第57話
キス・オブ・ザ・セイント

●今回予告●

12月。街にジングルベルが鳴り響く。
…だというのに俺はと言えば、どぶの中を逃げ回り、敵の追っ手を撒いていた。

今度ばかりはヘマをした。
この街を抜け出す前に、敵に見つかって殺られるだろう。
それも仕方がない。覚悟の上だ。

だが、俺を助けた奴がいる。
助けたのは、まだ幼稚園に通うようなクソガキだ。
子供に情けをかけられるなんざ真っ平ゴメンだが、今回ばかりはそうも言っていられない。
俺は、この子供に匿われることになった。

ジングルベルを聞きながら、俺は子供の話を聞いた。

「サンタクロースなんて、いやしない」

俺は、その子供の体に付けられた傷を見てしまった。
あの時から、戻れなくなったのだ。
魔物だって、たまにはサンタの真似をする。

「俺たちは天使じゃない」と嘯きながら。

Beast Bind New Testament
『キス・オブ・ザ・セイント』

汝、聖夜の使者とならん。



オープニング ミドル クライマックス エンディング

■プレセッション■


GM(R−3):まずハウスルールの説明から。登場判定の必要は無いです。宣言していただければ、こちらで却下しない限り自由に登場して構いません。絆/エゴの取得も、判定なしで自由に取得して結構です。
一同:了解です。
GM:では、自己紹介をお願いします。絆の取得順はPC番号順になりますので、よろしく。


●PC1(定員1名) 推奨:オヤジ・ハードボイルド系キャラ。

 君は、逃げていた。
 倒すべきはずの敵を、倒し損ねたのが原因だ。
 体に受けた傷は数十箇所。追っ手の足音はもう、すぐそこまで聞こえていた。

 もう、駄目か。
 そう思って逃げ込んだ先にいた一人の子供は、君を物置へと匿ってくれた。

 シナリオ絆:加藤 慶太かとう けいた (関係:借り)


鬼来 法眼 きらい ほうげん鬼法師  プレイヤー:麻那
 【イレギュラー/ビースト】 年齢:34歳/性別:男/カヴァー:法力僧
「この身に流るるは鬼の血…されど宿るは人の魂。仏の力を借りて魔性を討つ、人呼んで―――鬼法師」
 先祖返りで『鬼』の血脈に目醒めた流浪の法力僧。飄々としているように見えて、芯は熱い性格。
 身長2mを超す巨漢でボサボサ髪に無精髭、顔も身体も傷だらけ。僧衣と下駄履きが基本スタイル。
 鬼の血がもたらす忌まわしい食人衝動を堪えながら、人に仇なす魔物を調伏している。
 実のところ『法力僧』としては二流以下だが、鬼の能力と実戦で鍛えた戦闘技術により『退魔師』としては一流。
 昔、恋人を喰い殺しかけたトラウマから、自分と自分に流れる『鬼の血脈』を忌むべきものとして憎んでいる。
 所持HA:《歩く影法師》、《歩く影法師》、《獣の生命》


●PC2(定員1名) 
推奨:依頼を受けられるキャラ。

 二見和重が君に持ってきた依頼は、一人の女を探し出すことだった。
 何やら多大な借金を抱えた身で、どこかに姿を眩ましたという。

 簡単な人探しの依頼ではある。だが、黒い噂の絶えない二見のことだ。
 今回の一件も、もしかしたら何か裏があるのかもしれない…。

 シナリオエゴ:二見 和重 ふたみ かずしげ (関係:任意)


菅 黒子すが くろこ 黒狐  プレイヤー:ラゼル
 【レジェンド/スピリット】 年齢:27歳/性別:男/カヴァー:泥棒
「―――この街にゃ、嘘つきばかりだ。……だが、たまにはそれも悪くない」
 長身痩躯。糸のような目をして、いつも笑ってるような表情をしている男。
 その正体は大妖狐、白面金毛九尾の子孫を嘯く妖狐。
 出自は明らかではないが、今は人間に化けて水商売の斡旋(いわゆるポン引き)を表の稼業としている。
 人に善を為す妖狐を白狐と呼ぶが…経歴からも判る通り、黒子はその逆。人に害なす黒狐である。
 口を開けばでまかせばかり。だが世の中には、嘘を求める者もいる。黒子はそんな人々と街を愛しているのだ。
 所持HA:《スーパーアクション》、《世界霊魂》、《ヴォイド》


●PC3(定員1名) 推奨:お人好しのキャラ。

 君は、歓楽街のバーで飲んでいた。
 が、表が何やら騒がしい。君は気になって、外を見に行った。

 そこには一人の女性が倒れており、いかにも柄の良くない男たちが、その女性を囲んでいる。
 無理にでも、その女性を連れて行こうとする男たちに君は…。

 シナリオ絆:桐山 恵 きりやま めぐみ (関係:任意)

石動 宗一郎いするぎ そういちろう ブラックドッグ  プレイヤー:サブマリン
 【ビースト/イモータル】 年齢:32歳/性別:男/カヴァー:無認可保育園園長兼探偵
「―――俺は、あの子供達のためなら…どんな事にだって耐えられる」
 親友だったはずの同僚に裏切られて致命傷を負い、人狼の血脈に覚醒して逆に相手を殺害した元・刑事。
 罪の意識から辞職し荒れた生活を送るも、『ひまわり保育園』を経営していた老婆に拾われて立ち直った。
 その後、死んだ老婆に保育園を託され園長となった。子供達の笑顔は、今や彼の生き甲斐でもある。
 悪人に対しては容赦ないが、根本的にお人好しで詰めの甘い性格。
 常に経営難の無認可保育園を維持するため、探偵を兼業。それでも足りず死霊課の下請けなども引き受ける。
 所持HA:《獣の生命》、《獣の盾》、《死者の微笑み》


法眼:黒子へはエゴ/知己で。あまり接点がないので、セッション内でひっくり返す予定。
黒子:PC間は、石動宗一郎に好奇心の絆で。
宗一郎:PC間絆は、法眼に信頼で。
GM:はい。ありがとうございました。それでは、本編へと入らせていただきます。


 

■オープニングフェイズ■


●シーン1 『法師が街で野垂れ死ぬ』  シーンプレイヤー:鬼来法眼

○12月23日・夕刻/路地裏


GM:あなたは、ある吸血鬼の始末を頼まれました。この吸血鬼自体は、それほどの苦労もなく倒すことが出来たのですが…この吸血鬼がペルソナネットワークの長老のお気に入りだったのが災いして、配下の吸血鬼達に追い回され、既にぼろぼろな状態です。

法眼:「(血が流れすぎたか……目まで霞んできやがった…)」下水溝にでも転げ込むかな。
GM:塀を飛び越え、ある建物の中に逃げ込みますが、既にまともに着地する力もなく、その場に転がってしまう始末です。
法眼:「……ちっ。よりにもよって締まらねぇ死に方だな……」一番深い腹の傷を手で押さえ、窓から覗く狭い星空を見上げて…ぼんやりと考える。「……あ〜ぁ。…まぁ、いいか…」
GM:さて、そんな時に。「…おじさん、どうしたの?」と、子供が法眼の顔を覗き込んでいます。
法眼:「……誰だ?」億劫そうにそっちを見る。
GM/子供:「…けが、してるの?」質問には答えずに。
法眼:「……よそへ行ってな、ボウズ。もうすぐここに怖い連中が来るからさ…」しっしっ、と追いやるように手を振る。
GM:塀の向こうから、追手の声が聞こえてきます。「見つかったか?」「いや、まだ近くにいるはずだ」
法眼:音を聞きつけ、子供に向かって唸る。「…さっさと行けよ。死ぬぞ」
GM/子供:「…おじさん」法眼の手を取って「こっちだよ」どこかに連れて行こうとしますね。
法眼:「何を…」困惑した表情で立ち上がる。


