■ミドルフェイズ
●シーン4 『蔭る笑顔』 シーンプレイヤー:セブン 登場難易度:不可
○夏霧家
GM:翌日、セブンは約束通り夏霧家を訪れて…今は退院した夏霧繰人氏と食卓に着いているところです。キッチンからは、未琴が料理を作っているらしき賑やかな音が聞こえてきます。
碧唯:料理作る、で賑やかな音か……何を作る気だ、いったい(笑)。
アッシュ:安易に想像できるのが何ともまた……(笑)。
碧唯:きっと精霊の力を借りて調理してる。火の精霊とかその辺。
GM/繰人:「…どんなのが出てくるんでしょうねぇ」ぽつりと呟く未琴パパ。
セブン:「…久しぶりにカレーとカップラーメン以外のものが食える…! そして、守備範囲外とはいえ、女の子がそれを作っているとなれば、否が応にもテンションが上がっていくというもの…! 今日は一週間分は食って帰る! そういうわけで、何が出てきても美味しくいただく準備は出来ております。押忍」
GM/繰人:「いやあ、それは頼もしい。僕は病み上がりであまり食欲ないので…手に余りそうな時はお願いします」
セブン:「そういう頼みなら、いつ何時でも受ける準備が出来ています」無駄に力強く。
GM:そうこうしているうちにキッチンも静かになりまして。ガラガラガラ、と大きなカートに蓋付きの大皿を幾つも乗せて、未琴が食堂に入ってきました。
セブン:「お、来た来た」
GM/未琴:「お待たせしましたー! 今日は沢山食べてってくださいね!」で、若干危なっかしい手つきながらも、食卓にはフルコース並みの皿が並んでいきます。
アッシュ:うわぁ、本気だねぇ(笑)。
セブン:珍しく普通に料理が食べられそうなヨカーン。「ふ…言われなくても、テーブルと椅子以外は食べて帰る所存」
アッシュ:皿は食べるのか!?(笑)
碧唯:「足のついたモノは机椅子と人間以外何でも食う! 空を飛ぶモノは飛行機以外何でも食う! 水に潜るモノは潜水艦以外何でも食う!」そんな勢いで(笑)。
アッシュ:ではヘリコプターの調理をお願いしよう(笑)。
セブン:ヘリコプターは活け造りにしてくれたまえ。ローターは嫌いだから、しっかり外して置くように。
碧唯:ウィ、ムッシュー。
アッシュ:金属の活け造り……非常に興味をそそられるよ(笑)。
碧唯:五右衛門に任せれば問題なく捌いてくれます。
セブン:ふ…ヘリのパイロットシートのビニールには、やはりポン酢がよく合う…。
GM/未琴:「こっちはローストチキン、この皿はスープです。こっちのパンを千切って付けて食べると美味しいですよ。それからこっちは…」と、そんな感じで。
セブン:で、出来はどうなのでしょう?(笑)
GM:意外にも真っ当な…と言うか、「どこのレストランですかこれは?」みたいなメニューが並びます。出来の方は…繰人氏が、恐る恐るスープを口に運んでいきますが…。「……? …………美味い!」心底びっくりした表情で。
セブン:「どれどれ…」料理を口に運んでみよう。
GM/未琴:「えっへん! 今日は本格イタリアン風味の味付けにしてみましたー!」自信満々に胸を張ってます。で、食べてみると確かに美味いのです。セブンがイタリア料理を食べたことあるかどうかはともかくとして(笑)。
セブン:「うむ、美味い! 親父さんの発言から何が出てくるかとも思ったが、料理上手じゃないか」
GM:パパも驚いてる様子。「確かに、普通の料理程度ならプログラムに入ってたはずだが……お、驚いたな。いつの間に、イタリア料理なんて覚えたんだい?」未琴は席についてパンを千切りながら応えます。「決まってるじゃないですかぁ、えぇと……(沈黙)……あれ? …わたし、どこで習ったんでしょうね?」
セブン:「…なんだ、そりゃ。どこで覚えたのか、わからないってのか?」
GM/未琴:「……え、えぇと……ちょっと、ど忘れしちゃったみたいです…」照れて頬を掻く。「ま、まぁ良いじゃないですか! お料理が冷めないうちに食べちゃいましょう。ねっ!」
セブン:「…そうか。まあ何にせよ、こいつは人に誇れる特技だぜ。…じゃあ、冷めないうちにいただくとするか」
GM:そして、恙なく食事も終わり。未琴は食後の紅茶を煎れるためにキッチンへ行きました。静かになった食堂で…ふと、繰人氏がセブンに声をかけます。「諸星さん、でしたか……未琴の友達になってくれたそうで」
セブン:「ん? まあ、ちょっとした縁でね」
GM/繰人:「そうですか。見ての通り、少し変わった子ですが…。できれば…これからも、娘に構ってやって下さい。友達の少ない子ですから…」どこか寂しいとも哀しいとも取れる笑顔で、彼はそう言った。
セブン:「…ああ。俺でよければ」
GM:繰人は、「よろしくお願いします」と深く頭を下げた。その笑顔は…やはり、隠しようもない陰りを帯びている。
セブン:「おいおい、よしてくれ。友達になるなんて、頭を下げて頼まれるようなことじゃないぜ」
GM/繰人:「そう…ですね。失礼なことを言ってしまいました」顔を上げて苦笑い。パーティ後に似つかわしくない、どこか重い空気がその場に満ちる。
碧唯:繰人はセブンを半魔もしくはノウンマンと承知してるんですかね。普通にプログラム云々とか言ってるし(笑)。
GM:さて? 繰人自身は間違いなくノウンマンですが…セブンの素性までは知らないかと。
セブン:「俺は、あの子のことを友達だと思っているよ。あの子がそれを忘れない限り、ずっと、さ」
GM/繰人:「…ッ!」何故か、鋭い痛みを堪えるような表情になる。
セブン:「…どうした!?」
GM/繰人:「……いいえ。それだけで、十分です。あの子をよろしくお願いします…」言いつつも、彼の顔色は優れない。退院後とは思えないほどに。
セブン:「…………」特にそれ以上は突っ込まないでおこう。
GM:と、その時。パタパタと足音を立てて、紅茶のポットとトレイを抱えた未琴が食堂に入ってきました。「お待たせしましたー…あっ!?」つるっと足を滑らせて、未琴は盛大にひっくり返った。バシャアッ! からん、からかららん…。
セブン:「…やれやれ、これじゃ、親父さんも心配するわな」苦笑して。「…大丈夫か?」
GM/未琴:「ふぇぇん…会心の出来だったのにー…」カップや砂糖が床にぶちまけられて、未琴の頭には逆さになったティーポットが乗っています(笑)。無論、頭から紅茶でずぶ濡れ。しょうがないので、未琴は床の掃除を始めました。
碧唯:よし、それでこそミコミコだ(笑)。
GM:とまぁ、こんな感じで…何もなければ次のシーンへ進めましょうか。
セブン:はい。
GM:絆チェックはありますか?
セブン:うーん、繰人にとっておきましょうか。(ころころ)絆/約束で。
GM:了解です。では次のシーンへ。
▼絆/エゴの変化
セブン:夏霧繰人に絆/約束を取得。
碧唯:うーん、トレーラーの「“わたし”が消える」ってのは未琴の事なのかな?
アッシュ:うーむ、まだ解りませんねぇ。そうだとしたら確かに鬱ですが。
碧唯:提示されたシチュは「無いはずの記憶がある」だけど。その記憶に本来の未琴が上書きされちゃうとか?
アッシュ:今は繰人氏のほうが危険っぽいですがねぇ。
碧唯:ハンドアウトを見る限りだと、人形破壊者の標的は人形製作者も含まれてるらしいですよね。だとすると繰人も狙われる可能性があるか。
アッシュ:ですねぇ。まぁ、今は様子見ということで。……そういえば、絆チェックで失敗しそうなのって私くらいだなぁ。
碧唯:アタシもセブンも《人の心》5LVだしねぇ(笑)。
GM:いちおー、ピンゾロはファンブル扱いにしますね(笑)。
アッシュ:ふむ。エゴばっかりにならない様に祈っておこう(笑)。
GM:ロールプレイが良ければ、チェックにボーナス付きますよ。…申告してもらえれば(笑)。
アッシュ:了解です。
●シーン5 『復讐するは我にあり』 シーンプレイヤー:碧唯 登場難易度:7
○昼の街中
GM:碧唯先生、お待たせ。
碧唯:オイーッス。
GM:とりあえず、人形破壊者に関して〈情報:魔物〉で情報収集判定できます。これで、今までの調査結果が分かります。
碧唯:〈情報:魔物〉は無いので…《偉大なる叡智》だな!(ころころ)達成値20、人間性は21に。
GM:おぉ、やはり高いなぁ。
碧唯:まぁファンブルは何時如何なる時にも出る可能性があるわけですが!(笑)
>人形破壊者 〈情報:魔物〉
達成値8:精巧な自動人形を壊し続けている人物で、丸い黒眼鏡をかけた初老の男性。おそらく魔物だと思われる。
達成値10:最近、この街で姿を見かけられた。場所は学校の近くや公園など。
達成値12:彼が人形を壊すのは、数年に一度、一体ずつ。それを何十年も昔から繰り返しているらしい。
達成値15:人形破壊者が現れた街で、ほぼ同時期に“アンジェラ”と名乗る白髪の少女が何度か見かけられた、との噂がある。
GM:この項目は、以上です。達成値10の情報が出てるので、直接会いに行くことも可能です。
碧唯:ならば直にタマ取ったらァ!! 行くぜダイレクトに!
GM:では…ハンターズブラッドの監視員によれば、現在はとある喫茶店にて優雅にティータイムとしゃれ込んでいるそうです。
碧唯:「ほんと頼もしいわね、ハンターズブラッドの情報網は」ではその喫茶店に参りましょうか。
GM:ちなみに今回、GMからは基本的に「●●の項目を調査できます」とは言いません。気になることがあったら、自分でメモって調査したい旨を申告するべし。
アッシュ:うぃ、了解しました。
○喫茶店
GM:窓から、目的の人物が見えますね。情報通り、丸い黒眼鏡をかけた、人の良さそうな初老の男性です。ちなみに、店内には一般のお客さんも結構います。
碧唯:無論ここで仕掛けるほど無茶ではない。ごく当たり前のようにその喫茶店に入り、「相席、よろしいかしら?」返事も聞かず、当たり前のように対面に座ります。
GM/老人:「…どうぞ」柔和な笑みで、穏やかに先生を見ます。
碧唯:とりあえずコーヒーなんぞを注文した後。「ようやく見つけたわ。“人形破壊者”」低く抑えた声で。
GM/老人:「…ふむ?」読んでいた本から、ふと目を上げて。「…なるほど。察するに、表で見張っていた連中はキミの差し金かな?」
碧唯:「気付いてた割には随分と余裕綽々だこと。監視程度、いつでも出し抜ける自信の表れってことかい」
GM/老人:「なに、私の周辺を嗅ぎ回っている者がいたようなのでね……何者だろうか、と興味を持ったまでだ」こともなげに言うと、ティーカップから紅茶を一口啜り。
碧唯:「ああそうだよ、アタシが頼んだ。アンタを探してもらい、アンタに張り付いてもらうようにね」友人を破壊された時期は、適当に決めちゃって良いですかねGM?
