第52話
女王の教室

●今回予告●

子供のころ、大好きな先生がいた。

とても優しかった。とても厳しかった。…とても、生徒思いだった。

今はもう、その先生のことを思い出せない。
あんなに好きだったのに、どうしても先生のことを具体的に思い出せない。

先生に数え切れないほどの恩を受け、最後には大きな迷惑をかけた。
そのことを思うだけで、胸が痛くなる。



……最後?

Beast Bind New Testament
『女王の教室』

汝、喪くした過去を取り戻さん。



オープニング ミドル クライマックス エンディング

■プレセッション■


GM(R−3):こんばんは。
麻那:こんばんは。すみません、ちょっと遅れました。
一同:(既に来ていた)こんばんは〜。
M2O:セッションに遅れたもの、倒すべからず。伊達にして返すべし。こんばんわ〜(笑)。
麻那:…すみません、激しく意味不明です(笑)。それはともかく、お久しぶりでした。
M2O:お久しぶりです〜。
GM:…左右の頬に三本ずつ傷を入れる男塾名物?
M2O:違うっす。シグ○イっす。
阿修羅猫:…じぇんじぇんわかんない…。
GM:さて、メンバーが集まりましたので、まずはルール等の変更から説明します。絆/エゴの取得は基本的に自由に行ってくれて構いません。内容の変更に関しても同様です。登場判定も、こちらで却下しない限り、判定なしで出ていただいて結構です。
一同:了解です。
GM:…今回は「ヘドリアン女王」を使ったので、Cervaさんが挑戦した残り二つのお題「マッチョ」「ニューヒーロー」も消化する方向で組んだ話になっております。
麻那→壱生:例の三題噺ですね。今回は特撮系(笑)。
M2O→討魔:わからない…(汗)。
阿修羅猫→蘭:おなじく(汗)。
GM:雑談所でもらった御題を組み込んだシナリオ、という意味です。前もって言っておくのはそのくらいですので、ハンドアウト順に自己紹介をどうぞ。PC間の絆もハンドアウト順でお願いします。


●PC1(定員1名) 推奨:学生キャラ。

 曽我街子は、小学生時代の担任教師の名前だ。
 顔が女優の曽我町子に似ていたため、他のクラスの子供たちは、先生を「ヘドリアン女王」、君のクラスを「女王の教室」などと言っていたことを覚えている。
 しかし、君のクラスの人間は、誰一人として先生の悪口を言ったことはなかった。
 厳しいが、本当は優しくて、分け隔てなく生徒たちを愛する教師だと知っていたからだ。
 だが…なぜか、先生のことを考えると、どんな恩を受けたのか、具体的なことを何一つ思い出せないのだ。
 漠然と素晴らしい教師であったことを思い出し、次いで、自分が先生に何か途轍もない…取り返しのつかない迷惑をかけてしまった気がしてならなくなる。

 その日、君は同窓会に出席していた。
『女王の教室』の面々が一堂に会する。先生にだって再会できるだろう。
 きっと、忘れていた何かだって、思い出せるはずだ…。

 シナリオエゴ:曽我 街子そが まちこ (関係:忘却)


四方堂 討魔しほうどう とうま極聖刀・数珠丸恒次  プレイヤー:M2O
 【アーティファクト/アーティファクト】 年齢:17歳/性別:男(?)/カヴァー:高校生
「―――天魔覆滅、輪廻の内から消えるがいい!!」
 山の手のボンボン学園に通う、正真正銘のボンボン。そして極度の猫萌え。
 パッと見はどこにでもいる、ロン毛のオタク少年。眼鏡を取ると女顔の超美形。
 霊刀・数珠丸恒次を姉から押しつけられ…もとい、受け継いで半魔の世界に足を踏み入れた。
 一見気弱で、霊刀を担う者としての使命を重荷に感じているようだが、正義感はかなり強い。
 実は両性具有者。エロゲーが趣味だからなのかどうなのか、時折えっちぃ言動に走る。
 所持HA:《剣魂一擲》、《電光石火》、《ヴォイド》


●PC2(定員1名) 
推奨:学生キャラ。

 君の友人(先輩か後輩であってもよい)、迫水真一が二、三日前から行方不明になっている。
 彼は自分の小学校の同窓会がある、と楽しそうに君に話していたのを覚えている。
 かつての仲間と、なによりも多大な恩を受けた先生に会う、というのだ。
 その彼が、「同窓会に行く」と言って出かけた直後から、姿を消した。
 自発的に姿を消すような人間ではない。
 だとすれば、何かの事件にでも巻き込まれたのだろうか。

 シナリオ絆:迫水 真一さこみず しんいち (関係:友情、連帯感など)


李 蘭リィ ラン熊猫女仙人・ラン  プレイヤー:阿修羅猫
 【ビースト/イレギュラー】 年齢:外見14〜5歳(約300歳)/性別:女/カヴァー:高校生
「―――ゲスに名乗る名はない! とぉっ!(ぐしゃ)…いひゃぃ…」
 中国から来た留学生。小柄だが、全身からパワーみなぎる元気美少女。
 正体は、300年ほど昔に中国奥地のパンダが仙化した仙熊猫。仙界を狙う組織を探すため、人界へ派遣された。
 …はずなのだが、当人はすっかり任務を忘れ、学生生活を謳歌している。
 事件の時には紅い覆面とチャイナ服で、ロ○・ストール風の決め台詞と共に現れる。
 いちおう任務遂行のため、他の半魔達には正体を隠している……つもりらしい。
 所持HA:《獣の生命》、《神獣撃》、《歩く影法師》


●PC3(定員1名) 推奨:ハンター、もしくは探偵などが望ましい。

 死霊課の長沢遼が渋面で君の前に現れた。
 事件の調査依頼だ。
「マリー・セレスト号か、ハーメルンの笛吹きか。今度の事件はそういう部類だ」
 長沢が言うには、今回の事件は『人間消失』なのだと言う。

 シナリオ絆:長沢 遼ながさわ りょう (関係:仕事)

鉄 壱生くろがね いっせい ―――  プレイヤー:麻那
 【エトランゼ/フルメタル】 年齢:26歳/性別:男/カヴァー:研究者
「―――うぅっ、どうして僕ばっかりこんな目に…」
 メルキゼデクの研究開発部門に所属する研究者。見るからに気弱な、機械いじりだけが取り柄の青年。
 高額報酬に釣られてMMMの引き抜きに応じたものの、入ってみれば恐怖と後悔の毎日だった。
 しかしある日、研究施設が魔物に襲撃され、巻き込まれた壱生も瀕死の重傷を負う。
 そんな彼を救ったのは、施設で保管されていたオーパーツ――未来から来た超AI、『Chronos00666』
 命の見返りは『破滅に向かう地球の歴史を修正すること』。かくして、壱生の危険な二重生活が始まった…。
 所持HA:《無限の法則》、《真理のe》、《ヴォイド》


討魔:討魔から蘭へは絆/興味。
蘭:蘭から壱生は絆/好奇心で。
壱生:四方堂くんへの絆は知己で。それと設定上、壱生は他の半魔にも正体を秘密にしてますので悪しからず。
蘭:同じく蘭も設定上半魔であることを秘密にしています。
壱生:蘭さんは壱生に対して好奇心を持ってるようですが、人間の姿の方と知り合いにします? それとも、変身後の方?
蘭:たぶん人間。MMMは蘭にとっても監視対称だと思うので、その過程で面白そうと思ったんだと。
壱生:はぁ。ちなみに、MMMってのも秘密ですよ(笑)。表向きは、あくまで『メルキゼデク・ジャパンの一研究員』なので(笑)。
蘭:メルキゼデク自体が監視対象かな? ちゃんと任務してるじゃんこの子。
GM:あ、壱生のハンドアウトはキャラの立場上、少し形が変わりますので。
壱生:わかりました。
GM:それでは、本編へと入らせていただきます。


 

■オープニングフェイズ■


●シーン1 『女王の教室』  シーンプレイヤー:四方堂討魔

○想い出の小学校


GM:あなたには、小学校五年生から六年生にかけて、とても世話になった先生がいます。
討魔:ういっす。
GM:名前は曽我街子。女優の曽我町子そっくりだったせいで、みんなからは『ヘドリアン女王』、君たちのクラスは『女王の教室』などと言われておりましたが、君たちにとっては厳しくとも優しい、良い先生でした。
討魔:ほうほう。
GM:ですが、先生のことを深く思い出そうとすると、頭に霞がかかったようになり、詳しく思い出せなくなってしまいます。そして、思い出そうとするたびに、胸が締め付けられるような気分を味わい、その原因が判らないことを気にしていました。
討魔:先生との別れ、卒業式に居たのかどうか…それすらも怪しいと。
GM:そうですね。そんな時です。その小学六年生の頃のメンバーが、卒業した小学校に集まって同窓会を開く話になり、今、その懐かしい学校に来ているところです。記憶に霞がかかっているにも関わらず、学校は昔のままのような気がします。
討魔:「うわぁ……ひさしぶりだなぁ。でも……なんだかあの頃のままのような…」
GM/迫水:「よう! 久しぶりだな、討魔」友人たちが集まっている中で、君の友達だった迫水真一が声をかけてきます。
討魔:「迫水……お前…でかくなったな」
GM/迫水:「お前だって…あれ、お前、なんか逆に線が細くなったな?」
討魔:「僕の事は良いんだよ。ほっとけ」体を庇う様にして。
GM/迫水:「? …まあ、いいや。ところで、先生はまだ来てないんだな」会場を見回すようにして言います。
討魔:「そうみたいだな。……先生、美人だったからなぁ。いっそう綺麗になってるかも」
GM/迫水:「…なあ、討魔」
討魔:「なんだ。迫水」
GM/迫水:「お前、先生のこと、よく覚えているか?」
討魔:「美人で、よくお世話になったことは覚えてる。……特に僕は色々とあったから……」
GM/迫水:「俺もな、先生にはいろいろ世話になった…気がする。でも、詳しく思い出せないんだ。大切だったものが抜け落ちているような気がする」
討魔:「うん。僕も……最後の方が曖昧なんだ」
GM/迫水:「先生に会えば、何かを思い出す…そう思って来てみたんだがな…」と、そんな話をしていた時です。会場の方に何とも言えない焦げ臭いにおいと、煙が流れてきます。
討魔:「? ……なんだ? この匂いは……火事?」
GM:そうですね。討魔がそう言ったとき、誰かが、「火事だ!」と叫びます。迫水は「やべえ…とりあえず避難だ!」と。
討魔:「……僕は火元の方を見てくる! …迫水はみんなを外に誘導してくれ!!」
GM/迫水:「あ…おい!」とめてない(笑)。