○物置

GM/子供:「ここなら、誰にも見つからないよ。もう、誰も使っていないし」子供が法眼を連れてきたのは、裏にある用具室ですね。
法眼:大丈夫そうですかね? ストーリー上は大丈夫だと判っちゃいるけど(笑)。
GM:姿は隠せそうですね。あとは、運でしょう。今出て行って殺されるのを選ぶか、やり過ごす方にかけるか…そんな感じに見えます。
法眼:まぁ、運試しってところか。この子供はどうするんだろう。
GM/子供:「ほら、おじさん、入って」言いながら法眼の背中を押して、自分は建物の方に行きます。
法眼:子供が巻き込まれる心配は? どっちかというと法眼的には、この子が追っ手に見つかって、とばっちりで殺される方が心配なんだ。
GM:建物は幼稚園のようで、何人かの園児と先生もいますので、中に入ってしまえば追手には判らなくなるでしょう。ペルソナネットワークがいきなり幼稚園を襲撃するという強引な手段に踏み切る可能性も低い、と判断できます。
法眼:なるほど。じゃあ、大人しく隠れていよう。
GM:何度か小屋の前を歩く足音も聞こえますが、その後は足音も聞こえなくなり、人気がなくなります。
法眼:苦笑しながら、そのまま身を潜めて気配を絶つ。「(やれやれ……まぁた、死に損なっちまったか…)」
GM:では、しばらくしてドアをノックする音が聞こえます。「おじさん?」と、あの子供の声が。
法眼:「……おぅ」外の気配を確認してから返事する。
GM/子供:「もう、誰もいないよ」子どもが中に入ってきます。救急箱と、給食で出たらしいパンを持って。
法眼:「…そうかい」よっこらせ、と身を起こして受け取ろう。
GM/子供:「…はい」薬と食料を渡して「しばらく、ここにいるといいよ。僕も、ここに隠れている時は、誰にも見つかったことが無いんだ」
法眼:「ありがとよ。今夜一晩だけ世話になる」
GM:外はもう暗くなっていて、町の方からジングル・ベルが聞こえてきますね。
法眼:「ふ…ん。そういや、そんな季節だっけな…サンタが街にやってくる、か」微かな音楽に耳を傾けて呟く。
GM/子供:「…サンタクロースなんて、いないよ。おじさん」
法眼:「…うん? どうしてそう思うんだ?」
GM/子供:「…去年も、一昨年も、僕は『良い子にしていれば、サンタクロースが来てくれる』って教えてもらって…良い子にしてたんだ。おじさんにも、おばさんにも、逆らわなかった。でも、サンタさんは来てくれなかったよ…。サンタさんは、いないよ。お母さんに会わせて欲しい、そう願っても…聞いてくれない」
法眼:「…ボウズの母さんは、生きてるのか?」
GM/子供:「…生きている…と思う。おじさんとおばさんに、僕を預けてどこかへ行っちゃったけど…」
法眼:「…そうか。もしかしたら、サンタも探すのが大変で、手間取ってるのかもしれないなぁ?」穏やかな顔で。
GM/子供:「…そう…だよね。きっと、待っていれば、お母さんも帰ってくるよね」
法眼:「あぁ……生きているんなら、いつかは会えるさ」くしゃ、と頭を撫でる。
GM/子供:急に立ち上がって「もう行かなくちゃ。おじさんとおばさんが帰ってくる前に、家に戻らないと。…また明日、何か持ってくるよ。パンくらいしかないけど」
法眼:「あぁ、食事はもういい。金くらいは持ってる」
GM/子供:「そう? じゃあ、またね。おじさん」
法眼:「あぁ、心配されないうちに帰るんだな…」
GM:子どもは帰っていきます…彼のいた場所に、ハンカチが落ちていますね。
法眼:拾っておく。名前なんか書いてあるのかな。
GM:加藤慶太、と名前が入っています。ここで、絆:加藤慶太と[SA:加藤慶太に借りを返す]をどうぞ。
法眼:絆/借りで。

▼絆/エゴの変化
法眼:
加藤慶太に絆/借りを取得。



法眼:これだけだと、単に親と引き離されただけの子供だなぁ。トレーラーにあった「身体の傷」とかはミドルで出るんだろうか。
宗一郎:身体の傷はPC1のことでは?
法眼:「俺は、その子供の体につけられた傷を見てしまった」なので。
黒子:トレーラーの方ですね。
宗一郎:あ、ほんとだ。すいません(汗)。
法眼:てっきり親戚に虐待されてるものだと思ったんだけど。OPでは触れなかったからミドルかなぁ、と。
宗一郎:そのようですね。
GM:オープニングでそこまで話がいかなかったので、ミドル以降で入れるつもりです。
黒子:もしミドルで出てこなかったらですね…また少年が登場した瞬間、「おい、ちょっと服を脱げ!」とアグレッシヴに確認するというやり方が(笑)。
法眼:それは……友人が喜びそうだ(何
宗一郎:喜ぶんだ?(笑)
黒子:そうすれば、後は我々がそこに登場し、性犯罪者と化した法眼をラスボスとした戦闘がいきなり始まり、セッション最短記録を更新するという最高のネタが生まれる(笑)。
法眼:犯罪はいけません。あくまでも純愛でなくては(ぉ
GM:純愛で少年に服を脱がせる、と(笑)。愛のパワーは偉大だ(笑)。
宗一郎:また一つこのサイトで、新しい禁断の愛が…(笑)。



●シーン2 『狐と悪党』  シーンプレイヤー:管黒子

○12月24日・午前/歓楽街


GM:君の元に、二見和重…歓楽街を支配するフィクサーである男が訪ねてきます。
黒子:「へへ、これはこれは二見さん。ようこそおいでくださいやした」糸のような目を益々細めて、追従しつつ席を薦める。
GM/二見:「…なかなか、羽振りが良さそうだな、黒子」
黒子:「とーんでもございやせん! へへ、そう見えるなら、そりゃきっと二見さんのお力あればこそ、ですよ」
GM/二見:「一つ、仕事を頼みたい」
黒子:「へぇ、何でございやしょ」
GM/二見:「女を一人、捜してくれ。名前は桐山恵。借金を抱えていたが、姿を眩ませた。こっちは仕事まで用意してやったというのにな」
黒子:「女……ですか。写真とか、行き先の当てとかはあるんですかい?」
GM/二見:「昨日、うちの人間が街で見かけたが、おかしな奴に邪魔をされて見失った。女の写真はこれだ。この街のことなら、お前の方が詳しいだろう」
黒子:「おっと、大した別嬪さんだ。ちょいと悪戯したくなっちまう腰つきだなぁ」下卑た笑いを浮かべる。
GM/二見:「売り物だ。傷付けてくれるなよ」
黒子:「へへ、怖い怖い。わかってますよ、二見の旦那の言うことですからねぇ」
GM/二見:「では、頼んだぞ」
黒子:「承知しやした」
GM:そう言い置いて、二見は出て行く。
黒子:「(……売り物、ねぇ。気に入らないとは思ってたが、そろそろ潮時かもしれねぇな、この男も)」声に出さず、糸目をうっすらと開き、二見の去る背中を見つめる。
GM:ではエゴ:二見和重と、[SA:桐山恵を捜す]を。
黒子:二見和重にエゴ/腐れ縁を取得。SAも受領します。

▼絆/エゴの変化
黒子:
二見和重にエゴ/腐れ縁を取得。




●シーン3 『狼男の拾いもの』  シーンプレイヤー:石動宗一郎

○12月23日・夜/歓楽街


GM:黒子のシーンの一日前になります。
宗一郎:うぃ。
GM:夜、歓楽街にて一人、馴染みの店で飲んでいるところですな。外から、女の悲鳴と男の怒号が聞こえてきます。
宗一郎:「ん? なんだ?」刑事時代の癖で、様子を確かめに外に出ます。もちろん、支払いを済ましてからね!(笑)
GM/男:「見つけたぜ。簡単に逃げられるなんて思ったら、大間違いだぜ」いかにもな風体の男たちが、30代初めくらいの女性を捕まえようとしているところですね。今まで必死で逃げてきたのか、女性は履いていたであろう靴も、どこかになくしてきた様子です。リーダー格らしき男が「…さて、二見さんのところに戻ってもらうぜ」と、女性に手を伸ばす。
宗一郎:「その辺にしておけ。大の男が一人の女を寄ってたかって…あまり褒められたもんじゃない」女性を捕まえようと手を伸ばした男の腕を取って締め上げる。
GM/男:「…いてててて!? なんだ、てめえは!」
宗一郎:「人の名を聞く時は、まずは自分から名乗るのが礼儀だと思うが…お前さんらに礼儀を説くだけ無駄だろう。消えな」と、掴んでいた腕を放してやる。
GM/男:「ち、邪魔するってのか? 無関係な奴は引っ込んでろ!」
宗一郎:「もう十分係わっているよ。仕方がない。なら警察へ行くか? お前さんら見れば、ちょっと叩けばいくらでも埃が出てきそうだが、それでも構わないか?」
GM/男:「てめえ…どうしても邪魔するってのか?」男たちは殺気だっていますね。やる気満々です。
宗一郎:「やれやれ。話すだけ無駄か。仕方ない…」と、身構えましょう。
GM:まあ、彼らはただの人間なんで、何人いても石動には勝てないでしょう。すぐに地べたに這い蹲ることになります。
宗一郎:うぃ(笑)。
GM/男:「ぐは…」パタ(笑)。
宗一郎:「ふう、やれやれ。…お怪我はありませんか?」と、女性の方に。
GM/女:「あ…はい」そう答えた後で、安心したのか、急に力なく崩れ落ちます。
宗一郎:「あっと、危ない」女性を抱きとめて、立たせながら「だいぶ無理をしてきたようですね…近くに私の仕事場があるのですが、良ければそこで休んでいかれませんか? すぐそこの保育園なんですが…」
GM:女は『保育園』という言葉に反応したのか、もう一度立ち上がります。「慶太…迎えに行かないと…」だが、すぐに倒れてしまいます。相当、疲労しているようですね。
宗一郎:「慶太? …って、おっと! やれやれ、これはまたみんなに怒られてしまうかな」と苦笑しながら、女性を抱きかかえて保育園へと向かいます。
GM:では…まだ名乗っていないが絆:桐山恵と、[SA:桐山恵を助ける]を。
宗一郎:絆/救済を。

▼絆/エゴの変化
宗一郎:
桐山恵に絆/救済を取得。



 

