■ミドルフェイズ


●シーン4 『遠い記憶』  シーンプレイヤー:荒木明仁  登場難易度:7

○南池袋公園


 翌日になって、アラキがたまたま公園脇を通りかかると…彼女は今日もそこにいた。
 誰かを―――何かを待っているように。


アラキ:「(やっぱり、ここにいた……。けど、俺は一体彼女にどうすればいいんだ?)」
GM:ぼんやりとベンチに座っていた彼女は、振り返って…ふっと顔を綻ばせた。
アラキ:とりあえず声をかけてみる。「こんにちは」
GM/瀬奈:「…また、会いましたね」そう言って微笑む。
アラキ:「(他人の空似ならいいけど、そうでなかったら……)」
GM/瀬奈:「……どうかしました?」さっさっと、アラキの顔の前で手を振る。
アラキ:「ああ、また会ったな」
GM/瀬奈:「何だか、元気がないみたいですけど?」
アラキ:「いや、その、君が知ってる人に…よく似てるから…」
GM/瀬奈:「似てる? 私が? …はは〜ん」何故かにんまりと笑う。「さては、ナンパですねっ!」ビシッと指差し。
アラキ:「古い手だな。それ」苦笑する。
GM/瀬奈:「あら、違うんですか? いけませんよぉ、若い男の子がせっかくの冬休みにしょぼくれてるなんて」
アラキ:しょぼくれ……」ガックリ来つつ。「それに、中学生をナンパする趣味はないよ」
GM/瀬奈:「…………」彼女は何故か、むっとした表情で押し黙る。ごそごそと懐を探ると、黒い手帳を取り出して君の鼻先に突きつけた。
アラキ:「うん?」
GM/瀬奈:「わたし、こう見えても高校生なんですけど?」笑顔で、しかし目は笑ってない。ちなみに見せたのは生徒手帳ね(笑)。
アラキ:「……まじか?」
GM/瀬奈:「マジです」きっぱりと。
アラキ:「いや、その、そいつは悪かった」頭を下げる。
GM/瀬奈:「本当に悪いです。…まぁ、それはともかく。今わたし、暇なんです」
アラキ:「へっ?」
GM/瀬奈:「だから、今から街に行きましょう」
アラキ:「え〜と、それはつまり……おごれと?」
GM/瀬奈:「今ならデート一回で許してあげます。あぁ、わたしって寛大だなぁ♪」
アラキ:「まあ、いいけど……」
GM:では、二人は街中へ繰り出しました(笑)。
聖:……、……逆ナン?
アラキ:逆ナンされたね(笑)。
勇司:アラキめ、幸せだな。
GM:取りあえず、ヒロインとの交流シーンを用意してみました。登場したい人は、宣言してから表で判定ね(笑)。
聖:人の恋路を以下略。……まあ、今の所登場するとっかかりも掴めませんし、見送りかな。
勇司:同じく。


○街中/昼

 アラキは瀬奈とクリスマス前の街を歩く。
 クリスマスムード一色の街は……当然なのかどうなのか、若いカップルで溢れていた。
 ……まぁ、この二人も傍目にはそんな風に見えなくもない。


GM/瀬奈:「いいなぁ……とっても幸せそう」周囲を見ながら。
アラキ:「で、どこへ行きましょうか、お嬢様?」
GM:と、アラキが瀬奈の視線を辿ってみると。若いカップルに…かと思いきや、幼い子供連れの夫婦を見ていた。
アラキ:「あの親子連れが、どうかしたのか?」
GM/瀬奈:「…え? だって、ああいうのって…憧れたりしませんか?」
アラキ:「ま、確かに幸せそうで羨ましくはあるけどね」
GM/瀬奈:「素敵な旦那様に可愛い子供。もちろん隣には美人の奥さん」と言って、自分を指差す。「……ふぅ。所詮は夢ですけどね」溜息。「わたし達、二人揃って寂しい独り者同士ですし」再び溜息。
アラキ:「え〜と、じゃあ独り者同士、せいぜい楽しみますか」
GM/瀬奈:顔を上げて「……やっぱり荒木さんも独りぼっちだったんですね」にっこりと笑う。
アラキ:「……ほっとけ」 

(舞台裏にて)
勇司:うわ、砂糖吐きそう。
聖:どーいう状況ですか、それ。
勇司:え? 「甘ったるすぎて口から砂糖吐きそう」とか言わない?
聖:砂糖吐きそう、は言ったことも聞いたこともありません。
GM:俗に言う砂吐きね(笑)。
勇司:その上級版。砂を超えて砂糖。
アラキ:いつもと調子が違うので、反応に困るよ(笑)。

GM/瀬奈:「…ね、それならクリスマスイブにプレゼント交換しません?」
アラキ:「プレゼント?」
GM/瀬奈:「えぇ。何ならケーキでも焼きましょうか? こう見えても、お料理得意なんだから」
アラキ:「いいかもな。それも」

 その時…目の前で微笑む瀬奈と、姉の―――明菜の姿が重なる。
 昔、母と姉が初めて焼いたクリスマスケーキ……少し不格好だったのを思い出す。
 それは、家族が死ぬ少し前のことだった。


アラキ:「(やっぱり似てる…でも、他人の空似だろ)」そう自分に言い聞かす。
GM:さて、ここでアラキは【知性】で判定して下さい。
アラキ:(ころころ)6ゾロ!
GM:…ここで6ゾロですか(びっくり)。
アラキ:やなとこで振ったなあ(笑)。
GM:…ダイスの神様って怖いなぁ…(がくぶる)。

 GMも驚きました。本当はイベント進行に合わせて難易度を下げ、徐々に情報を出すつもりだったのですが(笑)。
 しかしまぁ、この情報だけで真相全てを推理するのは不可能だろうと判断、用意していた情報を出すことに。


GM:君は…瀬奈のちょっとした仕草や癖が姉と同じだと気付く。例えば、考え込む時、人差し指を口元に当てるとか。
アラキ:「(嘘だろ。顔はともかく、仕草や癖まで同じなんて……)」
GM:そして更に……何故か、君は姉の幼い頃の姿を思い出せない…。
アラキ:思い出せないことを、おかしいと感じてもいいんでしょうか?
GM:何だか違和感を感じますね…6ゾロだし。
アラキ:「(そういや、姉さんの子供の頃って……?)」
GM/瀬奈:「…荒木さん? どうかしました?」
アラキ:「い、いや、なんでもないよ。こっちが渡すプレゼントを考えてたんで……」
GM/瀬奈:「あら。それじゃあ期待しちゃおうっと♪」彼女は無邪気な笑顔を浮かべた。
アラキ:「(あの癖は、子供のころから……おかしい、姉さんの子供の頃が思い出せない?)」
GM:ところで、家族の写真とか残ってることにしますか?
アラキ:じゃあ、1枚だけ残ってることにします。
GM:では明仁が小学生の頃、運動会で家族全員の写真を撮ったことにしましょうか。
アラキ:了解です。
GM:さて、特にやりたいことや他のPCが出たりとかしないなら、この辺でシーンを切りますけど。
一同:OKです。
GM:では、君と瀬奈は甘味処で一時のデートを(主に彼女が)楽しんだ後、手を振って別れました。絆チェック、あればどうぞ。
アラキ:瀬奈の絆チェック(ころころ)成功、絆/疑惑にします。
GM:疑われちゃったか。まぁ無理もない(笑)。
アラキ:クリティカル振っちゃったからなあ、積み上げたラブフラグが崩れた気がする(苦笑)。
GM:崩すかどうかはアラキ次第ですよ(笑)。次のシーンへ行きます。

▼絆/エゴの変化
アラキ:瀬奈へのエゴを絆/疑惑に変更。



GM:ところで、他の人たちはどーします?
セブン:事故の情報収集かな。その前に確認したいことがあるのですが。
GM:はい、何でしょう?
セブン:シナリオエゴの友人って、セブンと聖にとって、共通の友人なんでしょうか? それとも、同じバスに乗り合わせていた別人? 名前が提示されていないので、どっちかなあ、と。
GM:どちらでも良いですよ。PLが絡みやすいと思う方でどうぞ。名前もそちらで決めてくれて構いません…というか、むしろ決めてくれたら嬉しい(笑)。
聖:んー。絡みやすいというのであれば共通の方がいいだろうけど……。
GM:三人で遊びに行って別れた帰りに事故を知った、というのではどうでしょう?
セブン:まあ、共通の方がわかりやすいでしょうね。
聖:ですね。
勇司:ん〜、おいら的には“組織”の目的探しかなぁ。
セブン:じゃあ、聖とはお互いに正体を知っていることにして、事件のことについて調べよう、みたいなシーンにすればいいのかな。
聖:それが手っ取り早そうですね。
セブン:んじゃ、とりあえず、表でどこかで落ち合って話している事にしますか。
勇司:じゃ、そこに顔だしま〜す。
聖:ええ、異存ありません。



●シーン5 『闇の向こうに』  シーンプレイヤー:諸星断  登場難易度:7

GM:ここから情報収集が出来ます。調べたいことと、どのように調べるかを宣言して下さい。なお、一つのシーンで調べられる項目は、基本的に一つだけとします。
セブン:では、どこかのファミレスか喫茶店ででも、聖と話しているところからお願いします。
勇司:まず、おいらは登場しないと(笑)。(ころころ)うし、登場できた。調べるのは『“組織”が現在求めているもの』で。
GM:“組織”全体だと漠然とし過ぎてますねぇ…何しろ規模が大きいので。どれくらいの範囲とか、どの幹部がとか特定してもらわないと。
勇司:麻那さん、情報少なすぎっす(笑)。いや楽しいけど。じゃ、郵便は消印とかある? 消印があるなら、そこの郵便局からどこのポストに投函されたか調べて、その時間から誰がどう出したかを割り出す。
GM:ポストまでは辿れると思いますが、そこから先を調べるのは大変困難ですと言っておきます。それでもやるかな?(笑)
勇司:ん〜、でもポストと時間帯まで割り出せれば監視用のカメラでそこから個人の姿を特定出来るから、後は金で探偵を雇って調べるとかすれば2〜3日で(笑)。
GM:相手が普通の人間ならね(爽笑)。
勇司:オーライ、ならバスロータリー事件を起こした幹部を割り出す。
GM:了解。それだと…〈情報:裏社会/魔物〉かな。
勇司:〈情報:魔物〉で(ころころ)まずまずか、達成値15。
セブン:つうか、俺らのシーンはこの後の方が良い気がするなあ。どんどん進行してるし(笑)。
聖:そんな気もしてきました(笑)。
GM:ていうか…勇司、シーンプレイヤーの状況無視して調査始めるな(笑)。
勇司:あ〜、すんません(汗)。
セブン:いや、この際だから、先に進めてください。俺たちはまず、目的のすり合わせのシーンからやらなければならなそうだから。
GM:では、ひとまず情報を出しておきます。

