第33話
鬼殺し

●今回予告●

……憎い。

―――― オ ニ が 憎 い ――――

人生を狂わせ…永劫という牢獄に、俺を閉じ込めた存在が。

俺は……止まらない…。
…いや、“止まれない”んだ。

全ての『鬼』が、消えるまでは…。

Beast Bind New Testament
『鬼殺し』

汝、己の獣と向き合わん。



オープニング ミドル クライマックス エンディング

■プレセッション■


GM(サブマリン):では、みなさん準備はよろしいでしょうか?
一同:OKです。
GM:始める前にルールの変更点を。絆とエゴは、判定せずに好きなように取ったり、変更したりしてください。また、登場判定はしないで、登場したい時に宣言してください。GMの一身上の都合により、却下する場合があるので(笑)。それでは、PC番号順に自己紹介をお願いします。


●PC1(定員1名) 推奨:『鬼』のキャラ。

 ある夜、君は謎の鬼に襲われる。鬼は君に対して激しい憎悪を向けてくる。
 君はこの鬼に見覚えはない。鬼も君と会うのは初めてだと言う。
 騒ぎが起こり、人が集まりだしたため鬼は逃げて行った。その場に残された君は思う。
 いったい何故、あの鬼は自分を襲ってきたのだろうか?
 君は鬼がどうして自分を狙うのか興味を覚え、鬼の行方を追うことにした。

 シナリオエゴ:謎の鬼 (関係:執着など)


酒天しゅてん酒呑童子  プレイヤー:R−3
 【フルメタル/イレギュラー】 年齢:1100歳以上(休眠期あり)/性別:男/カヴァー:ハンター(JABF所属)
「――――もう二度と、仲間は死なせん……そう誓った」
 平安時代の大江山の隠れ里で生きていた、あの酒呑童子本人。人間の姿は、野性味溢れる大男。
 元々の酒呑童子は、古代の地球ドミニオンを護る戦士として生まれた存在だった。
 だが、外敵である魔物に操られた源頼光に斃され、長らく封印されていた。
 しかし10年ほど前に「毒をもって毒を制す」べくJABFに復活させられ、再び人を護るための闘いに身を投じる。
 今の肉体はバイオ技術で造られた精巧な模造品であるが、実戦で徐々に往年の力を取り戻しつつあるらしい。
 所持HA:《真理のe》、《ブーストアップ》、《律の破壊者》


●PC2(定員1名) 
推奨:一人暮らしの女性キャラ(笑)。*あくまで推奨。男でも可。

 道ですれ違う時、肩がぶつかった。
 君が文句を言おうと振り返ると、ぶつかった男は道端に倒れてしまった。
 男と話してみると、5日間何も食べていないと言う。
 男を助ける理由はこれっぽっちもないのだが、君は放っておくこともできず自分の家に連れてくる。

 シナリオ絆:名波 勇吾ななみ ゆうご (関係:任意)


巫薙 愛理みなぎ あいりアイゼン  プレイヤー:麻那
 【アーティファクト/セレスチャル】 年齢:17歳/性別:女/カヴァー:高校生
「あ、あのぅ……私、どうしてこんな所にいるんでしょうか?」
 地味で内気な眼鏡っ娘、巫薙愛理はアンノウンマン(*魔物の存在を知らない人間)である。
 しかしある日、『愛染明王』に媒体(やど)として選ばれたのが運の尽き。
 事件が起きた時、彼女は「ラ・ガラサ!」の呪文と共に『愛の狩人アイゼン』へと変身するのだ。
 変身後は派手な衣装で決めた、色香漂うオネーサマ。しかし愛理に戻ると変身中の記憶は残っていない。
 そんな不幸に見舞われた、彼女の明日は…どっちだろう?
 所持HA:《剣魂一擲》、《電光石火》、《アドベント》


●PC3(定員1名) 推奨:魔物退治を生業とする者

 鬼を無差別に狩る謎の存在、“鬼殺し”の抹殺を依頼される。
 鬼は勿論、使役される鬼や、鬼を使役する術者も殺されている。
 しかも、“鬼殺し”は鬼自身がやっているというのだ。
 興味を引かれた君は“鬼殺し”を始末する依頼を引き受けた。

 シナリオ絆/エゴ:一膳飯屋『鬼ヶ島』のおやっさん (関係:任意)

荒木 明仁 あらき あきひと荒雷鬼アラキ  プレイヤー:れおそ
 【フルメタル/レジェンド】 年齢:17歳/性別:男/カヴァー:高校生
「俺の名は『荒雷鬼』―――絶望の闇を切り裂くいかづちだ!」
 魔物から人間を守るための組織に属する、正義の『鬼』(←某特撮ヒーロー風)。
 ごく普通の家庭に生まれるも、魔物に両親と姉を殺され天涯孤独に。
 その事件で命を救ってくれた『鬼』に弟子入りし、自分も『鬼』となった。武器はギター型の剣『音撃弦・吼雷』。
 師匠も謎の魔物に殺されるなど重い過去を背負っているが、基本的には陽気で軽めのナイスガイ。
 最近はもっぱら『鬼』としての役目が忙しく、学校にろくすっぽ行けないのが悩みの種。
 所持HA:《ブーストアップ》、《フルファイア》、《スーパーアクション》


酒天:絆はアイゼンに借り。以前、かけがえのない友を救われた。
愛理:PC間絆はアラキに興味。アイゼン視点だと新種の鬼って事で。シナリオ絆は本人を見て考えます。
アラキ:PC間絆は酒天に連帯感。鬼として。最近、学校に行ってなさそうな高校2年生。…………orz
GM:もちろん、今回も行けません(笑)。
アラキ:断言された!?(笑)
愛理:…気の毒にね(ホロリ)。
アラキ:高校生2人もいるのに(笑)。
愛理:あたしも行けないのかしら。可哀想な愛理…(笑)。
GM:それでは、本編を始めます。よろしくお願いしまーす。


 

■オープニングフェイズ■


●シーン1 『鬼を狩るオニ』  シーンプレイヤー:酒天

○池袋/雨の裏通り


GM:雨が降ってきた……。大粒の雨が、君をあっという間に濡れ鼠へと変えていく。
酒天:だが傘はない。既に井上陽水の世界(笑)。
GM:酒天が傘を差すところなんか見たくない(笑)。
愛理:ひど(笑)。
アラキ:酒天だと、傘からはみ出す(笑)。
酒天:じゃあ、雨合羽で我慢しておくよ(笑)。

 早く塒に帰りたいところだが、どうやら物騒な客が来たようだ。
 屋根の上から、常人ならばその殺気だけで殺せそうなほどの氣を向けてくる。
 見上げると、そこには身長が3mにも届こうかという大男が立っていた。
 …いや、額から二本の角が突き出している。あれは――――『鬼』だ。


GM/謎の鬼:「…酒呑童子、まさか本当にこの世に復活していたとはな。伝説は伝説として、埋もれていれば、良かったものを……」
酒天:「……俺を知っているか。何者だ?」
GM/謎の鬼:「名乗る必要は無いな。あんたはここで死ぬのだから。……いや、この街の『鬼』全てという方が正しいのかな?」
酒天:「ほう…鬼なるものを無差別に殺すと、この酒天童子の前で口にするのか…」静かに、そう言って、身構える。
GM/謎の鬼:「鬼は災いをもたらす存在。人の世にあってはならない存在だ。……俺のような者を作らないためにも、全ての鬼を、俺は根絶やしにする!」
酒天:「俺は、既に何百の同胞が死んでいくのを目にしてきた。もし、お前が、今また過去と同じく我が同胞を殺すなら…俺は、全力で貴様に敵対する」
GM/謎の鬼:「いいだろう! ゆくぞッ!」
酒天:「来い!」
愛理:酒天、相変わらず渋いわぁ(笑)。
アラキ:かっこええ(笑)。
GM:と、こっから夢枕獏的な戦闘が始まるわけだが……ちょっと演出戦闘やる?(笑)
愛理:わくわく(笑)。
酒天:じゃあ、ちょっとだけやろうか?
GM:鬼はアスファルトをくりぬくと、そのまま酒天に向って投げつける! そして、自分もそのまま酒天に向って突っ込んで行くぞ!
アラキ:いきなり反則攻撃だ〜(笑)。
酒天:飛んできたアスファルトを払いのけ、相手の繰り出してきた拳を避けるように深く身を沈める。やり過ごしたところを、顎の下から掌打!
GM:それを、頭突きで返して、そのまま一回転して離れる。
酒天:こちらも後方に滑るようにして離れる。
愛理:いいなぁ、この格闘描写。
GM/謎の鬼:「なるほど、さすがは日本の三大妖怪として伝説に名を残したことはある。予想以上だ」
酒天:「…貴様もな。相見えた妖物の中で、この一撃を外したものは、まだいなかったな」
GM/謎の鬼:「そいつは、光栄だ」
アラキ:三大妖怪…残りの二つは誰だ?
酒天:大嶽丸と玉藻前。
アラキ:なるほど。
GM/謎の鬼:「スピードがあることは判った。ならば、次はパワーがどれくらいあるのか、試させて貰おう!」両手を前に突き出して、誘うぞ(笑)。
酒天:では、組むか。
愛理:あ、逃げるのかと思ったらまだ続くのね(笑)。
酒天:こっちも、ここでお流れかと思った(笑)。
GM:では、二人が組んでパワーとパワーのぶつかり合いを始めると、北斗の拳よろしくアスファルトが吹き飛びだす(笑)。「パワーも、ほぼ互角か……ん?」音に気付いた周りの人間達が、何の騒ぎだと集まりだした。
愛理:いたんだ、周りの人間。
酒天:迂闊だ、俺ら(笑)。
GM:まあ、裏路地で人気は無くとも、これだけのことが起きたら気が付かれると(笑)。「…少しばかり、遊びすぎたようだ。その首、ひとまず預けておくぞ!」言い捨てて、屋根に飛び移る。
酒天:「…これだけは覚えておけ。貴様には、同胞を誰一人として殺させはせん」
GM/謎の鬼:「ならば、お前は最後の獲物だ! 同胞を死なせたくないと言うのならば、俺を止めてみせろ!」そのまま、闇に姿を消す。
酒天:「…行ったか。しかし、何者だ? 鬼を狩る鬼、だと?」
アラキ:こっちが先に狙われるらしい………(笑)。
愛理:依頼だものねー、頑張ってv
アラキ:ミイラ取りがミイラになりそうだ(笑)。
酒天:鬼を狩る鬼、ねえ…金太郎か?
愛理:坂田金時って、鬼だっけ?(笑)
酒天:少なくとも、親は鬼女でしたな。
愛理:そうなんだ…知らなかった。
アラキ:そんな設定があったのか。
GM:では、シーンエンド。エゴを謎の鬼で。[SA:謎の鬼を止める]をどうぞ。
酒天:受領。今のところ敵意で。