■ミドルフェイズ■


●シーン4 『裸の傷跡』  シーンプレイヤー:鬼来法眼  登場難易度:任意

○12月24日・早朝/用具室

GM:OPの翌朝になります。
法眼:怪我はどのくらい回復してるのだろう?
GM:もう動けるほどには回復しています。偉大な鬼の生命力(笑)。で、空が白んできた頃に、扉がノックされますね。
法眼:隙間から相手を確認して、開ける。「…よぉ」
GM/慶太:「…よぉ」同じように返します。
宗一郎:子供はよく、大人のすることを真似するんだよな(笑)。
法眼:「どうした? ずいぶん早起きだな」
GM/慶太:「良かった。まだいたんだ」持っていた袋の中から、一枚、毛布を出してきます。「幼稚園のものだから、汚さないでよ。ほら、まだ寒いし」
法眼:「…有り難く使わせて貰おう」苦笑しつつ。
GM/慶太:「それと…」服の下から、ごそごそとパンを出して「やっぱり、持って来たよ。結構苦労して持ってきたんだから、美味しく食べるように」
法眼:「よく気の付くボウズだなぁ。気配り上手だって先生に言われないか?」
GM:その時に、捲り上げた慶太の服の下から一瞬、傷が見えます。それも、結構な数の。
法眼:気付かないふりでパンを囓りつつ「…喧嘩でもしたのか?」
GM/慶太:「…いや…これは…」急いで隠して「なんでもないよ、なんでもない」
法眼:慌ててるのは、怯えてるからかな?
GM:そう見えますね。ばれてしまった、という焦りもあるでしょう。

法眼:(少し考えて)…いかんなぁ。このまま強引に抱き込んで傷口を見ようとしたら、思いっきり犯罪チックになってしまう(笑)。
GM:口車に乗せて脱がしても、やはり犯罪チックに(笑)。
宗一郎:完璧に犯罪ですね(笑)。
黒子:さぁ、楽しいセッションになって参りました(笑)。
GM:時代は少年愛…ふ、俺のセッションもようやく時代に追いついてきたか(違
宗一郎:なんか間違った楽しさを追求しているような…(笑)。

法眼:取りあえず、気付かない振りのまま「…ところで、おじさんおばさんに預けられてるんだったな。優しいかい?」と聞いて様子を見る。
GM/慶太:「…………」俯いてしまいますね。
法眼:「……(虐待、か…)」パンの残りを口に放り込み「…ありがとよ。旨かった」大きな手で頭を撫でる。
GM/慶太:「…ああ、うん…そのくらいしか、持ってこれないけど」
法眼:「いや、十分だ」
GM/慶太:「もうそろそろ、幼稚園が始まるから…そろそろ行くよ。じゃあね、おじさん」
法眼:「あぁ、またな」
GM:慶太はそう言い置いて、建物の方へ走っていきます。
法眼:「さて…と。一宿一飯の恩義を果たすとするかな…」
GM:では、このシーンはここで切っておきますが、よろしいですか?
法眼:情報収集判定は後のシーンで?
GM:あぁ、では加藤慶太についてはここで振っておきましょうか。後の身の振り方も楽になるでしょうし。
法眼:取りあえず、情報屋に連絡とってペルソナネットワークの動きを見てから。ある程度安全に動けそうなら慶太の素性も。
GM:ではまず、ペルソナネットワークの方は〈情報:魔物〉で。
法眼:情報屋込みで(ころころ)達成値13。
GM:ペルソナネットワークの方に大きな動きはありません。何か別な仕事があるらしく、長老の私事である法眼抹殺にまで手を回せなくなったようです。
法眼:詳細までは判らないが、ひとまずこっちに関わっては来ないと?
GM:とりあえずは、安全なようですね。
法眼:では、次は慶太を。〈情報:噂話〉かな?(ころころ)達成値12。
GM:お、ぴったりで全部出た。
法眼:おぉ、それは幸い。

>加藤慶太 〈情報:噂話〉
達成値5:
加藤慶太。とある幼稚園に通う、五歳の幼児。
達成値8:義理の両親に育てられており、あまり周囲と馴染めないでいる。
達成値10:本当の両親は行方不明だが、今の加藤家の人間とは旧知の仲であるらしい。赤ん坊だった慶太を預けた母親は、その後に消息を絶っている。
達成値12:母親の名前は桐山恵。父親は不明。


GM:と、いうのが慶太に関する情報です。
法眼:了解。取りあえず、このシーンはこんな所かな。
GM:ついでですから、この加藤家に対する情報判定も行っておきましょう。〈情報:噂話/裏社会〉で。
法眼:あ、やれるのか。得られる情報はどっちでも一緒?
GM:同じです。
法眼:では〈情報:噂話〉と情報屋で(ころころ)達成値13。

>加藤家の人間 〈情報:噂話/裏社会〉
達成値5:
加藤家の人間。慶太の義理の両親。
達成値8:何の仕事についているかは判らないが、派手な生活をしている、と聞く。
達成値10:二見和重というフィクサーの下で働いており、薬の密売から故買屋まで何でもこなすが、一番の仕事はいわゆるポン引き。借金苦の妻女や、田舎から出てきたばかりの娘を言いくるめ、いかがわしい仕事をさせている。
達成値12:加藤慶太の母は、そうした仕事をさせられている女の一人であり、慶太は母親が簡単には逃げられぬように、彼らに捕られた人質でもある。


GM:こういったところが、情報屋から得られます。
法眼:ふむ。何とかしてやりたいのは山々だが、今のところ法的にはギリギリすり抜けてそうだしなぁ。別のシーンでボロが出てくるのを待ってみようか。
GM:では、次のシーンへ行きましょう。絆等、あれば。
法眼:なしで。まだ慶太にしか会ってないし。



●シーン5 『Trouble is my business』  シーンプレイヤー:石動宗一郎  登場難易度:任意

○12月24日・朝/無認可保育所『ひまわり園』

GM:保育園に連れてきた女性は、意識を取り戻し『桐山恵』と名乗ります。「…ご迷惑をおかけしました」
宗一郎:「いいえ、勝手に私が首を突っ込んだだけですから気にしないでください。…差し出がましいようで何ですが、こうなったのも何かの縁です。よければ、私に詳しい事情を話してみていただけませんか? こう見えても、私はこういった仕事もしてまして…」と、探偵としての名刺を渡す。
GM/恵:「…はい…実は、私は…二見和重という人間の下で、働いていました。その…あまり、健全な仕事ではありません」
宗一郎:「……」無言で頷き、先を促す。
GM/恵:「田舎から都会に憧れて出てきた私は、二見和重と出会い、都会というものを知って…有頂天になっていたんでしょうね。あの男は、最初からそういう仕事をさせる目的だったようです。気がついた時には、こんな有様になっていました」

(舞台裏)
黒子:出たいけど、ここで出るとあまりにも急展開すぎるな(笑)。
法眼:さすがにねぇ…次のシーンで彼女を見つけたことにしてみては(笑)。
黒子:登場自体は自分の中で言い訳が立つものの、一度出たら、もう二見を裏切る台詞を吐かざるを得ないので(笑)。
法眼:もう暫く、悪役サイドでロールしていたいと(笑)。
黒子:ここでいきなり裏切ると、何考えてるのか、訳が解らないキャラクターになっちゃうので(笑)。
法眼:裏切るためのモチベーションを作るシーンが欲しいところですなぁ(笑)。


宗一郎:「それで、二見という男から逃げ出してきた…ということですか?」
GM/恵:「…はい。今まで、我慢していたのは…私には人手に預けた子どもがいたからです。その子どもに、返済した借金の中から、養育費を渡す約束をしてくれていたのですが……その約束は、果たされていませんでした。子どもが預けられているという家に…止められていたんですが…一度、遠くからだけでも、と思って見に行ったことがあるんです」
宗一郎:「そうだったのですか…それでは、あなたは慶太君の所へ向かおうとしていたのですね?」
GM/恵:(頷く)「あの子の生活は、酷いものでした。このままでは、いけない。そう思って、あの子を連れて逃げるつもりだったのです…」無理に立ち上がろうとしますが、体に上手く力が入らないようです。「行かなくては…私が逃げても、あの子はまだ…」
宗一郎:「いや、無理をしてはいけない。あなたの体はあなたが思っている以上に参ってしまっている。ここは私に任せてはもらえませんか?」
GM/恵:「…あなたに?」
宗一郎:「それに相手が相手だ。あなたでは、すぐにあいつらに捕まってしまうでしょう。その点、私はこういったことには慣れています」
GM/恵:「でも、私には、あなたに払えるものが何もありません…」
宗一郎:「正直に言えば、私もお金は欲しいです。ですから、無料タダでという訳にはいきません。ですが…あなたとお子さんが生活していける目処が付いた時で良いんで、少しずつ払ってください。それまで、いつまででも私は待ちますから」
GM/恵:「…………」頬をつう、と涙が伝います。人から優しくされることさえも、久しぶりだったのでしょう。
宗一郎:「さてと、それでは早速仕事にかかります。桐山さんはここで慶太君が帰ってくるのを待っていてください。浩子さん、桐山さんのこと頼みます」と、泣いていることに気がつかないふりをして外に出ましょう(笑)。