>事件を起こしたと思われる、“組織”幹部について
達成値8:
サディストの狂科学者にして“組織”幹部の一人。コードネームは《博士》。
達成値10:遺伝子操作・ナノテク・インプラントなどを用いての生体改造と洗脳術を得意とする。
達成値12:自分が造った怪人達を操って、夜な夜な何らかの実験と観察を行っている。
達成値15:どうやら、この街に潜伏している何者かを捜しているようだ。


GM:この情報はこれで全部だ(笑)。
勇司:ごめんね。じゃあこれを手土産に合流するから。
聖:イカデビルか……。
セブン:天本英世だな…。
アラキ:いや、ここは裏をかいてドクトルGかもしれん(笑)。
セブン:カニレーザーか(笑)。
GM:ちなみに。GMは元ネタの記憶があまり残ってないので…口調とか似てなくても許してね(笑)。
アラキ:その辺は別に(笑)。てか《大使》なんか完全に別物だし(笑)。
GM:シーン変えるの面倒だから、このまま進めます。セブンと聖は登場して下さい…というか既に登場済みのはずなんだけどね(苦笑)。


○事故現場近くの喫茶店

セブン:「聖…あの事故の件、知ってるよな」
聖:「ええ……。諸星さんはどう思っているの? その……あの噂のこと」伏目がちに、口ごもりながら言います。
セブン:「…噂だからな。どの程度真実かはわからん。だが、真実だとしたら、間違いなく『こっち』側の話だからな。それが元であいつが死んだんなら、黙っているわけにもいかん。…調べてみねえか? その事故の噂」
聖:「私も、そのつもりでした。“何か”が私達の日常を脅かすのなら、それを放ってはおけませんから」
セブン:「決まりだな。とりあえず、俺は事故の噂話を丹念に洗いなおしてみるが、そっちはどうする?」
勇司:登場してもOK?
GM:どうぞ。本当はシーンプレイヤーが行動してから、状況を見て出てきて欲しいんだけどな(笑)。
勇司:今度から気をつけます(ぺこぺこ)。「よっ、お二人さん。その『何か』は組織てヤツだよ」ぱさ、と封筒をテーブルの上に置きながら声をかける。「俺が調べられた情報は、そこに詰まってる。役立ててくれや」
聖:「え?」振り向いて「……勇司さん。……どうしてあなたが?」
セブン:聖を見る。「…誰だ?」(←勇司とは初対面)
勇司:「まぁ、ちっとお仕事で、この件調べてんのよ。セブンくん」ウィンク「篠崎勇司。まぁ神出鬼没の魔法使いでございます」仰々しくお辞儀した後、ウェイトレスに声かける。「あ、おね〜さん、コーヒー一つね」
セブン:「…男にウィンクされる趣味はねえぞ。こっちのことは知っているみたいだから、名乗る必要はなさそうだな」
聖:“組織”ですか。小耳に挟んだ事はありましたけど……。……許せない」勇司の持ってきた情報を目にして、呟きます。
勇司:「YES,振られの達人は飲み込みが早くて助かるねぇ。ちゅうわけで一口かませてもらうよん」
聖:「じゃあ、私はこの、“組織”の幹部について調べてみます。情報処理なら任せて下さい」
勇司:「頼むぜぇい」
GM:ちなみに事故の噂に関しては〈情報:噂話/警察/ネットワーク〉で調査できます。
セブン:とりあえず、先ほどの事故の噂について〈情報:噂話〉で(ころころ)出目11で達成値19。
GM:高ッ!?
セブン:…なんで、無駄にこんなに高いのか。
GM:では、情報出します……凄いなぁ(笑)。

>バスの乗客…その噂について
達成値8:
乗客の遺体が異様な変貌をしていたのは事実らしい。
達成値10:現場から回収された遺体と乗客の数が合わない。少なくとも数人分足りないらしい。
達成値12:消えた乗客が化け物になって、夜な夜な街を彷徨っている…という噂がある。
達成値15:九年ほど前にも同じ状況の事故が起きている。その時は、化け物の噂はなかったようだが。


GM:この項目は、これで以上です。
セブン:「…どうも、おかしいな。事故に会った人間と乗客の数が合わないらしいぜ。消えた乗客が化け物になって、暴れているとか言う噂もある」
アラキ:偶然登場しようかな。(ころころ)成功。難しい顔をして入ってきます。
GM:あ、言い忘れた。OPの時間軸は、実はアラキが一番最後なんです。演出上、先にシーンを済ませましたが。
聖:お? どれくらいの時間差なんでしょうか?
GM:数日間ですね。アラキは事故発生の数日後に瀬奈と出遭ったんです。
聖:数日ですか。……まあ、現状じゃ何考えても憶測にしかならんしな。
アラキ:ミドルは順番どおりでしょうか?
GM:ミドルからは基本的に同じ時間軸になります。
アラキ:じゃあ、瀬奈と別れた後この店に来たということで。
聖:うーん、こっちはどうしようかな。例の幹部が捜している何者かについて、かな。これを特定できれば、遅かれ早かれ“組織”とも接触出来そうだし。
GM:それは、情報収集判定では判りませんね…本人に聞いてみないと。
聖:んー、そうですか。じゃあ、幹部本人について調べられます? 事故を起こした目的とか、手段とか。
GM:目的は以下同文。手段は…たぶん、タンクローリーをぶつけたのは証拠隠滅のためだと思われるのが判るくらいですね。
セブン:九年前の事件、が気になるところだが。
勇司:九年前の事件でいいような気がする。
聖:うん。それしか残ってないですしね。見落としがなければ。九年前の事件について調べます。
GM:〈情報:裏社会/魔物〉かな。
聖:では、〈情報:裏社会〉で。(ころころ)目が今一つだな……18。
GM:……みんな高いなぁ(苦笑)。何しろ古い上に、同様の証拠隠滅をされているので役立つ情報は殆どないのですが。現場から立ち去る、犯人グループらしき男女が目撃されてますね。公式には残ってない記録ですけど。
聖:それの特定なんか、更に絶望的っぽいですが……。
GM:顔までは特定できませんが、人数は四人。壮年の男から、少女らしき人物までバラエティ豊かだったそうです。今ので判る情報は、以上ですね。
アラキ:では、そろそろ参加。「どうしたんだ? 珍しい面子が揃ってるな」ふとセブンたちに気付いて声をかける。
セブン:「ん…石ノ森高校の“ザ・下がる男”…もとい、“とどまる男”荒木ではないか。相変わらず、出席日数に悩んでそうな顔だな。いい加減に下級生にバトンを渡してやらんと、鬱陶しがられるぞ?」
勇司:「うわ、辛らつな台詞だな。まぁガンガレ」
聖:「諸星さん、それ言いすぎ……」
セブン:いや、なんとなく荒木とはこんなことを言う仲のような気がしたので(笑)。
アラキ:「鏡を見ろよ、セブン」
セブン:鏡を見ながら。「いつも通りの男前が居るだけだが、何かな?」
アラキ:「お前こそ、来年は中学校に下がるんじゃないのか?」(笑)
セブン:「円谷は九九が言えれば卒業できるので無問題なのだ」
GM:どんな高校ですか、それ(笑)。
アラキ:あれ、セブンって3回目の一年生とかじゃないのか?
セブン:3回目の一年生は流石にやらなかった(笑)。
アラキ:別キャラと勘違いしてた(笑)。
勇司:「セブン、8×9は?」
セブン:89(きっぱり)」
聖:「……諸星さん、それ違います」
セブン:「で、湿気た面してるのは、卒業の見込みが立たないからなのか?」
アラキ:「まあ、それもあるんだが……で、これはセブンを卒業させるための集まりか?」
セブン:「そうじゃねえよ」
勇司:「いや、軽いお仕事についてのお話し合い」
アラキ:「何か事件か?」
セブン:「お前もこっち側だから、話しておいた方がいいか。実はな…」今までの流れを説明しておきます。
アラキ:席について。「なるほど、あの事故に“組織”が……」
セブン:「なんだ、“組織”について、知っている口ぶりだな」
勇司:「意外だな。荒木が“組織”を知ってるなんて」灰皿を引き寄せて。「あ、ジャンボチョコレートパフェ追加で」
アラキ:「前に一度、絡んだことがあってな。まあ、末端のヤツで幹部とは会ったことがないけど」
セブン:「まあ、何にせよ。その“組織”とか言うのが、俺のダチを事故に巻き込んだのは確からしいからな。きっちり礼だけはしねえとな」
聖:「ええ。彼らには相応の報いを受けてもらうつもりです」
アラキ:「で、《博士》だっけ、その幹部。生体改造と洗脳術ねえ……」
勇司:「まぁ俺は《博士》について探ってみるわ」
セブン:「じゃあ、俺は夜な夜な歩き回っているという化け物の噂でも追ってみるか」
アラキ:「(洗脳術、洗脳……まさか…)…わかった。こっちも色々探ってみる」
セブン:「…? 荒木、どうした。何か気になることでもアンのか?」
アラキ:「…いや、なんでもないさ」
セブン:「…そうか。じゃ、また後でな」
GM:行動方針が決まったところで、シーンを進めますので。
勇司:《博士》の経歴や今まで関わった事件、現在の位置など探ります。
GM:了解、それは後ほどシーンを作ります。
セブン:では、街に現れる怪物の情報集め。消えた乗客が…というやつ。
GM:ぶっちゃけると、次とその次のシーンではイベント発生します。今の情報収集でフラグ立ったので。
勇司:お〜。
聖:ん、なんだろう。
GM:発生する時間軸が同じなので、PCはどちらか一方にしか出られません、基本的には。
セブン:そうですか。じゃあ、少しの間、様子見して行動方針決めた方がいいかな。
GM:では、一旦別れたというところでシーン切りますか?
一同:OKです。
アラキ:シーンプレイヤーは誰と誰でしょう?
GM:次のシーンは噂の怪物が人を襲ってます。その次は《博士》登場シーンです。好きな方を選んで下さい(笑)。
勇司:《博士》の方で。
アラキ:う〜ん、《博士》の反応が見たいので《博士》かなあ。
セブン:怪物の方かな。今のところ、いきなり《博士》と会うよりも、そっちの方がいい気がする。
聖:むー。では、怪物で。
GM:まぁ、次のシーンを見てから登場するか後回しにするか決めていいので。取りあえず、先に登場すると宣言したキャラがシーンプレイヤーになります。
聖:はい。
GM:では、ロールプレイをしたと思う人は絆チェックをどうぞ(笑)。書き換え一回と取得一回ね。
勇司:“組織”を絆に変えてみよう。(ころころ)うむ、ダメだ(笑)。後は聖に好奇心を抱く、絆判定。(ころころ)成功。
セブン:では、とりあえず荒木に絆判定(ころころ)成功、荒木に友情で取得しておこう。後々のために、内容はこれの方が良さそうかな。
聖:断に絆判定を(ころころ)成功で絆/連帯感を取得、ついでに死んだ友人のエゴを書き換えてみます。(ころころ)成功、絆/報復に書き換えます。
アラキ:では《博士》に(ころころ)絆/不審です。
GM:今日はみんな、本当にダイス目がいいなぁ。