GM:良いですよ。
碧唯:「5年前、アンタは1体の自動人形を壊しただろう。アタシはその子の友人でね。祝福されて生まれた命ではなかったかもしれない。けど、理不尽に奪われて良い命だったわけでもないんだ」
GM/老人:「仇、と言うわけだ。…なるほど、事情は概ね理解したよ。…しかし遺憾ながら、私は…キミの友人とやらを覚えていなくてねぇ。今までにどれだけの人形を壊してきたのか……もはや数える気にもならんのだよ」肩を竦める。
碧唯:「なるほど、アタシにとって無二の友人でも、アンタにとっては数多の獲物のひとつに過ぎないわけだ」
GM/老人:「そうなるねぇ。…誠に遺憾な話ではあるが」
碧唯:「OK、とても良い答えだ。これなら一片の容赦無く、アンタをぶっ壊せる」
GM/老人:「ふむ。それで…どうするね。ここで戦うかね? 私はそれでも構わないが」
碧唯:「さすがにそこまで無作法じゃないさね。これは宣戦布告だよ」
GM/老人:「了解したよ。私も、誰が邪魔者なのか判っていた方が…動きやすい」
碧唯:「アンタがこの街に現れたという事は、この街に住む自動人形を壊しに来たということだ。……やらせないよ、これ以上は。アンタが次に動こうとした時、それがアンタの最期だ」
GM/老人:「そうかね。私も、キミがどんな存在であれ…邪魔をするならば、容赦はしない」穏やかな笑みのまま、殺気が奔る。時に先生、〈知覚〉判定をしてもらえます? 難易度22ですが(笑)。
碧唯:げぇー!?(ころころ)達成値12、無理!
アッシュ:高ッ!? いったい何だったんだろうか(笑)。
碧唯:この高さ…《フリーフェイス》とか、そっち系と見た!
セブン:《フリーフェイス》だとしたら、アンジェラ=人形破壊者とかになるのかねえ。アンジェラの中に、入っている、とか。
アッシュ:私だったら成功の可能性はあるかも。判定値16スタートだしねぇ。
GM:うむ。では…ふと見ると、喫茶店のそこら中……天井の梁の上や、カーテンの影に小さな動くものを見つけた。それは…ブリキで出来た、おもちゃの兵隊。
碧唯:「(なるほど、これだけ目があれば監視もお見通しか。それにアタシがトチ狂って襲い掛かったとしても、迎撃の備えは万全ってわけね)」
GM:それらは一見可愛らしいが……かぱり、と口が開くと、中には銃口らしきものが覗く。
碧唯:「!!」ま、まさかここでやり合う気か!?
セブン:バッドカンパニーに狙われている。
アッシュ:アパッチのミサイルを利用するんだ!(笑)
碧唯:形兆の兄貴ィー!!
GM/老人:「…怯えることはない。キミが邪魔しなければ、この子たちとて何もしないさ。何も…ね?」ニヤリ、と笑う。
碧唯:「……脅しのつもりかい? 無作法はしないと言ったはずだよ」
GM/老人:「行儀が良くて大変結構だ。では、私はそろそろ失礼するよ…」悠々と立ち上がり、彼は出ていく。その間も、おもちゃの兵隊たちは店内の一般客に銃口を向けたままだった…。
碧唯:「次に会う時は、きっと夜の闇の中だね、“人形破壊者”。楽しみにしてるよ」自分もコーヒーを飲み干し、席を立ちましょう。
GM:では、絆チェックあればどうぞ。
碧唯:うむー…新たに出てきた人はいないしなぁ。今回は見送りで。
GM:人形破壊者のエゴや、初期エゴを変更する手もありますが…いいのね?
碧唯:む、では初期エゴを反転に挑戦するか。(ころころ)では初期エゴ:秘密を絆/共有へ。ハンターズブラッドとの関係って感じかな。
GM:了解。では、次のシーンへ。
▼絆/エゴの変化
碧唯:秘密へのエゴ/探求を絆/共有に変更。
GM:まぁぶっちゃけ、先生がここで戦闘しかけたら、エキストラに無差別攻撃するつもりでした(ぉ
アッシュ:うわぁ、それはマズい(汗)。
碧唯:さすがにここで仕掛けるつもりは無いッスよー(笑)。さて、こっちの方針は大体決まった。ヤツの行く先にアンジェラが現れるというのなら、アタシはアンジェラを当たるとしましょう。
アッシュ:私はアンジェラを調べたいですし、その時に合流が理想かな?
GM:では、次のシーンで一緒にやります?
アッシュ:あ、お願いしますー。
碧唯:次のシーンにアンジェラが出たら、登場判定してみよう。万一出なかったらセブンのシーンで未琴登場を待って、人形破壊者の襲撃を警告に行く手もある。
●シーン6 『輝く瞳石』 シーンプレイヤー:アッシュ 登場難易度:7
GM:というわけで、アッシュのシーン。場所はまだ指定しません。集めたい情報があれば、宣言をどうぞ。
アッシュ:はいなー。では、アンジェラについて調べたいと思っております。
GM:うい。現段階では『白い髪の少女』としか判らないので、〈情報:噂話〉で判定できます。
アッシュ:技能無しで(ころころ)達成値18です。
GM:やはりエトランゼは情報に強い…(笑)。
>白い髪の少女“アンジェラ” 〈情報:噂話〉
達成値8:公園や学校など、大きな時計がある場所で真夜中に佇んでいる少女。
達成値10:昼間に見かけられたことはない。素性も判らないので「幽霊じゃないか?」という噂もある。
達成値12:とある不良グループが彼女の噂を聞いて、「捕まえて正体を確かめてやる」と言っていたらしい。相手は女の子一人だし、危ないんじゃなかろうか。
GM:この項目は、以上です。
アッシュ:了解です。「……確かに、あの調子では少々不安だな。……お節介だが、探してみるか」
GM:ちなみに「現段階では」というのは、集めた情報がフラグになって、更に別の情報を探ることが可能になる…という意味でもあります。
碧唯:合流して情報交換するのは、かなり重要になるわけですな。
GM:その通りです。
碧唯:ではアンジェラ出てこなくても、アンジェラ探しをしてるアッシュと合流するつもりでいくか。
GM:時間は何時頃にします? アンジェラが出てくるのは夜中になりますが。他に調査したいなら、早めの時間帯が良いでしょうし。
アッシュ:夜にしか出ないらしいですから、夕方ごろから始めるつもりです。
GM:了解です。
碧唯:登場判定、(ころころ)6ゾロ! 活躍度をムダに消費した!(一同笑)
GM:先生、気合い入ってる〜(笑)。
アッシュ:本気ですな(笑)。
碧唯:「ああ見つけたよ、アッシュ君」
アッシュ:「おや、碧唯先生。どうかしましたか?」
碧唯:「君がアンジェラという少女を探していると聞きつけたものでね」
アッシュ:「……耳が早いですね。ええ、確かに探していますが、彼女がどうかしましたか?」
碧唯:「アタシもその子に興味があるのさ。というよりは……その子と関係があるかもしれない、ある人物の方が目的なんだが」
アッシュ:「……そちらが不都合で無ければ、事情を聞いてもよろしいですか?」真面目な表情で。
碧唯:「ああ、そう言えば君もだったっけ。では警告しておこう。今この街に“人形破壊者”と呼ばれる男が来ているのさ」汎用アーツ《かくかくしかじか》!
アッシュ:「“人形破壊者”……これまた物騒ですね。そしてそれに関係するのが彼女、と…」
碧唯:「まだ確証は無いけどね。当たってみる価値はあると思ってる。恐らく人形破壊者本人に当たるよりは危険は少ないと思うね」
アッシュ:「これは…私も協力すべきですかね。自分の身の安全も関わってきますし…」
碧唯:「いいのかい? アタシはいずれ、ヤツと決着をつける。アタシにくっついてたら、そこまで引っ張り出されるかもしれないよ?」
アッシュ:「構いませんよ。荒事は苦手ですが、なんとかしましょう。……それに、あの子のことも気になることですし、ね」
碧唯:「物好きなこと。それじゃ改めて、そのアンジェラって子について探りを入れてみるとするかね」
アッシュ:「物好きで結構。好奇心だけは捨てられませんよ」苦笑して探りを開始しますかね。
GM:さて、何か集めたい情報はありますか?
碧唯:まずアンジェラについて、アタシも調べてみたいですね。アンジェラが最近目撃された地点で、自動人形の住処が近くに無いかどうか、これが判明すればなお良し。
GM:今のところ、〈情報:噂話〉で調査可能なのはこれくらいなのですよねー。
アッシュ:うーん、後は足で調べるしか無いかなぁ?
GM:単に『アンジェラ』という名前と容姿だけでは…他の調査でフラグを立てるか、ずばりキーワードで限定しない限り、さっきの情報が繰り返されるだけです。
碧唯:では人形破壊者の行く先にアンジェラが居ることが多いという事実を踏まえて、魔物方面からアンジェラの情報が得られないか試してみたいと思います。それと、アンジェラもしくは人形破壊者が目撃された地点の近くに、自動人形や人形製作者の住処が無いかどうかもチェックしてみたいですね。
GM:今の状態だと、とにかく『アンジェラ』という名前の魔物や、もしくは魔物事件に関わった被害者のデータがずらずらずら…と(笑)。
アッシュ:ふむ、過去の犠牲者を調べてみることは可能かな? 何か出るかもしれないが…。
GM:可能ですよー。
碧唯:ではそっち方面をいきますか。
アッシュ:む、だったら調べてみましょう。
GM:どうぞ。
碧唯:「うーむ…現状では絞り込むだけの要素がまだ足りないかぁ」
アッシュ:「もう少し、情報が欲しいところですね」
碧唯:「やむをえん、現在の状況は保留しよう。今までの事件を振り返ってみれば、何か見えてくるかもしれないね」
アッシュ:「少し調べる方向を変えてみる、ということですね。解りました」
碧唯:過去の人形破壊者絡みの事件を、魔物方面から洗い直してみましょう。
GM:人形破壊者絡みの事件に関しては、〈情報:魔物〉で調査可能です。
碧唯:頼んだ、エトランゼ!
アッシュ:技能ありで(ころころ)達成値22っす(笑)。
GM:やっぱり高いなぁ(笑)。
>破壊された人形について 〈情報:魔物〉
達成値8:破壊されたのは、全て人型の自動人形。それも大半は女性型だった。
達成値10:外見の共通点は特になし。人間そっくりの人形もいれば、一目で『人形』と判る者もいた。
達成値12:破壊された自動人形は、全て『心魂機関』を内蔵していたとされている。しかし、その残骸から心魂機関は発見されていない。最初からなかったか、犯人が持ち去ったと考えられる。
達成値15:破壊された人形達は、どれも“心”を持ってから1〜2年程度しか経っていなかったらしい。
達成値18:同じ手口で破壊されたと見られる最初の自動人形は、“アンジェラ”という少女型人形。
GM:この項目は、以上です。
アッシュ:「……これは…」考え込もう。
碧唯:「………ちょっとちょっと。聞いたばっかの名前が出てきたよ?」そういや、未琴も活動開始から1〜2年でしたっけ?
GM:うい。大体2年くらいになりますね。ちなみに碧唯先生は、もう1年近く会っていませんが。
アッシュ:やっぱり狙われる対象ですか…。セブン、頑張って護るんだ(笑)。
碧唯:一緒に運送のバイトしたっきりか、未琴とは…。
GM:あの後でお持ち帰られたかもしれませんが(笑)、ここ暫くは会ってませんね。碧唯先生、色々忙しかったから(笑)。
碧唯:日本壊滅の危機を救ったりな!
アッシュ:日本を救ったお人ですからねぇ(笑)。
ここら辺の詳細に関しては、そのうち公開予定の『魔獣覚醒』キャンペーンをお楽しみに…(←宣伝)。
アッシュ:「やはり、深く関係してるようですねぇ」溜息をつきつつ。
碧唯:「でもこれで、アンジェラって子について絞り込むことが出来そうだね。破壊された自動人形のアンジェラについて、探りを入れられるかい?」とりあえず芋づる式に入手できる情報は、可能な限り引き出しておきましょう。
アッシュ:「…やってみましょう」ということで、できますか?