○学校の廊下

GM:さて、討魔が廊下に出ると、校舎が火に包まれています。
討魔:「何でだ? ……こんなに火の回りが速いなんて…」
GM:その炎に奇妙な既視感と、言い知れない不安を感じます。
討魔:「くっ……なんで、こんなに怖い」数珠丸の入った竹刀袋を握り締め。
GM:そして、廊下の先に、見たことのある人影があります。そこに立った一人の中年女性。それは曽我街子先生ですね。
討魔:「先生? ……曽我先生ですか!! 早く逃げてください!!」
GM:君と曽我先生の間には、二人の少年がいます。彼らは腰を抜かして動けないようです。曽我先生は、その子供の傍に行こうとするのですが…天井が崩れると同時に、曽我先生と子供の姿は廊下の向こうに消えます。
討魔:「先生!! 待ってください!! 先生!!」追おうとします。
GM:崩れた瓦礫に、討魔の進行方向が閉ざされてしまいます。
討魔:「くそっ……何がどうなっているんだ!」炎で服が所々燃えはじめます。「一旦……外に行かなくちゃ…」火を消しながら外に出ます。
GM:そうした時に、目の前の光景がふ、と消えて、また元の学校に戻ります。しかし、君の服は焦げたままですが。
討魔:「何?!! ………何がどうなってる? ……火事じゃ…いや、みんなは!! 迫水!! 居るのか!!」辺りに呼びかけます。
GM/迫水:「お、おう! …外だ! こっちも大変だぜ…学校から出られない!」
討魔:「何? ……出られないって……?」迫水の所に行きます。
GM:迫水が指差す先…校門の外は真っ暗な空間になっており、その先が見えません。見慣れた町の景色が全て消え去っています。
討魔:「何が……どうなってる? …他のみんなは?!」同級生を探します。
GM:他のみんなも校庭で呆然としています。
討魔:「くそっ……何をしろって言うんだ」数珠丸を握り締めます。
GM:さて…ここでSAを渡しておきましょう。[SA:曽我先生と話す]、エゴ:曽我街子/忘却を。
討魔:うぃっす〜。

▼絆/エゴの変化
討魔:
曽我街子にエゴ/忘却を取得。



討魔:ぬぅ…どうやって数珠丸抜こう(笑)。
GM:数珠丸って、三好家の宝刀でしたっけ? なんか四国か紀州辺りの話だった気が。
討魔:天下五剣で検索をかけるといいっす。
GM:天下五剣なんだけど、長曾加部か三好かどっちだったかな、と。
討魔:鎌倉時代の京都の名工らしい。



●シーン2 『消えた先輩』  シーンプレイヤー:李蘭

○高校の教室


GM:あなたの友人、迫水真一は小学校の同窓会に行くのを楽しみにしていました。なんでも、とても世話になった人に会う…とかいうことで、君にもそれを嬉しそうに話していました。
蘭:「先輩今頃、楽しんでるかな?」思い返して。
GM:彼が同窓会に出席したのが日曜日のこと。そうして週明けの月曜日ですね。彼は学校に来ていません。それどころか、彼が行方を眩ましたということで、学校内はその話で持ちきりです。
蘭:「げつよ〜び〜♪ …まじ? なんで?」話を聞いて首かしげ。
GM/友人:「マジだそうだ。消えたのは迫水だけじゃないって話だぜ。その同窓会に参加しようと家を出た人間が、丸ごと消えたらしい」
蘭:「〜そんな馬鹿な〜木村も冗談好きだね〜」からかいつつ、何となくヤな予感が。また勝手に命名、木村。
GM/木村:「あの学校、曰くつきだからな。何かあったのかもしれねえって噂だぜ」
蘭:「曰くつき?? あたしは聞いたことないけど??」
GM/木村:「? ああ、留学生が知るわけないか。あの学校な、三年か四年前に…」と言ったところで先生が入ってきます。「ほら、もう授業が始まっているぞ。席に着け」
蘭:「うい〜〜」
GM:そう言って席に着くわけですが、先ほどの話が気になって仕方がありません。嫌な予感がします。
蘭:「なんとか…調べてみるかな…」
GM:[SA:迫水真一を探す]、絆:迫水真一を渡しましょう。
蘭:了解です。迫水先輩に友情で。

▼絆/エゴの変化
蘭:
迫水真一に絆/友情を取得。




●シーン3 『事件への誘い』  シーンプレイヤー:鉄壱生

○警察署


GM:あなたがいるのは取調室です。
壱生:「……で、僕はどうしてこんな所に呼び出されたんでしょうか?」どよ〜〜ん、と暗い表情で。
GM:あなたはある魔物が起こした事件を不本意ながら解決して…逃げようとしたところをとっ捕まり、挙動不審だったためにここに連れてこられました(笑)。先ほどまで苦虫を噛み潰したような刑事が相手をしていましたが、今度はそれよりは幾分やわらかめに見える男…長沢遼という名前の刑事が入ってきます。
壱生:死んだ魚のような目で見上げます。
GM/長沢:「えーと、鉄さんね。メルキセデクにお勤めで。給料いいでしょう?」
壱生:「誤解ですよぉ……僕はなんにも知らないんですぅ…」と何度も繰り返しただろう台詞を力なく呟きます(笑)。
GM/長沢:「ああ…まあ、先ほどの件ならもういいです。私がこれから聞くのは別件でして」長沢はある資料を取り出しますね。
壱生:「はあ……?」
GM/長沢:「こいつに見覚えは?」写真には何か、赤く輝く石のような物が写っています。
壱生:覗き込んで。「…何です、これ??」見覚えありますか?
GM:ありません。
壱生:「…知りませんけど…」首を横に振る。
GM/長沢:「…四年ほど前の話です。メルキセデクの工場から出てきたトラックが、何者かに襲撃される事件がありまして。積荷がそれですよ。研究中の何かだったようですが、もしかしたら…と思って聞いたんですがね」本当に知らないようなので、写真をしまいます。その資料の一番上に、今朝の新聞の切抜きが載っています。『人間消失!?』とか言う見出しが躍っていますね
壱生:「うちの会社絡みですか…だけど、うちほど規模が大きいと僕のようなぺーぺーには判らないことの方が多いので…」ちらり、と記事の見出しには目を向けるけど、特に何も言わない。
GM/長沢:「そうですか。さて…ここから先の話は記録に取りませんので、楽に聞いていただいて結構です。尋問でもありませんので、自分に不利になることは発言しなくても結構です」
壱生:「……その台詞で、本当に気を楽にする人っていらっしゃるんですか?」苦笑しつつ。
GM/長沢:「いないでしょうな」
壱生:「ははは…」ひきつり笑い。内心では警戒警報が鳴り響く(笑)。「(この人…もしかすると、さっきの強面の刑事さんより怖いかも…)」
GM/長沢:「あなたの会社には、表向きにできない研究をしている部署がある。あなたは、そこに関係がない…ということにしておくことはできます。が…あなたが現在研究している内容などから、ここにある資料を読み解いてもらいたい…少し、我々に協力していただきたいのですよ」
壱生:「は、はぁ…会社の機密に関わることは一切話せませんけど?」冷や汗流しつつ。
GM/長沢:「構いません。先ほども言った通り、不利になることは発言していただかなくて結構です」
壱生:で、どんな資料でしょうか。

 資料の内容は、メルキセデクの社内で研究されていた『炎の悪魔』に関しての物だった。
 写真の石は、その体の一部らしい。以前、それを輸送していたトラックが襲撃されて、小学校の近くで消えた。
 そして今、その小学校に集まった人間たちが…正確には“集まる予定だった人間たち”が一時に消失した。


GM/長沢:「まるでマリー・セレスト号かハーメルンの笛吹きですな。その事件が直接、失われた『火の悪魔』なるものに関わるかどうかは判りかねますが」
壱生:「メルキゼデクの輸送車両を襲撃って…いったい誰が?」
GM/長沢:「フリーランスのハンターだったそうですがね。その男は事件の直後から行方不明です」
壱生:「その襲撃犯の方が、怪しいんじゃないですか? ただの市民を消し去ったところで、会社にメリットがあるとは思えない」
GM/長沢:「襲撃犯はホセ・ラモスというハンターだと言われています。その男は金を稼ぐために危ない橋を渡っていましたが、その男にも市民を消すメリットがない。…だから、可能性がもうひとつ。その『火の悪魔』なるものが、暴走…あるいは何かの意志に基づいて動いている…と考えられませんかね?」
壱生:「う〜ん……だけど僕は、本当にその石に関しては、何も聞かされてないんですよ」困った顔で。「人々や犯人と一緒に消えてるところを見ると、その可能性はあると思いますけどね…」
GM/長沢:「…なるほど。わかりました」長沢は資料を片付けると一礼します。「お手数をかけました。今日はもう結構です」
壱生:「あ、はい。判りました」ところで、消えた人たちに関しての資料とかありましたか? 名簿だとか。
GM:あります、知っている名前も出ていましたね。
壱生:知ってる名前? …あぁ、四方堂くんね。一瞬、有名人でもいるかと思った(笑)。「(彼も事件に巻き込まれたのか……だけど、彼だったら自分で何とか出来るかな)」
討魔:(舞台裏)助けろよ(笑)。
GM/長沢:「何か、気がついたことがあれば、ご連絡ください」自分の携帯の番号を渡しますね。
壱生:「あ、はい…」露骨に嫌々ながら受け取ります。そして、取調室を出たところで、突然無表情に。「―――該当でーたニ因果律ノ歪ミヲ検知。修正セヨ…歪ンダ歴史を修正セヨ…
GM:はい(笑)。そんなところで、やる気になった共生生物に[SA:事件の解決]、絆…よりもエゴかな。長沢遼を。
壱生:エゴ/脅威がそれっぽいですけど…これ、セッション内でひっくり返せない気が(笑)。
GM:ひっくり返せなさそうですね(笑)。そのうち警察に追われることができるかもしれません(笑)。
壱生:まぁ、仕方ないのでエゴ/脅威で。ナンクルナイサー(何