▼絆/エゴの変化
アラキ:《博士》に絆/不審を取得。
セブン:アラキに絆/友情を取得。
聖:死んだ友人へのエゴを絆/報復に変更。断に絆/連帯感を取得。
勇司:聖に絆/好奇心を取得。




●シーン6 『夜に蠢く』  シーンプレイヤー:神薙聖  登場難易度:7

○公園/雨の降る夜


GM:セブンは同行者ということで登場できますよ。
セブン:では、同行者でお願いします。
GM:キミたち二人は、通りかかった公園で…ふと胸騒ぎにも似た奇妙な感覚を覚えた。人気のまるでない夜の公園だが…何となく気にかかる。焦燥のような…。
聖:「なんだろう。イヤな予感がする……」
セブン:「…」聖に目配せして、アイスラッガーに手をかけると、公園の様子を探りに行く。
GM:二人が公園の奥に入ると、その感覚はいっそう強くなった。どこからか漂う淡い花の芳香が、鼻孔を掠める。
セブン:「外で花の香…冬だぜ、おい」
聖:む。封筒の香りの事は知らないのかしら。
GM:勇司が言ってないなら知りませんね。OP見る限り、勇司は花の香りなんて気にしてないし(笑)。
勇司:え? 気にはしてるけど、てっきり洒落た招待状のつもりだと思ってた。昔の粋な手紙の出し方で、お香の匂いをつけるってのもあるから。
GM:台詞として伝えてない以上、その情報は他の人に伝わってません(笑)。
勇司:気にはしてたけど、重要情報だとは思ってなかった…orz 仕方ない、次のシーンに伝えておこう。

 二人が慎重に歩を進めた――――その時。

「―――ガァァアァァッ!!」
 繁みの向こうで、異形の怪物が小柄な人影に襲いかかろうとしていた。


聖:「――ッ!?」咄嗟に懐から、冗談みたいにデカい拳銃を抜き放ちます。
セブン:「ちっ!」舌打ちして抜刀。人影に向かって走る!
GM:気配に気付いたのか、少女の方が君たちに振り返る。驚いた表情で立ち止まった彼女を、怪物の爪がザックリと切り裂いた。声もなく、その少女は倒れる。
セブン:「…畜生!」怪物の背中に斬りつける!
GM:行動値はそちらが早いですね。攻撃するなら判定どうぞ。
聖:では、私でしょうか。
セブン:普通に戦闘になるなら、そうですね。
GM:普通に戦闘です(きっぱり)。


▼ラウンド1

GM:セットアップ、こちらはなし。
聖:こちらもありません。ではマイナーなし、メジャーで攻撃します。(ころころ)15。むー……出目がよくない。
GM:(ころころ)おぉ、ぴったり避けた(笑)。硬化した皮膚が弾丸を弾き返した…って弾丸じゃないな。光線銃だっけ?(笑)
聖:「敵の耐弾性能、予想以上か……!」レイガン相当の実弾兵器で(ぉ
GM:そうなのか(笑)。次はセブン。
セブン:「んじゃ、こいつに耐えられるか試してやるぜ!」接近してメジャーで攻撃。(ころころ)28!
GM:(ころころ)無理か。当たりました。
セブン:(ころころ)45点の光!
GM:それは…ひとたまりもない。受け止めようと捻れた爪を伸ばしたが、その腕もろとも真っ二つに切り裂かれた!


セブン:「…相手が悪かったな。円谷のセブン様は、強いぜえ」
聖:「さすが……」セブンの強烈な一撃に、舌を巻きます。
GM:そして君の足下には、斬られた女性が横たわっている。血だまりがどんどん拡がっていくね。
セブン:「…しっかりしろ。今、病院に…いや、救急車か。携帯携帯」
GM/少女:「待って…病院は、駄目…お願い…」それっきり、彼女は意識を失った。
聖:「え……?」GM−、少女の傷の具合はどうなんでしょうか。普通の人間じゃまず助からない程度とか、そういうのじゃない?
GM:重傷ではあります。病院か専門の医者にでも診せないと危ないかと思われますが。
聖:「そんなこと言っても、こんなの……。放っておける傷じゃないし……」おろおろしてます。
GM:ちなみに年の頃は十代半ば。かなり可愛い顔立ちだと言っておこう(笑)。それと、胸元をザックリやられたので…衣服がかなり酷い有様です。
聖:…(キャラシートを見て)…てか、セブン携帯持ってないのね。
セブン:誰にも縛られぬ男…というより、書き忘れていただけなんだけどね(笑)。
聖:書き忘れだったのかッ!
勇司:勇司を呼べば《アポート》で引き寄せて治癒できる。
アラキ:《アポート》いるの?
GM:それやると、次のシーンには出られなくなりますよ。
勇司:ううむ、そうなんだけど…えぇぇぇい、仕方ない。荒木、《博士》は任せていい?
GM:取りあえず、慌てずに状況見てからの方がいいよ、とGMからの忠告(笑)。
勇司:OK、なら落ち着いて焼き蕎麦食うよ。

 それは落ち着きすぎだろう(笑)。

セブン:「…女の子の意志は尊重してやりてえが、そんなことを言っている場合じゃねえな。病院に連れて行くぞ」
GM:二人は移動手段、歩きだっけ?
聖:歩き、ですね。そのうちバイクが欲しいけど(何
セブン:バイクはあるが、怪我人は乗せられないかなあ。
GM:では、何とか背負って走ると言うことで?
セブン:それで行きます。
聖:聖はその後ろで断を応援しています。
GM:青息吐息の少女を背負って二人は走った。流れ出る血がセブンの背中を濡らし、華奢な身体はどんどん冷えていくのだが…。


○救急病院前

セブン:「急患だ、急患! 早く医者を…」
GM:漸く辿り着いた病院の前で、ふとセブンは気付く。背中から聞こえる呼吸音が…いつの間にか安らかな寝息に変わっていたことに。
セブン:「…?」背中から降ろして様子を見ます。
GM:見ると、蒼白だった肌も血色を取り戻している。破れた服は、今も血塗れのままだけれど。
聖:「……医者がまずいわけだ」
セブン:「…だな。とりあえず、病院以外で休ませた方が良さそうだな」
聖:「そうね。どこか、落ち着けるところで……」
GM:さて。どうします?
聖:うーん。どうしましょう。
GM:何も思いつかないなら、シーン切って進めますがー。
セブン:「…俺の部屋か、お前さんのところくらいだろう。どこか別の場所にこの格好で入っていったら、それこそ大騒ぎだ」
聖:「そうね……」こんななりの人間を背負って走ってるだけで大騒ぎな気もしますが!
セブン:では、どっちかの部屋に運ぶことにしますか。
聖:はい。……どっち?
セブン:どっちでもいいが(笑)。じゃあ、セブン宅で。一人暮らしだし。
GM:了解。では、セブンの部屋へ移動したということで。
聖:こっちも一人暮らしですがね(笑)。では、お願いします。
アラキ:いいのか、女の子連れ込んで(笑)。
聖:逆でも大して変わらん(笑)。
セブン:最後に振られるのだから、一切問題なし。問題など起きようがない(笑)。
聖:酔った勢いで間違いが起きたりとか(待て
セブン:なぜか、その間違いすら起きないように出来ているのが不思議なところ(笑)。
GM:絆チェックとかあります?
セブン:じゃあ、この娘さんに。(ころころ)絆/庇護で。
聖:少女に絆を。(ころころ)ぐふぅ……エゴった。エゴ/疑念を取得します。
GM:OK。次のシーンに移ります。

▼絆/エゴの変化
セブン:謎の少女に絆/庇護を取得。
聖:謎の少女にエゴ/疑念を取得。




●シーン7 『彼の名は…』  シーンプレイヤー:篠崎勇司  登場難易度:12

○あるビルの屋上


勇司:して、GM行動おこしてOK?
GM:どうぞ。
アラキ:登場難易度12って、高いな。アラキは未登場?
GM:アラキは望めば同行者として出られますよ。さっき合流してたから。
アラキ:じゃあ、同行してます。

 二人は集めた情報と目撃証言から、プロファイリングなどを駆使してこの場所へやって来た。
 そこに立っていたのは一人の老人。彼はビルの上から、とある公園の様子を窺っているようだ…。