GM:『自動人形』というキーワードが入ったので、アンジェラに関して〈情報:魔物〉で調査できます。
アッシュ:では再び(ころころ)達成値18です。ちょっと下がったなぁ。
GM:それだけあれば、十分十分(笑)。
>自動人形“アンジェラ” 〈情報:魔物〉
達成値8:ここ数日、夜だけ現れる少女型自動人形。『白い髪の少女』として噂になっている。
達成値10:以前の経歴を含め、素性や住処は分からない。まるで、突然この街に現れたようだ。
達成値12:戦前、ヨーロッパのとある街に住んでいた人形師の手で、同じ名前の『喋る自動人形』が作られたらしい。周囲の人間は「腹話術か、中に人が入っている」と考えていたようだ。
達成値15:その人形師ニコラスが作った『喋る自動人形』は“アンジェラ”を含めて2体。しかし人形師の死後、“アンジェラ”は残骸として発見されたが、もう一体の人形“ロベール”は見つからなかった。
GM:この項目は以上で。今回の面子は情報に強いから、安心して難易度上げられるわ〜(笑)。
アッシュ:「……ふむ、なかなかに深そうな話だねぇ」眉間に皺寄せて。
碧唯:「人形破壊者は小型の人形を操っていた。優れた自動人形は、自らも優れた人形遣いになり得る……ロベールって人形の方、もうちょっと突っ込めるかね?」
GM:ロベールに関しては、今の調査で判ります。『その後、全くの消息不明である』…ということが。
アッシュ:「……と、いうことらしい」全部伝えよう。
碧唯:外見的特長とかは分かりませんか?
GM:アンジェラの弟として作られたらしく、彼女を男性にしたような外見だったそうです。たださすがに、見れば男と判りますが(笑)。
アッシュ:了解しました。見分けがつくなら安心です(笑)。
碧唯:「人形破壊者は初老の男のような外見だったね。外見は一致しないが、人形なら見た目は幾らでも偽れるしねぇ……。一応ロベールという存在に、留意しておいた方が良さそうだ」
GM:では…そうやって調べているうちに、とっぷりと日が暮れてきました。
碧唯:「そろそろアンジェラって子が現れる時間帯じゃないかね?」
アッシュ:「む、そろそろ彼女が出てくる時間だな。では、探すとしましょうか」
GM:どこに行きますか。OPと同じ場所でよろしい?
アッシュ:まずはそこを探すつもりです。
GM:OK、それでは。
碧唯:む、まだシーン続くのか。…あ、しまった!
GM:お?
アッシュ:ちょっと予想外ですな……どうしました?
碧唯:人形師ニコラスについて調査しとけば良かったかも!
GM:都合悪ければ、一度シーンを切っても構いませんけど。
碧唯:都合は悪くはないけど、セブン放置が長くなってしまったので…。
GM:まあ、今の調査で結構時間喰ったので。次以降のシーンでも調査できますよ。…進めて良いのかな?
アッシュ:こちらは構いませんよ。
GM:では、サクサク行きましょう。たぶん、もうあまり時間取らないので…。
○公園/夜
GM:公園を通りかかると、アンジェラが時計の下に立っていました。ついでに…周囲で話しかけているガラの悪い青年が数人。アンジェラは、ぼーっと彼らを眺めたまま黙っているので…だんだん青年達は苛ついてきた様子です。
碧唯:こっちは人形破壊者の件もあるので、少しキツめにアンジェラに当たろうと思います。クッション役よろしくアッシュ!
アッシュ:イエッサー!
碧唯:まぁ、まずはこの連中を退かすのが先か(笑)。
アッシュ:「今日もここに居たようだねぇ」近付いていきますが。
GM:その声に、周囲の男達が振り向きます。「…ンだぁ、テメェ。ああん?!」…と、精一杯ガラ悪く言ったと思いねぇ。
アッシュ:「……一人の少女を大勢で取り囲んで、そんなに面白いかい?」笑顔で。
GM:彼らは日本語とは思えないような奇声を発しつつ、アッシュの胸ぐらを捕まえます。
アッシュ:「止めてくれたまえよ。私は暴力は嫌いなんだ」まだ笑顔。
碧唯:「ほーら、帰った帰った。とっとと散らないとお巡りさんに通報するよ。女一人を野郎複数で囲んでたら、何の言い訳も利かないわよね?」
GM:その声に先生を見て、好色かつ下品な笑みを浮かべる男ども。
碧唯:「おいおいおい、その程度の判断も利かないほどに出来上がってんのかね。始末に負えないや、こりゃ」
GM:数を頼みに、「やっちまえー!!」と襲いかかってくるわけですが…。
碧唯:全部食っちゃって良いっすか?(ぎしぃ
アッシュ:……ヤツらが可哀想になってきた(笑)。
GM:好きにして(笑)。
アッシュ:むしろ殴らせて逆に相手の手を痛めさせようかとも思いましたが(笑)。
碧唯:では遠慮なく《呪詛》!
GM/不良:「ウゴッ?! な、なんじゃこりゃぁぁあっ!!?」
アッシュ:「……お、流石先生。便利なことができますねぇ」のほほん(笑)。
GM/不良:「ひぃぃいっ!? マンマ、マンマーッ!!」
碧唯:「おやおや、体調不良かね? ならとっととお家に帰ってゆっくり養生するこったね。医者が言うんだから間違いないよ」そして人間性は18に。
GM/不良:「「「うわー、だめだー! こいつらバケモンだぁーっ!!?」」」
碧唯:「うわ、ひでぇ言い草」
アッシュ:「五月蠅いねぇ。さっさと逃げればいいのに」
GM:…と、悲鳴をあげつつ、彼らは蜘蛛の子散らすように逃げ去りましたとさ。南無南無。アンジェラは、きょとんとキミたちを見ています。
アッシュ:「さて、と……やっと本題に入れるかな?」アンジェラの方を向いて。
GM/アンジェラ:「…アッシュさん、でしたよね? こんばんは……何だか助けていただいたみたいで。ありがとうございました」ぺこり。
アッシュ:「覚えていてくれたのなら幸いだねぇ。昨日はいきなり帰ったから吃驚したよ……っと」ここは先生に譲ろう。
碧唯:「君がアンジェラ君かね、探したよ。ちょっとアタシの質問に答えてもらいたい」
GM/アンジェラ:「…はい。何でしょう?」
碧唯:「人形師ニコラス、自動人形ロベール、そして“人形破壊者”………このいずれかの名前に、覚えは無いかね?」
GM/アンジェラ:「ニコラス…ロベール……はい、知ってます」あっさり頷く。
碧唯:おおっと、ちょっぴり拍子抜け。
アッシュ:「……単刀直入に聞いてみるものだね…」苦笑する。
GM/アンジェラ:「少しだけ、思いだしたんです。わたし、父様と弟の三人家族で暮らしてました」
碧唯:思い出せないとか言ったら詰め寄るつもりだったのに(笑)。
アッシュ:それを止めるつもりだったのに(笑)。
GM:おおっと、それは残念(笑)。「と、言っても……それ以上のことは、まだちょっと…」
碧唯:「そうか。やはり君は人形師ニコラスの作った自動人形アンジェラだったわけだ」
GM/アンジェラ:「はぁ…わたし、人形だったんですか? 言われてみれば、そんな気も…」
碧唯:「しかしだね、アンジェラ。そうなると、ちょっとおかしな事になってくるんだよ」
GM/アンジェラ:「おかしなこと…って、何でしょう?」
碧唯:「君ゃー、随分と昔に“人形破壊者”と呼ばれる男に破壊されているはずなんだ」
GM/アンジェラ:「…………え?」
碧唯:「自動人形の魂、心魂機関を抜き取られてね」
GM:彼女は、理解できないといった表情で立ち竦む。
アッシュ:「……ッ、マズい、か…」
GM/アンジェラ:「……うそ……壊れた…って、わたしが…?」
碧唯:「ならここにいる君は何者だ? そしてなぜ、“人形破壊者”の行く先に君は現れる?」
アッシュ:「先生、これ以上はッ!?」さすがに止めようとする。
GM/アンジェラ:「……何ですか、それ…人形破壊者って誰? わたし…知らない…」彼女は小さく首を振りながら、後退る。
碧唯:「―――っとぉ、アタシとしたことが、つい逸っちまったか」
GM:彼女は怯えた様子で、君たちから離れようとしますが…。
アッシュ:「くっ……アンジェラ、今は落ち着いてほしい。私は、キミを害すつもりは無いんだ」
碧唯:「アッシュ君、この場は任せた。彼女は君には心を許してる様子だったしね」そう言って退きましょう。
アッシュ:説得を試みたいが、できますかね?
GM:話しかけようと近づくと、彼女は走り去ろうとします。引き留める? 止めない?
碧唯:アタシが《脚止め》するとか。まぁそんなことしたら、余計に怯えられそうだけど!
アッシュ:「……待ってくれッ!」止めようとはしますが……。
GM:完全に怯えて逃げようとしてるので、言葉では止まりませんね。
アッシュ:やはり自分のことを理解できてませんでしたか…。「……どうする…」追いかけると余計に警戒しそうだしなぁ。
碧唯:いかんな…セブンのシーン終了から1時間半以上経過してる。シーン切るのに逃がすのも手かもしれない。
GM:うぅむ…何か理由を付けて、合流してくれても良かったんですがね(笑)。
碧唯:セブンの方からこっちへ来る理由は、今のところ無いですからね…。
アッシュ:ですねぇ。悩んでいる内に逃げてくれると嬉しい(笑)。
GM:止めないのなら、そのまま逃げます。ちょっと〈知覚〉判定をどうぞ。
碧唯:(ころころ)達成値10。
アッシュ:(ころころ)達成値22です。
GM:では碧唯先生は、さっき彼女に詰め寄ろうとした時、彼女から微かに紅茶の香りがした事に気付きました。更にアッシュは、彼女の姿が“本来のそれではない”ような気がする。
アッシュ:やっぱり《フリーフェイス》か。
碧唯:「(! 今の香り……)」
アッシュ:「くっ…逃げて、しまいましたか」足を止める。
碧唯:「ちょっとぉ、逃がしてどうすんのよ……って、それを言ったら最初に彼女を怯えさせたアタシのポカか」
アッシュ:「すみませんね。無理矢理止めるようにしむけるのは、ちょっとね」苦笑する。
GM:特にやることがなければ、ここでシーンを切ります。絆チェックあればどうぞ。
碧唯:アンジェラに対してやってみましょう。(ころころ)アンジェラに絆/好奇心で。彼女は事件の核心に非常に近い位置に居ると確信した!
アッシュ:私は先生に連帯感の絆をとろうかな。(ころころ)む、残念。エゴになりましたのでエゴ/不安で。焦ってるようなので。
GM:書き換えチェックはしなくてよろしい?
碧唯:人形破壊者のエゴは動かさぬ! 何か決定的な事が起きるまでは!
アッシュ:うーん、アンジェラのエゴを庇護の絆に変えたいですね。(ころころ)21で絆に変わりました。
GM:了解。では、次のシーンへ。
▼絆/エゴの変化
碧唯:アンジェラに絆/好奇心を取得。
アッシュ:アンジェラへのエゴを絆/庇護に変更。碧唯にエゴ/不安を取得。
GM:ごめんなさい。ちょっと思ったより時間かかったな…。セブンは次のシーン、どうします?