●シーン6 『無情遊戯』  シーンプレイヤー:管黒子  登場難易度:任意

○12月24日・午前/街中

GM:情報収集のシーンになりますが。調査できるのは、桐山恵と二見和重。この辺りからでしょう。
黒子:そうですね。まずは、桐山恵から調べます。
GM:では、〈情報:裏社会/噂話〉で。
黒子:どちらも持ってないので、平目で振ります(ころころ)達成値10。

>桐山恵 〈情報:裏社会/噂話〉
達成値5:
30代に成りたての女性。二見和重に使われている。
達成値8:田舎から出てきて、挫折。その際に二見和重に誑かされて、体をひさぐ商売に携わることになる。その間、二見との間に一児を儲けたが、その子は人質として、生まれてからすぐに引き離されている。
達成値10:子供の名前は慶太。彼女が逃げ出したのは、今の生活から足を洗い、息子を探し出して一緒に生活するためである。


GM:ギリギリ全部です。
法眼:あー、やっぱり慶太の父親は二見かぁ。
宗一郎:まあ、ここら辺は予想通りの展開ですね。
黒子:では次、二見和重について。
GM:〈情報:魔物/裏社会/噂話〉で。
黒子:魔物が入るなら、魔物で(ころころ)達成値14。

>二見和重 〈情報:魔物/裏社会/噂話〉
達成値5:
この街の裏の世界に潜むフィクサーの一人。
達成値8:様々な犯罪組織にコネを持ち、自身はペルソナ・ネットワークに所属する吸血鬼。
達成値10:一番の稼ぎは女衒と地下カジノ。
達成値12:人間を破滅させて楽しむ“遊戯”を主催し、貴族を気取る仲間たちと共に、対象の人間がいつ破滅するかを賭けている…という話も聞く。


GM:こんなところですね。
黒子:わかりました。
法眼:ペルソナネットワークはこっちに絡んできたか。と言うか、慶太はバンパイアハーフなのか?
宗一郎:ダンピールですね…たぶん。
黒子:子供については、調べられます?
GM:どうぞ、〈情報:噂話〉で。
黒子:(ころころ)達成値10。

>加藤慶太 〈情報:噂話〉
達成値5:
加藤慶太。とある幼稚園に通う、五歳の幼児。
達成値8:義理の両親に育てられており、あまり周囲と馴染めないでいる。
達成値10:本当の両親は行方不明だが、今の加藤家の人間とは旧知の仲であるらしい。赤ん坊だった慶太を預けた母親は、その後に消息を絶っている。


GM:というところです。
黒子:了解です。後は調べられたら、ペルソナネットワーク内で二見が何か仕事、又は任務に関わっているか、でしょうか。二見の情報収集に重なる気もしますし、無理なら無理で。
GM:まあ、二見の情報に被るから追加しておくと。

 二見が行う『人間を破滅させる遊戯』は、彼のカジノでペルソナネットワークの長老クラスが行う賭け、だ。
 彼が選んだ人間に様々な困難を用意して、その困難に負けて死を選ぶか、それとも乗り越えるかを賭けるもので、賭けの対象をロストしたとなると彼の沽券に関わるのだ。


GM:…と、このように思ってください。
黒子:桐山恵、加藤慶太の居場所については、明言ないけど居場所は把握したものとして、他PCシーンに登場するのは問題あります?
GM:居場所に関しては、把握したことにしてもいいです。それによって、登場判定を制限したりしません。
黒子:了解です。現状での行動は以上ですね。後は他PCに絡む段階なので。
GM:はい。絆等、あれば。
黒子:桐山恵に絆/救済を。

▼絆/エゴの変化
黒子:
桐山恵に絆/救済を取得。




●シーン7 『愛なき街で』  シーンプレイヤー:鬼来法眼  登場難易度:任意

○12月24日・午前/街中


GM:その後、どのように行動しますか?
法眼:さて、何をするかなぁ…。二見に関して、いちおう調べておこうか。名前出てたし。
GM:はい。では、〈情報:魔物/裏社会/噂話〉で。
法眼:〈情報:魔物〉と情報屋で(ころころ)達成値15。

>二見和重 〈情報:魔物/裏社会/噂話〉
達成値5:
この街の裏の世界に潜むフィクサーの一人。
達成値8:様々な犯罪組織にコネを持ち、自身はペルソナ・ネットワークに所属する吸血鬼。
達成値10:一番の稼ぎは女衒と地下カジノ。
達成値12:人間を破滅させて楽しむ“遊戯”を主催し、貴族を気取る仲間たちと共に、対象の人間がいつ破滅するかを賭けている…という話も聞く。


GM:以上です。ちなみに法眼を追い回していたのも、二見だと理解していただいて結構です。
法眼:後は、母親の桐山恵に関しても。
GM:桐山恵は〈情報:裏社会/噂話〉です。
法眼:〈情報:噂話〉と情報屋で(ころころ)達成値12。

>桐山恵 〈情報:裏社会/噂話〉
達成値5:
30代に成りたての女性。二見和重に使われている。
達成値8:田舎から出てきて、挫折。その際に二見和重に誑かされて、体をひさぐ商売に携わることになる。その間、二見との間に一児を儲けたが、その子は人質として、生まれてからすぐに引き離されている。
達成値10:子供の名前は慶太。彼女が逃げ出したのは、今の生活から足を洗い、息子を探し出して一緒に生活するためである。


GM:と、こんなところですね。
法眼:行方までは、まだ判らない?
GM:そうですね。彼らが目標を見失ったのは、歓楽街で一人の男が邪魔したからだ、と聞いています。知り合いに似た風貌の人間がいることを思い出します。石動ですね。
法眼:ふむ。ところで二見を狙うということは、ペルソナネットワーク一つを丸ごと敵に回すと思っていいのかな?
GM:二見のセクションを叩き潰すということは、ペルソナネットワークと構えることになるでしょうね。
法眼:「ふむ…石動には気の毒だが……最悪、保育園の子供らに被害が出んようにしないとな…」ひまわり園に向かおう。
GM:はい。では、絆等、あれば。
法眼:誰かに会ってからで…(笑)。



●シーン8 『理想と現実』  シーンプレイヤー:石動宗一郎  登場難易度:任意

○12月24日・午前/街中


GM:ちょうど、保育園から出たところくらいかな。で、何をします?
宗一郎:まずは二見について調べます。その後、慶太についてですね。二見には〈情報:裏社会〉を使って。慶太は〈情報:噂話〉だけでしたっけ?
GM:二見については〈情報:魔物/裏社会/噂話〉。慶太は〈情報:噂話〉ですな。
宗一郎:了解です。まず二見に(ころころ)達成値13。

>二見和重 〈情報:魔物/裏社会/噂話〉
達成値5:
この街の裏の世界に潜むフィクサーの一人。
達成値8:様々な犯罪組織にコネを持ち、自身はペルソナ・ネットワークに所属する吸血鬼。
達成値10:一番の稼ぎは女衒と地下カジノ。
達成値12:人間を破滅させて楽しむ“遊戯”を主催し、貴族を気取る仲間たちと共に、対象の人間がいつ破滅するかを賭けている…という話も聞く。


GM:以上です。
宗一郎:「…胸糞の悪くなる野郎だな。桐山さん親子の幸せを取り戻すには、こいつとの対決を避けることは出来そうにないな…」
黒子:調査が全て終わった段階で、登場します。まだ調べることあれば、お先にどうぞ。
宗一郎:はい。では続いて、慶太の情報を調べます。(ころころ)達成値16。

>加藤慶太 〈情報:噂話〉
達成値5:
加藤慶太。とある幼稚園に通う、五歳の幼児。
達成値8:義理の両親に育てられており、あまり周囲と馴染めないでいる。
達成値10:本当の両親は行方不明だが、今の加藤家の人間とは旧知の仲であるらしい。赤ん坊だった慶太を預けた母親は、その後に消息を絶っている。
達成値12:母親の名前は桐山恵。父親は不明。


GM:と、こんなところかな。
宗一郎:ふむ。義理の両親である加藤家についても調べられます?
GM:〈情報:裏社会/噂話〉で。
宗一郎:では、裏社会で(ころころ)達成値18。
GM:子どもが絡むと出目がよくなるなあ、石動(笑)。
宗一郎:そうね(笑)。

>加藤家の人間 〈情報:噂話/裏社会〉
達成値5:
加藤家の人間。慶太の義理の両親。
達成値8:何の仕事についているかは判らないが、派手な生活をしている、と聞く。
達成値10:二見和重というフィクサーの下で働いており、薬の密売から故買屋まで何でもこなすが、一番の仕事はいわゆるポン引き。借金苦の妻女や、田舎から出てきたばかりの娘を言いくるめ、いかがわしい仕事をさせている。
達成値12:加藤慶太の母は、そうした仕事をさせられている女の一人であり、慶太は母親が簡単には逃げられぬように、彼らに捕られた人質でもある。