▼絆/エゴの変化
酒天:
謎の鬼へのエゴ/敵意を取得。




●シーン2 『いつかの面影』  シーンプレイヤー:巫薙愛理

○街中/雨上がりの休日


GM:激しい雨のあった翌朝です。今日は学校も休みなので、街に出かけてきています。通りを行くと、前の方から見窄らしい格好をした男が、若干足元がおぼつかない感じで歩いてきます。
愛理:「雨上がり…秋の匂いがする」気づかずに歩いていきます。
GM:では、男とぶつかってしまいます(笑)。
愛理:「きゃっ!? …あぁ、すみません! 大丈夫ですか?」眼鏡を押さえてぺこぺこ謝ります。
GM/男:「う、うう…」と、男は何やら苦しそうに呻く。
愛理:「ど、どうされたんですか? もしかして、お怪我でも??」
GM/男:「は、腹が……」
愛理:「お腹がっ!?」心配になって、至近距離から顔を覗き込みます。
GM/男:「いや、違うんだ。怪我をしたわけじゃないんだ。その……
腹が減って動けねぇんだ」と、男は少し恥ずかしそうに言う。
愛理:「………… は ぁ ?」カァカァと、遠くでカラスの鳴き声が(笑)。
GM:男から、追い討ちが掛かるように「ぐぅ〜」という漫画的擬音まで聞こえてくる(笑)。
愛理:愛理は目が点になっているっ(笑)。「…いったい、どのくらい食べてらっしゃらないんですか?」
GM/男:「すまない。そういうわけだから、気にしないで行ってくれ」
愛理:「…え、えーと。取りあえず、家に来られますか? この近くなんですけど…」
GM/男:「バカを言っちゃいけない。お嬢ちゃん、あんたは優しい娘なんだろうが、世の中みんな善人ばかりじゃ…」と、言ってる間に、またお腹が鳴ってしまう(笑)。
愛理:「お金、持ってらっしゃらない…ですよね?」
GM/男:「……あ、ああ」ちなみに、お嬢ちゃんと呼ぶ割には、男と愛理の歳はそれほど違わないように見える。20代前半くらいだろうか。
愛理:「…やっぱり。放ってなんかおけません! このまま行き倒れて新聞の三面にでも載ったらどうするんです!」
GM/男:「…しかし」と、愛理の剣幕に少々押されぎみの男(笑)。
愛理:論理の飛躍に気づかないまま、自宅へ行こうと男の腕を引っ張る愛理であった(笑)。


○巫薙家

GM:では、家です(笑)。
愛理:「一度にたくさん作れて、しかもお安いメニューとなると……あの、カレーは好きですか?」
GM/勇吾:「ありがとう。大好物だよ」
酒天:愛理…たまに大胆だ(笑)。
アラキ:店ではなく、家に連れ込む辺りが特に(笑)。
愛理:お店で食べると高くつくから手料理にしたんです(笑)。
GM:(ナレーション口調)結局、愛理に押し切られて、家まで来てしまった男。途中で名前を名乗った。名は『名波 勇吾』。5日ほど前から何も食べていなくて、公園の水で飢えをしのいでいたらしい。
愛理:「5日間も…(嘆息)。それじゃ、いっぱい食べて栄養付けないと」むん、と腕まくりしてカレーを煮込みます。特大の鍋に一杯(笑)。
GM:では、来る途中で勇吾について気になることがあった。それは……とても臭いということだった(笑)。
愛理:「…あのー。もしかして、お風呂も5日間入って…ない、とか?」
GM/勇吾:「いや…聞かない方が、良い」と、視線をそらす(笑)。
愛理:「……今すぐお風呂湧かします。入って下さい、ね!!」ギン、と眼鏡を光らせて勇吾さんを見据える(笑)。
GM/勇吾:「は、はい」と、漫画的な汗を後頭部に浮かべる(笑)。「迷惑ついでですまないが、洗濯機を借りられるかな? この汚い服で家の中を汚すと悪いから……」
愛理:「こっちはボディーシャンプーで、こっちは…下着や着替えはお父さんのフリーサイズがあるから…」てきぱきと準備して、彼を風呂場に放り込みます(笑)。
GM/勇吾:「と、すまない。ありがたく借りるよ」と言って風呂に入る。
愛理:「カレーは30分もしたら出来ますから、しっかり温まって全身洗ってから出てきて下さいね♪」
GM/勇吾:「何から何まで、すまない」
アラキ:……この状況で、お父さん帰ってきてほしいなあ(笑)。
愛理:両親は海外旅行中です。さっき決めました(一同笑)。
アラキ:絶好のチャンス(笑)。
愛理:「〜〜♪」彼を待つ間に、カレー鍋をことこと煮込んでおきましょう。ついでにお洗濯も。
GM:では、勇吾が脱いだ服のポケットから、写真が少しはみ出ている。
愛理:「…?」一緒に洗濯するとまずいので、写真を抜き取ります。何が写ってるのかな?
GM:写真は10枚ある。7枚は赤いペンで大きくバツが書かれている。残り3枚の写真を見ると、顔中に傷のある坊主と、眼鏡をかけた純朴そうな少年、それと酒天が写っている。
愛理:全員人間の姿?
GM:そう。
愛理:「…誰かしら、この人たち。……ん、でもこの三人目の人(=酒天)、どこかで見たような…?」考え込んでるけど、答えは出ません。なぜなら、愛理は彼らのことを一切知らないから(笑)。
GM:人間時の酒天も知らなかったんだ?(笑) そいつは、俺が知らなかった(笑)。
愛理:アイゼンは知ってますけどね(笑)。
酒天:そういや、毎回会話するのはアイゼンの方だけだったなあ(笑)。
アラキ:……少年って誰だろう?
酒天:陽火人か。
GM:そう(笑)。
アラキ:おお。
愛理:陽火人くんって、眼鏡かけてたんだ。知らなかった(笑)。
GM:伊達眼鏡だけどね(笑)。大嶽丸が目覚めるまでは、本当に目が悪かったんですよ(笑)。
アラキ:元ネタと同じですな(笑)。
酒天:多分、陽火人を苛める巨人の桑田顔の先輩とかもいるんだろうなあ、元ネタ通りだとすると(笑)。

 ちなみに『顔中に傷のある坊主』というのは、鬼来法眼(*筆者の別PC)のことです。

愛理:けど、荒雷鬼たちはターゲットに入ってないみたいですね。鬼なのに(笑)。
GM:その辺は、話が進めば判るかも(笑)。
愛理:「…いったい、誰だったかしら…」妙に印象に残る顔が気になって、料理も上の空(笑)。
GM:では、風呂から出てきた勇吾は、髭もきちんと剃って小奇麗になって出てくる。風呂から出てくると、別人といっても良いくらいに男ぶりが上がっている。
愛理:「お父さんの服がサイズ合って、良かった。カレーも出来てますから…」
GM/勇吾:「ありがとう。おかげで、さっぱりしたよ……何を見ている!」と言って、乱暴に写真を奪い取る。
愛理:「きゃっ!?」
GM/勇吾:「…あ、すまない。驚かせてしまったね。本当にすまない」
愛理:「ご、ごめんなさい。洗濯の時に、一緒に洗ったらいけないと思って…」申し訳ない気持ちが一杯で謝ります。
GM/勇吾:「いや、悪いのは俺の方だ。本当にすまなかった」
愛理:「いいえ、私の方こそ。そんなに大切なものだと思わなくて…。取りあえず、カレーをどうぞ。お酒はありませんけど、ね」
GM/勇吾:「ありがとう、いただくよ。これで酒まで欲しいなんて言ったら、罰が当たる」ちょっと冗談めかして。
愛理:「お代わりはたくさん用意してますから、遠慮せず食べて下さいね」私もいただきます、と手を合わせます。
GM:勇吾が五日間何も喰っていないというのは本当のようで、全てを綺麗に平らげてしまった。
愛理:早っ(笑)。
GM/勇吾:「ありがとう、ご馳走様。このお礼はいつか、きっとさせてもらうよ。と言っても大した礼はできないだろうけど。本当に世話になったね」
愛理:「いえ、そんな。客間にお布団敷いておきましたから、今夜はそちらで寝て下さいね?」屈託ない笑顔で言う愛理(笑)。
GM/勇吾:「しかし…いや、ここまで来て遠慮するのもおかしいな」と、口では言っているが。本当なら『こんなことしちゃ駄目だよ』と言いたいが、言っても通じなさそうなので受けたような感じだ(笑)。
愛理:自分でやってて何だけど…下手すると晶よりも警戒心ないわねー、この子(笑)。
アラキ:両親の留守中に、男を引っ張り込んで家に泊める親不孝娘(笑)。
酒天:危険だ(笑)。
愛理:だってこのままだと「公園で野宿」とか言いかねないと思ってるもの(笑)。
GM/勇吾:「(しかし……今さら気付いたが、似ている……変に押しの強いところまで、小枝にそっくりだ)」
愛理:「…何でしょう?」視線に気づいて、きょとんとした顔で見返す。
GM/勇吾:「…小枝」思わず漏れてしまった、という感じで呟く。
愛理:「……小枝? 枝が、どうかされたんですか?」
GM/勇吾:「いや、何でもない。それでは、おやすみ」
愛理:「あ。…お休み、なさい…」少し変だなぁと思いつつも、詮索はいけないと考え直して自分の部屋へ行きます。
GM:では、ここでシーンエンドにしますか。絆を名波勇吾で。SAは次のシーンで。
愛理:はい。絆は…アイゼンからは、興味かな。

▼絆/エゴの変化
愛理:
名波勇吾に絆/興味を取得。



●シーン3 『狩られる鬼たち』  シーンプレイヤー:荒木明仁

○一膳飯屋『鬼ヶ島』


GM:突然おやっさんに呼び出されます。緊急の仕事が入ったようだ。
アラキ:では、急いで鬼ヶ島に行きます。「ちわ〜っす」ガラガラガラ。
GM/おやっさん:「おう、来たな。まずは座れ」と、お茶をカウンターに出す。
アラキ:「何があったんですか?」椅子に座りながら。
GM/おやっさん:「実はな…今、少しばかり奇怪な事件が起きている。『鬼』が、鬼を狩っているのさ」
アラキ:「……鬼が?」
GM/おやっさん:「ややこしくなるから、鬼を殺す鬼を『鬼殺し』と呼ぶぞ。鬼殺しがこの街に現れたのは、およそ1ヶ月前だ。この1ヶ月の間に、半魔である鬼や、鬼を式神として使う陰陽師が7人殺され、1人が重傷で意識が戻っていない。重傷で意識が戻っていない1人と言うのが…我々の所の鬼、吹雪鬼だ。命は取り留めたが、意識が戻るかどうかは五分五分らしい。そして、更に悪いことに…鬼に変わるための『神器』が奪われていた……。それで、だ。お前には今回の一連の事件の“真犯人”を探し出して欲しい」
アラキ:「……まさか、ウチを追放された鬼が?」嫌な予感がして。
GM/おやっさん:「…ああ、そのまさかだ。上の連中は風祭を疑っている。だが、俺には釈然としない。あいつは魔物を憎んではいたが、鬼だけを憎んでいたわけじゃない。まして、かつての仲間を手にかける奴とも思えん。甘いことを言うようだが、同じ悲劇を繰り返すのは…ごめんだ」