セブン:どう、と言われましても。こちらは何か事件が起きているわけではないのですが…(笑)。
GM:んー、何か気がかりなこととか。何もないなら、イベント発生するだけですが(笑)。
碧唯:うーむ、やはりこっちのシーンを、公園に行く前に切るべきだったかも。
セブン:繰人の病状は気になるかもしれませんが、今の時点で調べようとは思わないかと。何かをするのは、事件が起きてからの方が。
GM:ん、了解。ではその線で。
碧唯:正直、今の情報量だとセブンは腰が上げられないと思います。こっちは調査活動してる立場なので、こっちからセブン側に理由つけて割り込むことは難しくないので。
●シーン7 『Limit』 シーンプレイヤー:セブン 登場難易度:7
○昼間の街中
GM:お待たせしました、セブンのシーンです。
セブン:はい。
GM:休日にぶらぶらと行く当てもなく歩いていると…。未琴がとぼとぼと歩いていくのが見えます。
セブン:「うん? ありゃ、未琴だな。…おーい」声をかけてみよう。
GM:彼女はぼーっとしたまま、声に気付かず歩いていきます。心なしか、いつもの元気がないように見えますね。
碧唯:このセブンのシーンは、さっきの我々のシーンの翌日でしょうか?
GM:そうですね。
碧唯:了解です。ある程度セブンとのやり取りが進んだら、こっちも登場判定してみるか。
アッシュ:ですね。早めに情報は共有しておきたいですし。
碧唯:未琴に何か異変があるのなら、それも見極めておきたいし。
セブン:「…なんだ、一体。なんかあったのか…?」近づいていって、肩を叩いてみよう。「…未琴?」
GM/未琴:「…え?」振り返って「あ。セブンさん…どうしたんですか?」
セブン:「どうしたんだ、ぼーっとして。そんなんじゃ、車にでも轢かれちまうぞ」
GM/未琴:「あ…そうですね。ごめんなさい…」何だか上の空に見えますね。
セブン:「…なんか、元気がねえな。いつもは盆と正月がいっぺんに来たようなお前さんが、今日はどうした?」
GM/未琴:「……大したことじゃないんですけど。…お父さん、今日は食欲がないって…朝食も昼食も食べてくれなくて」
セブン:「…親父さん、体調が良くないのか?」
碧唯:繰人は病み上がりの体調不良というよりは、何か未琴に気がかりな事があるっぽいですよね。
アッシュ:どうも表情に陰りがあったのが不安ですねぇ。
GM/未琴:「父さんは大丈夫って言うんですけど……退院して、病気も治ったはずなのに…。…だから、ちょっと病院でお医者様に聞いてこようかなって」
セブン:「ふむ…。まあ、それが良さそうだな」そこで昨日の様子を思い出して。「…じゃあ、俺が医者を呼んでこよう。お前さんは親父さんに付いてやりなよ。なにせ、病み上がりだ。調子が悪くなったり、気持ちが優れないことだってあるからな。お前さんが付いていてやれば、心強いだろう」
GM/未琴:「……ん…それじゃ、お願いして良いですか?」
セブン:「おう、任せておけ」
GM/未琴:「じゃあわたし、お父さんの所に戻りますね。お医者さんをよろしく」ぺこり、と頭を下げて。
セブン:「ああ」
碧唯:さて、そろそろ登場判定しようかな。よろしいですか、GM?
GM:いいですよー。
アッシュ:ですね。……これって社会判定だから《IQ600》の修正って乗りますかね?
GM:乗りますねぇ。
アッシュ:了解ですー。
碧唯:登場判定は(ころころ)11。
アッシュ:(ころころ)14で成功。
GM:では、二人が色々調査していると、見覚えのある特徴的な髪型が、道の向こうにいたわけで…。
碧唯:「む、ちょっと待った、アッシュ君。ちょいと“人形破壊者”について警告しとかなきゃならん知人を見つけたわ」目立つセブンを先に見つけて、その側に居る未琴も見つけたって感じかな!
GM:ですね。
アッシュ:「む、解りました。……その子も自動人形、ですね」
碧唯:「そゆこと。おおい、夏霧君じゃないかね!」声をかけます。
GM/未琴:「…え?」いきなり名前を呼ばれて、立ち止まる。
碧唯:「円谷高校の名物番長と一緒だなんて、珍しい取り合わせもあったもんだわねー」
セブン:「…うん? 隣の学校のえるろい保険医の先生…」
碧唯:我が勇名は円谷高校にまで轟いているようだ、良き哉。
セブン:「俺、今日は年上の女とイケルかもしんねえ」と言って勇んで出て行った円谷高校の生徒が、なぜか次の日シクシク泣きながら登校してきたりして。隣の学校には何か恐ろしいのがいる、と(笑)。
アッシュ:武勇伝ですなぁ(笑)。
碧唯:その日の保険医は、なぜか顔色がツヤツヤしていたという……。
GM:未琴は振り返って先生を見つけると、何故かセブンの方に駆け寄ります。
碧唯:「およ?」
セブン:「知り合いじゃないのか?」と、未琴に。
アッシュ:「確かに珍しいねぇ。特にキミが女の子と一緒だという所が特に……ん?」
GM/未琴:「えぇっと……“初めまして、ですよね?” 夏霧未琴です、よろしくお願いします」ぺこりと丁寧に頭を下げた。その視線は……紛れもなく、碧唯先生を見ていた…。
アッシュ:「……先生、知り合いだったのでは…?」困惑気味に。
碧唯:「え? ちょ、ちょっと、冗談はやめにしてもらえんかね。アタシ達ゃ、一緒に危ない橋(配送のバイト)を渡った仲じゃないかね」
GM:未琴は困惑顔で、三人の顔を見回している。“この場で唯一の知り合い”を頼るように、セブンの袖を掴みながら。
セブン:「…? 知り合いじゃないのか…?」
碧唯:「あの……マジで忘れられてる? ほら、翠ヶ原碧唯センセーですよー」
GM:ここで先生とアッシュは〈知覚〉判定を。
アッシュ:技能あり(ころころ)達成値24。
碧唯:(ころころ)達成値13。
GM:高いな…では、二人とも気付いた。昨夜よりもかなり薄くなってはいるが…未琴の髪から、“紅茶の香り”がする。
碧唯:何ィー!?
セブン:まあ、どっちの紅茶かなあ、と思っていたんだよなあ。
アッシュ:私は爺の方だと思ってましたよ(笑)。
碧唯:だ、だが、単に未琴がついさっき紅茶を嗜んだだけと言えなくもない! つかそっちの方が自然だ!
GM:そうですねぇ。そうかもしれませんねぇ(笑)。
碧唯:まぁ、単に頭から紅茶被っただけなんだよな…(笑)。
アッシュ:それを我々は知りませんからねぇ。しかし……昨夜の判定で、アンジェラの姿が違うことは解ったからなぁ。どうなることやら…?
碧唯:心の片隅に沸き起こった疑念を押し込めて。「……まぁこの際、初対面でもいいよ。今はそれどころじゃないからね」
GM/未琴:「……?」怪訝な表情で先生を見上げる。
アッシュ:「……この場は任しますね」一歩下がる。
碧唯:「夏霧未琴君。君は今、ある男に命を狙われる可能性がある。アタシはその事を警告に来たのさ」
GM/未琴:「命を…狙われる? …わたしがですか??」ちなみに達成値20オーバーのアッシュには、香りの成分比まで全く同じだと判っていいですよ。
アッシュ:「……(まさか、アンジェラの本当の姿は…?)」悩んでおこう。
碧唯:「諸星君、君は夏霧君の友人なんだね? なら君も聞いておいてくれないか。そして彼女を守ってほしいんだ」
セブン:「…まあ、未琴が危ないようなら、な。まずは話を詳しく聞かせてくれ」
碧唯:「諸星君、君は夏霧君の出自は知っているかね? その……彼女がどういう子なのか、ということをさ」ひどく真剣な眼差しで、セブンに語りかける。
セブン:どの程度まで知っていても良いものなのでしょうか。
GM:んー、自動人形であることまで知ってて構わないですよ。
碧唯:ちょっと巻きを入れた強引な持っていき方にしてしまいましたが…大丈夫かな。
GM:いえ、むしろ有り難いです。リプレイにも以前書いたけど、未琴は「もしかしてあなた、人間じゃありませんね?」とか聞かれると、「はい、わたしは自動人形ですよー」と応えてしまうのです。
アッシュ:確かにそういう子でしたねぇ(笑)。
GM:まぁ、セブンにも知り合ってすぐばれてしまったんでしょう、きっと(笑)。
セブン:なんだかんだで無機物には縁があるなあ、セブン…(笑)。
碧唯:ミクラスもそうだったな…。
セブン:有機物には好かれたためしがない(笑)。
碧唯:雪ん子には好かれたよ!
アッシュ:カホリン(*サブマリンさん演じるオカマのPC)がいるじゃないか(笑)。
GM:冥だっているよ〜(笑)。
セブン:いや、最後の二人は(笑)。
アッシュ:……ひでぇ面子ですな(笑)。
セブン:「精緻に作られた自動人形だってことくらいまでなら、知っている」
碧唯:「よろしい、ならば包み隠さず言おう。今この街に“人形破壊者”と呼ばれる男がやって来ている。ソイツの標的は、心を持って1〜2年の幼い自動人形……その心魂機関と呼ばれる動力源だ。夏霧君は、ヤツの標的になる条件を満たしている。狙われる可能性は十分にある」
セブン:「…なるほど、わかった。確かにそれはあまり好ましくない事態だな」
碧唯:「君の“腕前”は有名だからね。君なら夏霧君を守ってやれると思う」
セブン:「ああ、未琴には指一本触れさせねえよ」
GM:未琴はきょとんとしたまま、三人の話を聞いています。
碧唯:「アタシは故あってその“人形破壊者”を追っかけていてね。大丈夫、アタシも夏霧君に近づけさせない内にヤツを仕留めてみせるさ」
GM/未琴:「え…と。わたし…その人に、壊されちゃうんですか?」
アッシュ:「さて、と。一応教えておいた方がよさそうだな」紅茶の成分まで完全に同一だった話をしておこう。ただし未琴には聞こえないように。
GM/未琴:「わたしが壊れたら…お父さん、一人きりになっちゃう…」ぶつぶつと独り言を。
セブン:「…大丈夫さ。そんなこと、ありゃしねえよ。お前さんは、何も心配しなくていい」
碧唯:アッシュの言葉は聞いておいて、その上で。未琴の目線までかがんで、彼女に笑いかけよう。
GM/未琴:「…?」
碧唯:「諸星君もこう言ってる。大丈夫、君は心配する必要は無いさ。そう、ヤツにはもう、一人たりとて手は出させない」そう言って、頭をなでてあげましょう。
アッシュ:「……そうだね。キミの友人は約束を破るような男かい?」未琴に。
碧唯:さて、これで未琴防衛線は敷けるけど。セブンにこっちの調査活動を手伝ってくれとまでは、言いづらいんだよな…。
GM/未琴:「…ありがとうございます。わたし…」うっすらと涙を浮かべてキミたちを見上げ―――その視線が、不自然に止まった。
碧唯:む?
アッシュ:ぎゃあ!? イベント発生!?
セブン:「…どうした?」
GM:未琴は固まったまま、かたかたと身体を震わせ始める。
アッシュ:思わず視線を追いますが?
GM:視線の先には…見覚えのある、初老の男。
碧唯:「っ!!」待てよ…何で初見の未琴が人形破壊者に反応するんだ?