GM:以上です。
宗一郎:「…酷い真似をする」では、調べることも終ったので加藤家に向かおうとしますが…。
黒子:情報屋との会話が終わった所で、登場します。路地から出てきた石動が、ビルの壁に背をもたれさせている菅に気付く、という感じで。
宗一郎:了解でス(笑)。
黒子:「……メリー・クリスマス。こんな季節にまでお仕事ですかい? 探し人……かな。別嬪さんを匿ったんだ。家に帰って、よろしくやってた方がよろしいんじゃないですか、旦那?」
宗一郎:「…貧乏暇無しと言うやつでね。そういうお前さんがこんな昼間っから動いているとは、どういう風の吹き回しだ?」
黒子:「なに。二見和重について、嗅ぎ回っている奴がいるって聞いたもので。ちょいと興味を持ったんですよ。…ねぇ、旦那。あの女、あっしにくれやせんかね?」
宗一郎:「…俺がやると言うと思うか?」
黒子:「ククッ、これだ。マーロウでも気取るつもりですかい? 旦那にゃ似合いませんぜ」
宗一郎:「俺は小説に出てくる探偵と違って泥臭くてね。彼らみたいにスマートには生きられないさ」
黒子:「二見和重は、あの女を必死で探している。人を使ってまで、ね。痛い目に遭いたくなけりゃ……いや。“旦那の身の回りの人”を痛い目に遭わせたくなけりゃ、手を引いた方がいいですぜ」
法眼:上手いなぁ、黒子のロールプレイ。
宗一郎:「…なぁ。人の手に、どれだけの数のものを抱え上げられるか、考えたことはあるか?」
黒子:「は? 何の話で?」きょとん、とした表情になる。
宗一郎:「…俺は、この手に掴み取れるものは幾らでも掴み上げてやりたい。たとえ、それが単なる自己満足であっても。この手のすぐそこにある、助けを必要としているものから手を引くことなど…俺には出来ない」
黒子:「……ハ。気に入らない考えですね。青臭い、汚れを知らない奴が言いそうな意見だ。ま、あっしは忠告しやしたぜ。せいぜい、後ろにゃ気をつけることです。二見は、本物の外道ですからね」そう言って、その場を去る。
宗一郎:「…青臭いか。確かに、な。だが、打てる手は打っておく」法眼に電話します。
法眼:繋がりません(笑)。前の携帯はOPで壊れた。その頃、俺は保育園にいる…つもり。
宗一郎:「…こんな時に」と、舌打ち(笑)。「仕方がない。一度、保育園に戻るか…」
黒子:石動は、幼稚園に行くのではなく、保育園に戻るのね?
宗一郎:うん、戻ります。守ってもらおうと思っていた人が掴まるまでは動けなくなったから(笑)。

▼絆/エゴの変化
宗一郎:
黒子に絆/容赦を取得。




●シーン9 『持つ者、持たざる者』  シーンプレイヤー:鬼来法眼  登場難易度:任意

○12月24日・昼/無認可保育所『ひまわり園』


法眼:いちおう姿は見せないようにしているという前提で来てみたが。何かあるかな?
GM:とりあえずは、特に何も。対応してくれた保育士に、石動が不在だと言われるくらいでしょうか。
法眼:ふむ。じゃあ、園長の帰りを待つか。桐山恵もここに?
GM:おそらく、桐山恵もいるでしょう。が、通された応接室には、勿論いません。

宗一郎:どうするかな。法眼だけで桐山恵と話します? 特に話したいこともなければ、すぐに登場しますが。
法眼:特にはないな。事実の再確認になるだけのような気も。
宗一郎:了解。それでは出ますね。
黒子:私ゃ入れ違いで、幼稚園にでも行ってますわい……(笑)。

宗一郎:それでは、少ししてから保育園に戻ってきます。
法眼:「…よぉ」片手を挙げて「単刀直入に行こう。桐山恵という女性を知っているか?」
宗一郎:「…法眼。まさか二見の…?」
法眼:「何の因果か、彼女の子供と関わる羽目になった」肩をすくめる。
宗一郎:それを聞いてホッとする。
法眼:「一宿一飯の恩義って奴でね。ボウズの願いを叶えてやりたいところなんだが…相手が相手だ」
宗一郎:「そうだったのか。ああ、彼女はここで匿っている。俺も偶然彼女を助けて、な」
法眼:「だろうと思った。相変わらずだな、お人好しは結構だが…」少し鋭い目つきになり。「…お前さんは、既に“護るべきもの”をたくさん抱えた身だってことは、忘れない方がいい」
宗一郎:「…そうだな。それは痛感させられたよ。黒子の奴にも同じことを言われてね」
法眼:「黒子か…奴もこの件に噛んでるのか?」
宗一郎:「ああ。それもどうやら二見の手となって動いているようだ。俺の動きは全て掴まれていた」
法眼:「いずれにせよ、ここが奴らに知られるのは時間の問題だ。手を出される前に二見の一派だけでも潰しておきたいところだな」
宗一郎:「そこで、情けない話だがお前さんに手を貸してもらおうと携帯に電話したんだが、掴まらなかったんで一度ここに戻ってきたというわけだ」
法眼:「あぁ、前の携帯はぶっ壊れた。吸血鬼どもを相手にした時にな」
宗一郎:「そうだったのか」
法眼:「あぁ。さて…二見相手に事を起こすとなると、ペルソナネットワーク一つを敵に回すわけだが。その前に……ボウズを連れ出して、母親に会わせた方が良いかもしれんな」
宗一郎:「そうだな。子供を押さえられたら、こちらも身動きが取れなくなってしまう。彼女の子供、慶太君は今どこに居るか判るか?」
法眼:「加藤って家に預けられてる。人質としてな……押さえられたら面倒だ、ちょっと行ってくる。石動はここで待っていろ」
宗一郎:「加藤家か…一人で大丈夫か?」
法眼:「俺一人なら何とでも。二人離れて隙を突かれる方が厄介だ」
宗一郎:「そうだな…すまない。慶太くんを頼む」
法眼:「あぁ」加藤家に…というか、例の用具室でいいのかな。とにかく、迎えに行く。
GM:確認しますが…幼稚園と、加藤家…どちらに向かいますか?
法眼:時間的には今、何時で? 確か、今夜も来るようなことを言ってた気が…。
GM:正午を回ったくらいですね。
法眼:それじゃあ、幼稚園の方がいいかな。
GM:わかりました。では、絆等、あれば。
法眼:石動に絆/共感を。
宗一郎:慶太に絆/救済を。

▼絆/エゴの変化
法眼:宗一郎に絆/共感を取得。
宗一郎:加藤慶太に絆/救済を取得。




●シーン10 『二枚舌』  シーンプレイヤー:管黒子  登場難易度:任意

○12月24日・午後/街中


GM:黒子は幼稚園に行くって予定でしたっけ?
黒子:幼稚園へ。出来ればその前に、慶太のいる加藤家について調べてから行きたいです。
GM:では、〈情報:裏社会/噂話〉で。
黒子:(ころころ)達成値8…低いな、まぁしょうがない。

>加藤家の人間 〈情報:噂話/裏社会〉
達成値5:
加藤家の人間。慶太の義理の両親。
達成値8:何の仕事についているかは判らないが、派手な生活をしている、と聞く。


GM:8だと、ここまでです。
黒子:では、幼稚園へ。電気会社になりすまして、「点検がある」と適当な事を言って潜り込みます。その上で、慶太の様子を確認。母親の接触を警戒して、二見の手の者が見張ってないか、等。あと、慶太自身がどんな様子で過ごしているか、もですね。


○幼稚園

GM:では、昼頃の話なのですが…そろそろ園児たちが帰る時間になっていますが、慶太の姿は見当たらないね。ちなみに、ここに張っている人間はいる。どうも二見の手下だと思われる奴らが、車の中から見張っているね。
黒子:見当たらない、か。なら、その辺の子供でも捕まえて話を聞いてみるかな。二見の手下からは注目されない位置で、ですね。
GM:では子どもに聞いてみると、「…慶太くんなら、おじさんとおばさんが迎えに来て、用事があるとか言って、帰ったよ」という返事が返ってきます。
黒子:「そいつぁどうも。気をつけて帰りなよ」
法眼:先手を打たれたか。
GM:子供は手を振って、帰って行きます。
黒子:「さて……空振りですか。仕方ねぇ、そっちに行ってみますかねぇ」加藤家へ。
GM:はい…このまま続けた方が良さそうなんで、このまま加藤家の方に向かいますが…法眼さんはここで出ます?
法眼:そうですねぇ。同じく幼稚園で空振ったので、一足先に加藤家へ来たって事で。
GM:では、このまま続けて、後に合流で。