 ちなみに『風祭』という人物は、今回のシナリオに登場しません。アラキ主演の第34話に登場予定…。

アラキ:「そうですね、あの人が鬼を狩るとは思えない………同じ悲劇?」ふと、その言葉に気がついて。
GM/おやっさん:「ああ、そうだな。だが、これ以上被害を広げないためにも、そして、かつての仲間の疑いを晴らすためにも。一肌脱いじゃくれねぇか、荒雷鬼!」悲劇のことについては、聞こえないふりをして流すおやっさん(笑)。
アラキ:では、そのことは深く追求せずに。「わかりました。引き受けましょう」
GM/おやっさん:「頼んだぞ」
アラキ:「まかせてください」サムズアップ。「…それにしても、吹雪鬼さんがやられるなんて…」サバ○さんじゃなかったんだね(笑)。
GM:そう、サ○キさんじゃないんです(笑)。
酒天:きっとこれからは、この『鬼ヶ島』内で何か化け物にやられて帰ってくる役は全部、吹雪鬼の役になるんだろうなあ…(笑)。
愛理:それは…酷いわ(笑)。
GM:でも、彼はそういうポジションに決まっちゃったから(笑)。
アラキ:吹雪鬼さんって女性だと思ってた(笑)。
GM:じゃあ、女性で(笑)。
愛理:けど、ここの鬼も狙われてたんだ……荒雷鬼はリスト漏れ?(笑) 写真に写ってた10人は、どんな基準で狙われたのかしら…。
GM:ではシーンエンド。シナリオ絆で、おやっさんを。[SA:鬼殺しの真犯人を見つける]もどうぞ。
アラキ:おやっさんに絆:信頼を取得します。

▼絆/エゴの変化
アラキ:
おやっさんに絆/信頼を取得。


 

■ミドルフェイズ■


●シーン4 『消えた男』  シーンプレイヤー:巫薙愛理  登場難易度:自由

○巫薙家/朝

GM:では、ちょっと変則ですが愛理のシーン。OPの翌日です。
愛理:勇吾さんを起こしに行きますけど…もしかして、いない?
GM:ええ、そのまさかです。部屋には丁寧にお礼を述べた紙が置かれています。それと、その紙の上には砂金が、小さな折り紙に包んで置いてある。見る人が見れば、10万円相当くらいの価値だ。
愛理:愛理にはそんな知識ありません(笑)。
GM:そりゃ、そうですね(笑)。
愛理:手紙の内容は、お礼だけ?
GM:手紙はお礼が書かれてはいるが、『見知らぬ男を家に上げたりしたら駄目だよ』という、父親のような小言も少し書かれていました(笑)。
愛理:「お金も持ってないはずなのに…どこに行っちゃったの…?」心配して、探しに行こうかどうしようか考えてます。…ちなみに、今日は学校は?
GM:あります(笑)。あと、手紙には『こんな都会で君のような人に会えたことを、とても嬉しく思う。いつまでも、その心根を忘れないで欲しい』とも書かれていた。
愛理:「…何もなければ、いいんだけど…」仕方ないので、登校します。探すのは、学校から帰った後ということに。さすがに、ここで学校サボって探しに行くほど非常識じゃない(笑)。
GM:…困るよね。正直、あんまり勇吾を探す理由が無いもんな。何となく物騒な感じがする写真の中に、知り合いの顔があるならともかく(笑)。
愛理:ええ。だから、他のPCのシーンで“偶然にも”遭遇するつもり(笑)。
GM:ではここでシーンエンド。[SA:勇吾を探す]をどうぞ。絆なんかあります?
愛理:まだ勇吾さんにしか会ってないもの(笑)。他のPCに会ってから取ります。
GM:ですよね(笑)。
愛理:ただ、問題は…アイゼンが勇吾にさっぱり絡んでないことなんだけど(笑)。
GM:でも、アイゼンはこの一連のことは見て知ってるんですよね?
愛理:神化したら別人も同然だから、会っても向こうが気づいてくれるかどうか(笑)。
GM:ああ、なるほど(笑)。



●シーン5 『鬼にされた男』  シーンプレイヤー:酒天  登場難易度:自由

GM:酒天、お待たせしました。さて、行動方針を聞かせてください。
酒天:まあ、普通はあの鬼が何者か探るわな。後は、ここ最近『鬼が殺される事件』が起きていないか。
GM:では、〈情報:裏社会/魔物〉でどうぞ。
酒天:(ころころ)達成値15で。

・鬼殺し
達成値5:自身が鬼であるにも係わらず、鬼を殺す鬼。『鬼の使役者である人間』も殺すと言う。
達成値8:この鬼殺しが現れてから、1ヶ月経過した。他の町にも現れているらしい。そこでも、鬼や鬼を使役する者たちを殺害している。
達成値10:鬼殺しは、元々はただの人間だったらしい。どうして『鬼』になってしまったのかは説が色々と分かれる。恨みによって鬼となったか、それとも鬼の血を輸血されたか…。しかし、鬼の血に限らず、魔物の血を人間に輸血した場合、ほぼ100%死亡するとされている。


GM:この情報は以上です。
酒天:JABFのデータ等に当たって、この間の『鬼』が何者か特定できないかな?
GM:では、〈情報:裏社会/警察〉でどうぞ。
酒天:裏社会に警察か。無いんだよなあ…。
GM:(シナリオを見て)あ、ごめん。〈情報:魔物〉でもいいわ。
酒天:じゃあ、〈情報:魔物〉で…(ころころ)13。
アラキ:一通り情報判定が終わったら登場しよう。
愛理:裏社会なら、確かアラキが得意よね?
アラキ:不良学生だからな(笑)。

・魔物の血の輸血
達成値8:過去に幾度も試みられたが、成功例は無いとされている。
達成値10:ただ一人例外として、明治時代に鬼の血を輸血されて生き残った男の記録がある。が、その後、成功した例はただの一度も無い。
達成値12:輸血された男の名は、『名波勇吾』。輸血された後、人間とは思えない怪力、回復力を見せる。日露戦争が終結すると、家族と婚約者である『沼田小枝』と共に行方を眩ました。


GM:(もう一度シナリオを見る)…あ、しまった。出す情報間違えた(笑)。ま、いいか(笑)。
愛理:あらら、情報フライング?(笑)
酒天:情報は以上で?
GM:あ、すいません。以上です。更に詳しく調べる場合は、名波勇吾を調べてください。今度こそ〈情報:裏社会/警察〉で。
酒天:じゃあ、名波勇吾について(ころころ)1と2か…達成値5。
GM:うお(笑)。
酒天:ダメだな。技能も情報屋も無いでは(苦笑)。

・名波勇吾
達成値5:明治14年生まれ。124歳。秋田県にて生を受ける。


GM:出た情報は、ここまでです。判ってはいると思いますが、この情報にはまだ続きがあります。
愛理:…合流した方がいいかも(笑)。
アラキ:では、登場しましょう。
愛理:ところで、ここ場所はどこ?
GM:ええと…酒天、どこでしょう?(笑)
酒天:自分の塒…かな。
愛理:アラキと酒天が『鬼ヶ島』辺りで会ってくれたら、愛理も合流できるんだけどなぁ(笑)。
酒天:まあ、そういう風に運びます(笑)。
愛理:お願いします(笑)。

 ここで『アイゼン』として強引に合流することも可能でしたが、PLは『愛理』として彼らとの接点が欲しいと考えたようです。
 そこで、三人が自然に合流できそうなロケーションを提案しました。


アラキ:では、酒天の携帯に電話をかけます。
酒天:「…もしもし?」
アラキ:「もしもし、アラキだけど」
酒天:「おう、久しいな。どうした、荒木」
アラキ:「ちょっと聞きたいんだけど……“鬼殺し”って知ってるか? 酒の方じゃなく」
酒天:「うむ? …奇遇だな。俺も先日、そいつと相見えたばかりだ」
アラキ:「そりゃ話が早い。実はウチの鬼も一人やられたんで、俺が当たることになったんだ。ちょっと協力してくれないか?」
酒天:「ほう。奴は、『この町の鬼を全て狩る』と言っていたからな。そちらにもちょっかいかけているとは思ったが…いいだろう。こっちも、そちらの組織で洗ってもらいたい情報が出来たところだ。鬼ヶ島で落ち合おう」
アラキ:「了解、また後で」電話を切ろう。
酒天:では、こちらも電話を切って、鬼ヶ島へ向かおう。

▼絆/エゴの変化
酒天:
アラキに絆/連帯感を取得。
アラキ:鬼殺しにエゴ/敵意を取得。




●シーン6 『鬼の集う島』  シーンプレイヤー:荒木明仁  登場難易度:自由

○一膳飯屋『鬼ヶ島』

酒天:「よう」暖簾を押し分けて店内へ。
アラキ:「悪いな、来てもらって」
酒天:「いや、こっちもJABFのデータじゃ洗えなさそうな古い記録に首を突っ込んだところでな。渡りに船だった」
GM:さりげなく、自分のダイス目の悪さをJABFのせいにしてるぞ(笑)。
酒天:(しれっと)まずは、ざっと調べたことを伝えます。
アラキ:「なるほど、鬼の血を輸血された男か……」
酒天:「どうも、名波勇吾という男が『鬼殺し』である可能性が高い、というのが今のところの情報だが…明治期の情報はデータの中にも殆ど残っていなくてな」
アラキ:「とりあえず、その名波勇悟という男を調べてみるか」
酒天:「頼む」
アラキ:「ちょっと待っててくれ」と言って鬼ヶ島の地下へ。
愛理:がらがら、と引き戸を開けて。「…こんにちは。すみません、○○学園の荒木明仁さんはこちらに来ていらっしゃいますか?」
アラキ:「え?」振り向いて「……げっ、巫薙!
酒天:「…アイゼン? …いや、違うのか…?」独り言。
愛理:「…やっぱり」溜息をついて。「もう…病気でもないなら、ちゃんと学校に来なきゃダメじゃないですか。はいこれ、先週と今週の授業のノートと宿題のプリントと補習の連絡です」分厚いノートの束を、鞄からごっそり取り出して(笑)。「先生が言ってました。このままだと荒木くん、進級も危ないそうですよ?」心底心配そうに荒木くんを見ます(笑)。
GM:ついに進級の危機がキターーー!(一同爆笑)
アラキ:陰謀だ〜(爆笑)。このままじゃ修学旅行にも行けない(笑)。
GM:そうですな〜(笑)。
酒天:そうだねえ。荒木が修学旅行に来れるのかどうかが一番気になるところ(笑)。
アラキ:「と、ところでどうしたんだ今日は?(この子はいいヤツなんだが、もう一人がなあ…)」ちょっと引きつりながら、古文書を背中に隠して。
愛理:「どうしたも何も…家に行っても、誰もいないし。よくこの店に顔を出すってクラスの子から聞いたので、こうして届けに来たんです」
アラキ:「いや、まあその、判ってはいるんだが……」GMが『行けない』って言ったんだから、しょうがないじゃないか〜!(一同爆笑)
GM:(視線をそらす)はは(笑)。
アラキ:「(補習か……出れるんだろうか?)」分厚い束を手に持ちながら。
GM:おやっさんに「これは今までの鍛え方じゃ、あの敵には勝てない」とか言われて、山で修行とか(笑)。
愛理:ますます授業に出られなくなる(笑)。
アラキ:あんまりだ〜(涙)。
酒天:おやっさん、特訓とか好きそうだからねえ(笑)。無駄にコンクリートとぶつかり稽古とかさせられたり(笑)。
アラキ:クレーンに吊り下げられて振り回されたり(笑)。
愛理:500段ほどもある石段を、ウサギ跳び&逆立ちで20往復とか(笑)。
GM:クレーン車の、鉄球を跳ね返して見せろとかね(笑)。
アラキ:あと、発声練習とか(笑)。