▼絆/エゴの変化
壱生:
長沢遼にエゴ/脅威を取得。



GM:たまには死霊課の刑事らしいことをしてみようかと…。
壱生:取り調べとか尋問は刑事物っぽかったですね。他のPCだとやれないシチュエーションだろうし(笑)。
蘭:なんか好奇心と言うより救済とかにしたくなります(笑)。
壱生:これが冥なら「面白そうだねぇ…引き受けようか♪」で済むから、5分でOPが終わったけど(笑)。
GM:冥ならこっちも即本題に入りました(笑)。
蘭:親愛をこめて「クロりん」と呼ばせていただきます。プゥ〜(笑)。
壱生:クロりんかぁ…26歳なのに(笑)。
蘭:じゃあ「クロぽん」または「クロさま、ひゅ〜」ネタですいません(笑)。
壱生:…どれが一番マシかなぁ?(笑)


 

■ミドルフェイズ■


●シーン4 『炎の記憶』  シーンプレイヤー:四方堂討魔  登場難易度:不可

○小学校

討魔:「僕は、ちょっと校舎の方を見てくる。迫水はみんなを見ていてくれ」竹刀袋を握って。
GM/迫水:「ああ…気をつけろよ」
討魔:正面玄関から校舎へ入って行きます。
GM:そうして歩いてみると、もうどこにも火災の痕跡はありません。元の学校です。
討魔:「何がどうなってる?…だけど…服は直っていない」服の裾をつまみながら廊下の先へ進みます。
GM/声:「無駄だよ。もう今日はなんにも起こりゃしねえよ」不意に、後ろから声をかけられます。
討魔:「っ!! ……誰だい?」数珠丸の柄に手をかけて振り向きます。
GM/男:「おいおい、そう睨むなよ。やっとこの世界に別な人間が現れたと思って見に来たのによ」振り向くと、浅黒い肌の男が立っています。
討魔:「この世界? ……別の人間? ……僕は人間だけど…君が人間だと確定したわけじゃないだろ?」
GM/男:「…まあ、そりゃそうだ。別にこっちもお前さんに信じてもらわなきゃならん理由は何もないんだがね」
討魔:「僕の名前は四方堂討魔。あなたは?」
GM/男:「俺か? 俺は……そうだ。ホセ。ホセ・ラモス。それが俺の名前だ」男は今やっと思い出したという様子で言います。「で、お前は何だってこんな所にいるんだ?」
討魔:「同窓会のために、この小学校に集まったんだが……なぜか閉じ込められた」
GM/ホセ:「…同窓会、か。なるほどねえ…」
討魔:「校舎が燃えたと思ったら…急に元に元通りになった。いったいここは何なんだ?」
GM/ホセ:「ここじゃ毎日“同じ一日”が繰り返されている。ここが火事になって、二人の餓鬼が巻き込まれる。おばさんがそいつを助けようとするが、できないまま終わる。そして、一日が終わって、また元通りになる。…もう、何百回繰り返されたか判らないな」
討魔:「無限ループになってるというわけか………貴方は脱出しようとしたのか?」
GM/ホセ:「脱出しようとしたが、駄目だった」肩をすくめて。「どうも、俺の力じゃ出られないらしい」
討魔:「そうか……ループの起点は……先生とあの生徒……だが、なぜ? 僕なんだ? 先生の事がハッキリと思い出せない………」
GM:そう考えると、頭の中にいくつかの光景が浮かんできます。

 子供の頃の迫水と、小さな赤い石を拾ったこと。
 親にねだって買ってもらった、当時流行っていたヒーロー番組の筆箱に、その石を入れて学校へ持ってきたこと。
 そして、火…最後に赤く照らされた曽我先生の顔…断片的な映像が頭の中から溢れてくる。
「…逃げなさい…」
 小さな声で、曽我先生がそう言っていた。


討魔:「あの赤い石……あの子供は僕…なのか?」
GM/ホセ:「…赤い石? …お前、赤い石と言ったのか?」
討魔:「ああ……昔、はっきりとは思い出せないが……赤い石を拾って曽我先生に見せたような…気がする」
GM/ホセ:「…なるほどねえ。『火の悪魔』かよ…」
討魔:「『火の悪魔』とは? ……教えてくれ」
GM/ホセ:「…俺が解る範囲で、この世界がどういう世界か、ということなら教えてやれる」
討魔:「頼む」

(舞台裏)
壱生:んー、ホセが強奪しようとしたのを、手違いで討魔が拾ったのかな?
蘭:カル○ファー??
GM:いや、俺のイメージはモリアの鉱道で暴れていたやつ。
蘭:ああー、あいつですか。
壱生:指輪物語? あぁ、じゃあバルログで合ってるんですね。
蘭:あいつは強そう。
GM:T&Tならドワーフに圧倒的な支配力を持つという、あれです。
壱生:それも指輪物語からですかねぇ。原作でもずいぶんドワーフに怖れられてたみたいだし。


GM/ホセ:「あの石は、ある悪魔を封じたものだ。『火の悪魔』と呼ばれるもので、名前の通り、火を操る。MMMが捕獲したそれは、いくつかのパーツに分けられ、半永久的に燃え続けるエネルギーとならないか、と研究されていた。俺はそいつを強奪しようとしたが、トラックを襲撃した時に、それがどこに行ったのか判らなくなった。おそらく『火の悪魔』は、自力で活動できるエネルギーを溜めて、ここに自分の世界を作ったんだろう…」
討魔:「そんな物を僕が拾ってしまった……そして先生と迫水を巻き込んでしまった? ……だとすると辻褄は合う…だが…なぜハッキリと思い出せない? なぜ今頃になって」
GM/ホセ:「なあ、お前さん、あのおばさんの知り合いか何かか?」
討魔:「曽我先生の生徒だった」
GM/ホセ:「なるほどな…よし」
討魔:「?」
GM/ホセ:「おい、お前さん。マッチョになってみたいとは思わないか?」
討魔:「思わない」
GM/ホセ:「ああ…この国じゃ、マッチョは『筋肉だるま』を指すんだったか。そうじゃなくて、本当は、違うんだよ」
討魔:「?」
GM/ホセ:「マッチョ…正確には、マッシモ。俺の国じゃあ『真の男』…そうさなあ、どんな時も、愛する者や家族のため…そして恩人のために、正しい選択ができる…そういう大人って言い換えてもいい。お前、あの人を助ける気はないか?」
討魔:「僕は……あの人、曽我先生を助けたいんだと思う」
GM/ホセ:「じゃあ、聞け。あの人は、この世界でこの世界を支配する悪魔に取り込まれて存在している。俺やお前は単なるイレギュラーで、本当の住人は、あの人とここの支配者だけだ」
討魔:「そうか……やはりあの人が起点なんだな」
GM/ホセ:「あの人は長い間…正確な日数は判らんが、ここでこうしてあの光景を見せられ続けている。それは、あの悪魔があの人の魂を奪うための戦い…なんだと思う」
討魔:「ならば…曽我先生はまだ悪魔に屈していないんだな。ならばまだ助けられる」
GM/ホセ:「…ずっと、ああして魂をすり減らすような…拷問と言い換えてもいいようなものを続けているわけだからな。だが、それではそのうち悪魔に負ける」
討魔:「どうすれば良いか判るか? 教えてくれ。頼む」頭を下げます。
GM/ホセ:「…助けるんだよ。あの子供を、あの人の目の前で。どういうわけか、俺はこの世界の物に触れることができない。だが」討魔の服の焦げた部分を指差して「お前はそうじゃない。多分、お前ならやれる。あのループを終わらせれば、あるいは…な」
討魔:「そうか……ここはループしていると言ったな。なら明日また同じことが起こるんだな?」
GM/ホセ:「ああ。俺はここでずっとあれを見てきた。瓦礫が落ちるタイミングまで、全部わかる。俺が教えてやる。どうだ、やるか?」
討魔:「ああ、頼む」
GM/ホセ:「よし」ホセが拳を突き出します。
討魔:ホセの拳へ自分の拳を打ち付けます。
GM/ホセ:「よろしく頼むぜ、相棒」
討魔:「ああ、こちらこそ」

▼絆/エゴの変化
討魔:
ホセ・ラモスに絆/友情を取得。



壱生:ほー。マッチョの語源ってそうだったのか。
蘭:…ものすごい熱い男ですね。
壱生:紅い石を狙う動機が判らないから、実は悪人の可能性が高いかもと思ってたんだけど…外れたかな。大金を稼ぐ理由も「孤児院への寄付」とか「故郷への仕送り」だとか言いそうだ(笑)。
蘭:本日の紅一点(?)蘭としては敵の方がいいけど、フリーで熱い…いい人っぽい。



●シーン5 『存在しない校舎』  シーンプレイヤー:李蘭  登場難易度:任意

GM:では、学校が終わった後ですね。
蘭:「さて…どうしようかな」ぽつりと。とりあえず小学校の曰くについて調べられますか?
GM:では、〈情報:噂話〉です。
蘭:(ころころ)達成値11。

>小学校の噂
 迫水の小学校は、火事で燃えている。
 迫水の話していた場所は、今ではただの空き地で、新しい場所に新校舎が建て替えられている。
 その火事で、二人の人物が亡くなっている。
 一人は教員・曽我街子。迫水が話していた恩人。もう一人は、身元不明。
 時折、その校舎の跡地に幻のように燃え尽きたはずの校舎が現れる、との噂もある。


GM:そんなところですね。
討魔:俺、死んでる?(笑)
壱生:犠牲者は迫水と曽我先生だと思ったけど(笑)。あー、それとも身元不明の方はホセかな? そもそも、OPで討魔が行ってた校舎自体、今は存在してないみたいだね。
討魔:んだね〜。
蘭:「??? おかしいな、先輩そんな感じじゃなかったのに」迫水の様子を思い出し。「死んでるはずの恩人…身元不明の死体…現れる校舎…魔の字がらみかな」火事の原因は判りませんか?
GM:ちょっと〈情報:魔物〉で振ってみてください。
蘭:ないので平目、(ころころ)達成値14。

>火災原因
 火事の原因は不明。
 但し事件当時、MMMが『火の悪魔』という物を運搬中、フリーのハンターに襲撃される事件が起きている。
 そのごたごたで消失した『火の悪魔』が、あの火災を呼んだのではないか…と言われている。


