■プレセッション■
ＧＭ：…よし、シナリオ調整終了。そろそろ始めましょうか。
一同：よろしくお願いしますー。
ＧＭ：まずは各ＰＣのハンドアウトと自己紹介から。全員の紹介が終わったら、ＰＣ間の絆宣言をどうぞ。
●ＰＣ１（定員１名） 推奨：高校生（出来れば白兵系キャラ）
かつて友人だったアンノウンマン、杵築当摩（きづき・とうま）。
目の前で魔物に家族を殺された彼は、現場に駆けつけたキミを「化け物」と罵った。
精神病院に入れられた筈の彼が、数年を経てキミのクラスに転入してきたのは…ただの偶然だろうか？
当時の記憶を失った彼は、昔と変わらぬ明るい笑顔をキミに向けた…。
シナリオ絆：杵築 当摩 （関係：悔悟、解放、執着など）
▼荒神 双真／護（誤）法童子 プレイヤー：ラゼル
【アーティファクト／イレギュラー】 年齢：１７歳／性別：男／カヴァー：高校生（*データ上は魔狩人）
魔物に対抗するために妖洞寺（*法力僧を育成する特殊な寺）が秘術により生み出した、“生きた護法童子”。
特殊な生い立ちから鬼子扱いされて周囲に反抗。規律を乱すこともしばしばで、付いた仇名は“誤法童子”。
素行不良が過ぎたため寺を追い出され、今は単身学校に通いつつ、妖洞寺からの指令により退魔を行う。
一見して体育以外取り柄のなさそうな、ぼろぼろの学生服を着た一昔前の馬鹿学生にしか見えない。
仏像から削り出した霊刀、修羅王と夜叉王で戦う少年剣士。身長の低さ（160㎝）が密かにコンプレックス？
所持HA：《剣魂一擲》、《電光石火》、《歩く影法師》
●ＰＣ２（定員１名） 推奨：お節介、または好奇心の強いキャラ
夜の公園に響く断末魔の声。
駆けつけたキミが見たものは凶悪な魔物に襲われる人間…ではなく、一人の剣士が魔物を切り刻む光景だった。
振り返った剣士の顔を見て、キミは驚く。何故なら――――。
シナリオエゴ：魔剣士 （関係：興味、闘争、恐怖など）
▼山本 弥太郎／出羽の風丸 プレイヤー：Ｒ－３
【セレスチャル／ビースト】 年齢：17歳／性別：男／カヴァー：高校生
代々、出羽三山を治める大天狗に仕える、若き鴉天狗。天狗の秘剣・霞丸を自在に操り、人界、自然界に仇なす敵を人知れず倒す使命を帯びている。現在は人の姿で人間社会に紛れて、使命を遂行中。
若いためか多少激しやすく、無鉄砲なところがある。しかし同時に義理堅く、人情に篤い。
人間時の姿は蓬髪を後ろでまとめた目つきの鋭い青年。
左頬に細い刀傷があるため一見近寄りがたい雰囲気の持ち主だが、実はかなりの照れ屋。
所持HA：《アドベント》、《勝利への賛歌》、《神獣撃》
●ＰＣ３（定員１～２名） 推奨：死霊課所属、または依頼を受けそうなキャラ
今回、長沢から受けた依頼（という名の命令）は『失せもの探し』。
数ヶ月前に盗まれた霊刀の行方が判ったらしい…その刀を使ったと思われる、魔物の斬殺事件によって。
「犠牲者が増えないうちに、どうにかしたいもんだなぁ…」食えない上司が暢気な口調で呟いた。
シナリオエゴ：盗まれた霊刀 （関係：執着、破壊、闘争など）
▼西藤 亮司／ビーストテイマー プレイヤー：Patriot
【ビースト／イレギュラー】 年齢：３０歳／性別：男／カヴァー：探偵
様々な魔獣を使役する一族に生まれた男。情報収集を配下の獣に任せ、自分では殆ど動かない横着探偵。