 正義の味方に命がけの特訓はつきものなのか…(ほろり)。まぁ、それはさておき。

愛理:「……あら?」店内を見回して、酒天に気づきます。そのまま無言で、じーっと酒天を見る。
酒天:「…何か?」
愛理:「…あ。いいえ、ごめんなさい」不躾だったことに気がついて、慌てて頭を下げます。
酒天:「(やはり、アイゼンではないか…)いや、気にしなくていい。人目を引くのはいつものことなんでな」
愛理:「…その。最近、あなたとよく似た人を写真で見たもので…」
酒天:「写真?」
愛理:「あ、いえ。人違いです、きっと! あ…でも…」言おうかどうしようか迷う。
アラキ:「(JABF隊員の酒天に、写真だって?)」ちょっと怪しみます。
酒天:「…何か、俺に関わる話なら、聞かせてもらいたい。あまり似た人間などいない方だから、おそらくその写真に出ていたのも本人だろう」
愛理:「それじゃ……あの…もしかして、『名波勇吾』さんってご存じないでしょうか?」恐る恐る、という感じで聞いてみます。
アラキ:「その名前、どこで!?」思わず言う。
酒天:「…名波、勇吾…だと? その名前、どこで聞いたんだ?」
愛理:「あの…ご本人からですけど。やっぱり、お知り合いなんですか?」少し希望が出たので、心持ち明るい表情で。
酒天:「会ったのは、ここ最近かい?」
愛理:「昨日です。行き倒れかけていたので、昨夜は家に泊まってもらったんですけど…」
酒天:荒木と顔を見合わせて「…この街にいるとなると…当たりの可能性が高くなってきたな」
アラキ:「って、泊めるなよ!」思わずツッコミ(笑)。
愛理:「だ、だって! 見捨てたり出来ないじゃないですか!?」本気で反論(笑)。
GM:ええ、娘や(笑)。
アラキ:「いや、だって……危ないだろうが、色々と……」たじたじになって。
酒天:「素直に人助けをしたことには感心する。だが、人を信じすぎると怪我をする場合がある、そう荒木は言いたいんだよ。君を非難してのことじゃない」
GM:大人だ酒天(笑)。
愛理:「…それは、まぁ。置き手紙でもそんなようなことが書いてありましたけど。でも本当に危ない人だったら、そんな事わざわざ書かないでしょう?」
アラキ:いや、危ないヤツと判ってからじゃ遅いだろうが……」小さな声で。
酒天:「で、その名波がどこに行ったかは、判るかい?」
愛理:「あの人、1週間近く何も食べてなかったんです。お金もないみたいだし……どこに行ったのか心配で…」そう言って、持ち歩いてた手紙を取り出します。
酒天:「…わかった。俺も、その男に用があるんだ。見つけたら、君にも知らせよう」
愛理:「そうですか? ありがとうございます!」ぺこりと頭を下げて。「…………」再び、じーっと酒天を見つめる。
酒天:「…まだ、何か?」
愛理:「…あ、いえ。あの…昨夜、写真を見た時にも思ったんですけど…」呟くように。「……ずっと前にも、お会いしたような気がするんです。ずっと、昔に…」具体的には、10年ほど前に(笑)。

 凄い具体的だな、おい。

アラキ:「(な、なんか二人の世界が発生している!)」思わず後ずさり(笑)。
GM:回れまーわれ、メリーゴーラン♪ もう、けして止まらないよーに♪(笑)
酒天:「…ずっと前、か。人に自慢して話せることは何も無いから、昔のことは忘れることにしている」
GM:…動き始めたのかな?(笑)
愛理:「…そう、ですか…」シュン、と沈んだ表情になる。無自覚ですが。
酒天:「希望に沿う答えでなくて、すまない」
愛理:「…いいえ。それじゃ、何か判ったら知らせて下さいね。これ、連絡先です」携帯の番号を渡します。
酒天:「ああ。わかった」
GM:動かなかったようだ(笑)。
愛理:もっと具体的に言うと、愛理は10年ほど前に『凄く怖い目』に遭ったのです。おそらく魔物絡みで。その時に助けたのが、酒天によく似た人か或いは本人だった、と(笑)。

 この辺の設定は、『魔弾の射手』プレイ後、『アイゼンが何故酒天にベタ惚れなのか』の理由付けとして考えました(笑)。
 変身中の記憶こそ残らないけれど、愛理の無意識はアイゼンの行動にかなり大きく反映されるのです。


GM:ほほう(にやり)。
酒天:まあ、それはいつか後姿で確信するとかにしてください(笑)。自分で言うと、格好悪い(笑)。
GM:漢だ。背中で人生を語る(笑)。
愛理:片思い、むしろ望むところです(笑)。「それじゃ…荒木くんも、また学校で」
アラキ:「ああ、わざわざありがとな、コレ」分厚い束を持って。
愛理:「…プリントの提出は、来週明けだそうですから」最後にそう言って店を出る(笑)。
アラキ:がーん! ……」しばらく固まる(笑)。
GM:ここで更に追い打ち…鬼ですか(笑)。
愛理:だってここは『鬼ヶ島』(笑)。
GM:ああ、そうだった(笑)。
酒天:「…大変だな、学生も」
アラキ:「…はっ、こうしちゃいられん。早く片付けて宿題に取り掛からねば!」
GM:その前に仕事が(笑)。
アラキ:いや、事件を片付けてから宿題に(笑)。
愛理:仕事と勉強、もはやどちらが本命なのやら(笑)。
GM:うーん、べ、勉強かな…?(笑)
アラキ:成績は悪くないんだよ〜(笑)。
GM:えっ!? そうだったの?(←心底意外な表情)
アラキ:キャラシーにはそう書いてます(笑)。知性は10あるんだぞ〜。
GM:あ、ほんとだ(笑)。意外に知性、高かったんだ(←失礼な奴)。
愛理:出席日数がひたすら足りない(笑)。鬼のローテーションはどうなってるんだろう(笑)。
アラキ:では、おもむろに地下から持ってきた資料で『名波勇吾』について調べます。
GM:技能は〈情報:裏社会/警察〉でどうぞ。
アラキ:〈情報:裏社会〉、情報屋込みで(ころころ)達成値15。

・名波勇吾
達成値5:明治14年生まれ。124歳。秋田県にて生を受ける。
達成値8:1905年に起きた日露戦争時に、致命傷を受けるも奇跡的に生き延びる
達成値10:その後、驚異的な回復力で数日後には完全に回復する。
達成値12:奇跡的に生き延びたのは、軍にあった『鬼の血』を輸血したため。その後、他の人間でも試したが、成功例は一度も無い。


GM:更に、次のことも一緒に判る。

・名波勇吾の足取り
達成値8:この街にいる『鬼』と『鬼使い』の情報を買っている。
達成値10:対象は10名。純粋に鬼の血を引いている者や鬼自身のみ。
達成値12:10人の内、7人は既に殺している。残るターゲットは『鬼来法眼』、『花樫陽火人』、『酒天』の3人のみである。しかし、鬼来法眼は現在九州の方に魔物を調伏しに行っているので、すぐに狙えるのは二人。


GM:以上です。これで、全ての情報が出尽くしました。
愛理:あぁ、法眼はどうするんだろうと思ってたら出張中なのね。それだと、残りは陽火人くんだけか。
酒天:大嶽丸かあ、考えてみれば、同じ場所に封印されていた仲なんだなあ。
愛理:大嶽丸は宝剣を《組織》に持ち出され、酒天は遺骨をJABFに…でしたっけ?
酒天:例の三大妖怪の遺骸は、全部宇治の平等院鳳凰堂に安置されているという話です。今も。
アラキ:「酒天は後回しにされるらしいから、後はこの花樫という少年だけか……」
酒天:「花樫陽火人、か。何者だ?」
アラキ:GM、『花樫陽火人』の情報は手に入りますか?
GM:では、〈情報:裏社会/警察/魔物〉のいずれかで。
アラキ:〈情報:裏社会〉で(ころころ)17。
GM:では、次のようなことが判ります。

 大嶽丸……かつて都を騒がせ、3本の宝剣を操り3万の軍勢をも退けた、最強の鬼の一人。
 だが、帝の勅命を受けた藤原俊宗と天女である鈴鹿御の策略により宝剣を奪われ、封印された。

 やがて時は流れ、その封印も破られる時が来る。
 今から16年前、イギリス博物館に3本の宝剣が海上輸送される途中で、船が嵐に遭い沈没。
 宝剣の中に封じられていた大嶽丸は、奇跡的にただ一人生き延びた赤ん坊へと取り憑いた。

 ―――そして、現在。奇跡的に生き延びた赤ん坊は、一人の女性に引き取られる。
 その女性の名は『花樫 美鈴はながし みすず 』といい、赤ん坊に陽火人と名づけて実の子のように可愛がった。
 陽火人は大嶽丸という『鬼』に取り憑かれていることも気付かず、平穏な人生を歩んできた。

 しかし、遂にその平穏も終わりを告げた。
 大嶽丸の妖力が徐々に回復し、魔物たちは大嶽丸の存在に気づいたのである。
 魔物たちは大嶽丸の宝剣を狙い襲ってきた。陽火人は大嶽丸の力を使い、何とか魔物を撃退することに成功するが、その後も大嶽丸の宝剣を狙ってやってくる魔物は後を絶たず、陽火人は望まぬながらも戦い続ける。
 そんな、いつ果てるとも判らぬ戦いの中、陽火人は裏で糸を引く存在に気づく。
 大嶽丸の宝剣を手に入れる…ただそれだけのために、500人以上もの死者を出した海難事故を引き起こした存在―――それが《組織》の幹部、《僧正》だと判った。陽火人は《僧正》を…《組織》を倒すため、その行方を追っている。


GM:―――以上。ちょっと長いな(笑)。
愛理:…って。キャラシーのプロフ、そのまま読み上げたわね(笑)。
GM:ええ、考えるの面倒だったので(笑)。
アラキ:プロフィールを見て。「……後輩じゃないか、コイツ」
酒天:「…大嶽丸、か。奇遇というか何と言うか」
アラキ:「つまり、コイツを護衛すればいいんだな。学校へ行って!」後半を強調(笑)。
酒天:「そのようだな。…では、学校の方は荒木に任せよう」
GM:遂に、荒木の登校シーンが見られるのか!?(笑) 本舗初公開! 荒木の登校を取材班は見たぁーーー!(爆笑)
愛理:いえ、今まで一度もなかったわけではないのだけど(笑)。
GM:あれ、そうなの?残念(笑)。
愛理:少なくとも一度、『22:00の伝説』(*リプレイ第14話の冒頭で学校に行ってたはず…授業受けてるシーンはなかったけど(笑)。
GM:知らなかった、てっきり一度も登校したことが無いものとばかり…(←勝手な思い込みだ(笑)。
アラキ:もう少しあるはず。あと1、2度(笑)。
GM:どっちにしても…少ない(ほろり)。
アラキ:ボスの復讐対象になったのは3回もあるけどな(笑)。
酒天:うち2回、俺がGMでしたっけ(笑)。
愛理:狙われやすいんだねぇ、アラキくん(笑)。…ところで、やられた吹雪鬼…というか、荒雷鬼と同系統の『鬼』は血脈由来の鬼じゃないよね。本当に勇吾さんに襲われたのかしら?
アラキ:うむ、その辺が判らない。
酒天:ディスクアニマルは本質が『式神』だから、イコール『鬼』と判断されたのかな。
アラキ:7人は既に殺されていて、生きているのは3人だから……駆けつけてやられたのか、吹雪鬼さん(笑)。
愛理:ん? 吹雪鬼は単に駆けつけて巻き込まれただけ?(笑)
GM:そうです(笑)。では、シーンエンド。絆などがあればどうぞ。
アラキ:絆は愛理に心配で(笑)。
愛理:酒天に絆/純愛を。アイゼンは実質出てないけど(笑)。
酒天:愛理…アイゼンで取っているのでなし。ほとんど別人だけど(笑)。
愛理:ところで、アラキくんはアイゼンの正体、知ってることにするの?
アラキ:知っているような発言をしてしまったので、その方向で(笑)。
愛理:酒天は愛理と話すの今回が初めてだけど、アイゼンとの関係は知ってるのかな? なんか、気づいてないようなロールプレイだったけど。
酒天:知らない方向でいくと思います。誰かにアイゼンが憑いているのは知っていても、誰かは知らない、と。
愛理:なるほど。それじゃアラキくんは、偶然にもアイゼンが変身する場面に居合わせたって事で(笑)。
アラキ:了解です。