アッシュ:心魂機関が問題かなぁ、と思っていたのですが…。
GM/人形破壊者:「…ふむ。もう少し、様子を見るつもりだったが……邪魔が入っては仕方ない。そろそろ迎えに行くよ―――私の“アンジェラ”」そう言って彼は…穏やかに、微笑んだ。
アッシュ:「……やはり、か…」ぼそりと呟き。
碧唯:「“人形破壊者”っ! まさか…ここで仕掛けるつもりかっ!」
セブン:「…ちょっと待て。勝手に話を進めてもらっちゃ困るぜ」
GM:構えるキミたちの背後から、未琴の声が聞こえる。「……う…そ…………“お父様”…?」視線を釘付けにされたまま、呟いて。
セブン:「…お父様?」
碧唯:「な、に?」
アッシュ:「……どうなっているのかは解らんが、これはマズい……か」
振り向いた三人の目の前で…未琴の姿が、変わる。
―――“アンジェラ”と呼ばれる、白い髪の自動人形に。
碧唯:はっはっは、なるほどなー。アンジェラから漂った紅茶の香りが、そもそも未琴が被った紅茶だったわけか。そりゃ寸分たがわず同じなわけだよアッシュ君!
アッシュ:予想通りですな。同じ、という時点で薄々感づいていたのですが…。
GM/アンジェラ:「わたし…わたしは誰? 父様は…」
アッシュ:「……やはり、キミが、アンジェラだったのか」半ば予想していた風に。
GM:そのまま、ばったりと彼女は倒れ伏した。
碧唯:「夏霧君!」
GM:未琴…アンジェラは、ぴくりとも反応しない。
セブン:倒れるのか。倒れるのなら、かっさらって一旦撤退する方向で動きますか。
碧唯:その方が良さそうですな。そして繰人は恐らく何らかの事情を知っている。夏霧家へ行くことを提案します。
セブン:未琴のことなら、親父に聞いた方がはっきりしたことが判るだろうし。
アッシュ:逃げた方がよさそうですね。その後に繰人さんのところへGOですな。
GM:そして気が付くと、人形破壊者の姿は消えていた。
碧唯:「……退いたか、でもこの場は助かったね」
セブン:「…消えた…? いや、今は未琴のことだ」抱え上げて。「親父さんに見せた方が、良さそうだな」
アッシュ:「……いったい、どうなっているんだ? それにヤツは何の目的で……」
碧唯:「親父さんというと、夏霧君の製作者か。すまんが諸星君、我々も同行させてもらえんかね」
アッシュ:「私も真似事ならできるが、やはり本職に見せたほうがいいだろうしね」
セブン:「ああ、こうなったら、あんたらの手も借りなければならなくなりそうだ。一緒に来てもらったほうが助かる」
GM:では、ここでシーンを切ります。絆チェック、あればどうぞ。
セブン:とりあえずは無しで。
碧唯:未琴に対してチャレンジしましょう。(ころころ)出目3、あぶねぇー! 絆/庇護で。
アッシュ:ううむ、アンジェラと未琴の絆は別で考えるべきか……先生のエゴをひっくり返すかな。(ころころ)1ゾロ! こりゃ無理だった(笑)。
GM:ぶは(笑)。えーと。取得はどうします?(笑)
アッシュ:今は見送りで(笑)。
碧唯:そんなにアタシが嫌いかァー!?(笑)
アッシュ:すすすすすみませんー(汗)。
碧唯:よし、保健室へ来たまえ! 一生忘れられん思い出をくれてやる!
セブン:それはトラウマとも言うのではなかろうか(笑)。
アッシュ:ワタシ、キカイデスヨ?(ガクガク)
碧唯:心配するな、アタシなんざ石の玉っころだ!
セブン:マシーンと石玉の絡みとは…あまりにも特殊な構図(笑)。
アッシュ:なぜかゼオライマーを思い出した私(笑)。
碧唯:「メイ・オー!」しかし《シャイニングレイ》か……微妙な威力だ!
アッシュ:大丈夫! 先生なら更に高みへといけますから(笑)。
GM:…っと、実は宣言するのを忘れてましたが。今回のセッションでは『未琴/アンジェラ』も登場したシーンだけ絆チェックをします。まずはセブン(ころころ)次は先生(ころころ)更にアッシュ(ころころ)…惜しい、アッシュだけエゴか。今までのシーンで、セブンに友愛、碧唯に忘却の絆を“未琴”が取得しました。アッシュにはエゴ/知己で。では、次のシーンへ行きます。
▼絆/エゴの変化
碧唯:夏霧未琴に絆/庇護を取得。
●シーン8 『双つの円筒』 シーンプレイヤー:碧唯 登場難易度:7
○夏霧家
GM:というわけで。シーンプレイヤーは先生ですが、他のPCも同行者として登場できます。
セブン:では、登場しましょう。
アッシュ:同じく登場。
GM:では、作業室で応急処置を済ませた繰人が、キミたちの待つ応接間に戻ってきます。
セブン:「…未琴は、どうなんだ?」戻ってきたところで質問しよう。
GM/繰人:「それが…また、心魂機関の同期がズレてきているようです…」浮かない表情で応える。「出来る限り、安定するように処置はしましたが…」
アッシュ:「……また、ですか?」
碧唯:「心魂機関の同期? また、という事は、以前にも同じような事があったと……」
GM/繰人:「はい…。その節は、娘がお世話になりまして」と、碧唯先生に頭を下げる。
碧唯:「いやいや。彼女の方は、それをすっかり忘れてしまったようだけどね」
GM/繰人:「えぇ…ですが、貴女の話は去年、よく聞かされました。それはもう…とても楽しそうに笑いながら…」そう言いながら、彼は寂しげに微笑んだ。
碧唯:「夏霧繰人さん。アンタなら見当がついてるんじゃないのかね。未琴君の記憶の混乱、そしてあの外見の変化の理由に」
GM/繰人:「…はい……おそらくは」力なく頷く。
アッシュ:「話して、もらえますか?」真面目に。
碧唯:「分かっている範囲でいい、教えてくれないか。今、彼女は“人形破壊者”に狙われている。その事もきっと無関係ではないはずさ」
GM/繰人:「未琴に使用した心魂機関……それ自体が、原因だと思われます。全部説明するには、少し長くなりますが…」
碧唯:「構わないよ。彼女を守るためには、きっと全てを知っておく必要がある」
GM:では…と、繰人は話し始めた。
「十年近くも昔の話です。娘を事故で亡くした僕は…ブルカ電子工業で、ロボットの研究に没頭しました。
もちろんロボットはロボット…死んだ娘の身代わりなどには、しようとも出来るとも思いませんでしたが。
当時の僕は、他に悲しみを紛らわす方法を知らなかった。
その後、ブルカで試作体の暴走などトラブルが発生し…
退社した僕は、手に入れた基礎設計図から心魂機関を再現しようとしました。
ですが……結局、オリジナルと同じものは作れなかったんです。
完成した心魂機関を組み込んでも、自動人形は“意志”を持ちませんでした。
話しかけられれば応えるし、命令には従う。
泣けと言えば涙を流し、笑えと言えば笑顔を作る…でも、それだけです。
その自動人形は…他者に共感し、自ら考えて行動を起こす…そんな“心”を遂に持てなかった」
碧唯:心魂機関って、設計図と材料があれば出来るってものでも無いからなぁ…。
GM:ちなみにトラブルとは、旧約ルールブックにあるアレです。持ってる人しか判らないが(笑)。
アッシュ:はい、解りません(笑)。
碧唯:PA−3の脱走ですな。
GM:それです。
碧唯:『心魂機関を組み込んだロボを作る→実験する→データ取れたら分解→同じ心魂機関で別のロボを作る→繰り返し』これに嫌気が差したブルカロボが脱走した事件です。
アッシュ:ナルホド。心があるからこそ、物として扱われていることに耐えられなかったのかな。
GM:と言うか、分解されたらロボット自身は死んじゃいますからねぇ。死にたくなかったから、逃げ出したんですわ。
アッシュ:まぁ、そうなりますよねぇ。
「そうして自動人形を作ってから、半年ほど経った頃……ブルカ時代の同僚が訪ねてきたんです。
彼は一つの装置を持っていました。…『心魂機関の補助システムを開発した』と言って。
『これ単体では機能しないが、キミの作った心魂機関と合わせれば…互いに補い合って“完全な心魂機関”となるはずだ』―――そう、言っていました」
GM/繰人:「僕は半信半疑ながら、彼の提案を受け入れて……その結果、生まれたのが…“未琴”です」ここまでで、何か質問あります?
セブン:同僚が何者か、という部分は話されるのでしょうか。
GM:あぁ、同僚に関してはこれから出てきます。
碧唯:「心魂機関ってのは、手順と材料を揃えただけでは決して完成しない、と聞いた事がある。ましてや、外付けのシステムなんかで補えるとは考えにくいね。そんなシステムを持ってきた同僚……何者なんだい?」
GM/繰人:「…その同僚は…ニコライ・ステラという名前でしたが…何者だったのかは、僕にも判りません」
碧唯:「ニコライ…! アンジェラを作ったのは人形師ニコラス…偶然で片付けるには似すぎている名前だね」
アッシュ:「……ここでその名を聞くことになるとはな…」調べれば同一人物だと解るかもしれないなぁ。調べるのを忘れたのが響いてきてるよ。
碧唯:「未琴君の今の姿は、ニコラスと呼ばれた人形師が作った自動人形、アンジェラのものなんだよ」
GM:ちなみに『補助心魂機関』に関しては、未琴の装備欄に書いてあります(ぉ
アッシュ:(キャラシートを覗き込み)ふむ、[マジックリング]相当なのですな。
GM:YES。ちなみに未琴の“出自”は?(笑)
碧唯:…転生体だ!