勇司:「いよぉ、ご機嫌いかが?」
GM/老人:「――――儂に、何か用かね?」長い白髪にベレー帽と片眼鏡、白いマントに身を包んだ老紳士は、くるりと振り返って言った。
アラキ:「アンタが博士か?」
GM/《博士》:「いかにも。…して、君たちは何者かね?」
勇司:「今回の件について、お偉方が話を聞きたがってるんでね。目的と理由、教えてくれないかい?」
GM/《博士》:「まず、自分から名乗るのが礼儀だと思うが」
勇司:「そいつは失礼した。そだねぇ、魔術師と名乗らせてもらうわ。わりぃね。一応『言霊』てのを信じてる人間だから」
アラキ:「“鬼”だよ」
GM/《博士》:「鬼…鬼ねぇ。鬼と言っても大勢いるからなぁ。それとも“鬼”というのが名前かな?」
アラキ:「あんたらのようにか、《博士》」
GM/《博士》:「ほうほう、儂のコードネームを知っておるのか。すると、ここにいるのも偶然ではないと?」
勇司:「いやいや、偶然だよ。ほら、よく言うじゃん。『偶然は必然。必然は偶然』てさ」肩をすくめて。
GM/《博士》:「まぁ…目的といっても大したことではない。軽い実験じゃよ」気取った仕草で肩をすくめる。
勇司:「軽い実験。どんな内容よ? と、タバコ吸ってもいい?」
アラキ:「今更、人を魔物にして操るってだけじゃ、あんたらにしたら大した実験じゃなさそうだけどな」
GM/《博士》:「より強い生物。より永く生きる生命。…よくある、“不死の探求”という奴の一環じゃ。…ついでに、ちょっとした人捜しもしておるがのぅ」
アラキ:「人探し、か……」
勇司:「人探し? よけりゃあ手伝おうか」タバコを咥えて。
GM/《博士》:ゆるりと首を振る。「いやいや、それには及ばんよ。魔術師なら判るじゃろう…他者に研究成果を明かす危険というものが」
勇司:「まぁねぇ、言ってみただけ。九年前の忘れ物捜しかい?」
GM/《博士》:「…ほぅ?」勇司の言葉を聞いて、面白そうに片眉を上げた。
勇司:「おや? 《博士》はポーカーフェースはお好きじゃないみたいだ。心当たりでも?」
GM/《博士》:「さてねぇ? 果たして関わっていたとしても…君たちに答える義理はないよ」にこやかに笑う。「ともあれ、ここでの用事は済んだ。そろそろ帰らせてもらっても構わないかな?」
勇司:「ん〜実は仕事上、帰させるわけにゃいかないんだわ」
GM/《博士》:「ほう。それではどうするね?」
勇司:「というわけで帰させるから、答える義理をもらってもいいかな?」
アラキ:「そうはいかんな。実験のためにバス1台潰すやつを野放しには出来ねえ」
GM/《博士》:いかにも楽しそうに笑みを深める。「何、交通事故で死ぬ数よりはずっと少ないさ」
勇司:「同感〜」
アラキ:「死者が交通事故+実験台に増えただけじゃねえか」
勇司:「というわけで、どっする? 義理もらえないなら、ボクちんも青い理想のために頑張るけど」
GM/《博士》:「やれやれ……では、こうしよう。君たちの名前も教えてくれ。そうすれば答えられる範囲で答えよう」と言いつつ、観察するように片眼鏡がキラリと光る。
勇司:「篠崎勇司、23歳、独身、体重は最近計ってない」(くわっと目を見開き)「ちなみに非童貞。だけど魔法使い。これいかに!」

 いや、いかにと言われても。

アラキ:「荒雷鬼だ」
GM/《博士》:「アラキ? …アラキで“鬼”か。ふむ……」何か考え込むようにしている。
勇司:今のうちに槍準備しておこう。
GM/《博士》:「―――なるほど。データを見つけたよ。そうか、君が荒雷鬼か」大きく頷いて。
アラキ:「うん? どういう意味だ?」
勇司:「あら、有名人だねぇい。荒雷鬼」
GM/《博士》:「いやいや。些か予想外ではあるが…しかし、いいねぇ…実に都合がいい」
アラキ:「まあ、結構派手にやってるからなあ。だが…それだけじゃなさそうだな」
GM/《博士》:「君が“正義の味方”ならば…きっと必ず、“悪人”を斃すだろうからねぇ?」クックッ、と喉の奥で嗤う。
アラキ:「…あんまり“正義の味方”のつもりはないんだけどな」
勇司:「で、博士〜? ギブアンドテイクを忘れんといて」
GM/《博士》:「…そうだったな。では答えようか」
勇司:「うぃ、ヨロ」
GM/《博士》:「儂の目的は……《帝王》をこの世に生み出すことだよ」
アラキ:「いきなり話が大きくなったな」
勇司:「ラオウ様?」
アラキ:「って勇司、それは放送コードが…」
GM/《博士》:「我らを統べ、世界を治めるに相応しい…その、器だ」
勇司:「ああ、なるほど。確かに世界平和には最高の方法だな」
GM/《博士》:「儂はずっと以前から、その研究に取り組んでいる…まぁ、儂だけではないがね」
勇司:「で、その実験をこの街でやっているってわけか。ちなみに完成したら呼んでくれ。たぶん七割がた喜んで軍門に下ると思うから」
GM/《博士》:「その時は招待させていただくよ。敵になるか味方になるかは知らないが」にっこりと。
勇司:「まぁ道化師が先を教えちゃあ面白くないからねぇい」道を開けて。「次はどんな実験をするかねぇい」
アラキ:「で、その《帝王》が俺と何の関係があるんだ?」
GM/《博士》:「全て教えたのでは面白みがないからね。この辺で帰らせていただこう。…また近い内に会えると思うよ」マントを翻して歩き出す。
アラキ:「させるかよ!」
勇司:そのマントを一度踏む。
GM:踏むのか(笑)。では、君たちの横を通り過ぎようとして…立ち止まる。
勇司:「満足だ」(悦に入った顔)
GM/《博士》:「…何の冗談かな?」立ち止まってマントを見下ろし。
勇司:「え? マントを翻したら、単純に踏みたくならない!?」
GM:取りあえず、勇司に答えるよりも荒雷鬼の行動が先だと思うので…どうぞ(笑)。
勇司:いや〜、荒木ナイス。勇司のトリックスターの動きに、真面目に反応して殴りかかるとは(笑)
アラキ:いいコンビネーションだ(笑)。では剣で切りつけます。
聖:でもこれで勇司もなし崩し的に敵対じゃない?
勇司:え? 別に敵対してもいいし(ぉ
聖:いや、なんかどっちでもよさそーな感じだったから(笑)。
勇司:うん、だからどっちでもいい(笑)。
GM:荒雷鬼の剣が《博士》を真っ向から斬り伏せる。《博士》は倒れた。
アラキ:「……あれ?」
GM:それは確実に致命傷。いとも呆気なく、“組織”幹部であるはずの人物は倒れ伏した。
アラキ:ひょっとして、操られた人間?
GM/《博士》:「…惜しかったねぇ。これは私が造った人形の一つだよ」と、屍体から声が聞こえた。ルール的には《腹話術》(*)を使ってます(笑)。

 (*)《腹話術》
 デーモンのアーツ。自分の代わりに、エキストラの使い魔をシーンに登場させる。但しエキストラであるため戦闘は行えない。
 外見は自由に決められ、使い魔が知覚したことは自分も知ることが出来る。PCよりも黒幕系ボスNPC向けのアーツである(笑)。


勇司:「お〜、さすが。てか基本だよな」
GM/《博士》:「なかなか良い出来だろう? 本物そっくりに造ってある…まぁ戦闘に関しては見ての通りだが」
アラキ:「悪趣味なジジイだ」
勇司:「うんうん、いい出来だった。あ、これ自動的に消える? 消えないなら後始末しとくけど」
GM/《博士》:「いやいや、活動停止後は数十秒で分解するから気にしなくて良い」
勇司:「あいあいさ、んじゃま、また合間見えるまでバイナラ」手をひらひらさせながら屋上から飛び降りて消える。
GM/《博士》:「それでは、また会う日を楽しみにしているよ…」見る間に屍体は風化して消えてしまった。
アラキ:「やれやれ、けど…俺に何の関係があるんだ?」
GM:さて。この時点で《博士》に対して絆持ってる人〜。難易度30で絆チェックして下さい(笑)。
アラキ:2d6+23で…(ころころ)34、成功しました(笑)。
GM:うお(笑)。
勇司:すごい、絆のままだ(笑)。
GM:素晴らしい(笑)。では絆のままで。
アラキ:いいのか悪いのか(笑)。
GM:まぁ、見ての通りの人物なので。彼に絆を結ぶ場合は30がデフォです(笑)。
勇司:ではシーン切れる前に知識のエゴを(ころころ)絆に書き換え。
GM:目が良いねぇ。
勇司:後が怖い。
アラキ:勇司に絆を結びます。(ころころ)また34…妙に目がいいな(笑)。絆/連帯感です。
GM:…何なんだろう、このダイス目の良さは(笑)。
聖:戦闘で大暴落に違いない(ボソリ)。
勇司:うんうん(涙)。
GM:では次のシーンへ。