▼絆/エゴの変化
愛理:
酒天に絆/純愛を取得。
アラキ:愛理に絆/心配を取得。



GM:では、次のシーンプレイヤーは……誰でしたっけ?(笑) 確か、酒天ですよね?
アラキ:前のシーンプレイヤーはアラキでした。
GM:すいません。では、酒天です(笑)。荒木は同行でよろしいんでしょうか?
酒天:ミドルは愛理、酒天、荒木の順番だったから、それで言うと愛理じゃない?
GM:あれは、変則でああしたので、本来ならば酒天なんですよね。愛理は先に何かやっておきたいことがありますか? あれば、先に愛理に回しますが。
愛理:その前に一つ質問。確か、「情報収集は全部終わった」みたいなことを言ってたけど、それは『このシナリオ全体で用意した情報を出し終えた』って事?
GM:そうです。
愛理:そうすると…後は判定無しで、集めた情報を付き合わせて分析するだけなのかしら。
酒天:俺、一つ調べ抜かしたことがあると思っていたんだが。
GM:ん? 何でしょう?
酒天:小枝のその後について。俺が会った鬼は、確か復讐云々言っていたはずなんだよ。勇吾が犯人なら、小枝か或いはそれに準ずる人間が『鬼』に殺されるか何かしているはずなんだが、調べ忘れた。
アラキ:ああ、そういえば小枝は調べてませんでしたね。
愛理:それなら…たぶん想像つくわ。
GM:ああ、小枝のことはそういえば、調べていませんでしたね。小枝の情報は確かにありました。すっかり忘れていた(汗)。
愛理:あ、そうなの? じゃあそっちの情報収集が先ね。
GM:では、どうしましょうか? 愛理が先に動きますか? それとも酒天にしますか?
愛理:うーん、それじゃあたしが先にやる?
酒天:任せます。…酒天が調べても失敗しそうで(笑)。
GM:では、愛理からと言うことで(笑)。
アラキ:調べる時は同行しよう(笑)。
愛理:それじゃ、あたしが出ましょうか。まずは愛理のままで。



●シーン7 『二つの疑問』  シーンプレイヤー:巫薙愛理  登場難易度:自由

○街中/夕刻

GM:それでは、行動方針を宣言してください。
愛理:状況は…勇吾さんを捜すつもりなんだけど。見つかります?
GM:見つかりませんね。では、愛理は勇吾に『小枝』と呼ばれたことを思い出します(笑)。
愛理→アイゼン:それじゃあ日も暮れて、諦めて帰ろうと…(がらっと口調を変えて)…したところで、アイゼンに交代するわ(笑)。
GM:アイゼンは、自分の意思で好きな時に出てこれるんですね(笑)。
アイゼン:そうじゃないと、さすがにPCとして使えないもの(笑)。
GM:確かに(笑)。これで『人間時でもお互いに知り合いではない』という謎が解けました(笑)。
アイゼン:で、鬼ヶ島での会話は頭に入ってるので。詳しい話を聞くためにアラキを待ち伏せるわ(笑)。
GM:うぃ(笑)。


○駐輪場/夜

GM:では、待ち伏せされた荒木さん、登場してください(笑)。
アラキ:らじゃ。「あ〜、えらいモンを押し付けられたもんだ……」手に宿題の束を抱えて、停めていたバイクのところへ(笑)。
アイゼン:「荒木くん…言い忘れたんですけど。プリントのうち、数学のは明日が締め切りですよ」と、暗がりから声をかける(笑)。
アラキ:ぎえ! ってだ、誰だよ!?」慌てて振り向く。「…巫薙、二重に心臓に悪いじゃないか」
アイゼン:眼鏡を外して三つ編みを解き、全体的に派手な印象になった姿で近づいてきます。
アラキ:「ああ、今はアイゼンかよ……(またやっかいなヤツが…)」
アイゼン:「―――隙だらけね、荒木くん? 鬼のホープとしては頂けないわ…」愛理の顔で妖艶な微笑みを(笑)。
アラキ:「鬼のホープねえ……『鬼殺し』にとってはバッタモンらしいけどな」肩をすくめる。
アイゼン:「早速だけど、『鬼殺し』の話は聞かせてもらったわ。こちらにも関わってきそうだから…協力できるかと思ってね」
アラキ:「こっちは構わんが……いいのか?」
アイゼン:「まぁね。…放っておけないもの」
アラキ:「お前はともかく、巫薙には辛いことになるかもしれないぜ」
アイゼン:「出来るだけ、そうならないように動いてみるつもりだけどね。愛の女神としては、黙ってるわけにもいかないの」
アラキ:「わかった、なら俺もなるべくクラスメイトを悲しませないようにしよう」
アイゼン:「頼りにしてるわ、酒天の次にねv」
アラキ:「ははは…(まあ、一番と言われると、それはそれで大変なことになりそうだから、まあいいか)」
アイゼン:「…で、詳しい話を聞きたいんだけど?」
アラキ:では、中での話を聞かせます。「…ただ、そこまで鬼を恨む動機がイマイチ判らないんだけどな…」
アイゼン:それで、小枝以外の情報は全部出尽くしてるんだったかしら?
GM:はい、出尽くしています。
アイゼン:二つ疑問だったんだけど…それは後でいいか。まずは、小枝の情報を調べてみる。判定は何?
GM:〈情報:噂話/裏社会〉で。
アイゼン:〈情報:噂話〉&情報屋で。(ころころ)15ね。
アラキ:こっちは〈情報:裏社会〉で(ころころ)14。

・沼田小枝
達成値5:名波勇吾の幼馴染で、勇吾の婚約者。両親を早くに亡くし、勇吾の家で共に育った。
達成値8:戦争から帰ってきた勇吾と共に姿を消す。
達成値10:勇吾の子供を身籠もるが、2年以上生まれずに腹の中にいた。
達成値12:勇吾の子供は出産時に小枝の腹を突き破って産まれたため、小枝は死亡した。その赤子を、勇吾は自らの手で殺した。


GM:この情報は、これで全てです。
アイゼン:「愛した女が死んで、赤子を自分の手で殺した。そして自分は永遠に生き続ける…それも全部、『鬼の血』のせいってわけか…」
アラキ:「やりきれんなあ……」
アイゼン:「気持ちは…解らなくもないわね。やってることには頷けないけど…」
アラキ:「まあな……」何かを思い出すかのような苦い表情で。

アイゼン:これで、判定で得られる情報は全部出てるのよね? 二つほど、ずっと疑問に思ってたことがあるんだけど。
GM:はい、どうぞ。
アイゼン:…直接聞いていいの?
GM:勇吾にですか?
アイゼン:いえ、GMに。「どうぞ」っていうから(笑)。駄目なら、キャラの台詞として疑問を提起するけど。
GM:ええ、それはもしも判定が必要だと思ったら急遽情報を作るので、とりあえず言ってみてください(笑)。
アイゼン:判定は要らないと思うのよね。今までに出た情報を付き合わせて分析しただけだから。
GM:どんなことが疑問でしょうか?

アイゼン:「…でも、二つほど奇妙なことがあるわね」ぽつり、と呟く。「…まず一つ。小枝が死んだのは数十年前なのに、どうして今さら『鬼殺し』なんか始めたのか」
GM:ああ、なるほど。それは、勇吾に直接聞くしかないですね(笑)。
酒天:うん、それは気になった。明治期に生きていたはずなのに、いきなり今になって復讐が始まった理由。
アラキ:「何か、きっかけがあったってことか……?」
アイゼン:「情報は砂金で買ったんだろうけど…何故、この数ヶ月で情報が集まったの? 言い換えると、“誰が”勇吾に鬼たちの情報を売ったのかしらね?」

GM:鋭いな……。
アイゼン:GMが「考えてませんでした(笑)」とか言ったら、どうしようかと思ったんだけど(笑)。

アラキ:「確かに、酒天の写真なんてそうそうあるワケないしな……」
アイゼン:「酒天が甦ったのも、ほんの10年くらい前だものね……で、結論。『鬼殺し』自体は勇吾の意志かもしれないけど、裏でけしかけている“誰かさん”がいるんじゃないかと思うわ」
アラキ:「黒幕か……」
アイゼン:「二つ目は……今はいいか。言っても仕方ないし、今さら確かめようもないからね…」遠い目をする。
アラキ:「なら言うなよ、気になるじゃないか」苦笑。
アイゼン:「悪いわね、けどこればっかりは…“当の本人も知らない”と思うから」
アラキ:「はあ……?」イマイチ納得がいかない表情で。
アイゼン:「…じゃ、これからどうしましょうか?」故意に話題を切り替える(笑)。
アラキ:「そうだな…とりあえず俺は学校で、花樫というのを護衛してみよう。まさか学校では襲ってこないだろうが、体育で校外マラソンとか始まらないとは限らないからな」
アイゼン:「愛理の下級生だったわね。そっちは任せるわ、あたしが付きっきりになるわけにもいかないし」
アラキ:「そっちはどうするんだ?」
アイゼン:「あら、『巫薙愛理』は真面目な女子高生ですもの。…授業に出てるに決まってるじゃない(笑)」
アラキ:「うらやましい……(涙)」(笑)
GM:そして、荒木は学校にいても出席扱いにはならず(笑)。
アラキ:ちゃんと授業に出ますよ。DAに見張りさせて。ちなみに〈助手:知覚〉相当(笑)。
GM:おお、その手があったか。便利だ、ディスクアニマル(笑)。
アイゼン:不可視モードのディスクアニマルに監視させるのね(笑)。
アラキ:どうせ、学校の中でつきっきりでガードとかはできないし。本当に校外マラソンとかあったら抜け出すけど(笑)。
GM:そうですよね。男が男を四六時中見張る……あらぬ疑いがかけられそうだ(笑)。
アイゼン:“一部の女子”が喜びそう(笑)。
酒天:そんな、石動宗一郎とおやっさんのような(笑)。
GM:こら待て、あらぬ疑いを広げるな!(笑) …でも、この組み合わせだと女の人たちはまず喜ばないな(笑)。

 実は、そんなこともない。世には『オヤジ×オヤジ』や『オヤジ×ショタ』を好む層も…げふげふ。
 冗談(?)はさておき。おやっさんは筆者未参加のセッションで宗一郎と面識があり、その健啖家ぶりを気に入った…というのが真相です。


GM:では、シーンエンド。絆などがあれば、どうぞ。
アイゼン:えぇと、じゃあ勇吾の絆を献身に変更。小枝に共感を取得します。
アラキ:鬼殺しへのエゴを絆/同情へ変更します。