閉鎖的な隠れ里を嫌って１５歳で家出し、世界各国を放浪中に新たな魔獣を手懐けて、つい最近帰国した。
現在は町外れに小さな探偵事務所を構えている。いつも犬・猫・大鷲を引き連れて歩くため、ある意味名物。
…しかし多くの動物を養っているためか、あまり儲かってはいないらしい。
戦闘時は魔獣たち（犬型のポチ、猫型のたま、大鷲型のピーちゃん）の特殊能力を駆使して闘う。
所持HA：《獣の生命》、《獣の盾》、《歩く影法師》
▼篠崎 勇司／朧夜の刃（陰魄） プレイヤー：夜叉丸
【イレギュラー／マジシャン】 年齢：２２歳／性別：男／カヴァー：魔法使い（！）
自ら魔力回路（＝神経）を焼き切ってみたり、吸血鬼の下僕になってみたりと変遷著しい元・魔術師。
最近、不死の肉体を活かして自分自身を解体＆新たに造った魔力回路を移植する大手術を敢行。
気の狂うような苦痛の果てに魔力を取り戻し、再び……のんべんだらりと魔狩人を続けている（ぁ）
結構な性格破綻者だが、女性全般には甘い。最近は自ら『魔法使い』を名乗るのがお気に入り。
所持HA：《歩く影法師》、《魔法の国よ》、《ヴォイド》
今回、ＰＣ間の絆は以下のようになりました。
双真：弥太郎に絆／連帯感。
弥太郎：亮司に絆／信頼で。
亮司：勇司に絆／有為。
勇司：双真に絆／好奇心。
ＧＭ： では、セッションを始めましょう…。
■オープニングフェイズ■
●シーン１ 『過去との再会』 シーンプレイヤー：荒神双真
○双真の教室
ＧＭ：えー、今日づけで双真のクラスに転入生が来ることになりました。ちなみに男子生徒と聞いてるので、男子の何人かは露骨にがっかりしてます（笑）。
双真：「…ま、期待するだけ無駄か。そりゃ世界の１／２は男なんだもんな…」
ＧＭ／明日香：「どんな子だろうね？」彼女を始め、女生徒たちはそこそこ感心がある様子。
双真：「まぁ、どんな子だろうと男に興味はない…強いて言うなら、笑える奴ならいいけど」
ＧＭ：そして、教師に連れられて入ってきたその顔は……双真の知ったものでした。
「――――杵築当摩といいます。みんな、よろしく！」
その顔を見て、双真は三年前のことを思い出す。
それは、双真が初めて実戦で魔物を殺した事件。
そして…杵築当摩の両親が、その魔物に殺害された事件でもあった。
忘れもしない。両親の血で真っ赤に染まった顔で、彼は双真に向かってこう叫んだのだ。
「――――バケモノ！！」
双真：「…ッ！」
ＧＭ／教師：「――――神…おい、荒神。聞いてるかー？」
双真：「……あ……は、はい。聞いてま…す…」昔を思い出して、ぼーっとした様子の俺。
ＧＭ／教師：「お前の隣の席、空いてるだろ。杵築には、そこに座ってもらうからな。教科書とか、見せてやれよ？」
双真：「え？ あ…はい」
ＧＭ／当摩：「というわけで。よろしくな、荒神くん？」当摩は屈託のない顔でキミに笑いかけた。
双真：「あ、ああ。よろしく。…なぁ。お前、前に俺と会った事なかったか…？」
ＧＭ／当摩：「…？ そう言えば…どっかで見たような見ないような…」一瞬、怪訝な表情になり。「…って！ それはフツー、女に向かって言う台詞じゃねぇか！」ぱーんとキミの背中を叩く当摩（笑）。
双真：「…そ、そうか。ハハ、いや…とりあえずツカミから入っとくかな、と思ってよ」誤魔化すように笑う。「（こいつ、顔は間違いない。あの杵築当摩だ。でも本当にあいつなら、俺を見てこんな風に…笑えるはずが、ない…）」