アッシュ:ぶ(笑)。転生体ですかい(笑)。
セブン:「…人形破壊者を未琴…アンジェラは『お父様』と言ったな。じゃあ、そのニコライが人形破壊者なんだろうか」
GM/繰人:「それは判りませんが……完成から更に一年近く経った頃のことです。未琴に変化が現れました。感情が不安定になり、記憶も混乱して……時には全く別人のように振る舞ったり。色々調べてみましたが…補助心魂機関が原因らしい、ということくらいしか判りませんでした」
碧唯:「それが、さっき言ってた心魂機関の同期、か」
GM/繰人:「その同僚…ニコライに相談しようとしましたが、連絡は付きませんでした。調べてもらったところ、彼の住所も戸籍も偽造されたものだったようです…」
碧唯:「なるほど……段々と推測出来る様になってきたね」
セブン:「…なんにせよ、人形破壊者の正体はそのニコライってことになりそうだが、後は奴の目的だな」
アッシュ:「……これは、また調べる必要が出てきましたね」
碧唯:「おそらく補助システムというのは、アンジェラの心魂機関かその一部だろう。だが確かに、これを未琴君に与える意図が不明だね。アンジェラを取り戻したいのであれば、自分でその心魂機関を使って、アンジェラを再生すれば良いんだから」
アッシュ:「そして、“人形破壊者”…ヤツが破壊を続ける訳も、いまいちはっきりしませんね」
セブン:「相手の考え方が解らないと、対策を立て難いからな。まずは、そのニコライとやらについて調べてみるべきか」
碧唯:今まで被害に遭った自動人形の経歴を、洗い直してみましょうか。製作の経緯で、繰人と同じように補助システムをもらった事が無いかどうか。
GM/繰人:「…そう言えば、一度聞いたことがあります。何故、自分で心魂機関を完成させないのか…と」
碧唯:「ニコライは、何と?」
GM/繰人:「……不可能だからだ、と言っていました。自分には新しく心魂機関を生み出す“能力がない”のだ…と」
アッシュ:「……その言い方…まさか……」悩み。
ここで、三人が同時に、“ある可能性”へと辿り着く。
セブン:ニコライ自体もロボだったりするのかな。
碧唯:仮説なんですけど…ニコライって、ロベールなんじゃないですかね。
アッシュ:弟説を提示します。
セブン:新しいものを作れない…想像力がない。消えてるのがロベールならば、その可能性もある。
アッシュ:能力が無いと言うのは『そういった機能を与えられて無い』と考えております。
碧唯:「アッシュ君、君も気付いたかね」
アッシュ:「はっきりと断言できませんが……おそらく合ってるかと」
碧唯:「分かりやすい偽名だからニコライ=ニコラスかとも思ったが……もしかしたら彼の正体は、もう1体の自動人形ロベールかもしれない。被害に遭った自動人形の製作経緯を洗い直してみよう。夏霧さんと同じように、援助者が補助システムを渡しているとしたら……」
GM/繰人:「…未琴の“感情”は、その補助システムに依存しています。ただでさえ相互干渉している回路を、無理に引き剥がしたり停止させるようなことをすれば……最悪、二度と起動できなくなるかもしれない」そう話す繰人の表情は苦しげで…いつの間にか、全身にびっしりと汗を掻いている。
碧唯:「夏霧さん、どうしたね?」
セブン:「…親父さん…あんた、どこか悪いんじゃないのか。この間の話といい、今日の未琴の話といい、あんた…自分の体のことで、何か隠していることがあるんじゃないか?」
GM/繰人:「すみません…少し、気分が……」言いながら、ぐらりとふらつき……倒れ込む。
アッシュ:「……ッ!?」慌てて駆け寄る。
GM:照明の具合と顔の汚れとで判りませんでしたが、彼の血色は既に土気色です。
碧唯:「ちょ…夏霧さんっ! ええい、諸星君、水を汲んできたまえ! アタシは容態を診る!」
セブン:「わかった」水を汲みにいこう。
GM:医療の心得がある碧唯先生なら、明らかに重病人であることが判る。
碧唯:「これで退院だって? 冗談じゃないよ、全然治ってないじゃんか!」
GM/繰人:「…さすがにばれてしまいますか。要は…医者も見放した、ということです」諦めたような笑みを浮かべる。
アッシュ:「なッ!? では、あなたの命は……」
GM/繰人:「最期くらいは……住み慣れた家で、家族と共に暮らしたいと…そんなワガママを聞いてもらった。そういうことなんですよ…今回の退院は」
碧唯:「死ぬまで入れておけば病院は儲かっただろうに、それを無理して出てきたってことは……未琴君のためだね?」
GM/繰人:「…まだ動いていられるのが奇跡だそうです。だとしたら…やっぱり娘への愛情ってやつですかね…? 『せめて、もう半年早く手術をしていれば、助かる見込みもあったのに』…と、医者にも怒られてしまいました。もうすぐ、また一年が経ってしまう……このまま何事もなければ、安心して逝けたのですが…どうやら…そんな願いすら、虚しいものだったようです…」
セブン:「…まだ、終わってねえよ…。未琴は未琴として生きていけるようにする。今更、他の何かになんてさせねえよ。昨日、約束したぜ。あいつが覚えている限り、俺はあいつの友達だ。じゃあ…あいつを守ってやるのも、俺の役目だ」
アッシュ:「……私たちがこの状態を解決できれば……その願いは叶いますね」ぽつり、と呟き。
碧唯:「ここまで粘ってきたんだ、今さら虚しいとか弱音を言うもんじゃないよ」
アッシュ:「あなたのその、娘を思う気持ちを無駄にはさせませんよ。決して、ね」
碧唯:「心魂機関の魂を支えるものは、周囲の者との繋がりだ。少なくとも未琴君には、アンタと諸星君との繋がりがある。ならば彼女は、夏霧未琴だよ」
GM:繰人は、苦痛に脂汗を滲ませながら…それでも三人に応えるように、微笑んだ。「…お願いします。未琴を…もし存在するなら、あの子の“心”を…護ってやって下さい。それが…何処にあったとしても…」
―――そう誓い合う彼らの姿を、窓から小さな影が見つめていた…。
GM:では、絆チェックがあればどうぞ。
セブン:とりあえずスルーかな、今回も。
碧唯:うーむ……残り1枠、セブンに取ろうか繰人に取るか…。すまんセブン! ここは繰人に!(ころころ)絆/契約で。頼まれ、それを引き受けた以上は、それは守らねばならない契約です。
アッシュ:繰人さんに共感の絆をば。娘を思う気持ちに対して、ということで。(ころころ)…むぅ、無理だったか。
GM:…絆チェックでボーナスが欲しければ、ダイス振る前に自分から言ってくださいね〜(笑)。
アッシュ:了解ですー(笑)。やはり初期値では厳しいか(笑)。
碧唯:期待値ってことは、五分五分ってことですからね。
アッシュ:ならばエゴ/達成で。一方的に約束を守ろうとしているということで。
GM:以上ですかね。では、次のシーンへ。ちょっとだけマスターシーンをやって、今日は終了。
▼絆/エゴの変化
碧唯:夏霧繰人に絆/契約を取得。
アッシュ:夏霧繰人にエゴ/達成を取得。
碧唯:結局のところ、心魂機関って『奈落から力を汲み出す装置』なんですよね。それが魂を作って心を持つというのは、『周囲の人との接触』によるらしいです。だから自動人形は、人間に仕えたがる。
●シーン9 『月下の目醒め』 マスターシーン 登場難易度:12
○未琴の部屋
繰人の応急処置を受けた未琴は、ベッドに横たわっていた。
いつもは躍動感に満ちたその姿は…しかし今は微動だにしない。
窓から差し込む月光―――そこにふと、小さな影が動いた。一つ、二つ三つ…四つ。
そこにいたのは、ブリキの兵隊。
兵隊人形は、口々に囁く。
「迎エニ来タンダ」 「思イダシテヨ」 「きみノ名前ハあんじぇら」 「約束ヲ守リニ来タヨ」
「「「「御主人様ハ、大時計ノ下デ待ッテル…」」」」
そして…ぴくりとも動かなかった未琴の目が、開く。
「―――わたし……“わたし”はアンジェラ……御主人様のところに、行かなくちゃ…」
碧唯:難易度設定されてるなぁ。タイミング見て判定しろってことか、これは。
アッシュ:登場しないと攫われるようですね。
セブン:タイミングが計り難いな(笑)。
碧唯:起き上がってふらふら歩き出したら行くか?
アッシュ:それがいいですかねぇ。
セブン:じゃあ、それで。
大きく窓が開き、月光の中で…未琴は再び、“アンジェラ”にその姿を変えた。
彼女は窓から身を躍らせようと―――。
アッシュ:では登場します。(ころころ)達成値18!
碧唯:登場判定!(ころころ)10、ダメでしたぁー!
セブン:登場します。(ころころ)9、無理だった。
アッシュ:私だけ!?(笑)
碧唯:時間を稼げ、アッシュ!
GM:では、アッシュだけ駆けつけるのに間に合いました(笑)。エトランゼの鋭敏な感覚が、あなたに未琴の危機を告げたのでしょう。
碧唯:12という難易度は、微妙に来て欲しくないなーというGMの心の現われっぽい(笑)。
GM:ええまぁ、全員で来られると、さすがに阻止されそうなので(笑)。
アッシュ:私はファンブル以外でしたけどね(笑)。
セブン:ふ…本編中で初めて振ったダイスが、これとは…(爽)。
碧唯:ただ、アッシュは未琴よりもアンジェラに思い入れてそうなんだよなー。
アッシュ:「……今度は待ってくれるかい?」後ろから声をかける。
GM/アンジェラ:「邪魔を、しないで…! 思いだしたの。わたし、御主人様との約束を守らなきゃ…」
アッシュ:「いいや、邪魔させてもらおう。キミの“ご主人様”じゃなくて、“お父さん”との約束があるのでね」
GM/アンジェラ:「…お父さん…?」ピクリ、と表情が動く。
アッシュ:「ああ。キミは覚えているはずだよ。キミは自らの父を忘れられるような子じゃ無いからねぇ」ゆっくりと近づき。
GM/アンジェラ:「……駄目。わたしは“未琴”じゃない…アンジェラだもの!」そう言うなり、彼女の瞳が翠玉の輝きを放つ。マイナーでマジックリング、メジャー《自然の戒め》をアッシュに使用します。(ころころ)低い、達成値20。抵抗は〈意志〉で。
アッシュ:では、《氷の精神》を使ってもいいですか?
GM:う、それがあったか。…どうぞ。
アッシュ:人間性が9になって、(ころころ)無駄に達成値28とか出ました(笑)。
GM:はい、防がれてしまいました(笑)。しかし、彼女とキミの間には、おもちゃの兵隊が立ち塞がります。その数は4つほど。
アッシュ:「……ちっ、私一人で間に合うか…?」そう言いつつも拳銃を構える。
GM:彼らは一斉に飛びかかり、アッシュの動きを封じる。その間に、アンジェラは窓から飛び出してしまいました。「――大時計の下で待っておいで。月が中天にかかる頃、迎えに行くから――」そんな言葉を残して。
アッシュ:「……邪魔だよ」人形を振り払って、窓辺に近づくが…。
GM:追いつくことは出来そうにありません。飛び去った方角を確かめるのが精一杯です。
アッシュ:方向が判っただけでも収穫はありましたよ。さすがに一人だったら無理だったなぁ(笑)。
GM:では、この辺でシーンを切ります。絆チェックあればどうぞ。
アッシュ:うーん、繰人さんのエゴをひっくり返しますね。(ころころ)う、19。
GM:あ、ボーナスとかは……遅かった(笑)。
碧唯:振る前に、ボーナスもらえないか申告を…。
アッシュ:うーん、それは失敗しましたが、出自の効果を使ってもいいですか?
GM:あ、どうぞ?
アッシュ:では1のダイスを振り直します。(いっころ)ぶ、また1(笑)。無理だったか(笑)。
GM:…………(ほろり)。
碧唯:つくづく…(泣)。
セブン:世の中とは、かくも無情な…(笑)。
アッシュ:今日はダイス運が微妙すぎた(泣)。
GM:取得は無しですか?
アッシュ:見送ります。
GM:了解です。
碧唯:うーん、今まで被害に遭った自動人形がサブシステムをもらってたかどうかは、調べる余裕は無かったか。もしニコライ=人形破壊者が同じ事を繰り返してるんだとしたら、意味の無いことだって論破できたかもしれなかったのだが。ここで未琴から絆が出来なかったアッシュのみ登場ってのは痛かったなぁ。
GM:ちなみに全員が登場失敗した場合、何処へ行ったかも判らなくなるところでした(ぁ
碧唯:まぁアッシュはそうそう失敗しなかったでしょうしねぇ。
GM:では、後半に続きます。長々とお疲れ様でしたー。
一同:お疲れ様でしたー。
GM:予定時間を大幅に超過してしまいました…誠にもって申し訳なく。
アッシュ:うーむ、ダイス目が今日も酷かったなぁ(笑)。しかも絆判定時のみ(笑)。
碧唯:シーンごとの時間が、ちょっと長すぎたかもですね。
アッシュ:途中で切った方が良かったかもしれませんねぇ。
GM:すみませんねぇ…もう少しスムーズに進めたかったんですが。
碧唯:私とアッシュの合流から情報収集のシーンは、アンジェラと会うまで引っ張る必要は無かったかも。
GM:あのシーンね…こっそり追尾してたら、その時点で夏霧家まで辿り着く予定だったんです…(笑)。紅茶の匂いのこともあるから、あまり日数を挟んでしまうと手がかりが手がかりにならなくなる恐れが…(笑)。
アッシュ:おや、そうだったのですか(笑)。
碧唯:PL側が「仕切りなおし」と判断してしまいましたからねぇ。
…とまぁ、前編の反省はここまで。翌日改めて、仕切り直しの決意を固めるGMでした。
●シーン10 『彼らの望むこと』 シーンプレイヤー:セブン 登場難易度:全員登場
○夏霧家/繰人の寝室
GM:倒れた繰人を看病しているセブンと碧唯。そこに、湯を沸かしに行ったはずのアッシュが慌てて戻ってくる…と、そんな状況。
碧唯:なるほど、それで我々は出られんかったのか!