▼絆/エゴの変化
愛理:
名波勇吾への絆を献身に変更。沼田小枝に絆/共感を取得。
アラキ:鬼殺しへのエゴを絆/同情に変更。



●シーン8 『謎の黒幕』  シーンプレイヤー:酒天  登場難易度:自由

GM:では酒天、行動方針を聞かせてください。
酒天:学校へは行けないんで、名波勇吾が最近接触した人間など、洗えるものなら洗っておきたいところです。
GM:ふむ……では、〈情報:噂話/裏社会〉で。
酒天:〈情報:裏社会〉で(ころころ)達成値11。出目自体は悪くないが、いかんせん能力が…。情報屋だけでも取得しておこう。
GM:では、次のようなことが判ります。『宇喜多時次郎』という人物と会っていますね、1年ほど前に。
愛理:あ、新しい名前が。
酒天:ほう、新しい名前だ。
GM:それまでは、人との関わりを避けて勇吾は山奥で住んでいました。以上です。
アラキ:バイクで酒天を追いかけて登場してもいいですか?
GM:どうぞ。
アラキ:では、バイクで登場。「お〜い酒天、新しい情報が入ったぜ」
酒天:「ああ、荒木か。こっちも、名波の行動に関連しそうな人間を見つけたところだ」
アラキ:前のシーンで得た情報を話します。アイゼンのことは伏せて。
酒天:では、こちらも宇喜田のことを話しつつ。「山にこもっていたはずの名波を、人里に引っ張り出した男らしい。何か関連していると見ても、おかしくなかろう」
アラキ:「宇喜多時次郎か……こっちでも調べてみるか」宇喜多について調べたいのですが。
GM:〈情報:噂話/裏社会〉で、どうぞ。
アラキ:では、〈情報:裏社会〉+情報屋で(ころころ)13。
酒天:こっちも振るだけ振ってみよう。(ころころ)12だ。

宇喜多 時次郎 う き た ときじろう
 謎めいた、初老の紳士。人の『心の闇』を刺激し、暴走させる謎の男。
 日本人の姓を名乗っているが、見方によっては外国人と言われても不思議と納得できる顔立ちをしている。
 神出鬼没で何処にでも現れるが、何処にいるのかは誰も知らない。
 突飛な噂では、『彼は宇宙人で、普段は宇宙船にいる』とも言われている。


GM:以上です。
酒天:…また、おかしなのが出てきたなあ。
愛理:エトランゼ/デーモン…?
アラキ:「また変なのが出てきたな……」困惑顔で。
酒天:「黒幕と言われれば、そのようだが…これでは手がかりなしと変わらんな」
アラキ:「結局、名波に直接確かめるしかないか……」
酒天:「…それしか無さそうだ。とにかく、次の標的になりそうな者を張るしかないようだな」

▼絆/エゴの変化
酒天:
宇喜多時次郎にエゴ/疑惑を取得。
アラキ:宇喜多時次郎にエゴ/疑惑を取得。



●シーン9 『復讐鬼』  シーンプレイヤー:荒木明仁  登場難易度:自由

○高校の教室


GM:荒木は今、至福のひと時を過ごしています。なぜなら…学校で授業を受けているからです!(一同爆笑)
アラキ:「(久しぶりの授業、これぞ学生の本分!)」感慨に浸りながら授業を受けています(笑)。
GM:ディスクアニマル達に、花樫の張り込みをさせているんですよね?
アラキ:はい。あと、周囲の警戒ですね。
愛理:初めて見るわねー、アラキくんの授業風景(笑)。
酒天:うむ。よかったね、荒木(ほろり)。
アラキ:まあ、普通授業のシーンなんてやらないから(笑)。
GM/教師:「おお、荒木! よく来たな…それで、今日までのレポートはちゃんとやってきたか?」と数学の先生(笑)。
アラキ:「な、なんとか」疲れ果てた声で(笑)。
愛理:あ、数学のレポート締め切り、本当に今日になってる。冗談だったのに(笑)。
アラキ:じゃあ、進級が危ないのも冗談だよね?(笑)
愛理:(しれっと)うぅん、そっちは本気。その台詞言ったの、愛理の方だもん(一同爆笑)。
アラキ:ギャー!!(大爆笑)
酒天:素敵な学生生活だ(笑)。
GM/教師:「よし、じゃあ授業を始めるぞ。その前に出席をとる。東…」と授業はつつがなく終了し、放課後だ。
アラキ:では、陽火人を尾行しよう。


○街中/夕刻

GM:DAディスクアニマルに反応! 花樫に付かず離れずに、尾行する人物が一人。監視に気付いたのか、石つぶてを放ってDAを破壊した映像が映っている。その人物は…名波勇吾だ。
アラキ:「ちっ、出やがったか」名波を探します。
愛理:…DAは破壊されたら画像見れないのでは? 確か、元ネタでは回収した後で映像を見てたような(笑)。
酒天:それを別なDAが記録していた、とか?
アラキ:常に複数で行動しているんですよ(笑)。
GM:一匹でも戻ってくれば、大丈夫。戻ってきた奴以外が破壊されて、その映像を見ていた別の奴が戻ってきたのだ(笑)。
酒天:ともかく荒事が始まりそうなら登場しよう。
アラキ:では、酒天に連絡を入れたことにしておきます。


○路地裏/日没時

 気弱そうな少年は、何も知らぬ様子で歩き続け…やがて、人気の無い路地裏で立ち止まった。
 振り返った少年―――陽火人は、思いのほか意志の強い眼差しで、尾行していた名波勇吾を見据えた。

「…僕に、何か御用ですか?」
「いや……用があるのは、お前の中にいる『鬼』だ」

 それを受けて、陽火人の“腹”の辺りから愉快げな男の声が響く。

「ほう…わしに用とはのう。その只ならぬ殺気からして、わしの宝剣を奪いに来たのか?」
「違う。大嶽丸…貴様の命だ!」
「ほう? わしの命ときたか、面白い…」

アラキ:駆けつけて登場。「待ちやがれ! 鬼殺し!」
GM/勇吾:「何者だ…!?」
アラキ:「“鬼”だよ……」不敵に笑う。
GM/勇吾:「鬼だと…? しかし、貴様の発する氣は人のもの…」
アラキ:「鬼としてはイロモノでキワモノでパチモンなのさ」ラ○ダーとしてもな(笑)。「あんたが倒した『吹雪鬼』さんの仲間でね」
GM/勇吾:「…吹雪鬼? 悪いが、いちいち殺した鬼の名前など覚えてはいない」
酒天:俺も登場。「―――悪いが、もう鬼殺しはさせん」
GM/勇吾:「ほう、順番が待ちきれずに出てきたのか?」
酒天:「貴様にそれ以上、同族を殺させるわけにはいかないんでな…」
GM/勇吾:「そうか、ならば貴様らから片付けてくれる!」
アラキ:「来るか!」


愛理:(舞台裏にて)えーと…ところで、もしやクライマックス?
GM:次のシーンに切り替わると、クライマックスシーンです(笑)。
愛理:むー……どうしようかなー?
アラキ:「やめてー!」と言って止めに入るべきでは?(一同笑)
愛理:今、全員人間の姿?
酒天:ですね。
アラキ:まだ人間(笑)。
GM:勇吾も人間状態です(笑)。
愛理:まぁ、良い感じに盛り上がってるからなぁ。ここで出るよりクライマックスに入ってから登場しようかしら(笑)。


酒天:「鬼殺し…名波勇吾に間違いないな。目的は、復讐と言っていたな」
GM/勇吾:「そうだ、これは正当な復讐だ! 鬼の血は忌むべきもの! だから、鬼の血はこの俺が一滴残らず消し去る!!」
酒天:「正当だと? …復讐をしようとする貴様の気持ち、解らなくは無い。だが、それでもお前は間違っている」
アラキ:「正当な復讐なんて存在しねえ! 貴様のやっていることは、復讐ですらない単なる八つ当たりだ!」
酒天:「確かに、鬼の血は、お前の大切なものを奪ったかも知れん。だが、それは、今この地で生きる鬼たちの罪か? 人の中に隠れ潜み、現在までようやく生き延びてきた鬼たちの罪であるというのか? 無辜の鬼たちを殺すというのなら、俺も容赦はせん。貴様は既に復讐者ではなく、殺戮者だ」
アラキ:「貴様は止める。“鬼”としてな」
GM/勇吾:「……黙れ、黙れ黙れ! 貴様達に俺の気持ちが解ってたまるか! 愛する妻に死なれ、息子をこの手で殺し、家族や友人達は老いて…みんな死んでいった。なのに俺は、俺だけはあの日の姿のままだ。俺が一体何歳に見える? 124歳だぞ! ……俺は、間違ってなどいない。もし俺が間違っていて、貴様が正しいと言うのであれば…戦って証明して見せろ!」
酒天:「…それは貴様のエゴに過ぎん…。殺されていった者に、貴様の言い分がどう響く。遺された者にどう響く。貴様と同じ苦しみを味わってきたのは、貴様一人ではない。『鬼』という種族が背負ってきたものも判らず、尚も殺すと言うのなら…いいだろう。望み通り、戦いで証明してくれる」
GM:おお、かっこいい!
アラキ:「愛する者を失う痛みなら知っている! だが、その悲しみを八つ当たりでしか晴らせない貴様の行動を、認めるわけにはいかない!」
GM/勇吾:「ならば、俺を見事止めてみせるがいいっ!」
愛理:二人とも熱いねー。
アラキ:…そういえば、陽火人はどこへ行った?(笑)
GM:えぇと……狸の置物と化しています(一同笑)。

▼絆/エゴの変化
酒天:
鬼に絆/守護を取得。
アラキ:弱者へのエゴを絆/守護に変更。


 

■クライマックスフェイズ■


●シーン10 『鬼殺し』  PC全員登場

▼ラウンド1

GM:愛理はアイゼンで登場してくるんですよね?
愛理:そのつもり。
GM:では、勇吾は鬼の姿に変わります。こちらの行動値は8です。
アラキ→荒雷鬼:セットアップに《コスチューム》で変身します。こちらも鬼の姿に。
酒天:エンゲージは?
GM:荒木と酒天は一緒ですね、狭い裏路地ですから。陽火人と勇吾はエンゲージしています。勇吾に接敵するには少し離れているので、戦闘移動で近づいてください。

 現在のエンゲージ:(陽火人・勇吾) (酒天・アラキ)   *愛理は(まだ)シーン外

GM:では、アイゼンどうぞ! まずは登場から(笑)。

「―――天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ…」
 いつの間にか雷雲に覆われた、今にも泣き出しそうな空模様の下…少女の声が静かに響いた。

「この世に哀しみある限り……無垢の祈りが
を呼ぶ」
 振り仰いだ屋根の上には、弓を携えて凛と佇む――――美貌の女神。


愛理→アイゼン:「―――愛の狩人・アイゼン。祈りに応えて、ここに参上したわ…」
荒雷鬼:「相変わらず、俺より派手だ……」(笑)
酒天:「アイゼン? なぜ、ここに?」
GM:おお、登場の派手さがまるで『仮面ライダースト○ンガー』のようだ(笑)。
アイゼン:これでも今日はテンション低いのよ?(笑)
GM:そうなんだ?(笑)
酒天:前回はアイゼン登場シーンで皆が吹いた(笑)。セッション後も久川さん
(*三村アンリのPL)には大打撃を与えていたようだし(笑)。
荒雷鬼:そんなに強烈だったのか(笑)。
GM:そんなに凄かったんだ、見たかったな(笑)。
酒天:状況が状況で、本当に変身ヒロインしていたため、凄いハマリ方をしていました(笑)。