蘭:「…予想以上に厄介そうだね…」溜息つきつつ。まだ調べられることありましたっけ?
GM:調べられると思うことがあれば(笑)。今回、こちらで項目を作っていないので、何か聞きたいことがあれば積極的にどうぞ。
蘭:身元不明者とその噂について詳しく…現れる頻度・条件とかについて調べられますか?
GM:どうぞ。〈情報:裏社会〉でしょうか。
蘭:情報系は苦手〜(ころころ)達成値8。

>身元不明者
 MMMの運搬車両を襲撃したハンターが、事件直後に行方不明になっている。名前はホセ・ラモス。
 火事で発見された身元不明の死体は、彼である可能性が高い。


GM:そのくらいですかね。
蘭:「ん〜アタシだけじゃこれが限界かな? …行ってみるか。あと応援も」いったん家に帰り、その校舎に向かいます。電話かけながら。
GM:はい。では、このシーンはここまでです。絆等あれば。
蘭:絆…曽我先生にエゴ/疑惑で。絆は取れないでしょ。

▼絆/エゴの変化
蘭:
曽我街子にエゴ/疑惑を取得。


討魔:ばっちり、ホセは被害者ですな。
壱生:自覚はないみたいだけど…死んでるから繰り返す世界に介入できない、と。
討魔:おそらくそれかと。もしくは自覚していて手伝わせてるか(笑)。
壱生:曽我先生が救えなかった(はずの)子供二人は、迫水と討魔かな。で、今回討魔がしくじると『本当にその時死んでしまった』ことになるかも(笑)。
討魔:え〜〜〜、僕チンしっぱいすると僕チンしんじゃうの?(笑)



●シーン6 『事件の断片』  シーンプレイヤー:鉄壱生  登場難易度:任意

壱生:取りあえず……四年前の事件に関して詳しいことを調べましょうか。ネット検索か何かで。
GM:はい。では、〈情報:ネットワーク〉で
壱生:〈情報:ネットワーク〉&情報屋、(ころころ)達成値16です。

>四年前の事件
 事件当時、トラックが襲撃された辺りで火災事件が起きている。
 燃えたのは小学校で、死者は二名。片方は教員、曽我街子。もう片方は身元不明。
 身元不明の方は行方不明のハンター、ホセ・ラモスである可能性が高い。


壱生:死亡者は二人…他の学校関係者や生徒に被害はなかったんですね?
討魔:たとえば討魔とか(笑)。
GM:ああ、そういう部分に関しては、『炎の中から、誰かに投げ出された二人の児童が軽い火傷を負った』ということくらいは判ります。誰かが外に投げてくれたおかげで助かった、ということですね。当時の資料から、四方堂討魔と、迫水真一という少年だったことが判ります。
壱生:ん、了解です。それじゃ次は『火の悪魔』と例の紅い石に関して、詳しい情報を。
GM:はい。では、〈情報:魔物〉か、MMMなんで〈情報:企業〉で。
壱生:〈情報:魔物〉の方が高いので、そっちで。(ころころ)達成値14です。

>火の悪魔
 火の悪魔とは『バルログ』という名前の悪魔を寸断し、魔力を抽出して作った結晶のこと。
 一欠片でも凄まじいまでのエネルギー量を持つため、何かと利用方法が研究されていた。
 しかし、トラック輸送の途中でハンターに襲撃され、消失した。

 結晶化したバルログは休眠状態だが、何かのショックで目覚める可能性はある。
 その際、元の肉体を作り出すために、近くにいる者を喰らって自分のエネルギーにしようとするだろう。
 あの火事がその暴走であった、との説もある。
 この場合、『食う』とは物理的なものではなく、まず肉体を炎で焼き、その魂を取り込もうとする行為を指す。


壱生:ふむ。
GM:どの程度で取り込まれるのかは、その人間の魂の強さによりますが…そんなところでしょうか。
壱生:了解。次は、ホセというハンターに関して詳しい情報が欲しいんですが。
GM:ホセは〈情報:裏社会〉です。
壱生:技能なし(ころころ)達成値14。

>ホセ・ラモス
 南米出身の元傭兵で、かなり腕のたつハンター。金に汚い男だが、仕事は完遂することを誇りにしていた。
 危ない時は引くことを知っている男が、火事の現場で死ぬだろうか…というのは彼をよく知る者の言。


蘭:…ホセ好感度ダウンかな?
討魔:PL的にはアップ(笑)。
壱生:プロとしての判断力をちゃんと持ったハンターなわけだ。確かに、少し変ですね。稼いだ大金の使い道とか、判りますか?
GM:本人が金の使い方について語っていたことはないようですが…彼は内戦の続く国を出て、どこか別な国に移りたがっていたようです。
壱生:単純にドミニオンに取り込まれて逃げ損ねたのか、それとも何かの理由で敢えて残ったのか…?
GM:もうひとつ。彼は生前、酒に酔った時にこう言っていたといいます。「…生まれた時から死に方が決まっている人間なんて、いるのかね」聞いた人間は何のことだか解らなかったそうですが。
壱生:…格好良いけど意味不明な台詞だなぁ??
討魔:よくわからん台詞だよね。
蘭:予知の類かな? 自分の死ぬ姿が見えてたとか?
壱生:まだ情報不足ですねぇ。何か、運命のようなものを感じてたっぽいけど。
討魔:うーん。ちょっとまだ情報たりないっすね〜。
GM:と…今わかるのはこれだけですね。
壱生:これだけだと、何の事やらさっぱり。…他のシーンでの演出を待ちますか。情報収集は以上で。やることやったら、問題の小学校へ行きます。
GM:では、絆等あれば。
壱生:ちなみに今のは全部AIの行動なので…ホセに、興味かな(笑)。
GM:はい(笑)。

▼絆/エゴの変化
壱生:
ホセ・ラモスにエゴ/興味を取得。




●シーン7 『交わる刻』  シーンプレイヤー:李蘭  登場難易度:任意

○空き地


蘭:「さて、住所からするとこの辺かな? 誰も連絡つかなかったのがきついけど」えっと見つかりますか?
GM:空き地は見つかりますよ。
蘭:「??? あれ、新校舎が建ってるって話…だったけど??」敷地には入らず観察します。
GM:新校舎は別な場所です。
蘭:あれ? そうでしたっけ、すいません。「さて何か条件があるのか? …突っ込むのは無謀なんだよな…」思案中。

(舞台裏)
壱生:新校舎が建ってるのは、別の土地でしたね。
討魔:ただ……この空き地に多分いるんじゃないかな?
GM:「いる」って(笑)。
壱生:入り口はあってもおかしくないですね。入れないだけで。
蘭:とりあえず腰にロープ巻いて突っ込んでみましょうか? 正直一人だとこれ以上やることが…(滝汗)。
壱生:入るところが見つからないと、ロープ捲いても仕方がないですね(笑)。そろそろ合流しましょうか?
GM:ぶっちゃけて言うと、入るのは簡単です。討魔のシーンにSAで登場すれば、問題なく出て来れます。
壱生:それは判っているんだけれど(笑)。
蘭:つまりここでは入れないじゃん(笑)。
討魔:情報収集なのかなぁ…それとも普通に入ったら入れるんじゃない?
GM:上手い入り方を探しているのは解るんです。いや、あんまり悩むようだったら先に提示しておこうと。


壱生:では、ここで登場しましょう。「――因果律ノ歪ミヲ検知。修正セヨ…歪ンダ歴史を修正セヨ…」と無表情で呟きながら現れる(笑)。
蘭:「…やかましい! 今考えてんの…なんだクロりんじゃん」手をひらひらと振ります。
壱生:蘭には気付かず、空き地にずんずん入り込みます。
蘭:入る前に捕まえます。「ちょ、待ちなさい、せめて…」腰にロープを巻く〜。
壱生:せんさー起動。空間歪曲場測定……障害ヲ認識」くるりと振り返り。「……うぇっ!? あなたは蘭さんっ?!」
蘭:「…気づくのが遅い!」
壱生:「ななな、何であなたがここに…」周囲を見回し。「……ていうか、ここはどこでしょう??」
蘭:「ここは…」現在の番地を教えます。
壱生:「えぇと。火事で燃えた小学校の跡地なんですね…(あぁ、関わりたくなかったのにぃ…)」内心で頭を抱えます。
蘭:「そういうこと…というわけで」腰にロープ巻いて。「行け、クロりん」背中を押す。
壱生:「えー……どこに行くんでしょう?」巻かれたロープを見下ろし。
蘭:「んーとりあえず空き地の中心まで歩いてみて」ロープの端を持って。
壱生:「は、はぁ……」言われた通りにしてみます。
蘭:「…はっ。これ巻き込んだらマズイんじゃあ…」相手が一般人なのを忘れてた!
GM:では、中に入ると…目の前が急に暗くなります。
壱生:―――空間歪曲検知。どみにおんト推測
GM:壱生の目の前で、いきなり、空間が歪みます。ドミニオンの存在を感知すると同時に、ここで過去に起きたことが映像になって頭の中に流れ込んできます。

 火に包まれた学校、二人の子供を抱えた女性、崩れる校舎。
 倒れた女性の先に投げ出される子供。その間を塞ぐ瓦礫。
 女性の後ろから迫る、炎に包まれた人影――――バルログ。
「逃げなさい…逃げて!」
 叫ぶ女性、竦んだまま動けない子供たち。人影に追いつかれ、捕まる女性。
 そこで女性の姿は消え、朦朧とした子供たちはその場に取り残されるが…。
 そこに現れた『何か』が、子供たちを抱えあげると一目散に外へ向かって走り、廊下の先に消えていった。


壱生:『何か』の姿は、判らなかったんでしょうか?
GM:人のように見えました。体格から言って、男でしょう。そこで、幻は消えますが…壱生の足元に急にぽっかりと大穴が明きます。
壱生:「え…うわあぁぁぁあっ!?」とっさに腰に巻いてあったロープにしがみついて引っ張ります(笑)。
蘭:「作戦変更…一時回収」急いで回収します。たぶん無理だけど。
GM:ロープは切れました(笑)。
壱生:あれ、切れちゃうの?(笑)
蘭:「あ……」尻餅をついて。
GM:蘭の目の前で、穴が閉じようとしていますね。
壱生:蘭を一緒に引きずり込めば、話が早いと思ったのに…(笑)。まぁ、別行動の方が都合いいか(笑)。
GM:まあ、それでも良いと言えば良いのですが。
蘭:「あ〜もう、失敗したかな〜」急いで飛び込みます。
GM:そのまま、蘭の姿もどこかに消えます。で…このシーンはエンドになります。
壱生:絆は、蘭さんに……連帯感で。一応(笑)。
蘭:絆救済に変更…助けないと。