○加藤家の前

GM:加藤家は、結構立派な一軒家です。色々な人から搾取した金銭で立てた家ですな。
法眼:俺は真っ向から行くと問題あるので、隠密状態で庭から入るということに…。
黒子:私は正面から行きます。ここも幼稚園同様、見張りとかは周囲にいますかね?
GM:正面から訪ねれば、家に加藤家の人間がいることが判ります。見張られていますね。恵が現れると思ってのことでしょう。
黒子:なるほど、承知しました。では、改めて正面から。「ごめんくさーい。どなたか、いらっしゃいやすか?」
GM:はい。呼び鈴を押すと、いかにもカタギではなさそうな男が出てきます。「どちらさん?」
黒子:「二見の旦那の紹介で来た、菅ってもんでやす。ちょいと聞きたい事がありましてね」
GM/加藤:「…入りな」居間に通してくれますね。
黒子:「こりゃどーも。いや、話ってのは簡単なことで。あっしは二見の旦那から、女を捜すよう頼まれたんでさ。それで、まだ見つからないもんで、ここら辺に現われた目撃情報とかないか、一応あたっとこうと思いやして」
GM/加藤:「ああ、あのガキのお袋だろう? ここには来てないぜ」
黒子:「なぁんだ。……そういや、ガキは今ここにいるんで? どんな女か、ガキの口からも聞いておきたいんでさ。人探しってのは、何がヒントになるか判らないもんですからね」
GM/加藤:「昼間のうちに、二見の旦那のところに送ったぜ。なにせあの女、ガキのことには一生懸命だったらしいからな。きっと居ても立ってもいられずに、二見の旦那のところに戻ることになるだろうよ」
黒子:「旦那の所に? ……なるほど。そういうことですかい」
GM/加藤:「こっちは、さっさといなくなってくれた方が清々するんだがな」
黒子:「へぇ、そんな生意気なガキだったんで?」
GM/加藤:「いや、いつかお袋に会えると思って、何でも言うことを聞くガキだったぜ。だが俺は、ガキが嫌いなんでな。まあ、そのお陰で二見の旦那からはたんまり金を貰っているしな。生意気なことを言いやがったら、その度に拳固を食らわしてやっていたが…それも教育って奴だ。そうだろ?」
黒子:「へへ、そうですねぇ。全くでさ。ま、そういうことなら、あっしがここにいても邪魔になるだけだ。退散する事にしますわ」
GM/加藤:「ガキの詳しい話が聞きたいなら、二見の旦那のところにでも行け。旦那の経営するホテルの地下にある、カジノに居るはずだ」
黒子:「ありがとさんです。そいじゃあっしは、この辺で」席を立ち、加藤家から立ち去ります。

(舞台裏)
法眼:…参ったな。幼稚園でなく真っ直ぐ加藤家に向かってれば間に合ったんだろうか…。それはそれとして、どうやって黒子をこっち側に引き込もう?
宗一郎:それも問題ですね。
黒子:こっちはこっちで勝手に動きますので(笑)。
宗一郎:まあ、最初のシーンで「切り時か」とか描写が入っていたから、そこら辺からなんとかするのかな?


黒子:あ、最後に一つ。立ち去り、もうなかなか見なくなった電話ボックスを探し、電話をかける。相手は石動に。まぁ、長々と会話してもあれなので、すぐ済ませます。
宗一郎:「もしもし、石動です」
黒子:私の名前はミスターX。君に有益な情報を与えよう……」鼻を摘んで、名乗らずに一方的に話し始める。
宗一郎:「…黒子か」

黒子:名乗んねぇっての(笑)。お前は超人キャラか!(笑)
宗一郎:推測たちそうだけどな(笑)。
黒子:PLが正体をばらしたいなら、最初から名乗るので……『名乗らない』という意図をスルーして何でもお見通しとかされると、びみょーな気分になるかな、ちょっと。
宗一郎:なるほど。『鼻を摘んで』という表現で微妙にギャグに落としていると勘違いしました。すいません。

黒子:加藤慶太は、二見和重が経営するカジノ・ラスベガスにいる。助けたければ、そこに行くことだ」ガチャリ。受話器を置いて、通話を切る。
宗一郎:では、その電話を受けてこちらは二見が経営するカジノへ向かいましょう。もちろん、法眼にもメールで今の情報を回しておきます。
法眼:黒子に話しかけようかと思ったけど…やめとくか(苦笑)。
GM:では、シーンを切ります。絆等、あれば。
黒子:嘘:エゴ/執着を嘘:絆/方便に変更。あと、加藤慶太に絆/救済で。
法眼:黒子へのエゴを絆/有為に変更。桐山恵に絆/救済で。

▼絆/エゴの変化
法眼:黒子へのエゴを絆/有為に変更、桐山恵に絆/救済を取得。
黒子:嘘へのエゴを絆/方便に変更、加藤慶太に絆/救済を取得。



法眼:黒子に案内させるつもりで尾行してたけど、どうやら正体隠したがってそうなので話しかけなかった(笑)。
黒子:素晴らしきPL同士の腹の探りあい(笑)。
法眼:それはいいんだが。登場していたのに、一言も絡めなかったのが何だかなぁ(苦笑)。電話を聞いてたってことで絆/有為にしたけども(笑)。
黒子:この場に慶太がいた場合の仮定ですが、法眼が来た段階で阻止するふりしてヤクザたちの邪魔する気でした(笑)。
法眼:なるほど(笑)。
GM:次のシーン、場所はカジノで? 他に入れておきたいシーンはありますか?
黒子:私は特になしです。
宗一郎:先ほどの宣言の通り、私はカジノへ向いますので他の動きは特になしで。
GM:では、カジノへ。




●シーン11 『魔獣の饗宴』  シーンプレイヤー:鬼来法眼  登場難易度:任意

○12月24日・夜/地下カジノ『ラスベガス』


GM:二見が経営するホテルの地下。カジノがありますね。その筋の人間とか、正体を隠した魔物などが多数おります。二見へ面会できるのは黒子だけですから、他の二人は隠れて入ることになりますね。
法眼:…いや。俺は堂々と入っていこう、僧衣のまんまで(笑)。ここ、ペルソナネットワークの管轄下なんだよな?
GM:そうなりますね。ただ、事情を知らない人間の客もいないわけではないですけど。
黒子:入り口で私が二人を待って、しらばっくれて俺の紹介ってことで中に入れますか? 私は二人が何をしに来たか、訊かない方針で。
法眼:俺が正面から行けば、他は手薄になるだろうと思うので。その間、石動や黒子は動き放題になるんじゃないかなと。
黒子:じゃあ、それで。私は一足先に、普通に中に入ってましょう。
宗一郎:なるほど(笑)。では、それに便乗させてもらいましょうか(笑)。
GM:わかりました(笑)。では法眼がカジノに入ると、黒服たちの様子が一変しますね。
法眼:「よぉ……久しぶり」にぃっ、と口端をつり上げて嗤う。
黒子:「(おや、いらっしゃいましたか)」正装でポーカーをやりつつ、カードで口元を隠して笑う。
GM:奥から、屈強なボディガードを従えた責任者らしき男がやってきますね。「鬼来法眼様、ですか?」
法眼:「あぁ、そうだ。わざわざの出迎え、痛み入る」
GM/責任者:「オーナーがお待ちです。よろしければ、特別席にどうぞ」
法眼:「いいだろう」堂々と歩いていく。
GM:で、奥の方に連れて行かれますね。奥には立派な扉があり、どうもそこが二見の部屋のようです。

黒子:いちおう警備の人間に、子供を奪い返しに来る奴がいる可能性を示唆して、慶太の居場所を確認しておきます。二見の所だとは思いますが。
GM:二見の居る部屋の、隣に監禁されていることが判るね。それくらいは明かしておこう。
黒子:では、私はそっちに先に行ってますよ。


○オーナー室

GM/責任者:「どうぞ」扉を開けます。
法眼:普通に入っていこう。
GM/二見:「…よう。実際に顔を合わせるのは初めてかな? 鬼来法眼」椅子に座ったスーツの男が言います。
法眼:「そうなるな。この前は残念だったようだが」
GM/二見:「まさか、真正面から来るとは思わなかったぞ。よほどの大物か、馬鹿か…どちらだろうな、お前は」
法眼:「さて…馬鹿よりは、大物の方が箔が付いて良いんじゃないのか? 少なくともアンタにとっては」
GM/二見:「…逃げずに、俺の前に姿を現したのは何故だ?」
法眼:「別に……少しばかり、くたびれてね。ここらで休んでみてもいいか…と思ったのも事実だ」
GM/二見:「ほう…殊勝な心がけだな」
法眼:(肩を竦め)「あぁ……どうせ、いつ死んでも構わない人生だったんだ」
GM/二見:「それで、今がその時だと覚悟を決めたわけか」
法眼:「……それがな、今は少しばかり事情が変わった。ちょっとした借りが出来ちまってな。そいつを返さない内は、死ぬに死ねない」
GM/二見:「借り?」
法眼:「あぁ。つまらねぇ借りだが…それでも借りは借りだ。要らない命でも、救われちまったからには仕方ねぇ」ゆっくり立ち上がる。
GM/二見:「ほう…つまらない借りに、命を張るつもりか…」こちらも立ち上がる。
法眼:「言ったろう? 俺の命なんざ、別にどうなろうが構わねぇ…」ニヤリと嗤い。「慶太ってボウズが、ここにいるはずだ……返してもらいに来た」
GM/二見:「…ガキの為か」小さく笑って「貴様がどちらかよく判った。大物でも、馬鹿でもない。…大馬鹿者だ」
法眼:「どっちでも結構だ。そっちに返す気がなくとも連れ帰るさ」
黒子:「クク、まったくで。馬鹿も大馬鹿ですねぇ」喉の奥で笑う。部屋の扉の所にもたれかかるようにして、立っている。
GM/二見:「黒子か…」
黒子:「旦那、まぁここは軽く捻っちまいやしょうか」
法眼:「……」片眉を上げて、無言で見ている。
黒子:「……あんたを、ね」舌をべろーんと出して、二見を見る。
GM/二見:「…裏切るつもりか?」
黒子:「さぁて。旦那、わかってたでしょう? ……あっしは嘘ついてなんぼの、黒狐だ。信じるなんざ、馬鹿も大馬鹿のすることでさぁ」
GM/二見:「貴様がどういう存在であれ、この俺に対する裏切りは許さん。覚悟を決めるがいい」
黒子:「ちょうど季節は、歳末大掃除だ。この街にゃぁね、あんたみたいなゴミはいらないんだよ。――いやぁ、災難だ! 突然の襲撃者にやられちまうなんて、何て二見の旦那は不幸なんだろう!」ああ、と大げさに顔を手で覆う。
GM/二見:「面白いシナリオだな。だが、そのシナリオは結末が違う。襲撃者は善戦したが、歯が立たなかった。生き残ったのは、その二見の方だった…そういう筋書きだ」
宗一郎:「それもやっぱり間違いで、嫌われ者の二見は襲撃者の手によって倒されるというのが本筋の脚本だ」と、二見の手下を部屋に投げ込んで登場(笑)。ついでに爪を胸で引っ掻き、《血脈付与》を使用する。
GM/二見:「…もう一人、いたのか。警備の連中を入れ替える必要があるな」
法眼:「……そうやって格好付けて出てきたからには、当然ボウズは確保してあるんだろうな?」と、二人に聞く。どっちが助けたかは知らないが(笑)。
宗一郎:部屋から出てきた黒子でしょう(笑)。
黒子:助けてから、「部屋で鍵かけて待ってろ」と言っておいたということで(笑)。
法眼:では、そういうことで(笑)。
GM/二見:「…まとめて片付けるだけだ。貴様らの血の一滴まで絞り取って、殺すと宣言しよう」
黒子:「へへ、怖い怖い。……さ、旦那がた。後は任せましたぜ」
法眼:「そいつは結構だが……不死身の鬼と狼男、それに黒狐…葬り去るのは少し骨だぜ?」不敵に笑う。
黒子:「え、あっしも戦うんで? ……しょうがないなぁ」ドアノブにかけていた手を離す。
宗一郎:「お前が泣かせてきた人への贖いは、お前の血を持って払ってもらう!」
GM/二見:「こちらは夜を統べる貴族よ…貴様らこそ、簡単に帰れると思うな」