 そ、そこまで言われる程かなぁ? …まぁ、実際にどんなだったかはリプレイ第25話を参照で(笑)。

アイゼン:「…『鬼殺し』さんに一つ訊くわ。目的は『復讐』…ただそれだけ?」
GM/勇吾:「君は……ああ、その通りだ。そうしなければ俺の妻も息子も、あまりに報われなさ過ぎる……」
アイゼン:「鬼の血を輸血したのは軍の人間だと聞いたわ。彼らへの恨みはないのかしら?」
GM/勇吾:「それは…勿論ある。だが、その当時の人間達は既に死んでしまっている。復讐のしようがない」
アイゼン:「あなたが鬼を殺そうとするのは…これ以上、自分のような存在を生まないため、じゃないの? 全ては『鬼の血』があったから…だと」
GM/勇吾:「そうだ。それが、俺が鬼を狩る、最大の理由だ」
アイゼン:(嘆息して)「…やっぱり、ね。―――だけど、その“前提”が間違っているとしたら?」
GM/勇吾:「間違っている…だと?」
アイゼン:「あなたは軍で実験同然に『鬼の血』を輸血されて、瀕死の重傷から甦った。けれど、“他に成功例は一つもない”…そうだったわよね?」
GM/勇吾:「…ああ、そうだったらしいな。だからと言って、この先も絶対に成功しないとは限らない。そして、俺という成功例があることを知れば、人間の中には研究しようとする奴らが出てくるかもしれん。ならば、その元である『鬼』を滅ぼすしかない!」
アイゼン:「…もう一つ訊くわ。『鬼来法眼』という鬼を、知っている?」
GM/勇吾:「ああ、知っている。それが、どうかしたのか?」
アイゼン:「彼は学生の頃、唐突に自分の血脈に目覚めた。それまでは自分を人間だと思っていたし……事実、彼の両親も普通の人間だったわ。彼は…“先祖返り”だったからね」
酒天:おお、そう来た!
GM/勇吾:「……ッ!?」
アイゼン:「…解ったみたいね。どうして“貴方だけが実験に成功した”のか、答えはそれよ」
GM/勇吾:「ならば…この先にも人間の中から、ある日突然『鬼』になる者が現れるというのか…? それならば、俺のやっていることは…」
アイゼン:「そう―――そして“貴方自身も、元から鬼の血を引いていた”…先祖返りだった。貴方の行為は、ただの八つ当たりでしかなかったのよ…」哀しげに目を伏せる。
荒雷鬼:そうだったのか(笑)。
アイゼン:これが、2点目の疑問だったの。
GM/勇吾:「……嘘だ。信じない…仮にそれが本当だったとしても、俺はもう今さら引き返せない! それを認めてしまえば、俺は、俺は……うおおおおおっ!!」やばい、完全にこっちの負けモードだ(笑)。
アイゼン:「…哀しい『人』よ、貴方は。せめて…あたしの愛で、逝かせてあげる…」弓矢をつがえます。
荒雷鬼:「逝かせてやるよ、愛する者の所へな」悲しげに語り、剣を構える。
酒天:「…来い」ただ、それだけ言って、身構えよう。


GM:
か、かっこいい! 女性キャラで、ここまで格好いいと思える場面を初めて見た!(笑)
アイゼン:まぁ実を言えば…2点目の疑問が真実かどうかは、あまり重要じゃないの。肝心なのは、『勇吾に対して説得力があるかどうか』だから。
GM:真実は闇の中(笑)。
アイゼン:うん。だから「当の本人にも判らない」って言ったのよ(笑)。…揺さぶりは、取りあえず成功したかな?
GM:かなり、沈没寸前くらいに揺れております(笑)。
アイゼン:アラキの問いに答えなかったのも、そのせい。事前に言っておくよりも、本番でいきなり話した方が衝撃が大きいと思って(笑)。
GM:正直、GMそこまで考えていませんでした。思わず眼から鱗が(一同笑)。
アイゼン:私も正直、GMがそこまで考えてたかどうかは疑ってたんだけどねー(笑)。法眼を知ってたようだし、説得に使えそうだと思って話題を温存しておいたの(笑)。
GM:なるほど。確かに、ここで言われるのが一番インパクトがあるところですね(笑)。

 現在のエンゲージ:(陽火人・勇吾) (酒天・アラキ)   (アイゼン)

アイゼン:それじゃマイナーで《神性介入》、メジャーで攻撃しますけど。問題なければ。
GM:どうぞ。
アイゼン:「ラ・ガラサ!」《大小拵え》でCrt値10の2回判定、(ころころころ)クリティカル!
GM:ぶっ!? まずかわせないけど、一応判定(ころころ)ダメージどうぞ。
アイゼン:(ころころ)35点の〈光〉ダメージ。神速で放たれた2本の矢が、勇吾の胸板を貫くわ。
GM/勇吾:「グッ、オオオオオ!」胸に刺さった矢をそのまま一気に引き抜く。まだ、魔獣化はしない。「……認めない。俺は認めないぞ」
酒天:次は俺と荒雷鬼が同時だね。どっちから行こうか。
荒雷鬼:先行っていいですか?
酒天:どうぞ。
荒雷鬼:ではマイナーで《加速装置》《戦闘形態》移動してエンゲージ。メジャーで攻撃。(ころころ)達成値23。
GM:(ころころ)喰らった。ダメージどうぞ!
荒雷鬼:オートで《期待の星》、(ころころ)35点の〈光〉です。
GM:さすがに、その一撃を喰らうと魔獣化しますね。HA《超魔の命》、AGP10点使用。「ぬおおおお! まだだ…まだ、終わるわけにはいかない!」
酒天:では、普段言えないようなことでも言いつつ戦うことにしよう(笑)。
GM:おお、どんとこい(笑)。
アイゼン:頑張ってー(笑)。
酒天:とりあえずは判定してから喋ろう。外すと格好悪い(笑)。
GM:そうだね(笑)。
酒天:マイナーで《加速装置》《戦闘形態》、移動して殴る。(ころころ)24で。
GM:(ころころ)16で命中!
酒天:「名波勇吾…貴様には、俺が拳を振るう理由が解るか」
GM/勇吾:「貴様の同胞を守るためじゃないのか?」
酒天:「俺は、故郷と仲間と…愛するもの、守るべきものの全てを同時に失った。自らの命も、だ。今、こうして蘇っているのは、人間が俺という存在を復活させたからに過ぎない。人間を恨みもしていた…お前のように復讐を考えたことも、一度や二度ではない。だが、復活した俺の最初の任務で、一人の子供を助けた時に…俺は理解した。腕の中で震えるこの命を守るために、俺は戻ってきたんだ…と」
GM/勇吾:「……」
酒天:「そして、滅んだはずの鬼たちが、まだ生き延びてくれていた時の喜びが貴様に解るか。あの大殺戮の時代を生き延びた、我らが同胞の姿を見た時に…失ったはずの希望を取り戻した、俺の気持ちが。俺の死後も使命を引き継いでくれていた、現代の『鬼』たちを見た時の気持ちが、お前に解るか」

「―――みな、未来への希望だ。過去を生きてきた俺が、命をかける理由だ。
 彼らのためならば、復讐の念を捨てよう。俺の第二の生は、そのためにある。
 俺は、未来ある者のために、同胞のために生き、そして死ぬ。
 復讐を捨てると決めた俺を……死んだ仲間たちも、責めはすまい」

 旧き『鬼』の頭領は、ずいと足を踏み出した。気圧されたように後退る『鬼殺し』。
 勝敗は誰の目にも明らか。だがそれは、生きた歳月の差でも、ましてや格の違いなどでもなく…。
 ただ、『未来に立ち向かおうとする者』と『過去に縛られた者』の……生きる信念の差ではなかったか。


酒天:「俺は…貴様を止める。お前を愛した者は、果たして、今のお前を見て何と言うか、お前に答えられるか。小枝という娘が愛したのは、そのようにやり場の無い怒りを、運命と自らの血にぶつけるような男だったのか。…今のお前が、失ったものに誇れる自分かどうか、己に問うてみろ」…と、考えておいた分、吐き出した(笑)。
アイゼン:格好良かったですv
酒天:普段言えない&言わないことを吐き出してみました(笑)。相手が鬼だったんで。
荒雷鬼:ふと思ったのですが…アラキたちは『酒天の仲間の魂』を憑依させて変身している、という設定はどうでしょう?(笑)
酒天:おお!(笑)
アイゼン:…格好いいかも(笑)。
荒雷鬼:今の酒天のセリフで思いついた(笑)。
GM:おお、それはかっこいいですね! 地球ドミニオンを守る英霊の力を、その身に宿して戦う!

 うんうん、いいネタ拾っちゃった。密かに次のセッションで使わせて貰おう…と企むPLがここに一人(ぉ

酒天:では、一撃ぶちかまします。(ころころ)55点の殴り。
GM/勇吾:「……わかっていたさ。自分が間違っているってことくらい……だが、あいつが、時次郎の奴が俺の心の中に眠っていた憎悪を呼び覚ました。…正直、驚いたよ。自分の中にこれほどの怒りが眠っていたなんてな。解ってはいるつもりだった……だが、もう、どうにもならないところまで俺は来てしまった。ならば今より、俺は人の心を捨てよう。人々が信じる伝承の中の悪鬼羅刹と成り果てよう。そうすれば、この苦しみからも……ゴオォォオッ!!」酒天の攻撃を喰らいながら、こちらも拳を打ち返す! 《念動剣》に《魂狩り》、その他諸々を重ねて…(ころころ)命中は17!
アイゼン:イレギュラー/デーモンかー。
酒天:…あえて避けない方向で。
GM:漢ッス! では、ダメージ行きます。(ころころ)37点の〈斬〉ダメージ!
酒天:その一撃を喰らいつつ。「…どうした…? この程度では、悪鬼羅刹になど程遠いぞ! お前がなりたいものは悪鬼羅刹か…違うはずだ!!