ＧＭ／明日香：「あ、あたしは常葉明日香。双真で判らないことがあったら何でも聞いてよ？」杵築の後ろの席にいる明日香が、彼に声をかける。
双真：「こいつに訊くと、ろくでもない事しか吹き込まれないぜー」
ＧＭ／当摩：「明日香…さん…」まじまじと明日香の顔を見つめて。「…生まれる前から、愛してました（真顔）」ぎゅっと明日香の手を取る当摩（一同爆笑）。双真、キミはもう一つ思い出したことがある。…そういえば、こいつとは女の趣味も何故か一致していた…と。
双真：「…お、おい！ 何やってんだ、お前は！」 ガス、と側頭部にドロップキックを見舞う（笑）。
ＧＭ／当摩：「ぐはあっ！？」横倒しに倒れる（笑）。
双真：「転校早々、やってくれるじゃねぇか…！ くそ、昔の事は置いといて、こいつは俺の敵だ…！」
ＧＭ／明日香：「ちょ、ちょっと双真！？」
勇司：また素敵なＮＰＣが出たね。
亮司：…意外なキャラ性だ…。
勇司：ワクワク、テカテカ（←当摩の台詞を楽しみにしてるらしい）。
ＧＭ／教師：「…荒神。ＨＲの真っ最中に、転校生にドロップキックとはいい度胸だ…」
双真：「…ハハハ、やだなぁ先生。転校生といえど一度席につけば、もうクラスの仲間。スキンシップですよ、スキンシップ…」
ＧＭ／教師：「しばらく外で、頭冷やしてるか？」爽やかな笑顔で廊下を指さし、担任はそう告げた。
双真：「…てことで、廊下行ってきます…」
ＧＭ：そして、取りあえずその日は無事に過ぎていく。……いや、ほんの一部、問題があったかもしれないが（笑）。
勇司：ちぇ、主人公台詞が欲しかった。
亮司：例えば？
勇司：「これは俺のだ！」とか。
亮司：大騒ぎになりますな（笑）。
双真：人前ではイチャつきません、私は（笑）。
勇司：ちぇ～（笑）。
ＧＭ：というわけで、双真には[ＳＡ：日常を守る]をあげます。シナリオエゴ：杵築当摩もどうぞ。
双真：悔悟で取得しておきます。
ＧＭ：では、次のシーンへ。
●シーン２ 『真夜中の剣士』 シーンプレイヤー：山本弥太郎
○西池袋公園
ＧＭ：弥太郎さん、キミは暴走する妖怪『ワイラ』を追いかけて、夜の公園を走っていました。
弥太郎：はい。…ワイラと来ましたか（笑）。
ＧＭ：鴉天狗に相応しい相手ということで、日本の妖怪を探してみました（笑）。かなり凶悪な奴で、キミも少しばかりの手傷を負いましたが…どうにかこの公園にあるアレナ（*）へと追い詰めようとしています。
*【アレナ】
異空間に作られた戦闘区域。魔物同士の闘いを人間に見られると厄介なことが多いため、しばしばこうした場所が利用される。
人気のない路地の奥や廃ビルの屋上、薄汚れた地下街のトイレや墓場の片隅など、様々な場所に存在する。
弥太郎：「…もはや逃げ場はない。この場で詰みだ」追い込みます。
ＧＭ：もう少しでアレナの中へ追い込めると…そう思った時。「ギャアァァァアッ？！」と悲鳴が聞こえます。
弥太郎：「ぬ！」
ＧＭ：断末魔の声に駆けつけてみると……そこには胴体を両断されて痙攣しているワイラの姿が。そして、その傍らに立っている二刀流の剣士。
弥太郎：「…何奴」こちらも、腰の剣に手をかけつつ。
ＧＭ：剣士は漆黒の刃を、這いずるワイラの頭部に容赦なく突き立てた。ひとたまりもなく、絶命するワイラ。
弥太郎：「…我が獲物を横取りした、などとよもや言うつもりもないが…何者か？」