GM:と、いうところでシーンを切ります。[SA:二見を倒す]をどうぞ。絆等、最後にあれば。
法眼:二見に絆/仇敵を取ろう。
宗一郎:二見にエゴ/消滅を。
黒子:法眼に絆/有為を取得。

▼絆/エゴの変化
法眼:二見和重に絆/仇敵を取得。
黒子:法眼に絆/有為を取得。
宗一郎:二見和重にエゴ/消滅を取得。



 

■クライマックスフェイズ■


●シーン12 『キス・オブ・ザ・ビースト』  PC全員登場

○オーナー室


 現在のエンゲージ:(二見) (法眼・宗一郎・黒子)

GM:エンゲージは上記の通り。接近にはマイナーアクションを消費します。
法眼:敵は二見だけ?
GM:二見だけです。
法眼:ボディガードがぞろぞろ出るかと思ったがなぁ(笑)。


▼ラウンド1

GM:では、セットアップ。
法眼:オートで《獣化》。
宗一郎:同じく。
GM:こちらは《絶対先制》。マイナー《血脈強化》、メジャー《黒き洗礼》、オートで《弱点看破》を行います。範囲なので、全員に。(ころころ)達成値32。
法眼:意志で抵抗か…。(ころころ)無理、命中。
宗一郎:クリットしないので当たります。
黒子:(ころころ)命中です。
法眼:《俊敏なる盾》で黒子を庇おうか。
黒子:では、お願いします。
GM:(ころころ)16点の〈闇〉ですが、通ればバッドステータス[重圧]。この重圧は解除にメジャーアクションを必要としますので、そのつもりで。
法眼:OK。但し、俺は《特殊体質》で重圧の影響を受けない。32点喰らって、残り30点。
GM:では、行動値11で二見の行動ですね。マイナー《黒き牙》、メジャー《血脈付与》で、闇を固めたような刃を作ります。
法眼:ふむ。黒子、何かする?
黒子:待機で。ラウンド最後に、法眼を再行動させるつもりです。
法眼:了解。それじゃマイナーで戦闘移動、メジャーで殴ろう。(ころころ)達成値23。
GM:回避は低いが…(ころころ)6ゾロ、クリティカル(笑)。
法眼:うぉ!?
宗一郎:ぶっ!
GM/二見:実力以上の強敵だ(笑)。「惜しいな…法眼。もうちょっとだったのにな」挑発的な笑みを浮かべて。
法眼:「ちっ…ぬかしやがれ!」振り直しアーツはないなぁ…仕方ない。
宗一郎:確かにこれは実力以上だ(笑)。では、俺ですね。マイナーで接近。メジャーで重圧解除。…終わり(泣)。
GM:では、行動を遅らせた黒子。
黒子:《彼の出番だ》で、法眼を未行動状態にします。「殴り合いは苦手でして……ま、幻覚の中で踊っててくだせぇ」幻を発生させ、通常なら反応できるはずの二見を惑わし、隙を作る。
法眼:「ありがてぇ…喰らえッ!」マイナーで《切り裂くもの》、メジャーで攻撃(ころころ)達成値27。
GM:(ころころ)さすがに奇跡は起きなかった(笑)。
法眼:ダメージは(ころころ)58点の〈斬〉。
GM/二見:「…なるほど。少しはやるようだな」
法眼:魔獣化はしなかったか、さすがに。
GM:打たれ強いですよ、二見は。では、全員の行動が終わったのでクリンナップフェイズで二見の傷が回復します。
法眼:クリンナップでFP15点回復。
宗一郎:こちらも15点回復。

 現在のエンゲージ:(二見・法眼・宗一郎) (黒子)


▼ラウンド2

GM:では、セットアップ…全員無しと。行動値11で、二見の行動。マイナー《血脈強化》、メジャー《混沌たる夜の主》で接近してきた二人に攻撃。《弱点看破》、《怪の力》、PS《資産:強化(白兵攻撃)》でダメージ増加。(ころころ)達成値33。
法眼:(ころころ)命中。
宗一郎:(ころころ)ダイス目11、惜しい(笑)。
GM:では、ダメージを(ころころ)72点の〈闇〉。
法眼:これは…石動をカバーリングしよう、《俊敏なる盾》。
宗一郎:わかりました。お願いします。
法眼:そして魔獣化。《超獣変身》をオートで使用。
宗一郎:「すまない。法眼!」
GM/二見:「…何故ボディガードを連れていないか、判ってきたか? 俺には必要ないからだ」
法眼:「言ってろよ――――変生、紅蓮ッ!!
GM/二見:「鬼の生命力…どこまで持つか、見物だな?」魔獣化した法眼に冷笑を浮かべる。では、そちらの行動。
黒子:私はまたも待機で。
法眼:次はこっちかな。更にオートで《怒髪天》使用。メジャーで殴る。(ころころ)クリティカルはしないか。達成値26。
GM:(ころころ)出目10、惜しい…。
法眼:ダメージは(ころころ)60点〈斬〉。
GM/二見:ギリギリで残った。「…ほう、楽しませてくれるな」
法眼:「テメェこそな…」これで残るか。確かにタフだな…。
GM:では、石動の行動だね。
宗一郎:マイナーで《切り裂くもの》を使用して、殴ります。(ころころ)達成値29。
GM:来るがいい!(ころころ)命中。
宗一郎:「こいつでどうだ!」(ころころ)37点の〈闇〉ダメージ!
GM:それは、死ぬ。HA《滅びの霧》を使って、灰になった二見が石動に攻撃。
宗一郎:来い!
GM:マイナー《血脈強化》を使用、メジャーでクリティカル攻撃。《弱点看破》《怪の力》《資産:強化(白兵攻撃)》でダメージ増加。
宗一郎:回避は(ころころ)ダメです(笑)。
GM:では(ころころ)63点の〈魔〉。
宗一郎:「ぐはっ!」まだ生きてます。残りFP2点。
GM/二見:その状態でHA《永劫より》使用、(ころころ)FP15点で復活。「…人狼などという下等で無意味な種族が、本当にこの私を倒せると思ったのか?」復活して笑みを浮かべる。
宗一郎:「…言ってろよ。どんなに無様でも、勝負は最後に立っていた奴の勝ちなんだぜ…」にぃっと笑う。
黒子:「思ってるから、今この場にいるんでさぁ。二見の旦那」《彼の出番だ》使用、石動を未行動に。
宗一郎:「ありがたい!」マイナーで《ビーストヘジーク》を使用。メジャーで《吸血再生》、(ころころ)達成値31。
GM:(ころころ)まあ、さすがに当たるね。
宗一郎:ダメージは(ころころ)48点の〈闇〉! しかし、今日は情報判定以外ダイス目が振るわんな(笑)。
GM:FPが0になるので、今度こそ魔獣化。HA《超魔の命》に10点使用。
宗一郎:「血の力を扱えるのは、貴様ら吸血鬼だけの特権ではない!」
GM/二見:「…なるほど…どうやら、本気で相手をする必要があるようだな…」
法眼:クリンナップで《怒髪天》ダメージ、(いっころ)1点。
宗一郎:クリンナップでFP15点回復。

 現在のエンゲージ:(二見・法眼・宗一郎) (黒子)