▼絆/エゴの変化
蘭:
壱生への絆内容を絆/救済に変更。
壱生:蘭に絆/連帯感を取得。



●シーン8 『Machismo』  シーンプレイヤー:四方堂討魔  登場難易度:判定不可

○小学校


GM:ホセに『一日の間に何が起きているのか』の説明を受けながら、校内を歩いている途中。ホセが「なあ、ひとつ聞いていいか?」と話しかけてきます。
討魔:「なんだ?」
GM/ホセ:「あの子供、片方はお前さんか?」
討魔:「たぶん……ね」
GM/ホセ:「もう一人の餓鬼は?」
討魔:「友達の迫水だと思う」
GM/ホセ:「…そうか。助けるのは二人。そいつにも、手伝わせようと思う」
討魔:「たしかに……辻褄合わせに参加させるにはちょうどいいな」
GM/ホセ:「辻褄合わせ…か。そうじゃない。お前さんたちが、無事に生きていることを…あの時、あの人の取った行動が間違いじゃなかったことを教えてやるんだ。生きているお前たちが、あの人の幻を打ち砕く。それが、必要なんだと思っただけだ」
討魔:「じゃあ、迫水を呼んでこよう」呼んできますが……大丈夫?
GM:大丈夫ですよ。
討魔:では校門の前に戻って迫水を呼びます。「迫水〜」
GM/迫水:「なんだ?」やって来ます。
討魔:「ちょっとお前の手が必要になった。貸せ」袖を掴んで引きずります(笑)。
GM/迫水:「お、おい…なんだよ、いったい」
討魔:「これから、僕の指示に従ってくれ。ここから出れるかもしれない」
GM/迫水:「…あ、ああ…」討魔の言葉に、頷きます。

(舞台裏)
壱生:そういえば、一緒に飲み込まれた人たちも校舎内を歩き回ってるはずですよね。今、どうしてるんだろ?
蘭:とりあえず同窓会再開とか?
GM:校庭に集まっていますね。
壱生:…て言うか、今ふと思った。これで、本物の二人を目の前で殺したら…曽我先生、まず堕ちるなぁと。
GM:まあね(笑)。
討魔:責任重大じゃのう(笑)。
蘭:それ言っちゃったらホセ悪党説が有力に。
壱生:それもあるけど…。本物のホセは正真正銘死んでいて、ドミニオン内にいるのは…実はバルログが操る幻影ではないかとの疑惑が増大中(笑)。
蘭:それありそう。
壱生:まぁ、どちらにしても肝心の場面でバルログが妨害してくるのは確実だと思うので。いいところになったらSAで登場しましょう(笑)。
蘭:出るのはいいけど正体が〜(泣)。
壱生:覆面して登場すればいいのでは?
蘭:そうなると…まあいいや、何とかします。


GM/ホセ:「集まったな。これから俺が言うこと、全てメモしておけ。俺はペンも紙も持てないから、しっかり書いておけよ」ホセが語るのは、それぞれの箇所で日の回るおおよその時間、瓦礫が崩れてくるタイミングなどです。
討魔:メモします〜。
GM/ホセ:「気をつけなければならないのは火の壁ができる瞬間と、向こう側から子供を抱えて帰ってくる時に落ちてくると予想される瓦礫だ。当たるな。俺は大丈夫だが、お前たちが当たれば、まず死ぬぞ」
討魔:「解った」具体的に何をすれば良いか判ります? 【知性】とかでチェックできるかの?
GM:〈運動〉判定がいるだけです。目標値は10。ただの人間の迫水は平目になりますが。
壱生:迫水が危ないですね、それだと。
討魔:迫水君が微妙だ……頑張ってもらわないと(笑)。
蘭:先輩が〜〜いざとなればHAで……。
GM:HAで助けてやることはできますので、そのつもりで。
壱生:HAじゃなくて、アーツでも助けられますか?
GM:OKですよ。
一同:了解です。
討魔:ん〜〜火事まで時間がありますか?
GM:少しの時間なら。
討魔:よし。「迫水。不安か?」
GM/迫水:「…ああ。不安だ…これからやることもそうだが…俺…だんだん思い出してきたんだ」
討魔:「そうか。そうだろうな。……ちょっと付いて来い」袖を引っ張って廊下の端の保健室に引っ張って行きます。
GM:はい。では、舞台は保健室へ。とりあえずシーンは変更せずに行きます。


○保健室

討魔:「迫水。ちょっと後ろ向いていろ」in保健室。
GM/迫水:「? …ああ」
討魔:長髪を縛っている紐を解いて、眼鏡を外して上半身の矯正下着を解きます。裸じゃないからね(笑)。
GM:ういす(笑)。

(舞台裏)
壱生:「俺…実は、女の子だったんだ」をやるのか?(笑)
討魔:お約束だ(笑)。
蘭:うわ登場したい!
討魔:GMに許可を求めるのだ(笑)。
蘭:登場してもいいですか??(目きらきら)
GM:うむ…この状況で?(笑)
壱生:窓から覗き見てドキワクしたいようです(笑)。
蘭:蘭のの字は乱れるのです(まて
GM:まあ…そのくらいなら…どうですか、M2Oさん? この展開の主導権は俺にはない(笑)。
討魔:OKっすよ。
蘭:ドキワクもいいですけど…個人的にはひっかき回したい…ドキワクします。
GM:ではドキワクしてください(笑)。
壱生:しかしこれは……PC全員、互いに正体が判らない状態になりそうな予感が…(笑)。


討魔:「こっち、向いて良いぞ」一応、特徴で[美形]を持ってるから、それなり以上に見えるはず(笑)。
GM/迫水:「ああ…」(振り向いた)「!?」
討魔:「さて…迫水。お前には選択肢がある」
GM/迫水:「…お、お前…」
討魔:「これからお前は世界の境界で命を懸けてもらう。というか…この状況の打開はお前にかかっている。そこで選択だ」迫水の手を握ります。
GM/迫水:「…………」
討魔:握った手を自分の胸に持っていきます。で、握らせます。
蘭:保健室の外に登場。「さーて、着いたみたいだな…覗いてみよう…へぇ」固まる。
GM/迫水:「…本物…?」相当に驚いているようですな。
壱生:ぢつはシリコn(ばきゅーん
討魔:「ふむ」では服の隙間から直接触らせます。「疑惑は解けたか?」
蘭:だめー、先輩は私のものー!(マテお呼びでない
GM/迫水:「あ、ああ…とりあえず、四方堂討魔が女だということまでは…」
討魔:「第一問:命を懸けて頑張りぬくか?」
蘭:「…………」(どきどきわくわく)
討魔:「回答例1:頑張らない。すると、これは手に入らない」
壱生:…頑張ったら手に入るのか(笑)。
討魔:「回答例2:頑張るけど目的が達成できない。やっぱりこれは手に入らない」
蘭:「…………」(どきわく)
討魔:「回答例3:頑張って頑張って頑張って頑張って目的を達成する。すると……」迫水の手を臍の辺りに移動させます。「ここから下、が手に入るかもしれない。…どぉする?」えっちぃ顔で(笑)。
壱生:騙されてはいけない、少年! それは罠だー!(笑)
討魔:うん。罠だね(笑)。
蘭:「…心配して助けに来たっていうのに…何してんの、あのスケベ先輩は!?」ちょっとムカ。やきもちではないですけど。
GM:「…待った。第一問の答え。4だ。頑張りぬく。でもそれは、これを手に入れるためじゃない。あの時、俺が生き延びたのは先生のおかげで、今、俺が生きていることを先生に見せなくちゃならない。それはきっと…ここに戻ってきた俺の責任だからだ」
討魔:「っ! ……」びっくりしてます。
壱生:迫水は硬派な少年だった(笑)。
蘭:今どき珍しい。雨○くんかあんたは(笑)。
GM/迫水:「俺な…今まで全部忘れちまっていたのが、悔しくてならない。きっと、これは俺に残された先生に恩返しする最後のチャンスなんだと思う」
蘭:ちなみに蘭には今の声は聞こえてません。
討魔:「そうか………うん。お前は人間なのに凄い奴だよ。最高以上の回答には前払いが必要だな」一瞬だけキスして終了(笑)。
蘭:「!!」相当びっくりしてる。
討魔:「さて、元に戻すから後ろを向け。あと、ちょっと感動したから襲っても良いぞ〜」からからと笑いながら男装に戻ります。
GM:迫水は赤くなって、急いで後ろを向く。
蘭:そしたら目が合ったりして。
GM/迫水:「…あ」窓の向こうから覗く視線に気付いた。
蘭:「…やば」逃げようとしてこける。
討魔:うむ。なかなかにポイント高いぞ(笑)。
壱生:彼が? 蘭が?(笑)
討魔:迫水くん(笑)。蘭もかなりポイント高いが(げらげら笑いつつ)「迫水、どうした?」着替え終わって。
GM/迫水:「…いや、そこに知り合いによく似た人間が…」
討魔:「そうか……(ひょっとしたら援軍か? だが…覗きする援軍はちょっとやだな)…さて、時間をとらせたな、迫水。行こう、先生を助けるために」数珠丸を握ります。
GM/迫水:「ああ…!」気を取り直して。
討魔:「迫水……気持ちは解るが、前屈みは何とかしろ」
GM/迫水:せ、生理現象だ! 見なかったことにしろよ」真っ赤になって。
蘭:「……いひゃい……」外で倒れたまま。
GM:さて、シーンを移動させて、ホセのところに戻りますか?
討魔:うぃっす。
GM:では、絆等あれば。
蘭:討魔に…絆/好奇心かな。
討魔:迫水に絆/情欲?(笑)
GM:体が狙われている(笑)。では、それでよろしければ(笑)。

▼絆/エゴの変化
討魔:
迫水真一に絆/情欲を取得。
蘭:討魔に絆/好奇心を取得。




●シーン9 『ひずみ』  シーンプレイヤー:四方堂討魔  登場難易度:任意

○廊下


GM:では、ホセの元に戻ってきたところです。
討魔:「ホセ、待たせたな」
GM/ホセ:「待つのには慣れてる。気にするな。さて…二人とも、いい顔になってきたじゃないか。じゃあ、そろそろ持ち場に向かうとしようぜ。…と、もうひとつ。さっき、この世界に揺れを確認した。誰かがこっちに来たんだと思う」
討魔:「やっぱりか…」
GM/ホセ:「誰が来たのか、前もって確認するか? もう少しだけなら時間は取れるぞ」
討魔:「確認しておこう。敵が引っ掻き回しに来ることは考えにくい。おそらく味方だと思う」
GM/ホセ:「じゃあ、いくか」
壱生:…世界の揺れが判る? 半魔だからか、それとも…どっちかなぁ。
蘭:ちょっと詳しすぎる感が…。
GM:では、ここで一度切って、他のPCのシーンにします。
討魔:うぃっす〜。