▼絆/エゴの変化
アラキ:勇司に絆/連帯感を取得。
勇司:知識へのエゴを絆/探求に変更。




●シーン8 『虚ろなる庭』  シーンプレイヤー:諸星断  登場難易度:7

○諸星家


GM:ひとまず、さっきの少女をセブンが自宅に連れ込んだシーンです(笑)。
セブン:とりあえず、娘の方は寝かせておこう。
GM:服とかはどうするの? 身体も思いっきり血塗れのままですが…。
聖:血の方は、聖が世話するでしょうが、服はどうしよう。
セブン:女物の服は存在していないな。適当に着れそうなものを見繕って、聖には娘を任せよう。
聖:ここに女物の服があったら驚きですよ(笑)。
GM:では、脱がせると判りますが、傷は殆ど塞がっているようです。そして着ていた服は、どうやらどこかの学校の制服みたいです。
セブン:そういや、この娘がどこの誰なのかは調べてないな。身元を確認できるような物は持ってますか?
聖:制服だったら、生徒手帳とか持ってないかな。
GM:服のポケットに、財布と手帳が入ってました。名前は、都立雨宮高校の―――空見瀬奈とあります。
アラキ:空見瀬奈…そらみせな…空見せな………空を見せろってことだろうか?(笑)
セブン:連絡先とかは、書いてありますか?
GM:学生寮の電話番号は書いてありますね。
セブン:寮か。人間じゃないとしたら、事情を聞いてから連絡を入れてもいいかなあ。
アラキ:セブンの家に電話を入れてもいいかな?
GM:判定に成功すれば(笑)。
勇司:じゃ、GM。セブンに電報送ってもいい?
アラキ:(ころころ)8、危ないが成功(笑)。では、セブンの家に電話で連絡。ぷるるるる、
セブン:がちゃ。「セブンだ」
アラキ:「セブンか、アラキだ。悪い、《博士》には逃げられた」
セブン:「荒木か。こっちは化け物に遭遇しちまってな。襲われていた女の子を救出したところだぜ」
アラキ:「なんだって? ……なあ、その子の名前は?」
セブン:「雨宮高校の空見瀬奈。怪我をしていたんで、俺の部屋に連れてきた」
アラキ:「(まさか……いや、やはりなのか)」絶句します。
セブン:「…どうした?」
アラキ:「わかった。俺もそっちへ行く」
セブン:「おう。事のあらましは合流してから話すぜ」
アラキ:というわけで、セブンの家へバイクを飛ばしますが、合流していいですか?
GM:構いませんよ。…と、その前に。アラキが到着するより暫く先に、瀬奈が目を覚まします。
セブン:「お、目が覚めたか」
聖:「あ……。大丈夫?」
GM/瀬奈:「…ここは…あなた達は、誰…?」ぼんやりとした目を二人に向けて。
セブン:「俺は、諸星断。まあ、セブンとでも呼んでくれ。倒れていたお前さんをここまで運んできたんだが…どこまで覚えている?」
GM/瀬奈:「倒れた…わたしが…?」まだ意識が混濁しているようだ。
セブン:「(よく覚えていないみたいだな)公園で、倒れていたんだが…その辺の事情はよく覚えていないみてえだな」
聖:「……どうするつもりなの?」セブンに耳打ちします。
勇司:GM〜、セブンに電報〜(イジケイジケ)。
GM:…あ。ごめん、シナリオ確認してて気付かなかった(笑)。
勇司:いや、それじゃあGM、荒木に香りのことを伝えているってことでいいすか? こっちは帝王の事を調べたいんで。
GM:勇司はそれを重要な情報だと認識してなかったはずでしょ? だから駄目。
アラキ:むしろ封筒を渡してくれれば。
勇司:ふむ。あ、封筒は資料に添付してある。それなら封筒自体はみんなの手元に行ってるでOK?
GM:OK。話の流れで封筒と手紙が出れば、香りについて判っていいですよ。
勇司:というわけで、みんな。よろしく頼みます。
GM/瀬奈:「…ごめんなさい。何だか、ひどく…眠いの…」
セブン:小声で聖に「まあ、覚えていないものを穿り返すのも何だし、ここは倒れていたところを偶然助けた方向で話をしよう。調べるのはそれからだ」
聖:「分かった。その方がいいかもね」小さく頷きます。
GM:どーでもいいけど。セブンの一目惚れセンサーは今回発動しないのか、残念(笑)。
セブン:どうしようか考えていた(笑)。
GM:セブンならやってくれるに違いないと思って、色々演出したのに(笑)。
セブン:いや、その方向で行くつもりなのですが…どこで繰り出そうかと(笑)。

 なるほど。ならば、ここでPCを引っ張る演出をするのが良いGMというもの(笑)。

GM/瀬奈:「すみません…水を一杯いただけますか? 喉が渇いて…」
セブン:「ああ、ちょっと待っていてくれ」水を持ってこよう。
GM:受け取った水を飲むが、咽せて咳き込む。少し布団とシャツが濡れてしまったぞ(ぁ
セブン:「あ、ちょっと待ってろ」タオルを差し出す。「これで拭くといい」
GM/瀬奈:「ごめんなさい…ありがとう」少し顔を赤らめて、微笑む。濡れたシャツが少しばかり透けていることにも気付いていないようだ(ぉ
アラキ:GMがエサをどんどん撒きだした(笑)。
GM:少しあざといかな〜と思っていたりもする(笑)。
セブン:「(い、いかん…俺の人生始まって以来の、女の子が部屋の中にいるという状況…加えて、濡れたり透けたり、背負った時に柔らかかったり…心の中に湧き上がってくるこの感情は、恋か!?)」
勇司:そして喰らいついた(笑)。
GM/瀬奈:「…あの。何か…?」心持ち、潤んだような瞳がセブンを見上げる(笑)。
セブン:「(いや、そんな生易しいものではない…これはきっと、伝説の『愛』と言う奴だな。なるほど。今、俺は愛を知って人間として一回り成長した状態にあるわけか!)」
勇司:恋から愛にランクUPした(笑)。
聖:待て。これはGMの罠だ(笑)。
GM/瀬奈:「迷惑かけて、ごめんなさい…。少し、眠りますね…」瀬奈は目をこすると、再び横たわる。
セブン:「ああ、いや、なんでもない。とにかく、まだ調子が悪いのなら、休んでいくといい。それはもう、思う存分に。そして、俺に出来ることなら何でも言ってくれ」
GM:瀬奈はすうすうと寝息を立て始めた。とても無防備な姿で。…ところで。聖も同じ部屋にいるんだよね?(笑)
聖:いますな! きっと、後ろの方でセブンにアレな目付き向けてるでしょう(何
GM:ではアラキも聖も、好きな時に出てきてOKです(笑)。
勇司:こっちは舞台裏でせこせこ《帝王》とかについて情報調べておくので、みんな弄りまくれ(笑)。
アラキ:舞台裏で出番を窺っています(笑)。
セブン:「…今回は、けったいな耳が頭についていない。ちょっと丈夫なところを除けば普通の女の子と見た! これは何か? 天が俺に授けてくれたチャンスか? そうだよな!?」聖に同意を求めてみる(笑)。
GM:セブン…素敵っ(笑)。
勇司:……素敵だなぁ。
聖:「……何で私に振るの?」半眼で呟きます(笑)。
セブン:「いや、この際、女性の意見も聞いておきたくなった」ちょっと弱気(笑)。
聖:「……」セブンと瀬奈を交互に見つめ、「違うんじゃないかしら」臆面も無く言い切ります。
セブン:「ぐは!」
聖:「九九が言えない人は、やっぱりイヤじゃないかな……」
勇司:追い討ちキター!
GM:容赦のないツッコミも素敵だ(笑)。
セブン:「…いや、数々の障害を乗り越えて愛を勝ち取ってこそ、男。今こそ、俺の愛が試されている時。さっそく九九の暗誦から練習してくるぜ!」
聖:「……。まあ、何かに一生懸命になるのはいい事よね。動機が不純でも」諦めたような悟ったような、そんな呟きを漏らします。
アラキ:ガチャ、と扉を開ける。「邪魔するぞ、セブン」
聖:…で、GM。そろそろ進めませんか?(笑)
GM:アラキが来たからやっと進む…と思う(笑)。
セブン:「おう、さっきまでとは俺が違う俺の家へようこそ、まあ、上がってくれたまえ、荒木君」
アラキ:「……何やってんだ、お前?」必死に九九を唱えるセブンを見て。
聖:「全ては愛のために、って感じかしら」説明になってない説明を(笑)。
アラキ:「また、病気が出たのか……」なんとなく理解した(笑)。
セブン:「ふ…愛に目覚めて昭和セブンから、キングジョーを倒せる平成セブンになったとでも言っておこうか…」
アラキ:「お前、昭和には生まれてないだろ」
セブン:「気持ちの問題なのだ」
アラキ:「それより、あの子の容態は?」
GM:部屋に入ると、ベッドには横たわる瀬奈の姿。そして床にはボロボロに引き裂かれた血塗れの衣服が(ぉ
アラキ:「おい、大丈夫か!?」瀬奈の傍らによる。
GM:今は…恐らく血を流しすぎて、動けない状態なのではないかと思われます。アラキが声をかけても、目を覚ます気配は全くありません。
聖:「ひどい怪我だと思ったんだけど――いえ、実際ひどい怪我だったんだけど、もうほとんど塞がってるわ。……普通の人間じゃないわね」
アラキ:「なんだって、瀬奈が……」
セブン:「…公園で、化け物に襲われていたんだ。まあ、何とか助かったがな。正直、一瞬ダメかと思ったが…その傷が、塞がっちまったんだよ」
アラキ:「なら、やはり《博士》の言葉は……」
セブン:「…《博士》の言葉? なんだそりゃ」
聖:「その話、詳しく教えてくれないかしら」
アラキ:「瀬奈とは、つい最近出会ったんだが…八年前に死んだ、俺の姉さんにそっくりなんだ。そして、さっき《博士》は言った。《帝王》を作る実験に、俺の存在は好都合だと。はっきりと決まったわけじゃない。だが、偶然とは思えない」…ところで、GMに質問。
GM:何でしょう?
アラキ:姉の『幼い頃の姿』を忘れている…ということは、『死ぬ直前の姿』は覚えているんでしょうか?
GM:と言うか…死ぬ前のおおよそ一年間ほどの事は思い出せます。家族全員での食事、明仁の誕生パーティ、クリスマス、運動会…などなど。
アラキ:なるほど。
GM:けれど、それ以前の姉の姿が…何故か、君には思い出せない。
セブン:「…八年前に死んだ姉、か。それから一年間のことしか思い出せない。更に一年前と言うと、九年前か…」九年前の事故の被害者のリストって、警察関連の資料を見たら、調べられるかなあ?
GM:九年前の事故に関しては、前の情報収集で出た情報が全てと思って良いです。これ以上あの事件に関して調べようとすれば、半端じゃなく時間がかかると言っておきます。
セブン:ふむ。被害者の中に、荒木の姉ちゃんがいたかどうか、調べてみようかと思ったのですが。
GM:あぁ、そういうことか。けど、やっぱり時間がかかるでしょうね。
アラキ:「俺の前では普通の女の子だった。けど……」
セブン:「とりあえず聞いておくが、お前の姉ちゃんの名前は?」
アラキ:「荒木明菜。……調べる必要があるよな。やっぱり」
セブン:「荒木明菜に、空見瀬奈…か。とりあえず、この娘の経歴だけでも洗ってみるか。どこかで博士との接点が出てくるかも知れねえし」
アラキ:「ああ、そうだな……」
GM:瀬奈に関しては、生徒手帳とか色々手がかりあるので〈情報:噂話〉で通り一遍のことは調べられます。
セブン:では、調べてみます。(ころころ)…13。うむ、惚れた女のことを調べる割には気乗りしていないらしい(笑)。
アラキ:では情報屋込みで(ころころ)15。
聖:(ころころ)18。やっぱり出目がふるわないなぁ。
アラキ:充分かと(笑)。
GM:それなら…女生徒をマメにチェックしている学校の友人が知っていたと言うことで(笑)。

>空見瀬奈について
達成値5:
都内の雨宮高校に通う一年生。取り立てて変わったところのない普通の少女。
達成値8:実家は都内にあるが、今は学校の女子寮に住んでいる。
達成値12:入学したばかりの頃、家族旅行で大きな事故に遭い入院していたらしい。