▼ラウンド3

GM:セットアップで、最後の《絶対先制》を使用。マイナー《血脈強化》、メジャー《混沌たる夜の主》で法眼と石動に範囲攻撃。《弱点看破》《怪の力》《資産:強化(白兵攻撃)》でダメージ増加。(ころころ)達成値35。
法眼:(ころころ)命中。
宗一郎:《ビーストヘジーク》を使用中なので回避できません。
法眼:さて、どうする? どちらかがカバーリングに入るのが良いと思うが。
宗一郎:じゃあ、俺が。《俊敏なる盾》で法眼をカバーリングします!
GM/二見:「よくそこまで頑張ったな。せめて毛皮くらいは残してやる…」(ころころ)68点の〈闇〉。
宗一郎:合計128点喰らって死ぬので、エゴを二つ固定して、HA《獣の生命》使用。かりそめの死から復活します。「…勝ったつもりになるのは気が早すぎるぜ」闇の刃で穿たれた穴が、見る間に再生していく!
GM/二見:「…しぶとい奴だ」
宗一郎:「それが“売り”なんでね」

法眼:この面子、回復力は高いんだが…ダメージHAが心許ないなぁ(笑)。
宗一郎:俺の《死者の微笑み》くらいしかダメージHAがないですね(笑)。
GM:強いキャラが多いはずなのにね(笑)。

GM/二見:「何度立ち上がってきたところで、結果は同じだと言うのにな」行動値11でこちらが動きます。同じコンボで再度、範囲攻撃を繰り出します。(ころころ)達成値31。
黒子:《霞の外套》使用。(ころころ)達成値27か…二見和重へのエゴ/腐れ縁を固定してHA《スーパーアクション》! その攻撃を失敗にします。
GM:ふむ…ファンブル系HAはあっても、クリティカル系はないのであった。通し。
黒子:二見の眼には二人の姿が映るが、それは幻に過ぎず、薄皮一枚攻撃が逸れる。
法眼:「さすがは狐。化かすのはお手の物、か」
黒子:「地味に役立つ、燻し銀。それがあっしのやり方でね」
宗一郎:「…見事だ」
GM/二見:「ち、目くらましか」では、そちらの行動。
法眼:マイナーなし、メジャーで殴る。(ころころ)達成値24で。
GM:(ころころ)ダメか。
法眼:ダメージは(ころころ)63点の〈斬〉。
GM/二見:「ふん…少しはやるようだな。だが、まだまだだ」
法眼:「なに、もうすぐ終わるさ…石動!」絆を5つ固定、愛5点を石動に渡す。
宗一郎:「おうさ!」HA《死者の微笑み》を使用します。AGPプリーズ!
黒子:絆を6個固定、愛6点を石動に。

GM:とどめに来たか。
法眼:問題は、《死者の微笑み》では敵の防御クリティカルを防げないことだが(笑)。
GM:呪いから脱却した今の俺なら、クリティカルで回避するくらいのメイクドラマを見せられる! …多分。
宗一郎:黒子はAGP何点くらい欲しい?
法眼:必要になるまで取っておいたら? 絆は自分には使えないし。
黒子:え、後は《世界霊魂》ぐらいなんで、皆が死んだら1点必要になるぐらいで。
宗一郎:ふむ…ならそうしますか。
黒子:それか、まだ相手に手が残っているなら、《ヴォイド》用に適宜必要になりますが。

宗一郎:では、AGP11点全て注ぎ込みます。まず命中判定、(ころころ)出目低い(笑)。達成値37。
GM:(ころころ)ぬう、惜しい。クリティカルならず。
宗一郎:あぶねぇ(汗)。(ざらざらざらーっ)105点の〈闇〉ダメージ!
GM:まだ、生きてるね。
宗一郎:「ちぃ、あと半歩踏み込みが足りなかったか!」

法眼:《死者の微笑み》はダメージ変換効率が悪いのも難点だなぁ(笑)。
宗一郎:ですね。1点くらいなら《神獣撃》の次に高いんですけど(笑)。
法眼:黒子、人間性は今幾つ?
黒子:人間性は−1ですね。
法眼:《彼の出番だ》使う余裕はあるかな?

GM/二見:「…くくく…まさか、ここまでやるとは思わなかったぞ。だが、どうやら今のが最大の一撃だったようだな!」
黒子:「おっと、攻撃が終わったなんて何故思うんです?」《彼の出番だ》、対象は法眼に!
法眼:お、サンクス。「そういうことだな…おつむが留守だぜ!!」演出で大ジャンプ、オートで《獣の王》、メジャーでぶった切る!(ころころ)達成値25で。
GM:(ころころ)奇跡は起きなんだか。
法眼:喰らえ、(ざらざらーっ)95点の〈斬〉!
GM:それは流石に、頭から真っ二つですな。
法眼:「…こいつで最期だ、吸血鬼」爪を振り下ろした姿勢で着地。
GM/二見:「…が、は…馬鹿な…俺は夜を支配する…貴族…」ぐらり、と体が揺れると、地に伏し、灰になっていきます。
黒子:「汚れすぎたあんたには、夜にすら居場所はないってことですよ。二見の旦那……」
法眼:「貴族なんてのは、統治に都合が良いから作られた制度だ。そんなもんにプライドかけるなんざ…俺に言わせりゃ、それこそ“無駄”だね」


GM:で…二見は真の死を迎えますが…まずは人間性の回復を行っておきますか。
黒子:人間性現在値がマイナス6なんで、判定します。(ころころ)9で生還しました。
法眼:人間性−7で絆は6つ。(ころころ)合計16。よし、生還。
宗一郎:こちらはプラスなので問題無しです。
法眼:しかし《獣の王》を使ったのは初めてだなぁ。結構派手なダメージだった(笑)。
GM:普通のPCなら何度殺せるか判らん敵だが…やっぱり、この面子だとこうなるか(笑)。
宗一郎:70点を超えるダメージを見た時は、正直ちびりました(笑)。
法眼:シナリオ中1度しか使えないし、アラキの《超逆境》の方がずっと派手だけどな(笑)。
GM:荒木の《超逆境》は本人のFPも相まって、強烈なダメージを出しますからなあ…普通に300越えとか。
宗一郎:まさしく鬼のようなダメージだ(笑)。
黒子:双真なんか、最初はどうすれば強くなるか考えてたけど、途中からこのシステムはおかしい、壊れていると気付いて。最後は作成段階で、どうすれば地味な強さで収まるか考えて作ってたなぁ(笑)。


 

■エンディングフェイズ■


●シーン13 『サンタクロースも嘘を吐く』  共通ED

○12月24日・深夜/無認可保育所『ひまわり園』


GM:街からはジングルベルが聞こえてくる、クリスマスイブの夜…君たちは『ひまわり園』に戻ってきます。
法眼:途中で店に立ち寄って、ケーキでも買い込んでいこう。
GM:ベッドの上で、桐山恵が眠っています。医務室、とでも言えばいいんでしょうかね。そういう場所です。
法眼:怪我とか病気じゃないよな。疲れて眠ってるだけ?
宗一郎:慶太は起きているのかな?
GM:慶太は君たちが連れてきたなら、起きていると思うけど。桐山恵は疲れて眠っているだけですね。
宗一郎:了解です。
GM:君たちが入ってくると、桐山恵が目を覚まします。「…あ…石動、さん?」
宗一郎:「…約束は守ったよ。ほら、慶太君」
GM/慶太:「…お母さん」慶太はおずおずと前に出てきます。
法眼:「少しばかり来るのが遅れたが…プレゼントだ」
GM/恵:「慶太…!」ベッドから起き上がった恵が慶太を抱きしめます。
黒子:私は部屋の外から、その光景を眺めています。
GM/慶太:「…おじさん」そうして母親に抱きしめられながら、慶太が法眼を見上げます。
法眼:「遅れちまってすまなかったな……サンタからのプレゼントは、気に入ったか?」
GM/慶太:「うん…。でも、知らなかったよ。サンタクロースって、お坊さんの姿をしているの?」
法眼:「うむ。今はこんな格好だけどな。ソリに乗る時は赤い服と帽子とヒゲがもれなく付いてくる」真面目腐った顔で頷く。
GM/慶太:「そっか…いたんだね、サンタクロース」
法眼:「あぁ。サンタってのは“信じて待ってる良い子”の所に来るものだからな」

 再会した親子を祝福するように、ジングルベルが響く。いつの間にか窓の外には、雪がちらついていた。
 彼らがこの先どうやって生きていくかは判らなくても…親子二人なら、きっと…そう思わせる光景だった。


宗一郎:「今日から、あなた方親子の幸せな日々が始まりますように…メリークリスマス」
法眼:「それじゃ、元気でな……縁があったら、また会おう」ケーキを机に置いて、扉から立ち去る。
GM/慶太:「サンタのおじさん! ありがとう!」慶太が手を振って見送ります。
法眼:振り向かないまま手を振って、歩き去る。
黒子:「この街にゃ、嘘つきばかりだ。……だが、たまにはそれも悪くない。こんな奇麗な、雪の日にはね」喉の奥で笑い、法眼と反対方向に立ち去る。
法眼:「―――あぁ。こんなのも、たまにはいいさ…」雪の中、黒い背中が遠ざかり…消える。



THE END


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