GM:まぁ、そういうことで(笑)。
碧唯:「どうしたね、アッシュ君。何やら騒がしかったようだが」
アッシュ:「……すまない。逃げられてしまったよ」事情を急いで説明します。
セブン:「…昼間、簡単に逃がしてくれたのも、この時を待っていた…と、いうところか。やられたな」
碧唯:「しまった……彼女からも目を離すべきじゃなかったね」
セブン:「悔やんでも始まらねえ。後を追った方が良さそうだな」
アッシュ:「一応、向かった方角は記憶したが……あまり時間はなさそうだよ」苦み走った表情で。
碧唯:ちなみに繰人は意識ありますか?
GM/繰人:「…待って…ください」と、声をかけます。「もう少しだけ、話しておきたいことが…」
碧唯:「何かね、夏霧さん。聞いての通り、あまり時間は無い。申し訳ないが、未琴君を助けるためにはアンタを置いていかなきゃならんのだがね」
GM/繰人:「判っています…でも、必要なことなんです…」息も絶え絶えに、必死の様子で。
「あの子の“心”は、今とても不安定な状態です。元々、僕が作った“論理”を司る回路と、“感情”を宿す移植回路が、相互干渉で“一つの心魂機関”としての機能を保っていた。
…言ってみれば、奇跡です。だがそれだけに…いつバランスが破綻してもおかしくなかった。
おそらく…移植した心魂機関に宿る“本来の人格”が活性化したことで、“仮の人格”の自己認識が破綻しかけているのでしょう」
GM/繰人:「以前、同じ症状に陥った時…僕は補助心魂機関の活動を抑制して“未琴”を直そうと試みましたが……完全に失敗でした。“感情”が抑制されたことで、未琴自身の“生きる意志”まで希薄になり…辛うじて同期を保っていた二つの心魂機関が自壊しかけました」
碧唯:「……!」もしもの時は未琴リタイヤの覚悟か、GM…。
アッシュ:これは……下手な行動がとれませんね…。
GM:もしも、と言うか…フラグ達成に失敗したら、未琴は壊れますよ(あっさり)。本来、未琴は『このシナリオとセットで生まれた』キャラですから。
碧唯:いつの日か、このネタをやるために生まれたキャラか。
GM/繰人:「…先生に謝ることが、一つあります」
碧唯:「何かね、この際だ、何でも聞くよ」
GM/繰人:「未琴が先生を忘れてしまったのは…僕のせいなんですよ」
碧唯:「それは……今言った心魂機関修復の試みのせい、という事かね」
GM:繰人は、小さく頷いて続ける。
「未琴はロボットです。死んだ娘の代用品…それは動かしようのない事実です。
あの子も、それを知っていた。自分が“身代わり”に過ぎないと。
もし壊れたとしても、次にもっと改良した物を作れば済む。……そのはずでした。
でも…いざ失われようとすると、“未琴”がもう二度と笑わない…その事が僕には耐え難かった。
だから…症状が手に負えなくなった時。あの子自身の“力”を利用して、心魂機関を“初期化”しました。
一年間の想い出が、未琴の中から消えて無くなるとしても……もう一度、笑って欲しかったんです。
――――ですが、今はそれが過ちだったのではないか、と思います」
碧唯:「そういう訳か。初期化後に知り合った諸星君は友人として認識できても、アタシの事は忘れていたってのは」
GM/繰人:「その通り、です…本当に、申し訳ありませんでした」
碧唯:「積み上げてきた経験をリセットしてしまった事で、アンジェラという元の人格に飲み込まれ始めている…こういうことかい」
GM/繰人:「…恐らく、それは違います。“未琴”の人格そのものが微妙なバランスの上に成り立っている以上、…遅かれ早かれこうなっていたでしょう。…僕がしたことは、ただの時間稼ぎでしかなかった。…それこそが、間違いではなかったか…と、皆さんの話を聞いて思ったんですよ」
「未琴の“心”は、移植した心魂機関が生み出した。
ならば…それは本来、“アンジェラの心”だったはずだから。
僕は、娘を救うつもりで“以前の彼女”を否定し…危うく全てを失うところでした」
GM/繰人:「僕は…もう長くない。だけど、だからこそ…。例え娘が“未琴”でなくなってしまうとしても……それで“彼女”が幸せでいられるなら…構わない」そう言って、彼は一度息をついた。
碧唯:「本当に、それでいいんだね? 夏霧さん」
GM/繰人:「はい…ですから、どうかあの子の、本当の望みを…聞いてあげてください。叶うなら、これからの彼女が幸せであるように…」
セブン:「…本当の望み?」
GM/繰人:「僕は…この通り鈍感で、どうしようもない父親ですから。あの子の本心が理解できてるか、自信が無くて…」苦笑しつつ。
碧唯:「諸星君はどうかね? 未琴君の友人として、彼女が救われるには、何が一番だと考える?」
セブン:「…未琴の心の中までは判らんが…アンジェラと上手く折り合いをつけられれば、未琴が安定する可能性はないか? …未琴がそれを望むかは、何とも言えないがね」
アッシュ:繰人さんに言います。「………それは間違っていますよ。あの子は未琴ではなく、アンジェラとなっていても、あなたのことをちゃんと覚えてましたから」
GM/繰人:「そう…なんですか…?」驚いたように目を瞠って。
碧唯:「アッシュ君の話によれば、彼女は自分でわざわざ『“未琴”じゃない』と言ったそうだ。それは彼女が、まだ自分が“未琴”でもあるって認識してるって事にならないかい?」
GM/繰人:「そう…ですか」少し照れたように、嬉しそうに微笑んだ。
碧唯:「アンジェラとしての心と、夏霧未琴としての経験……それらが交じり合って、今の彼女があるのだと、アタシは考える。なら、諸星君の言う通り、彼女らは“ひとつの存在”として折り合っていける可能性はある。心魂機関の魂の在り様を決めるのは、周りの者との繋がりに他ならないからね」
GM/繰人:暫し考えて。「…………正直、今の状態で未琴とアンジェラを安定させる方法は判りません…。ですがもしも、彼女が“未琴”でいることを選んだなら…引き出しの、赤い鍵を使ってください…」そう言って、部屋の隅にある机の引き出しを指差す。
セブン:「…赤い鍵?」引き出しの中を見てみよう。
GM:中からは小さな赤い鍵。
アッシュ:「……これは?」
GM/繰人:「それは、一年前に僕が作った…ゴホッ、ゴホッ!」激しく咳き込んで。
碧唯:「夏霧さん! いかん、無理が祟ったか!」
GM/繰人:「…それを、うなじの鍵穴に入れて、回せば…緊急用システムを起動できる…」
碧唯:「緊急システム―――それを使うと、彼女はどうなる!?」
GM/繰人:「もう一度、システムを初期化…、…許されるなら…あの子に、時間を……」それきり意識を失い、昏睡状態に。
碧唯:鍵を使えば、今度はセブンも忘れられるというわけか。
GM:そうなります。
碧唯:そして以前の初期化が一時凌ぎでしか無かった以上、これもまた時間稼ぎにしかならないかもしれない。
アッシュ:できれば使いたく無いですねぇ…。
碧唯:「………」我知らず、セブンの方を見てしまうな。
アッシュ:「……これは、最終手段になりそうだ」同じくセブンの方を見ながら。
セブン:繰人を寝かせて。「……とにかく、今は未琴の元へ行こう。何が正しいかは、結局、未琴に会って話してからじゃないとな。俺は、もう片方のアンジェラというのにも会ったことがない。今の状態で決められることは、何もねえ」
碧唯:「全ては未琴君と向き合ってから、ってわけね」
アッシュ:「結局、それしかない、か…」
セブン:「…ああ。だから、まずは行くとしようぜ」何せ、本当に何も知らんので、親父さんに『わかった』とも言えん(笑)。
碧唯:「なら急ぐとするか。出来れば人形破壊者の茶々が入らない内に、彼女と話をしたい。……時間的に難しそうだがね」
アッシュ:「だが、やるしかあるまい。……それがどんなに難しかろうと、ね」
GM:…さて。時に、先生とアッシュは“人形破壊者”の正体に関して、ある程度推測済みでしたよね。
碧唯:うっす。
アッシュ:まぁ、ある程度は。
碧唯:今のところの推測としては、ニコラスの命令か願いを受けたロベールが動いてるのではないかと。
GM:それに関して、少し補足しておくことが。特に碧唯先生にはちょっと重要。
碧唯:おお、ではお願いします。
GM:では。“人形破壊者”の正体が誰であれ、その目的ははっきりしてますよね?
碧唯:アンジェラを取り返す事でしょうね。おそらくヤツにとって未琴は不純物、過去の犠牲者もそうだったんじゃないかと。
GM:その通り。アンジェラを取り戻すために、延々と実験を繰り返していたというのが、一連の事件の真相でしょう。その場合…[SA:復讐を遂げる]を達成するために、最も決定的かつ有効な手段は?
アッシュ:未琴が生まれたのは本当に奇跡的だったのですねぇ……って、その質問は(汗)。
碧唯:はーい。完膚なきまでに未琴=アンジェラを破壊してしまうことでーす(ぎしぃ
GM:うい、その通りです。それを踏まえたロールプレイを先生には期待します。
碧唯:まぁ、もうちょいマイルドなやり様もあるけど、難易度は跳ね上がるしなぁ(笑)。
GM:では、全員に[SA:夏霧繰人の願いを叶える]をあげましょう。絆チェックなどあればどうぞ。
セブン:今回もスルーの方向で。
碧唯:枠は一杯、残るエゴは人形破壊者……ここは敢えて見送りで。
アッシュ:拝領いたします。先生のエゴをひっくり返したいのですが、修正をいただきたい(汗)。
GM:うい。+3でどうぞ(笑)。
アッシュ:どうもすみません。(ころころ)20、危なっ(一同笑)。では、先生に絆/連帯感をば。
GM:取得はないですね? では、次のシーンへ行きます。
▼絆/エゴの変化
アッシュ:碧唯へのエゴを絆/連帯感に変更。
●シーン11 『大時計の下で』 シーンプレイヤー:なし 登場難易度:判定不可
○真夜中の学校
深夜の学校…夜には鳴らないはずの、チャイムが鳴った。
月光に照らされて大時計の真下に立つ、老人と白髪の少女。
周囲には無表情の大男が3人と、無数のブリキ人形。
「―――お父さん…死んじゃった」
そう呟いて涙をこぼす、白い髪の人形。
「気に病むことはない…彼は所詮、仮初めの家族だ。
お前にとっては、今までの生活こそ“一時の夢”だったのだから…」
老人の声はとても優しく、懐かしくて……溺れてしまう。心が、深き淵へ沈みゆく。
「悲しい夢を見たとしても、目醒めれば傍に私がいる。
本当の家族と過ごす、穏やかな生活。それはとても幸せなことなんだよ…私の“アンジェラ”。
さぁ、帰ろう…懐かしいあの家へ。昔と同じ生活に戻ろう……私たちは、“二人っきりの家族”なのだから」
碧唯:これはSAで登場の状況かな?