GM:取りあえず、電話で聞いた限りで判るのはこれだけかな。
セブン:「事故に遭っているな。今回は事故絡みの人間が多いが…何か、関係あるのか?」
アラキ:〈情報:魔物〉では調べられませんか?
GM:魔物じゃあ無理ですが…更なる手がかりは出てますよ。
聖:大きな事故って、どんな事故でしょうか?
GM:交通事故らしいですね。
セブン:これも調べるとしたら、次のシーン?
アラキ:都内に実家があるのに、何で女子寮? 全寮制なのか?
GM:実はセブンの判定で全部出てますので…聖とアラキは、それぞれもう一項目ずつ調査可能です。
聖:では、その事故の詳細について調べられます?
GM:そうですねー。〈情報:噂話/警察〉でどうぞ。必ずしも良い結果が出るとは保証しませんが。
聖:というと?(ころころ)達成値は22です。
GM:…高い(笑)。
聖:うむ(笑)。

 事故そのものは単なる交通事故。但し、瀬奈の家族はその事故で全員死亡していると判明。

GM:事故に関しては、以上で。
聖:……確かに良い結果ではない(笑)。
アラキ:質問です。今持ってる写真と実際に比べてみて、明菜は瀬奈と同じ顔でしょうか?
GM:そっくりに見えますね。多少、髪型とかは違いますけど。
アラキ:この写真は死ぬ1年以内ですか?
GM:そうです。
アラキ:う〜ん、じゃあ、アラキの記憶について調べられますか?
GM:あー。それは冒頭でいきなり6ゾロ出されたので…判定で判る情報は出てるんですわ(笑)。後はイベントシーンを予定してます。
アラキ:なるほど、では幼い頃の明菜については?
GM:何か手がかりとか、あるでしょうか?
アラキ:こっちにはないか。昔の近所とかを手繰る以外なくて時間かかるかな。
GM:かもしれませんねぇ。アルバムとかあれば別ですけど。
アラキ:なら、他に何を調べるべきか…。
GM:思いつかないなら、そろそろシーンを切りましょうか。…夜叉さん、ごめんね待たせて。
勇司:いえいえ、お気にせず〜(蕎麦を食ってる)。
アラキ:じゃあ、《帝王》について。
GM:…たぶん、このシーンで調べてもろくな情報は出てきませんよ。ハッタリ情報が出るくらいで(笑)。
アラキ:了解です。なら、とりあえず終了で。
GM:判りました。他の人もそれで良いでしょうか?
セブン:とりあえず、こちらはOKです。
GM:PCが調査できなくても、アイデアを出すのは自由ですよ、念のため。シーン内での判定回数を制限してるのは、単に『実際の調査活動にかかる手間暇』を考えてのことだから。
アラキ:出てる手がかりってナンだろう? 更なる手がかり…。
セブン:入院したってなっているが。病院に行けない、もしくは行きたくないはずなのに、ここでは問題にならなかったのかなあ、って部分かな。
アラキ:ああ、その病院は調べられます?
GM:調べるなら…〈情報:噂話/裏社会〉ですね。
アラキ:裏社会か(笑)。情報屋込みで(ころころ)18!
GM:OK。では、コネを使って病院に問い合わせたところ…。

 病院には、植物状態の“空見瀬奈”が入院している。費用は予め、十分な額が振り込まれたらしい。

GM:という情報が、出てきました。
アラキ:「じゃあ、この子はいったい……?」おやっさんからの電話を受けて。
GM:そうアラキが呟いたところで、シーンを切りますか。

▼絆/エゴの変化
アラキ:明菜(死んだ姉)に絆/忘却を取得。
聖:アラキに絆/共感を取得。




●シーン9 『赤い雨』  シーンプレイヤー:荒木明仁  登場難易度:判定不可

○悪夢/八年前の夜


 その怪物は、何の前触れもなく荒木家を襲ってきた。
 ……少なくとも、当時はそう思った。

 両親を殺されて山中を逃げまどう姉弟は、狭い洞窟に身を潜めた。
 明仁を抱きしめる姉の腕は、寒さからか或いは恐怖からか…細かく震えていた。


GM/明菜:「ごめんね……ごめんね。せめて、明仁だけは…絶対に護るから…」
アラキ:「姉さん、俺怖いよ」がたがた震えて。
GM/明菜:「心配要らないから…あなただけは、何があっても護ってみせる…」身体の熱を分けるように、ぎゅうっと抱きしめる。

 …しかし、その翌日。雨の中、二人は怪物に追いつかれてしまう。
 その怪物は無力な姉弟を嬲ろうとでもするつもりなのか…すぐに襲いかかりはしなかった。
 野獣じみた双眸に、知性ある者特有の残忍な光が見える。


アラキ:「く、くるな、くるなあ!」
GM/明菜:「明仁は下がって…そこを動かないで」君を手で後ろへ押しやると、明菜は自ら怪物の前に進み出た。
アラキ:「姉さん、だめだよ姉さん!」

「全部、わたしのせい…だけど…」

 雨音の中、姉の呟きが微かに届く。
 明仁は何故か――思考がマヒしたかのように真っ白で――身動きが取れない。

「それでも…わたし、幸せだったよ……お父さん、お母さん…」

 彼女は弟に振り返り……儚く微笑んだ。
 諦めと、悲哀と―――後悔を滲ませた瞳で。

「…さよなら、あきひと…」


アラキ:「姉さぁぁん!」
GM:不意に、怪物の瞳が見開かれ、大きく牙を剥いた。ぞぶり―――厭な音がして、明仁の視界が紅く染まる。
アラキ:「うわああぁぁぁぁああ!」
GM:姉の返り血を全身に浴びた怪物は、雄叫びを上げて狂ったように暴れ出した。まるで“明仁が見えていない”かのように暴れ回ると、怪物は明菜の亡骸を抱えたまま崖下へ転落した。血の金臭さは降りしきる雨に流され……何故か、微かな花の香りを嗅いだような気がした。


 ――――その後、駆けつけた『鬼』が明仁を保護した。
 怪物は鬼達によって斃された。姉の遺体は見つからなかった…恐らく怪物に喰われたのだろう。
 残っていたのは、血に濡れた一束の毛髪。それを遺体の代わりに墓へ埋葬した。



○諸星家/現在

GM:…そして、君は目を覚ます。傍のベッドには、当時の姉と同じ姿をした少女が…静かに眠っている。
アラキ:「久しぶりだな…この夢見るのは」セブンの家に雑魚寝かな。「……忘れられないモンだな、やっぱり」
GM:いつもはもっと断片的でぼやけているのだが…今日の夢はやけに鮮明だった。今までの夢だと殺された状況だとか、そういった物が…見る度に違っていたりしたのだが。ふと、君は微かな花の香りを嗅いだ。その香りが、古い記憶を呼び起こしたのかもしれない…。
アラキ:……どこからの香りでしょうか?
GM:部屋の中に微かに香っているけれども…どうやら、瀬奈の体臭のようです。香水か何かかも。
アラキ:「瀬奈の香りか……けど、夢の中の香りも……」夢の中の香りと同じですか?
GM:同じもののように感じられました。そうしていると、不意に携帯のベルが鳴る。
アラキ:電話に出ます。「アラキです」
GM/おやっさん:「―――大変だ! 街に例の怪物が現れたぞ!」
アラキ:「何ですって、すぐ行きます!」セブンの頭を蹴る。「起きろ、セブン! 怪物が街を襲ってる!」
セブン:「ぐお!」登場不可だが、蹴られたので出よう(笑)。「なんだ、寝込みを襲うとはどこのどいつだ!」
GM:あ。前半は夢の中だから判定不可なだけで、もう覚めたから全員出られます。言い忘れた(笑)。
アラキ:「街に怪物が出てる。行くぞ」
セブン:「怪物だあ? せっかく寝付いたとこだってのによ。…ところで。俺の頭にでかいコブが出来ているのだが、これと枕元に荒木が立っていることの相関関係はどう判断すべきだ?」
聖:「待って、この娘はどうするの?」既に準備万端で。
アラキ:どうしましょう?
GM:そちらで判断して決めて下さい(笑)。
聖:一人待機、というのも悪くないけど、スカだったときのガッカリ感はほどほどに。個人的には、誰かがいた方がいいかもな、とは思うけど。
GM:(…にやり)
聖:――って、なんかGMが不気味な笑みを!?
GM:さあ、どうしますか?(笑)
アラキ:一人置いておいた方がいい気がするけど、アラキは出て行くなあ。
聖:まあ、待機ならセブンだろうけど(笑)。
アラキ:セブンに任せるのは危ない(笑)、から聖に頼むか。
聖:って、危ないのか(笑)。
セブン:危ないとは何だ(笑)。
アラキ:狼に羊の番をさせるような(笑)。まあ、どちらか残って欲しくはある。
GM:勇司はどうするー?
勇司:うわぁ!? 情報なしで手ぶらで現れるのって、ものすんごい屈辱だけど。でもここで出ないと他の人迷いそうだし……仕方ない(涙)。
GM:集めるのに時間かかりそうだ、とか何とか言えばいいじゃん。実際、レア情報は調べるのに手間暇かかるし、ハズレも多いしさ(笑)。
聖:よし。ダイスで決める?(笑)
勇司:「いよ〜す」窓をとんとんと叩いてる。
アラキ:「勇司!?」
勇司:「留守番なら、俺しとくけど? まだ情報集めてる最中だから、ドンパチしたくねぇし」ノートパソコンいじりつつ。
セブン:「く…できることなら、残って愛する人を見守っていたい気もするが、こういう時に『他の人に任せて自分だけ残るなんてサイテー!』とか言われたら何なので、俺は行こう」
アラキ:勇司の方が危ないような(笑)。
聖:それ思った(笑)。
勇司:失礼な、合意でしか手を出さんぞ!
GM:で、結局どうするの?(笑)
勇司:勇司はお留守番組。
聖:勇司……なのかな?
アラキ:まあ、勇司に任せてもいいですけど。
聖:二人残るのはさすがにリスク高そうだしなあ。
セブン:「手は出すな。足も出すな。それ以外の部分も出すな! じゃあ、行ってくるぜ!」びゅん、と出て行こう。
勇司:「あいあいさ。いってら〜」《帝王》について調べてる。
GM:ではそれで。絆チェックなどあればどうぞ。
勇司:とりあえず、ヒロインに絆。(ころころ)成功で好奇心と。
聖:うーん、瀬奈へのエゴが絆になりそうにない。疑念深まってるし(笑)。
アラキ:7つ取ったのでなし。
GM:勇司は今エゴある?
勇司:あるよ〜。“組織”のエゴ。
GM:なるほど、了解。では、ここらでシーンを切ります。