 現在のエンゲージ:(陽火人・勇吾・酒天・アラキ)   (アイゼン)


▼ラウンド2

GM:では、次のラウンド。セットアップ、こっちはなし。では、アイゼンどうぞ!
アイゼン:「…一つ、昔話をしましょうか」屋根から降り立つ。「―――以前、魔物に襲われた女の子がいたの。その子は凶悪な魔物に捕らえられて、殺されるところだった」
GM/勇吾:「…グルルルル」首をアイゼンに向ける。
荒雷鬼:ミドルでの伏線が明らかに(笑)。
酒天:うむ(笑)。
アイゼン:「…そこにね、助けが現れたの。とても大きい男の人で…その人は目の前で『鬼』に姿を変えたわ。その姿はとても怖かった…けれど、魔物から身を挺して庇ってくれた胸は暖かくて。その瞳はとても優しかったわ…」
荒雷鬼:ひょっとして、酒天が初めて助けた子供?
酒天:愛理の話に乗っかって、そこは作りました(笑)。
GM:すげー、繋がってる(笑)。
アイゼン:「……それが、10年前の話。貴方も知ってる娘よ……彼女は“鬼がいたから”救われたの」そう言って、正面から勇吾の瞳を見つめます。そして勇吾の目には、アイゼンと愛理の姿が重なって見える(笑)。
GM:「…ゴオォォォオ!」獣の叫びを上げる勇吾の瞳に、悲しげな色が宿る。その声もどこかしら寂しい響きがするが、戦う気をなくしたようではない。
アイゼン:では、メジャーで矢を撃ちます。(ころころころ)またクリティカル!
GM:(ころころ)回避できず。ダメージどうぞ!
荒雷鬼:愛理、おやっさん、鬼殺しへの絆を固定して、アイゼンに愛を3点。
酒天:こちらも、愛を2点。アイゼン、鬼への絆を固定。
アイゼン:「あたしの愛で逝かせてあげるわ…貴方の中の、憎しみという悪鬼を!」HA《剣魂一擲》使用! 小枝への絆を固定して、愛をアラキに。そして即消去。AGP7点全部使って、(ざらざらーっ)104点の〈魔〉属性ダメージ!
GM:では、こちらはHA《運命の紡ぎ手》を使用します。(ころころ)…AGP2点使って14点しか引けない(笑)。
アイゼン:あら(笑)。愛と勇吾と酒天への絆を固定。酒天に愛3点あげるわ。
酒天:受領。
GM:では、荒木どうぞ。
荒雷鬼:「終わりにしようぜ…お前の悲しみも恨みも、俺たちが背負う。だから、もう、愛する者の所に帰ってやれ……」マイナー《エネルギーチャージ》、メジャーで攻撃(ころころ)達成値26!
GM/勇吾:「……グルルルルル」HA《死に至る病》を使用!
アイゼン:《電光石火》で返せるけど、どうする?
荒雷鬼:どちらでも(笑)。
酒天:じゃあ、荒木の絆を固定して、アイゼンに愛を1点。
アイゼン:それじゃHA《電光石火》!
GM:通します。ダメージかもーん!
荒雷鬼:ではオートで《期待の星》、更にHA《フルファイア》!
アイゼン:時次郎への絆を忘却で取得、すぐ固定してアラキに愛を1点。
酒天:今拠出できるのが弱きもののへの絆1点。これを渡しておきます。
荒雷鬼:宇喜多時次郎へのエゴを固定、合計AGP4点使用。「迅雷烈震!」(ざらざらーっ)〈魔〉の83点!
GM:HA《歩く影法師》で《運命の紡ぎ手》をコピー。(ころころ)AGP2点使って16点引いて……まだ生きてます!
荒雷鬼:「酒天、後は任せた!」AGP2点。今はいないあなた、酒天の絆を固定。
酒天:受領。
GM/勇吾:「ウガアァァァアッ!!」と胸に刺さった矢に手を当てながら、電撃で痺れている…が、酒天の方に向き直り、突進していく!
酒天:「…言え。お前がなりたいものは、『悪鬼羅刹』でも『鬼殺し』でもあるまい。せめて…せめて、向こうで愛する者と、生まれてこなかった子をその手に抱くために…お前は、『名波勇吾』に戻るんだ!」カウンターの一撃を放つ。(ころころ)達成値25。
GM:その一撃は避けない。むしろ吸い込まれるように、酒天の拳が勇吾の胸に突き刺さる! ダメージどうぞ!
酒天:もらったAGPでHA《律の破壊者》を発動。AGP5点消費。(ざらざらーっ)111点の魔!「…せめて、家族の下へ…行け」
GM/勇吾:「……これで、これで小枝と小太郎の所へ……」勇吾の姿が、鬼から人へと戻ります。
アイゼン:「――――まだよ。貴方は七人の『鬼』を殺した。つまり、彼らの命を背負っているの…」勇吾に近づきます。「…だから、選ばせてあげる。このまま死んで楽になるか……それとも、生きて償いをするか」
荒雷鬼:「アイゼン……」
アイゼン:「甘えたいなら、そう言いなさい。あたしは愛の女神だから…それくらいは、許してあげてもいいわ」
酒天:「……」
荒雷鬼:アイゼンにAGP1点。弱者への絆を固定。
GM/勇吾:「……やめて…くれ。もしも…俺を少しでも、哀れと、思うなら…このまま愛する妻と…息子の下へ…いかせて、くれ。勝手な願いとは、百も承知だ。だが…俺は……」
アイゼン:「時として、生きることは死ぬよりも辛い。…今すぐ死んで、家族の元へ行く? 小枝は、きっと貴方を許すでしょう。けれど貴方は、それで『自分自身』を誇りに思えるの?」厳しい瞳で見据える。「もう一度訊くわ。状況に流されるのでなく、自分自身の意志で選びなさい。名波勇吾!」…さて、どちらに転ぶかしら?
荒雷鬼:…うーん、個人的には死なせてやってもいいような……。
アイゼン:うん、実はPLもどちらでもありだと思ってる(笑)。ただ、このまま楽に死なせてはあげない(笑)。
荒雷鬼:なるほど(笑)。
アイゼン:アイゼンはこのまま『ただ死ぬ』事を甘えと捉えるから。それでも死にたいなら「甘えさせて死なせてあげてもいい」と言ったの。
GM/勇吾:「……生きて、どうすればいい? どう償えば…良いというのだ? 俺が生きていたところで…何ができる? 俺は…妻も息子も救えなかった情けない男だ。それに、俺を必要とする者などいない。俺を知る者は全てあの世にいるのだから……」さめざめと、恥も外聞もなく、涙を流す。まるで、迷子になって心細く母親を求める子供のように。
アイゼン:「…貴方を知っている者は、ここにいるわ…それに、生きていくことは辛いけれど、それしかないわけでもないでしょう。償いの方法は生涯かけて考えるの。生きて…いくのならね」そっと勇吾の頭を胸に抱き寄せます。そしてHA《アドベント》。時次郎への絆を消して、アラキからもらったAGPを足します。
GM/勇吾:「……俺は生きていていいのか? 償うことなど本当に……いや、この問いこそ甘えだな……。償うことはできないだろう。だが、償い続けることはできる。この身が朽ちる時まで…小枝…小太郎……今しばらく、あの世で私を待っていてくれ……」


GM:では、ここでシーンエンド。エンディングで何かこういうことやりたいという希望はあるでしょうか?
アイゼン→愛理:愛理は、再び『鬼ヶ島』を訪問するつもりでした。
荒雷鬼→アラキ:では、そこにいなきゃいけませんね。
GM:他の方は? なければ、皆で鬼ヶ島にしますか?
酒天:まあ、こちらは誰に依頼されたわけでもなし…OKです。
GM:では、鬼ヶ島と言うことで。
アラキ:ところで、人間性は?
GM:マイナスの人いますか?
アラキ:アラキはプラスだけど。
酒天:実は10を切っていなかったり。燃費だけはよし。
愛理:6残ってるから、大丈夫。結局、変身用の《神性介入》しか使わなかった(笑)。
GM:では、OKですね。…結局、狸の置物のまんまフェードアウトされた、陽火人と大嶽丸であった(笑)。
愛理:…そう言えば(笑)。
アラキ:これをきっかけに、正義の鬼として一歩踏み出すんですよ。自分を助けてくれた鬼に憧れて(笑)。


 

■エンディングフェイズ■


●シーン11 『旅の途中』  共通ED

○一膳飯屋『鬼ヶ島』


GM:では、あれから数日後の鬼ヶ島。
アラキ:まだ宿題をやってます(笑)。
酒天:一杯引っ掛けてます(笑)。
GM/おやっさん:「学生も大変だな……これ、お通しです」と、酒天の前に置く。
酒天:「ああ。頂こう」
愛理:では、そこに引き戸を開けて登場しましょう。「…あの、こんにちは」
GM/おやっさん:「いらっしゃい」
愛理:「…荒木くん、宿題終わりそうですか?」
アラキ:「何としても終わらせる! でないと修学旅行にも参加せずに補習に出る羽目になるんだ!」
GM/おやっさん:「そうか…修学旅行は、いつあるんだ?」
アラキ:R−3さん、いつなんでしょう?(笑)(*近い内に、修学旅行ネタのシナリオをやろうと話していた)
酒天:…近いうちに(笑)。時機としては、10月くらいのイベントかな?
愛理:「大変ですね…あの、ここ餡蜜は置いてますか?」店の主人に…って、ここ甘味処じゃないんですよね。一瞬、勘違いしてた(笑)。
酒天:飯屋ですな(笑)。
愛理:女の子向けのメニューって、ありますか? うっかり、餡蜜を注文しそうになってしまったんですが(笑)。
GM:どうなんですか、設定したR−3さん?(笑)
酒天:頼めば、何でも出てきますよ、きっと(笑)。
GM:むう、さすがはおやっさん!(笑)
酒天:メニューに無いものは、店主が受けて立ちます(笑)。
愛理:…どんな餡蜜が出てくるやら(笑)。
GM/おやっさん:「ございますよ、お嬢さん。少々お待ちください」一度、奥に引っ込むと何やらギュインとかガキンとか、おかしな擬音が聞こえてきます(笑)。
愛理:「……」そこはかとない不安を感じる愛理(笑)。
GM/おやっさん:「…お待たせしました」と、見た目は結構おしゃれな感じで、匠の域に達している餡蜜が出てくる。……どんな餡蜜だ(笑)。

 そもそも食えるのだろうか、その餡蜜は(笑)。

愛理:「―――勇吾さん、今頃どうしてるんでしょうね…」ぽつり、と呟く。
酒天:「旅の途中、さ。あの男は」
アラキ:「……」
愛理:「旅…ですか? 結局あれから見つけられなかったけど…」出された餡蜜をつつきつつ。「……でも、きっとまた逢えるような気がするんです。いつか、きっと…」
酒天:「…そうだな。また、会えるだろう」
アラキ:「旅、それはロマン、出会い、食べ歩き、そして女湯! だから、何としても修学旅行に!」
愛理:「そのためにも、まず溜まった宿題を片付けないといけませんね。頑張ってください」(笑)
GM/おやっさん:「そうだな。では、修学旅行に行く前に仕事を一つ片付けてもらうか。次の仕事は……」
アラキ:ごばあ!(吐血) おやっさんのオニー!」
GM/おやっさん:「鬼はお前だろうが」(笑)
アラキ:「ならば鬼殺しー!!」
GM/おやっさん:「はっはっは、文句を言う暇があるなら、早く片付けた方が良いぞ」
アラキ:「ううううう〜」アラキの目からは滝のような涙が(笑)。
酒天:「…あいつも大変だな」小さく笑って。「お勘定」
GM/おやっさん:「へい、ありがとうございます」
愛理:「あ、あの! …お名前、訊いてもいいですか?」立ち去る酒天に向かって。
酒天:「―――酒天。仲間は、そう呼ぶ」
愛理:「酒天さん、ですか…また、逢えますよね!」ふわりと微笑む愛理。目尻に、何故か光る物が滲む。
酒天:「…そうだ」通り過ぎる時に、ふと立ち止まり。「昔を忘れることにしているのは、自慢できることなど何一つ無いからだが…それでも忘れられないことってのがあってな。満更、この人生も悪いものじゃない。時には、自分の生き方を変えるような出来事にも出会うものだ。…ありがとう」愛理にそれだけ言い置いて、出て行きます。
愛理:「……? …どうして『ありがとう』なのかしら…?」酒天が去った後で考え込む(笑)。
GM:では、カメラは鬼ヶ島の店を写し、徐々に離れていく……。



アラキ:
「誰か宿題やってくれ〜!!!」



THE END


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