ＧＭ：振り向いた剣士の顔は――――荒神双真。
弥太郎：「…双真！」
ＧＭ：彼は弥太郎を冷たく一瞥すると、身を翻した。
弥太郎：「待て！」…と、背中に声だけかけておきます（笑）。
ＧＭ：そのまま姿が消える……アレナから何処か別の場所へ抜けたのだろう。
弥太郎：「行ったか…しかし」
ＧＭ：しかし、弥太郎を見た双真の瞳から感じたのは…冷ややかな殺意と憎悪だった。
弥太郎：「…双真は力に任せた剛の剣使い…奴の剣風か、これが…？」
亮司：（舞台裏にて）双真…遂に思い余って…。（←待て）
双真：（同じく舞台裏）「俺より背の高い男は…殺す！（笑）」（←おいおい）
ＧＭ：というわけで、[ＳＡ：魔剣士の正体を確かめる]をあげます。シナリオエゴ：魔剣士もどうぞ。
弥太郎：では、闘争で。
ＧＭ：では、次のシーンへ行きます。
●シーン３ 『魔を絶つ刃』 シーンプレイヤー：西藤亮司＆篠崎勇司
○死霊課
ＧＭ：キミたち二人は、死霊課の長沢遼に呼び出されてここに来ました。「数ヶ月前盗まれた、とある退魔の霊刀が池袋で見つかったらしい。…探してくれるか？」とのことですが。
亮司：「ほー…俺らに依頼するって事は…魔物の手にでも渡ったか？ それともただの失せ物か？」ちなみに俺は、警察内にも関わらずネコを腕に抱き、肩には大鷲が止まり、足元には黒い大型犬が伏せている…という出で立ち。
勇司：「ン？ 見つかったなら探さなくてもいいだろ。お使いならごめんだよ」
ＧＭ／長沢：「少しばかり、物騒な特性を持った刀らしくてな。幸い、お前さんたちは半魔の中でも人に近い…頼めないか？」
亮司：「物騒な特性？」
勇司：「まぁ、人に近いっちゃ、元のパーツは人間だけどよぉ。魔物なら見境なく襲うとか言うなよ？」笑いながら。
ＧＭ／長沢：「…文字通り、『魔物を殺すため』に作られた代物だそうだ。自我を持っていて…まぁ、勇司の予測通りだな」
亮司：「つまり、その刀を持つと誰でも通り魔になっちゃうわけだな？」
ＧＭ／長沢：「こっちは別の事件も抱えててなぁ、『人喰い』の件（*リプレイ第３話参照）もまだ後処理が片付いてないんだ。出来れば頼む。無理にとは言わんが」
勇司：「まぁ人間には無害だからマシといえばマシか？」
ＧＭ／長沢：「その可能性もあるって事だがな。何しろ運んでいた担当の刑事が行方不明になったから。…最悪、そいつが乗っ取られたかもしれん」
亮司：「ん、まあ金貰えるんなら受けるぞ、最近依頼が無くてね。その担当刑事も探すんかな？ 死んでるか通り魔かだろーが」
ＧＭ／長沢：「…まぁ、どうして今更その刀の場所が判ったかというと」
勇司：「惨殺死体が見つかった～♪」朗らかに。「とか言ったら泣くぞ。俺は」
ＧＭ／長沢：「昨夜、池袋内のとあるアレナ付近で、その霊刀を使ったと思われる魔物の斬殺事件が起きたからなんだが」
勇司：「おいおい…」がくりと突っ伏す。
ＧＭ／長沢：「犠牲者が増えないうちに、どうにかしたいもんだなぁ…」窓の外を見て、暢気な口調で呟く長沢であった。というわけで、二人には[ＳＡ：霊刀を捜し出す]をあげましょう。
亮司＆勇司：うい。
ＧＭ：シナリオエゴ：盗まれた霊刀もどうぞ。
勇司：好奇心で。
亮司：興味で。
ＧＭ：では、ミドルフェイズに移ります。
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