▼絆/エゴの変化
勇司:瀬奈に絆/好奇心を取得。




●シーン10 『傀儡舞』  シーンプレイヤー:篠崎勇司  登場難易度:不可

○諸星家


聖:やっぱり何かあったのか……。
GM:アラキ達が慌ただしく出ていった、しばらく後。意識の回復した瀬奈が起きあがり、外に出ようとする。
勇司:「さってと、調べないとねぇ。これはハズレだし」パソコンをカタカタ動かしつつ、槍を無造作にふるって瀬奈を出て行かせないようにする。「悪いね〜。家主の命令で、出て行かせないようにって釘刺されてるのよ」
GM:では勇司、〈知覚〉判定をどうぞ。
勇司:(ころころ)出目11で、23です。
GM:(ころころ)こっちは17…不意打ちは無理か。

 勇司は部屋の中に、“もう一人の人物”がいることに気付いた。
「――――邪魔をされては困るねぇ?」
 忽然と現れる、白マントにベレー帽の老紳士―――《博士》だ。


勇司:「よ、《博士》。仕方ないだろ〜、家主の命令なんだし」立ち上がって。「て〜と、この子が《帝王》のプロトタイプ?」
GM:それには応えず、《絶対先制》。
勇司:それは通すしかないな。
GM:PS《資産:支配》を勇司に使用する。〈意志〉で抵抗してくれ。(ころころ)出目悪いな…達成値は23。
勇司:OK、 判 定 放 棄。
GM:おや?(笑)
勇司:判定値が7でクリティカル値12だからね。「無理だな。こりゃ…お手上げ」ぽ〜いと槍を捨てる。
GM/《博士》:「ふむ…ずいぶんとあっさり諦めたものだな。もう少し粘るかと思ったが」
勇司:「力量は判っておりやすから。てなわけで逆らえないね。で、《博士》。俺はどっすればいいの?」
GM/《博士》:「何、彼らには存分に殺し合ってもらわねば…完全なる《聖母》を生み出すためにも」
勇司:「帝王を産む、聖母てか?」
GM/《博士》:「そう…我らが《帝王》を宿すに相応しい、究極の母体だ。彼女には、その資質がある」
勇司:「へぇへぇ、なるほど。確かにありそうだなぁ」頷いて。
GM:「そのために、彼女の魂を闇に堕としておかねばならんのだよ。偽りの記憶では足りない。真実、この世界に絶望してもらわなくてはねぇ…」
勇司:「うわ、めっさ楽しそう。…で、俺の自由意志、完全に消す?」
GM/《博士》:「いいや? ……君は何も見なかった。忘れて眠りたまえ―――いずれ必要になる時までな。クックッ…」
勇司:「うはっ、楽しそうなことしやがって!」
GM:というわけで、勇司は今のシーンの記憶を忘れ去る。指示があるまで思い出せない。そして、昏倒し床に倒れる君の視界に、部屋を出て行く瀬奈の後ろ姿が写っていた…。
勇司:(ふと気が付き)…あぁぁぁぁあああ! しまった!
聖:お?
勇司:パソコンのボイスレコーダー起動するって…言うの忘れてた。だから饒舌に喋ってたのに…orz
GM:残念だったねぇ(笑)。
アラキ:何か策があると思ったが、空振りだったとは(笑)。
聖:ドンマイです(笑)。
勇司:あぅあぅ。GM、《絶対先制》のコスト使うから、パソコンのボイスレコーダー起動させといたってのは…ダメだよね。うん、ダメだ(涙)。
GM:(生温かい笑顔)過ぎ去った時は、戻らないものだよ。ではシーンエンド。
勇司:あ〜、聞きたいことが一つ。《資産:支配》を使ったのは誰? これが《博士》だったら泣く。じゃなかったら納得してミスを嘆く。
GM:は? もちろん《博士》に決まってるでしょ。じゃなきゃ、わざわざ《絶対先制》使わない。
勇司:GM…お願いだから今度から、資産を使う時は誰が使うか言って欲しい。てっきり瀬奈だと思ったから攻撃できなかった。
GM:あらら。まぁ、結果は変わらなかったと思うのだけれど。
勇司:じゃなかったら《絶対先制》返しできる絶好の機会じゃん!! 使って《博士》の度肝を抜きたかった。結果は変わらなくてもな!
GM:…そのために人間性15も使うのか(笑)。
勇司:うん。あ〜、それと「何も見なかった」だから、音声記憶は残っててOKだよね? 「記憶を消せ」とは命令されてないし。
GM:それは詭弁だぞ。「忘れて眠りたまえ」とも言ったじゃん(笑)。
勇司:ちぇ〜、とりあえずGMに一つだけ言う。俺から詭弁取ったら何が残るのよ!?
GM:(さらっと)人間離れした頑丈さとか?
勇司:や、それおまけだし。
アラキ:鋼鉄の胃袋とか(笑)。
勇司:胃腸は弱いよ〜。
聖:胃腸が弱い人は焼肉で一万円分も食いません!(笑)
勇司:ん?(キャラシートを見直し)あぁぁ…俺の馬鹿!? 《訓練:意志》の修正忘れてた! 差分2だからまだ目があったじゃないか俺ぇぇぇ!! orz
GM:うん。こっちのダイス目も悪かったから、十分に抵抗可能だったよ? なのに、やけにあっさり諦めたなぁと不思議だった(笑)。
勇司:あぁぁ……馬鹿したなぁ(遠い目)。



●シーン11 『誰そ彼 た   かれ  シーンプレイヤー:神薙聖  登場難易度:10

○街中/夜


GM:連絡を受けた君たちは、怪物が現れたという路地へ駆けつけ追跡していた。そして、漸く追いついたところだ。
セブン:「…さて、と。手っ取り早く掃除を開始するか」
聖:「ええ……」ハンドガンを抜き、戦闘の構えに入ります。
アラキ:「こいつらも“組織”の犠牲者か……」
GM/怪物:「い…痛…イ。苦、ジ…ィ」怪物は、身体をよじらせながら呻き声を上げた。
セブン:「…かもしれねえ。だが、ここで止めねえと…な」
アラキ:「だな、楽にしてやるか…」
GM:よく見ると、骨格の変異に肉体がついて行けず…伸びすぎた骨が筋肉をあちこち突き破っている。
聖:「憐れね。せめて安らかに眠りなさい……」
GM/怪物:「ぞごに、いるのは…だ、断…か? だず…げで…」
セブン:「…? …お前、まさか」
聖:「え? ……嘘、まさか……」
GM:絆を持っているなら…何となく判る。怪物の―――“彼”の…正体が。…言うまでもないよね?
アラキ:「……知り合いか?」
セブン:「…事故に遭った、俺のダチだ」
聖:「……その姿は、忍びない。せめて徹底的に――粉砕してあげる」
GM/怪物:「あ…あぁ…。だ…ず、げで。…殺ジ…テ…」
アラキ:「なるほどな……」
セブン:「…楽に…してやるぜ」アイスラッガーを抜く。
GM:“彼”は大人しく殺されるのを待っていた……が。

「う…あぁ、アァァアッ!? ヤッバリ…嫌ダァァアッ!!
 間近に迫る死の恐怖に怯えたか…そう叫ぶなり、“彼”は身を翻して走り出した。


セブン:追いかける!
聖:「――ッ!」追いかけます!
アラキ:「待て!」
GM:死にもの狂いで走っているのだろう、なかなか追いつけない……そして、彼の走る方向から。ふらり、と小柄な人影が現れた。
アラキ:「……まさか」
GM:状況を理解していないのか、人影は棒立ちで怪物を見ている。
セブン:…既視感を感じる(笑)。
聖:うむ(笑)。

「ドゲェェェッ!!」

 人影に向かって爪を振り上げた怪物は…びくん、と立ち止まり。
 そのまま硬直して、アスファルトに倒れた。
 ―――辺りに、淡い花の香りが漂った。


アラキ:「…瀬奈……」呆然と立ち尽くす。
GM/瀬奈:「―――お休みなさい…せめて、安らかな夢を…」彼女は静かな表情で、怪物を見下ろしている。
聖:「……勇司さんはどうしたのかしら」胡乱げに瀬奈を見つめます。
GM/瀬奈:「…さぁ…知らない」ゆっくりと頭を振る。実際、瀬奈は勇司を知らないし(笑)。
勇司:うん(笑)。
聖:……そういえばそうでしたな。まあ、今のは瀬奈に向けたというよりも、独り言だったんだけど(笑)。……うん。自分で見ても瀬奈への問いかけにしか思えない(何
アラキ:「君は一体……?」
セブン:「…一体、どうなっちまってんだ?」
GM/瀬奈:「ごめんなさい…迷惑をかけて。だけど…これはわたしの罪…だから」
アラキ:「罪?」
GM:そう呟くと、彼女の姿がすぅっと遠ざかる。
アラキ:「待つんだ、瀬奈!」
セブン:「…罪? どういうことなんだ? お、おい、ちょっと待った!」呼び止めようとするが。
GM/瀬奈:「ごめんね……あきひと…」彼女の唇は、確かにそう動いた。そしてシーン退場。
アラキ:ぐわ、姉と同じセリフを!「…まさか……姉さん?」
GM:その声に応える者は…いない。まるで蜃気楼のように……彼女は消え去った。
聖:「勇司さんが心配だわ。……一度戻りましょう」
セブン:「…ああ」
アラキ:(力なく)「……ああ」
GM:では、シーンを切ります。