●シーン10 『運命』  シーンプレイヤー:鉄壱生  登場難易度:任意

○中庭


GM:壱生の現れたのは、中庭ですね。百葉箱の真上に落ちてきます。とても痛いです。
壱生:「……」がさり、と音を立てて起きあがります。中庭というと…卒業生たちがいるんでしたっけ?
GM:そうですね。卒業生がいます。突如現れたあなたに一斉に「「「ざわ!」」」
壱生:「あ、えーと。怪しいものじゃないです、僕は…」ところで百葉箱って…何?(笑)
GM:校庭とかに立ててある白い箱です。気温だったか湿度を図るための。
蘭:学校とかにありませんでした? なんか白い小屋っぽいやつ。
壱生:あぁ、あれですか。名前までは聞かなかったから(笑)。
討魔:登場しよう。「なるほど…部外者とは貴方のことか」
GM/ホセ:「…知り合いか?」
壱生:「は? …あー、四方堂くんですか。ご無事で何よりです…」気弱げな笑みを浮かべる。
討魔:「この件を解決しに来たのかい?」
壱生:「…いや、そんなつもりは全然なかったんですけど…とある空き地に入ったら、いきなりここに来てまして…」
討魔:「そうか……なら手伝ってくれ。解決しないと、ここから出れない」
GM/ホセ:「そりゃ、災難だったな」肩をすくめて「まあ上手くいけば、すぐに出られるさ」
壱生:「えぇと、今ひとつ状況が掴めないんですけど…? それにこちらの外人さんは、どなたですか?」
討魔:「知り合い。なんでか、ここから出るために協力してくれるらしい」
GM/ホセ:「俺はホセ・ラモス。お前さんよりも先輩の、この世界の住人だ」
壱生:「はぁ…よろしくお願いします…」ところで、曽我先生は遺体もちゃんと見つかってるんでしたっけ?
GM:見つかってます。もう埋葬されました。
壱生:うーん…ホセが死んでることは、まだ言わない方がいいかな…。
蘭:えっと、出た方がいいかな?
討魔:出ても出なくても良いかと。お好きに(笑)。
蘭:だめだ、出たら数的に正体がばれる(汗)。
壱生:ここで蘭のまま合流すると、どうやって正体隠すんだ?って思いますが(笑)。
蘭:じゃあ待ちで。
討魔:「んじゃ、役者は揃ったかな? ……何か足りないような気がひしひしとするけど」
壱生:「とは言っても、何をどうすればいいんでしょうか。僕、運動とかはさっぱりですし」
GM/ホセ:「…いや、この世界の物を掴んだりできるだけ、俺よりマシだ。こいつらをサポートしてやってくれ。どのタイミングで炎が出るとか、指示してやるだけでいい」
壱生:「あーえっと…はぁ、判りました(困ったなぁ…これじゃ変身も出来ない)」
GM/ホセ:「さて、と…討魔。お前たちは先に行ってろ。俺はこっちの新入りにいくつかアドバイスしておく」
討魔:「解った。迫水、行こう」
GM:「ああ…」手を振るホセに、何となく既視感を感じながら二人が校舎の方に向かう。そしてホセが「さて…あんた、人間じゃないみたいだな」壱生に、そう言いますね。
壱生:…は!? ちちち、違います! 僕は真っ当な、ただの人間ですよぉっ!!」と、後半は小声で。
GM/ホセ:「こっちの世界に来てから、感覚が鋭くなってな。死んだ影響だろうな。俺も、今じゃいわゆる半魔だ。彷徨うこと以外、何もできない存在だがな。だから、別に隠さなくていい。どうせ俺は、誰にも喋れねえ」
壱生:「あ……死んでいる自覚は、あったんですね」複雑な表情で。
GM/ホセ:「ああ、だが、これでようやく終わりらしい」
壱生:「あなたのことは、外で調べてきました。…何か外で、やり残したことはありますか?」
GM/ホセ:「そうだな。少し、俺の話を聞いてくれ。その上で、俺の稼ぎはしかるべき所に寄付でもしてくれるとありがたい」
壱生:(頷く)「手早くお願いしますね。どうやら、あまり時間は残ってないみたいですし」
GM/ホセ:「…あんた、自分がどうやって死ぬか、なんて占いで決められたら、それを信じるか?」
壱生:「…判りません。僕と一緒にいる存在は、どうやら遠い未来から来たらしいですけど」首を振る。「だからといって、歴史の全てが予め決まってるとは…思いたくないです」
GM/ホセ:「俺の生まれた村は、そういう古い習慣があってな。生まれると、村の占い師がその子の運命を見るんだと。俺は『生き残ることにその才能を発揮する』人間なんだそうだが、『未来ある人間のために命を落とす』らしい…もちろん、信じちゃいなかったがね」
壱生:「…結果として、それは当たっていた…わけですか」
GM/ホセ:「生き残る才能ってのは、あると思ったよ。俺は、どんな任務でも傷ひとつ負わなかった。でもな…ここが俺の失敗で火に包まれた時、あの女が子供を助けようとしていた時に…そんな占いのことも全部忘れて、助けに走っちまった。それで、後はあんたも知っての通り、俺は死んだ」
壱生:「そうですね……でも、後悔しているようには見えませんけど」
GM/ホセ:「あの餓鬼どもを助けることが出来たから、俺の死にも意味があった。あいつらは、ここにいた俺に、自分が生きていることを見せてくれた。だから、それで俺は満足しちまった。だが…あの女は、それを知らない。だから、どこにも行けない。見せてやんなきゃならないんだ。だが、満足した俺は、もう存在していることができないんだ。これが、限界だ。だから、あの餓鬼どものことを頼む」
壱生:「…判りました。行きましょう……彼女の死に、意味があったことを伝えに」
GM/ホセ:「頼むぜ…。俺の稼いだ金…まだ残っていたら…俺の故郷にこんな学校を作るために使ってくれ。あんな餓鬼どもが…俺の国にも育つように」
壱生:「えぇ」はっきりと頷く。「…あなたの死も、歴史に定められていたのかもしれない。けれど“決まっていたかどうか”は、きっと重要じゃないんだ」
GM:ふ…と笑うと、ホセの存在が薄くなっていき、消えます。
壱生:「あなたは自分の意志で運命を選び取り、生涯を全うした。それは、誇れることです。そして…歴史は、そんな人々が生きた時間の積み重ねなのだと…僕は思います…」消えるホセを見送りつつ。
蘭:「…いっちゃったんだね」物陰から登場。やっぱ出ますね(唐突
壱生:「(…ぎくぅっ!?)…ら、蘭さん? いつからそこに…?」ぎぎぎ、と音を立てつつ振り返る。
蘭:「いい人じゃん、あの人…あの餓鬼どもをってとこからだけど?」(首かしげ)正体を話してるとこは聞いてません。「死んだ後に死に意味があったって言えるのは凄いね」
壱生:「あ、あぁ…そうですね、ホセさんは良い人でした。さて、四方堂くんたちを手伝いに行かないと!」追求されないうちに、だーっと校舎へ駆け出します。
蘭:「全く、何か隠してんのかなクロりん…行こうかな」
GM:では…そんなところでこのシーンは終わります。絆等、あれば。
討魔:無いっす。
蘭:ホセに絆/尊敬で。あと先生のエゴを…絆/救済に変更で。
壱生:どうしよう…ホセにはもう取ったし、バルログだとエゴだし。
GM:曽我先生か迫水に対する執行とかは?
壱生:…おぉ、思いついた。最後の絆は歴史に守護で取ります(笑)。
GM:おお(笑)。

▼絆/エゴの変化
蘭:
曽我街子へのエゴを絆/救済に変更、ホセ・ラモスに絆/尊敬を取得。
壱生:ホセ・ラモスへのエゴを絆/敬意に変更、歴史に絆/守護を取得。




●シーン11 『過去を取り戻せ』  シーンプレイヤー:四方堂討魔  登場難易度:任意

○校舎内/火事直前


GM:では、時間が迫る校舎ですね。全員登場の方がいいですか?
壱生:いえ、僕は途中から登場で(笑)。
蘭:とりあえず最初は待機で。討魔の前に行くと正体がごまかせません。
GM:わかりました。では、いるのは討魔、迫水です。
討魔:「さて…逢魔が刻だな」刀を抜きます。
GM/迫水:「…ああ。そろそろ、来るぞ」言うと同時に、廊下が炎に包まれます。炎の向こうから、曽我先生が走ってきます。子供を両脇に抱えて。しかし、足がもつれて転んでしまいます。子供たちが空中に投げ出され…
討魔:ダッシュで子供を助けに行きます。
GM:では、〈運動〉で判定をどうぞ。目標値は10です。
討魔:(ころころ)達成値14。「おっと!」
GM:討魔は四年前の自分を見事に救います。では、迫水の方は(ころころ)達成値8。
討魔:ぬぅ。気合が足りない(笑)。
蘭:やば、たりない。
GM:迫水の足では、一歩及ばない…。
討魔:了解。ちょっと待ってね〜。
壱生:えっと、それは受け止め損ねるということ?
蘭:援護しないと〜。
GM/迫水:「…く!」目の前に四年前の迫水が投げ出され、それを掴むものの、上からの瓦礫が彼の行く手を塞ぎます。
討魔:《電光石火》でクリティカルにできるっすよね?
GM:できますよ。
壱生:ところで、その瓦礫を《氷の精神》で止めることは出来ますか?
GM:ああ、なるほど…《氷の精神》も良しとしますが…どっちにします?
壱生:どっちにしましょう?(笑)
討魔:ではHAは使わない方向で(笑)。迫水くん助けてください(笑)。
GM:どういう演出でいきますか?
壱生:「クロノ・フリイィィズッ!(こっそり)」時間凍結装置作動!(ころころ)達成値27!
GM:では、瓦礫の落下がいきなり停止し、迫水はその下を走り抜けられる。
壱生:時間を止めた後、そそくさと横の教室に隠れる(笑)。
GM/迫水:「…やった…先生…!」
討魔:「先生!! 大丈夫ですか!!」
GM/曽我:「ああ…」二人が助かったのを見て、曽我先生は…立ち上がって微笑みます。「四方堂君に…迫水君ね?」
討魔:「はい。先生……」泣きそうです。
GM/曽我:「生きていて…くれたのね…良かった…本当に、良かった…」
討魔:「だから、先生ももう良いんです。頑張ってくれてありがとうございました」
GM:曽我先生が君たちに近づこうとしたその時、後方で炎が人の形を取ります。筋肉質の体、蝙蝠の翼、巨大な角…手には二条の炎の鞭を持った悪魔です。それが、曽我先生を掴みます。「逝かせん…ずっと、待っていたのだ。ようやく、四年もかけて魂を取れるというのに…このまま逃してなるものか!

