいか。《歪曲する真実》で、遥の夢の内容の記憶を改竄できますか? 悪夢は見たけど、詳しい内容は全く覚えてないって感じに。
GM:できますよ。
レイア:では、そっちで。封印のことを考えると、こっちの方がいいや。本当は、ハッピーな自分の姿を冥とミルカの二人から消したいだろうけど(笑)。
ミルカ:《悪の華》も使うとか。
冥:あははー、ボクがあんな楽しい事件を忘れさせると思うのかな?(笑)


 

■エンディングフェイズ■


●シーン10 『殺戮の名探偵』  ミルカ・ヘンシェルED

○ミルカの事務所


GM/長沢:「…解決したみたいだな」長沢が報告を聞きにきたところですね。
ミルカ:「なんとか、ね」
GM/長沢:「しかし…催眠術を操る目夜博士、ね。横溝正史じゃなく江戸川乱歩だな、こりゃ。とにかく、ご苦労様。報酬はいつも通り、月末には振り込んでおく」
ミルカ:「ええ、よろしく」
GM/長沢:「…ところで」
ミルカ:「え?」
GM/長沢:「別な事件もあるんだが、忙しいか?」
ミルカ:「まさか。もし忙しくても、今暇になった」と言って、例の笑みを浮かべる。
GM/長沢:「そうか。頼りにしてるぜ、“名探偵”」こちらも、同じ笑みで返します。そうして、ミルカは自分の日常に返ります…というところで。



●シーン11 『屍は騒乱を望む』  六倶呂冥ED

○駅のホーム


GM/川太郎:「世話になったのう」
冥:「いいや? ボクも面白かったし。…しかし何だね。結局、街の案内はできなかったけど」
GM/川太郎:「まあ…それは仕方ない。だが、それ以上に心残りがひとつあってな」
冥:「うん? 何かな」
レイア:不健全な遊びとか(笑)。
GM/川太郎:「お前さんとは、まだ一番、勝負をしていない…河童の趣味みたいなもんだ」回しを掴むような動作をして見せる。
冥:「……ンフフ…本当にかぁわいいねぇ、キミは。食べちゃいたいよ…」小さな舌が紅い唇をぺろり、と舐める。ゾクリとするような淫靡な仕草で。
GM/川太郎:「…食べるのはきゅうりだけにしておけ」玉を取り出して「こいつは確かに受け取った。厳重に封印しなおすわい」
冥:「うん、そっちは任せたよ」(けろっ)
GM:列車がホームにやってきます。「では、な」
冥:「それじゃ、また」
GM/川太郎:「今度は不健全な遊びに連れて行けよ」言った瞬間にドアが閉まります。
冥:それには答えずに、にこにこ笑いながら見送る。
GM:列車はホームを出て、小さくなっていきます。また、夏には抱えきれないほどの野菜を持って、川太郎が来るでしょう。
冥:「また会おう……次も、面白い事件を期待してるよ…」クスクスと笑って踵を返す。



●シーン12 『幸福な不幸の人形』  レイア・ライドールED

○錦山家/早朝


GM:レイアのEDは…事件の直後の方がいいでしょうか。
レイア:HA《歪曲する真実》で、遥の夢の内容を改竄。その後、遥と話したいですね。
GM:はい。では《歪曲する真実》を使った後に、遥が目を覚まします。

GM/遥:「…あれ…?」
レイア:『………おはよう…』
GM/遥:「え…心診ちゃん?」
レイア:『…うん』
GM/遥:「どうして、心診ちゃんがここに?」
レイア:『…変な夢を見るからって、お泊りに来てたんだよ?』覚えてないの? って感じに首を傾げる。
GM/遥:「…え、ああ、そうか。そうだったね」素直に納得します。
レイア:『………今夜も、怖い夢見た?』
GM/遥:「ん…ううん。見た気はするけど…どんな夢かは思い出せない。心診ちゃんと一緒だったからかな?」
レイア:『………怖い夢は、よく見るよ。…でも、夢は夢』そっと手を握って。『…こうすれば、幸せだって感じられるから、怖くないよ』
GM/遥:「うん…そうだね」微笑んで、その手を強く握ります。
レイア:ね? って感じで首を傾げる。やりたいことはやりました。SA1個目達成(笑)。
GM/遥:「うん、怖くない!」元気にそう言って、明るく笑います。確認するように。
レイア:こちらも、強く握り返す。思いが、伝わるように、と。
GM:そうして、レイア…ひいては心診は、幸せというものを感じることができたかもしれません。誰かが押し付けたものではない、自分で守り抜いたものです。


 ――――かくして、悪魔たちの遊戯はひとまず終わる。
 血と殺戮と呪詛に塗れた彼女たちの、ささやかな『幸せ』――その源が、エゴか絆かはどうでも良い。
 三人にとって、それは大悪魔の野望ごときよりも遙かに強く大切だった…ただそれだけのことなのだから。




THE END


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