●シーン12 『欠けたピース』  シーンプレイヤー:荒木明仁  登場難易度:7

GM:場所は…どうしましょ。君たちがどう行動したいか、にもよるんだけど。
勇司:何でだろう? 何か纏まりがないように見える。ん〜、何か忘れてるのかな。
アラキ:やりたい行動は、『荒木明菜の戸籍を調べる』なんですけども。
GM:なるほど。それだと…〈情報:警察〉が一番近いかな?
聖:警察は情報屋持ってないなあ……。
アラキ:〈情報:裏社会〉じゃダメ?
GM:うーん、裏社会でも何とかなるか。では、判定どうぞ。
アラキ:じゃあ、場所はセブンの家からおやっさんに調査を依頼かなあ。(ころころ)達成値15。
聖:皆で帰還したでしょうから、同行者で出られません?
GM:それでもいいですよ。
セブン:では、一応同行という形で。
勇司:GM、《帝王》のデータはー?
GM:《帝王》に関しては、ぶっちゃけよう。神のごとき力を持っているとか、人類の歴史を裏から操っているとか色々囁かれてるけど……調べても確実な情報は出てこないんだ、これが(笑)。

 シナリオの本筋に関わらないため、設定しなかったとも言う。

勇司:なるほど。
聖:ぶっちゃけましたな。
GM:そして、荒木明菜の戸籍を調べた結果ですが…暫く経って、おやっさんから電話で連絡が入る。


○諸星家

GM/おやっさん:「…妙なことが判った。お前の姉さんな…二度、死亡届が出されてる」
アラキ:「……はい…」声が出ない。
GM/おやっさん:「最初は子供の頃…六歳の時だな。後から取り消されてるみたいだが…。二度目は……お前も知ってるはずだ」
アラキ:「そうですか……ありがとうございます」何とか、それだけ搾り出す。記憶は、このシナリオじゃなくて、昔から操作されてたのか…。
GM/おやっさん:「…大丈夫か? 何だか判らんが…手を引いた方が良くはないか?」
アラキ:「いえ、大丈夫です。最後までやり遂げます。俺がこの後も前へ進むためにも」少し力を取り戻して。
GM/おやっさん:「お前の…触れちゃならない部分に関わる事件のような気がしてるんだがな、俺は」
アラキ:「ええ、多分。けど、だからこそ、俺自身の手で決着をつけます」はっきりと宣言する。
GM/おやっさん:「…そこまで言うなら、もう止めん。きっちりと、乗り越えて見せろ」力強い声が響く。
アラキ:「はい!」
GM:と、そこでザザザー…と携帯にノイズが入る。

「―――やあ、荒木明仁君…いや、“荒雷鬼”君。元気かね?」

アラキ:「!? 《博士》か!?」
GM/《博士》:「ご名答だ。いや、流石だね。実は…君に、一つチャンスをあげようと思ってね。こうして割り込ませてもらった次第だ」
アラキ:「…荒木明菜と空見瀬奈は、同一人物だったんだな」
GM/《博士》:「ふふふ…流石に気付いたかね」クックッと、嗄れ声で楽しそうに笑う。
アラキ:「彼女は九年前から、一年ごとに死亡した女の子に成り代わり、家族の記憶を操作した」
GM/《博士》:「ふむ…それから?」
アラキ:「一年たったら事故などで死亡したことにして、また別人に成り代わった」
勇司:ああ、なるほど。姉さんは元からいなかったのか。…いや一度死んで、成り代わり…ってやつか、なるなる。
聖:ああ……。ようやく把握してきた。
GM/《博士》:「まぁ、恐らくそんな風に我々の手を逃れていたのだろうね。こちらも完全に足跡を把握してるわけじゃないが」
勇司:れおそさん凄いなぁ。おいらは今いわれて気がついた。
アラキ:回想シーンで気がつきました。
聖:うーん、さすが……。
勇司:さすがとしか言えないね。
GM:れおそさん、鋭いよねぇ(笑)。
アラキ:「彼女は何者だ?」
GM/《博士》:「―――“不死の肉体”を持つ人間だよ。…少なくとも二千年以上は生きている」
アラキ:「あの子を捕らえてどうする気だ!?」
GM/《博士》:「それは、儂からも聞きたいね。君は、彼女をどうしたいのかな?」
アラキ:「俺は…」絶句します。「…俺は、あの子を救う」静かに、だが力強く断言する。
GM/《博士》:「では一つ、教えてあげよう。彼女はその生涯で多くの人間を殺めた…いわば咎人だ。罪なき者を数多く殺めてきた……そんな人間に、救う価値があるのかな?」
アラキ:「咎なら俺も背負っている。この国を守ってきた鬼たちの、千年の咎を」
GM/《博士》:「ほほう……」
アラキ:「それに……」家族の写真を取り出す。
GM/《博士》:「…それに?」
アラキ:「父さん、母さん、姉さん。四人で過ごした一年間は嘘じゃない。彼女は、俺の姉さんだ」
GM/《博士》:「…なるほど。では…瀬奈と名乗った娘に、また会いたいかな?」
アラキ:「ああ、どこにいる?」
GM/《博士》:「ならば来るが良い。彼女は待っているよ……そう、あの公園でね」
アラキ:「わかった。姉さんに伝えてくれ。必ず行くってな」
GM:心底楽しそうな笑い声が響き…電話は切れた。
セブン:「…どうやら、行き先が決まったみてえだな」
アラキ:「なんだ、聞いてたのか」苦笑する。
セブン:「人の家で電話使って話してんだろうが。聞きたくなくても聞こえるわい」
アラキ:「そりゃそうだ。お前の家ってことを忘れてたよ」
セブン:「お前の姉さん、助けるってことでいいんだな? 瀬奈がどういう存在でも、受け入れるってことでいいんだな?」
アラキ:「ああ、色々混乱したが、答えは出た。後は、突っ走るだけだ」
セブン:にやり、と笑って「じゃ、行くか」
勇司:「……」すぴょすぴょと寝ている。
聖:勇司の頭を一蹴りして起こしてみます(何
勇司:「みょごっ!?」起きた(笑)。「……あ、すまん。不意打ち喰らったか、洗脳されたか、何が起きたか判らんけど…やられた」(爽やかな笑顔)
聖:「見れば分かります」冷静に。
勇司:「いや〜あはははは、ステキに出し抜かれてるけど……ほわぁい、何が起こった!?」首をくりと曲げて。「とりあえず、槍は捨ててある。つまり、自主的降伏はしたようだ。たぶん洗脳かなぁ?」
アラキ:「ああ、色々とスッキリした」
勇司:「うん、風俗行った後の男の顔してるな。すっきりして臨戦体制か。俺の手助けいる?」
聖:「あればとても心強いですね。人間性の問題はとりあえず置いておけば」
セブン:「人手はあって困らねえだろ。あのイカデビルが黙って行かせてくれるとも思えん」
アラキ:「…風俗行った後は臨戦態勢にならないんじゃ? もう終わってるし」
勇司:「ばっかだなぁ、死ぬ前の一発。エロい臨戦態勢は終わるけど、文字通り戦うための臨戦体勢てやつだよ」槍をずぶりと自分の掌に刺し《血脈付与》。「まっ、役に立たんかもしれんし敵に回るかもしれんけど、キビ団子でお供しましょう」小アルカナカードにも付与して。「準備完了と」
アラキ:「キビ団子なら、当てはないこともないが後払いにしてくれ」
勇司:「あいあいさ〜」
聖:――って、イカデビルでいいのか?(笑)
アラキ:まったくだ。イカデビル、どこから出てきた(笑)。
セブン:考えてみたらイカデビルにそもそも会っていないな、俺(笑)。
聖:気にしない!(笑)

 どうやら、PLの認識は《博士》=イカデビルで定着したらしい(笑)。

GM:ではここで[SA:《博士》を倒す/瀬奈を“解放”する]をあげましょう。どちらか選択。
聖:[SA:《博士》を倒す]をいただきます。瀬奈、エゴのままだし。
セブン:瀬奈を解放する、だろうね。ここは。
アラキ:[SA:瀬奈を“解放”する]で。
勇司:[SA:《博士》を倒す]で。
GM:OK。では、マスターシーンの後にクライマックスへ行きます。絆チェック、あればどうぞ。
アラキ:瀬奈への絆を疑惑から解放に変更。明菜への絆を忘却から思い出に変更します。
セブン:最後の一枠、勇司に(ころころ)成功。連帯感かな。これから同じ場所に赴くので。
勇司:さて、《博士》にエゴを結ぶか。(ころころ)失敗なのでエゴ。あと“組織”のエゴを(ころころ)絆/愉悦に。
GM:《博士》へのエゴは何にする?
勇司:エゴ/憧憬に。憧れつつも自分とは違う視点にいるというエゴ。
GM:了解…憧れるのか(笑)。
勇司:うん、踏み越えた者の強さってこと。こちらは踏み越えてないからね。
GM:素敵だ(笑)。では、次のシーンへ行きます。

▼絆/エゴの変化
アラキ:
瀬奈の絆内容を解放に、明菜の絆内容を想い出に変更。
セブン:勇司に絆/連帯感を取得。
勇司:“組織”へのエゴを絆/愉悦に変更。《博士》にエゴ/憧憬を取得。




●シーン13 『彼女の幸福』  マスターシーン  登場難易度:判定不可

○雨の降る公園


 ――――憶えている。

 忘れた事なんて、無かった。
 八年経って、ずいぶん見た目は変わったけれど…その面影を見間違えたりしない。

 ――――あの笑顔を、憶えている。

 やんちゃで、よく笑う子だった。
 整った顔立ちはお母さん譲り。頑固そうな眉毛と真っ直ぐな瞳は、お父さん似かな?
 クリスマスにケーキを作ったら、凄く喜んでくれたっけ。
 いつも暖かい一家の中にいて―――このまま、本当の家族になれたらいいと…
 …心から、そう願った。

 ――――だから、“敵”が迫っていることにも気づけなかった。


 わたしは、実の父を殺しました。時が経ちすぎて…もう顔すら憶えていないけれど。
 わたしは、多くの人を殺めました。自分の夢を叶えるために、無数の犠牲に目を瞑って。
 長い時間が経って、漸く目を開けたら……もう、夢を叶える資格さえないことに気付きました。

 わたしは逃げ出して……一時の幸福と引き替えに、かけがえのない人たちの未来を奪いました。
 だからこれは全部、わたしの罪。

 いっそ逢えなければ良かった――――だけど、過ぎ去った時は戻らない。
 どうか、あなたのその手で……わたしを裁いてください。




 ―――どこからか、老人の嘲笑が響いた。




GM:これにてシーンエンド。クライマックスフェイズに移ります。
アラキ:なんか、この姉さん…別所のダブルクロスのセッションで見たことある気が(笑)。
セブン:ああ(笑)。
GM:さて、何の事やら?(笑)




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