蘭:喋った〜。
壱生:まぁ、頭いいし。原作では言語が違うから言葉通じないだけで(笑)。
蘭:まあ喋ってもらった方がこっちも都合いいですけど。

討魔:「お前だな……この事件の元凶は。迫水! 昔の僕とお前を連れて逃げろ!! こいつは僕がヤル」
GM/迫水:「…大丈夫なのか、討魔」
討魔:「大丈夫だ。なんせ、僕にはこれがあるからね」と刀を構えます。
GM/迫水:「…責任もって、この二人は助ける。…あの時の、先生の代わりは、ちゃんと務めるよ。…戻ってこいよ?」
討魔:「もちろん」
GM/迫水:「よし…任せろ! そっちは任せた!」走り出します。
討魔:「先生。今助けます。……魔物よ。今日がお前の命日だ」
GM/バルログ:…死ねい」炎の吐息を吐きながら近づいてきます。では…このままクライマックスに入ってしまいますが、いいでしょうか。
一同:OKっす。
GM:では[SA:バルログを倒す]をどうぞ。


GM:まあ…先生の代わりというよりは、あの時のホセの役どころだったりするのであるが。迫水は知らんのだった(笑)。
壱生:そうですね(笑)。
GM:ホセと同じ事をすることで、彼もマッシモになるんですが…知らんものは仕方がない(笑)。
壱生:『ヘドリアン女王』と『マッチョ』はいいとして…最後の『ニューヒーロー』はどこ〜?(笑)
蘭:まさか迫水先輩が変身して出てくるとか?
壱生:それはないから(笑)。
GM:いや…まあ…最後まで見ていてくだされ。あんまり美味しい使い方ではないかもしれませんが。
壱生:うい。では、適当に頃合いを見て登場しましょう。
蘭:同じく。口上も完成しとりますから。


 

■クライマックスフェイズ■


●シーン12 『炎の中で』  PC全員登場

○炎に捲かれた学校の廊下

▼ラウンド1


GM:お互いに距離の詰まった状態からの戦闘になります。そういう描写にしたので(笑)。移動の必要はありません。

 現在のエンゲージ:(バルログ・討魔)   *壱生と蘭はシーン外

GM:セットアップ、バルログは取りあえず無しで。
壱生:セットアップはなしですが、オートで《瞬間武装》使います。
蘭:オートで《獣化》+《超獣変身》を。
壱生:蘭が「名乗る名前はないッ!」というパターンなら、僕が先に出ましょうか?
蘭:どうぞお先に。…むしろステレオで登場しますか?
GM:では、こちらの行動は10です。そちらからどうぞ。
壱生:まずは登場の演出から(笑)。「―――炎と破壊の悪魔、“バルログ”。幻夢をもって人の魂を喰らうモノ…」と、横の教室から声がする。
GM:バルログの視線…カメラがそちらを向く(笑)。
壱生:「滅びの因子を内包するモノよ……“歴史”は貴様の存在を望まない!」炎と煙の向こうからメタルヒーロー姿の男が現れる。ここで、出来れば「何者か?」とか訊いてくれると嬉しい(笑)。
討魔:横道だナァ(笑)。
壱生:正道です(笑)。
GM/バルログ:…これより始まる殺戮の宴を邪魔するは、いかなる愚者か。名をなのれい!
壱生:訊かれて固まる。「(……し、しまった。考えてなかった!?)」(一同笑)

GM:うすた京介の手抜き絵になる一瞬(笑)。
蘭:ここで出ましょうか? なし崩し的に気にされないかも。
壱生:いや、固まるのもネタの一環なので(笑)。
GM:わかっております(笑)。行動順で処理しましょう。

壱生:「……(沈黙)……私はっ! ――私の名は、歴史の守護神、キャプテン・クロノス! 悪魔バルログよ! 貴様がもたらす破滅への因果、ここで修正するッ!!」
GM:ニューヒーロー誕生だ(笑)。
蘭:おお〜〜。
討魔:「取って付けたような気がするのは何故だろう?」
壱生→C・クロノス:で、マイナーで接敵、メジャーは機械剣で斬りつけます(笑)。(ころころ)達成値26。
GM:(ころころ)命中ですね。
C・クロノス:オートで《リインフォース》。「クロノ・セイバーッ!」(ころころ)36点〈斬〉ダメージ。
GM/バルログ:…愚かな。我が身は全て灼熱の炎。近づくものは灰になるのみ!」斬り付けられた瞬間に《焦熱の壁》発動! そちらに15点ダメージ。
C・クロノス:「ぐぅっ!?」それは防げない! 残りFP21点。そうか、スピリットを持ってるんだな…考えてみたら当然か。
GM/バルログ:…いつまで持つか、見物よな…」(にやり)しかし壱生の攻撃で魔獣化。HA《超魔の命》に10点入れておきます。
蘭→覆面女:「戯言もそこまでだ」見上げるとそこには、上は赤いチャイナ服、下は赤い道服、忍者のような赤い覆面、赤い眼をした女性が大きな剣を持ってホバリングしている。
討魔:「…………もはやどこからツッコミを入れていいんだか解らない」
C・クロノス:「…………」(←突っ込みたいが、自分も人のことを言えた格好ではないので黙っている)
覆面女:「人に心から慕われ、みながその人に知り合えたこと『得意満面』になるその笑顔の集まる所を己が力のために壊そうとする所業、ゲスの行いと知るがいい」
GM/バルログ:…どこより現れた道化か知らぬが…聞いておいてやろう。何者か
覆面女:「ゲスに名乗る名などない!」
C・クロノス:「…(そ、そうか。その手があったか!?)」
討魔:「最初にばっちり名乗ってるような気がするが?」
GM:そんな格好した奴に言われたくないだろうなあ、バルログも(笑)。
覆面女:ひねりを加えながら重力降下…頭から落ちる(SE:グシャ)。しばらくしていきなり立ち上がる。登場終わり。
GM:では、行動どうぞ。
覆面女:行きます。マイナー接近、メジャーで斬る。(ころころ)6と2を採用、達成値17です。
GM:(ころころ)命中ですな。
覆面女:「斬る!」(ころころ)23点の〈斬〉ダメージです。
GM:では、こちらも《焦熱の壁》。実ダメージ15点をくれてやりましょう。
覆面女:「その程度!」喰らいます。残りFP17点。
討魔:「ひゅぅ〜〜〜〜〜。…はぁ!!」マイナーなし、メジャーで斬る。当たるかなぁ…(ころころ)達成値16。
GM:(ころころ)達成値13。当たりよりました。
討魔:よし!!「数珠丸よ!! 汝の秘奥を開放せよ!!!」HA《剣魂一擲》使用。
C・クロノス:「少年よ、歴史を紡ぐのは君たちだ!」絆を固定、AGP3点渡しましょう。
覆面女:「己の意志で貫け」絆固定、こっちもAGP3点。
GM/バルログ:…霊刀…か…! 厄介なものを…
討魔:ホセの絆を愛にして消去。蘭の絆を消去。合計AGP8点とり、他のPCにそれぞれ2点ずつ。「これは霊剣では無い!! ……世界最強の聖なる太刀だ!!!」(ざらざらざらーっ)149点〈魔〉属性!!
GM:おお、痛い!
C・クロノス:ダメージのダイス目も、かなりいいなぁ。
討魔:「見たか!! 化生よ!!」
GM/バルログ:かはあああああっ! なるほど…貴様に対する認識をただの小僧から改めねばならぬな。では、こちらも全身全霊で返してくれよう!」まずは《焦熱の壁》で15点ダメージ。
討魔:「ぐぅ……熱くない!! 先生の苦しみに比べたらこんなもの! 熱くない!!!」さて…もう何もできないよ(笑)。
C・クロノス:《攻防一体》…は、ないの?(笑)
討魔:無い(笑)。《電光石火》、《ヴォイド》のみ(笑)。
GM:バルログがそのまま行動に移ります。自分の前面のPCに炎の鞭! マイナー《魔震》、メジャー《カテゴリー:ファイア》で範囲攻撃。(ころころ)達成値24で当たりかけです。
C・クロノス:「クロノ・フリイィィズッ!!」《氷の精神》!(ころころ)達成値22、届かないー(笑)。普通に回避で(ころころ)避けられません。
討魔:(ころころ)無理(笑)。
覆面女:クリティカルこい!(ころころ)だめ〜。
GM/バルログ:ここは我が世界。法則も我が定めたもの! ゆえに、逃れること能わず!」《殺戮者》《爵位》《資産:強化(特殊攻撃)》《資産:狂器》でダメージ増加、(ころころ)45点の〈炎〉!
討魔:魔獣化!「はぁあああああああああ!!!!」背中に担いだ野太刀が神々しい光を放つ!!
C・クロノス:同じく魔獣化。「くっ…だが、我々は負けない!」身体を燐光状のフィールドが覆う。
覆面女:魔獣化です。「私をここまで追い詰めたのは貴様が初めてだ、ゲスよ〜〜」パンダ耳が生えて威圧感…って。一人だけ、なんかしょぼい(泣)。
C・クロノス:そうかな?
覆面女:二人とも光ってるのに、一人だけ耳ぴょこ♪ですから。
GM/バルログ:…さあ、まだ死に足りぬか。ならば、何度でもかかってくるが良い。貴様らの希望を踏み潰し、絶望の種が萌芽する様を見てやろう!