GM:です。
碧唯:[SA:復讐を遂げる]で登場!「そうはいかないよ、“人形破壊者”。やり逃げは許さないってね」
アッシュ:[SA:夏霧繰人の願いを叶える]で登場します。「嘘はいけないねぇ。“二人”じゃ無いだろう?」
碧唯:“二人っきりの家族”ってのもツッコミどころだ、たぶん。ツッコミは口火を切ったアッシュに任せるかな。
アッシュ:うぃ、自信が無いのでフォローはよろしくです(笑)。
GM/人形破壊者:「しつこいものだ……ここまで邪魔をしに来るとはね」
セブン:[SA:この日常を守る]で登場。「悪いな。まだ、その子の中には、俺の友達がいるんでね。このままさよならさせるわけにゃあいかねえんだ」
GM/人形破壊者:「友達…かね」鼻で嗤いつつ。「夏霧未琴という自動人形に、『心』などない。あれは、『アンジェラの円筒』が生み出す感情を、“己の心だと錯覚していた”に過ぎない。所詮は仮初めの人格……私は期限付きで貸した物を、返してもらいに来ただけのこと。娘の身代わりを欲していた夏霧繰人も、既に死んだ。この上、“紛い物”を残しておく必要がどこにある?」
セブン:「仮初かどうかなんて、お前さんや俺たちが決めていいモンじゃないぜ。その子はもう、この何年間を生きてきた、一つの存在なんだ。誰であれ、そいつを否定できるもんじゃないぜ…」
GM/人形破壊者:「何を言おうと、夏霧未琴という人格が泡沫の幻であることは変わらんよ…」
碧唯:「そういうアンタも、自分の人格を正しく認識してないのと違うかね。ええ? 人形師ニコラスの残したもう1体の自動人形ロベール」言っちゃったー! 外れてたらとても恥ずかしい!
GM:ピクリ、と老人の頬が動いた…ような気がした。
アッシュ:「……やはりね。ニコラスの命令に縛られて動いているのならば、そんなお前の感情も所詮“紛い物”さ。お前が彼女を否定できる道理は無いんだよ…」さぁて、種明かしの時間かな?
GM/人形破壊者:「私が紛い物…だと? そんなことはない…私は、私こそがアンジェラの本当の家族! 唯一人の、かけがえのない家族なのだ!」
碧唯:「アンタの話を聞いててもラチが開かないね。アタシ達が聞きたいのは彼女の答えさ。なぁ、アンジェラ……そして夏霧未琴君」
GM/アンジェラ:「…………」
碧唯:アンジェラとのやり取りを済ませたら、人形破壊者を追い詰めましょうか。
アッシュ:……困ったことに、私、未琴の絆が無いや。アンジェラはあるが……。関係するのならば恐いなぁ。
GM:絆操作するなら、このシーンが最後の機会です。心してください。
碧唯:「まず一つ早とちりをしている君に伝えておこう。夏霧繰人氏は、まだ生きている」
GM:アンジェラは小さく首を振る。「……死んだわ…だって、“視た”もの…」ルール的に言うと、《自然感知》で繰人の死を知りました。君らが夏霧家を出たすぐ後、繰人は息を引き取ったのです。
碧唯:私達が出てからお亡くなりになったのかー! 早とちりはこっちでしたぁー!「そうか……君が視たというのなら間違いはあるまい。こっちが訂正しとかんとね。…で、彼が亡くなった以上は、夏霧未琴という存在もここまで。君はそう言うのかね」
GM/アンジェラ:「わたし…わたしは、御主人様の傍にいなくっちゃ…。御主人様までいなくなったら…わたしにはもう、何もない…」そう言いつつも、頬を伝う一滴の涙。
アッシュ:「……それは、キミが本当に心から望んでいることかい?」
碧唯:「残念ながら、君の主人である人形師ニコラスは“もういない”。ずうっと昔に亡くなっている」
GM/アンジェラ:「…………」びくっ、と怯えたような表情になる。
碧唯:「君がニコラスだと思ってるその男はね、君の弟である“自動人形のロベール”なのさ」ひとつの発言が、薄氷を踏む思いだ…。
アッシュ:確証がとれてないからなぁ……説得が一番恐い…。
GM/アンジェラ:「いや…いや、いやいやいやぁ!? そんなの…わたし、信じない!!」絶叫して頭を振る。
セブン:ちょっと、話してみようか。アンジェラがどんなやつなのか、今までの流れで把握し切れてないので、そこからいきなり懐に踏み込むよりも、外堀埋めた方が良い気もするのですが。
だが、話しかけようとする三人を、人形破壊者が遮る。
「惑わされるんじゃない、アンジェラ…彼らはただ、仮初めの人格を取り戻したいあまり、嘘を吐いているのだ」
GM:ここで、一つの変化が起こる。
・未琴とアンジェラの“感情”は『一つの補助心魂機関』に由来するため、絆とエゴも共有している。
・夏霧未琴の初期絆『父親への愛情』は、繰人が死亡したためエゴ/喪失へと変化。
・セブンと碧唯への絆はエゴ/疎外感に変更。これは、二人が気にかけていた対象が“未琴”であり、今の彼女は“アンジェラ”であるため。
・アッシュは元々エゴ/知己なので変化無し。良かったですね(ぉ
アッシュ:良くなーい!(悲鳴)
これにアンジェラが持っている2つのエゴを加え…現在は7つの絆/エゴ枠が全てエゴで埋まった状態。
そして―――絆を見失った彼女には、友人達の言葉も届かない。少なくとも…このままでは。
セブン:…話進んだか。
碧唯:うあ、私が早まったか。ご、ごめーん!!
セブン:一段落するまで待っていたら、機会を逃した…(笑)。
GM:と、ルール上の変化はこんな所です。説明終わり。
アッシュ:うーむ、やはりAGPが鍵なのかなぁ…。
碧唯:ど、どうしよう。何か、セブンに何一つ手を打たせてあげられてない…。
GM:まぁ、それはこちらの進行がちょいとミスった部分もなきにしもあらず。セブンと他メンバーの合流パターンは、幾つか想定してたんですが。その中でも、最も遅いパターンになってしまったからなぁ…(苦笑)。
碧唯:しまったー、復讐目当てのヤツが先走る場面じゃなかったわ、ここは。
セブン:今から話しても大丈夫なようなら、少し話しておきたいのだが、手遅れならこのまま倒す方向で行くかね。
碧唯:とにかくセブンが話すらロクに出来てない状況なので、せめてセブンとアンジェラの会話くらいはさせてほしいのですが…。
GM:やるならどうぞ。それ次第で、こっちの反応を考えます。
セブン:では、一応。「なあ、未琴…今は、アンジェラか。お前さん、自分を作った父親のことを、何か覚えているかい? どんな人間だったか、お前さん…父親のことを覚えているか?」
GM:アンジェラは、身体を震わせるだけで応えようとはしない。声が聞こえているのかどうかすら、判らない…。だが、やがて怯えたような瞳をセブンに向けて、口を開いた。「…昔、街にカーニバルが来るって…わたしがそれに行きたがって…。『大時計の下で待っておいで。月が中天にかかる頃、迎えに行くから』――そう、約束してくれた…。“父様”は、とても優しかった…とても…」
セブン:「…そうかい。親父さんのこと、好きなんだな。親父さんにとって、お前は本当の娘だったんだな…」
GM/アンジェラ:「うん…わたしも“父様”が大好き」
セブン:「なあ、アンジェラ。親父さんがお前を作ったのにだって、親父さんの願いが込められているはずだ。お前さんに、生きていてもらいたい、笑っていてもらいたい…と言う願いが」
碧唯:アンジェラの言う『父様』とセブンの言う『親父さん』ってのは、別だよなぁ…。
アッシュ:……“父様”と“御主人様”……別人みたいな話し方だ……もしかしたら、気付いているのかな?
碧唯:恐らく最初にアンジェラを破壊したのも、ロベールなんじゃないかと考えてるんですが。これをどうやって突きつけるかだな。
セブン:「お前さんの中にいる、“もう一人”もな…親父さんは、そう願って今まで生きてきたんだ」
GM/アンジェラ:「…………未琴…」
セブン:「アンジェラ。今はお前の親父さんは側にいないかもしれないが、その願いは、変わらずお前さんの中に生きているんじゃないか。同じ願いを抱いて作られた、もう一人のお前を…どうしても否定しなければ、いられないものか。お前さんと同じく生まれ、同じく生きてきたものを消すことでしか」
GM/アンジェラ:「……でも…わたしには、どうしようもない。一つの身体を使える魂は、一つだけだもの…。…わたしがそれを望まなくても…どちらかは円筒の奥底に沈んでしまう…」
セブン:「…折り合いをつける方法は、ないのかい?」
GM/アンジェラ:「……もう、わたしはアンジェラだもの…だから“御主人様”と一緒に、戻らなきゃ…」そう言いながらも、涙は留まらず、流れ続ける…。
アッシュ:むぅ、突っ込みたいことができたが……どうしようか…。
セブン:俺の手元に情報がないので、誰かが変わってくれるなら、それでもいい。
碧唯:ちなみに突っ込む内容は? これは打ち合わせておく必要があるかも。
アッシュ:父様と御主人様、それが同一人物かどうか、ですねぇ。どうも区別して話しているらしいので…。
実のところ、アッシュの推測は正解。アンジェラも真実に薄々気付いています。
しかし今の彼女は“エゴに囚われた状態”なので、辛い現実を認め、受け入れることが出来なくなっているのです。
GM/人形破壊者:「――そこまでだ。言ったはず…邪魔するならば容赦はしない、と。私は…たった一人の“家族”を取り戻す。邪魔はさせん!」
碧唯:やばい、時間切れか?
GM:説得イベントはクライマックスになるので。ひとまずここまでで絆操作して貰って進めようかと。どうしても言いたいことがあるなら待ちますが…今はアンジェラが全枠エゴの状態なので、根本的に“説得の言葉が届かない”のですよ。
セブン:いや、俺自身は、話は引っ張ったのでいいです。今回はどちらにしろ、セブンは説得に向かないので。後は他の人に任せた。
碧唯:うーむ、では一度人形破壊者にツッコミ入れて、それでアタシも以上かな。
GM:人形破壊者の言葉に応え、周囲の自動人形達が動き出す。その視線を、招かれざる闖入者に合わせて…。
碧唯:「たった一人の家族か……誰を認識の埒外に追いやったのかはともかく、アンタにそれを言う資格があるのかね? 最初にアンジェラを破壊したのは、人形破壊者…アンタじゃないか」
GM:その言葉に、人形破壊者は沈黙したまま応えない。
碧唯:「自答する能力すら失ったか。だからこそ、何十年も同じ事を繰り返してきたのだろうがね」
アッシュ:ううむ、私も今はこれで終了かなぁ。言うべきことが、まだ纏まってない。
GM:では、絆チェックをどうぞ。クライマックスでも絆書き換えチェックは出来ますが、取得はこれが最後になります。
セブン:じゃあ、アンジェラに(ころころ)絆…あんまりいいものが思いつかんな。憐憫にしておこうか。
碧唯:人形破壊者へのエゴ/報復の反転にチャレンジします。(ころころ)絆に反転、人形破壊者に絆/憐憫で。
アッシュ:人形破壊者に対して取ります。(ころころ)絆/制裁で。
GM:了解。では、クライマックスへ。
▼絆/エゴの変化
セブン:アンジェラに絆/憐憫を取得。
碧唯:人形破壊者へのエゴを絆/憐憫に変更。
アッシュ:人形破壊者に絆/制裁を取得。
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