 現在のエンゲージ:(バルログ・討魔・蘭・クロノス)


▼ラウンド2

GM:で、次のターンですな。セットアップ、ここで《絶対先制》。
覆面女:やばい。
C・クロノス:まずいねぇ…。
討魔:ぬぅ。
GM:では、先ほどと同じ攻撃を(ころころ)達成値26。
C・クロノス:こっちは絆がまだ残ってる。《電光石火》を使って貰えるかな?
討魔:了解〜。
C・クロノス:では、討魔にAGP1点。
討魔:HA《電光石火》使用!「この地は我が領地なり、仏敵の跳梁許さず!!!」刀を地面に突き立てて護法陣を作ります。
GM:ぬ、こっちがファンブルかあ。…消せないんだよなあ。バルログが打ち込んだ二条の鞭が護法陣に触れた途端、スパークを起こして弾け飛ぶ。「…なんと!」驚愕の表情を浮かべたバルログに、大きな隙ができます。

討魔:これがクトゥルフなら「第四の結印はエルダーサイン!! 敵意と脅威を祓い、我が怨敵を打ち破るものなり!!」とか言ってる(笑)。
C・クロノス:エルダーサインと言われると、デモンベインを思い出す私がいる(笑)。
討魔:うむ。まんまパクリだ(笑)。

C・クロノス:こちらHA《無限の法則》を使いたい所存。みなさん、AGPプリーズ。
討魔:AGP3点進呈。これで迫水の愛だけが残った(笑)。
覆面女:「決めるがいい」AGP3点進呈、使いきり。
C・クロノス:前に貰った2点に今のを足して合計8点使用。「貴様が炎を司るならば…これはどうだ!」マイナーで機械剣の属性を〈氷〉に変更、《必殺技》使ってメジャーで斬る!(ころころ)達成値23。何もなければ、そっちはファンブル。
GM/バルログ:…絶対零度よりも、温度は下がらぬ…。だが、炎には事実上限界などない。貴様の冷気など…なに!?」体の中心から凍り始めます。避けられません(笑)。
C・クロノス:オートで《リインフォース》!「――クロノス・ブリザード・ストライィィクッ!!」(どざらららーっ)118点〈氷〉!
GM/バルログ:それは死んだ!「馬鹿な…支配者が…この世界の支配者が…敗れるはずがないぃぃ!」体が急激に凍り付き、ばらばらに砕け散ります。残ったのは小さな結晶だけですが、これもすぐにひび割れて色を失います。
覆面女:「支配者…世界の支配者は既にお前ではない」すぱっと。
討魔:「魔ごときが世界を支配? ……大それた妄想だな」
C・クロノス:「―――修正完了。滅びの因子よ、虚無に還れ…」
討魔:ひゅんっ!っと刀の血を払って、カチンッと鞘に収めます。「天魔覆滅」
覆面女:羽を撒き散らしつつ撤退します。
GM:と…そんなところで戦闘終了。人間性は大丈夫ですか?
討魔:減ってません(笑)。
覆面女:残り6点。
C・クロノス:現在マイナス8で、絆は5個。(ころころ)よし、プラス9で生還。


GM:バルログを失った世界は、急激に崩壊し始めます。今まであった校舎も消えていきます。
C・クロノス:「む…とぉっ!」空飛んで、物陰に消えます(笑)。
GM:気がついてみると、そこは学校があった空き地になっていますね。君たちと迫水以外の人間は気を失っているようです。そして、そこにはまだ曽我先生が立っています。
討魔:「先生…」
GM/曽我:「…二人とも、大きくなったわね」
討魔:「はいっ……」涙目です。
GM/曽我:「こうして、みんなにもう一度会えるとは思わなかったわ。討魔君、君にこれを返しておくわね」先生が取り出したのは…焼け焦げて、ぼろぼろになった筆箱だ。
討魔:「あ…ありがとっ……ございます」ぼろぼろ泣きます。
GM:それを受け取った時に思い出すのは、親にねだって買ってもらった…当時放送し始めたばかりの特撮ヒーローが描かれた君の宝物だった。燃える学校に、君はこれを取りに戻ったのだった。
討魔:「先生っ……ふぐっ…」
GM/曽我:「ふふ…泣かなくてもいいわ。あなた方が立派に成長してくれていただけで、私は満足です。…四方堂討魔君。君は、五年生の時の文集に『将来の夢』という題の作文に何て書いたか覚えているかしら」
討魔:「正義の味方…です」
GM/曽我:「正義の味方…素敵な夢ね。果てしない道のりかもしれないけど、君は今日、その一歩を踏み出したんです。炎に捲かれた子供を助けた君は、そうなれる…私はそう信じます」
討魔:「はいっ…」
GM/曽我:「じゃあ、私はそろそろ行かなくちゃ。あの時、君が助かったのは、決して私の力だけじゃない。その人にも、感謝なさいな」言いながら、先生の姿が薄らいでいきます。
討魔:「はい。さようなら先生。今度会う時は、彼岸の向こうでお会いしましょう」
GM:曽我先生は笑いながら手を振ります。
討魔:「いっちゃったな」
GM/迫水:「…いっちまった……少しは、恩返しできたかな」
討魔:「そうかもな」熱っぽい視線で迫水を見ます。「迫水……」
GM/迫水:「…なんだよ」
覆面女→蘭:もう出れないんだっけ?
GM:出たいですか?
討魔:近づいていって。「…………ごめんな♪」幕の内一歩も真っ青なリバーブローを。
GM/迫水:「げほ!」きゅう(笑)。
討魔:「ふぅ………これで一連の事件は夢の中だ」
GM:強引な手だ(笑)。
蘭:リバーブローいっちゃったから、迫水くんがまだ立ってるなら…って気絶した…。
壱生:「(……僕はいつまで倒れていればいいんだろう…?)」生徒に紛れて気絶した振り。起きるに起きられない(笑)。
討魔:「さて……警察に通報して帰るか」
壱生:ご褒美、踏み倒したな(笑)。
討魔:踏み倒す気満々ですよ?(笑)
GM:迫水がもらおうとしたかは微妙ですが(笑)。まあ、そんなところでエンディングへいきます。


 

■エンディングフェイズ■


●シーン13 『過去を乗り越えて』  李蘭ED

○学校/翌日


GM:その翌日、迫水真一は学校に出てきます。
蘭:「せんぱーい、迫水せんぱーい」遠くから両手を広げて笑顔で駆けてくる。
GM/迫水:「…おう」心なしか、大人びた表情になったような気がします。
蘭:「…てや〜〜」蹴り(マテ
GM/迫水:ぐは! また…また肝臓に…いいのが…! いきなり何しやがる! 失踪した人間に襲い掛かっていい法律でも施行されたのかよ!」
蘭:「私がしました! まったく、心配して探しに行ったってのに何ですか。そのケロッとした態度は」
GM/迫水:「…ああ、すまないな…行ったんだよ、同窓会」
蘭:「そんな開き直ったりするから…先輩はスケベなんです〜〜」
GM/迫水:「なにがスケベだ…って、やっぱり、あの時いたのか、お前?」
討魔:(舞台裏)それは夢だよ。全て夢さ(笑)。
蘭:その問いには答えず、あっかんベーして走り去る。
GM/迫水:「するってえと、あれは夢じゃないのか…」(回想して赤面)「いや、夢だ。夢に決まっている! でも……俺、ちゃんと生きてますよ、先生」そう呟いて、蘭の後を追い始めます。



●シーン14 『ささやかな未来』  鉄壱生ED

○西新宿/メルキゼデク・ジャパンビル前


GM:会社から出てくると、目の前で車が止まります。
壱生:「……?」嫌〜ぁな予感がするなぁ(笑)。
GM/長沢:「どうも」窓が開くと、そこにあんまり見たくない刑事の顔がありますね。
壱生:「あ…長沢刑事でしたっけ。その節はどうも…」
GM/長沢:「今、お帰りですか?」
壱生:「は、はぁ…そうですけど」露骨に警戒した顔で、鞄を胸の前に構えつつ。
GM/長沢:「そうですか。よければ、駅まで送りますよ」助手席のドアを開けますね。
壱生:「いえ、僕、歩くの好きですから!」
GM/長沢:「そうですか。それじゃあ、無理強いはしません。ああ、それと…」
壱生:「…何でしょうか?」
GM/長沢:「例の事件が解決したんで、その報告に来たんですがね」
壱生:「あ…そうでしたか。それは良かった」それについては、本当に安堵した笑みを。
GM/長沢:「…おまけですが、この間、銀行で不釣合いな金額を引き落としていった若い男がいたそうでして」
壱生:「…………」それ、もしかして僕ですか? ホセの遺言で(笑)。
GM/長沢:「思わず鉄壱生、と自分の名前を書いてから書き直したそうで、怪しんでいたそうですが…関係はないですよね」
壱生:…………厭な人ですね、刑事さん(ぼそり)。偶然です、えぇ単なる偶然ですとも! 僕は全然、何にも知りませんから!」
GM/長沢:「よく言われます。ま…こっちの管轄外なんで、どうでもいい話ですが。今朝のニュースでは、南米の小国で内紛が終わった、と言っていましたからね。世は平和だということで。…と、お帰りのところでしたね。引き止めてしまって申し訳ありません」
壱生:「……失礼します」一礼して、踵を返す。喜んでいいのかどうか、複雑な表情で。
GM:街のビルに、ニュース映像が写っています。ボランティア団体がその国に救援物資を送って、子供たちのために学校を整備しようとしている動きがある…との内容です。
壱生:「でもまぁ……たまにはこんなのも、悪くはないか…」ニュースを見て、僅かに顔をほころばせる。



●シーン15 『仰げば尊し』  四方堂討魔ED

○討魔の自室


GM:さて、君の手元にはあの筆箱が残っている。
討魔:「………」自室で開けてみます。
GM:筆箱の中身を開けてみると、そこには一枚の写真が入っていますね。
討魔:「これは……」
GM:同窓会が始まる時、体育館でみんなで撮った写真です。
討魔:「なんで……」
GM:君たちが、あの思い出の校舎で撮った時…真ん中の席は先生のために空けていました。そこには、誰も写っていなかったはずでした。しかし今、その写真には曽我先生が写っています。君の記憶の中にある姿のまま、笑っています。
討魔:「……………今度、迫水にコピーして渡してやるか」

「―――がんばりなさいな」
 一瞬、そんな声が聞こえた気がした。


討魔:「はいっ!! 先生!!」
GM:あの出来事が確かな事実である証が、君の手の中には残っている。そして、先生は今でも『女王の教室』の全員を見守ってくれている…そう思えます。



THE END


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